JPH06108315A - リチウムアルミネ−ト繊維の製造方法 - Google Patents

リチウムアルミネ−ト繊維の製造方法

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JPH06108315A
JPH06108315A JP4276687A JP27668792A JPH06108315A JP H06108315 A JPH06108315 A JP H06108315A JP 4276687 A JP4276687 A JP 4276687A JP 27668792 A JP27668792 A JP 27668792A JP H06108315 A JPH06108315 A JP H06108315A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シリカ含有量が少ない、リチウムアルミネ−
ト繊維の製造方法。 【構成】 高純度アルミナ繊維用紡糸原液を紡糸して得
られる繊維を加熱処理して中間アルミナ繊維とし、これ
をリチウム化合物の共存下に再度熱処理する。 【効果】 リチウムアルミネート繊維は、繊維中にほと
んどシリカ成分を含まないため、繊維中のシリカ成分が
リチウムシリケートとして溶融炭酸塩中に溶出する恐れ
がなく、また従来より溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板
補強材として使用されているリチウムアルミネート繊維
に比較して繊維長が長いため、電解質板とした場合、繊
維同士が三次元的に絡み合い高い強度が得られるほか、
燃料電池の運転、停止によって生じる熱応力の影響を受
け難く、亀裂の発生を防止することができるので、溶融
炭酸塩型燃料電池の電解質板補強材として優れた性能を
有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池
の電解質板の補強材として有用な、電解質中で安定で、
電解質板の強度保持に優れた特性を有するリチウムアル
ミネート繊維の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムアルミネート繊維は、電解質に
対する安定性が高く、溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板
の補強材として有用な材料である。従来、このリチウム
アルミネート繊維の製造方法としては、アルミナ質繊
維とリチウム炭酸塩とを反応させる方法、塩基性塩化
アルミニウム化合物繊維に炭酸リチウムを反応させてリ
チウムアルミネート繊維とする方法(特開昭61−29
1414号公報など)、アルミナに水酸化リチウムあ
るいは水酸化リチウムと水酸化ナトリウムを混合した原
料を加熱処理することにより、繊維状リチウムアルミネ
ートを製造する方法(特開昭63−151614号公報
など)などが知られている。
【0003】しかしながら、の方法ではアルミナ質繊
維中に含まれるシリカ成分が炭酸リチウムや炭酸カリウ
ムの溶融炭酸塩と反応して繊維が溶解し、繊維としての
形態が損なわれ、補強材としての性能が失われてしま
い、長時間の使用には耐えられない。また、の方法で
は、塩基性塩化アルミニウム化合物繊維が炭酸リチウム
と反応する前に塩基性塩化アルミニウム繊維中に含まれ
る揮発物質が、熱分解し、揮発するため、繊維形態の維
持が困難であり、100〜300μmの繊維長のものし
か得られない。さらに、の方法は、アルミナ粉末を水
酸化リチウムと反応させる方法であり、得られるリチウ
ムアルミネートは長さが15〜20μmでアスペクト比
が20程度の比較的長い結晶ではあるが、電解質板の亀
裂発生を防止するために充分な繊維同士の絡み合いを生
ずるような長い繊維状の結晶を得るのは困難である。ま
た、従来の電解質板においては、溶融炭酸塩型燃料電池
の運転、停止サイクルに伴い、炭酸リチウム、炭酸カリ
ウムが溶融、結晶化を繰り返すことになり、電解質板も
このような溶融、冷却のヒ−トサイクルを受けるうちに
電解質板に亀裂が生じることがあり、電解質板を介して
燃料ガスが漏洩し、発電効率が低下するといった問題が
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
炭酸塩型燃料電池の電解質板補強材として用いられてい
るリチウムアルミネートにおける従来技術の問題点を解
決し、シリカ含有量が少なく、電解質板の亀裂発生を防
止するのに充分な長さを有するリチウムアルミネート繊
維の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、高純度のアル
ミナ繊維前駆体を主成分とする紡糸原液を紡糸して前駆
体繊維とし、その前駆体繊維を700〜1200℃で一
次焼成して得られる高純度中間アルミナ繊維を、リチウ
ム化合物の共存下に、500〜1000℃の範囲で加
熱、二次焼成することを特徴とするリチウムアルミネー
ト繊維の製造方法であり、好ましい態様として、高純度
中間アルミナ繊維を、リチウム化合物の溶液又はスラリ
ー中に通してリチウム化合物を付着、含浸させたのち、
500〜1000℃の範囲で加熱、二次焼成することを
特徴とするリチウムアルミネート繊維の製造方法であ
る。
【0006】ここで「高純度」とはこのアルミナ繊維前
駆体を主成分とする紡糸原液を紡糸した前駆体繊維をそ
のまま焼成した際に得られるアルミナ繊維中のアルミナ
が95%以上となるものをいう。また、「中間アルミ
ナ」とは、前記前駆体繊維を加熱していくと、結晶水や
紡糸助剤として添加した有機化合物等の揮発成分が揮散
してアルミナ質に変化していき、X線回折ピ−クがブロ
−ド(非晶質)なものから、熱的に不安定な結晶状態で
あるγ−、δ−等を経て、最終的に結晶として唯一安定
型のα−アルミナになるが、このα−アルミナになるま
での過程に存在する非晶質あるいは熱的に不安定な結晶
状態にあるアルミナをいう。
【0007】以下、本発明の方法を詳細に説明する。本
発明の方法においては、先ず、高純度アルミナ繊維の前
駆体繊維を製造し、これを700〜1200℃で一次焼
成して高純度中間アルミナ繊維とする。前駆体繊維を得
る方法は特に限定されるものではなく、無機塩法、前駆
体ポリマ−法、スラリ−法、ゾル法などが適用できる
が、特に高純度のアルミナ繊維の製造法として実用化さ
れているスラリ−法(特公昭57−27210号公報、
特開昭63−75117号公報など)が好適である。
【0008】以下、スラリ−法に基づいて本発明の方法
を詳細に説明する。先ず、塩基性アルミニウム塩の水溶
液又は水とアルコール類等の水溶性溶媒との混合溶媒等
の水系溶媒溶液中に焼成後のアルミナ重量の20〜60
重量%相当量の平均粒径1μm以下のアルミナあるいは
焼成によりアルミナとなるアルミニウム化合物の粉末、
4〜10重量%相当の紡糸助剤、さらに所望により酸化
物基準で3重量%以下の焼結助剤とを含有するスラリー
を紡糸原液とし、これを紡糸、乾燥して前駆体繊維とす
る。
【0009】ここで使用する塩基性アルミニウム塩とし
ては塩基性塩化アルミニウム、塩基性硝酸アルミニウ
ム、塩基性酢酸アルミニウム、塩基性アルミニウムクロ
ロアセテートなどがあげられる。また、紡糸原料の流動
性及び前駆体の安定性を向上させかつ焼成時の揮発分を
少なくし、繊維強度の向上を図るために添加する粉末と
してはアルミナのほか、ベーマイト、バイヤライト、ダ
イアスポアあるいは擬ベーマイトなどの焼結によりアル
ミナとなるアルミニウム化合物を使用することができ
る。
【0010】さらに紡糸原料の曳糸性を向上させるため
の紡糸助剤として、ポリビニルアルコール、ポリエチレ
ンオキシド、ポリプロピレンキシド等の水溶性有機高分
子化合物を酸化物基準で0.1〜10重量%添加する。
【0011】また、焼結助剤としてCuO 、MgO 、ZrO2
PbO 、Cr2O3 、Fe2O3 、MoO3及びTiO2の中から選ばれる
1種以上の酸化物あるいは CuSO4、MgCl2 、ZrOCl2、Zr
Cl4などの焼成によりこれらの酸化物となる化合物を添
加してもよい。
【0012】このようにして得られた前駆体繊維は繊維
径5〜20μm程度であり、これを700〜1200℃
の比較的低温度で一次焼成して高純度中間アルミナ繊維
とする。一次焼成温度は、前駆体繊維の性状、リチウム
化合物との反応条件、目的とするリチウムアルミネート
繊維の性状等により、前記温度範囲内において適宜設定
すればよいが、700℃未満では、リチウム化合物との
処理工程において、高純度中間アルミナ繊維が溶けてそ
の形態保持が困難となるので好ましくない。
【0013】また、1200℃を超えると、中間アルミ
ナ成分がα−転移し結晶質のアルミナに変化してしまう
ので、繊維のしなやかさが失われ、あとの工程において
リチウム化合物と反応させる際に繊維が折れやすくな
り、長さの短いリチウムアルミネート繊維しか得られな
い。さらに、アルミナの結晶がα−転移すると中間アル
ミナに比較して表面活性が低くなり、リチウム化合物と
反応させるためには1000℃を超える高い温度が必要
となるが、この反応温度が高くなりすぎるとリチウムア
ルミネートの結晶が粒成長し、繊維が脆くなるので好ま
しくない。
【0014】700〜1200℃の範囲で焼成した高純
度中間アルミナ繊維は、弾性率が低く、しなやかさを有
しているため、リチウム化合物との混合の際にも繊維の
破断はほとんどない。また、表面活性が大きく、多孔質
であるため、低い温度でリチウム化合物と反応させるこ
とができるのでリチウムアルミネートの粒径制御が容易
である。
【0015】このようにして得られた高純度中間アルミ
ナ繊維をリチウム化合物の共存下に500〜1000℃
の温度範囲で加熱し、二次焼成することによってアルミ
ナとリチウム化合物とを反応させリチウムアルミネート
繊維とする。
【0016】この二次焼成は、高純度中間アルミナ繊維
にリチウム化合物を混合あるいは含浸、付着させた状態
で加熱することによって行うのが好都合である。混合し
た状態で焼成する場合には、高純度中間アルミナ繊維を
例えば5〜50mm程度に切断し、平均粒子径1μm以
下のリチウム化合物と乾式あるいは湿式で混合し、必要
により乾燥したのち、適当な容器に入れて焼成する。ま
た、高純度中間アルミナ繊維をリチウム化合物の溶液又
はスラリー中に浸漬させたのち、乾燥してリチウム化合
物を均一に付着、含浸させる方法が好適である。
【0017】ここで使用する溶媒としては、取扱の容易
さから水が最適であるが、使用する高純度中間アルミナ
繊維の種類、リチウム化合物の種類や使用量等に応じ
て、メタノール、エタノール、ジエチレングリコールな
どのアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエンなどの芳香
族系溶媒あるいはアセトン、メチルエチルケトンなどの
ケトン系溶媒などの有機溶媒又はこれらの混合溶媒ある
いはこれらの有機溶媒と水との混合溶媒などを使用する
ことができる。
【0018】この含浸操作は高純度中間アルミナ繊維を
適当な長さに切断した後に行ってもよいが、紡糸され、
一次焼成した高純度中間アルミナ長繊維を連続的にリチ
ウム化合物の溶液又はスラリー中を通過させる方法が効
率的である。長繊維の形でリチウム化合物を含浸、付着
させた高純度中間アルミナ繊維をそのまま、あるいは適
当な長さに切断したのち焼成することにより、長繊維
状、あるいは長さの揃った短繊維状のリチウムアルミネ
ート繊維を得ることができる。
【0019】ここで使用するリチウム化合物としては、
そのまま焼成した場合の酸化リチウム含有量が95重量
%以上の純度を有し、シリカ含有量の少ないものであれ
ば特に制限はないが、好ましい例としては水酸化リチウ
ム、炭酸リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどが
あげられる。シリカ含有量は、得られるリチウムアルミ
ネート繊維中のシリカ含有量が、紡糸原料に由来するシ
リカ分と合わせて1重量%以下となるように抑えること
が必要である。リチウムアルミネート繊維中に含まれる
シリカ分は、溶融炭酸塩中でリチウムシリケートとな
り、溶融炭酸塩中に溶出するため、リチウムアルミネー
ト繊維の強度を低下させ、電解質板補強材としての能力
を損なう原因となる。
【0020】リチウム化合物の使用量は、二次焼成の段
階でのアルミニウムとリチウムとの元素比が1対1〜
1.5の範囲となるようにする。元素比が1未満ではリ
チウム化反応が充分進行せず、また、1.5を超えると
酸化リチウム結晶が繊維表面に多量に析出し、良好なリ
チウムアルミネート繊維を得ることが困難となるので好
ましくない。
【0021】このようにして得られたリチウム化合物を
含浸させた高純度中間アルミナ繊維を、500〜100
0℃の温度で二次焼成し、リチウムアルミネート繊維を
得ることができる。二次焼成温度が500℃未満ではリ
チウム化反応が充分進行せず、また、1000℃を超え
るとリチウムアルミネートの焼結が進みすぎ、結晶が粒
成長して繊維が脆くなるので好ましくない。
【0022】焼成時間は、高純度中間アルミナ繊維の性
状、使用するリチウム化合物の種類や混合、付着状態、
目的とするリチウムアルミネート繊維中の結晶粒径等に
より適宜定めればよいが、最長で10時間程度とする。
【0023】本発明の方法では、高純度中間アルミナ繊
維にリチウム化合物を混合、付着させ、焼成しているの
で、リチウム化合物が繊維内部に浸透しやすく、また、
反応性も高いので、繊維の長さの長い高純度のリチウム
アルミネート繊維を容易に製造することができる。
【0024】本発明の方法では、高純度中間アルミナ繊
維を最初から5〜50mm程度の長さに切断したものを
リチウム化合物と混合して焼成する方法又は長繊維の状
態でリチウム化合物を含浸、付着させたのち、同様に切
断し、焼成する方法で製造すれば、主として3〜30m
m程度のリチウムアルミネート繊維が得られる。また、
リチウム化合物を付着、含浸させた高純度中間アルミナ
繊維を長繊維のままで焼成すれば長繊維の形のリチウム
アルミネート繊維を得ることができ、またこれを適当な
長さに切断して長さの揃った繊維として使用することが
できる。このリチウムアルミネート繊維は、溶融炭酸塩
型燃料電池の電解質板の補強材としてすぐれた性能を有
しており、リチウムアルミネート粉末、炭酸塩と混合
し、成型、加工することにより、取り扱い性が良好で、
ヒ−トサイクルによる亀裂が生じにくい、強度の高い電
解質板を得ることができる。
【0025】以下実施例により本発明の方法をさらに具
体的に説明する。
【実施例】
【0026】(実施例1)塩基性塩化アルミニウム(Al
2O3 含有率48重量%)214gを855gの水に溶解
させた溶液に平均粒径0.2μmのγ−アルミナ微粉末
50.6gを添加し分散させた。このスラリーにポリエ
チレンオキシド(平均分子量約90万)78.4gを添
加し充分混合し、25℃における粘度が約2000ポイ
ズとなるように調整して紡糸原液とした。この紡糸原液
を0.3mmφの紡糸ノズルから乾燥した紡糸筒内へ押
し出して紡糸し、前駆体繊維を得た。この前駆体繊維を
約50mmの長さに切断し、高純度アルミナ製の匣に入
れ、1050℃まで昇温し、同温度で3時間保持して焼
成し、繊維径約12μm、繊維長約30mmの純度9
9.6重量%のγ−アルミナ繊維を得た。また、この繊
維のシリカ含有量を高周波プラズマ発光分析装置(IC
P)により分析した結果、0.03重量%であった。
【0027】この高純度γ−アルミナ繊維148gと、
粒径1μm以下に粉砕した水酸化リチウム1水和物15
3gとをV型混合機中で20分間乾式混合した混合物
(Al/Li比1/1.26)を、高純度アルミナ製の
匣に入れ、750℃まで昇温し、同温度で2時間保持し
て焼成した。得られたリチウムアルミネート繊維は繊維
径約10μm、繊維長50μm〜30mmの繊維の混合
物であり、X線回折装置による同定及び分析の結果、純
度約92重量%のγ−LiAlO2であった。また、この繊維
のシリカ含有量は0.04重量%であった。得られたリ
チウムアルミネート繊維をリチウムアルミネ−ト粉末に
対して5重量%添加し、更に炭酸カリウム、炭酸リチウ
ム及び有機バインダ−と混練りしたあと、テ−プ成形し
て厚さが1.2mm程度の電解質板を作製した。この電
解質板を溶融炭酸塩型燃料電池のスタックに設置し、6
50〜750℃で作動させたあと、室温まで冷却するヒ
−トサイクルを20回繰り返したが、電解質板からの燃
料ガスの漏洩は認められず、電解質板補強材して好適な
性質を有するものであった。
【0028】(実施例2)塩基性塩化アルミニウム(Al
2O3 含有率48重量%)193gを496gの水に溶解
させた溶液に平均粒径0.1μmのγ−アルミナ微粉末
39.6gを添加し分散させた。このスラリ−にポリエ
チレンオキシド(平均分子量約90万)43.7gを添
加し充分混合し、25℃における粘度が約3000ポイ
ズとなるように調整して紡糸原液とした。この紡糸原液
を0.3mmφの紡糸ノズルから乾燥した紡糸筒内へ押
し出して紡糸し、前駆体繊維を得た。この前駆体繊維を
約50mmの長さに切断し、高純度アルミナ製の匣に入
れ、1100℃まで昇温し、同温度で3時間保持して焼
成し、繊維径約15μm、繊維長約40mmの純度9
9.5重量%のγ−アルミナ繊維を得た。また、この繊
維のシリカ含有量は0.03重量%であった。
【0029】この高純度γ−アルミナ繊維106gを、
5mol/lの濃度の水酸化リチウム水溶液480ml
中に投入して充分混合したのち105℃の温度で乾燥し
た。得られた水酸化リチウム1水和物がAl/Li比1
/1.16となるような割合で均一に付着した高純度γ
−アルミナ繊維を、高純度アルミナ製の匣に入れ、80
0℃まで昇温し、同温度で2時間保持して焼成した。得
られたリチウムアルミネート繊維は繊維径約12μm、
繊維長50μm〜30mmの繊維の混合物であり、X線
回折装置による同定及び分析の結果、純度約90重量%
のγ−LiAlO2であった。また、この繊維のシリカ含有量
は0.05重量%であった。
【0030】(実施例3)塩基性塩化アルミニウム(Al
2O3 含有率48重量%)214gを500gの水に溶解
させた溶液に平均粒径0.1μmのγ−アルミナ微粉末
68.5gを添加し分散させた。このスラリ−にポリエ
チレンオキシド(平均分子量約90万)39.0gを添
加し充分混合し、25℃における粘度が約2500ポイ
ズとなるように調整して紡糸原液とした。この紡糸原液
を0.3mmφの孔を500個有する紡糸ノズルから乾
燥した紡糸筒内へ押し出して紡糸し、500本のフィラ
メントからなる前駆体繊維を得た。この前駆体繊維を1
00℃から最高1200℃の温度勾配を持たせた焼成炉
中を滞留時間10分間で連続的に通過させて焼成し、繊
維径約12μmのフィラメント500本からなる純度9
9.5重量%のγ−アルミナ長繊維を得た。また、この
繊維のシリカ含有量は0.02重量%であった。
【0031】この長繊維を、塩化リチウム110g及び
ポリビニルアルコール0.5gを水150mlに溶解さ
せた水溶液中を通過させ、Al/Li比1/1.16と
なるような割合で塩化リチウムを含浸、付着させたの
ち、500℃から最高1000℃の温度勾配を持たせた
焼成炉中を滞留時間30分間で連続的に通過させて焼成
し、繊維径約10μmのフィラメント500本からなる
長繊維の形のリチウムアルミネート繊維を得た。この繊
維は、X線回折装置による同定及び分析の結果、純度約
92重量%のγ−LiAlO2であった。また、この繊維のシ
リカ含有量は0.03重量%であった。
【0032】(比較例1)実施例1と同様にして得た長
さ約50mmの前駆体繊維を、高純度アルミナ製の匣に
入れ、1300℃まで昇温し、同温度で3時間保持して
焼成した。得られた繊維は、X線回折装置による測定の
結果、αーアルミナであり、繊維径約10μm、繊維長
約25mmの純度99.6重量%のアルミナ繊維であっ
た。この結晶質高純度アルミナ繊維148gと、粒径1
μm以下に粉砕した水酸化リチウム1水和物153gと
をV型混合機中で20分間乾式混合した。混合物(Al
/Li比1/1.26)を、高純度アルミナ製の匣に入
れ、750℃まで昇温し、同温度で2時間保持して焼成
した。
【0033】得られた繊維は、X線回折装置による同定
の結果、α−Al2O3 、γ−LiAlO2、Li2O、LiAl5O8 の混
合物であり、リチウム化反応は充分進行していないこと
がわかった。そのため、この繊維をさらに750℃で5
時間保持したところ、純度約90重量%のγ−LiAlO2
なった。得られた焼成物は、繊維径約10μm、繊維長
20〜70μmの繊維が約9割を占め、残りは平均粒径
約10μmの粒子であった。ところが、得られた繊維
は、電解質板を作製する際に、三次元に繊維を絡み合わ
せるには長さが不十分であり、充分な強度を有する電解
質板を作製するのは困難であった。
【0034】(比較例2)実施例2と同様にして得た長
さ約50mmの前駆体繊維を、高純度アルミナ製の匣に
入れ、600℃まで昇温し、同温度で3時間保持して焼
成し、繊維径約13μm、繊維長約30mmの純度9
9.5重量%のアルミナ繊維を得た。この繊維はX線回
折装置による同定の結果、γ−、δ−等の中間アルミナ
のピ−ク及びブロ−ドなピ−クが混在したアルミナ繊維
であった。
【0035】得られたアルミナ繊維106gを、5mo
l/lの濃度の水酸化リチウム水溶液480ml中に投
入して充分混合したのち105℃の温度で乾燥した。得
られた水酸化リチウム1水和物がAl/Li比1/1.
16となるような割合で均一に付着したアルミナ繊維
を、高純度アルミナ製の匣に入れ、800℃まで昇温
し、同温度で2時間保持して焼成した。
【0036】得られた焼成物はX線回折装置による同定
及び分析の結果、純度約90重量%のγ−LiAlO2であっ
たが、繊維径約10μm、繊維長20μm〜1mmの繊
維が約4割を占め、残りは平均粒径約10μmの粒子で
あった。このリチウムアルミネートの繊維と粒子との混
合物は、電解質板を作製する際に、三次元に絡み合わせ
るには長さが不十分であり、充分な強度を有する電解質
板を作製するのは困難であった。
【0037】(比較例3)実施例1と同様にして調製し
た高純度γ−アルミナ繊維と、水酸化リチウム1水和物
153gとの混合物(Al/Li比1/1.26)を、
高純度アルミナ製の匣に入れ、1100℃まで昇温し、
同温度で2時間保持して焼成した。得られたリチウムア
ルミネート繊維はX線回折装置による同定及び分析の結
果、純度約90重量%のγ−LiAlO2であったが、結晶の
焼結が進みすぎ、繊維同士が部分的に融着し、ブロック
状の粒子を形成しており、溶融炭酸塩型燃料電池の電解
質板補強材としては不適当なものであった。
【発明の効果】本発明の方法においては、アルミナ源と
して、弾性率が低く、シリカ含有量の少ない高純度の中
間アルミナ繊維を使用しているので、リチウム化合物と
の混合の際に破断することがなく、高いアスペクト比を
有するリチウムアルミネート繊維を得ることができる。
また、高純度中間アルミナの長繊維を用いることによ
り、長繊維の形のリチウムアルミネート繊維を得ること
もできる。本発明の方法により製造されるリチウムアル
ミネート繊維は、溶融炭酸塩型燃料電池の電解質板補強
材として使用した場合、繊維中にほとんどシリカ成分を
含まないため、繊維がリチウムシリケートとして溶融炭
酸塩中に溶出する恐れがない。また、従来使用されてい
るリチウムアルミネート繊維に比較して繊維長が長いた
め、電解質板とした場合、繊維同士が三次元的に絡み合
い高い強度が得られるほか、燃料電池の運転、停止によ
って生じる熱応力の影響を受け難く、亀裂の発生を防止
することができるので、溶融炭酸塩型燃料電池の電解質
板補強材として優れた性能を有している。
フロントページの続き (72)発明者 岩永 勝介 栃木県栃木市国府町1番地 三井鉱山株式 会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高純度のアルミナ繊維前駆体を主成分と
    する紡糸原液を紡糸して前駆体繊維とし、その前駆体繊
    維を700〜1200℃で一次焼成して得られる高純度
    中間アルミナ繊維を、リチウム化合物の共存下に、50
    0〜1000℃の範囲で加熱、二次焼成することを特徴
    とするリチウムアルミネート繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】 高純度のアルミナ繊維前駆体を主成分と
    する紡糸原液を紡糸して前駆体繊維とし、その前駆体繊
    維を700〜1200℃で一次焼成して得られる高純度
    中間アルミナ繊維を、リチウム化合物の溶液又はスラリ
    ー中に通してリチウム化合物を付着、含浸させたのち、
    500〜1000℃の範囲で加熱、二次焼成することを
    特徴とするリチウムアルミネート繊維の製造方法。
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