JPH06102229A - 半透性膜およびその製造方法 - Google Patents
半透性膜およびその製造方法Info
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- JPH06102229A JPH06102229A JP4275453A JP27545392A JPH06102229A JP H06102229 A JPH06102229 A JP H06102229A JP 4275453 A JP4275453 A JP 4275453A JP 27545392 A JP27545392 A JP 27545392A JP H06102229 A JPH06102229 A JP H06102229A
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- membrane
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 強アルカリ処理を必要とせず所望の強度、所
望の半透性を有する半透性膜を得る。 【構成】 キトサン溶液に水溶性架橋剤としてのエチレ
ンポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加
して加熱し、静置、泡抜きした後、キャスティング処
理、乾燥処理を行なって半透性を有するキトサン膜を得
る。
望の半透性を有する半透性膜を得る。 【構成】 キトサン溶液に水溶性架橋剤としてのエチレ
ンポリエチレングリコールジグリシジルエーテルを添加
して加熱し、静置、泡抜きした後、キャスティング処
理、乾燥処理を行なって半透性を有するキトサン膜を得
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半透性膜およびその製
造方法に関し、さらに詳細にいえば、対象物質の拡散透
過を制限する拡散制限膜、酵素固定化膜等に好適な半透
性膜およびその製造方法に関する。
造方法に関し、さらに詳細にいえば、対象物質の拡散透
過を制限する拡散制限膜、酵素固定化膜等に好適な半透
性膜およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来からキトサンを用いて膜を製造する
方法として、キトサンを酢酸水溶液に溶解し、この溶液
を多量の4%水酸化ナトリウム水溶液中に注いで紐状の
キトサンを得、さらに脱アセチル化処理を施してキトサ
ンを得、得られたキトサンを蒸留水に浸漬し、氷酢酸お
よび製膜用添加剤としてのポリエチレングリコールを加
えた状態で撹拌することにより溶解させ、溶解液をガラ
ス板上に流延し、乾燥させてキトサン膜を得る方法が知
られている(高分子論文集,Vol.39,No.10
(1982),「限外濾過用キトサン膜の製法」,美矢
勝・岩本令吉・吉川暹・美馬精一参照)。
方法として、キトサンを酢酸水溶液に溶解し、この溶液
を多量の4%水酸化ナトリウム水溶液中に注いで紐状の
キトサンを得、さらに脱アセチル化処理を施してキトサ
ンを得、得られたキトサンを蒸留水に浸漬し、氷酢酸お
よび製膜用添加剤としてのポリエチレングリコールを加
えた状態で撹拌することにより溶解させ、溶解液をガラ
ス板上に流延し、乾燥させてキトサン膜を得る方法が知
られている(高分子論文集,Vol.39,No.10
(1982),「限外濾過用キトサン膜の製法」,美矢
勝・岩本令吉・吉川暹・美馬精一参照)。
【0003】また、得られたキトサン膜に架橋処理を施
すことも知られている(特公昭53−40188号公報
参照)。
すことも知られている(特公昭53−40188号公報
参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記キトサン膜の製造
方法においては、4%水酸化ナトリウム溶液等の強アル
カリ処理が必須であり、危険性が高くなるという不都合
がある。また、強アルカリ処理が介在する関係上、酵素
固定化膜を製膜するに当って、強アルカリ雰囲気中でも
失活しない酵素を選択しなければならない等の制約があ
り、任意の酵素を用いる酵素固定化膜の製膜には適用で
きないという不都合がある。
方法においては、4%水酸化ナトリウム溶液等の強アル
カリ処理が必須であり、危険性が高くなるという不都合
がある。また、強アルカリ処理が介在する関係上、酵素
固定化膜を製膜するに当って、強アルカリ雰囲気中でも
失活しない酵素を選択しなければならない等の制約があ
り、任意の酵素を用いる酵素固定化膜の製膜には適用で
きないという不都合がある。
【0005】さらに、半透性膜自体の強度を所望の値に
設定することが殆ど不可能であるとともに、半透性膜に
多数形成される孔径を所望の値に設定することも殆ど不
可能であり、用途に合せた最適の半透性膜を得ることが
殆ど不可能であるという不都合もある。特に、孔が全く
存在しないにも拘らず物質を透過させることができる無
孔性膜を得ることは不可能であった。
設定することが殆ど不可能であるとともに、半透性膜に
多数形成される孔径を所望の値に設定することも殆ど不
可能であり、用途に合せた最適の半透性膜を得ることが
殆ど不可能であるという不都合もある。特に、孔が全く
存在しないにも拘らず物質を透過させることができる無
孔性膜を得ることは不可能であった。
【0006】
【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、所望の強度、孔の有無、孔が在る場合に
おける所望の孔径を有する半透性膜を提供することを第
1の目的とし、強アルカリ処理を全く不要にでき、酵素
を固定化する場合の制約を排除でき、しかも所望の強
度、孔の有無、孔が在る場合における所望の孔径を有す
る半透性膜を簡単に製造できる半透性膜の製造方法を提
供することを第2の目的としている。
たものであり、所望の強度、孔の有無、孔が在る場合に
おける所望の孔径を有する半透性膜を提供することを第
1の目的とし、強アルカリ処理を全く不要にでき、酵素
を固定化する場合の制約を排除でき、しかも所望の強
度、孔の有無、孔が在る場合における所望の孔径を有す
る半透性膜を簡単に製造できる半透性膜の製造方法を提
供することを第2の目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るための、請求項1の半透性膜は、ポリビニルアルコー
ル、アルギン酸およびキトサンの何れか1つと、所望の
半透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジ
ルエーテル型の低分子およびプレポリマの一方からなる
水溶性架橋剤とを含み、ポリビニルアルコール、アルギ
ン酸およびキトサンの何れか1つ同士が水溶性架橋剤を
介して架橋結合されてなる。ここで、架橋剤としては、
端部にジグリシジル、エポキシ、イソシアネート等を有
するものであれば使用可能であり、ポリグリシジルエー
テル、トリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル
等が例示できる。
るための、請求項1の半透性膜は、ポリビニルアルコー
ル、アルギン酸およびキトサンの何れか1つと、所望の
半透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジ
ルエーテル型の低分子およびプレポリマの一方からなる
水溶性架橋剤とを含み、ポリビニルアルコール、アルギ
ン酸およびキトサンの何れか1つ同士が水溶性架橋剤を
介して架橋結合されてなる。ここで、架橋剤としては、
端部にジグリシジル、エポキシ、イソシアネート等を有
するものであれば使用可能であり、ポリグリシジルエー
テル、トリグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル
等が例示できる。
【0008】請求項2の半透性膜は、所望の半透性に基
づいて定まる種類、量の酵素が固定化されてなる。上記
第2の目的を達成するための、請求項3の半透性膜の製
造方法は、ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキ
トサンの何れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性
に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジルエー
テル型の低分子およびプレポリマの一方からなる水溶性
架橋剤を添加し、所定時間加熱した後に、所望の半透性
に基づいて定まる種類、量の酵素を含む溶液を添加して
撹拌し、所定の基準面上のキャストして乾燥させる方法
である。
づいて定まる種類、量の酵素が固定化されてなる。上記
第2の目的を達成するための、請求項3の半透性膜の製
造方法は、ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキ
トサンの何れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性
に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジルエー
テル型の低分子およびプレポリマの一方からなる水溶性
架橋剤を添加し、所定時間加熱した後に、所望の半透性
に基づいて定まる種類、量の酵素を含む溶液を添加して
撹拌し、所定の基準面上のキャストして乾燥させる方法
である。
【0009】請求項4の半透性膜の製造方法は、ポリビ
ニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何れか1
つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて定まる
量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低分子お
よびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添加し、
所定時間加熱した後に、所定の基準面上にキャストして
乾燥させて半透性膜を得、得られた半透性膜を所望の酵
素を含む溶液中に浸漬する方法である。
ニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何れか1
つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて定まる
量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低分子お
よびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添加し、
所定時間加熱した後に、所定の基準面上にキャストして
乾燥させて半透性膜を得、得られた半透性膜を所望の酵
素を含む溶液中に浸漬する方法である。
【0010】
【作用】請求項1の半透性膜であれば、ポリビニルアル
コール、アルギン酸およびキトサンの何れか1つと、所
望の半透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリ
シジルエーテル型の低分子およびプレポリマの一方から
なる水溶性架橋剤とを含み、ポリビニルアルコール、ア
ルギン酸およびキトサンの何れか1つ同士が水溶性架橋
剤を介して架橋結合されてなるのであるから、水溶性架
橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有する半透性膜を得ることがで
きる。また、所望の半透性を持たせた膜として多孔性、
無孔性の何れにも設定できる。
コール、アルギン酸およびキトサンの何れか1つと、所
望の半透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリ
シジルエーテル型の低分子およびプレポリマの一方から
なる水溶性架橋剤とを含み、ポリビニルアルコール、ア
ルギン酸およびキトサンの何れか1つ同士が水溶性架橋
剤を介して架橋結合されてなるのであるから、水溶性架
橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有する半透性膜を得ることがで
きる。また、所望の半透性を持たせた膜として多孔性、
無孔性の何れにも設定できる。
【0011】請求項2の半透性膜であれば、所望の半透
性に基づいて定まる種類、量の酵素が固定化されてなる
のであるから、水溶性架橋剤の種類、量を所望の半透性
に基づいて設定しておくのみならず、酵素の種類、量を
所望の半透性に基づいて設定しておくだけで、所望の半
透性を有し、かつ酵素が固定化された半透性膜を得るこ
とができる。また、所望の半透性を持たせた酵素固定化
膜として多孔性、無孔性の何れにも設定できる。
性に基づいて定まる種類、量の酵素が固定化されてなる
のであるから、水溶性架橋剤の種類、量を所望の半透性
に基づいて設定しておくのみならず、酵素の種類、量を
所望の半透性に基づいて設定しておくだけで、所望の半
透性を有し、かつ酵素が固定化された半透性膜を得るこ
とができる。また、所望の半透性を持たせた酵素固定化
膜として多孔性、無孔性の何れにも設定できる。
【0012】請求項3の半透性膜の製造方法であれば、
ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何
れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて
定まる量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低
分子およびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添
加し、所定時間加熱した後に、所望の半透性に基づいて
定まる種類、量の酵素を含む溶液を添加して撹拌し、所
定の基準面上にキャストして乾燥させるのであるから、
水溶性架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定
しておくのみならず、酵素の種類、量を所望の半透性に
基づいて設定しておくだけで、所望の半透性を有し、か
つ酵素が固定化された半透性膜を得ることができる。ま
た、所望の半透性を持たせた酵素固定化膜として多孔
性、無孔性の何れにも設定できる。さらに、強アルカリ
処理工程が全く不要であるから、安全性を著しく高める
ことができるとともに、酵素を固定化するに当っての制
約を大幅に解除できる。
ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何
れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて
定まる量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低
分子およびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添
加し、所定時間加熱した後に、所望の半透性に基づいて
定まる種類、量の酵素を含む溶液を添加して撹拌し、所
定の基準面上にキャストして乾燥させるのであるから、
水溶性架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定
しておくのみならず、酵素の種類、量を所望の半透性に
基づいて設定しておくだけで、所望の半透性を有し、か
つ酵素が固定化された半透性膜を得ることができる。ま
た、所望の半透性を持たせた酵素固定化膜として多孔
性、無孔性の何れにも設定できる。さらに、強アルカリ
処理工程が全く不要であるから、安全性を著しく高める
ことができるとともに、酵素を固定化するに当っての制
約を大幅に解除できる。
【0013】請求項4の半透性膜の製造方法であれば、
ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何
れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて
定まる量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低
分子およびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添
加し、所定時間加熱した後に、所定の基準面上にキャス
トして乾燥させて半透性膜を得、得られた半透性膜を所
望の酵素を含む溶液中に浸漬するのであるから、水溶性
架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定してお
くだけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化され
た半透性膜を得ることができる。また、所望の半透性を
持たせた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも
設定できる。さらに、強アルカリ処理工程が全く不要で
あるから、安全性を著しく高めることができるととも
に、製膜後に酵素の固定化を行なうことができる。
ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキトサンの何
れか1つを含む溶液に対して、所望の半透性に基づいて
定まる量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低
分子およびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤を添
加し、所定時間加熱した後に、所定の基準面上にキャス
トして乾燥させて半透性膜を得、得られた半透性膜を所
望の酵素を含む溶液中に浸漬するのであるから、水溶性
架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定してお
くだけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化され
た半透性膜を得ることができる。また、所望の半透性を
持たせた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも
設定できる。さらに、強アルカリ処理工程が全く不要で
あるから、安全性を著しく高めることができるととも
に、製膜後に酵素の固定化を行なうことができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例を示す添付図面によって詳細に
説明する。キトサン70mgを含むキトサン溶液5ml
に架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル20mgを添加し、20秒間煮沸し
(但し、ドライヤで加熱する程度で十分である)、12
時間静置し、泡抜きを行なった後、22cm2のガラス
板上にキャストし、25℃のクリーンベンチで36時間
乾燥させることによりキトサン膜を得た。
説明する。キトサン70mgを含むキトサン溶液5ml
に架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル20mgを添加し、20秒間煮沸し
(但し、ドライヤで加熱する程度で十分である)、12
時間静置し、泡抜きを行なった後、22cm2のガラス
板上にキャストし、25℃のクリーンベンチで36時間
乾燥させることによりキトサン膜を得た。
【0015】図1は以上のように製膜され、2カ月保存
されたキトサン膜のSEM写真であり、図1(A)が、
蒸着物質Pt−Pb、蒸着時間4分、電流15mAの条
件でガラス面に蒸着し、倍率5000倍(加速電圧2.
0kV)で空気側の面を撮影したものを示している。ま
た、図1(B)がガラス側の面を撮影したものを示して
いる。
されたキトサン膜のSEM写真であり、図1(A)が、
蒸着物質Pt−Pb、蒸着時間4分、電流15mAの条
件でガラス面に蒸着し、倍率5000倍(加速電圧2.
0kV)で空気側の面を撮影したものを示している。ま
た、図1(B)がガラス側の面を撮影したものを示して
いる。
【0016】両SEM写真から明らかなように、キトサ
ン膜には多数の孔が形成されている。孔の大きさについ
ては空気側の面の方が大きいが、空気面は水の蒸発速度
が大きく、分子の結晶化度が低いからであると思われ
る。また、キトサンに対する上記架橋剤の割合は30〜
60%であることが好ましく、強度が高いキトサン膜を
得ることができる。但し、エポキシ当量が280,全塩
素の重量%が7.3、nがほぼ9のエチレンポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量が3
82,全塩素の重量%が1.8、nがほぼ13のエチレ
ンポリエチレングリコールジグリシジルエーテルまたは
エポキシ当量が587,全塩素の重量%が1.3、nが
ほぼ22のエチレンポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルを架橋剤として用いる場合には、キトサンに
対する割合が100%であってもキトサン膜の製膜が可
能であった。
ン膜には多数の孔が形成されている。孔の大きさについ
ては空気側の面の方が大きいが、空気面は水の蒸発速度
が大きく、分子の結晶化度が低いからであると思われ
る。また、キトサンに対する上記架橋剤の割合は30〜
60%であることが好ましく、強度が高いキトサン膜を
得ることができる。但し、エポキシ当量が280,全塩
素の重量%が7.3、nがほぼ9のエチレンポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、エポキシ当量が3
82,全塩素の重量%が1.8、nがほぼ13のエチレ
ンポリエチレングリコールジグリシジルエーテルまたは
エポキシ当量が587,全塩素の重量%が1.3、nが
ほぼ22のエチレンポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルを架橋剤として用いる場合には、キトサンに
対する割合が100%であってもキトサン膜の製膜が可
能であった。
【0017】
【実施例2】キトサン70mgを含むキトサン溶液5m
lに架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(エポキシ当量が280,全塩素の
重量%が7.3、nがほぼ9)20mgを添加し、20
秒間煮沸し、12時間静置し、泡抜きを行なう。他方、
酵素としてのウリカーゼ39mgにホウ酸緩衝液(pH
8.5)5mlを加えたものを準備しておき、上記のよ
うに静置し、泡抜きを行なった溶液に、それぞれウリカ
ーゼ量(溶液量)が0.78mg(0.1ml)、3.
9mg(0.5ml)、7.8mg(1.0ml)、1
5.6mg(2.0ml)となるように練り込み(また
は滴下)し、泡立てないようにガラス棒を用いて混ぜ
る。その後、ウリカーゼを混入した溶液を22cm2の
ガラス板上にキャストし、25℃のクリーンベンチで約
48時間乾燥させることによりウリカーゼ固定化キトサ
ン膜を得た。得られたウリカーゼ固定化キトサン膜をホ
ウ酸緩衝液(pH8.5;5℃)に浸漬した状態で保存
した。
lに架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコールジ
グリシジルエーテル(エポキシ当量が280,全塩素の
重量%が7.3、nがほぼ9)20mgを添加し、20
秒間煮沸し、12時間静置し、泡抜きを行なう。他方、
酵素としてのウリカーゼ39mgにホウ酸緩衝液(pH
8.5)5mlを加えたものを準備しておき、上記のよ
うに静置し、泡抜きを行なった溶液に、それぞれウリカ
ーゼ量(溶液量)が0.78mg(0.1ml)、3.
9mg(0.5ml)、7.8mg(1.0ml)、1
5.6mg(2.0ml)となるように練り込み(また
は滴下)し、泡立てないようにガラス棒を用いて混ぜ
る。その後、ウリカーゼを混入した溶液を22cm2の
ガラス板上にキャストし、25℃のクリーンベンチで約
48時間乾燥させることによりウリカーゼ固定化キトサ
ン膜を得た。得られたウリカーゼ固定化キトサン膜をホ
ウ酸緩衝液(pH8.5;5℃)に浸漬した状態で保存
した。
【0018】図2から図5は以上のように製膜され、2
カ月保存されたキトサン膜のSEM写真であり、図2
(A)から図5(A)が、蒸着物質Pt−Pb、蒸着時
間4分、電流15mAの条件でガラス面に蒸着し、倍率
5000倍(加速電圧2.0kV)で空気側の面を撮影
したものを示している。また、図2(B)から図5
(B)がガラス側の面を撮影したものを示している。
カ月保存されたキトサン膜のSEM写真であり、図2
(A)から図5(A)が、蒸着物質Pt−Pb、蒸着時
間4分、電流15mAの条件でガラス面に蒸着し、倍率
5000倍(加速電圧2.0kV)で空気側の面を撮影
したものを示している。また、図2(B)から図5
(B)がガラス側の面を撮影したものを示している。
【0019】これらSEM写真から明らかなように、ウ
リカーゼ量が7.8mgのものを除いて多孔性膜であ
り、ウリカーゼ量が7.8mgの場合にはゲル質膜(孔
が全くないにも拘らず物質を透過させる能力がある膜)
であり、エチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルの量およびウリカーゼの量により多孔性膜、ゲ
ル質膜の何れをも製膜できることが分る。また、多孔性
膜は、空気面側の孔径が大きく、ガラス面側の孔径が小
さくなっているので、例えば、被験液中の尿酸の濃度を
検出する用途に使用する場合には、ガラス面側から被検
液を点着することが好ましく、高い濃度検出信号を得る
ことができると思われる。
リカーゼ量が7.8mgのものを除いて多孔性膜であ
り、ウリカーゼ量が7.8mgの場合にはゲル質膜(孔
が全くないにも拘らず物質を透過させる能力がある膜)
であり、エチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルの量およびウリカーゼの量により多孔性膜、ゲ
ル質膜の何れをも製膜できることが分る。また、多孔性
膜は、空気面側の孔径が大きく、ガラス面側の孔径が小
さくなっているので、例えば、被験液中の尿酸の濃度を
検出する用途に使用する場合には、ガラス面側から被検
液を点着することが好ましく、高い濃度検出信号を得る
ことができると思われる。
【0020】図6は過酸化水素電極の表面に過酸化水素
選択透過膜を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜
の表面に、図1から図5に示すキトサン膜を装着した状
態で尿酸10mg/dlを点着した場合における過酸化
水素電極からの出力電流の経時変化を示す図である。
尚、図6中Aがウリカーゼを含まないキトサン膜、Bが
ウリカーゼ量0.78mgのキトサン膜、Cがウリカー
ゼ3.9mgのキトサン膜、Dがウリカーゼ量7.8m
gのキトサン膜、Eがウリカーゼ量15.6mgのキト
サン膜をそれぞれ示している。
選択透過膜を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜
の表面に、図1から図5に示すキトサン膜を装着した状
態で尿酸10mg/dlを点着した場合における過酸化
水素電極からの出力電流の経時変化を示す図である。
尚、図6中Aがウリカーゼを含まないキトサン膜、Bが
ウリカーゼ量0.78mgのキトサン膜、Cがウリカー
ゼ3.9mgのキトサン膜、Dがウリカーゼ量7.8m
gのキトサン膜、Eがウリカーゼ量15.6mgのキト
サン膜をそれぞれ示している。
【0021】図6から明らかなように、ウリカーゼ3.
9mgのキトサン膜はウリカーゼ量7.8mgのキトサ
ン膜とほぼ同じ出力能を発揮するが、前者は連続的に測
定を行なうと出力が低下する。これに対して後者は3回
連続して測定を行なっても出力が低下しなかった。ま
た、ウリカーゼ量15.6mgのキトサン膜は上記何れ
のキトサン膜よりも低い出力しか得られなかった。した
がって、ウリカーゼ固定化キトサン膜を製膜する場合
に、キトサン70mgに対してウリカーゼを8mg程度
に設定することが最も好ましい。
9mgのキトサン膜はウリカーゼ量7.8mgのキトサ
ン膜とほぼ同じ出力能を発揮するが、前者は連続的に測
定を行なうと出力が低下する。これに対して後者は3回
連続して測定を行なっても出力が低下しなかった。ま
た、ウリカーゼ量15.6mgのキトサン膜は上記何れ
のキトサン膜よりも低い出力しか得られなかった。した
がって、ウリカーゼ固定化キトサン膜を製膜する場合
に、キトサン70mgに対してウリカーゼを8mg程度
に設定することが最も好ましい。
【0022】
【実施例3】キトサン140mgを含むキトサン溶液1
0mlに架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル60mgを添加し、20秒間煮
沸し、蓋をして12時間静置し、泡抜きを行なう。次い
で、泡抜きされた溶液を45cm2のガラス板上にキャ
ストし、25℃のクリーンベンチで約48時間乾燥させ
ることによりキトサン膜を得、2.5cm角の大きさに
する。その後、ウリカーゼ1.17mgをホウ酸緩衝液
(pH8.5)1.5mlに溶解させたウリカーゼ溶液
中に2.5cm角のキトサン膜を漬け込み、5℃のコー
ルドルームに21日間保持し、ホウ酸緩衝液(pH8.
5)を用いて2回洗浄し、得られたウリカーゼ固定化キ
トサン膜をホウ酸緩衝液(pH8.5;5℃)に浸漬し
た状態で保存した。
0mlに架橋剤としてのエチレンポリエチレングリコー
ルジグリシジルエーテル60mgを添加し、20秒間煮
沸し、蓋をして12時間静置し、泡抜きを行なう。次い
で、泡抜きされた溶液を45cm2のガラス板上にキャ
ストし、25℃のクリーンベンチで約48時間乾燥させ
ることによりキトサン膜を得、2.5cm角の大きさに
する。その後、ウリカーゼ1.17mgをホウ酸緩衝液
(pH8.5)1.5mlに溶解させたウリカーゼ溶液
中に2.5cm角のキトサン膜を漬け込み、5℃のコー
ルドルームに21日間保持し、ホウ酸緩衝液(pH8.
5)を用いて2回洗浄し、得られたウリカーゼ固定化キ
トサン膜をホウ酸緩衝液(pH8.5;5℃)に浸漬し
た状態で保存した。
【0023】尚、上記エチレンポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテルとして、エポキシ当量が587,
全塩素の重量%が1.3、nがほぼ22のもの、エポキ
シ当量が280,全塩素の重量%が7.3、nがほぼ9
のもの、およびエポキシ当量が121,全塩素の重量%
が1.0、nが2のものを用いて3種類のウリカーゼ固
定化キトサン膜を製膜した。
ジグリシジルエーテルとして、エポキシ当量が587,
全塩素の重量%が1.3、nがほぼ22のもの、エポキ
シ当量が280,全塩素の重量%が7.3、nがほぼ9
のもの、およびエポキシ当量が121,全塩素の重量%
が1.0、nが2のものを用いて3種類のウリカーゼ固
定化キトサン膜を製膜した。
【0024】図7は以上のようにして製膜された3種類
のウリカーゼ固定化キトサン膜を用いて、図6の場合と
同様に尿酸を点着した場合における過酸化水素電極から
の出力電流の経時変化を示す図である。尚、図7中Aが
エポキシ当量が587,全塩素の重量%が1.3、nが
ほぼ22のエチレンポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜、Bが
エポキシ当量が280,全塩素の重量%が7.3、nが
ほぼ9のエチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜、および
Cがエポキシ当量が121,全塩素の重量%が1.0、
nが2のエチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜をそれぞ
れ示している。
のウリカーゼ固定化キトサン膜を用いて、図6の場合と
同様に尿酸を点着した場合における過酸化水素電極から
の出力電流の経時変化を示す図である。尚、図7中Aが
エポキシ当量が587,全塩素の重量%が1.3、nが
ほぼ22のエチレンポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜、Bが
エポキシ当量が280,全塩素の重量%が7.3、nが
ほぼ9のエチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜、および
Cがエポキシ当量が121,全塩素の重量%が1.0、
nが2のエチレンポリエチレングリコールジグリシジル
エーテルを用いたウリカーゼ固定化キトサン膜をそれぞ
れ示している。
【0025】図7から明らかなように、nの値、即ち、
ポリエチレングリコールの長さが長くなるほど過酸化水
素電極からの出力電流の値が大きくなっている。これ
は、ポリエチレングリコール鎖が長いほどウリカーゼが
固定化される孔が大きくなり、多くのウリカーゼが吸着
されるためであると考えられる。しかし、孔が大きすぎ
ると、ウリカーゼの離脱も大きくなるので、ウリカーゼ
固定化キトサン膜の寿命は余り長くないと予想される。
具体的には、nがほぼ22のウリカーゼ固定化キトサン
膜を用いて3回連続して尿酸の濃度測定を行なったとこ
ろ(2〜5分おきに連続3回測定を行なったところ)、
図8に示すように、測定回数を重ねる毎に出力電流が低
下し、3回目の測定では出力電流波形自体が乱れている
ことからも上記予想の妥当性が確認できる。また、n=
2のウリカーゼ固定化キトサン膜には、小さすぎる孔し
か形成されておらず、ウリカーゼは殆ど吸着されていな
いと思われる。したがって、上記3種のウリカーゼ固定
化キトサン膜の中では、nがほぼ9のウリカーゼ固定化
キトサン膜が出力電流の大きさおよび長寿命化を共に満
足できるので最も好ましい。この場合において、ウリカ
ーゼの量がウリカーゼ固定化キトサン膜の全重量の約1
0%に設定することが最も好ましい。
ポリエチレングリコールの長さが長くなるほど過酸化水
素電極からの出力電流の値が大きくなっている。これ
は、ポリエチレングリコール鎖が長いほどウリカーゼが
固定化される孔が大きくなり、多くのウリカーゼが吸着
されるためであると考えられる。しかし、孔が大きすぎ
ると、ウリカーゼの離脱も大きくなるので、ウリカーゼ
固定化キトサン膜の寿命は余り長くないと予想される。
具体的には、nがほぼ22のウリカーゼ固定化キトサン
膜を用いて3回連続して尿酸の濃度測定を行なったとこ
ろ(2〜5分おきに連続3回測定を行なったところ)、
図8に示すように、測定回数を重ねる毎に出力電流が低
下し、3回目の測定では出力電流波形自体が乱れている
ことからも上記予想の妥当性が確認できる。また、n=
2のウリカーゼ固定化キトサン膜には、小さすぎる孔し
か形成されておらず、ウリカーゼは殆ど吸着されていな
いと思われる。したがって、上記3種のウリカーゼ固定
化キトサン膜の中では、nがほぼ9のウリカーゼ固定化
キトサン膜が出力電流の大きさおよび長寿命化を共に満
足できるので最も好ましい。この場合において、ウリカ
ーゼの量がウリカーゼ固定化キトサン膜の全重量の約1
0%に設定することが最も好ましい。
【0026】また、実施例2の方法により製膜したウリ
カーゼ固定化キトサン膜と実施例3の方法により製膜し
たウリカーゼ固定化キトサン膜とを得(但し、実施例3
のウリカーゼ溶液密度を実施例2のウリカーゼ密度の1
0倍以上に設定した)、両ウリカーゼ固定化キトサン膜
を用いて、図6の場合と同様に尿酸を点着した場合にお
ける過酸化水素電極からの出力電流の経時変化を測定し
たところ、実施例2の方法により製膜したウリカーゼ固
定化キトサン膜の方が大きい出力電流が得られた。した
がって、実施例2の方法によりウリカーゼ固定化キトサ
ン膜を製膜することが好ましいが、実施例3の方法によ
ってもウリカーゼ固定化キトサン膜を得ることができる
ので、ウリカーゼを固定化する場合の自由度が増加する
ことになる。
カーゼ固定化キトサン膜と実施例3の方法により製膜し
たウリカーゼ固定化キトサン膜とを得(但し、実施例3
のウリカーゼ溶液密度を実施例2のウリカーゼ密度の1
0倍以上に設定した)、両ウリカーゼ固定化キトサン膜
を用いて、図6の場合と同様に尿酸を点着した場合にお
ける過酸化水素電極からの出力電流の経時変化を測定し
たところ、実施例2の方法により製膜したウリカーゼ固
定化キトサン膜の方が大きい出力電流が得られた。した
がって、実施例2の方法によりウリカーゼ固定化キトサ
ン膜を製膜することが好ましいが、実施例3の方法によ
ってもウリカーゼ固定化キトサン膜を得ることができる
ので、ウリカーゼを固定化する場合の自由度が増加する
ことになる。
【0027】尚、この発明は上記の実施例に限定される
ものではなく、例えば、キトサンに代えてアルギン酸ま
たはポリビニルアルコールを用いることが可能であるほ
か、端部にエポキシ、イソシアネート等を有する架橋剤
を用いることが可能であり、その他、この発明の要旨を
変更しない範囲内において種々の設計変更を施すことが
可能である。
ものではなく、例えば、キトサンに代えてアルギン酸ま
たはポリビニルアルコールを用いることが可能であるほ
か、端部にエポキシ、イソシアネート等を有する架橋剤
を用いることが可能であり、その他、この発明の要旨を
変更しない範囲内において種々の設計変更を施すことが
可能である。
【0028】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明は、水溶性
架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定してお
くだけで、所望の半透性を有する半透性膜を得ることが
でき、また、所望の半透性を持たせた膜として多孔性、
無孔性の何れにも設定できるという特有の効果を奏す
る。
架橋剤の種類、量を所望の半透性に基づいて設定してお
くだけで、所望の半透性を有する半透性膜を得ることが
でき、また、所望の半透性を持たせた膜として多孔性、
無孔性の何れにも設定できるという特有の効果を奏す
る。
【0029】請求項2の発明は、水溶性架橋剤の種類、
量を所望の半透性に基づいて設定しておくのみならず、
酵素の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化された
半透性膜を得ることができ、また、所望の半透性を持た
せた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定
できるという特有の効果を奏する。
量を所望の半透性に基づいて設定しておくのみならず、
酵素の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化された
半透性膜を得ることができ、また、所望の半透性を持た
せた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定
できるという特有の効果を奏する。
【0030】請求項3の発明は、水溶性架橋剤の種類、
量を所望の半透性に基づいて設定しておくのみならず、
酵素の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化された
半透性膜を得ることができ、また、所望の半透性を持た
せた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定
でき、さらに、強アルカリ処理工程が全く不要であるか
ら、安全性を著しく高めることができるとともに、酵素
を固定化するに当っての制約を大幅に解除できるという
特有の効果を奏する。
量を所望の半透性に基づいて設定しておくのみならず、
酵素の種類、量を所望の半透性に基づいて設定しておく
だけで、所望の半透性を有し、かつ酵素が固定化された
半透性膜を得ることができ、また、所望の半透性を持た
せた酵素固定化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定
でき、さらに、強アルカリ処理工程が全く不要であるか
ら、安全性を著しく高めることができるとともに、酵素
を固定化するに当っての制約を大幅に解除できるという
特有の効果を奏する。
【0031】請求項4の発明は、水溶性架橋剤の種類、
量を所望の半透性に基づいて設定しておくだけで、所望
の半透性を有し、かつ酵素が固定化された半透性膜を得
ることができ、また、所望の半透性を持たせた酵素固定
化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定でき、さら
に、強アルカリ処理工程が全く不要であるから、安全性
を著しく高めることができるとともに、酵素を固定化す
るに当っての制約を大幅に解除できるという特有の効果
を奏する。
量を所望の半透性に基づいて設定しておくだけで、所望
の半透性を有し、かつ酵素が固定化された半透性膜を得
ることができ、また、所望の半透性を持たせた酵素固定
化膜として多孔性、無孔性の何れにも設定でき、さら
に、強アルカリ処理工程が全く不要であるから、安全性
を著しく高めることができるとともに、酵素を固定化す
るに当っての制約を大幅に解除できるという特有の効果
を奏する。
【図1】実施例1の方法により製膜され、2カ月保存さ
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図2】実施例2の方法により製膜され、2カ月保存さ
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図3】実施例2の方法により製膜され、2カ月保存さ
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図4】実施例2の方法により製膜され、2カ月保存さ
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図5】実施例2の方法により製膜され、2カ月保存さ
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
れたキトサン膜の表面形状を示す電子顕微鏡写真であ
る。
【図6】過酸化水素電極の表面に過酸化水素選択透過膜
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例1、実施例2により製膜されたキトサン膜を装着し
た状態で尿酸を点着した場合における過酸化水素電極か
らの出力電流の経時変化を示す図である。
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例1、実施例2により製膜されたキトサン膜を装着し
た状態で尿酸を点着した場合における過酸化水素電極か
らの出力電流の経時変化を示す図である。
【図7】過酸化水素電極の表面に過酸化水素選択透過膜
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例3により製膜されたキトサン膜を装着した状態で尿
酸を点着した場合における過酸化水素電極からの出力電
流の経時変化を示す図である。
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例3により製膜されたキトサン膜を装着した状態で尿
酸を点着した場合における過酸化水素電極からの出力電
流の経時変化を示す図である。
【図8】過酸化水素電極の表面に過酸化水素選択透過膜
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例3により製膜されたキトサン膜を装着した状態で尿
酸を点着して連続3回測定を行なった場合における過酸
化水素電極からの出力電流の経時変化を示す図である。
を装着するとともに、過酸化水素選択透過膜の表面に実
施例3により製膜されたキトサン膜を装着した状態で尿
酸を点着して連続3回測定を行なった場合における過酸
化水素電極からの出力電流の経時変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGP 6904−4J LGS 6904−4J C12Q 1/00 6807−4B G01N 27/327
Claims (4)
- 【請求項1】ポリビニルアルコール、アルギン酸および
キトサンの何れか1つと、所望の半透性に基づいて定ま
る量の、2価以上の多価グリシジルエーテル型の低分子
およびプレポリマの一方からなる水溶性架橋剤とを含
み、ポリビニルアルコール、アルギン酸およびキトサン
の何れか1つ同士が水溶性架橋剤を介して架橋結合され
てなることを特徴とする半透性膜。 - 【請求項2】 所望の半透性に基づいて定まる種類、量
の酵素が固定化されてなる請求項1に記載の半透性膜。 - 【請求項3】 ポリビニルアルコール、アルギン酸およ
びキトサンの何れか1つを含む溶液に対して、所望の半
透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジル
エーテル型の低分子およびプレポリマの一方からなる水
溶性架橋剤を添加し、所定時間加熱した後に、所望の半
透性に基づいて定まる種類、量の酵素を含む溶液を添加
して撹拌し、所定の基準面上にキャストして乾燥させる
ことを特徴とする半透性膜の製造方法。 - 【請求項4】 ポリビニルアルコール、アルギン酸およ
びキトサンの何れか1つを含む溶液に対して、所望の半
透性に基づいて定まる量の、2価以上の多価グリシジル
エーテル型の低分子およびプレポリマの一方からなる水
溶性架橋剤を添加し、所定時間加熱した後に、所定の基
準面上にキャストして乾燥させて半透性膜を得、得られ
た半透性膜を所望の酵素を含む溶液中に浸漬することを
特徴とする半透性膜の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4275453A JPH06102229A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 半透性膜およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4275453A JPH06102229A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 半透性膜およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06102229A true JPH06102229A (ja) | 1994-04-15 |
Family
ID=17555742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4275453A Pending JPH06102229A (ja) | 1992-09-18 | 1992-09-18 | 半透性膜およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06102229A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0656215A1 (en) * | 1993-11-03 | 1995-06-07 | Collagen Corporation | Glycosaminoglycan-synthetic polymer conjugates |
JP2008133474A (ja) * | 2003-04-17 | 2008-06-12 | Ultraceuticals R & D Pty Ltd | 架橋多糖類組成物 |
CN100413919C (zh) * | 2002-12-13 | 2008-08-27 | 上海爱普食品工业有限公司 | 复合型可食性壳聚糖膜的制备方法 |
CN115011586A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-09-06 | 江苏恰瑞生物科技有限公司 | 一种提高固定化尿酸酶酶活力的方法 |
-
1992
- 1992-09-18 JP JP4275453A patent/JPH06102229A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0656215A1 (en) * | 1993-11-03 | 1995-06-07 | Collagen Corporation | Glycosaminoglycan-synthetic polymer conjugates |
CN100413919C (zh) * | 2002-12-13 | 2008-08-27 | 上海爱普食品工业有限公司 | 复合型可食性壳聚糖膜的制备方法 |
JP2008133474A (ja) * | 2003-04-17 | 2008-06-12 | Ultraceuticals R & D Pty Ltd | 架橋多糖類組成物 |
CN115011586A (zh) * | 2022-07-22 | 2022-09-06 | 江苏恰瑞生物科技有限公司 | 一种提高固定化尿酸酶酶活力的方法 |
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