JPH0610431B2 - 内燃機関の圧縮比可変装置 - Google Patents
内燃機関の圧縮比可変装置Info
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- JPH0610431B2 JPH0610431B2 JP58173613A JP17361383A JPH0610431B2 JP H0610431 B2 JPH0610431 B2 JP H0610431B2 JP 58173613 A JP58173613 A JP 58173613A JP 17361383 A JP17361383 A JP 17361383A JP H0610431 B2 JPH0610431 B2 JP H0610431B2
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- piston
- pin
- lock pin
- lock
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B75/00—Other engines
- F02B75/04—Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads
- F02B75/044—Engines with variable distances between pistons at top dead-centre positions and cylinder heads by means of an adjustable piston length
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 A.発明の目的 (1)産業上の利用分野 本発明は、内燃機関、特にピストンに横架されて該ピス
トンとコンロッド間を連結するピストンピンを、ピスト
ンの一対のピンボスに回転自在に嵌合支持される左,右
一対のジャーナル部と、それらジャーナル部に対し偏心
し且つ前記コンロッドに回転自在に連結される中央のク
ランク部とより構成して、該ピストンピンが低圧縮比位
置と高圧縮比位置との間を動き得るようにした内燃機関
の圧縮比可変装置に関する。
トンとコンロッド間を連結するピストンピンを、ピスト
ンの一対のピンボスに回転自在に嵌合支持される左,右
一対のジャーナル部と、それらジャーナル部に対し偏心
し且つ前記コンロッドに回転自在に連結される中央のク
ランク部とより構成して、該ピストンピンが低圧縮比位
置と高圧縮比位置との間を動き得るようにした内燃機関
の圧縮比可変装置に関する。
(2)従来の技術 従来、内燃機関の圧縮比を機関の低負荷運転時に比較的
高くしてノッキング等の異常燃焼の発生を抑えつつ燃
費、出力性能の向上を図るために、ピストンピンを高圧
縮比位置にロックし得るロック装置を備えたものが知ら
れているが、斯かる内燃機関において、それを低圧縮比
運転すべき場合(例えば高負荷運転時)にピストンピン
を低圧縮比位置に積極的にロックするためのロック装置
を備えていないと、次のような不都合がある。即ち、上
記場合には、高圧縮比位置ロック用のロック装置が作動
解除状態にあり、ピストンピン(従つてピストン)が高
圧縮比位置と低圧縮比位置との間を自由に相対移動し得
る状態に置かれて挙動が不安定となり、1サイクル中に
も慣性で高圧縮比位置と低圧縮比位置との間を相対移動
しようとするため、その頻繁な相対移動に伴い騒音や振
動が発生し易く耐久性に問題があるばかりでなく、サイ
クル毎の排気効率や充填効率も変動してエンジン出力や
有害排気成分の排出抑制精度も向上できず、更にシリン
ダ内壁面に対しピストンよりサイドフォースが作用し易
く、所謂フラッタリングが起き易い等の問題もある。
高くしてノッキング等の異常燃焼の発生を抑えつつ燃
費、出力性能の向上を図るために、ピストンピンを高圧
縮比位置にロックし得るロック装置を備えたものが知ら
れているが、斯かる内燃機関において、それを低圧縮比
運転すべき場合(例えば高負荷運転時)にピストンピン
を低圧縮比位置に積極的にロックするためのロック装置
を備えていないと、次のような不都合がある。即ち、上
記場合には、高圧縮比位置ロック用のロック装置が作動
解除状態にあり、ピストンピン(従つてピストン)が高
圧縮比位置と低圧縮比位置との間を自由に相対移動し得
る状態に置かれて挙動が不安定となり、1サイクル中に
も慣性で高圧縮比位置と低圧縮比位置との間を相対移動
しようとするため、その頻繁な相対移動に伴い騒音や振
動が発生し易く耐久性に問題があるばかりでなく、サイ
クル毎の排気効率や充填効率も変動してエンジン出力や
有害排気成分の排出抑制精度も向上できず、更にシリン
ダ内壁面に対しピストンよりサイドフォースが作用し易
く、所謂フラッタリングが起き易い等の問題もある。
そこで斯かる問題を解決するために、ピストンピンを高
圧縮比位置ばかりか低圧縮比位置でも固縛し得るロック
装置を備えた内燃機関が既に提案されている(例えば特
開昭58−38344号公報参照)。
圧縮比位置ばかりか低圧縮比位置でも固縛し得るロック
装置を備えた内燃機関が既に提案されている(例えば特
開昭58−38344号公報参照)。
(3)発明が解決しようとする課題 ところが上記提案のものでは、ピストンピンを高圧縮比
位置および低圧縮比位置にそれぞれ固縛するための一対
のロックピン係合部と、その両ピン係合部の何れにも嵌
入し得る共通のロックピンとでロック装置が構成され、
圧縮比を切換える際には、先ずロック装置を作動解除し
てピストンピンが慣性で高圧縮比位置と低圧縮比位置と
の間を自由に動き得る状態としておき、この状態でピス
トンピンが切換えようとする圧縮比位置まで来たときを
見計らって瞬時にロックピンを油圧で作動させるように
している。
位置および低圧縮比位置にそれぞれ固縛するための一対
のロックピン係合部と、その両ピン係合部の何れにも嵌
入し得る共通のロックピンとでロック装置が構成され、
圧縮比を切換える際には、先ずロック装置を作動解除し
てピストンピンが慣性で高圧縮比位置と低圧縮比位置と
の間を自由に動き得る状態としておき、この状態でピス
トンピンが切換えようとする圧縮比位置まで来たときを
見計らって瞬時にロックピンを油圧で作動させるように
している。
ところが上記共通のロックピンが高圧縮比側のロックピ
ン係合部に係合し得るタイミングは、機関の1サイクル
中、排気行程の終わりの極短期間だけであって、低圧縮
比側のロックピン係合部に係合し得るタイミングに比べ
て非常に短い上、機関の1サイクルに要する時間そのも
のも元々短いので、ロックピンを高圧縮比側のロックピ
ン係合部に係合させようとする場合に、そのロックピン
に加えるべき作動油圧の導入タイミングを高精度に制御
する必要があって、応答性の極めて高い油圧供給制御装
置を特別に用意する必要があり、それだけコストが嵩む
と共に制御装置の故障を生起し易くなり、また上記作動
油圧の導入タイミングが僅かでもずれる(このずれは機
関回転数が増大するにつれて一層生じ易くなる)とロッ
クピンを低圧縮比側のロックピン係合部に誤って係合さ
せてしまう可能性が大きくなり、その場合には却って機
関の異常燃焼や出力性能の低下等の不都合を来たす問題
がある。
ン係合部に係合し得るタイミングは、機関の1サイクル
中、排気行程の終わりの極短期間だけであって、低圧縮
比側のロックピン係合部に係合し得るタイミングに比べ
て非常に短い上、機関の1サイクルに要する時間そのも
のも元々短いので、ロックピンを高圧縮比側のロックピ
ン係合部に係合させようとする場合に、そのロックピン
に加えるべき作動油圧の導入タイミングを高精度に制御
する必要があって、応答性の極めて高い油圧供給制御装
置を特別に用意する必要があり、それだけコストが嵩む
と共に制御装置の故障を生起し易くなり、また上記作動
油圧の導入タイミングが僅かでもずれる(このずれは機
関回転数が増大するにつれて一層生じ易くなる)とロッ
クピンを低圧縮比側のロックピン係合部に誤って係合さ
せてしまう可能性が大きくなり、その場合には却って機
関の異常燃焼や出力性能の低下等の不都合を来たす問題
がある。
本発明は上記に鑑み提案されたもので、従来装置の上記
問題を解決できる、内燃機関の圧縮比可変装置を提供す
ることを目的としている。
問題を解決できる、内燃機関の圧縮比可変装置を提供す
ることを目的としている。
B.発明の構成 (1)課題を解決するための手段 上記目的を達成するために本発明は、ピストンに横架さ
れて該ピストンとコンロッド間を連結するピストンピン
を、ピストンの一対のピンボスに回転自在に嵌合支持さ
れる左、右一対のジャーナル部と、それらジャーナル部
に対し偏心し且つ前記コンロッドに回転自在に連結され
る中央のクランク部とより構成して、該ピストンピンが
低圧縮比位置と高圧縮比位置との間を動き得るようにし
た内燃機関の圧縮比可変装置において、第1のロックピ
ン係合部と該第1のロックピン係合部に抜差可能に係合
してピストンピンを低圧縮比位置にロックし得る第1の
ロックピンと該第1のロックピンを該第1のロックピン
係合部との係合方向に押圧し得る第1の油圧シリンダと
を備えた低圧縮比専用の第1ロック装置と、第2のロッ
クピン係合部と該第2のロックピン係合部に抜差可能に
係合してピストンピンを高圧縮比位置にロックし得る第
2のロックピンと該第2のロックピンを該第2のロック
ピン係合部との係合方向に押圧し得る第2の油圧シリン
ダとを備えた高圧縮比専用の第2ロック装置とが互いに
独立して配備され、前記第1及び第2油圧シリンダに個
別に連なる第1及び第2の給油路には、その両給油路に
対し圧油を機関の運転状態に応じて選択的に供給する制
御装置が接続されることを特徴としている。
れて該ピストンとコンロッド間を連結するピストンピン
を、ピストンの一対のピンボスに回転自在に嵌合支持さ
れる左、右一対のジャーナル部と、それらジャーナル部
に対し偏心し且つ前記コンロッドに回転自在に連結され
る中央のクランク部とより構成して、該ピストンピンが
低圧縮比位置と高圧縮比位置との間を動き得るようにし
た内燃機関の圧縮比可変装置において、第1のロックピ
ン係合部と該第1のロックピン係合部に抜差可能に係合
してピストンピンを低圧縮比位置にロックし得る第1の
ロックピンと該第1のロックピンを該第1のロックピン
係合部との係合方向に押圧し得る第1の油圧シリンダと
を備えた低圧縮比専用の第1ロック装置と、第2のロッ
クピン係合部と該第2のロックピン係合部に抜差可能に
係合してピストンピンを高圧縮比位置にロックし得る第
2のロックピンと該第2のロックピンを該第2のロック
ピン係合部との係合方向に押圧し得る第2の油圧シリン
ダとを備えた高圧縮比専用の第2ロック装置とが互いに
独立して配備され、前記第1及び第2油圧シリンダに個
別に連なる第1及び第2の給油路には、その両給油路に
対し圧油を機関の運転状態に応じて選択的に供給する制
御装置が接続されることを特徴としている。
(2)作 用 上記構成によれば、圧縮比の切換えに際しては、新たに
切換えようとする圧縮比に対応した一方のロック装置の
油圧シリンダに連なる給油路に圧油を供給し続けると共
に、その他方のロック装置の油圧シリンダに連なる給油
路への圧油供給を断つだけで、該一方のロック装置のロ
ックピンのみを誤りなく対応するロックピン係合部に嵌
入させてロック作動させることができ、従って各給油路
への圧油導入タイミングを応答性の特別高い制御装置を
用いて高精度に制御しなくても、圧縮比の切換えを誤り
なく的確に行わせることができ、また、機関回転数が増
大しても誤つた圧縮比位置にロックされてしまう不都合
が確実に回避される。
切換えようとする圧縮比に対応した一方のロック装置の
油圧シリンダに連なる給油路に圧油を供給し続けると共
に、その他方のロック装置の油圧シリンダに連なる給油
路への圧油供給を断つだけで、該一方のロック装置のロ
ックピンのみを誤りなく対応するロックピン係合部に嵌
入させてロック作動させることができ、従って各給油路
への圧油導入タイミングを応答性の特別高い制御装置を
用いて高精度に制御しなくても、圧縮比の切換えを誤り
なく的確に行わせることができ、また、機関回転数が増
大しても誤つた圧縮比位置にロックされてしまう不都合
が確実に回避される。
(3)実施例 以下、図面により本発明の一実施例について説明する。
第1,第2A,第2Bには、低圧縮比で圧縮終りの機関
の状態が示される。シリンダ1に摺動自在に嵌合される
ピストン2には、その直径方向に対をなす左,右ピンボ
ス3,4が形成され、それらのピンボス3,4には、ピ
ストンピンPがスリーブ5,6を介して回転自在に横架
される。前記ピストンピンPは第5図に示すように両端
の左,右ジャーナル部7,8と、中央のクランク部9
と、一方のジャーナル部8の端部に一体に形成される円
板状のフランジ部10よりなり、第1,第2B図に示す
ようにクランク部9の中心O2は前記左,右ジャーナル
部7,8の中心O1に対して偏心量eをもって偏心して
いる。
の状態が示される。シリンダ1に摺動自在に嵌合される
ピストン2には、その直径方向に対をなす左,右ピンボ
ス3,4が形成され、それらのピンボス3,4には、ピ
ストンピンPがスリーブ5,6を介して回転自在に横架
される。前記ピストンピンPは第5図に示すように両端
の左,右ジャーナル部7,8と、中央のクランク部9
と、一方のジャーナル部8の端部に一体に形成される円
板状のフランジ部10よりなり、第1,第2B図に示す
ようにクランク部9の中心O2は前記左,右ジャーナル
部7,8の中心O1に対して偏心量eをもって偏心して
いる。
前記ピストンピンPは、ピストン2の一側面より左,右
ピンボス3,4内に回転自在に挿入され、そのフランジ
部10を一方のピンボス4の外端面に形成した環状凹部
11内に収容して、そのフランジ部10をピンボス4の
外端面に衝合させる。第1,第5図に示すように前記フ
ランジ部10には、その上,下に、高圧縮比側ロックピ
ン孔12と低圧縮比側ロックピン孔13とが穿設され、
前記低圧縮比側ロックピン孔13には後述する第1油圧
シリンダCy1のロックピン201が、また前記高圧縮
比側ロックピン孔12には後述する第2油圧シリンダC
y2のロックピン202(第3,第4A,第4B図)が
それぞれ抜差可能に嵌入されるようになっている。
ピンボス3,4内に回転自在に挿入され、そのフランジ
部10を一方のピンボス4の外端面に形成した環状凹部
11内に収容して、そのフランジ部10をピンボス4の
外端面に衝合させる。第1,第5図に示すように前記フ
ランジ部10には、その上,下に、高圧縮比側ロックピ
ン孔12と低圧縮比側ロックピン孔13とが穿設され、
前記低圧縮比側ロックピン孔13には後述する第1油圧
シリンダCy1のロックピン201が、また前記高圧縮
比側ロックピン孔12には後述する第2油圧シリンダC
y2のロックピン202(第3,第4A,第4B図)が
それぞれ抜差可能に嵌入されるようになっている。
ピストンピンPのクランク部9には、コンロッド14
の、2つ割り小端部14aが回転自在に連結され、また
該コンロッド14の2つ割り大端部14bはクランク軸
15のクランクピン15aに回転自在に連結される。
の、2つ割り小端部14aが回転自在に連結され、また
該コンロッド14の2つ割り大端部14bはクランク軸
15のクランクピン15aに回転自在に連結される。
ピストン2とピストンピンP間には、第2A,第2B図
に示すようにピストンピンPのクランク部9がその左,
右ジャーナル部7,8に対して上向き位置、すなわちピ
ストンピンPを低圧縮比位置にロックするための第1油
圧シリンダCy1、および第4A,第4B図に示すよう
にピストンピンPのクランク部9がその左,右ジャーナ
ル部7,8に対して下向き位置、すなわちピストンピン
Pを高圧縮比位置にロックするための第2油圧シリンダ
Cy2が、シリンダ1の縦中心線l−lに対して対称的
に設けられる。
に示すようにピストンピンPのクランク部9がその左,
右ジャーナル部7,8に対して上向き位置、すなわちピ
ストンピンPを低圧縮比位置にロックするための第1油
圧シリンダCy1、および第4A,第4B図に示すよう
にピストンピンPのクランク部9がその左,右ジャーナ
ル部7,8に対して下向き位置、すなわちピストンピン
Pを高圧縮比位置にロックするための第2油圧シリンダ
Cy2が、シリンダ1の縦中心線l−lに対して対称的
に設けられる。
次に第1,第2A図を参照して前記第1油圧シリンダC
y1の構造を説明する。ピストン2の一方のピンボス4
には、ピストンピンPと平行な小シリンダ孔171が形
成され、この小シリンダ孔171内には、ロックピスト
ン181が摺動自在に嵌合され、このロックピストン1
81によって油圧室191が画成される。前記ロックピ
ストン181にはピンボス4の外端面より出没し得るロ
ックピン201が一体に設けられ、このロックピン20
1は前記油圧室191内の油圧をうけて突出し、また小
シリンダ孔171内に設けた戻しばね211によってピ
ンボス4内に没入される。
y1の構造を説明する。ピストン2の一方のピンボス4
には、ピストンピンPと平行な小シリンダ孔171が形
成され、この小シリンダ孔171内には、ロックピスト
ン181が摺動自在に嵌合され、このロックピストン1
81によって油圧室191が画成される。前記ロックピ
ストン181にはピンボス4の外端面より出没し得るロ
ックピン201が一体に設けられ、このロックピン20
1は前記油圧室191内の油圧をうけて突出し、また小
シリンダ孔171内に設けた戻しばね211によってピ
ンボス4内に没入される。
前記小シリンダ孔171の油圧室191は、ピストンピ
ンPに形成した通油路221を介してコンロッド14に
形成した給油路231に連通され、さらにこの給油路2
31はクランク軸15に形成した主給油路241を通り
油圧制御器25を介して油圧源26に連通される。
ンPに形成した通油路221を介してコンロッド14に
形成した給油路231に連通され、さらにこの給油路2
31はクランク軸15に形成した主給油路241を通り
油圧制御器25を介して油圧源26に連通される。
前記通油路221は第1図に示すようにロックピン20
1の横断面方向からみて二叉状をなしており、ピストン
ピンPが低圧縮比位置に回動したとき、その両開口端が
前記油圧室191および給油路231に連通するように
なっている。そして前記油圧制御器25が、機関の高負
荷運転を感知すると、制御油圧は主給油路241、給油
路231および通油路221を通って小シリンダ孔17
1内の油圧室191に供給される。
1の横断面方向からみて二叉状をなしており、ピストン
ピンPが低圧縮比位置に回動したとき、その両開口端が
前記油圧室191および給油路231に連通するように
なっている。そして前記油圧制御器25が、機関の高負
荷運転を感知すると、制御油圧は主給油路241、給油
路231および通油路221を通って小シリンダ孔17
1内の油圧室191に供給される。
次に第3,第4A,第4B図を参照して前記高圧縮比側
の前記第2油圧シリンダCy2の構成を説明すると、こ
れは前記低圧縮比側の前記第1油圧シリンダCy1と同
一の構造を備え、しかもシリンダ1の縦中心線l−lに
対して対称的に設けられる。すなわち一方のピンボス4
にはピストンピンPと平行な小シリンダ孔172が形成
され、この小シリンダ孔172内にロックピストン18
2が摺動自在に嵌合され、このロックピストン182で
油圧室192が画成される。ロックピストン182には
ロックピン202が一体に設けられ、このロックピン2
02は油圧室192内の油圧をうけて突出し、また小シ
リンダ孔172内に設けた戻しばね211によってピン
ボス4内に没入される。
の前記第2油圧シリンダCy2の構成を説明すると、こ
れは前記低圧縮比側の前記第1油圧シリンダCy1と同
一の構造を備え、しかもシリンダ1の縦中心線l−lに
対して対称的に設けられる。すなわち一方のピンボス4
にはピストンピンPと平行な小シリンダ孔172が形成
され、この小シリンダ孔172内にロックピストン18
2が摺動自在に嵌合され、このロックピストン182で
油圧室192が画成される。ロックピストン182には
ロックピン202が一体に設けられ、このロックピン2
02は油圧室192内の油圧をうけて突出し、また小シ
リンダ孔172内に設けた戻しばね211によってピン
ボス4内に没入される。
前記小シリンダ孔172の油圧室192は、ピストンピ
ンPに形成した通油路222を介してコンロッド14に
形成した給油路232に連通され、さらにこの給油路2
32はクランク軸15に形成した主給油路242を通り
油圧制御器25を介して油圧源26に連通される。ピス
トンピンPが高圧縮比位置に回動したとき、通油路22
2は、油圧室192および給油路232に連通される。
そして油圧制御器25が機関の低負荷運転を感知すると
き、制御油圧は、主給油路242、給油路232および
通油路222を通って小シリンダ孔172の油圧室19
2に供給される。
ンPに形成した通油路222を介してコンロッド14に
形成した給油路232に連通され、さらにこの給油路2
32はクランク軸15に形成した主給油路242を通り
油圧制御器25を介して油圧源26に連通される。ピス
トンピンPが高圧縮比位置に回動したとき、通油路22
2は、油圧室192および給油路232に連通される。
そして油圧制御器25が機関の低負荷運転を感知すると
き、制御油圧は、主給油路242、給油路232および
通油路222を通って小シリンダ孔172の油圧室19
2に供給される。
而して低圧縮比側ロックピン孔13及びロックピン20
1は本発明の第1のロックピン係合部及びロックピン
を、また高圧縮比側ロックピン孔12及びロックピン2
02は本発明の第2のロックピン係合部及びロックピン
をそれぞれ構成している。またその低圧縮比側ロックピ
ン孔13及びロックピン201と第1油圧シリンダCy
1とが互いに協働してピストンピンPを低圧縮比位置に
ロックし得る本発明の第1ロック装置L1を構成してお
り、更に高圧縮比側ロックピン孔12及びロックピン2
02と第2油圧シリンダCy2とが互いに協働してピス
トンピンPを高圧縮比位置にロックし得る本発明の第2
ロック装置L2を構成している。
1は本発明の第1のロックピン係合部及びロックピン
を、また高圧縮比側ロックピン孔12及びロックピン2
02は本発明の第2のロックピン係合部及びロックピン
をそれぞれ構成している。またその低圧縮比側ロックピ
ン孔13及びロックピン201と第1油圧シリンダCy
1とが互いに協働してピストンピンPを低圧縮比位置に
ロックし得る本発明の第1ロック装置L1を構成してお
り、更に高圧縮比側ロックピン孔12及びロックピン2
02と第2油圧シリンダCy2とが互いに協働してピス
トンピンPを高圧縮比位置にロックし得る本発明の第2
ロック装置L2を構成している。
また前記主給油路241は本発明の第1の油給油路を、
前記主給油路242は本発明の第2の給油路をそれぞれ
構成しており、更に前記油圧源26及び油圧制御器25
は互いに協働して、前記第1及び第2の給油路に対し圧
油を機関の運転状態に応じて選択的に供給する本発明の
制御装置Cを構成している。
前記主給油路242は本発明の第2の給油路をそれぞれ
構成しており、更に前記油圧源26及び油圧制御器25
は互いに協働して、前記第1及び第2の給油路に対し圧
油を機関の運転状態に応じて選択的に供給する本発明の
制御装置Cを構成している。
尚、27はピンボス3,4に形成した通油路である。
次に本発明の実施例の作用について説明する。
〔I〕機関の低圧縮比運転 第1,第2A、第2B図において、油圧制御器25は機
関の高負荷運転を感知して油圧源26を第1油圧シリン
ダCy1側の給油路231に連通させておく。
関の高負荷運転を感知して油圧源26を第1油圧シリン
ダCy1側の給油路231に連通させておく。
いまピストンピンPが第1,第2油圧シリンダCy1,
Cy2の何れもロックされていない、すなわちピストン
ピンPのフリー状態で機関が運転されていると仮定し
て、これが吸入行程に入りピストン2が下降し、その加
速度が漸次減少して零になる点を越えると、該ピストン
2には下死点に至るまで負の加速度が加わるので、この
間ピストン2には制動がかかる。ところがピストン2は
その質量による慣性で下向きに移動しようとするので、
不安定な状態にあるピストンピンPは前記慣性をうけて
低圧縮比側、すなわち第2A,第2B図に示すようにそ
のクランク部9が左,右ジャーナル部7,8に対して上
向きになるように回動する。このピストン2の吸入終り
でピストンピンPに設けた通油路221が、給油路23
1を第1油圧シリンダCy1の小シリンダ孔171内の
油圧室191に連通するとともに低圧縮比側ロックピン
孔13がロックピストン181のロックピン201と一
致するに至る(第7図(イ))。したがってロックピン
201は油圧室191内の油圧力をうけて外方に突出し
てロックピン孔13に嵌入する。これによりピストンピ
ンPはロックされ、低圧縮比位置(第2A,第2B図)
に保持される。そして油圧室191内に圧油が作用して
いるかぎりロックピン201はロックピン孔13から抜
け出ることがないので、ピストン2は低圧縮比位置に保
持されたまま、第6図一点鎖線で示すような運動曲線C
1を描き、かつピストンピンPは低位置lに保持された
まま吸入、圧縮、爆発および排気の行程を繰り返し機関
は低圧縮比状態での高負荷運転が行われる。
Cy2の何れもロックされていない、すなわちピストン
ピンPのフリー状態で機関が運転されていると仮定し
て、これが吸入行程に入りピストン2が下降し、その加
速度が漸次減少して零になる点を越えると、該ピストン
2には下死点に至るまで負の加速度が加わるので、この
間ピストン2には制動がかかる。ところがピストン2は
その質量による慣性で下向きに移動しようとするので、
不安定な状態にあるピストンピンPは前記慣性をうけて
低圧縮比側、すなわち第2A,第2B図に示すようにそ
のクランク部9が左,右ジャーナル部7,8に対して上
向きになるように回動する。このピストン2の吸入終り
でピストンピンPに設けた通油路221が、給油路23
1を第1油圧シリンダCy1の小シリンダ孔171内の
油圧室191に連通するとともに低圧縮比側ロックピン
孔13がロックピストン181のロックピン201と一
致するに至る(第7図(イ))。したがってロックピン
201は油圧室191内の油圧力をうけて外方に突出し
てロックピン孔13に嵌入する。これによりピストンピ
ンPはロックされ、低圧縮比位置(第2A,第2B図)
に保持される。そして油圧室191内に圧油が作用して
いるかぎりロックピン201はロックピン孔13から抜
け出ることがないので、ピストン2は低圧縮比位置に保
持されたまま、第6図一点鎖線で示すような運動曲線C
1を描き、かつピストンピンPは低位置lに保持された
まま吸入、圧縮、爆発および排気の行程を繰り返し機関
は低圧縮比状態での高負荷運転が行われる。
また圧縮および爆発行程では、シリンダ1内の内部圧力
が高いので、ピストン2はその圧力で下方に附勢されて
低圧縮比側へとどまる傾向が大きく、第7図(ロ),
(ハ)に示すように圧縮および爆発行程の終了近くでも
ロックピン201はロックピン孔13に嵌入し得る機会
があり、したがって第1油圧シリンダCy1による低圧
縮比側へのロックタイミングとしては第7図イ、ロ、ハ
に示すように吸入、圧縮および爆発の各行程の終了近く
の3回である。
が高いので、ピストン2はその圧力で下方に附勢されて
低圧縮比側へとどまる傾向が大きく、第7図(ロ),
(ハ)に示すように圧縮および爆発行程の終了近くでも
ロックピン201はロックピン孔13に嵌入し得る機会
があり、したがって第1油圧シリンダCy1による低圧
縮比側へのロックタイミングとしては第7図イ、ロ、ハ
に示すように吸入、圧縮および爆発の各行程の終了近く
の3回である。
また機関の高負荷運転から低負荷運転へ移行すべく、第
1油圧シリンダCy1への圧油の供給をカットすれば、
ピストン2は吸入、あるいは排気行程の途中でピストン
2の加速度が零近くになり、そこにかかる力が最小にな
った時点で第1油圧シリンダCy1のロックピン201
とロックピン孔13間のフリクシヨンが減少し、ロック
ピン201は戻しばね211の弾発力でロックピン孔1
3から抜けてピンボス4内に没し、ピストンピンPは自
動的にフリー状態となる。
1油圧シリンダCy1への圧油の供給をカットすれば、
ピストン2は吸入、あるいは排気行程の途中でピストン
2の加速度が零近くになり、そこにかかる力が最小にな
った時点で第1油圧シリンダCy1のロックピン201
とロックピン孔13間のフリクシヨンが減少し、ロック
ピン201は戻しばね211の弾発力でロックピン孔1
3から抜けてピンボス4内に没し、ピストンピンPは自
動的にフリー状態となる。
〔II〕機関の高圧縮比運転 油圧制御器25は、機関の低負荷運転を感知して油圧源
26を主給油路242を介して第2油圧シリンダCy2
側の給油路232に連通させておく。いまピストンピン
Pが第1,第2油圧シリンダCy1,Cy2の何れによ
ってもロックされていない、すなわちピストンピンPの
フリー状態で機関が運転されているとき、機関が排気行
程に入ってその終了近くにくると、シリンダ1内の内部
圧力は大気圧に近いのでピストン2はそれ自体の慣性に
よってコンロッド14に対して上向きに単独で移動し、
その際ピストンピンPは約180゜回転して高圧縮比
側、すなわち第4A,第4B図に示すようにそのクラン
ク部9が、その左,右ジャーナル部7,8に対して下向
きになるように回動する。このピストン2の回動過程
で、ピストンピンPに設けた通油路222が、給油路2
32を第2油圧シリンダCy2の小シリンダ孔172内
の油圧室192に連通するとともにロックピン孔12が
ロックピストン182のロックピン202と一致するに
至る(第8図(ニ′))。したがってロックピン202
は、ロックピン孔12に嵌入してピストンピンPはロッ
クされ、高圧縮比位置(第4A,第4B図)に保持され
る。そして第2油圧シリンダCy2の油圧室192内に
圧油が作用しているかぎりロックピン202はロックピ
ン孔12から抜け出ることがないので、ピストン2は高
圧縮比位置に保持されたまま第6図点線で示すような運
動曲線C2を描き、またピストンピンPは高位置hに保
持されたまま吸入、圧縮、爆発および排気の行程を繰り
返す。ピストン2が上死点に至れば、該ピストン2の上
死点位置は前述の低圧縮比運転時の上死点位置に比べて
偏心量eの2倍だけ高位に達し、機関は高圧縮比での低
負荷運転が行われる。
26を主給油路242を介して第2油圧シリンダCy2
側の給油路232に連通させておく。いまピストンピン
Pが第1,第2油圧シリンダCy1,Cy2の何れによ
ってもロックされていない、すなわちピストンピンPの
フリー状態で機関が運転されているとき、機関が排気行
程に入ってその終了近くにくると、シリンダ1内の内部
圧力は大気圧に近いのでピストン2はそれ自体の慣性に
よってコンロッド14に対して上向きに単独で移動し、
その際ピストンピンPは約180゜回転して高圧縮比
側、すなわち第4A,第4B図に示すようにそのクラン
ク部9が、その左,右ジャーナル部7,8に対して下向
きになるように回動する。このピストン2の回動過程
で、ピストンピンPに設けた通油路222が、給油路2
32を第2油圧シリンダCy2の小シリンダ孔172内
の油圧室192に連通するとともにロックピン孔12が
ロックピストン182のロックピン202と一致するに
至る(第8図(ニ′))。したがってロックピン202
は、ロックピン孔12に嵌入してピストンピンPはロッ
クされ、高圧縮比位置(第4A,第4B図)に保持され
る。そして第2油圧シリンダCy2の油圧室192内に
圧油が作用しているかぎりロックピン202はロックピ
ン孔12から抜け出ることがないので、ピストン2は高
圧縮比位置に保持されたまま第6図点線で示すような運
動曲線C2を描き、またピストンピンPは高位置hに保
持されたまま吸入、圧縮、爆発および排気の行程を繰り
返す。ピストン2が上死点に至れば、該ピストン2の上
死点位置は前述の低圧縮比運転時の上死点位置に比べて
偏心量eの2倍だけ高位に達し、機関は高圧縮比での低
負荷運転が行われる。
尚、第8図(イ′)〜(ハ′)の状態ではピストンピン
Pは高圧縮比位置にロックされる機会はない。
Pは高圧縮比位置にロックされる機会はない。
第2油圧シリンダCy2の小シリンダ孔172への圧油
の供給を解除すれば、ピストン2は加速度が零に近く、
そこにかかる力が最も小さくなった吸入行程もしくは排
気行程の途中でロックピン202は戻しばね212の弾
発力でピストン2内に内没してピストンピンPとピスト
ン2とのロック状態が自動的に解除され、ピストン2は
フリー状態となる。
の供給を解除すれば、ピストン2は加速度が零に近く、
そこにかかる力が最も小さくなった吸入行程もしくは排
気行程の途中でロックピン202は戻しばね212の弾
発力でピストン2内に内没してピストンピンPとピスト
ン2とのロック状態が自動的に解除され、ピストン2は
フリー状態となる。
而して前述の低圧縮比運転から高圧縮比運転、あるいは
その逆に切換える間には、ピストンピンPは一時的にフ
リー状態となるが、この状態で機関が運転されるときは
ピストンピンPの位置が変化するので、ピストン2は第
6図実線に示すような運転曲線C3を描き、かつピスト
ンピンPは高,低位置h,l間で上下に変動しつつ往復
運動するが、この曲線は機関の回転数、負荷によって変
化し必ずしも一定しない。
その逆に切換える間には、ピストンピンPは一時的にフ
リー状態となるが、この状態で機関が運転されるときは
ピストンピンPの位置が変化するので、ピストン2は第
6図実線に示すような運転曲線C3を描き、かつピスト
ンピンPは高,低位置h,l間で上下に変動しつつ往復
運動するが、この曲線は機関の回転数、負荷によって変
化し必ずしも一定しない。
第5A図にはピストンピンPの変型例を示す。この変型
例ではピストンピンPのフランジ部10の重量を軽減し
てその軸方向の重量バランスをよくしたもので、フラン
ジ部10の小径に形成して半径方向に2つの膨出部10
a,10aを延設し、それらの膨出部10a,10aに
高,低圧縮比側ロックピン孔12,13がそれぞれ穿設
される。
例ではピストンピンPのフランジ部10の重量を軽減し
てその軸方向の重量バランスをよくしたもので、フラン
ジ部10の小径に形成して半径方向に2つの膨出部10
a,10aを延設し、それらの膨出部10a,10aに
高,低圧縮比側ロックピン孔12,13がそれぞれ穿設
される。
尚、前記実施例のように、ピストン2の左,右ジャーナ
ル部7,8およびクランク部9を円柱体により一体に構
成し、左,右ジャーナル部7,8とクランク部9の母線
をそれらの一側において同一線上に一致させるようにす
れば、ピストンピンPにクランク部9を形成しても段差
を少なくすることができ、ピストンピンPにかかる応力
集中を可及的に低減することができピストンピンPのコ
ンパクト化が可能となり、さらにピストン2のピンボス
内径を特に大径にしなくてもピストンピンPをピストン
2の一側面よりピンボス3,4に挿入して組付けること
ができ、その組付が容易となるばかりでなくピストン2
自体の強度減を招くこともない。
ル部7,8およびクランク部9を円柱体により一体に構
成し、左,右ジャーナル部7,8とクランク部9の母線
をそれらの一側において同一線上に一致させるようにす
れば、ピストンピンPにクランク部9を形成しても段差
を少なくすることができ、ピストンピンPにかかる応力
集中を可及的に低減することができピストンピンPのコ
ンパクト化が可能となり、さらにピストン2のピンボス
内径を特に大径にしなくてもピストンピンPをピストン
2の一側面よりピンボス3,4に挿入して組付けること
ができ、その組付が容易となるばかりでなくピストン2
自体の強度減を招くこともない。
C.発明の効果 以上のように本発明によれば、ピストンピンを高圧縮比
位置にロックし得る高圧縮比専用の油圧作動式第1ロッ
ク装置と、同ピストンピンを低圧縮比位置にロックし得
る低圧縮比専用の油圧作動式第2ロック装置とを互いに
独立して設け、それら第1及び第2ロック装置の油圧シ
リンダに個別に連なる第1及び第2の給油路に、その両
給油路に対し圧油を機関の運転状態に応じて選択的に供
給する制御装置を接続したので、圧縮比の切換えに際し
ては、新たに切換えようとする圧縮比に対応した一方の
ロック装置の給油路に圧油を供給し続けると共にその他
方のロック装置の給油路への圧油供給を断つだけで、該
一方のロック装置のロックピンのみを誤りなく対応する
ロックピン係合部に嵌入させてロック作動させることが
でき、従って給油路への圧油導入タイミングを応答性の
特別高い制御装置を用いて高精度に制御しなくても、圧
縮比の切換えを誤りなく的確に行わせることができるか
ら、制御装置のコストを節減し且つ故障発生を抑える上
で極めて有利であり、また、機関回転数が増大しても誤
った圧縮比位置にロックされてしまう不都合を確実に回
避することができるから、機関の運転状態に応じて圧縮
比を常に的確に切換えることができて、異常燃焼の発生
を抑えつつ燃費、出力性能の向上を図ることができる。
位置にロックし得る高圧縮比専用の油圧作動式第1ロッ
ク装置と、同ピストンピンを低圧縮比位置にロックし得
る低圧縮比専用の油圧作動式第2ロック装置とを互いに
独立して設け、それら第1及び第2ロック装置の油圧シ
リンダに個別に連なる第1及び第2の給油路に、その両
給油路に対し圧油を機関の運転状態に応じて選択的に供
給する制御装置を接続したので、圧縮比の切換えに際し
ては、新たに切換えようとする圧縮比に対応した一方の
ロック装置の給油路に圧油を供給し続けると共にその他
方のロック装置の給油路への圧油供給を断つだけで、該
一方のロック装置のロックピンのみを誤りなく対応する
ロックピン係合部に嵌入させてロック作動させることが
でき、従って給油路への圧油導入タイミングを応答性の
特別高い制御装置を用いて高精度に制御しなくても、圧
縮比の切換えを誤りなく的確に行わせることができるか
ら、制御装置のコストを節減し且つ故障発生を抑える上
で極めて有利であり、また、機関回転数が増大しても誤
った圧縮比位置にロックされてしまう不都合を確実に回
避することができるから、機関の運転状態に応じて圧縮
比を常に的確に切換えることができて、異常燃焼の発生
を抑えつつ燃費、出力性能の向上を図ることができる。
図面は本発明の一実施例を示すもので、第1図はピスト
ンが低圧縮比位置に保持された状態の機関のピストン部
分の側面図、第2A図は第1図IIA−IIA線断面図、第
2B図は第2A図の概略図、第3図はピストンが高圧縮
比位置に保持された状態の機関のピストン部分の側面
図、第4A図は第3図IVA−IVA線断面図、第4B図は
第4A図の概略図、第5図はピストンピンの斜視図、第
5A図はピストンピンの変型例の斜視図、第6図はピス
トンピンの、低,高圧縮比とフリー状態での、ピストン
の運動曲線およびピストンピンの位置を示す線図、第7
図は低圧縮比ロックタイミングを示す概略図、第8図は
高圧縮比ロックタイミングを示す概略図である。 Cy1,Cy1……第1,第2油圧シリンダ、L1,L
2……第1,第2ロック装置、P……ピストンピン 1……シリンダ、2……ピストン、3,4……左,右ピ
ンボス、7,8……左、右ジャーナル部、9……クラン
ク部、10……フランジ部、12,13……ロックピン
係合部としてのピン孔、14……コンロッド、14a…
…小端部、15……クランク軸、181,182……ロ
ックピストン。
ンが低圧縮比位置に保持された状態の機関のピストン部
分の側面図、第2A図は第1図IIA−IIA線断面図、第
2B図は第2A図の概略図、第3図はピストンが高圧縮
比位置に保持された状態の機関のピストン部分の側面
図、第4A図は第3図IVA−IVA線断面図、第4B図は
第4A図の概略図、第5図はピストンピンの斜視図、第
5A図はピストンピンの変型例の斜視図、第6図はピス
トンピンの、低,高圧縮比とフリー状態での、ピストン
の運動曲線およびピストンピンの位置を示す線図、第7
図は低圧縮比ロックタイミングを示す概略図、第8図は
高圧縮比ロックタイミングを示す概略図である。 Cy1,Cy1……第1,第2油圧シリンダ、L1,L
2……第1,第2ロック装置、P……ピストンピン 1……シリンダ、2……ピストン、3,4……左,右ピ
ンボス、7,8……左、右ジャーナル部、9……クラン
ク部、10……フランジ部、12,13……ロックピン
係合部としてのピン孔、14……コンロッド、14a…
…小端部、15……クランク軸、181,182……ロ
ックピストン。
Claims (3)
- 【請求項1】ピストン(2)に横架されて該ピストン
(2)とコンロツド(14)間を連結するピストンピン
(P)を、ピストン(2)の一対のピンボス(3,4)
に回転自在に嵌合支持される左,右一対のジャーナル部
(7,8)と、それらジャーナル部(7,8)に対し偏
心し且つ前記コンロッド(14)に回転自在に連結され
る中央のクランク部9とより構成して、該ピストンピン
(P)が低圧縮比位置と高圧縮比位置との間を動き得る
ようにした内燃機関の圧縮比可変装置において、第1の
ロックピン係合部(13)と該第1のロックピン係合部
(13)に抜差可能に係合してピストンピン(P)を低
圧縮比位置にロックし得る第1のロックピン(201)
と該第1のロックピン(201)を該第1のロックピン
係合部(13)との係合方向に押圧し得る第1の油圧シ
リンダ(Cy1)とを備えた低圧縮比専用の第1ロック
装置(L1)と、第2のロックピン係合部(12)と該
第2のロックピン係合部(12)に抜差可能に係合して
ピストンピン(P)を高圧縮比位置にロックし得る第2
のロックピン(202)と該第2のロックピン(2
02)を該第2のロックピン係合部(12)との係合方
向に押圧し得る第2の油圧シリンダ(Cy2)とを備え
た高圧縮比専用の第2ロック装置(L2)とが互いに独
立して配備され、前記第1及び第2油圧シリンダ(Cy
1,Cy2)に個別に連なる第1及び第2の給油路(2
41,242)には、その両給油路(241,242)
に対し圧油を機関の運転状態に応じて選択的に供給する
制御装置(C)が接続されることを特徴とする、内燃機
関の圧縮比可変装置。 - 【請求項2】前記特許請求の範囲第項記載の内燃機関
の圧縮比可変装置において、前記ピストンピン(P)
は、その両端の左,右ジャーナル部(7,8)と、その
中央のクランク部(9)とを円柱体により一体に構成
し、前記左,右ジャーナル部(7,8)およびクランク
部(9)の母線をそれらの一側において同一線上に一致
させてなる内燃機関の圧縮比可変装置。 - 【請求項3】前記特許請求の範囲第項又は第項記載
の内燃機関の圧縮比可変装置において、前記各油圧シリ
ンダ(Cy1,Cy2)が一方のピンボス(4)内に前
記ピストンピン(P)と平行に配置されてなる、内燃機
関の圧縮比可変装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58173613A JPH0610431B2 (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP58173613A JPH0610431B2 (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6065232A JPS6065232A (ja) | 1985-04-15 |
JPH0610431B2 true JPH0610431B2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=15963854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP58173613A Expired - Lifetime JPH0610431B2 (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 内燃機関の圧縮比可変装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610431B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101459423B1 (ko) * | 2009-10-22 | 2014-11-10 | 현대자동차 주식회사 | 가변 압축비 장치 |
US9470144B2 (en) | 2013-10-16 | 2016-10-18 | Hyundai Motor Company | Variable compression ratio engine |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5838344A (ja) * | 1981-08-31 | 1983-03-05 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の可変圧縮比機構 |
-
1983
- 1983-09-20 JP JP58173613A patent/JPH0610431B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101459423B1 (ko) * | 2009-10-22 | 2014-11-10 | 현대자동차 주식회사 | 가변 압축비 장치 |
US9470144B2 (en) | 2013-10-16 | 2016-10-18 | Hyundai Motor Company | Variable compression ratio engine |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6065232A (ja) | 1985-04-15 |
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