JPH0610955B2 - 電磁接触器の可動鉄心 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は、超小形電磁開閉器の可動鉄心に係り、特に可
動鉄心の平面度を得るための加工時間の短縮が可能な可
動鉄心に関する。

〔発明の背景〕 従来の可動鉄心のは、実開昭５８−２６１４６号公報に
その形状の１例が示されるように研摩を行なつて接触面
の平面度を得ていたので加工速度が遅いという欠点があ
つた。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、平面度を得るための加工時間を短縮可
能な電磁接触器の可動鉄心を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明はＥ字形の固定鉄心と、この固定鉄心の中央脚に
装着されたコイルと、略Ｌ字形に形成されてコイルが励
磁されたときに固定鉄心にＬ字の一方の辺が吸引される
ヒンジ形の可動鉄心を有する電磁接触器に用いられる電
磁接触器の可動鉄心において、可動鉄心の一方の辺は固
定鉄心に接触する面に平坦部を備え、この面の裏側の面
に押圧されて形成された複数の凹部を備えたことを特徴
とするものである。

〔発明の実施例〕

本発明の実施例を第１図〜第５図により説明する。

第１図は本発明の１実施例における可動鉄心１を示す。
可動鉄心１は略Ｌ字形に形成され、Ｌ字の長辺の内側部
１ｂに複数の凹部１ｃを備えて成る。

第２図に凹部の１例の拡大図を示す。本実施例による可
動鉄心１は第３図に示すような電磁接触器６等の可動鉄
心として用いられる。可動鉄心１の凹部１ｃの裏側の平
坦面１ａは固定鉄心４との接触面となるため平面度が要
求される。この平面度が充分でないとコイル５が励磁さ
れたときに振動や騒音の発生する原因となる。本実施例
は第５図に示すようにダイ３に多数の突起３ａを設け、
第４図に示すようにダイ３とパンチ２との間に可動鉄心
１の固定鉄心との接触面１ａがパンチ２に当接するよう
に前記可動鉄心１を載置し、プレスにより押圧力Ｆで押
圧加工（以下星打ちという）を行うものである。

パンチ，ダイとも平面のもので加圧すると、可動コアの
肉の移動は、横方向のみとなり、中心部は肉の移動が困
難となる。このため、中心部は、加圧力を取り除いたあ
と、ふくらんでしまう。

星打ちでは、パンチに十分な圧力が加えられ、さらに、
ダイの凹部が肉の移動を吸収してくれるため、より良く
平面度が得られ、かつ横方向のふくらみも少なくなる。

星打ちを行つたものでは平面側の中央部に１０μ程度の
ふくらみを生じることがあるが、製品に組込んだ場合、
中心部は固定鉄心との接触部にならないため実際上の問
題はない。本実施例においては突起３ａは四角錐に形成
されピツチＰ＝１mm、高さｈ＝０．１５mmに設定された
が、突起の形状、ピツチ、高さはこれらに限るものでは
なく、他の錐体または半球、多角柱、円柱等であつても
よい。

また複数の凹部の加工面はＬ字の長辺の内側に限ること
はなく、電磁接触器の構造によつては他の面であつても
よい。

また、本実施例によれば可動鉄心を製品に組込んだ場
合、うなりの騒音レベルを約５ｄｂ下げることができ
る。

また、パンチに突起を設け、ダイを平面にしてもよい。

〔発明の効果〕

本発明によれば、略Ｌ字形に形成された電磁接触器の可
動鉄心のＬ字の内面および外面のいずれか一方の面に押
圧されて形成された複数の凹部を備え、他の面は平担に
なるよう形成することにより、プレス加工で可動鉄心の
平面度を得ることができ、平面度を得るための加工時間
を短縮可能な電磁接触器の可動鉄心を得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例における電磁接触器の可動鉄
心の斜視図、第２図は凹部を拡大して示す斜視図、第３
図は本実施例における電磁接触器の可動鉄心を組込んだ
電磁接触器の一部を破断面とした正面図、第４図は本実
施例における電磁接触器の可動鉄心の加工方法の１例を
示す側面図、第５図は突起を拡大して示す斜視図であ
る。 １：可動鉄心、１ａ：平担面、１ｃ：凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｅ字形の固定鉄心と、この固定鉄心の中央
   脚に装着されたコイルと、略Ｌ字形に形成されて上記コ
   イルが励磁されたときに上記固定鉄心にＬ字の一方の辺
   が吸引されるヒンジ形の可動鉄心を有する電磁接触器に
   用いられる電磁接触器の可動鉄心において、上記可動鉄
   心の一方の辺は上記固定鉄心に接触する面に平坦部を備
   え、この面の裏側の面に押圧されて形成された複数の凹
   部を備えたことを特徴とする電磁接触器の可動鉄心。