JPH06109690A - 中空糸電極及びそれを用いた電気化学検出器 - Google Patents

中空糸電極及びそれを用いた電気化学検出器

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JPH06109690A
JPH06109690A JP4245486A JP24548692A JPH06109690A JP H06109690 A JPH06109690 A JP H06109690A JP 4245486 A JP4245486 A JP 4245486A JP 24548692 A JP24548692 A JP 24548692A JP H06109690 A JPH06109690 A JP H06109690A
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睦哉 松原
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正幸 宇都
Masakatsu Sano
正勝 佐野
Nobuo Katsuura
信夫 勝浦
Osamu Igarashi
治 五十嵐
Atsushi Nakayama
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 中空糸を利用することにより高感度な電極を
提供し、また、この電極を備えることにより高感度な電
気化学的検出を可能にする電気化学検出器を提供するこ
と。 【構成】 金属被覆中空糸12の端部に銅線を固定し、
これらをガラス管内に挿通した中空糸電極を作用電極、
銀/塩化銀電極を参照電極22、Ptコイル電極を対極
24として用い、試料溶液が中空糸の細孔を通過し中空
糸の内側から外側に浸出する際に金属層と確実に接触し
て、溶液中の目的成分がその酸化体になる。この時の中
空糸電極に流れる電流を電流−電圧変換後増幅すること
により、高感度な電気化学的検出が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は中空糸電極及びこの中
空糸電極を用いた高感度な電気化学検出器に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来から、試料中の目的成分の分析、例
えば試料溶液中のイオンの活量や濃度を測定するには、
電気化学検出器が使用されている。この種の電気化学検
出器は、目的成分の濃度に応じた電気信号を出力する作
用電極と、基準値を与える参照電極とを備え、両方の電
極を試料溶液に浸漬し両電極間の電流電圧曲線を測定す
ることが行われていた。
【0003】従来から電気化学検出器において、作用電
極として棒状または線状の銀、白金、タングステン、ス
テンレス、白金黒、炭素、半導体が使用され、基準電極
として銀/塩化銀電極が使用されていたが、最近では中
空糸を備えた電極の応用が検討されている。例えば、特
開昭61ー11650号には、参照電極が両端を密封し
た多孔質中空繊維の中空部にゲル化電解質とともに封入
された電極から構成されたイオン選択性検知器が開示さ
れている。また、実開昭61ー118303号には、電
極の回りに親水性の多孔質中空糸を充填した不関電極が
開示され、そして、実開昭60ー153101号には、
選択性透過膜を中空糸で被覆保護した生体電極が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の電気化学検出器
では、作用電極として直径3mm程度の平面電極を使用
し、その平面電極の表面を厚さ10〜100ミクロンの
溶液を流すことにより電極表面に到達した分子やイオン
が反応に寄与しこれが検出されるのみであった。したが
って、目的成分が低濃度である場合の測定精度が著しく
低下する問題があるため、高感度な電極が望まれていた
が、先に述べた中空糸を備えた電極を含めて従来の電極
では未だ高感度化が達成できていない。また、特開昭6
2−186904号には中空糸の片面または両面に、極
く薄い導電層を形成することが開示されているが、開示
されている方法では中空糸を金属で被覆することができ
ず、高感度な電極は未だ得られていない。したがって、
目的成分を試料溶液から検出する際に、一定濃度以下に
はできず試料溶液の量も比較的多くなって微量検体の電
気化学検出が困難であるという問題があった。
【0005】この発明はこのような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は中空糸を利用することによ
り高感度な電極を提供することにある。またこの発明の
他の目的は、この電極を備えることにより高感度な電気
化学的検出を可能にする電気化学検出器を提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係わる電極は、多孔質中空樹脂に金属を被
覆してなる中空糸電極であって、前記金属は前記多孔質
中空樹脂に化学的に結合していることを特徴とするもの
である。そして、本発明に係わる電気化学検出器は、参
照電極と作用電極とを有し、作用電極は多孔質中空樹脂
に金属が被覆された中空糸電極からなることを特徴とす
るものである。
【0007】さらに、この電気化学的検出器は、中空糸
電極に試料溶液を送給する手段と、試料溶液が当該電極
の細孔から浸出する際の電気信号の変動を検出する手段
と、を有する。
【0008】
【作用】本発明に係わる中空糸電極は、多孔質樹脂に金
属が化学的に結合しているために、多孔質中空樹脂に対
する金属の被覆強度が大きくなるとともに被覆量が増大
する。さらに、多孔質中空樹脂の細孔内部まで金属が被
覆されているために、極めて大きい導電表面積が得られ
ることになり、その結果、単位体積当たりの金属の表面
積が大きくなって目的成分が金属と接触する頻度が高く
なり高感度の電気化学的検出を可能とする。
【0009】そして、従来の電気化学検出器では平面電
極の表面に到達した目的成分のみが検出されているにす
ぎないのに対し、本発明の電気化学検出器の中空糸電極
に試料溶液を通過させると、試料溶液が中空糸の内側と
外側とを連通する細孔によって細分化されながらこの細
孔と接触し細孔内を通過する。細孔の回りには金属が被
覆されているために、試料溶液中の目的成分が金属表面
と接触する確率が高くなって従来の電気化学検出器と同
濃度、同量の目的成分を検出しようとした時、より大き
な電気信号が得られ高感度な電気化学検出を可能とす
る。
【0010】本発明の中空糸電極は、酸化・還元反応、
中和反応に関与して電位、電流値が変化、決定できるも
のであり、多孔質中空樹脂を被覆する金属は、分析目的
物の種類に応じて選択される。ニッケル、銅を被覆する
と炭水化物、ポリペプチド等の電気化学分析が可能にな
る。その他、酸素濃度の分析には白金を被覆すれば良
い。このように本発明の中空糸電極は電気化学反応に対
して高感度となり、したがって、この中空糸電極を用い
た電気化学検出器は高感度な電気化学検出を可能にす
る。このような高感度な電気化学検出器は、生化学検
査、環境検査等の微量検体の電気化学検出に特に有効で
ある。
【0011】多孔質中空樹脂に金属を化学的に結合させ
るためには、樹脂をまずエッチング処理する。エッチン
グ処理は、例えば、高濃度のアルカリ、高濃度クロム酸
・硫酸、高濃度の硫酸・硝酸、およびフッ化水素化アン
モニウム・硫酸のいずれかにより行うことが好ましく、
樹脂の種類に応じて使い分けられる。
【0012】エッチング処理された樹脂を金属塩の溶液
で処理すると、金属と樹脂とが化学的に結合する。金属
は、例えば、PdおよびSnの少なくとも一つを含む触
媒金属と、これを核にして形成され、主として無電解メ
ッキである無電解処理用の金属である、例えば、Ni,
Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,Agの少な
くとも一つの金属からなる。この金属の上にさらに、主
として電解メッキである電解処理用の金属である、例え
ば、Cr,Zn,Ag,Au,Pt,Al,Mn,B
i,Se,Te,Cd,Ir,Tiの少なくとも一つの
金属を形成することもできる。エッチング処理及び上記
の金属処理により十分な量の金属を中空糸に被覆するこ
とができる。
【0013】本発明に使用される多孔質中空樹脂として
は、エッチング処理によって金属との化学結合可能な官
能基を生じるものが好ましく、特に、ポリアクリロニト
リル,ポリアリレート,ポリスルフォン,フェノキシ樹
脂,ポリアミドイミド,ポリエーテルスルフォン,AB
S,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリアミド,ポリ
エーテルイミド,アクリルウレタン,ポリイミド,シリ
コン系樹脂、セルロース系樹脂の少なくとも一つを有す
る。
【0014】この出願の発明者は、多孔質中空糸樹脂を
エッチングして金属塩の溶液で処理すると、接着強度が
高い状態で金属を被覆できる機構について鋭意検討した
結果、次のような知見を得るに至った。高濃度のエッチ
ング処理を樹脂について行うと、樹脂の脱水素化、樹脂
の酸化、樹脂の開裂、加水分解等により、樹脂側に炭素
ラジカル,カルボキシル基(−COOH),カルボニル
基(−C=O),水酸基(−OH)基、スルホン基(−
SO3 H)、ニトリル基(−CN)等、金属と化学結合
可能な官能基を生じる。これらの官能基が、金属原子又
は金属イオン(M)と結合することにより、例えば、−
CM,−COOM,−COM,−OM、−SO3 M,−
CMNを形成して金属が樹脂に化学的に結合する。
【0015】次に、例えば、高濃度のクロム酸・硫酸混
合液を使用してポリプロピレンをエッチングした場合の
考えられる機構について説明する。高濃度クロム酸・硫
酸溶液では、次に示す化1の反応式のように、発生期の
酸素が生ずる。
【0016】
【化1】 そして、次に示す化2の反応式のように、この発生期の
酸素はポリプロピレンの三級炭素を酸化して、これを水
酸基にする。この水酸基は、アンモニア水中でアンモニ
ウムイオン(NH4 + ) とイオン結合を形成し、次い
で、金属原子又は金属イオンと反応すると、金属(M)
はアンモニウムイオンと置換し、金属が配位又は電気的
に酸素原子に化学的に結合する。従って、−COMの化
学結合が生じ、この結果、多孔中空質樹脂に金属が化学
的に結合することになる。
【0017】
【化2】 クロム酸・硫酸濃度がさらに高くなったり、反応温度が
高くなった場合等エッチング条件がより厳しいものにな
ると、次の化3の反応式のようにポリプロピレンが開裂
して、カルボキシル基が発生する。この場合でも、化2
の反応と同様の機構により、カルボキシル基に金属原子
又は金属イオンが配位又は電気的に結合して、−COO
Mが生じることにより多孔質樹脂に金属が化学的に結合
する。したがって、金属と樹脂との境界では樹脂−金属
の化学的な結合が生じているために、樹脂に金属を確実
に被覆することができるとともに、金属の接着強度を従
来に比較して格段に大きくできる。
【0018】
【化3】 エッチング処理液としては、樹脂に金属と化学結合可能
な官能基を形成できるものである必要があり、高濃度の
クロム酸・硫酸溶液、高濃度の硫酸・硝酸混合液、高濃
度の水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の強塩基、フ
ッ化水素アンモニウム・硝酸等が挙げられる。エッチン
グ処理液は樹脂に前記官能基を形成する必要から、高濃
度であることが必要であり、具体的には、クロム酸濃度
が30〜50%で硫酸濃度が10〜40%のクロム酸・
硫酸溶液、10〜30%の強アルカリ、10〜30%硫
酸と10〜30%硝酸とからなる硫酸・硝酸混液、10
〜40%フッ化水素アンモンと40〜70vol%の硝
酸とからなるフッ化水素アンモン・硝酸混液が挙げられ
る。
【0019】また、多孔質樹脂は、エッチング処理液に
より金属と化学結合可能な官能基を形成できる反応領域
を有することが望ましく、特に、三級炭素を有するポリ
プロピレン、不飽和結合を有するABS、スルホニル結
合(O=S=O)を有するポリスルフォン,ポリエーテ
ルスルフォン、(-O-Si(CH3)2-O-)n を有するシリコーン
系樹脂、(-C-O-C-) n のエーテル結合を有するポリエー
テルイミド、ポリエーテルスルフォン、エーテル基及び
OH基を有するフェノキシ樹脂およびセルロース系樹
脂、−CN基を有するポリアクリロニトリルであること
が望ましい。そして、高濃度アルカリエッチングで加水
分解されてカルボキシル基を生じるポリアリレート等の
エステル樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドイミド系
樹脂、アクリルウレタン等のポリウレタン系樹脂、ポリ
エーテルイミド系樹脂も望ましい。
【0020】もっとも、ポリエチレン等のようにこれら
の反応領域を有しない樹脂であっても、エッチング条件
をより厳しくすることにより炭素−炭素結合が開裂した
り、炭素が酸化される等により、前記官能基を発生する
ものでも良い。以上のように、いかなるエッチング処理
液が使用されるかは、樹脂の種類に応じて決定される。
尚、予め金属と化学結合可能な前記各種の官能基を有す
る樹脂(例えば、ニトリル基を有するポリアクリロニト
リル)では、エッチング工程を省略しても金属を樹脂に
結合することができる。
【0021】金属を樹脂に化学的に結合するためには、
無電解処理によることが好ましい。この時、金属の還元
反応を促進する触媒を介在させてこの金属を化学的に結
合することが望ましく、特に、無電解処理の触媒となる
Pd又はPd,Snのような触媒金属を介在させること
が望ましい。この場合、多孔質中空樹脂に一旦触媒金属
が結合する。
【0022】前記エッチング処理を多孔質中空糸樹脂に
ついて行うと、多孔質樹脂の金属の溶液に対する濡れ性
が向上して触媒金属の溶液が多孔質内に浸透し、かつ前
記化1,化2に示す反応式により触媒金属が樹脂と化学
的に結合する。このような触媒金属が結合した樹脂を金
属イオン、錯形成剤、及び還元剤を含有する金属の溶液
で処理すると、触媒金属表面で金属イオンの還元反応が
生じ、他の金属が触媒金属に結合する等の理由により、
触媒金属を核にして、金属層が均一に形成される。した
がって、中空糸電極の単位体積当たりの金属の表面積が
大きくなって、電気化学反応に対しての電極の高感度化
が実現できる。なお、金属の被覆は中空糸の外側および
内側のいずれでも良い。単位体積当たりの金属の表面積
を大きくするため、両側に金属を被覆することが望まし
い。
【0023】触媒金属は多孔質樹脂に化学的に結合して
いるために、触媒金属量も多くなり、この結果、金属の
無電解処理層の量を大きくすることができる。金属の被
覆量は、エッチング処理液の濃度、エッチング処理時
間、金属原子または金属イオンの量を変更することによ
って制御することが可能である。
【0024】無電解処理に際して金属イオンを発生させ
るための金属塩としては、硫酸塩,塩化物,硝酸塩の如
く水溶性のものであれば良く特に限定されない。無電解
処理されて中空糸膜に被覆される金属としては、例え
ば、Ni,Co,Fe,Mo,W,Cu,Re,Au,
Agの少なくとも一種が挙げられる。この金属の析出量
は、金属イオン濃度,温度,反応時間を変えることによ
って制御可能である。樹脂に被覆する金属の合計量の下
限は、電極として必要な導電性を付与する観点から決定
され、そして、その上限は、樹脂の細孔を閉塞しない観
点から決定される。還元剤としては、次亜リン酸ナトリ
ウム等のリン化合物、ホウ素化水素等のボロン化合物の
他、ホルマリン、ブドウ糖等公知のものが使用される。
また、錯化剤としては、金属イオンと安定した錯体を形
成できるものであるなら良くアンモニア、クエン酸、酒
石酸、シュウ酸等公知のものが挙げられる。
【0025】本発明によれば、処理液が多孔質中空樹脂
の細孔内に進入しながら、金属が樹脂に化学的に結合
し、金属が樹脂の表面ばかりでなくその細孔まで被覆し
た状態となりながら、樹脂と金属との結合力を極めて高
くできる。そして、金属の被覆する厚さを樹脂膜の肉厚
に対して10〜100%にもでき、金属の被覆量を、
2.2×10-3〜15.0×10-3モル/m程度まで増
大することもできる。金属の被覆量が多いと電極として
機能するための導電性を獲得できる他、中空糸電極の剛
性を向上することができ、また必要とされる耐圧性能を
向上できる。さらに、多孔質中空糸の細孔内部まで金属
が樹脂に被覆されているために、極めて大きい導電表面
積が得られることになり、電気化学検出器の電極の他、
燃料電池等の各種電池の電極等として広く利用すること
ができる。
【0026】本発明によれば、十分な量の金属を多孔質
中空樹脂に確実に被覆することができるから、導電性を
一層向上できることは、先に述べた通りである。本発明
により比抵抗が1〜20Ω/cmの極めて導電性が良好
な中空糸電極が得られる。ここで、本発明の電極を構成
する多孔質中空糸としては内径が、0.3〜1.0mm
のものが用いられる。径がこの値よりも小さいと電極の
作成が困難となり、一方この値を越えると微量検液での
検出が困難になる。好ましくは0.5〜0.8mmのも
のが用いられる。そして、中空糸の膜厚は、5〜100
0μm、空孔率は3〜15%、好ましくは、5〜7%で
ある。そして、中空糸の細孔は0.2〜0.65μmの
ものが使用される。
【0027】
【実施例】
実施例1(中空糸電極の作成・その1) 内径600μ,空孔率6%の多孔質ポリプロピレン製中
空糸(アクゾ社製)を、クロム酸(CrO3 )30〜5
0%、硫酸10〜40%の混合液(液温50〜65℃)
に数分間浸漬することにより中空糸をエッチング処理し
た。次いで、クロム酸・硫酸溶液から中空糸を取り出し
て十分水洗した後、塩酸の弱酸溶液(塩酸濃度数%)、
アンモニア・苛性ソーダの弱アルカリ溶液を順に浸漬し
て中和する。この後、塩化パラジウム(PdCl2
0.2〜5%、塩酸20%、塩化第二錫(SnCl2
15〜40%溶液(液温30〜50℃)に中空糸を2〜
数分浸漬することによりPdを中空糸に化学的に結合さ
せた。次いで、中空糸を水洗の後、塩酸の弱酸溶液(塩
酸濃度数%)(液温40℃)に1〜2分浸漬して再度水
洗する。次いで、NiSO4 (Ni1〜7%)、クエン
酸ソーダ0.1〜0.3mol、次亜リン酸ソーダ0.
2〜0.5mol、アンモニア水でpHを9.0〜1
0.0にした弱アルカリ性のNiイオン溶液に中空糸を
1〜15分間浸漬して無電解メッキ処理を行った。この
後中空糸を取り出して水洗したところ、金属Niが被覆
された中空糸を得ることができた。
【0028】このようにして得られた中空糸を径方向に
切断し、その断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で調べ
たところ図1に示すようなSEM像(×220)が得ら
れた。図2は、図1を拡大したSEM像(×1500)
である。図1、2において、図の右方向が最外表面であ
る。図1から明らかなように中空糸を形成する多孔質樹
脂の表面から内部に向かって金属Ni1が連続して、均
一、かつ厚膜状に被覆されていることがわかる。このこ
とは、エッチング処理及び金属処理がされていない生の
中空糸の図3に示すSEM像(×200)と比較すると
明らかとなる。図4は、本実施例に係る中空糸電極の外
周表面組織のSEM像(×200)であり、図5はその
拡大SEM像(×1000)である。本実施例の中空糸
電極のの外側表面に金属Niが被覆されていることは、
前記生の多孔質中空糸のSEM像と比較することにより
明らかとなる。図6,7は図4,5にそれぞれ対応する
応する生の中空糸膜のSEM像である。これらの図をそ
れぞれ対比してみると明らかなように、中空糸電極を形
成する多孔質樹脂の表面からその内部に渡って金属Ni
が均一に被覆されていることが分かる。
【0029】実施例2(中空糸電極の作成・その2) 内径0.8mm,空孔率70%の多孔質ポリアリレート
製多孔質中空糸を、塩酸10〜20%溶液(液温30〜
60℃)に数分間浸漬し、次いで水洗する。この後、苛
性ソーダ10〜30%溶液(液温60℃)に5分間浸漬
することによりエッチング処理を行った。水洗の後、塩
酸の溶液(塩酸10〜20%,液温数十℃)に数分間、
次いで、さらに塩酸の弱酸溶液(塩酸数%、液温室温)
に数分浸漬して中和をおこなった後、塩化パラジウム
(PdCl2 )数%、塩酸20%、塩化第二錫(SnC
l)15〜40%溶液(液温30〜50℃)に中空糸膜
を2〜数分間浸漬することによりPdを中空糸膜に化学
的に結合させた。次いで、中空糸を水洗の後、硫酸10
〜40%溶液(液温数十℃)に数分間浸漬して水洗し、
苛性ソーダ10〜20%溶液(液温数十℃)に数分間浸
漬して中和を行った後水洗する。次いで、NiSO4
(Ni1〜7%)、クエン酸ソーダ0.2mol、次亜
リン酸ソーダ0.3mol、アンモニア水でpHを9.
0〜10.0にした弱アルカリ性のニッケルイオン溶液
に中空糸を1〜15分間浸漬させた。この後中空糸を取
り出して水洗したところ、ポリアリレートに金属Niが
被覆された中空糸電極を得ることができた。
【0030】実施例3(中空糸電極の作成・その3、電
極の導電性試験) NiSO4 に変えてCuSO4 (Cu1〜7%)を使用
した以外は前記実施例と同様にして金属Cuが被覆され
た複数の中空糸電極を得た。この中空糸電極の金属Cu
の被覆厚をそれぞれ計測したところ、金属Cu厚は、中
空糸肉厚の平均20〜30%であった。そして、金属の
被覆量は、平均6×10-3mol/mであった。さら
に、これらの中空糸電極の比抵抗を測定したところ、平
均3Ω/cmであった。そこで、通常のニッケルワット
氏浴(液温40℃)に中空糸を1〜3A/dmの条件で
5〜10分間通電して電解処理を行うことにより金属N
iを被覆した。そして、比抵抗を測定したところ、平均
1Ω/cmであった。また、実施例で得られた中空糸電
極について、前記実施例3と同様な方法により、金属被
覆量,金属厚、比抵抗を測定したところ、それぞれ実施
例3と同様の結果を得た。
【0031】実施例4(中空糸電極の作成・その4) その他、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンから
なる多孔質中空糸樹脂ついて前記実施例1又は2と同様
の方法によりエッチング処理、無電解メッキ処理を行っ
たところいずれも均一で厚膜状の金属Niを被覆でき
た。
【0032】実施例5(中空糸電極の作成・その5) 旭化成株式会社製限外濾過膜(ポリアクリロニトリル
製、分画分子量13000および6000)について、
エッチング処理をすることなく、それ以外は前記実施例
1と同様の処理を行った。この結果、図8に示すよう
に、中空糸の外側(図8において、右方向が中空糸の外
側を示す。)に金属Niが化学的に結合した中空糸電極
を得ることができた。
【0033】実施例6(中空糸電極の作成・その6) 前記実施例1のエッチング処理に変えて、62%硝酸6
0〜80%およびフッ化水素アンモニウム20〜40%
の混合液(液温25〜50度)に多孔質中空樹脂を数分
間浸漬してエッチング処理を行った以外は、実施例1と
同様の処理を行った。この結果、実施例1と同様に、金
属Niが被覆した中空糸電極を得ることができた。そし
て、酢酸セルロース製中空糸について、同じ処理を行っ
たところ、同一の結果を得た。
【0034】実施例7(中空糸電極の作成・その7) 実施例1および実施例3で得られた金属Ni、金属Cu
が被覆された複数の中空糸電極を、市販の無電解金めっ
き液(奥野製薬社製OPCムデンゴールド)に数分間浸
漬したところ、中空糸の全面に均一に金属Auを被覆で
きた。
【0035】図9は本発明の金属被覆中空糸を備えた電
極10を示すものであって、外径1.5mmの金属被覆
中空糸12の端部に銅線(径0.2mm)14をハンダ
(銀ペーストでも良い。)16によって固定し、金属被
覆中空糸12をガラス管18内に挿通する。この金属被
覆中空糸12はガラス管18の端部においてエポキシ樹
脂20により当該ガラス管に固定されている。金属被覆
中空糸としては、実施例1によって得られたNi被覆が
なされたものを使用した。なお、中空糸には金属が十分
量被覆されているために、導線とのハンダ付け性は極め
て良好となる。
【0036】次に、この中空糸電極を図10に示すよう
な装置に組み込んで、電気化学測定試験を行った。この
試験では、前記中空糸電極10を作用電極、銀/塩化銀
電極を参照電極22、Ptコイル電極を対極24として
用いる三電極法と呼ばれる手法を用いた。図10の装置
では、絶縁シールドであるファラデーゲージ26内で電
解質溶液27を貯留するビーカ28を攪拌器30上に載
置してあり、前記各電極がこの溶液中に浸されている。
なお、32は攪拌棒を示す。
【0037】符号34は中空糸電極10に流れる電流を
電流−電圧変換後増幅しレコーダーに信号を出力するポ
テンシオスタットであり、符号36は電極にかかる電圧
を任意の速度、電圧幅でコントロールするポテンシャル
スイーパーであり、符号38はポテンシオスタットから
の電流信号をY軸に、ポテンシャルスイーパーからの電
圧信号をX軸に受け取り、電流−電圧曲線を描くX−Y
レコーダーを示すものである。
【0038】前記電解質溶液は糖検出のための溶液であ
り、既報(Determination of Carbohydrates by Liquid
Chromatography with Oxidation at a Nickel(III)Oxi
deElectrode, Analytical Chemistry,58巻 P.3203-3
207 1986年)にしたがって、0.15M NaOH
を用いた。この溶液に1Mグルコースあるいはサッカロ
ース溶液50〜250μlを加えることで糖濃度を1〜
5mMに変化させた。測定の結果得られたサイクリック
ボルタモグラムを図11に示す。ここで、サイクリック
ボルタモグラムとは、電流電圧曲線のことであり、電極
に任意の電位を印加し、その時に流れる電流を電圧に対
してプロットしたものである。ここでは、電位を0Vか
ら+0.7Vに変化させた後電位を負の方に−0、1V
まで変化させ、さらに0まで変化させることによって電
位を一回転させている。
【0039】図11に示すサイクリックボルタモグラム
によれば、中空糸電極では糖を添加したことによる電流
変化は明らかであり、糖濃度に依存して還元波のピーク
電流値が減少した。これは、(1)電極電位の印加によ
ってNiが酸化され3+になる、(2)酸化されたNi
3+と糖が電気化学的に反応して、糖が酸化されNiが還
元される、(3)電極電位がNiの還元電位に達する
が、すでに一部のNiは糖によって還元されているた
め、Ni還元によるピーク値電流は減少する、という一
連のメカニズムで説明される。したがって、中空糸電極
は目的物に対する濃度依存性という点において十分電極
として機能している。
【0040】次に、中空糸電極10を高速液体クロマト
グラフィー用電気化学検出器に用いた例について説明す
る。図12はこの検出器の概要を示すものであり、ガラ
ス管18内に導入される試料溶液の流れに沿って前記中
空糸電極10が当該ガラス管18内に配設され、参照電
極の端部が前記中空糸電極と略垂直にガラス管内に臨ん
でいる。中空糸電極10の後端は前記ガラス管18から
外部に臨んでおり、その先端はガラス管内においてスト
ッパー40によって封止されている(図13参照)。
【0041】中空糸電極の後端の開放面42からは試料
溶液が中空糸電極10内に導入されると(図12参
照)、前記図13およびその一部拡大図である図14に
示すように、試料溶液は中空糸電極の複数の細孔45を
介して内側より外側に浸出し、ガラス管内を通過する。
図14において、符号44は樹脂層を示し、46はこの
樹脂層を被覆する金属層を示す。試料溶液が前記細孔4
5を通過し中空糸の内側から外側に浸出する際に金属層
46と確実に接触して、溶液中の目的成分(例えば糖分
子)48がその酸化体50になる。
【0042】ここでこの電気化学検出器と従来の高速液
体クロマトグラフィー用電気化学検出器を比較してみる
と、本発明の電気化学検出器の効果がより顕著になる。
図15は従来の電気化学検出器を示すものであり、テフ
ロンブロック52内を略「コ」の字状に形成される流路
54の途中に平面電極56を備えた作用電極58が臨ん
でいる。その後流には参照電極22が配置され、その先
端が流路54に臨んでいる。前記流路54の開始端は、
試料溶液が注入されるインレット60を形成し、その後
端は注入された溶液を導出するアウトレット62を形成
する。ここで、従来の電気化学検出器では、直径約3m
mの平面電極の表面を厚さ10〜100μmの溶液が流
れ、電極表面に到達した糖分子のみが酸化還元反応に寄
与して検出される。一方、電極表面に到達しない糖分子
はこの反応に検出することなく系外に放出される(図1
6参照)。
【0043】これに対し、図12の検出器では液流が中
空糸電極の細孔を通過する際に細分化され、数μ以下の
流れとなり糖分子等の目的成分が電極表面と接する確率
を高くすると考えられる。すなわち、先の実施例におい
て使用されたポリプロピレン中空糸の場合、細孔の大き
さは0.1〜1μm、ポリアクリロニトリル製限外ろ過
膜の場合、細孔の大きさは0.01〜0.1μmであ
り、平面電極と比較してポリプロピレン中空糸の場合で
1〜2桁、ポリアクリロニトリル中空糸の場合で3〜4
桁、目的成分が金属と接触する確率が高くなる。その結
果、従来の電気化学検出器と同濃度、同量の目的成分を
検出しようとした時に、より大きな電気信号が得られ電
気化学分析における高感度化を可能にする。尚、中空糸
の細孔よりも大きな成分は当該中空糸を通過することが
できないため、中空糸の細孔の大きさを調整することに
より、高感度検出の対象となる成分を選択することがで
きる。このことは、分子量の大きいポリペプタイドとそ
れが小さいポリペプタイドを分別して高感度検出しよう
とする場合等に有効になる。
【0044】高感度な電気化学検出を可能にする上で、
まず溶液が中空糸電極の細孔を流れるようにすることが
必要である。そのためにポリプロピレン製の各中空糸電
極10(Niコーティグ)の壁面より溶液の通過性試験
を図17に示す装置を用いて試験を行った。図17にお
いて、符号70はアセトン:水混合液を貯留するビーカ
ーであり、符号72はシリンジであり、符号74は60
0mmHgに減圧できる吸引装置を示すものである。
【0045】この装置によりまず蒸留水を吸引しようと
するとなんら溶液は流れなかった。これは疎水性のポリ
プロピレンの特性のためだと思われる。したがって、ま
ずアセトンを吸引させ、次にアセトン80%蒸留水20
%の混合液を吸引といった具合に有機溶媒の比率が高い
溶液から序々にその比を低くしていき最後に蒸留水へと
溶液を変化させ、各々の溶液での吸引量を測定した。
【0046】吸引量の測定方法は、次のとおりである。
シリンジ72中に吸引された溶液の体積(μl)を、そ
れを吸引するのに要した時間(sec)、中空糸の面積
(mm2 ){S=φxlxπ、但し、φは中空糸の直径
(mm)、lは溶液と接している中空糸の長さ(m
m)}で割ってやることにより単位時間、単位面積当た
りの吸引量(μl/sec・x・mm2 )を算出した。
【0047】溶液アセトン:蒸留水との体積比は次のよ
うに順に変化させた。(100:0)、(80:2
0)、(60:40)、(40:60)、(20:8
0)、(0:100)
【0048】中空糸としては外側にのみNiを被覆させ
たもの(片面コーィング)と、外側と内側の両面にNi
を被覆させたものを用いた。図18は、各アセトン濃度
における吸引量のプロットを示すものである。
【0049】片面コーティングの中空糸電極では、中空
糸の外側のみが金属で被覆されており、内側は中空糸の
形成材であるポリプロピレンが露出している。これは先
に述べたように疎水性であり、いきなり蒸留水を流そう
とするとその撥水性によって水が細孔内中に入り込めな
い。これに対しアセトンは非極性溶媒であるため、ポリ
プロピレンに馴染みが良く、容易に細孔中に入り込める
ため、単位時間当たりの吸引量が大きい。さらに一度ア
セトンのような水とも混じり合う有機溶媒を流すと、水
のみでも中空糸を通して流れるようになる。
【0050】これに対し、両面コーティング中空糸電極
はアセトン処理無しに水だけでの透過が可能であった。
しかしながら、透過速度は溶液組成全般に渡って片面コ
ーティングのものが両面コーティングのものよりも大き
い。これは両面コーティングのものでは、金属析出によ
って細孔が狭められているためと考えられる。
【0051】図19は前記中空糸電極を備えた電気化学
検出器を高速液体クロマトグラフィー検出系に組み込ん
だシステム構成を示すものであり、図20は電気化学検
出器を拡大したものである。図19のシステムは、イン
ジェクター76を備えたポンプ78と、ペリスタポンプ
80と、シールド82内に設けられた電気化学検出器8
4と、ポテンシオスタット34と、レコーダー38とか
ら構成される。
【0052】図20に示すように、前記電気化学検出器
84は、試料溶液および移動相として0.15N Na
OHが供給される流路を画成する管路86を備え、この
流路に対して直角に中空糸電極が接着材20によって固
定されている。符号10は中空糸電極を示すものであ
り、符号88はこの中空糸電極に連接された導入管であ
る。管路86の上流側の先端には洗浄液を管内に供給す
るための導入管90が接着材92によって固定されてい
る。この洗浄液は、中空糸電極から浸出してきた試料溶
液を迅速に洗い流すために用いられるものであり、移動
相と同じ溶液が使用される。
【0053】そして、前記管路86の中空糸電極の僅か
に後流側はT字状に一体に形成され、このT字部分に参
照電極22が配設されている。さらに、この参照電極2
2の後流側には対極24が設置されいる。前記ポンプ7
8は試料溶液および移動相である0.15N NaOH
をインジェクタ76から加圧送給する。試料溶液および
移動相は、前記導入管88から中空糸電極10の内側に
送られ、細孔を通過して中空糸の外側から管路86内に
浸出する。前記洗浄液は、ペリスタポンプ80によって
導入管90より管路86内に送給される。本実施例で
は、0.15NNaOHを1ml/minで流しながら
μM〜nMレベルの糖溶液(グルコース、サッカロー
ス)を50〜200μl注入した。中空糸電極として
は、実施例1によって得られた水を透過させることがで
きる両面Niコーティングのものを用いた。検出器の印
加電圧としては、Niの酸化可能な+0.6V vs.
SECとして中空糸電極に流れる電流を観測した。
【0054】図21は得られた、グルコース、サッカロ
ースのそれぞれの電流シグナルを示し、図22はシグナ
ルのピーク電流値を糖の濃度に対してプロットした検量
線を示すものである。この結果、糖の濃度に対してピー
ク電流値は比例関係にあり、糖の電気化学的定量が可能
になるとともに、従来の電気化学検出器を用いて得られ
た電流値よりも大きな値を示すため、高感度分析が可能
になる。
【0055】前記既報中に記載された従来の電気化学検
出器、すなわちNi電極を用いて22ppm のグルコース
50μlを注入した時(グルコース6.1nmol)、
2.16μAの信号強度が得られる。これを直接図22
の検量線と比較すると本発明実施例の中空糸電極の感度
が約20倍優れていることが理解される。しかも、従来
のNi電極の面積は23.77mm2 であり、この実施
例の中空糸電極は5mm程度の長さにすぎないことを考
慮すると、中空糸電極の検出感度が優れていることを理
解できる。
【0056】以上説明した実施例では、電気化学検出の
際、中空糸電極の内側から外側に向かって試料溶液を送
給したが、中空糸電極の外側から内側に向かって試料溶
液を送給するようにしても良い。また、前記実施例では
参照電極として、銀/塩化銀電極を使用したが、公知の
他の参照電極である標準水素電極、カロメル電極等を使
用することもできる。さらにまた、本発明の電気化学検
出器に使用される中空糸電極として、蒸着等公知の方法
により中空糸に金属被覆が形成されたものの使用を妨げ
るものではない。この時、使用すべき多孔質中空樹脂と
しては、金属被覆ができるものであれば特に限定されな
い。
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
多孔質中空樹脂に金属を被覆した構成となっているた
め、中空糸を利用した高感度な電極を提供することがで
き、そして、この電極を備えることにより高感度な電気
化学的検出器を提供することができる。
【0058】
【図面の簡単な説明】
【図1】金属被覆された中空糸電極断面組織の走査型電
子顕微鏡写真である。
【図2】図1の拡大写真である。
【図3】金属が被覆されない中空糸の図1に対応する走
査型電子顕微鏡写真である。
【図4】金属被覆された中空糸電極外側表面組織の走査
型電子顕微鏡写真である。
【図5】図4の拡大写真である。
【図6】金属被覆されない中空糸外側表面組織の走査型
電子顕微鏡写真である。
【図7】図6の拡大写真である。
【図8】金属被覆されたポリアクリルニトリル製中空糸
電極の走査型電子顕微鏡写真である。
【図9】中空糸電極を備えた電極素子の構成を示す図で
ある。
【図10】電気化学測定試験装置の構成を示す図であ
る。
【図11】電気化学測定試験の結果得られたサイクリッ
クボルタモグラムである。
【図12】電気化学検出器の構成を示す図である。
【図13】図12のXIII部分の拡大図である。
【図14】図13のXIV部分の拡大図である。
【図15】従来の高速液体クロマトグラフィー用の電気
化学検出器の構成を示す図である。
【図16】図15に示す電気化学検出器の平面電極付近
の拡大図である。
【図17】中空糸電極の透過実験のための装置の構成を
示す図である。
【図18】中空糸電極の透過実験結果を示す特性図であ
る。
【図19】本発明に係わる電気化学検出器を備えた高速
液体クロマトグラフィー測定系の構成図である。
【図20】図19に示す電気化学検出器の拡大図であ
る。
【図21】図19のシステムによって得られた電流値シ
グナルを示す特性図である。
【図22】図21の電流値を糖の濃度に対してプロット
した検量線の特性図である。
【符号の説明】
1 金属Ni被覆層 10 中空糸電極(作用電極) 12 金属被覆中空糸電極 22 参照電極 34 ポテンシオスタット 38 レコーダー 78 ポンプ 80 インジェクター
【手続補正書】
【提出日】平成5年7月9日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 勝浦 信夫 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内 (72)発明者 五十嵐 治 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内 (72)発明者 中山 敦 神奈川県相模原市西橋本2丁目23番3号 日幸工業株式会社R&Dセンター内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質中空樹脂に金属を被覆してなる中
    空糸電極であって、前記金属は前記多孔質中空樹脂に化
    学的に結合していることを特徴とする中空糸電極。
  2. 【請求項2】 参照電極と作用電極とを有する電気化学
    検出器において、前記作用電極は多孔質中空樹脂に金属
    が被覆された中空糸電極からなる電気化学検出器。
  3. 【請求項3】 前記金属が多孔質中空糸樹脂に化学的に
    結合している請求項2記載の電気化学検出器。
  4. 【請求項4】 前記電気化学検出器は、中空糸電極に試
    料溶液を送給する手段と、試料溶液が当該電極の細孔か
    ら浸出する際の電気信号の変動を検出する手段と、を有
    する請求項2または3記載の電気化学検出器。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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