JPH06103893A - 陰極線管及びその製造方法 - Google Patents

陰極線管及びその製造方法

Info

Publication number
JPH06103893A
JPH06103893A JP24839792A JP24839792A JPH06103893A JP H06103893 A JPH06103893 A JP H06103893A JP 24839792 A JP24839792 A JP 24839792A JP 24839792 A JP24839792 A JP 24839792A JP H06103893 A JPH06103893 A JP H06103893A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
ray tube
cathode ray
phosphor
face plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24839792A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhide Kashiwakura
康秀 柏倉
Osamu Kanehisa
修 金久
Hajime Morishita
▲元▼ 森下
Hideji Matsukiyo
秀次 松清
Masatoshi Shiiki
正敏 椎木
Hisashi Toyama
久 外山
Yasukazu Morita
安一 森田
Tsunekichi Nakayama
恒吉 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Japan Display Inc
Original Assignee
Hitachi Device Engineering Co Ltd
Hitachi Ltd
Hitachi Consumer Electronics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Device Engineering Co Ltd, Hitachi Ltd, Hitachi Consumer Electronics Co Ltd filed Critical Hitachi Device Engineering Co Ltd
Priority to JP24839792A priority Critical patent/JPH06103893A/ja
Publication of JPH06103893A publication Critical patent/JPH06103893A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】高充填密度の蛍光膜の有する陰極線管の製造方
法を提供すること。 【構成】陰極線管のフェースプレート21内面に粘着性
膜を形成し、この粘着性膜上に蛍光体粒子層を形成し、
振動を与える等の方法で蛍光体粒子層の充填密度を高
め、フェースプレートと蛍光体粒子層間及び蛍光体粒子
相互間に接着性を付与して蛍光体粒子層を定着させ、蛍
光膜22を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写形テレビジョン等
に用いる単色の陰極線管及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管の蛍光膜の形成方法の主なもの
として、次の5つの方法が一般に知られている。即ち、
直視型カラー陰極線管の多色蛍光膜の形成方法として
は、スラリー法、ダスティング法、感光性粘着膜法が、
投写形陰極線管等の単色蛍光膜の形成方法としては、沈
降法、印刷法が知られている。
【0003】スラリー法は、陰極線管のフェースプレー
ト上に、ポリマー及び重クロム酸塩等からなる感光性塗
料に蛍光体を分散させた懸濁液を塗布した後、露光、現
像をしてパターン化する方法である。これについては、
例えば、ジャーナル オブザ エレクトロケミカル テ
クノロジー(J.Electrochem.Tecnoligy),4,1−
2,27(1966)に記載されている。ダスティング
法は、フェースプレート上に、ポリマー及び重クロム酸
塩等からなる感光性塗料を塗布した後、蛍光体をエアー
スプレーで表面に付着させ、露光、現像をしてパターン
化する方法である。これについては、ジャーナル オブ
ザ エレクトロケミカル ソサイティー(J.Electroc
hem.Soc.),101巻,第99頁(1954)に記載さ
れている。感光性粘着膜法は、特公昭57−20651
に記載のように、予めフェースプレート上にジアゾニウ
ム塩と水溶性ポリマーとの組成物からなる感光性膜を形
成した後に、マスクを使って所定の部分を紫外線露光を
して、遊離した塩化亜鉛の潮解性を利用して粘着性を持
たせ、蛍光体を散布し、この部分に蛍光体を付着させる
方法である。
【0004】また、印刷法は、蛍光体とポリマー等を含
むペーストを押型印刷して形成する方法である。沈降法
は、特開平2−220324に記載のように、ブラウン
管のバルブ中に蛍光体懸濁液を入れ、蛍光体を沈降さ
せ、上澄液を除き、乾燥する方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】背面投写形テレビジョ
ン用の陰極線管や直視型CRTを含めて、陰極線管の蛍
光膜の膜構造は、陰極線管の発光特性に大きく影響す
る。蛍光膜の充填密度を上げることは、蛍光膜の輝度劣
化の低減と、発光スクリーンの解像度と発光の均一性を
向上することに有効である。例えば、蛍光膜の膜厚が同
じ場合でも、充填密度を高くすると蛍光膜の熱伝導性が
上がり、電子線照射による蛍光膜の温度上昇が抑えられ
るために輝度劣化が低減する。同時にピンホールも減る
ため、電子線が直接ガラス面に照射されず、ガラス面の
焼けによる輝度劣化も低減できる。また、ピンホール等
を含めた蛍光膜中の空隙が減ることにより発光の散乱が
少なくなり、電子線照射部分以外の発光が減るため、画
面の解像度と発光の均一性(ユニホミティ)が改善され
る。一方、解像度を上げるには、従来の蛍光膜膜厚であ
る50〜60μm程度をさらに薄くすれば良いが、従来
の蛍光膜の充填密度のままでその膜厚を薄くするとピン
ホールが増える等の問題がある。
【0006】近年のテレビジョンは、高画質化、大画面
化が進んでおり、陰極線管の発光特性は、特に大画面で
は大きく強調される。例えば、投写形陰極線管を例にと
ると、6〜9インチのフェースプレートに形成された赤
・緑・青色各単色蛍光膜の3本の陰極線管からの発光は
40〜50インチのスクリーン上に投写重畳されて像が
出来るため、蛍光体粒子一ヶの発光点は、スクリーン上
では約50倍以上に拡大されることになる。従って陰極
線管の蛍光膜上では小さなピンホールや充填性の不均一
によるわずかな発光ムラでも、スクリーン上では強調し
て現われる。また直視型に比べて照射電流密度が100
倍以上と蛍光膜への負荷が大きいために、蛍光体粒子
や、電子ビームがピンホール部分のフェースプレートに
直接当ることによる焼け、いわゆるガラス面のブラウニ
ングによる輝度劣化が大きくなる。そのため蛍光膜の高
充填化、低膜厚化、ピンホール低減、平滑化等の膜構造
の改善は、画面の改善に直接影響を与える。
【0007】上記した従来技術は、いずれも蛍光膜の充
填密度については配慮されておらず、高画質、長寿命の
陰極線管が得られないという問題があった。以下、これ
についてさらに説明する。
【0008】上記従来技術のうちでスラリー法、印刷
法、沈降法はいわゆる湿式法であり、いずれもフェース
プレートへの蛍光膜の塗膜性や接着性を出すため、蛍光
体のほかにポリマー、無機結着剤等を含んだ塗布液を使
用する。そのため蛍光膜を形成した後に乾燥をしても、
蛍光体粒子間に残った結着剤等の影響で隙間が多くな
る。すなわち蛍光膜の充填密度を上げることができな
い。
【0009】また、ダスティング法はいわゆる乾式法で
あるが、蛍光体をエアースプレーでポリマーを含む塗膜
に吹き付けるため、乾燥後は上記とほぼ同じ構造にな
り、同様に蛍光膜の充填密度を上げることができない。
【0010】感光性粘着膜法もいわゆる乾式法である
が、感光性の塗膜を用いるため、露光工程等を必要とし
工程が複雑であり、また、紫外線遮光室を必要とする等
作業上の不便さがある。なお、このことは、スラリー
法、ダスティング法も同様である。
【0011】ここで投写形陰極線管蛍光膜の形成法と膜
構造を従来法の一つである沈降法を例にとってさらに詳
しく説明する。この形成法では、投写形陰極線管のバル
ブの中に予め酢酸バリウム等の電解質水溶液を入れてお
き、その中に蛍光体と水ガラスとの懸濁液を注入して蛍
光体粒子を凝集沈降させ、底部のフェースプレート上に
蛍光膜を形成した後に、バルブを傾斜して上澄液を排除
する。例えば青色蛍光膜の場合には、平均粒径約10μ
mのZnS:Ag系蛍光体を使い、得られた蛍光膜の膜
厚は約46〜52μm、膜重量は約5.5〜6.0mg
/cm2、膜密度が約1.1〜1.3g/cm3、ZnS
の真密度を4.08g/cm3として求めた相対充填密
度は最大約32%である。ピンホールもかなり点在して
いる。ここで蛍光膜の接着力は、蛍光体粒子に吸着した
水ガラス中のケイ酸カリウムが電解質によってゲル化す
る際に起こる蛍光体の粒子間及び蛍光体とガラス間との
架橋反応により保たれる。蛍光膜の充填密度と接着力
は、蛍光体と電解質及びケイ酸カリウムとの組成比や溶
液の濃度によって決まる。電解質濃度やこれらの組成濃
度を減らすと、充填密度は相対的に高くはなるが、一方
で接着力が弱くなり、蛍光膜が剥がれるという問題が起
こる。
【0012】本発明の目的は、高充填密度の蛍光膜の有
する陰極線管及びそのような陰極線管を容易に製造する
ことのできる陰極線管の製造方法を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の陰極線管の製造方法は、陰極線管のフェー
スプレート内面に粘着性膜を形成する第1工程、粘着性
膜上に蛍光体粒子層を形成する第2工程、蛍光体粒子層
の充填密度を高める第3工程及びフェースプレートと蛍
光体粒子層間及び蛍光体粒子相互間に接着性を付与して
蛍光体粒子層を定着させ、蛍光膜を形成する第4工程を
有するものである。
【0014】上記第1の工程は、潮解性無機化合物と水
溶性ポリマーとを有する粘着液をフェースプレート内面
に塗布し、乾燥することによって行うことが好ましい。
潮解性無機化合物としては、ZnCl2、CaCl2、L
iCl、KNO2、Ca(NO32、Zn(NO32
Mg(NO32及びK2CO3からなる群から選ばれた少
なくとも1種の化合物を用いることができる。水溶性ポ
リマーとしてはポリビニルアルコール、アラビアゴム、
アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ポリアク
リルアミド、ポリ(n−ビニルピロリドン)、アクリル
アミド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ポリエチ
レングリコール及びメチルビニルエーテル−無水マレイ
ン酸アルキルモノエステル共重合体からなる群から選ば
れた少なくとも1種のポリマーを用いることができる。
この他にもアクリル酸やメタクリル酸系の共重合体を用
いてもよい。
【0015】粘着液中の潮解性無機化合物の量は、水溶
性ポリマー1に対し重量比で1から20の範囲にあるこ
とが好ましいが、より好ましい又は最も好ましい範囲は
潮解性無機化合物の種類によって異なり、例えば、Zn
Cl2では、水溶性ポリマー1に対し重量比で1から1
0の範囲がより好ましく、2から3の範囲が最も好まし
い。
【0016】また、粘着液は、粘着性膜のガラス面との
接着性を保つため、硫酸カリウムクロム等の接着促進剤
を加えることが好ましく、さらにフェースプレートのガ
ラス面への粘着液の濡れ性等塗布性を良くするため、界
面活性剤を加えることが好ましい。硫酸カリウムクロム
の量は、水溶性ポリマーに対し5から8重量%の範囲で
あることが好ましく、界面活性剤の量は、水溶液の0.
01から0.5重量%の範囲であることが好ましい。界
面活性剤を塗布性向上のために塗料に加えることは、例
えば、前記、特公昭57−20651に記載されてお
り、これに記載されているような種類の化合物を用いる
ことができる。
【0017】なお、上記第2工程は、相対湿度が50%
以上65%以下の雰囲気で行うことが好ましい。
【0018】また、本発明の陰極線管は、そのフェース
プレート内面に有する蛍光膜が青色発光蛍光体又は赤色
発光蛍光体の膜であるときは、その相対充填密度は、3
5%以上であることが好ましく、緑色発光蛍光体の膜で
あるときは、その相対充填密度は、40%以上であるこ
とが好ましい。いずれの場合も、相対充填密度の上限
は、55%程度までである。
【0019】蛍光膜の膜厚は、5μm以上であること、
35μm以下であることが好ましく、5μmから20μ
mの範囲がより好ましく、10μmから20μmの範囲
が最も好ましい。
【0020】
【作用】陰極線管のフェースプレート内面に粘着性膜を
形成し、これの上に蛍光体を散布すると、粘着膜表面に
直接接触した一層目の蛍光体粒子は、潮解性物質と水溶
性ポリマーの水分によって付着する。二層目以上の蛍光
体粒子間は、這い上がってきた潮解性物質によって付着
する。次の工程で、振動等を与えることにより、付着力
の弱い粒子は容易に移動して充填密度を増大させる。さ
らに凝集作用のある水溶性ポリマーと界面活性剤との溶
液とからなる定着液に蛍光体粒子層を浸すことにより、
凝集作用のある水溶性ポリマーが、例えば、潮解性物質
のZnによって不溶化され、その後水洗と乾燥を経て接
着性が保たれ蛍光膜が形成される。
【0021】定着処理する前の蛍光体粒子層は、粘着膜
からの這い上がった物質で弱く付着しているだけであ
る。そのために蛍光体粒子層を一旦形成した後でも、蛍
光体粒子は振動等によって容易に移動することができ、
蛍光体粒子層中の空隙を埋めることができる。ラミネー
ションを起こすことなく均質に蛍光体粒子を充填させた
後定着処理を施す。
【0022】なお、粘着膜の粘着性は、粘着液の這い上
がり速度が速いほど強く、そしてこれは潮解性物質の割
合が多いほど、また粘着膜膜厚が厚く、蛍光体付与時の
相対湿度が高いほど一般には早くなる。
【0023】上記のようにして製造した蛍光膜は、薄い
膜厚においても高充填性で実用的な蛍光膜が得られる。
そのため蛍光膜の輝度、輝度維持率、高電流密度域での
輝度飽和特性の優れた陰極線管が得られると同時に、発
光スクリーンの解像度が向上する。
【0024】
【実施例】
〈実施例1〜15〉青色発光蛍光体(以下単に青色蛍光
体という、赤色、緑色のときも同じ)ZnS:Ag,A
lについて、粘着性膜及び蛍光膜の形成条件を変えて作
成した蛍光膜の膜質評価結果を示す。粘着性膜について
は、水溶性ポリマーとしてポリビニルアルコール(以下
PVAと表す)、潮解性無機化合物としてZnCl2
用い、主にPVA対ZnCl2組成比と、粘着性膜の膜
重量及び蛍光膜形成時の湿度を変えて行った。
【0025】粘着性膜は、(1)PVA;けん化度8
8、重合度2450、(2)ZnCl2(3)非イオン
性界面活性剤;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエ
ーテル、花王社製エマルゲン♯810(以下EMGと表
す)、(4)硫酸カリウムクロム(以下Crミョウバン
と表す)、(5)水からなる粘着液を使用して膜とし
た。粘着液の組成比は表1の通りである。
【0026】
【表1】
【0027】ここでEMGは、フェースプレートのガラ
ス面への粘着液の濡れ性を良くするためのものでり、ま
たCrミョウバンは、粘着性膜のガラス面との接着性を
保つためのものであり、その濃度は後述の実施例の結果
から決めた。上記の粘着液をNaガラス製の27mm角
テストピース上に回転塗布をして粘着性膜を形成させ
た。粘着性膜の膜重量は、0.8〜0.05mg/cm
2の範囲であった。膜厚はおよそ0.8〜0.05μm
である。
【0028】粘着性膜を形成したテストピースは裏側に
接着テープを付けて、プラスチック容器の内部にセット
した。またこれに約10gの蛍光体を隣接して載せた。
その後この容器を、相対湿度が約65〜30%の範囲の
室内または調湿したデシケータ中に収め、60分以上放
置した。次にこの容器を室内に取り出し、粘着性膜上へ
の蛍光体付与を開始した。付与は、温度約24℃、相対
湿度が65〜50%の室内で2〜10分間行った。
【0029】蛍光膜の充填密度を増大させるための方法
は、以下に示す方法を行った。揺動法は、上記の容器を
左右前後に傾斜させることにより、蛍光体を粘着性膜上
の水平方向に移動させた。振動法は、容器の下部又は側
面に振動子を当てて蛍光体を移動させ、その方法は振動
子の振動方向と強さ及び容器との接触方法により変化さ
せた。タッピング法は、容器の下部及び側面に衝撃を与
えた。
【0030】次に蛍光膜表面をエアーブローをして、表
面に残った蛍光体の凝集塊を取除いた。その後テストピ
ースを水溶性ポリマーのポリアクリルアミド(以下PA
Aと表す)が0.3wt%とEMGが0.1wt%との
混合水溶液に浸して、蛍光膜を定着した。さらにイオン
交換水の流水中で2分間以上水洗した後、空気中430
℃で60分間ベークをした。
【0031】蛍光膜の充填性の評価は次のようにして行
った。まず膜重量(mg/cm2)を測定する。つぎに
蛍光膜断面のSEM像から蛍光膜の膜厚(μm)を求
め、膜の充填密度(g/cm3)=膜重量/膜厚(g/
cm3)を計算した。蛍光膜の相対充填密度は、ZnS
の真密度を4.08(g/cm3)として求めた。表2
に、形成条件と蛍光膜の膜質との代表例を示す。
【0032】
【表2】
【0033】本表には、粘着性膜の膜重量が0.5〜
0.3mg/cm2で、付与時間は実用的な5分で形成
した場合を主に示した。比較例1は上記と同じ青色蛍光
体を使って、従来の沈降塗布法で形成した膜質である。
【0034】評価は、比較例1に示したように、同じ青
色蛍光体試料を使って、従来の沈降塗布法で形成した蛍
光膜の相対充填密度と比較したものである。Cは従来法
より若干良いもの、Bは40%以上とかなり良いもの、
Aは蛍光膜膜厚が30μm前後又はそれ以下においても
40%以上を示したものである。
【0035】まず、実施例1〜3の粘着液のPVA対Z
nCl2重量比が1/8の場合には、膜重量は付与時間
5分ではやや大きく、変動幅もやや大きく、膜の平滑性
もやや悪い。相対充填密度は、付与前の相対湿度が60
〜65%で、振動及びタッピング付与の場合にはかなり
よい。表には示さなかったが、付与前の相対湿度が約5
0%の場合にも同様の膜質であったが、約30%の相対
湿度では、相対充填密度40%以上のものができなかっ
た。
【0036】つぎに、実施例4〜10の粘着液のPVA
対ZnCl2重量比が1/3の場合には、1/8の場合
よりもZnCl2の割合が少ないため粘着性膜の粘着性
が低い。そのため付与前の相対湿度が約50%以上で、
振動及びタッピング付与の場合には、蛍光膜膜膜質の変
動幅が少なくなり、相対充填密度も高い。相対湿度が約
30%の場合には、これに比べると低いが従来法よりは
高い充填密度を示した。
【0037】実施例11〜13の粘着液のPVA対Zn
Cl2重量比が1/2の場合にも同様であり、振動、タ
ッピング付与ともに相対湿度が60〜65%での場合に
は、振動及びタッピング付与により、相対充填密度が高
く変動幅の少ない蛍光膜が得られた。
【0038】以上をまとめると、PVA対ZnCl2
量比が1/2から1/8のいずれの場合にも、従来法に
比べて高い充填密度の蛍光膜が得られる。さらに1/3
から1/2の範囲が蛍光膜膜厚等の再現性の点から最も
好ましい。
【0039】なお、定着液中の水溶性ポリマー及び界面
活性剤にはPAAとEMGとを使用したが、それぞれ他
の凝集作用のある高分子水溶性ポリマー及び他の湿潤浸
透作用のある界面活性剤を使用しても同様の効果が得ら
れる。
【0040】〈実施例14〜20〉赤色蛍光体Y23
Euについて、実施例1〜13と同様な評価を行った結
果を表3に示す。付与時間は7分の場合である。相対充
填密度は、Y23の真密度を4.84(g/cm3)と
して求めた。
【0041】
【表3】
【0042】比較例2は同じ赤色蛍光体試料を使って、
従来の沈降塗布法で形成した膜質である。実施例1〜1
3の青色蛍光体と比べ本実施例では、同じ蛍光膜膜重量
を得るための付与時間は長くなる。これは使用した蛍光
体の材料、粒径、表面コート等が異なるためであり、高
充填密度を得るための適切な条件範囲は変っている。し
かし、従来法よりは格段に高い充填密度の蛍光膜が得ら
れた。
【0043】〈実施例21〜28〉6インチ投写管で、
断面形状が平らなフラットタイプフェースプレート内に
形成した単色蛍光膜の評価例を以下に示す。青色及び赤
色蛍光体は、実施例1〜20と同じものを使った。緑色
蛍光体は、実際の投写管蛍光膜では、Y3(Al,G
a)512:Tb単品ではなく、発光色調節のために、
少量のZn2SiO4:Mn等を混合したものが使われ
る。しかし、本実施例では蛍光膜の相対充填密度を計算
するために、Y3(Al,Ga)512:Tb単品で形成
した例を記載する。粘着液は実施例1〜12で記載した
粘着液IIをベースとして、粘度を下げるため1/2ない
し1/3に希釈して200rpmで回転塗布した。形成
した粘着性膜は、温風によりフェースプレートの温度を
約48℃まで乾燥し、その後冷却してフェースプレート
の温度が室温と同じになるまで30分以上放置した。
【0044】蛍光体付与方法は、フェースプレートの面
積が大きいためにテストピースの場合とは異なり、初め
は全面に蛍光体を均一に広げるため揺動を短時間行っ
た。その後もやはり、全面の均一性を出すため揺動を加
えながら、振動又はタッピング付与するか、揺動のみで
行なった。付与前及び付与時の雰囲気は、温度が約24
℃、相対湿度が60〜65%である。蛍光体の使用量
は、青色が約8g、赤色と緑色は小粒径のためこれより
多く、約15gである。付与時間は青色が5分、赤色と
緑色は7分である。その他の条件と評価法は実施例1〜
13と同じである。
【0045】結果を表4に示す。粘着性膜の膜重量は、
同じ条件で形成した別のフェースプレートでの値であ
り、本実施例では0.2〜0.6(mg/cm2)の範
囲で行った。また、粘着性膜膜重量、蛍光膜膜質ともに
フェースプレート内の中央から約2〜5cmの場所の値
である。このうち緑色蛍光膜の相対充填密度は、Y
3(Al,Ga)512の真密度を5.15(g/c
3)として求めた。
【0046】
【表4】
【0047】青色及び赤色蛍光膜については、振動及び
タッピング付与した場合に従来法の比較例1及び比較例
2に比べて、相対充填密度の格段に高い膜が得られた。
緑色蛍光膜の相対充填密度は、従来法が比較例3のよう
に高いレベルのため上昇率は低いが、やはり高いものが
得られた。揺動付与のみの場合には、従来法より若干よ
いものが得られた。
【0048】また本表以外にPVA対ZnCl2重量比
が1対2の場合でも、ほぼ同様な傾向であり、相対充填
密度の高い膜が得られた。
【0049】上記の蛍光膜を有するフェースプレートを
用いて、図2に示す6インチ投写形陰極線管を製造し
た。すなわち、蛍光膜22を有するフェースプレート2
1を用いて、通常の方法でフィルミングし、Al蒸着膜
23を形成し、ベーキングし、ネック管24及び電子銃
25を取付けた。投写形テレビジョンでは、22の蛍光
膜に、赤、青、緑各単色の蛍光膜を形成した3本の陰極
線管からの発光をスクリーン状に投写重畳させて画像を
得る。なお、電子ビームの偏向手段の図は省略した。
【0050】本実施例においては、赤、青、緑各単色陰
極線管の中で、1本は本実施例の陰極線管を使い、他の
2本は従来法で形成した陰極線管を組み合わせて解像度
を調べた。目視観察による判定では、赤、青、緑各色い
ずれの陰極線管ともに、本実施例による方法で蛍光膜を
形成した陰極線管を使用した方が発光スクリーン上での
解像度が改善された。
【0051】〈実施例29〉図1に赤色蛍光体について
蛍光膜膜密度の異なる試料を作成して測定した発光特性
の結果を示す。蛍光体、蛍光膜の作成法は実施例21〜
28に示した方法とほぼ同様で、かつ蛍光膜の膜厚が1
6〜25μmと薄いものである。蛍光膜は14×18m
m角の石英製のテストピース上に形成し、これを6イン
チフェースプレートに貼付して従来方法でのフィルミン
グとAl膜蒸着とベーキングを行い、陰極線管を製造し
た。このようにして作成した蛍光膜の輝度劣化の違いを
測定した。ここで、輝度維持率とは、高電流密度で一定
時間照射して強制劣化をさせた場合の初期輝度に対する
輝度の比である。測定条件は、加速電圧30kV、照射
電流100μA、ラスタ面積10×10mm2、室温で
連続30分間照射した時の透過光成分である。
【0052】従来の水ガラス沈降法で得られた蛍光膜の
発光特性も図1に合わせて示す。従来の蛍光膜の相対膜
密度は約33%で、輝度維持率が0.85であった。こ
れに対して本発明で得られる蛍光膜は、相対膜密度が3
4%〜50%と高く、例えば47%の場合の輝度維持率
は0.95となり、従来法よりも輝度維持率が約10%
程度改善されたことが分かった。
【0053】同様の方法で行った青色蛍光膜の場合に
は、従来法で得られた蛍光膜は、相対膜密度が約33
%、輝度維持率が0.70〜0.80であり、これに対
して本発明で得られた相対膜密度が34%〜50%と高
く、例えば47%の場合の輝度維持率は0.87とな
り、従来法よりも輝度維持率が10〜25%程度改善さ
れることが分かった。
【0054】同様の方法で行った緑色蛍光膜の場合に
は、従来法で得られた蛍光膜は、相対膜密度が約37
%、輝度維持率が0.80〜0.85であり、これに対
して本発明で得られた相対膜密度が39%〜50%と高
く、例えば45%の場合の輝度維持率は0.90とな
り、従来法よりも輝度維持率が6〜12%程度改善され
ることが分かった。
【0055】〈実施例30〉実施例21〜28における
粘着液IIに使った潮解性無機化合物ZnCl2に変え
て、次の7種類の潮解性無機化合物を有する粘着液IV〜
Xを用いて、実施例21〜28と同様に陰極線管を製造
した。粘着液の組成を表5に示す。潮解性無機化合物と
しては、その潮解性が室温において固相の共存する飽和
溶液上の密閉空間の湿度が60%以下を示す物質を用い
ることが好ましい。PVA濃度は2.0から4.0重量
%の範囲である。実施例21〜28と同様の操作によっ
て膜重量0.1〜0.5(mg/cm2)の粘着性膜を形成
した上に、赤、青、緑各色蛍光体の蛍光膜を形成した。
その後の工程も実施例21〜28と同様の方法で行い、
蛍光膜の充填密度を調べた。PVA対潮解性無機化合物
との重量混合比の良好な範囲は変わっているが、いずれ
の場合にも従来法よりは充点密度の格段に高い蛍光膜が
得られた。
【0056】
【表5】
【0057】〈実施例31〉つぎに6インチ投写管のフ
ェースプレート上に形成した青色蛍光膜について、粘着
性膜組成及び定着液組成と、蛍光膜の湿着力及び蛍光膜
形成後の定着処理に使ったポリマーPAAの水洗性との
関係を示す。
【0058】湿着力とは、定着処理に使ったポリマーを
水洗除去する際に、蛍光膜が剥がれないことである。蛍
光体粒子間は定着処理で接着性を保っていても、フェー
スプレートのガラス面と粘着性膜との接着性が足らない
と、水洗の際に蛍光膜が剥がれる。粘着液組成中のCr
ミョウバンは、粘着性膜内のPVAを不溶化して接着性
を出すものであるが、一方で添加濃度や溶解方法によっ
ては、粘着液中のZnCl2を変質させて不溶性の水酸
化亜鉛を発生させて、非粘着性膜の発生や蛍光膜への悪
影響となる。そのためCrミョウバンの濃度は、蛍光膜
の湿着力を保つ範囲で極力少ない方が好ましい。
【0059】ポリマーの水洗性とは、蛍光膜の定着に使
ったポリマーを、蛍光膜が剥がれない程度で極力流し落
すことである。陰極線管の蛍光膜には、その上にフィル
ミング膜と、Al反射膜形成を経て、ベーキングが行わ
れる。定着液のPAAが残っていると反射率の悪いとA
l膜ができたり、熱分解性が悪いために炭化した残渣に
よる蛍光膜の発光特性不良の原因となるために水洗除去
する必要がある。蛍光膜の水洗の際における湿着力及び
PAAの水洗性は、水洗の際の水温と、蛍光膜への水流
の供給方法によって左右される。
【0060】実験方法は実施例21〜28とほぼ同じで
ある。粘着液組成は、粘着液IIをべースとして、Crミ
ョウバン濃度を8.0〜0重量%の範囲で変化させた。
粘着性膜重量は0.4〜0.1mg/cm2の範囲であ
る。粘着性膜の加熱乾燥は、有り無しの2条件で行っ
た。有りの場合は、温風で約45℃まで加熱した後、相
対湿度が約60%の室内に40分程度放置してから、蛍
光体付与を開始した。無しの場合は、粘着性膜形成後、
室内に60分程度放置してから、蛍光体付与を開始し
た。蛍光膜重量は、付与時間4分で約4.5mg/cm
2である。定着液組成のうち、EMGは全て0.1重量
%であり、PAA濃度を表6のように変えて行った。水
洗方法は、水温約23℃のイオン交換水をノズルから棒
状に出して、フェースプレートを傾斜回転させながら、
蛍光膜の横方向から当て約2分間行った。以上、粘着液
中のCrミョウバン濃度及び定着液中のポリマー濃度を
変えた場合の、蛍光膜の湿着力及び定着膜の水洗性の結
果を表6示す。
【0061】
【表6】
【0062】表中の湿着性は蛍光膜の湿着性であり、×
印は水洗して直ぐに蛍光膜が剥がれたもの、△印は、2
分間の途中で剥がれたもの、○印は、2分間及びそれ以
上の水洗でも剥がれないものである。また、水洗性は定
着膜の水洗性であり、×印はPAAの膜がフェースプレ
ート内で残っているもの、△印はPAAの膜がフェース
プレート内で少し移動しているがまだ残っているもの、
○印はPAAがほとんど除去されたものである。
【0063】温風乾燥無しの条件では、湿着性と水洗性
の両方を満足する範囲が無い。温風乾燥有りの条件で
は、湿着性と水洗性の両方を満足する範囲が有る。この
結果から、先の実施例では、粘着液中のCrミョウバン
濃度が8.0%で、温風乾燥をして、水洗は2分間行っ
た。
【0064】さらに、水洗を約60℃の温水で行った場
合を述べる。温水で約30秒水洗した場合には、Crミ
ョウバン濃度が5.0%で、ポリマー濃度0.1%の範
囲まで湿着性と水洗除去性とが○印になった。すなわち
温水水洗によりポリマーの水洗除去性が改善した。
【0065】本実施例の水洗法において洗滌水の温度と
圧力は、通常は室温で常圧のイオン交換水を使用した
が、おのおのは温水で加圧水を使用した方がより良好な
水洗効果が得られた。また定着液のPAAとしては、分
子量が推定値1000×104のものを使用したが、よ
り低分子量のものを使えば、湿着力と水洗除去性との関
係から適切な条件範囲が違ってくる。
【0066】以上のように蛍光膜の湿着力及び定着膜中
のポリマーの水洗除去性は、粘着性膜の組成と形成方
法、定着液組成、水洗方法等によって適切な条件範囲が
違ってくることは言うまでもない。
【0067】〈実施例32〉実施例21〜28における
粘着液II中のポリマーPVAに変えて、アラビアゴム、
アルギン酸のプロピレングリコールエステル、ポリアク
リルアミド、ポリ(n−ビニルピロリドン)、アクリル
アミド−ジアセトンアクリルアミド共重合体、ポリエチ
レングリコール、メチルビニルエーテル無水マレイン酸
アルキルモノエステル共重合体を用いて同様に陰極線管
を製造した。ポリマー濃度は2.0から5.0の範囲で
ある。すなわち、これらのポリマーを有する粘着液を使
用し、実施例21〜28と同様の操作によって膜重量
0.1〜0.5(mg/cm2)の粘着性膜を形成した上
に、赤、青、緑各色蛍光体の蛍光膜を形成した。その後
の工程も実施例21〜28と同様の方法で行い、蛍光膜
の充填密度を調べた。ポリマー対ZnCl2との重量混
合比の良好な範囲は変わっているが、いずれの場合にも
従来法よりは充点密度の高い蛍光膜が得られた。
【0068】〈実施例33〉6インチ投写管で、その断
面形状が中央部で凸状に盛り上がっている非平面フェー
スプレート内に形成した場合について、単色蛍光膜の評
価例を示す。粘着液組成は実施例1〜13に記載した粘
着液IIIを希釈したものをベースとし、その中に粘着性
膜の均一化のために蒸気圧の低い高級アルコール、例え
ばエチレングリコール、グリセリン等を添加混合した粘
着液を使った。蛍光体は、青色及び赤色用で実施例1〜
20に記載したと同じものを使った。粘着性膜重量は
0.1〜0.4mg/cm2、蛍光体付与時の相対湿度は6
0〜65%であり、その他の形成条件は実施例21〜2
8とほぼ同じである。
【0069】始めに粘着液組成として吸湿性の高い高級
アルコールを添加しない場合を述べる。粘着性膜形成の
際に、フェースプレートの回転と傾斜を適切化すること
により、フェースプレートの中央部でも外観は均一に見
える。しかし、蛍光体を付与してみると全面での蛍光膜
の不均一が現われる。フェースプレート中央部へも蛍光
体が十分に付与されるように、その使用量は実施例21
〜28に比べて多く、青色が約12g、赤色が約18g
とした。蛍光膜のムラの一つはフェースプレートの周辺
部で発生し、蛍光体付与初期の散布と揺動の不均一と、
付与終了後のフェースプレートを傾斜して余分の蛍光体
を排出する際の不均一によるものである。もう一つのム
ラはフェースプレートの中央部で発生し、均一ではある
が周辺部よりも薄くなることがある。
【0070】これに対して、吸湿性の高い高級アルコー
ルを添加した粘着液を使用した場合には中央部、周辺部
の蛍光膜のムラが緩和すると同じに、蛍光体の付与及び
排出の際に、無造作に操作してもにムラが発生すること
がなくなった。
【0071】なお本実施例でこれらの添加量は、エチレ
ングリコールの場合は20〜100重量%対PVA、グ
リセリンの場合には4〜15重量%対PVAで効果があ
った。しかしこれらの添加量は、粘着液に使用するポリ
マーや潮解性無機化合物の種類と組成比、粘着性膜の膜
厚及び蛍光体付与時の相対湿度並びに蛍光体の種類、粒
度分布、表面処理等によっても変化するものであり、適
切な範囲は限定されるものではない。またこれらの添加
物による効果は、フラットタイプのフェースプレートに
おいても有効であった。
【0072】
【発明の効果】以上述べたように、本発明により、充填
性の高い蛍光膜を有する陰極線管を得ることができた。
特に蛍光膜膜厚が35μm以下、さらには20μm以下
の薄い場合でも、充填密度が従来より高くなり、ピンホ
ールが少なく平滑性も良い蛍光膜を有する陰極線管を得
ることができた。この蛍光膜を有する投写型陰極線管で
は、ホワイトユニフォミティが均一となり、解像度も格
段に改善されていた。また、高電流密度域での輝度飽和
と輝度維持率特性が向上した。
【0073】また、本発明の陰極線管の製造方法によれ
ば、上記のような陰極線管を容易に製造することができ
た。なお、本発明の陰極線管の製造方法は、従来の蛍光
面形成法で一部採用されている紫外線露光プロセスをま
ったく使用していないため、試薬管理を含む全工程の作
業管理が簡略化されるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の膜密度の異なる赤色蛍光膜
について、高電流密度の電子線を照射後の蛍光膜輝度の
変化を示す特性曲線図。
【図2】投写形陰極線管の一部断面概略図。
【符号の説明】
21…フェースプレート 22…蛍光膜 23…Al蒸着膜 24…ネック管 25…電子銃
フロントページの続き (72)発明者 森下 ▲元▼ 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 松清 秀次 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 椎木 正敏 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 外山 久 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地株 式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 森田 安一 千葉県茂原市早野3300番地株式会社日立製 作所茂原工場内 (72)発明者 中山 恒吉 千葉県茂原市早野3681番地日立デバイスエ ンジニアリング株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】陰極線管のフェースプレート内面に粘着性
    膜を形成する第1工程、粘着性膜上に蛍光体粒子層を形
    成する第2工程、蛍光体粒子層の充填密度を高める第3
    工程及びフェースプレートと蛍光体粒子層間及び蛍光体
    粒子相互間に接着性を付与して蛍光体粒子層を定着さ
    せ、蛍光膜を形成する第4工程を有することを特徴とす
    る陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の陰極線管の製造方法におい
    て、上記第1の工程は、潮解性無機化合物と水溶性ポリ
    マーとを有する粘着液をフェースプレート内面に塗布
    し、乾燥することによって行うことを特徴とする陰極線
    管の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2記載の陰極線管の製造方法におい
    て、上記潮解性無機化合物は、ZnCl2、CaCl2
    LiCl、KNO2、Ca(NO32、Zn(N
    32、Mg(NO32及びK2CO3からなる群から選
    ばれた少なくとも1種の化合物であることを特徴とする
    陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項2記載の陰極線管の製造方法におい
    て、上記水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、ア
    ラビアゴム、アルギン酸のプロピレングリコールエステ
    ル、ポリアクリルアミド、ポリ(n−ビニルピロリド
    ン)、アクリルアミド−ジアセトンアクリルアミド共重
    合体、ポリエチレングリコール及びメチルビニルエーテ
    ル−無水マレイン酸アルキルモノエステル共重合体から
    なる群から選ばれた少なくとも1種のポリマーであるこ
    とを特徴とする陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項2記載の陰極線管の製造方法におい
    て、上記粘着液中の上記潮解性無機化合物の量は、上記
    水溶性ポリマー1に対し重量比で1から20の範囲にあ
    ることを特徴とする陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2記載の陰極線管の製造方法におい
    て、上記粘着液中の上記潮解性無機化合物はZnCl2
    であり、ZnCl2の量は、水溶性ポリマー1に対し重
    量比で1から10の範囲にあることを特徴とする陰極線
    管の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1から6のいずれか一に記載の陰極
    線管の製造方法において、上記第2工程は、相対湿度が
    50%以上65%以下の雰囲気で行うことを特徴とする
    陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】フェースプレート内面に蛍光膜を有する陰
    極線管において、上記蛍光膜は、青色発光蛍光体を有す
    る膜であり、その相対充填密度は、35%以上であるこ
    とを特徴とする陰極線管。
  9. 【請求項9】フェースプレート内面に蛍光膜を有する陰
    極線管において、上記蛍光膜は、赤色発光蛍光体を有す
    る膜であり、その相対充填密度は、35%以上であるこ
    とを特徴とする陰極線管。
  10. 【請求項10】フェースプレート内面に蛍光膜を有する
    陰極線管において、上記蛍光膜は、緑色発光蛍光体を有
    する膜であり、その相対充填密度は、40%以上である
    ことを特徴とする陰極線管。
  11. 【請求項11】請求項8から10のいずれか一に記載の
    陰極線管において、上記蛍光膜は、5μmから35μm
    の範囲の膜厚を有することを特徴とする陰極線管。
JP24839792A 1992-09-18 1992-09-18 陰極線管及びその製造方法 Pending JPH06103893A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24839792A JPH06103893A (ja) 1992-09-18 1992-09-18 陰極線管及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24839792A JPH06103893A (ja) 1992-09-18 1992-09-18 陰極線管及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06103893A true JPH06103893A (ja) 1994-04-15

Family

ID=17177503

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24839792A Pending JPH06103893A (ja) 1992-09-18 1992-09-18 陰極線管及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06103893A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3582390A (en) Method of metallizing phosphor screens using an aqueous emulsion containing hydrogen peroxide
KR100199557B1 (ko) 플리커리스 브라운관용 형광막 및 그 제조 방법
JPH0558209B2 (ja)
US3981729A (en) Photographic method employing organic light-scattering particles for producing a viewing-screen structure
JP2804980B2 (ja) 蛍光体スクリーンの金属化方法
US4293586A (en) Method for forming a fluorescent screen
JPH06103893A (ja) 陰極線管及びその製造方法
GB2061542A (en) Method of forming a fluorescent screen for color picture tubes
JPH01130446A (ja) 蛍光体スクリーンの金属化方法
JPH01187727A (ja) カラー受像管蛍光面の形成方法
JPS5889751A (ja) 陰極線管けい光面の形成方法
US4463075A (en) Process for forming conductive bridge in cathode ray tubes
JP3680646B2 (ja) 陰極線管の製造方法
US3533791A (en) Process for fabricating multicolor image screens
JP2565677B2 (ja) デイスプレイ用基板の製造方法
JPS6348385B2 (ja)
JPS58198820A (ja) カラ−受像管けい光面形成方法
JPH05205634A (ja) カラー陰極線管用蛍光膜の製造方法
JPS6337534A (ja) 蛍光面の形成方法
JPS638574B2 (ja)
JPS5981832A (ja) パタ−ン形成方法
JPS63279539A (ja) 陰極線管の製造方法
JP2000285803A (ja) 陰極線管の製造方法
JPS6160534B2 (ja)
JPH0142460B2 (ja)