JPH06107995A - 紫外線吸収膜形成用印刷インクおよび紫外線吸収膜の製造方法 - Google Patents

紫外線吸収膜形成用印刷インクおよび紫外線吸収膜の製造方法

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JPH06107995A
JPH06107995A JP28074492A JP28074492A JPH06107995A JP H06107995 A JPH06107995 A JP H06107995A JP 28074492 A JP28074492 A JP 28074492A JP 28074492 A JP28074492 A JP 28074492A JP H06107995 A JPH06107995 A JP H06107995A
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JP
Japan
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absorbing film
ultraviolet
compound
ultraviolet absorbing
printing
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JP28074492A
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English (en)
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Hiroyuki Tomonaga
浩之 朝長
Kazuya Hiratsuka
和也 平塚
Takeshi Morimoto
剛 森本
Akemi Mitani
朱美 三谷
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】有機チタン化合物と、キレート配位子と錯体を
形成したセリウム化合物と、溶媒として沸点が150℃
以上の有機溶媒を主成分としてなる紫外線吸収膜形成用
印刷インク。 【効果】紫外線吸収膜を効率よく、印刷という簡便な方
法で製造できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紫外線吸収膜形成用印刷
インクに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラスによって室内、および車内等へ入
射する紫外線を遮蔽することは、人体の日焼けを防ぐば
かりでなく、室内や車内の装飾品等の劣化を防ぐことが
できるという点で重要である。
【0003】従来より、ガラス基体上に湿式法で紫外線
吸収膜を形成させるための方法はいくつか提案されてき
ている。特開平1−217084号公報には、紫外線吸
収剤として酸化亜鉛の微粒子を用い、その微粒子をバイ
ンダ中に分散させて塗布液とし、それを塗布した後焼成
することによって酸化亜鉛の被膜を形成させる方法が開
示されている。しかし、この方法で得られた紫外線吸収
膜は酸化亜鉛の化学的耐久性が乏しいために一般窓ガラ
ス用などの表面処理には適していない。
【0004】また、特開昭63−103083号公報に
は、チタンアルコキシドとセリウム化合物の溶液に酸を
添加してpHを制御し、得られた液を塗布後焼成してセ
リウム含有酸化チタン被膜を形成させる方法が示されて
いるが、この方法で得られた塗布液は寿命が短く、不透
明になりやすいという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】湿式法によって紫外線
吸収膜を基体上に形成する場合、パターニングを必要と
する部位への適用を考えると、フレキソ印刷、スクリー
ン印刷などの印刷法による塗布が可能な塗布液形態にし
ておくことは非常に重要であるが、従来の技術におい
て、提案されてきた塗布液は印刷適性を示さず、印刷イ
ンクとして使用するのは困難であった。
【0006】本発明は従来技術が有していた前述の問題
点を解消しようとするものであり、透明性の高い紫外線
吸収膜をパターニングの容易な印刷法によって形成する
ための、保存性に優れた印刷用のインクを新規に提供す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、有
機チタン化合物と、キレート配位子と錯体を形成したセ
リウム化合物と、溶媒として沸点が150℃以上の有機
溶媒を主成分としてなる紫外線吸収膜形成用印刷イン
ク、およびそのインクを印刷法によって塗布し、焼成す
ることによって紫外線吸収膜を得る紫外線吸収膜の製造
方法を提供するものである。
【0008】有機チタン化合物としては、チタンアルコ
キシド、あるいはチタンキレート化合物が好適に使用で
きる。チタンアルコキシドの代表的な例としては、一般
式Ti(OR)4 (Rは炭素数4までのアルキル基、す
なわちメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基)で表されるものなどが挙げられる。チタ
ンキレート化合物としては一般式Ti(OR)nm
表され、n+m=4(m≠0)、Lはチタンイオンにキ
レート配位する配位子、例えばアセチルアセトンなどの
β−ジケトン、オキソブタン酸エチルなどのβ−ケトエ
ステル、オクチレングリコールなどのグリコール、トリ
エタノールアミンなどのアミノアルコールなどが挙げら
れる。
【0009】キレート配位子と錯体を形成したセリウム
化合物としては、市販のものを使用してもよいし、セリ
ウム塩(硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸塩等)に配位子
を作用させても得られる。また、キレート配位子と錯体
を形成したセリウムは、有機溶媒に溶解した際に液の粘
度を増大させる傾向があり、これは印刷インクとして重
要な要件である。キレート配位子としては、アセチルア
セトンなどのβ−ジケトン、オキソブタン酸エチルなど
のβ−ケトエステル、オクチレングリコールなどのグリ
コール、トリエタノールアミンなどのアミノアルコール
などである。このうち、アセチルアセトンキレートはそ
の安定性故にインクの寿命の向上に有効である。
【0010】また、キレート配位子の量は、配位子/セ
リウムイオンのモル比で1以上であれば特に制限はな
い。配位子量がこれ以下では被膜の透明性が損なわれ、
またインクの寿命が短くなるおそれがあるし、また増粘
作用も小さいのでインクとしてのレオロジー特性を具備
させられなくなる。
【0011】また、これらの成分を溶解する溶剤として
は、沸点が150℃以上の有機溶媒を使用することが重
要である。これは、沸点が低く、蒸気圧の高い有機溶剤
を用いると、印刷の途中で溶媒が蒸発してしてしまい、
版の乾燥やスクリーンの目詰まりを起こすもととなる
し、また被膜の白化が起こりやすくなるからである。使
用される有機溶媒としては、アルコール、エーテル、エ
ステル、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素等種々考えら
れるが、エチルヘキサノール、ヘプタノール等の炭素数
6以上のアルコール類、カルビトールやフェニルセロソ
ルブ等のエーテルアルコール類、ヘキシレングリコール
やオクチレングリコール等のグリコール類が比較的好適
に使用できる。これらの有機溶媒は単独で用いてもよい
し、いくつかを混合して用いてもよい。
【0012】また、屈折率を低下させたり、膜強度を向
上させる目的でインク中にシリコン化合物を含んでいて
もよい。シリコン化合物としては、シリコンアルコキシ
ドが比較的好適に使用できる。
【0013】上記の印刷インクを印刷機を用いて基体上
に塗布を行い、その後焼成することによって紫外線吸収
膜を得る。この時の焼成温度は、金属源の分解が起こっ
て酸化物に達する温度以上、基体の軟化点以下であれば
よい。具体的には、基体に通常のソーダライムガラスを
使用した時には、300℃以上650℃以下が好まし
い。
【0014】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれらによって限定されるものではない。使用
した印刷機は日本写真印刷工業(株)製フレキソ印刷機
と三谷電子工業(株)製スクリーン印刷機であり、焼成
後の膜厚はすべて1800Åであった。
【0015】実施例1 硝酸セリウム(Ce(NO33 ・6H2 O)30g
と、アセチルアセトン6.9gを混合し、90℃で1時
間加熱撹拌を行ってアセチルアセトンがキレート配位し
たセリウム化合物を得た。(A液) 1−オクタノールと2−エチルヘキサノールの等量(重
量)混合物21g中に、A液を5g、アセチルアセトン
がキレート配位したプロピルチタネートTi(OPr)
2 (C5722 を4g添加して印刷用インクとし
た。
【0016】このインクを、フレキソ印刷機を用いて厚
さ2mmのソーダライムガラス(350nm紫外線透過
率=83%)上に印刷し、150℃の乾燥器で5分乾燥
した後500℃の電気炉で5分間焼成した。得られた膜
は透明で、350nmの紫外線の透過率は4.2%であ
った。また、このインクを室温で10日間おいて寿命試
験を行ったが、試験後のインクも同様に印刷でき、膜の
特性も劣化がなかった。
【0017】実施例2 実施例1の溶剤をフェニルセロソルブと1−ヘプタノー
ルとの等量混合物に変えた以外は実施例1と同様に行っ
た。得られた膜は透明で、350nmの紫外線透過率は
4.3%であった。また、このインクを室温で10日間
おいて寿命試験を行ったが、試験後のインクも同様に印
刷でき、膜の特性も劣化がなかった。
【0018】実施例3 実施例2で得られたインクに増粘剤としてエチルセルロ
ースをインク総量に対して重量比で3%添加してスクリ
ーン印刷用インクとした。このインクをスクリーン印刷
機で厚さ2mmのソーダライムガラスに印刷し、150
℃で5分乾燥した後600℃で3分間焼成を行った。得
られた膜は透明で、350nmの紫外線透過率は5.0
%であった。また、このインクを室温で10日間おいて
寿命試験を行ったが、試験後のインクも同様に印刷で
き、膜の特性も劣化がなかった。
【0019】実施例4 実施例1の溶剤をヘキシレングリコールに変更した以外
は実施例1と同様に行った。得られた膜は透明で、35
0nmの紫外線透過率は4.8%であった。また、この
インクを室温で10日間おいて寿命試験を行ったが、試
験後のインクも同様に印刷でき、膜の特性も劣化がなか
った。
【0020】実施例5 実施例4のインクにテトラエトキシシラン(Si(OC
254 )を1.5g添加した以外は実施例4と同様
に行った。得られた膜は透明で、350nmの紫外線透
過率は7.6%であった。また、このインクを室温で1
0日間おいて寿命試験を行ったが、試験後のインクも同
様に印刷でき、膜の特性も劣化がなかった。
【0021】比較例1 実施例1の溶剤をエタノールと酢酸エチルの等量混合物
に変更した以外は実施例1と同様に行った。得られた膜
は失透しており、350nmの紫外線透過率は2.2%
であった。また、このインクを室温で10日間おいて寿
命試験を行ったが、試験後のインクはゲル化しており、
印刷できなかった。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、効率よく
紫外線を吸収する紫外線吸収膜を、印刷という簡便な方
法で製造することが可能となる。
フロントページの続き (72)発明者 三谷 朱美 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機チタン化合物と、キレート配位子と錯
    体を形成したセリウム化合物と、溶媒として沸点が15
    0℃以上の有機溶媒を主成分としてなる紫外線吸収膜形
    成用印刷インク。
  2. 【請求項2】インク中にシリコン有機化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1の紫外線吸収膜形成用印刷イン
    ク。
  3. 【請求項3】有機チタン化合物として、チタンアルコキ
    シド、およびチタンキレート化合物から選ばれる少なく
    とも1種を含むことを特徴とする請求項1又は2の紫外
    線吸収膜形成用印刷インク。
  4. 【請求項4】セリウム化合物として、アセチルアセトン
    がキレート配位したセリウム塩を含むことを特徴とする
    請求項1〜3いずれか1項の紫外線吸収膜形成用印刷イ
    ンク。
  5. 【請求項5】溶媒として、炭素数が6以上のアルコール
    類、エーテルアルコール類、およびグリコール類のうち
    少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜4い
    ずれか1項の紫外線吸収膜形成用印刷インク。
  6. 【請求項6】請求項1〜5いずれか1項の紫外線吸収膜
    形成用印刷インクを、基体上に印刷し、その後焼成する
    ことによって紫外線吸収膜を得ることを特徴とする紫外
    線吸収膜の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6の製造方法によって得られた紫外
    線吸収膜。
  8. 【請求項8】請求項6の製造方法によって表面に紫外線
    吸収膜が形成されたガラス物品。
JP28074492A 1992-09-25 1992-09-25 紫外線吸収膜形成用印刷インクおよび紫外線吸収膜の製造方法 Withdrawn JPH06107995A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5821276A (en) * 1995-08-05 1998-10-13 Tioxide Specialties Limited Printing inks containing zirconium or titanium compound
US7393397B2 (en) 2005-05-18 2008-07-01 Samsung Electronics Co., Ltd. Ink composition, ink cartridge and inkjet recording apparatus including the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5821276A (en) * 1995-08-05 1998-10-13 Tioxide Specialties Limited Printing inks containing zirconium or titanium compound
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Effective date: 19991130