JPH06102400A - X線透過膜 - Google Patents
X線透過膜Info
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- JPH06102400A JPH06102400A JP4253155A JP25315592A JPH06102400A JP H06102400 A JPH06102400 A JP H06102400A JP 4253155 A JP4253155 A JP 4253155A JP 25315592 A JP25315592 A JP 25315592A JP H06102400 A JPH06102400 A JP H06102400A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 膜本体に補強部材を設けたX線透過膜であっ
て、かつこの補強部材と膜本体の密着性が低下すること
がないX線透過膜を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 X線を透過する材料からなる膜本体11と、
この膜本体11の両側面に設けられこの膜本体11を補
強する第1、第2の補強部材12、13とを具備し、こ
の第1、第2の補強部材12、13の表面に絶縁膜1
4、15を設けると共に、第1の補強部材12に+電圧
を印加し、上記第2の補強部材13に−電圧を印加して
この第1、第2の補強部材12、13間に静電力を発生
させることで、この第1、第2の補強部材12、13を
上記膜本体11に密着させるようにしたものである。
て、かつこの補強部材と膜本体の密着性が低下すること
がないX線透過膜を提供することを目的とするものであ
る。 【構成】 X線を透過する材料からなる膜本体11と、
この膜本体11の両側面に設けられこの膜本体11を補
強する第1、第2の補強部材12、13とを具備し、こ
の第1、第2の補強部材12、13の表面に絶縁膜1
4、15を設けると共に、第1の補強部材12に+電圧
を印加し、上記第2の補強部材13に−電圧を印加して
この第1、第2の補強部材12、13間に静電力を発生
させることで、この第1、第2の補強部材12、13を
上記膜本体11に密着させるようにしたものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、X線露光装置に用い
られるX線透過膜に関するものである。
られるX線透過膜に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子工業においては、集積回路に
端的に見られるように、デバイスの微細化、高密度化が
急速に進行しており、例えばLSIからVLSIへの進
展に伴って、デバイスの最小寸法はサブミクロンオ−ダ
−あるいはそれ以下にもなるだろうと予測されている。
端的に見られるように、デバイスの微細化、高密度化が
急速に進行しており、例えばLSIからVLSIへの進
展に伴って、デバイスの最小寸法はサブミクロンオ−ダ
−あるいはそれ以下にもなるだろうと予測されている。
【0003】このような微細寸法のパタ−ンを露光する
ためには紫外線は回折などによる限界に達しつつある。
そこで、このような微細なパタ−ンを露光するために、
紫外線よりさらに短波長の電磁波であるX線を用いるX
線リソグラフィ技術が着目され実用化されつつある。
ためには紫外線は回折などによる限界に達しつつある。
そこで、このような微細なパタ−ンを露光するために、
紫外線よりさらに短波長の電磁波であるX線を用いるX
線リソグラフィ技術が着目され実用化されつつある。
【0004】X線リソグラフィ技術は、例えばX線照射
源としてSORリングと、このSORリングからのX線
の一部を露光装置側へ導くビ−ムラインと、上記SOR
リングからのX線の短波長側をカットオフするためのX
線ミラ−と、上記ビ−ムライン側の超高真空領域と露光
装置側の大気圧領域とを隔別するために設けられたチャ
ンバと、このチャンバの側壁に設けられ、上記X線をビ
−ムライン側から露光装置へと透過させるX線透過膜と
から構成される装置を用いる。
源としてSORリングと、このSORリングからのX線
の一部を露光装置側へ導くビ−ムラインと、上記SOR
リングからのX線の短波長側をカットオフするためのX
線ミラ−と、上記ビ−ムライン側の超高真空領域と露光
装置側の大気圧領域とを隔別するために設けられたチャ
ンバと、このチャンバの側壁に設けられ、上記X線をビ
−ムライン側から露光装置へと透過させるX線透過膜と
から構成される装置を用いる。
【0005】このようなX線リソグラフィ技術におい
て、上記X線透過膜の材質としてはX線の透過率が高い
Be(ベリリウム)が採用されている。X線の透過率を
増加させるためには、このX線透過膜の膜厚を薄くする
必要がある。しかし、膜厚を薄くすれば、その分強度が
低下し、真空側と大気圧側の圧力差に耐えることができ
ないということがある。
て、上記X線透過膜の材質としてはX線の透過率が高い
Be(ベリリウム)が採用されている。X線の透過率を
増加させるためには、このX線透過膜の膜厚を薄くする
必要がある。しかし、膜厚を薄くすれば、その分強度が
低下し、真空側と大気圧側の圧力差に耐えることができ
ないということがある。
【0006】このため、膜厚を薄くしても、所定の強度
が得られるように上記X線透過膜を補強するということ
が行われる。ただし、X線透過膜を補強することでX線
の透過率にムラが生じることは避けなければならない。
が得られるように上記X線透過膜を補強するということ
が行われる。ただし、X線透過膜を補強することでX線
の透過率にムラが生じることは避けなければならない。
【0007】このように、透過率にムラを生じさせるこ
となく補強を施したX線透過膜として、従来、特願平2
−185371に開示されているものがある。この従来
例を図5〜図6を参照して説明する。
となく補強を施したX線透過膜として、従来、特願平2
−185371に開示されているものがある。この従来
例を図5〜図6を参照して説明する。
【0008】図5中1は、ビ−ムライン側の超高真空領
域Aと露光装置側の大気圧領域Bとを隔別するためのチ
ャンバである。このチャンバ1には矩形状の開口部2が
設けられ、この開口部2には、この開口部2を閉塞する
X線透過膜3が装着されている。
域Aと露光装置側の大気圧領域Bとを隔別するためのチ
ャンバである。このチャンバ1には矩形状の開口部2が
設けられ、この開口部2には、この開口部2を閉塞する
X線透過膜3が装着されている。
【0009】上記X線透過膜3は、上記開口部2の内周
面に縁部を挿入させて取着される矩形状の膜本体5を有
する。この膜本体5はX線に対する透過率の高い材料、
例えばBe(ベリリウム)からなる。そして、この膜本
体5の上記超高真空領域A側を望む一側面には、補強部
材6が接合されている。
面に縁部を挿入させて取着される矩形状の膜本体5を有
する。この膜本体5はX線に対する透過率の高い材料、
例えばBe(ベリリウム)からなる。そして、この膜本
体5の上記超高真空領域A側を望む一側面には、補強部
材6が接合されている。
【0010】この補強部材6は、膜本体5の周辺部に沿
って設けられた枠部材6aおよびこの枠部材6aの枠内
を複数の三角形領域に隔別する仕切り部材6bとからな
る。この補強部材6はX線に対して高い透過率を有する
材料、例えばBeで形成されている。
って設けられた枠部材6aおよびこの枠部材6aの枠内
を複数の三角形領域に隔別する仕切り部材6bとからな
る。この補強部材6はX線に対して高い透過率を有する
材料、例えばBeで形成されている。
【0011】そして、このX線透過膜3は、上記チャン
バ1と共に矢印Zで示す方向に揺動駆動されることで露
光装置に設置された図示しない半導体ウエハに対して上
記X線を所定の範囲で照射させることができるようにな
っている。
バ1と共に矢印Zで示す方向に揺動駆動されることで露
光装置に設置された図示しない半導体ウエハに対して上
記X線を所定の範囲で照射させることができるようにな
っている。
【0012】なお、このX線透過膜3は、幅方向に沿う
断面積が、いずれの箇所においても略同じになるように
設定されている。すなわち、図1のa−a線、b−b線
およびc−c線における面積を比較すると、それぞれ、
図7(a)、(b)、(c)に示すように、すべての箇
所で断面積S=膜本体5の断面積S1 +補強部材6の枠
部材6aの断面積S2 ×2+仕切り部材6bの断面積S
3 となっている。
断面積が、いずれの箇所においても略同じになるように
設定されている。すなわち、図1のa−a線、b−b線
およびc−c線における面積を比較すると、それぞれ、
図7(a)、(b)、(c)に示すように、すべての箇
所で断面積S=膜本体5の断面積S1 +補強部材6の枠
部材6aの断面積S2 ×2+仕切り部材6bの断面積S
3 となっている。
【0013】したがって、このX線透過膜3を矢印Zで
示す方向に揺動させてもX線の透過量は補強部材6の存
在によって不均一となることはない。
示す方向に揺動させてもX線の透過量は補強部材6の存
在によって不均一となることはない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来例
においては、上記補強部材6を膜本体5に固定する方法
として、接着剤等の手段を用いていた。
においては、上記補強部材6を膜本体5に固定する方法
として、接着剤等の手段を用いていた。
【0015】しかし、接着剤を均一に塗布することはむ
ずかしく、強度にばらつきが生じることがある。また、
揺動駆動されたり、大気圧と真空との気圧の差でたわん
だりして、補強部材6と膜本体5の密着性が低下するこ
とが多い。この密着性が低下すると上記膜本体5の強度
が低下してX線透過膜6が破損する場合がある。
ずかしく、強度にばらつきが生じることがある。また、
揺動駆動されたり、大気圧と真空との気圧の差でたわん
だりして、補強部材6と膜本体5の密着性が低下するこ
とが多い。この密着性が低下すると上記膜本体5の強度
が低下してX線透過膜6が破損する場合がある。
【0016】この発明は、このような事情に鑑みて成さ
れたもので、膜本体に補強部材を設けたX線透過膜であ
って、かつこの補強部材と膜本体の密着性が低下するこ
とがないX線透過膜を提供することを目的とするもので
ある。
れたもので、膜本体に補強部材を設けたX線透過膜であ
って、かつこの補強部材と膜本体の密着性が低下するこ
とがないX線透過膜を提供することを目的とするもので
ある。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の手段
は、X線を透過する材料からなる膜本体と、この膜本体
の両側面に設けられこの膜本体を補強する第1、第2の
補強部材とを具備し、この第1の補強部材に+電圧を印
加し、上記第2の補強部材に−電圧を印加してこの第
1、第2の補強部材間に静電力を発生させることで、こ
の第1、第2の補強部材を上記膜本体に密着させること
を特徴とするものである。
は、X線を透過する材料からなる膜本体と、この膜本体
の両側面に設けられこの膜本体を補強する第1、第2の
補強部材とを具備し、この第1の補強部材に+電圧を印
加し、上記第2の補強部材に−電圧を印加してこの第
1、第2の補強部材間に静電力を発生させることで、こ
の第1、第2の補強部材を上記膜本体に密着させること
を特徴とするものである。
【0018】第2の手段は、上記第1の手段において、
上記第1、第2の補強部材の表面には、絶縁膜を設ける
ことを特徴とするものである。
上記第1、第2の補強部材の表面には、絶縁膜を設ける
ことを特徴とするものである。
【0019】第3の手段は、上記第1の手段において、
上記第1、第2の補強部材の間に発生する静電力を制御
することで上記膜本体を撓ませることを特徴とするもの
である。
上記第1、第2の補強部材の間に発生する静電力を制御
することで上記膜本体を撓ませることを特徴とするもの
である。
【0020】
【作用】このような構成によれば、第1、第2の補強部
材間に静電力を発生させることでこの第1、第2の補強
部材を膜本体に密着させることができる。
材間に静電力を発生させることでこの第1、第2の補強
部材を膜本体に密着させることができる。
【0021】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面を参照して
説明する。なお、従来例と同一の構成要素には同一符号
を付してその説明を省略する。
説明する。なお、従来例と同一の構成要素には同一符号
を付してその説明を省略する。
【0022】まず第1の実施例を図1を参照して説明す
る。
る。
【0023】図1(b)に示すように、この第1の実施
例のX線透過膜10は、上記開口部2よりも大きい矩形
状に形成された膜本体11と、この膜本体11の超高真
空領域A側および大気圧領域B側を望む両面に設けら
れ、この膜本体11を補強する第1、第2の補強部材1
2、13とからなる。
例のX線透過膜10は、上記開口部2よりも大きい矩形
状に形成された膜本体11と、この膜本体11の超高真
空領域A側および大気圧領域B側を望む両面に設けら
れ、この膜本体11を補強する第1、第2の補強部材1
2、13とからなる。
【0024】上記第1の補強部材12は、図1(a)に
示すように、上記膜本体11の周辺部に沿って設けられ
た枠部材12aと、この枠部材12a内を複数の三角形
領域に隔別する仕切り部材12bとからなる。また、こ
の第1の補強部材12は、エッチング等によって一体的
に形成され、その表面には図1(b)に示すようにスパ
ッタリングなどの方法で絶縁材14が被膜されてなる。
示すように、上記膜本体11の周辺部に沿って設けられ
た枠部材12aと、この枠部材12a内を複数の三角形
領域に隔別する仕切り部材12bとからなる。また、こ
の第1の補強部材12は、エッチング等によって一体的
に形成され、その表面には図1(b)に示すようにスパ
ッタリングなどの方法で絶縁材14が被膜されてなる。
【0025】また、この第1の補強部材12は、X線透
過率の良い導電体であるBe(ベリリウム)で成形され
ている。そして、上記絶縁材14は、例えば硬質アルマ
イトとテフロンの化合物からなる。
過率の良い導電体であるBe(ベリリウム)で成形され
ている。そして、上記絶縁材14は、例えば硬質アルマ
イトとテフロンの化合物からなる。
【0026】一方、上記第2の補強部材13は、上記第
1の補強部材12と同様に、枠部材13aと、仕切り部
材13bと、表面に被着された絶縁材15とから構成さ
れている。
1の補強部材12と同様に、枠部材13aと、仕切り部
材13bと、表面に被着された絶縁材15とから構成さ
れている。
【0027】上記チャンバ1の開口部2の内周面には、
上記膜本体11の縁部が挿入される凹陥溝16が形成さ
れている。また、この開口部2の上記凹陥溝16を挟む
真空領域A側と大気圧領域B側には、先端をこの開口部
2の内周面に露出させた第1、第2の端子17、18が
埋設されている。この第1、第2の端子17、18はリ
−ド線を介してこのチャンバ1から取り出され、それぞ
れ図に20で示す電源の+端子および−端子に接続され
ている。
上記膜本体11の縁部が挿入される凹陥溝16が形成さ
れている。また、この開口部2の上記凹陥溝16を挟む
真空領域A側と大気圧領域B側には、先端をこの開口部
2の内周面に露出させた第1、第2の端子17、18が
埋設されている。この第1、第2の端子17、18はリ
−ド線を介してこのチャンバ1から取り出され、それぞ
れ図に20で示す電源の+端子および−端子に接続され
ている。
【0028】なお、上記第1、第2の補強部材12、1
3をこの膜本体11の両面に取着したときに、それぞれ
上記第1、第2の補強部材12、13の上記第1、第2
の端子17、18に当接する部位には、上記絶縁膜1
5、16は形成されていない。したがって、上記第1、
第2の補強部材12、13は上記第1、第2の端子1
7、18と導通するようになっている。
3をこの膜本体11の両面に取着したときに、それぞれ
上記第1、第2の補強部材12、13の上記第1、第2
の端子17、18に当接する部位には、上記絶縁膜1
5、16は形成されていない。したがって、上記第1、
第2の補強部材12、13は上記第1、第2の端子1
7、18と導通するようになっている。
【0029】次に、このX線透過膜10を上記チャンバ
1の開口部2に組み付ける場合について説明する。
1の開口部2に組み付ける場合について説明する。
【0030】まず、上記膜本体11の両面に、それぞれ
上記第1、第2の補強部材12、13の一面を接着剤に
より接着する。ついで、上記開口部2の内周面に形成さ
れた凹陥溝16内に膜本体11の縁部をはめ込むこと
で、この膜本体11を上記開口部2に取着する。
上記第1、第2の補強部材12、13の一面を接着剤に
より接着する。ついで、上記開口部2の内周面に形成さ
れた凹陥溝16内に膜本体11の縁部をはめ込むこと
で、この膜本体11を上記開口部2に取着する。
【0031】このことで、上記第1、第2の補強部材1
2、13は、上記第1、第2の端子17、18が当接
し、それぞれ+電圧と−電圧とが印加される。このこと
で、上記第1、第2の補強部材12、13の間には、上
記膜本体11を介して静電力が働き、互いに引き付けら
れる。
2、13は、上記第1、第2の端子17、18が当接
し、それぞれ+電圧と−電圧とが印加される。このこと
で、上記第1、第2の補強部材12、13の間には、上
記膜本体11を介して静電力が働き、互いに引き付けら
れる。
【0032】したがって、上記第1、第2の補強部材1
2、13は、静電力Fで上記膜本体11に密着する。こ
の静電力Fは、以下の式で表せる。 F=ε0 ・ε・S・V2 /2D2 ε0 :真空の誘電率、ε:膜本体の比誘電率、S:補強
部材の膜本体へ密着する面積、D:膜本体の厚さ、V:
印加電圧。 すなわち、上記膜本体11は、接着剤の接着力に加え静
電力Fで密着する第1、第2の補強部材12、13によ
って補強されることとなる。なお、上記第1、第2の補
強部材12、13間の距離すなわち膜本体11の厚さ
は、数十μmであり、静電力Fを得るのに適当な距離で
ある。
2、13は、静電力Fで上記膜本体11に密着する。こ
の静電力Fは、以下の式で表せる。 F=ε0 ・ε・S・V2 /2D2 ε0 :真空の誘電率、ε:膜本体の比誘電率、S:補強
部材の膜本体へ密着する面積、D:膜本体の厚さ、V:
印加電圧。 すなわち、上記膜本体11は、接着剤の接着力に加え静
電力Fで密着する第1、第2の補強部材12、13によ
って補強されることとなる。なお、上記第1、第2の補
強部材12、13間の距離すなわち膜本体11の厚さ
は、数十μmであり、静電力Fを得るのに適当な距離で
ある。
【0033】このような構成によれば、上記チャンバ1
を揺動駆動することでこのX線透過膜10が振動し、上
記第1、第2の補強部材12、13と膜本体11との接
着剤による接合力が低下しても、静電力Fによる密着力
は低下することがない。また、反対に、密着力が低下し
ないので、接着剤による接合力も低下しにくいというこ
ともある。
を揺動駆動することでこのX線透過膜10が振動し、上
記第1、第2の補強部材12、13と膜本体11との接
着剤による接合力が低下しても、静電力Fによる密着力
は低下することがない。また、反対に、密着力が低下し
ないので、接着剤による接合力も低下しにくいというこ
ともある。
【0034】さらに、上記第1、第2の補強部材12、
13に印加する電圧の大きさを調整することで、この第
1、第2の補強部材12、13の上記膜本体11への密
着力を調整できるので便利である。
13に印加する電圧の大きさを調整することで、この第
1、第2の補強部材12、13の上記膜本体11への密
着力を調整できるので便利である。
【0035】これらのことにより、上記X線透過膜10
の破壊を有効に防止することができるので、X線リソグ
ラフィ技術の信頼性が向上すると共に、製品の歩留まり
が向上する効果がある。
の破壊を有効に防止することができるので、X線リソグ
ラフィ技術の信頼性が向上すると共に、製品の歩留まり
が向上する効果がある。
【0036】次に、第2の実施例について図2を参照し
て説明する。上記第1の実施例で説明した構成要素と同
一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略す
る。
て説明する。上記第1の実施例で説明した構成要素と同
一の構成要素には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0037】この第2の実施例は、上記第1、第2の補
強部材12、13を変更して、静電力を制御し、上記膜
本体11を大気圧領域B側へたわませるものである。
強部材12、13を変更して、静電力を制御し、上記膜
本体11を大気圧領域B側へたわませるものである。
【0038】図2(a)、(b)に示すように、この第
2の実施例における第1の補強部材21は、長手方向両
端部を非導電材(イ)で形成し長手方向中途部を導電材
料(ロ)で形成したものである。また、第2の補強部材
22は、図2(b)に示すように、上記第1の補強部材
21とは逆に、長手方向両端部を導電材料(ロ)で形成
し長手方向中途部を非導電材料(イ)で形成したもので
ある。
2の実施例における第1の補強部材21は、長手方向両
端部を非導電材(イ)で形成し長手方向中途部を導電材
料(ロ)で形成したものである。また、第2の補強部材
22は、図2(b)に示すように、上記第1の補強部材
21とは逆に、長手方向両端部を導電材料(ロ)で形成
し長手方向中途部を非導電材料(イ)で形成したもので
ある。
【0039】上記導電材料(ロ)としては例えばBe、
非導電材料(イ)としては例えば窒化ケイ素などのX線
透過率の良い材料が選択される。
非導電材料(イ)としては例えば窒化ケイ素などのX線
透過率の良い材料が選択される。
【0040】このような構成において、上記第1、第2
の補強部材21、22のそれぞれの導電材料(ロ)の部
分にそれぞれ+電圧と−電圧とを印加することで上記第
1の補強部材21および第2の補強部材22にはそれぞ
れ図2(c)に矢印で示す方向に静電吸引力が発生す
る。このことで、上記X線透過膜10は、高圧側である
大気圧領域B側へ凸となるように湾曲する。
の補強部材21、22のそれぞれの導電材料(ロ)の部
分にそれぞれ+電圧と−電圧とを印加することで上記第
1の補強部材21および第2の補強部材22にはそれぞ
れ図2(c)に矢印で示す方向に静電吸引力が発生す
る。このことで、上記X線透過膜10は、高圧側である
大気圧領域B側へ凸となるように湾曲する。
【0041】このような構成によれば、このX線透過膜
10を高圧側へ湾曲させることができるので、このX線
透過膜10の強度を高めることができる。また、従来例
の構成であると、取着前に湾曲成形する工程が必要があ
り、また、湾曲形状の場合には上記補強部材を膜本体に
密着させることが困難になる等の欠点が考えられるが、
この第2の実施例のX線透過膜10にはその様な欠点は
ない。また、湾曲の曲率半径は、印加する電圧の大きさ
で調整できるので便利である。
10を高圧側へ湾曲させることができるので、このX線
透過膜10の強度を高めることができる。また、従来例
の構成であると、取着前に湾曲成形する工程が必要があ
り、また、湾曲形状の場合には上記補強部材を膜本体に
密着させることが困難になる等の欠点が考えられるが、
この第2の実施例のX線透過膜10にはその様な欠点は
ない。また、湾曲の曲率半径は、印加する電圧の大きさ
で調整できるので便利である。
【0042】このことで、上記X線透過膜10の破損を
有効に防止し、より信頼性の高いX線リソグラフィを行
うことができる効果がある。
有効に防止し、より信頼性の高いX線リソグラフィを行
うことができる効果がある。
【0043】次に、第3の実施例について図3を参照し
て説明する。なお、第1の実施例と同一の構成要素には
同一符号を付してその説明は省略する。
て説明する。なお、第1の実施例と同一の構成要素には
同一符号を付してその説明は省略する。
【0044】この第3の実施例は、上記大気圧領域側に
設けられた第2の補強部材13の成形に関するものであ
る。上記第1の実施例では、上記膜本体11と第2の補
強部材13は、別体に形成していたが、この第3の実施
例では、まず、図3(a)に示すように膜本体11の一
面に絶縁膜15´を被着する。ついで、この絶縁膜15
´に第2の補強部材13の材料であるBe層12´を設
ける。
設けられた第2の補強部材13の成形に関するものであ
る。上記第1の実施例では、上記膜本体11と第2の補
強部材13は、別体に形成していたが、この第3の実施
例では、まず、図3(a)に示すように膜本体11の一
面に絶縁膜15´を被着する。ついで、この絶縁膜15
´に第2の補強部材13の材料であるBe層12´を設
ける。
【0045】次に、図3(b)に示すように、上記第2
の補強部材12、13となる部分を残してケミカルエッ
チングを施す。このことで、上記膜本体11の一面に第
2の補強部材13が形成される。
の補強部材12、13となる部分を残してケミカルエッ
チングを施す。このことで、上記膜本体11の一面に第
2の補強部材13が形成される。
【0046】この第3の実施例によれば、ケミカルエッ
チングで上記膜本体11上で上記第2の補強部材13を
成形するようにしたので、上記第2の補強部材13を十
分に細くすることができる。このことで、X線の透過率
の低下を防止することができる。
チングで上記膜本体11上で上記第2の補強部材13を
成形するようにしたので、上記第2の補強部材13を十
分に細くすることができる。このことで、X線の透過率
の低下を防止することができる。
【0047】なお、上記第1の補強部材は、真空領域側
に設けられているので、放電を防止するために、全面を
上記絶縁膜で覆われている必要があるため、このような
成形方法は適用できない。
に設けられているので、放電を防止するために、全面を
上記絶縁膜で覆われている必要があるため、このような
成形方法は適用できない。
【0048】また、上記第2の補強部材13は、接着剤
で上記膜本体11に被着されているが、通電により、静
電力を生じさせることで、使用中に密着性が失われるこ
とが有効に防止される効果がある。
で上記膜本体11に被着されているが、通電により、静
電力を生じさせることで、使用中に密着性が失われるこ
とが有効に防止される効果がある。
【0049】なお、この発明は、上記一実施例に限定さ
れるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々
変形可能である。
れるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々
変形可能である。
【0050】例えば、上記一実施例では、上記膜部材と
して導体であるBeを用いたが、X線の透過率の良い非
導電体である窒化ケイ素やポリエステル等を用いるよう
にしても良い。この場合には、上記第1、第2の補強部
材12、13に絶縁膜14、15を被着する必要がなく
なる。
して導体であるBeを用いたが、X線の透過率の良い非
導電体である窒化ケイ素やポリエステル等を用いるよう
にしても良い。この場合には、上記第1、第2の補強部
材12、13に絶縁膜14、15を被着する必要がなく
なる。
【0051】また、第1、第2の実施例では、上記第
1、第2の補強部材12、13の表面全体に亘って絶縁
材14、15を被着したが、これに限定されるものでは
ない。すなわち、上記第2の補強部材については、放電
の恐れが少ないので、膜本体11と密着する面にのみ上
記絶縁材15を被着するようにしても良い。
1、第2の補強部材12、13の表面全体に亘って絶縁
材14、15を被着したが、これに限定されるものでは
ない。すなわち、上記第2の補強部材については、放電
の恐れが少ないので、膜本体11と密着する面にのみ上
記絶縁材15を被着するようにしても良い。
【0052】さらに、上記一実施例では、上記第1、第
2の補強部材12、13を接着剤を用いて上記膜本体1
1の両面に接着していたが、これに限定されるものでは
ない。接着剤を用いず、上記静電力Fのみで、上記第
1、第2の補強部材12、13を上記膜本体11に接合
させるようにしても良い。
2の補強部材12、13を接着剤を用いて上記膜本体1
1の両面に接着していたが、これに限定されるものでは
ない。接着剤を用いず、上記静電力Fのみで、上記第
1、第2の補強部材12、13を上記膜本体11に接合
させるようにしても良い。
【0053】このようにすれば、接着工程が削減できる
から、このX線透過膜10の製造が容易になる効果があ
る。
から、このX線透過膜10の製造が容易になる効果があ
る。
【0054】また、上記一実施例において、上記第1、
第2の補強部材12、13の形状は、枠部材12a、1
3a内を複数の三角形に区切る仕切り部材12b、13
bを設けたものであったが、これに限定されるものでは
ない。
第2の補強部材12、13の形状は、枠部材12a、1
3a内を複数の三角形に区切る仕切り部材12b、13
bを設けたものであったが、これに限定されるものでは
ない。
【0055】例えば、図4に、(a)〜(g)に示すよ
うな形状であっても良い。また、このような形状を細い
ワイヤを折曲することで形成するようにしても良い。
うな形状であっても良い。また、このような形状を細い
ワイヤを折曲することで形成するようにしても良い。
【0056】
【発明の効果】以上のべたように、この発明の第1の構
成は、X線を透過する材料からなる膜本体と、この膜本
体の両側面に設けられこの膜本体を補強する第1、第2
の補強部材とを具備し、この第1の補強部材に+電圧を
印加し、上記第2の補強部材に−電圧を印加してこの第
1、第2の補強部材間に静電力を発生させることで、こ
の第1、第2の補強部材を上記膜本体に密着させるもの
である。
成は、X線を透過する材料からなる膜本体と、この膜本
体の両側面に設けられこの膜本体を補強する第1、第2
の補強部材とを具備し、この第1の補強部材に+電圧を
印加し、上記第2の補強部材に−電圧を印加してこの第
1、第2の補強部材間に静電力を発生させることで、こ
の第1、第2の補強部材を上記膜本体に密着させるもの
である。
【0057】第2の構成は、上記第1の構成において、
上記第1、第2の補強部材の表面と、上記膜本体との間
にはのに絶縁材を介在させることを特徴とするものであ
る。
上記第1、第2の補強部材の表面と、上記膜本体との間
にはのに絶縁材を介在させることを特徴とするものであ
る。
【0058】第3の構成は、上記第1の構成において、
上記第1、第2の補強部材の間に発生する静電力を制御
することで上記膜本体を撓ませることを特徴とするもの
である。
上記第1、第2の補強部材の間に発生する静電力を制御
することで上記膜本体を撓ませることを特徴とするもの
である。
【0059】このような構成によれば、上記X線透過膜
の破壊を有効に防止することができるので、X線リソグ
ラフィ技術の信頼性が向上すると共に、製品の歩留まり
が向上する効果がある。
の破壊を有効に防止することができるので、X線リソグ
ラフィ技術の信頼性が向上すると共に、製品の歩留まり
が向上する効果がある。
【図1】(a)は、この発明の第1の実施例を示す正面
図、(b)は縦断面図。
図、(b)は縦断面図。
【図2】(b)は、第2の実施例を示す正面図、(b)
は電圧印加前の状態を示す上面図、(c)は印加後を示
す上面図。
は電圧印加前の状態を示す上面図、(c)は印加後を示
す上面図。
【図3】(a)、(b)は、第3の実施例の製造を示す
工程図。
工程図。
【図4】(a)〜(g)は、他の実施例を示す正面図。
【図5】従来例を示す縦断面図。
【図6】同じく正面図。
【図7】(a)は、図6におけるa−a線に沿う縦断面
図、(b)はb−b線に沿う縦断面図、(c)はc−c
線に沿う縦断面図。
図、(b)はb−b線に沿う縦断面図、(c)はc−c
線に沿う縦断面図。
10…X線透過膜、11…膜本体、12…第1の補強部
材、13…第2の補強部材、14…絶縁材、15…絶縁
材。
材、13…第2の補強部材、14…絶縁材、15…絶縁
材。
Claims (3)
- 【請求項1】 X線を透過する材料からなる膜本体と、
この膜本体の両側面に設けられこの膜本体を補強する第
1、第2の補強部材とを具備し、この第1の補強部材に
+電圧を印加し、上記第2の補強部材に−電圧を印加し
てこの第1、第2の補強部材間に静電力を発生させるこ
とで、この第1、第2の補強部材を上記膜本体に密着さ
せることを特徴とするX線透過膜。 - 【請求項2】 上記第1、第2の補強部材の表面には絶
縁膜を設けることを特徴とする請求項1記載のX線透過
膜。 - 【請求項3】 上記第1、第2の補強部材の間に発生す
る静電力を制御することで上記膜本体を撓ませることを
特徴とする請求項1記載のX線透過膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4253155A JPH06102400A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | X線透過膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4253155A JPH06102400A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | X線透過膜 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102400A true JPH06102400A (ja) | 1994-04-15 |
Family
ID=17247297
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4253155A Pending JPH06102400A (ja) | 1992-09-22 | 1992-09-22 | X線透過膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102400A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008124495A (ja) * | 2003-07-25 | 2008-05-29 | Asml Netherlands Bv | フィルタ・ウィンドウ、リソグラフ投影装置、フィルタ・ウィンドウの製造方法、デバイスの製造方法、及びそれらによって製造されたデバイス |
JP2013004893A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Shin Etsu Chem Co Ltd | Euv用ペリクル及びレクチル |
JP2013228332A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Jfe Engineering Corp | 粒子線透過窓の製造方法及び粒子線透過窓 |
-
1992
- 1992-09-22 JP JP4253155A patent/JPH06102400A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008124495A (ja) * | 2003-07-25 | 2008-05-29 | Asml Netherlands Bv | フィルタ・ウィンドウ、リソグラフ投影装置、フィルタ・ウィンドウの製造方法、デバイスの製造方法、及びそれらによって製造されたデバイス |
JP4546547B2 (ja) * | 2003-07-25 | 2010-09-15 | エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ. | フィルタ・ウィンドウの製造方法 |
JP2013004893A (ja) * | 2011-06-21 | 2013-01-07 | Shin Etsu Chem Co Ltd | Euv用ペリクル及びレクチル |
JP2013228332A (ja) * | 2012-04-26 | 2013-11-07 | Jfe Engineering Corp | 粒子線透過窓の製造方法及び粒子線透過窓 |
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