JPH06103534A - 磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気ディスク装置

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JPH06103534A
JPH06103534A JP24754592A JP24754592A JPH06103534A JP H06103534 A JPH06103534 A JP H06103534A JP 24754592 A JP24754592 A JP 24754592A JP 24754592 A JP24754592 A JP 24754592A JP H06103534 A JPH06103534 A JP H06103534A
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鉄男 伊藤
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尊雄 今川
Shigeru Tadokoro
茂 田所
Takashi Kawabe
隆 川邉
Shinji Narushige
真治 成重
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は磁気抵抗効果膜に検出電流を導く電極
配線に生ずる応力が磁気抵抗効果膜に直接伝達されるの
を防止して、バルクハウゼンノイズを低減することを目
的とする。 【構成】基板上に凸部を設けて、磁気抵抗効果膜に電流
を導く電極配線をその凸部の上を横断させ、電極配線に
断差部を形成する。 【効果】本発明により、磁歪効果による磁区構造の変動
に起因するバルクハウゼンノイズを低減できる効果があ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気記録媒体、例えば、
磁気ディスクに書き込まれた情報を磁気抵抗効果を利用
して読み出す磁気抵抗効果型の磁気ヘッドに関し、特
に、S/Nの高い磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気デ
ィスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術としては、特開昭63−201908
号公報に記載されているように導体部に段差部を有する
ものがある。更に、特開平2−58719号公報に記載されて
いるように段差部を乗り越えてリード部を形成するもの
がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術に記載され
ている段差部が形成されている配線は、磁気抵抗効果膜
に検出電流を流すためのものではない。更に、磁気抵抗
効果膜に電流を流すための電極配線が形成される際に、
磁気抵抗効果膜の感磁部に応力が加わり、信号の再生特
性に影響を及ぼすという課題に関しては記載されていな
い。
【0004】そこで、本発明は、このような課題を解決
し、バルクハウゼンノイズを低減し、S/Nを向上させ
た磁気ディスク装置を提供することを目的とする。
【0005】更に、この磁気ディスク装置に搭載される
磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ディスク装
置は、磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的信号に
変換する磁気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に信号
検出電流を流す電極配線とを有する磁気ヘッドを搭載し
たものであって、前記電極配線に生ずる応力が前記磁気
抵抗効果膜に伝達するのを抑制する手段を有することを
特徴とする。
【0007】磁気ディスク装置は、一般に、磁気ディス
クと、磁気ヘッドとを有し、磁気ディスクを回転する手
段及び磁気ヘッドを磁気ディスクの所定の位置に移動さ
せる手段とを有する。
【0008】本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気ディス
クに記録されている磁気的な情報を磁気抵抗効果膜を用
いて再生するものであり、再生専用ヘッドである。
【0009】磁気ディスクに情報を記録する磁気ヘッド
には、通常、インダクティブヘッドと呼ばれる磁気ヘッ
ドを使用することができる。インダクティブヘッドは、
トレーリングポールとリーディングポールとを有し、こ
れらの間に形成されるコイルに電流を印加することによ
りポール先端に磁界が発生する。この発生した磁界によ
って磁気ディスクに情報を記録するものである。
【0010】一方、本発明にかかる磁気抵抗効果型磁気
ヘッドは、基板上に磁気抵抗効果膜を形成し、該磁気抵
抗効果膜の上部に電極を形成する。尚、磁気抵抗効果膜
及び電極は、基板上に直接形成させる場合もあるが、他
の膜を介在させ、その上に形成される場合もある。
【0011】このような磁気抵抗効果膜の感磁部に外部
磁束が流入すると、感磁部の磁化(微小磁極)の方向が
変化して、磁気抵抗効果によりその抵抗値が変化する。
【0012】磁化の回転角度をθとすると抵抗値Rは次
式で表される。
【0013】 R=R0+δRcos2θ (1) ここで、δRは流入磁束による抵抗変化の感度である。
【0014】したがって、電極配線に一定の電流を流す
と、電極配線端子間の電圧、いわゆる出力電圧が変化す
る。出力電圧 Voutの変化量は感磁部を流れる電流の値
をIとすると次式で表される。
【0015】 ΔVout=δR・I・cos2θ (2) この端子間の出力電圧の変化量は、外部磁束量の変化に
対応するため、磁気ディスクの表面に形成された磁性媒
体に書き込まれた磁気データを読み出すのに利用でき、
本発明にかかる磁気ヘッドはこの原理を利用するもので
ある。
【0016】ところで、本発明者は、従来の磁気抵抗効
果型ヘッドの場合、材料の熱的特性である熱膨張係数を
調べ基板の熱膨張係数より電極配線の熱膨張係数の方が
大きいことに着目した。
【0017】本発明者は、電極配線の製造プロセスにお
いて高温状態から室温状態まで温度が低下した時、電極
配線の方が基板に対して大きく収縮し、電極配線が基板
に引っ張られることを見出した。このため、電極には、
その電流のながれる方向に大きな引っ張り応力が生ず
る。これらの引っ張り応力により、磁気抵抗効果膜の上
部は引っ張られる。
【0018】一方、磁気抵抗効果膜の下部は基板上に固
定されているため、磁気抵抗効果膜の感磁部には、感磁
部をねじれさせるような力が生じ、その結果、斜め方向
を向いた大きな応力が生じてしまうことを見出した。
【0019】この斜め方向を向いた大きな応力が磁気抵
抗効果膜の感磁部に存在すると、磁気抵抗効果膜の感磁
部の磁化の方向が外部磁束が流入しなくとも、磁歪効果
により変化し易くなり斜め方向を向いた大きな応力が存
在すると、磁歪定数の変化により磁化が大きく回転す
る。感磁部での磁歪定数は一定ではなく、バラツキが存
在するので、ミクロな領域での磁化の方向にはバラツキ
が生じ、感磁部内は複雑な磁区構造をとる。
【0020】本発明者は、磁気抵抗効果膜の感磁部は、
このような複雑な磁区構造をとるため、外部からの磁
束、或いは、熱的な変動により、磁区構造が変化し、い
わゆる、バルクハイゼンノイズが生じることを見出し
た。
【0021】本発明は、この斜め方向を向いた応力の発
生を防止して磁区構造が変化するのを抑制し、バルクハ
ウゼンノイズの発生を防止したものである。
【0022】本発明の磁気ヘッドは、電極配線に生ずる
応力が磁気抵抗効果膜に伝達するのを抑制する手段を有
することを特徴とするものである。
【0023】更に、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的信号に変換する磁
気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を
流す電極配線とを有する磁気ヘッドにおいて、前記電極
配線が、該配線を横断するように形成され、前記磁気抵
抗効果膜から1〜9μmに形成された凸部を有すること
を特徴とする。
【0024】ここで、凸部の形成される場所は、磁気抵
抗効果膜から1〜9μmの範囲であって、磁気抵抗効果
膜から9μm以上離れてしまう凸部と磁気抵抗効果膜と
の間に応力が発生してしまい、電極配線に生ずる応力が
磁気抵抗効果膜に伝達してしまう。一方、磁気抵抗効果
膜と凸部との距離を1μm以下とすることは製造プロセ
ス上困難である。
【0025】更に、本発明にかかる磁気ヘッドは、前記
磁気抵抗効果膜の感磁部の応力分布が実質的に等方性を
有することを特徴とする。
【0026】また、本発明にかかる磁気ヘッドは、前記
磁気抵抗効果膜の感磁部の応力異方性が実質的に零であ
ることを特徴とする。
【0027】また、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的信号に変換する磁
気抵抗効果膜と、前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を
流す基板上に形成された電極配線とを有し、前記磁気抵
抗効果膜の感磁部に流入する磁束量に対応した信号を出
力するものであって、前記電極配線に生ずる応力が前記
磁気抵抗効果膜に伝達されるのを防ぐための応力伝達防
止部を、前記電極配線に有することを特徴とする。
【0028】また、本発明にかかる磁気ヘッドは、前記
磁気抵抗効果膜の近傍の基板上に凸部を有し、前記電極
配線が、前記凸部上を横断するように形成され、断差を
有することを特徴とする。
【0029】また、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果膜の近傍の基板上に溝部を形成して、磁気抵抗
効果膜へ電流を導くための電極配線をこの溝部を横断す
るように形成して、電極配線に断差を設けても良い。
【0030】また、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気
抵抗効果膜へ電流を導くための電極配線に、屈曲部を設
け、電極配線をアルミナ等の高剛性材料で被覆しても良
い。また、本発明にかかる磁気ヘッドは、磁気抵抗効果
膜へ電流を導くための電極配線に、一個以上の貫通孔を
設け、該貫通孔を埋め込むように電極配線をアルミナ等
の高剛性材料で被覆しても良い。
【0031】更に、本発明の磁気ディスク装置は、所定
の回転数で回転する磁気ディスクと、磁気抵抗効果を用
いて前記磁気ディスク上に記録された信号を再生する磁
気ヘッドとを有するものであって、周波数1〜10MH
zの領域で雑音レベルが、0.025〜0.1mVrmsであ
ることを特徴とする。
【0032】本発明の一つの特徴である電極配線に生ず
る応力が磁気抵抗効果膜に伝達するのを抑制する手段を
磁気ディスク装置が有することにより、磁気ディスクに
記録されている情報の周波数帯域においてほとんどバル
クハウゼンノイズが発生することがなくなり、周波数1
〜10MHzの領域で雑音レベルが0.025〜0.1m
Vrmsである磁気ディスク装置を実現することができた。
【0033】以上のことより、再生された信号のバルク
ハウゼンノイズを実質的に抑止し、磁気抵抗効果膜の感
磁部の応力異方性を低減する手段を有する磁気ディスク
装置を実現することができた。
【0034】
【作用】このような構造にすることにより、電極配線に
生ずる大きな応力を、例えば、これらの断差部,屈曲
部,凸部又は貫通孔で受け止めることができるため、電
極配線が接続される磁気抵抗効果膜へ、直接応力が伝わ
るのを防止することができる。
【0035】その結果、磁気抵抗効果膜の感磁部に生じ
る応力は微小なものとなる。この場合には、応力自体が
小さいため、磁歪定数が変化しても磁化は殆ど回転せ
ず、磁区構造の変化も殆ど無いため、バルクハウゼンノ
イズの発生が減少する。
【0036】
【実施例】図3に本発明による磁気ヘッドを搭載した磁
気ディスク装置を示す。積層構造にした複数の磁気ディ
スク54をDCモータにより4000rpm 程度の高速回
転させ、磁気ヘッド53を用いてデータの記録再生を行
う。記録周波数は5000kHz程度である。磁気ヘッ
ドはヘッド支持体55の先端部に設置され、これらのヘ
ッド支持体はボイスコイルモータ(VCM)により駆動
され、磁気ヘッドは磁気ディスクの所定のトラックの位
置まで移動する。磁気ヘッド先端部と磁気ディスク表面
との距離である浮上量は0.1μm 程度である。磁気ヘ
ッドは本発明による応力低減化構造の磁気抵抗効果(以
下「MR」と略す。)ヘッドとインダクティブヘッドと
を一体化したいわゆるデュアルヘッドを搭載している。
コンピュータ本体から送られてくる磁気ディスク装置駆
動信号は信号発生タイミング調整器によりタイミングを
調整されてVCM駆動回路に送られボイスコイルモータ
を動かす。さらに、信号発生タイミング調整器から、も
う一つの伝達経路を通り、前記信号がディスク回転信号
発生部に送られ、ここで発生するディスク回転信号がD
Cモータ駆動回路に送られ、DCモータが駆動され、磁
気ディスクが回転する。磁気ディスクの回転及びヘッド
支持体は連係して駆動され、所定の磁気ディスクの所定
のトラックでの記録再生が行われる。記録時にはインダ
クティブヘッドが使われ、再生にはMRヘッドが使われ
る。
【0037】本発明による応力低減構造MRヘッドを用
いると、MR膜の感磁部に生じる応力の異方性が小さい
ため磁歪効果が減少して、異方性磁界は5Oe程度とな
る。図4の曲線56の様に出力電圧のピーク値は340
μVと高くなる。さらに、バルクハウゼンノイズを防止
できるので、ノイズ成分は熱雑音であるアンプノイズと
磁気ディスクの媒体ノイズのみとなり、ノイズ電圧は2
7μVに低減される。出力信号とノイズの比であるS/
N比は22dBになる。しかし、従来構造MRヘッドを
用いた場合には、MR膜の感磁部に異方性の大きな応力
が生じるので、磁歪効果が大きくなり、異方性磁界が
8.9Oe 程度まで大きくなるため、信号電圧は低く、
図4の曲線57の様にそのピーク値は191μVにな
る。さらに、バルクハウゼンノイズが発生し、ノイズ成
分はバルクハウゼンノイズ、熱雑音であるアンプノイズ
及び磁気ディスクの媒体ノイズが合成されたものとなっ
て大きく、図5の59の様にノイズ電圧は54μVにな
る。したがって、従来構造MRヘッドを用いた場合には
S/N比は11dBになる。本実施例の様に応力低減構
造MRヘッドを用いると、S/N比の高い磁気ディスク
装置を提供できる効果がある。図5の58の様にノイズ
電圧は27μVになる。
【0038】また、本発明にかかる磁気ヘッドを図1及
び図2に示す。
【0039】この実施例では基板7の上に線状の凸部6
を設けて、電極配線1a,9aをその凸部6の上を横断
させるように形成し、電極配線に断差部2,4を形成し
ている。ここで、凸部6は電極配線の幅程度の短いもの
でもよい。この断差部2,4は凸部6によって固定され
るため、電極平坦部3,5に生ずる大きな応力13,1
4が断差部2,4の反対側の電極平坦部1b,9bに伝
達されるのを防止する働きをする。その結果、磁気抵抗
効果膜8の感磁部11に生ずる応力15は異方性の少な
い小さな応力になる。
【0040】MR膜の感磁部に生じる応力の異方性は応
力ストッパーの位置がMR膜から遠くなるのに伴って大
きくなり、その効果が低下する。応力ストッパーの位置
が10μm以上になると応力異方性は100MPaから
急激に増加し、磁歪効果が大きくなる。9μm以下では
応力異方性は80MPa以下になり、応力低減効果が高
い。又、応力ストッパーの位置は近いほど効果がある
が、製造プロセスのパターン解像度に限界があり、1μ
mが限度である。従って、応力ストッパーの位置はMR
膜から1μmから9μmの範囲になる。
【0041】また、図1及び図2に示す場合の磁歪定数
の変化に対する磁化の回転角度を図6の曲線32に示
す。磁歪定数が変化しても磁化は殆ど回転せず、磁区構
造の変化も殆ど無いため、バルクハウゼンノイズの発生
が減少する。その結果、図7に示すように、従来構造磁
気ヘッドの雑音レベル曲線33から曲線34の様に雑音
レベルが低下する。本実施例では電極配線に生ずる大き
な応力が磁気抵抗効果膜に直接伝達されるのを防止でき
るので、感磁部における磁歪効果による磁区構造の変動
を防止して、バルクハウゼンノイズを低減できる効果が
ある。
【0042】図8,図9に本発明の他の実施例を示す。
この実施例では基板7に線状の溝部23を設けて、この
溝部23を横断させるように、電極1a,9aを形成す
る。このようにすると、溝部23に電極配線が埋め込ま
れ、電極配線には断差部2a,4aが形成される。この
断差部2a,4aは溝部23に固定されて、電極平坦部
3a,5aに生ずる大きな熱応力13a,14aが断差
部2a,4aのもう一方の平坦部1c,9cに伝達され
るのを防止する働きをするため、磁気抵抗効果膜8の感
磁部11に生ずる応力16は小さな値となり、異方性も
小さい。その結果、磁歪効果による磁壁の変化が生じに
くくなり、磁区構造の変動に起因するバルクハウゼンノ
イズが低減する。本実施例では前記実施例と同様に、電
極配線に生ずる応力が磁気抵抗効果膜に直接伝達される
のを防止できるので、磁歪効果による磁区構造の変動を
防止して、バルクハウゼンノイズを低減できる効果があ
る。
【0043】さらに、図10,図11に本発明の他の実
施例を示す。図8,図9と異なっているのは電極配線1
a,9aに凸部24を形成した点である。この様な形状
に電極配線を形成して、アルミナ等の高剛性材料25で
被覆すると、電極配線が凸部24で固定され、電極配線
の収縮によって生ずる応力が凸部24で受け止められ
る。その結果、電極の後部領域3,5に発生する大きな
応力26,27が電極配線の前部領域1d,9dに大き
な応力が伝達されるのを防止できる。その結果、磁気抵
抗効果膜8の感磁部11には小さな応力が生じ、その異
方性も小さい。その結果、磁区構造の変動に起因するバ
ルクハウゼンノイズが減少する。本実施例では電極配線
がその配線に形成された凸部により固定され、電極配線
に生ずる大きな応力が磁気抵抗効果膜に伝達されないの
で、磁歪効果による磁区構造の変動が生じにくくなり、
磁区構造の変動に起因するバルクハウゼンノイズが減少
する効果がある。
【0044】さらに、図12に本発明の他の実施例を示
す。図11と異なっているのは電極配線1a,9aに屈
曲部35,38を設けた点である。この様な形状に電極
配線を形成し、その上部を図10と同様に、アルミナ等
の高剛性材料で被覆すると、電極配線の屈曲部35,3
8が固定される。従って、電極配線の収縮に伴う大きな
応力36が屈曲部35,38で受け止められ、大きな応
力36が磁気抵抗効果膜8に伝達されるのを防止でき
る。その結果、磁気抵抗効果膜8の感磁部11には小さ
な応力37のみが生じて、磁歪効果による磁区構造の変
動に起因するバルクハウゼンノイズが減少する。本実施
例では電極配線がその屈曲部で固定され、電極配線に生
ずる大きな応力が磁気抵抗効果膜に伝達されないので、
磁歪効果による磁区構造の変化が生じにくくなり、磁区
構造の変動に起因するバルクハウゼンノイズが減少する
効果がある。
【0045】さらに、図13に本発明の他の実施例を示
す。図11と異なっているのは電極配線1a,9aにそ
れぞれ凸部39,40を設けた点である。この様な形状
に電極配線を形成し、その上部を図10と同様にアルミ
ナ等の高剛性材料で被覆すると、電極配線の収縮が凸部
40及び39で受け止められるため、電極配線に生じる
大きな応力41は凸部40及び39で受け止められ、磁
気抵抗効果膜8に大きな応力が伝達されるのを防止でき
る。その結果、磁気抵抗効果膜8の感磁部11には小さ
な応力42が生じるのみであるので、磁歪効果による磁
区構造の変動に起因するバルクハウゼンノイズを低減で
きる。本実施例では二つの凸部を形成した電極配線がア
ルミナ等の高剛性材料で被覆,固定されるので、電極配
線に生ずる大きな応力が磁気抵抗効果膜の感磁部11に
伝達されないので、磁歪効果による磁区構造の変化が生
じにくくなり、磁区構造の変動に起因するバルクハウゼ
ンノイズが減少する効果がある。
【0046】さらに、図14に本発明の他の実施例を示
す。図13と異なっているのは電極配線43,44にそ
れぞれ貫通孔45を設けた点である。この様な貫通孔4
5は電極43,44をエッチングによりパターンニング
するのと同時に形成する。この様に貫通孔が形成された
電極配線43,44の上部からアルミナ等の高剛性材料
で被覆すると、電極配線の収縮が貫通孔45に埋め込ま
れたアルミナ等の高剛性材料で受け止められる。電極配
線43,44に生じる大きな応力46は貫通孔45の部
分で受け止められ、磁気抵抗効果膜8に大きな応力が伝
達されるのが防止される。その結果、磁気抵抗効果膜8
の感磁部11には小さな応力47が生じるのみで、磁歪
効果による磁区構造の変動に起因するバルクハウゼンノ
イズは減少する。本実施例では電極配線に形成された貫
通孔に埋め込まれた高剛性材料で電極配線が固定され、
電極配線に生ずる大きな応力が磁気抵抗効果膜の感磁部
に伝達されないので、磁歪効果による磁区構造の変化が
生じにくくなり、磁区構造の変動に起因するバルクハウ
ゼンノイズを低減できる効果がある。
【0047】さらに、図15に本発明の他の実施例を示
す。図14と異なっているのは磁気抵抗効果膜8の近傍
にコの字形の断差部51を設けた点である。電極配線4
8,49はそれぞれこの断差部51を横断するように形
成される。従って、図1と同様に電極配線の熱収縮がこ
の断差部で受け止めらるため、電極配線48,49に生
じる大きな応力50は断差部51の部分で受け止めら
れ、磁気抵抗効果膜8に大きな応力が伝達されるのが防
止される。その結果、磁気抵抗効果膜8の感磁部11に
は小さな応力52が生じるのみで、磁歪効果による磁区
構造の変動に起因するバルクハウゼンノイズは減少す
る。本実施例では磁気抵抗効果膜の近傍に形成された断
差部で電極配線の熱収縮が受け止めらるため、電極配線
に生ずる大きな応力が磁気抵抗効果膜の感磁部に伝達さ
れないので、磁歪効果による磁区構造の変化が生じにく
くなり、磁区構造の変動に起因するバルクハウゼンノイ
ズを低減できる効果がある。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば磁気抵抗効果膜の近傍の
電極配線に断差部,凸部、或いは屈曲部を設けて電極配
線に生ずる大きな応力をこれらの断差部,凸部或いは屈
曲部で受け止め、磁気抵抗効果膜に直接伝達されるのを
防止できるので、磁気抵抗効果膜の感磁部には小さな応
力が生じるのみで、磁歪効果によって生じる磁区構造の
変動に起因するバルクハウゼンノイズの発生を防止でき
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の磁気抵抗効果型磁気ヘッド
を示す図。
【図2】その上面図。
【図3】本発明の磁気ディスク装置を示す図。
【図4】その磁界強度における特性図。
【図5】その時間における特性図。
【図6】磁歪定数の変化による磁化の回転角度の変化特
性を示す図。
【図7】従来構造磁気ヘッドと本発明磁気ヘッドの雑音
の周波数特性を示す図。
【図8】本発明の他の実施例である磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを示す図。
【図9】その上面図。
【図10】本発明の他の実施例の磁気抵抗効果型磁気ヘ
ッドを示す図。
【図11】その上面図。
【図12】本発明の他の実施例の上面図。
【図13】本発明の他の実施例の上面図。
【図14】本発明の他の実施例の上面図。
【図15】本発明の他の実施例の上面図。
【符号の説明】
1a,9a…電極配線、19,20…検出電流、7…基
板、8…磁気抵抗効果膜、11…感磁部、18…流入磁
束、13,13a,14,14a,26,27,36,
41,46,50…電極配線に生ずる応力、15,1
6,21,22,28,37,42,47,52…磁束
検出部に生ずる応力、1c,3,3a,5,5a,9c
…電極配線の平坦部、2,2a,4,4a…電極配線の
断差部、6,51…基板上の線状の凸部、23…基板上
の線状の溝部、24,39,40…電極配線の凸部、3
5,38…電極配線の屈曲部、25…高剛性膜、30…
磁化、31,32…磁化の回転角度、45…電極配線の
貫通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川邉 隆 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 成重 真治 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式会 社日立製作所小田原工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す電極配線とを
    有する磁気ヘッドにおいて、 前記電極配線に生ずる応力が前記磁気抵抗効果膜に伝達
    するのを抑制する手段を有することを特徴とする磁気ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】請求項1記載の磁気ヘッドを搭載した磁気
    ディスク装置。
  3. 【請求項3】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す電極配線とを
    有する磁気ヘッドにおいて、 前記電極配線が、該配線を横断するように形成され、前
    記磁気抵抗効果膜から1〜9μmに形成された凸部を有
    することを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す電極配線とを
    有する磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果膜の感磁部の応力分布が実質的に等方
    性を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す電極配線とを
    有する磁気ヘッドにおいて、 前記磁気抵抗効果膜の感磁部の応力異方性が実質的に零
    であることを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す基板上に形成
    された電極配線とを有し、前記磁気抵抗効果膜の感磁部
    に流入する磁束量に対応した信号を出力する磁気ヘッド
    であって、 前記電極配線に生ずる応力が前記磁気抵抗効果膜に伝達
    されるのを防ぐための応力伝達防止部を、前記電極配線
    に有することを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】磁気抵抗効果を用いて磁気的信号を電気的
    信号に変換する磁気抵抗効果膜と、 前記磁気抵抗効果膜に信号検出電流を流す基板上に形成
    された電極配線とを有し、前記磁気抵抗効果膜の感磁部
    に流入する磁束量に対応した信号を出力する磁気ヘッド
    であって、 前記磁気抵抗効果膜の近傍の前記基板上に凸部を有し、
    前記電極配線が、前記凸部上を横断するように形成さ
    れ、断差を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  8. 【請求項8】所定の回転数で回転する磁気ディスクと、
    磁気抵抗効果を用いて前記磁気ディスク上に記録された
    信号を再生する磁気ヘッドとを有する磁気ディスク装置
    において、 周波数1〜10MHzの領域で雑音レベルが0.025
    〜0.1mVrmsである磁気ディスク装置。
  9. 【請求項9】所定の回転数で回転する磁気ディスクと、
    磁気抵抗効果を用いて前記磁気ディスク上に記録された
    信号を再生する磁気ヘッドとを有する磁気ディスク装置
    において、 前記再生された信号のバルクハウゼンノイズを実質的に
    抑止し、前記磁気抵抗効果膜の感磁部の応力異方性を低
    減する手段を有する磁気ディスク装置。
JP24754592A 1992-09-17 1992-09-17 磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気ディスク装置 Expired - Lifetime JP2797859B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7675715B2 (en) 2004-09-15 2010-03-09 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetoresistive head and fabricating method thereof, and read write separation type head

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