JPH06103031B2 - 回転式流体圧縮・吸引機械の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

回転式流体圧縮・吸引機械の製造方法およびその製造装置

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JPH06103031B2
JPH06103031B2 JP60095059A JP9505985A JPH06103031B2 JP H06103031 B2 JPH06103031 B2 JP H06103031B2 JP 60095059 A JP60095059 A JP 60095059A JP 9505985 A JP9505985 A JP 9505985A JP H06103031 B2 JPH06103031 B2 JP H06103031B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は回転式流体圧縮・吸引機械の製造方法および
その製造装置に関し、一層詳細には、流体の漏洩あるい
はオイル混入などを可及的に少なくすることのできる回
転式流体圧縮・吸引機械の製造方法およびその製造装置
に関する。
(従来の技術) 回転式流体圧縮・吸引機械としては、スクリューポンプ
またはスクリューコンプレッサあるいはネジコンプレッ
サとして広く知られているポンプまたはコンプレッサ
(以下、単にスクリューポンプと称することがある)が
代表的なものである。
これらスクリューポンプの多くは、外周の歯形が軸方向
に適宜捩れた螺旋状の歯形を有する雌雄一対のスクリュ
ーロータが互いに噛合いながら回転し、歯形外周とケー
シング内側面、雌雄一対のスクリューロータの歯形各部
で形成される空間をロータの回転による歯部の噛合によ
り順次減少させて流体を圧縮し、あるいは増加させて流
体を吸引する。
尚、「互いに噛合いながら回転」とは、一対のスクリュ
ーロータが小間隙を保ちつつ互いに同期しながら回転し
ていることをも含む。
かかる回転式流体圧縮・吸引機械において、ロータ間の
噛合間隙やロータとケーシングとの間隙等から成るクリ
アランスは、高圧流体のシール性等の観点から極めて重
要であり、これらの加工精度は回転式流体圧縮・吸引機
械の性能を左右する。
特に、スクリューポンプにおいては、雌雄一対のスクリ
ューロータの螺旋歯形の加工精度が流体の圧縮・吸引性
能に大きく影響を与えるため、前記螺旋歯形の加工には
細心の注意と高度の加工精度とが要求される。
また、一対のロータの噛合間隙から高圧流体の逆流洩れ
をなくすため、油の噴射やロータの回転速度を増速する
等の手段が講じられている。
しかし、多量の油の噴射に対しては油分離器等の装置が
必要となり、ロータ回転速度の増速については騒音や軸
受部分などの機械損失の増大を招くなど種々の問題点を
有する。
これら上記問題点を解決するため、特公昭56-17523号公
報或いは特公昭55-15639号公報には、メッキ浴等におい
て雌雄一対のロータ基体を回転させつつ電気メッキを施
すこと、あるいは予めロータ基体に施したメッキ層を溶
解しながら雌雄一対のロータ基体間の噛合間隙を適正な
値になるように調整することが提案されている。
また、特公昭56-21881号公報には、雌雄一対のロータ基
体の噛合間隙に応じ厚さの異なる熱硬化性合成樹脂被膜
層を形成するため、雌雄一対のロータ基体を熱硬化性樹
脂に浸漬し、ロータ基体を加熱しながら駆動側のロータ
基体を回転させて被覆することが提案され、特公昭56-2
7712号公報には、ロータの心金の回りに金属モールド成
形し、かつその表面に金属メッキ層を形成する方法が夫
々提案されている。
(発明が解決しようとする課題) 前記特公昭56-17523号公報或いは特公昭55-15639号公報
において提案されているロータ基体にメッキを施すロー
タの製造方法等では、ロータの機械加工等において高度
の寸法精度が要求されず加工が容易であるという利点を
有する。
しかしながら、これらの特公昭においては、ロータ基体
のみに金属メッキ層が必要とされるのにもかかわらず、
導電体としてメッキ浴中に浸漬する治具および支持板に
付着するメッキ層を如何なる方法で排除するかが具体的
に示されておらず、しかもメッキ層は均等厚さに付着す
るので、厚みの異なるメッキ層を作って噛み合い精度を
向上させるには不向きである点などが解決されていな
い。
また、特公昭56-21881号公報において提案されている雌
雄一対のロータ基体の外表面に熱硬化性樹脂の被膜層を
形成する方法は、ロータ基体間の噛合間隙を適正小間隙
にすることができるものの、ロータ基体とケーシング基
体との間隙等を適正小間隙にすることが極めて困難であ
る。
更に、特公昭56-27712号公報に提案されている方法にお
いては、結果的にモールド形を正確に製作しないとメッ
キ成形前のロータの寸法精度が維持されず、総合的に工
数が多くなり経済的な方法ではない。
このように従来技術においては、雌雄一対のロータ基体
間の噛合間隙のみを適正小間隙に形成するものであっ
て、例え噛合間隙を適正小間隙に調整できたとしても、
ロータ基体とケーシング基体との間隙等を適正小間隙に
形成することができず、運転中にロータとケーシングと
の間隙から流体が洩れ易く、圧縮機械等の圧縮性能を低
下させる原因の一つとなる。
特に、ロータ基体の端面とケーシング基体の内周面との
端面間隙は、圧縮機等の性能に著しく影響を与えるクリ
アランスであるが、ロータ基体をケーシング基体内に組
み込んだ後には、端面間隙を精度よく調整することが極
めて困難である。このため、通常、端面間隙は、ロータ
基体がスムースに回転できるように大きめにとられ、圧
縮機等の性能を阻害している。
そこで、本発明の目的は、回転するロータをケーシング
内に内包する流体圧縮機等において、ロータ基体をケー
シング基体内に組み込んだ状態で、ロータ基体の外周面
とケーシング基体の内周面との間隙等から成るクリアラ
ンスを適正小間隙にすることが可能な回転式流体圧縮・
吸引機械の製造方法およびその製造装置を提供すること
にある。
(課題を解決するための手段) 前記問題点、つまりロータ基体をケーシング基体内に組
み込んだ状態で、ロータ基体とケーシング基体との間隙
等を適正小間隙とすることが困難という問題点は、下記
の構成を有する本発明によって解消することができる。
すなわち、本発明の発明は、回転するロータをケーシン
グ内に内包する流体圧縮・吸引機械を製造する際に、該
ロータの基体およびケーシングの基体等の部品を組立て
た後、ロータ基体の外周面とケーシング基体の内周面と
の間隙等から成るクリアランスを適正小間隙にすべく、
ロータ基体の外周面およびケーシング基体の内周面に付
着し付着硬化層を形成する気体状化合物を、ロータ基体
を流体の圧縮・吸引方向に回転させつつケーシング基体
内に流体吸入口から供給せしめ、ロータ基体の外周面お
よびケーシング基体の内側面に付着硬化層を順次積層す
ることを特徴とする回転式流体圧縮・吸引機械の製造方
法にある。
また、本発明は、回転するロータをケーシング内に内包
する流体圧縮・吸引機械の製造装置において、該流体圧
縮・吸引機械の流体吐出口と流体吸入口とを連結する循
環回路と、前記ロータを形成するロータ基体の外周面お
よびケーシングを形成するケーシング基体の内周面に付
着して硬化する気体状化合物を発生する気体状化合物の
発生装置と、前記発生装置によって発生した気体状化合
物を前記循環回路に供給する供給回路と、前記循環回路
に設けられ、循環回路を開閉可能なバルブと、前記バル
ブによって閉塞された循環回路内の圧力を検出可能な圧
力計とを具備することを特徴とする回転式流体圧縮・吸
引機械の製造装置である。
尚、本発明においていう「ケーシング」とは、ロータよ
りも遅く回転または回転することなくロータを内包して
いるものをいい、ケーシングの内側面に溝等が設けられ
ていてもよい。
(作用) 本発明によれば、ロータ基体をケーシング基体内に組み
込んだ後、前記ロータ基体を回転させながらケーシング
内に、ロータ基体およびケーシング基体に付着して硬化
層を形成する気体状化合物を供給し、ロータ基体の全外
周面およびケーシング基体の全内側面に順次硬化層を積
層できる。
このため、ロータ基体の外周面およびケーシング基体の
内周面には、ロータ基体とケーシング基体との間隙等の
大きさに応じて厚さが変化する付着硬化層を形成でき
る。
その結果、ロータ基体の端面とケーシング基体との端面
間隙を含むロータ基体とケーシング基体との間隙等のク
リアランスを適正小間隙、すなわちロータが滑らかに回
転できかつ流体の洩れを可及的に少くすることのできる
適正小間隙にできるため、圧縮機等の圧縮性能等の性能
を著しく向上することができる。
また、互いに噛合って回転する雌雄一対のロータ基体を
内包する流体圧縮・吸引機械においては、ロータ基体間
の噛合間隙およびロータ基体とケーシング基体との間隙
等のクリアランスを同時に適正小間隙にすることができ
る。
(実施例) 本発明を、回転式流体圧縮機械として代表的なスクリュ
ー式圧縮機について詳細に説明する。
第1図は本発明の一実施例であるスクリュー式圧縮機の
一部破断斜視図で第2図は第1図のA-A線での断面図で
ある。
1はケーシングで、このケーシングは並行軸線を有する
2つの相交る円筒形壁2、3から成る筒形室8と、この
筒形室8の両側の側壁4、5とから成る。そして、側壁
5には吸入側カバー6を有し、この吸入側カバー6には
吸入穴7が形成されている。この吸入穴7は筒形室8の
一方端に開口され、筒形室8の他方端側には吐出穴9が
開口している。
螺旋状の山12と螺旋状の谷14にて形成される歯形を有す
る雄スクリューロータ16と、螺旋状の山13と螺旋状の谷
15とで形成される歯形を有する雌スクリューロータ17と
が互いに噛合って回転するように筒形室8に配設され、
雄スクリューロータ16の端部回転軸は延長してケーシン
グ1を貫通・突出し、突出した貫通軸に駆動歯車18、19
が設けてある。該歯車18はバックラッシュを最小にする
ため2枚に分轄され回転方向へのズレを調節可能に設け
てある。
雄スクリューロータ16はこの駆動歯車18、19を介し、適
当な電動機で駆動され、雌スクリューロータ17を従動せ
しめる。雌雄一対のスクリューロータ16、17の軸部は、
前記両側の側壁4、5に一側が同一面にあるように配設
した気密シール部材20、ベアリング21によって前記ケー
シング1および吸入側カバー6に回転可能に軸支されて
いる。
また、第3図に示す矢印の方向に一対のスクリューロー
タ16、17は噛合いながら回転する。前記吸入穴7に連通
する螺旋状の谷14、15の空間容積に吸引ガスが流入し、
回転に伴い吸入穴7と連通が断たれた圧縮工程に移り、
一対のスクリューロータの噛合の進行に伴い谷14、15の
空間容積が減少しガスを圧縮しつつ最小容積近くで吐出
穴9に吐出する。
上記雄スクリューロータ16と雌スクリューロータ17とは
鋼材、鋳鉄、アルミニューム等の合金材で形成され、機
械加工、精密鋳造(ロストワックスなど)、転造等によ
って製造される。
この様に製造された本実施例に係る雌雄一対のスクリュ
ーロータ16、17の基体16A,17Aを、第3図の二点鎖線で
示す。
尚、第3図において、ケーシング1の基体1Aも同様に二
点鎖線で示す。
かかるスクリューロータ基体16A、17Aおよびケーシング
基体1Aには、その加工精度等のため、第3図に示す如く
ロータ基体16A、17A間の噛合間隙やロータ基体16A、17A
とケーシング基体1Aとの間隙等から流体洩れが発生し易
い。
しかも、これら間隙の大きさは場所によって異なること
が一般的である。
この点、本実施例に係るスクリュー式圧縮機において
は、ロータ基体16A、17Aの外周面およびケーシング1Aの
内側面に付着硬化層が形成されており、前記付着硬化層
の厚さがロータ基体16A、17A間の噛合間隙およびロータ
基体16A、17Aとケーシング基体1Aとの間隙等のクリアラ
ンスの大きさに応じて変化し、第3図の実線16a、17aで
示す外形のロータ16、17および円筒形壁2、3を有する
ケーシング1を形成する。
その結果、ロータ16、17の歯形の外形は、ロータ16、17
間の噛合間隙を油膜が形成される程度の適正な小間隙に
できる理想歯形曲線に成形されている。
また、ケーシング1の円筒形壁2、3も、ロータ16、17
との間隙に油膜が形成される程度の小間隙を形成できる
形状となっている。
かかる形状のロータ16、17およびケーシング1を形成す
る付着硬化層としては、ロータ基体16A、17A、およびケ
ーシング基体1Aを腐蝕させたりすることがなくかつ経年
変化のないものであって、扱う流体に対しての耐蝕性お
よび熱安定性を有するものであればよい。例えば、セラ
ミック等の無機物、又は三次元的に分子が架橋されてい
るフタル酸成分とグリセリン成分とから成るポリエステ
ル、或いはポリメチルメタクリレート等の有機物を挙る
ことができる。
次に、上記スクリュー式圧縮機の製造方法について説明
する。
機械加工、精密鋳造、転造等によって製造された雌雄一
対のスクリューロータ基体16A、17Aをケーシング基体1A
内に保持すると共に、このケーシング1を着脱可能に支
持板に取り付ける。
次いで、駆動側ロータ基体(図では雄ロータ基体16)を
低速で回転させることによって雌雄一対のロータ基体16
A、17Aを回転させる。
更に、ケーシング基体1A内に、ロータ基体16A、17Aおよ
びケーシング基体1Aに付着し硬化層を形成する気体状化
合物を供給する。
かかる気体状化合物としては、ロータ基体等に付着し、
ロータ基体等を腐蝕させたりすることがなくかつ経年変
化のないものであって、扱う流体に対しての耐蝕性およ
び熱安定性を有する硬化層を形成するものであればよ
い。例えば、無水フタル酸とグリセリンとの反応生成物
および/またはその低分子化合物、或いはメチルメタク
リレートモノマー等を挙ることができる。
この様な気体状化合物は、ロータ基体16A、17Aの外周面
およびケーシング基体1Aの内側面に付着して硬化層を順
次積層する。
この際に、ロータ基体16A、17Aは回転しているため、ロ
ータ基体16A、17Aおよびケーシング1Aの内側面に形成さ
れる付着硬化層の厚さが、ロータ基体16A、17A間の噛合
間隙やロータ基体16A、17Aとケーシング1Aとの間に形成
される間隙等のクリアランスの大きさに応じて変化する
結果、前記クリアランスを適正小間隙に形成することが
できる。
この様にケーシング基体1A内に気体状化合物を供給し、
回転しているロータ基体16A、17Aの外周面およびケーシ
ング基体1Aの内側面に付着硬化層を形成するに当り、第
4図に示す製造装置を用いることが便利である。
第4図は、スクリュー式圧縮機たるポンプ25の製造装置
の概略図である。
この製造装置には、混合ガス発生装置22からポンプ25に
気体状化合物を供給する供給回路がポンプ25の循環回路
36に連結されている。
この混合ガス発生装置22は、ロータ基体16A、17Aに付着
して硬化層を形成する気体状化合物を発生する発生装置
である。
また、供給回路には、発生した気体状化合物の供給量の
調整等を行うバルブ32や気体状化合物の逆流防止のため
の逆止弁29、30が設けられている。
ポンプ25の流体吐出口と流体吸入口との間に設けられて
いる循環回路36は、ポンプ25から排出される未反応の気
体状化合物を循環するためのものである。この循環回路
36においても、気体状化合物の逆流を防止する逆止弁28
が設けられていると共に、ポンプ25の到達圧力を測定す
るためのバルブ27および圧力計26が設けられている。
かかる製造装置を用いてロータ基体16A、17Aおよびケー
シング基体1Aに硬化層を形成するためには、先ず液状又
はガス状の化合物を混合ガス発生装置22を用いて気体状
にし、気体状化合物を供給回路のバルブ32、逆止弁30、
29、循環回路36のバルブ24を通してポンプ25の流体吸入
口に供給する。
一方、ポンプ25の流体吐出口から排出される未反応の気
体状化合物は、循環回路36を用いて循環させる。
この際に、ポンプ25は、気体状化合物のポンプ25への供
給流量に合わせて低速運動を行う。
そして、順次気体状化合物が雌雄一対のスクリューロー
タ基体16A、17Aの外周面およびケーシング基体1Aの内側
面に付着し硬化層を形成するので、気体状化合物を補給
しつつ一定時間循環させる。
その後、ポンプ25の1対のロータ回転数を通常の回転数
にまで上昇させてからバルブ27を閉じて圧力計26のガス
圧を調べる。この場合、ポンプ内部のロータとケーシン
グの間隙に付着硬化層が形成されて適正な間隙になると
圧力が、所定の圧力まで上昇する。ここで、圧力が所定
の圧力に達していない場合にはバルブ27を開き、再び1
対のロータ回転数を低下させ気体状化合物の循環を続け
る。
そして、所定時間後、上記同様にバルブ27を閉じ圧力計
の圧力を再度調べ、所定の圧力となったらガス発生装置
32のバルブを閉じるとともにバルブ27を開き、ポンプ25
のみ運転して形成された付着硬化層の更に一層の固化を
持ってポンプ25の仕上加工を完了する。
なお、熱硬化性樹脂から成る硬化層がロータ基体の外表
面等に形成される場合は、熱風発生装置23を運転させて
ポンプ25に熱風を送り込みポンプ内およびケーシング温
度を高温に保持し硬化の促進と時間の短縮を図ることも
できる。
ここで、スクリュー式圧縮機において、本発明を適用し
た具体例を示す。
(例1) 気体状化合物として、下記の如く、重合時に分子鎖が三
次元的に架橋し硬化するポリエステルとなる無水フタル
酸とグリセリンとの反応生成物および/またはその低分
子化合物を用い、第4図に示す製造装置によってスクリ
ュー式圧縮機を製造した。
前記反応生成物および/またはその低分子化合物を混合
ガス発生装置22を用いてガス状にして、パルプ32、逆止
弁30、29を通りポンプ25に送り込み循環回路36を循環さ
せるとともに、ポンプ25をガスの流量にあわせて低速運
転(ロータ回転数を通常回転数の約1/2とした)をさせ
る。そして、順次ガス状体を補給しつつ一定時間循環さ
せる。
その後、ポンプ25のロータ回転数を通常回転数にまで上
昇させてからバルブ27を閉じて圧力計26のガス圧を調べ
る。この場合、ポンプ内部のロータとケーシングの間隔
にポリエステルが付着して適当の間隔になると圧力が、
7気圧〜14気圧程度まで上昇する。ここで、前記圧力に
達していない場合にはロータ回転数を低下させてからバ
ルブ27を開き再びガスの循環を続ける。
そして、所定時間後、上記同様にバルブ27を閉じ圧力計
のガス圧を再度調べ、所定の定圧となったらガス発生装
置32のバルブを閉じるとともにバルブ27を開き、ポンプ
25のみ運転して付着したポリエステル層の硬化を待って
ポンプ25の仕上加工を完了する。
この際、熱風発生装置23を運転させてポンプ25に熱風を
送り込みポンプ内およびケーシング温度を80〜100℃に
し硬化の促進と時間の短縮を図ることもできる。
また、ポリエステルの多数の=Oが金属表面と強固に接
着して硬化層として完全なものとなる。
この様にして製造されたポンプ25を分解して付着硬化層
(ポリエステル層)を点検してみたところ、ポリエステ
ル層は、ロータ基体の外表面およびケーシング基体の内
側面に、その厚さを変化しつつ被覆しており、ロータ基
体間の噛合間隙およびロータ基体とケーシング基体との
クリアランスは共に適正小間隙となっていた。
また、かかるポンプ25を運転してみたところ、ロータの
回転は滑らかであり、圧縮比も良好であった。
(例2) 硬化層としてメタクリ酸樹脂を使用する。
ポリメチルメタクリレートモノマーを少量の過酸化物触
媒(BPO)を使用し、80〜100℃で重合率10〜20%程度ま
でシロップ状に重合されて液状のプレポリマーを作りこ
れを例1と同様に、ガス発生装置22を使用してガス状に
してバルブ32、逆止弁30、29を通りポンプ25に送り込
み、循環回路36を循環させるとともに、ポンプ25を低速
運転する。そして、ポンプ25のロータおよびケーシング
内にモノマーが付着した時点で、バルブ32を閉じ熱風発
生装置23を運転してポンプ内に熱風を送りポンプ内の温
度を80〜100℃に上昇し、重合が進んだら再び熱風を止
めてガス発生装置22を作動させガスを循環させる。そし
て、何回か同様の動作を繰り返す。その間に例1と同様
にポンプ25のロータ回転数を通常回転数に上昇させ、バ
ルブ27を閉じ圧力を圧力計26で測定し、一定圧力(7気
圧〜14気圧)となった時点でガス発生装置22を止め熱風
を循環させて完全重合させる。この一定圧力状態がポン
プ内面への適正な付着硬化層の形成を示すものであり、
ロータやケーシングの精密な仕上げ状態を機械を分解し
て検査するなどの手数が全く不用となる。
また、ポンプ25を運転してみたところ、ロータ回転は滑
らかであり、圧縮比も良好であった。
尚、例2は、熱可塑性樹脂を用いた場合であり、循環回
路36内へのガスの循環と熱風の循環を繰り返すことによ
り付着硬化層を形成する。
以上、スクリュー式圧縮機について説明してきたが、本
発明はスクリュー式圧縮機に限定されるものではなく、
いずれの形式の回転式流体圧縮機械にも応用でき、ギア
ポンプ、ヘリカルギアポンプ、ルーツブロア等にも汎用
的に使用することができることは勿論のこと、ロータが
1本であるネジコンプレッサやトロコイドポンプ等にも
適用することができる。
尚、ロータが1本であるネジコンプレッサやトロコイド
ポンプ等においては、ロータ基体間の噛合間隙が形成さ
れることがないため、ロータ基体とケーシング基体との
間隙が適正小間隙に形成される。
また、圧縮機械のみならず、吸引機械にも本発明を適用
することもできる。
さらに、一対のロータ基体が互いに接触しつつ回転する
流体圧縮・吸引機械にも本発明を適用することができ
る。
(発明の効果) 本発明によれば、ある程度の形状、寸法精度に製作され
たロータ基体およびケーシング基体を用いてロータ基体
とケーシング基体との間隙等から成るクリアランスを容
易に適正小間隙にすることができるため、圧縮機等の運
転の際に、前記クリアランスからの流体の洩れを可及的
に少なくすることができ、圧縮機等の性能、特に圧縮性
能を大幅に向上できるので、高い圧力比を得ることがで
きる。
このように、本発明によれば、高度の加工精度を必要と
せず、少い加工工数で容易に高性能の回転式流体圧縮・
吸引機械を製作することができる。
かかる高性能の回転式流体圧縮・吸引機械においては、
ロータの回転数を少なくすることができるため、騒音を
軽減することができ、圧縮機等の小形軽量化も図ること
ができる。
更に、ロータの外周面およびケーシングの内側面が樹脂
で被覆されているため、ロータおよびケーシングのサビ
止めの効果を有する。
また、圧縮機等の使用経年による噛合部の摩耗に対して
も、その適正小間隙補償のための補修が気化状化合物の
送入だけでよく、圧縮機等の近傍に第4図に示す装置を
設備するか、または移動車両等に積載設備を設置し現場
に急行させる等の処理により、容易に補修が行える。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明によって得られたスクリュー式圧縮機の
部分破断斜視図、第2図は第1図のA-A線での断面図、
第3図はロータ基体とケーシング基体との組立状態を示
す説明図、第4図は本発明の製造装置を説明する概略図
である。 1…ケーシング、1A…ケーシング基体、2,3…円筒形
壁、4,5…側壁、6…吸引側カバー、7…吸入穴、8…
円筒形室、9…吐出穴、 12,13…スクリューロータの山、 14,15…スクリューロータの谷、 16…雄スクリューロータ、 16A…雄スクリューロータ基体、 17…雌スクリューロータ、 17A…雌スクリューロータ基体、 18,19…駆動歯車、 20…気密シール、21…ベアリング。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転するロータをケーシング内に内包する
    流体圧縮・吸引機械を製造する際に、 該ロータの基体およびケーシングの基体等の部品を組立
    てた後、ロータ基体の外周面とケーシング基体の内周面
    との間隙等から成るクリアランスを適正小間隙にすべ
    く、ロータ基体の外周面およびケーシング基体の内周面
    に付着し付着硬化層を形成する気体状化合物を、ロータ
    基体を流体の圧縮・吸引方向に回転させつつケーシング
    基体内に流体吸入口から供給せしめ、ロータ基体の外周
    面およびケーシング基体の内側面に付着硬化層を順次積
    層することを特徴とする回転式流体圧縮・吸引機械の製
    造方法。
  2. 【請求項2】回転するロータをケーシング内に内包する
    流体圧縮・吸引機械の製造装置において、 該流体圧縮・吸引機械の流体吐出口と流体吸入口とを連
    結する循環回路と、 前記ロータを形成するロータ基体の外周面およびケーシ
    ングを形成するケーシング基体の内周面に付着して硬化
    する気体状化合物を発生する気体状化合物の発生装置
    と、 前記発生装置によって発生した気体状化合物を前記循環
    回路に供給する供給回路と、 前記循環回路に設けられ、循環回路を開閉可能なバルブ
    と、 前記バルブによって閉塞された循環回路内の圧力を検出
    可能な圧力計とを具備することを特徴とする回転式流体
    圧縮・吸引機械の製造装置。
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