JPH06102255B2 - ツインドラム方式の連続鋳造装置 - Google Patents
ツインドラム方式の連続鋳造装置Info
- Publication number
- JPH06102255B2 JPH06102255B2 JP63045511A JP4551188A JPH06102255B2 JP H06102255 B2 JPH06102255 B2 JP H06102255B2 JP 63045511 A JP63045511 A JP 63045511A JP 4551188 A JP4551188 A JP 4551188A JP H06102255 B2 JPH06102255 B2 JP H06102255B2
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- Japan
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- drum
- cooling
- cooling drums
- gap
- continuous casting
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、幅方向に関して金属薄帯の板厚を制御するこ
とができるツインドラム方式の連続鋳造装置に関する。
とができるツインドラム方式の連続鋳造装置に関する。
最近、溶鋼等の溶融金属から最終形状に近い数mm〜数十
mm程度の厚みをもつ金属薄帯を直接的に製造する方法が
注目されている。この連続鋳造法によるとき、従来のよ
うな多段階にわたる熱延工程を必要とすることなく、ま
た最終形状にする圧延も軽度なもので済むため、工程及
び設備の簡略化が可能となる。
mm程度の厚みをもつ金属薄帯を直接的に製造する方法が
注目されている。この連続鋳造法によるとき、従来のよ
うな多段階にわたる熱延工程を必要とすることなく、ま
た最終形状にする圧延も軽度なもので済むため、工程及
び設備の簡略化が可能となる。
第5図は、この連続鋳造法の一つとして知られているツ
インドラム方式の連続鋳造機の設備構成を示す(特開昭
60-137562号公報参照)。
インドラム方式の連続鋳造機の設備構成を示す(特開昭
60-137562号公報参照)。
この方式においては、互いに逆方向に回転する一対の冷
却ドラム1a,1bの間に、ドラム軸方向両端部をサイド堰2
a,2bで仕切り、湯溜り部3を形成する。この湯溜り部3
に溶融金属4を注入し、冷却ドラム1a,1bを介して溶融
金属4を抜熱することにより、それぞれの冷却ドラム1
a,1bの周面に凝固シェルを形成する。この凝固シェル
は、成長しながら冷却ドラム1a,1bの回転に伴ってドラ
ムギャップ5に移行する。ドラムギャップ5で、それぞ
れの冷却ドラム1a,1b周面に形成された凝固シェルは圧
接され、金属薄帯6として冷却ドラム1a,1bの間から搬
出される。
却ドラム1a,1bの間に、ドラム軸方向両端部をサイド堰2
a,2bで仕切り、湯溜り部3を形成する。この湯溜り部3
に溶融金属4を注入し、冷却ドラム1a,1bを介して溶融
金属4を抜熱することにより、それぞれの冷却ドラム1
a,1bの周面に凝固シェルを形成する。この凝固シェル
は、成長しながら冷却ドラム1a,1bの回転に伴ってドラ
ムギャップ5に移行する。ドラムギャップ5で、それぞ
れの冷却ドラム1a,1b周面に形成された凝固シェルは圧
接され、金属薄帯6として冷却ドラム1a,1bの間から搬
出される。
この連続鋳造機を使用して金属薄帯6を製造している
と、溶融金属4からの受熱によって冷却ドラム1a,1bが
熱変形する。この熱変形により、通常はドラム中央部の
径が大きく、両端部で小さくなったサーマルクラウンが
発生する。このサーマルクラウンのために、ドラムギャ
ップ5の間隙がドラム軸方向に関して変動し、凝固シェ
ルに加わる圧力下が不均一になり、得られた金属薄帯6
に割れ,皺等の欠陥が発生する。
と、溶融金属4からの受熱によって冷却ドラム1a,1bが
熱変形する。この熱変形により、通常はドラム中央部の
径が大きく、両端部で小さくなったサーマルクラウンが
発生する。このサーマルクラウンのために、ドラムギャ
ップ5の間隙がドラム軸方向に関して変動し、凝固シェ
ルに加わる圧力下が不均一になり、得られた金属薄帯6
に割れ,皺等の欠陥が発生する。
従来は、このサーマルクラウンを抑制するために、熱変
形を打ち消すように冷却ドラム1a,1bを機械的に或いは
流体圧によってドラムを局部的に膨出する方法が提案さ
れている(特開昭59-163057号公報,特開昭60-27458号
公報等参照)。或いは、ドラム軸方向に関して冷却条件
を変更し、熱膨張した両端部を強冷する方法も知られて
いる(特開昭59−54445号公報)。
形を打ち消すように冷却ドラム1a,1bを機械的に或いは
流体圧によってドラムを局部的に膨出する方法が提案さ
れている(特開昭59-163057号公報,特開昭60-27458号
公報等参照)。或いは、ドラム軸方向に関して冷却条件
を変更し、熱膨張した両端部を強冷する方法も知られて
いる(特開昭59−54445号公報)。
しかし、これら従来のサーマルクラウン抑制方法は、冷
却ドラム1a,1b自体の構造を複雑にし、また金属薄帯6
の幅方向に関する板厚分布の制御範囲も僅かなものであ
る。そのため、後工程で要求される板厚分布の通りに作
り込むことが困難であるばかりでなく、サールクラウン
による板厚変動も完全には補償できなくなる危険性があ
る。
却ドラム1a,1b自体の構造を複雑にし、また金属薄帯6
の幅方向に関する板厚分布の制御範囲も僅かなものであ
る。そのため、後工程で要求される板厚分布の通りに作
り込むことが困難であるばかりでなく、サールクラウン
による板厚変動も完全には補償できなくなる危険性があ
る。
また、金属薄帯6の冷間圧延を効率良く行うためには、
鋳造される金属薄帯6を凸クラウンをもつ断面形状にす
ることが有効である。このためには、ドラムギャップ5
の間隙を中央部で大きく、両端部で小さくすることが考
えられる。このようにドラムギャップ5の間隙をドラム
軸方向に関して変更する場合、実際に鋳造されている金
属薄帯6の幅方向板厚分布に基づいて、間隙の変動を制
御することが必要である。ところが、たとえば凹クラウ
ンをもつ冷却ドラム1a,1bを使用した場合、ドラムギャ
ップ5のドラム軸方向に関する間隙の変動は一義的に定
まり、その間隙をオンラインで制御することができな
い。
鋳造される金属薄帯6を凸クラウンをもつ断面形状にす
ることが有効である。このためには、ドラムギャップ5
の間隙を中央部で大きく、両端部で小さくすることが考
えられる。このようにドラムギャップ5の間隙をドラム
軸方向に関して変更する場合、実際に鋳造されている金
属薄帯6の幅方向板厚分布に基づいて、間隙の変動を制
御することが必要である。ところが、たとえば凹クラウ
ンをもつ冷却ドラム1a,1bを使用した場合、ドラムギャ
ップ5のドラム軸方向に関する間隙の変動は一義的に定
まり、その間隙をオンラインで制御することができな
い。
そこで、本発明は、冷却ドラムを互いに交叉して配置
し、その間の交叉角を変更自在とすることによって、ド
ラム軸方向に関するドラムギャップの間隙を自在に調節
し、サーマルクラウンを打ち消し、所定の板厚分布をも
ち表面性状に優れた金属薄帯を製造することを目的とす
る。
し、その間の交叉角を変更自在とすることによって、ド
ラム軸方向に関するドラムギャップの間隙を自在に調節
し、サーマルクラウンを打ち消し、所定の板厚分布をも
ち表面性状に優れた金属薄帯を製造することを目的とす
る。
本発明の連続鋳造装置は、その目的を達成するために、
一対の冷却ドラムの間に形成された湯溜り部に注入され
た溶融金属を急冷・凝固して金属薄帯を製造する連続鋳
造装置において、前記冷却ドラムの回転軸を前記金属薄
帯の板面内で互いに交叉させ、且つその交叉角を調節可
能にする傾動機構を備えていることを特徴とする。
一対の冷却ドラムの間に形成された湯溜り部に注入され
た溶融金属を急冷・凝固して金属薄帯を製造する連続鋳
造装置において、前記冷却ドラムの回転軸を前記金属薄
帯の板面内で互いに交叉させ、且つその交叉角を調節可
能にする傾動機構を備えていることを特徴とする。
第1図は、本発明連続鋳造装置の概略を示す。また、第
2図は、第1図のI−I線に沿った断面図である。な
お、同図において、第5図に示した部材等に対応するも
のについては、同一の符番で指示した。
2図は、第1図のI−I線に沿った断面図である。な
お、同図において、第5図に示した部材等に対応するも
のについては、同一の符番で指示した。
冷却ドラム1a(1b)の両端に設けられているドラムチョ
ック7a,7bは、可動ラム8a〜8bによって鉛直方向に支持
されている。そして、これらの可動ラム8a〜8dは、ハウ
ジング9a〜9dに埋め込まれている。冷却ドラム1bを、第
1図において右上がりに傾斜させる場合には、可動ラム
8a,8bをドラムチョック7a,7bに向けて押し出し、可動ラ
ム8b,8cをハウジング9b,9cの方に引っ込める。なお、可
動ラム8a,8dの駆動力は、油圧或いは電動力で与えられ
ている。
ック7a,7bは、可動ラム8a〜8bによって鉛直方向に支持
されている。そして、これらの可動ラム8a〜8dは、ハウ
ジング9a〜9dに埋め込まれている。冷却ドラム1bを、第
1図において右上がりに傾斜させる場合には、可動ラム
8a,8bをドラムチョック7a,7bに向けて押し出し、可動ラ
ム8b,8cをハウジング9b,9cの方に引っ込める。なお、可
動ラム8a,8dの駆動力は、油圧或いは電動力で与えられ
ている。
なお、冷却ドラム1a,1bの交叉角がゼロでない場合、冷
却ドラム1aと冷却ドラム1bとの端面は、同一平面上に位
置しなくなる。そこで、この同一平面上にない冷却ドラ
ム1a,1bの端面に当接し、湯溜り部を確保するため、可
撓性のある薄板をサイド堰2a,2bとして使用することが
好ましい。これらのサイド堰2a,2bは、加圧パット10a〜
10dにより冷却ドラム1a,1bの端面に押し付けられる。そ
のため、冷却ドラム1a,1bの端面が同一平面上にない場
合にも、湯漏れ,湯差し等の問題を生じることがない。
却ドラム1aと冷却ドラム1bとの端面は、同一平面上に位
置しなくなる。そこで、この同一平面上にない冷却ドラ
ム1a,1bの端面に当接し、湯溜り部を確保するため、可
撓性のある薄板をサイド堰2a,2bとして使用することが
好ましい。これらのサイド堰2a,2bは、加圧パット10a〜
10dにより冷却ドラム1a,1bの端面に押し付けられる。そ
のため、冷却ドラム1a,1bの端面が同一平面上にない場
合にも、湯漏れ,湯差し等の問題を生じることがない。
第3図は、この傾動機構により冷却ドラムを金属薄帯の
板面内で傾斜させた状態を示す。同図(a)は軸方向に
みた冷却ドラム1a,1bの傾斜状態を示し、同図(b)は
半径方向にみた冷却ドラム1a,1bの傾斜状態を示す。た
だし、第3図にあっては、冷却ドラム1a,1bの回転軸の
中心を同一高さに維持している。
板面内で傾斜させた状態を示す。同図(a)は軸方向に
みた冷却ドラム1a,1bの傾斜状態を示し、同図(b)は
半径方向にみた冷却ドラム1a,1bの傾斜状態を示す。た
だし、第3図にあっては、冷却ドラム1a,1bの回転軸の
中心を同一高さに維持している。
一方の冷却ドラム1aは、第3図(a)において前上が
り、同図(b)において左上がりに傾斜させる。すなわ
ち、基準軸C0に対して冷却ドラム1aの回転軸C1は、傾斜
角θで斜行する。他方の冷却ドラム1bは、冷却ドラム1a
とは逆方向に傾斜し、その回転軸C2は基準軸C0に傾斜角
θで交叉する。したがって、この場合の冷却ドラム1a,1
b間の交叉角は、2θとなる。
り、同図(b)において左上がりに傾斜させる。すなわ
ち、基準軸C0に対して冷却ドラム1aの回転軸C1は、傾斜
角θで斜行する。他方の冷却ドラム1bは、冷却ドラム1a
とは逆方向に傾斜し、その回転軸C2は基準軸C0に傾斜角
θで交叉する。したがって、この場合の冷却ドラム1a,1
b間の交叉角は、2θとなる。
このように、回転軸C1,C2の間に交叉角2θを付けて冷
却ドラム1a,1bを配置するとき、冷却ドラム1a,1b間のド
ラムギャップ5は、ドラム軸方向に関して変化する。仮
に、円筒状の周面をもつ冷却ドラム1a,1bを使用した場
合、ドラムギャップ5の間隙は、中央部で最も小さく、
両端部で最も大きくなる。そして、この間隙の変動量
は、交叉角2θを変えることによって制御することがで
きる。
却ドラム1a,1bを配置するとき、冷却ドラム1a,1b間のド
ラムギャップ5は、ドラム軸方向に関して変化する。仮
に、円筒状の周面をもつ冷却ドラム1a,1bを使用した場
合、ドラムギャップ5の間隙は、中央部で最も小さく、
両端部で最も大きくなる。そして、この間隙の変動量
は、交叉角2θを変えることによって制御することがで
きる。
たとえば、冷却ドラム1a,1bの交叉角2θのとき、ドラ
ム端部とドラム中央部とのギャップ差をδ(mm)とする
と、δは近似的に次式(1)で与えられる。
ム端部とドラム中央部とのギャップ差をδ(mm)とする
と、δは近似的に次式(1)で与えられる。
ただし、lはドラム長(mm),Dはドラム直径(mm),hは
中央部のギャップ(mm)である。
中央部のギャップ(mm)である。
したがって、いま、ある交叉角θ0で鋳造している状態
で測定された板厚分布が目標値に比較して板端部がΔh
(mm)だけ薄くなっている場合に、δ=δ0+Δhとな
るように式(1)を逆算して求められるθに交叉角を変
更する。これにより、目標とする板厚分布が得られる。
ここで、δ0は、式(1)のθのθ0を代入して得られ
る値である。逆に、板端部がΔhだけ厚くなっている場
合、δ=δ0−Δhとなるように式(1)を逆算して求
められるθに交叉角を変更すれば良い。
で測定された板厚分布が目標値に比較して板端部がΔh
(mm)だけ薄くなっている場合に、δ=δ0+Δhとな
るように式(1)を逆算して求められるθに交叉角を変
更する。これにより、目標とする板厚分布が得られる。
ここで、δ0は、式(1)のθのθ0を代入して得られ
る値である。逆に、板端部がΔhだけ厚くなっている場
合、δ=δ0−Δhとなるように式(1)を逆算して求
められるθに交叉角を変更すれば良い。
また、凹クラウンをもつ冷却ドラム1a,1bを使用した場
合、サーマルクラウンのない状態では、冷却ドラム1a,1
bの間に形成されるドラムギャップ5は、その凹クラウ
ンに対応した凸クラウンの断面形状もつ。しかし、溶融
金属からの受熱によって冷却ドラム1a,1bが熱変形する
と、当初冷却ドラム1a,1bに設けた凹クラウンが変わっ
てくる。そこで、このサーマルクラウンによる冷極ドラ
ム1a,1bの変形を打ち消すため、目標凸クラウンに対応
するよりも大きな凹クラウンを冷却ドラム1a,1bの周面
に付けておき、交叉角2θの調整によって幅方向に関す
るドラムギャップ5の間隙変動を制御する。すなわち、
交叉角2θを大きくとるとき、冷却ドラム1a,1bの両端
部における間隙が大きくなり、冷却ドラム1a,1bの凹ク
ラウンを打ち消す方向に働く。他方、交叉角2θを小さ
くするとき、冷却ドラム1a,1bに付けた凹クラウンの影
響がドラムギャップ5に大きく現れる。
合、サーマルクラウンのない状態では、冷却ドラム1a,1
bの間に形成されるドラムギャップ5は、その凹クラウ
ンに対応した凸クラウンの断面形状もつ。しかし、溶融
金属からの受熱によって冷却ドラム1a,1bが熱変形する
と、当初冷却ドラム1a,1bに設けた凹クラウンが変わっ
てくる。そこで、このサーマルクラウンによる冷極ドラ
ム1a,1bの変形を打ち消すため、目標凸クラウンに対応
するよりも大きな凹クラウンを冷却ドラム1a,1bの周面
に付けておき、交叉角2θの調整によって幅方向に関す
るドラムギャップ5の間隙変動を制御する。すなわち、
交叉角2θを大きくとるとき、冷却ドラム1a,1bの両端
部における間隙が大きくなり、冷却ドラム1a,1bの凹ク
ラウンを打ち消す方向に働く。他方、交叉角2θを小さ
くするとき、冷却ドラム1a,1bに付けた凹クラウンの影
響がドラムギャップ5に大きく現れる。
したがって、冷却ドラム1a,1bの間から送り出される金
属薄帯6の断面形状を適宜検出し、この検出結果に基づ
き冷却ドラム1a,1bの交叉角2θを調整することによ
り、必要とする凸クラウンをもつ金属薄帯6を製造する
ことができる。
属薄帯6の断面形状を適宜検出し、この検出結果に基づ
き冷却ドラム1a,1bの交叉角2θを調整することによ
り、必要とする凸クラウンをもつ金属薄帯6を製造する
ことができる。
なお、交叉したロール対を使用して圧延される素材に凸
クラウンを付け、圧延を効率良く行うこと自体は、たと
えば特開昭55-64908号公報で示されているようにすでに
知られている技術である。しかし、本発明における冷却
ドラム1a,1bの交叉配置は、鋳造される金属薄帯6に凸
クラウンを付けることに留まらず、金属薄帯6の性質改
善にも効果を発揮する。
クラウンを付け、圧延を効率良く行うこと自体は、たと
えば特開昭55-64908号公報で示されているようにすでに
知られている技術である。しかし、本発明における冷却
ドラム1a,1bの交叉配置は、鋳造される金属薄帯6に凸
クラウンを付けることに留まらず、金属薄帯6の性質改
善にも効果を発揮する。
第4図は、この交叉配置した冷却ドラム1a,1bによる金
属薄帯6の性質改善を説明するための図である。冷却ド
ラム1a,1bを金属薄帯6の板面内で交叉させることによ
って、冷却ドラム1a,1bが回転するとき、その周面に板
幅方向の速度成分が生じる。この板幅方向の速度成分に
伴って、湯溜り部3にある溶融金属4に水平方向の流れ
4aが発生する。この水平方向の流れ4aは、メニスカス近
傍における溶融金属4の流動状態を定常化し、安定した
条件下で凝固シェルを成長させる。その結果、ドラムギ
ャップ5で凝固シェルに作用する圧下力が均一なものと
なり、疵,割れ,皺等のない優れた表面性状をもつ金属
薄帯6が得られる。
属薄帯6の性質改善を説明するための図である。冷却ド
ラム1a,1bを金属薄帯6の板面内で交叉させることによ
って、冷却ドラム1a,1bが回転するとき、その周面に板
幅方向の速度成分が生じる。この板幅方向の速度成分に
伴って、湯溜り部3にある溶融金属4に水平方向の流れ
4aが発生する。この水平方向の流れ4aは、メニスカス近
傍における溶融金属4の流動状態を定常化し、安定した
条件下で凝固シェルを成長させる。その結果、ドラムギ
ャップ5で凝固シェルに作用する圧下力が均一なものと
なり、疵,割れ,皺等のない優れた表面性状をもつ金属
薄帯6が得られる。
ドラムの径が中央部で1200mm,両端部1200.2mmであり、
ドラム軸方向長さ800mmの冷却ドラムを一対として、溶
融金属による加熱を受けない常温状態でドラムギャップ
の間隙が中央部で2.1mm,両端部で2.0mmとなるように、
交叉角2θ=2.2度で配置した。この冷却ドラムの間に
形成した湯溜り部にSUS 304のステンレス鋼組成をもち
温度1490℃の溶鋼を流量1100kg/分の割合で注入し、幅
方向中央部の肉厚が2.1mmで両端部の肉厚が2.0mmで板幅
800mmの金属薄帯を鋳造した。
ドラム軸方向長さ800mmの冷却ドラムを一対として、溶
融金属による加熱を受けない常温状態でドラムギャップ
の間隙が中央部で2.1mm,両端部で2.0mmとなるように、
交叉角2θ=2.2度で配置した。この冷却ドラムの間に
形成した湯溜り部にSUS 304のステンレス鋼組成をもち
温度1490℃の溶鋼を流量1100kg/分の割合で注入し、幅
方向中央部の肉厚が2.1mmで両端部の肉厚が2.0mmで板幅
800mmの金属薄帯を鋳造した。
鋳造開始後20秒経過したとき、金属薄帯の幅方向肉厚分
布が、中央部の肉厚が2.05mmで両端部の肉厚が2.05mmに
変化した。これは、溶鋼の保有熱によって冷却ドラムが
加熱され、サーヤルクラウンによる影響がドラムギャッ
プに現れたものと考えられる。そこで、交叉角2θを0
度に変更して鋳造を継続した。その結果、幅方向中央部
の肉厚が2.1mm,両端部の肉厚が2.0mmになり、目標とす
る凸クラウンに近い断面形状をもつ金属薄帯が得られ
た。
布が、中央部の肉厚が2.05mmで両端部の肉厚が2.05mmに
変化した。これは、溶鋼の保有熱によって冷却ドラムが
加熱され、サーヤルクラウンによる影響がドラムギャッ
プに現れたものと考えられる。そこで、交叉角2θを0
度に変更して鋳造を継続した。その結果、幅方向中央部
の肉厚が2.1mm,両端部の肉厚が2.0mmになり、目標とす
る凸クラウンに近い断面形状をもつ金属薄帯が得られ
た。
また、得られた金属薄帯は、割れ,疵,皺等の欠陥がな
い優れた表面性状をもつものであった。
い優れた表面性状をもつものであった。
以上に説明したように、本発明においては、冷却ドラム
を互いに交叉させることによって、その間に形成される
ドラムギャップのドラム軸方向に関する間隙を調整して
いる。そして、冷却ドラムの交叉角を変えることによっ
て、間隙ドラム軸方向に関する変動をオンラインで制御
することができる。そのため、冷却ドラムの間から送り
出される金属薄体の幅方向肉厚分布を測定しながら、所
定の断面形状をもつ金属薄帯を製造することが可能とな
る。
を互いに交叉させることによって、その間に形成される
ドラムギャップのドラム軸方向に関する間隙を調整して
いる。そして、冷却ドラムの交叉角を変えることによっ
て、間隙ドラム軸方向に関する変動をオンラインで制御
することができる。そのため、冷却ドラムの間から送り
出される金属薄体の幅方向肉厚分布を測定しながら、所
定の断面形状をもつ金属薄帯を製造することが可能とな
る。
第1図は本発明の連続鋳造装置の概略を示す図であり、
第2図は第1図のI−I線にそった断面図、第3図は冷
却ドラムの傾斜状態を示し、第4図は冷却ドラムの傾斜
により湯溜り部に生じる水平方向の流れを説明するため
の図である。他方、第5図は、従来のツインドラム方式
の連続鋳造機を示す。
第2図は第1図のI−I線にそった断面図、第3図は冷
却ドラムの傾斜状態を示し、第4図は冷却ドラムの傾斜
により湯溜り部に生じる水平方向の流れを説明するため
の図である。他方、第5図は、従来のツインドラム方式
の連続鋳造機を示す。
フロントページの続き (72)発明者 佐々木 邦政 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内 (72)発明者 平田 勝美 広島県広島市西区観音新町4丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島製作所内
Claims (1)
- 【請求項1】一対の冷却ドラムの間に形成された湯溜り
部に注入された溶融金属を急冷・凝固して金属薄帯を製
造する連続鋳造装置において、前記冷却ドラムの回転軸
を前記金属薄帯の板面内で互いに交叉させ、且つその交
叉角を調節可能にする傾動機構を備えていることを特徴
とするツインドラム方式の連続鋳造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045511A JPH06102255B2 (ja) | 1988-02-27 | 1988-02-27 | ツインドラム方式の連続鋳造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63045511A JPH06102255B2 (ja) | 1988-02-27 | 1988-02-27 | ツインドラム方式の連続鋳造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01218745A JPH01218745A (ja) | 1989-08-31 |
JPH06102255B2 true JPH06102255B2 (ja) | 1994-12-14 |
Family
ID=12721437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63045511A Expired - Lifetime JPH06102255B2 (ja) | 1988-02-27 | 1988-02-27 | ツインドラム方式の連続鋳造装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102255B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB9017042D0 (en) * | 1990-08-03 | 1990-09-19 | Davy Mckee Poole | Twin roll casting |
KR100650563B1 (ko) * | 2005-12-27 | 2006-11-30 | 주식회사 포스코 | 쌍롤식 연속박판 주조공정의 주조롤 무빙장치 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6024250A (ja) * | 1983-07-21 | 1985-02-06 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 双ロ−ル式連続鋳造方法及びその装置 |
-
1988
- 1988-02-27 JP JP63045511A patent/JPH06102255B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6024250A (ja) * | 1983-07-21 | 1985-02-06 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 双ロ−ル式連続鋳造方法及びその装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01218745A (ja) | 1989-08-31 |
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