JPH06101936A - 冷房装置用蒸発器 - Google Patents

冷房装置用蒸発器

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JPH06101936A
JPH06101936A JP24806492A JP24806492A JPH06101936A JP H06101936 A JPH06101936 A JP H06101936A JP 24806492 A JP24806492 A JP 24806492A JP 24806492 A JP24806492 A JP 24806492A JP H06101936 A JPH06101936 A JP H06101936A
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JP
Japan
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refrigerant
evaporator
passage
flow path
throttle
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Application number
JP24806492A
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English (en)
Inventor
Masahiro Shitaya
昌宏 下谷
Shigeo Numazawa
成男 沼澤
Yoshiyuki Yamauchi
山内  芳幸
Etsuo Hasegawa
恵津夫 長谷川
Toshio Ohara
敏夫 大原
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】冷房性能の低下を招くことなく、各冷媒流路に
冷媒を均一に分配することができる冷房装置用蒸発器を
得る。 【構成】膨張弁6の下流に設けられる蒸発器16で、出
口側の冷媒温度及び冷媒圧力に応じて膨張弁6の開度を
調節し流入する冷媒量が調節される。蒸発器16は、膨
張弁6に接続される被冷却流路22を備え、被冷却流路
22の出口側に第1絞り24を配置する。そして、第1
絞り24よりも上流側で被冷却流路22から第2絞り2
6を介して分岐された冷却流路28を設け、両流路2
2,28間で熱交換可能にした熱交換部18を形成す
る。また、蒸発部20は、第1絞り24に接続される入
口流路30と出口流路32とを連通する冷媒流路34を
複数、並列に接続して形成し、液化された冷媒を各冷媒
流路34に均等に分配する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、冷凍サイクルに使用さ
れる冷房装置用蒸発器に関し、特に複数の冷媒流路を並
列に接続した冷房装置用蒸発器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、蒸発器として、2枚の平板状
のコアプレートを重ね合わせて冷媒が通る冷媒流路を形
成したコアと、フィンとを交互に複数段積層したものが
ある。このような蒸発器では、各冷媒流路への冷媒の分
配が不均一になることから、例えば、特公昭58−41
429号公報にあるものが知られている。この蒸発器
は、コアプレートに固定の絞りを構成する細長い微小流
路を形成したもので、凝縮器で凝縮液化された冷媒をそ
のまま蒸発器に送り、各コア毎の固定の絞りで各冷媒流
路への冷媒の量が均一になるように分配すると共に、減
圧させるようにしたものである。
【0003】一方、冷凍システムにおいて、性能向上を
図るために、レシーバ以降に発生する冷房に関与しない
ガス冷媒を極力少なくし、有効冷媒を増すために、レシ
ーバの出口の高温配管と、蒸発器と感温筒の間の低温配
管との間で熱交換させる熱交換手段を設け、いわゆるス
ーパクールを持たせたものが提案されている(1985
年3月15日発行の日本電装公開技報40−076)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうし
た従来の固定の絞りを設けた蒸発器では、気液二相の状
態の冷媒がこの固定の絞りに流入すると、冷媒の均一な
分配を達成できない。即ち、ガス状態の冷媒が多く通過
する固定の絞りと、液体状態の冷媒が多く通過する固定
の絞りとが生じてしまうという問題がある。
【0005】そこで、前記固定の絞りを設けた蒸発器を
前記冷凍サイクルに用いて、熱交換手段により、レシー
バ以後の冷媒を、蒸発器を通過した低温冷媒により冷却
して、スーパクールを持たせることにより、液体状態の
冷媒を増加させ、固定の絞りによる冷媒の分配がより均
一になるようにすることも考えられる。
【0006】しかし、冬期のように、凝縮器を冷却する
空気温度が0〜10度と低いときには、冷媒の液化が過
度に促進され、凝縮器内に冷媒が溜り、蒸発器に供給さ
れる冷媒量が不足する場合がある。また、過渡的運転状
態では、レシーバ内の液不足から、蒸発器に供給される
冷媒量が不足する場合がある。
【0007】そのような場合には、蒸発器の出口温度が
上昇し、熱交換手段によるレシーバを通過した冷媒の冷
却が十分にできない場合があった。あるいは、蒸発器の
出口温度がレシーバを通過した冷媒の温度よりも高くな
り、逆にレシーバを通過した冷媒を蒸発させてしまい、
蒸発器の性能を大幅に低下させてしまう場合があるとい
う問題があった。
【0008】また、前記蒸発器では、凹部を設けた2枚
の平板状のコアプレートに固定の絞りを形成している
が、分配を均一にするためには、この複数の固定絞りが
正確な同一の断面積に形成されないと、逆に不均一分配
の原因になってしまう。例えば、コアプレートは2枚が
ロー付により接合されるので、ロー材がこの固定の絞り
に流れ込んで、正確な断面積を有する同一の固定絞りの
形成が容易でないといった製造上の問題があった。
【0009】そこで本発明は上記の課題を解決すること
を目的とし、冷房性能の低下を招くことなく、各冷媒流
路に冷媒を均一に分配することができる冷房装置用蒸発
器を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成すべ
く、本発明は課題を解決するための手段として次の構成
を取った。即ち、冷媒を循環させる冷凍サイクルでの膨
張弁の下流に設けられ、出口側の冷媒温度及び冷媒圧力
に応じて前記膨張弁の開度を調節し流入する冷媒量が調
節される冷房装置用蒸発器において、前記膨張弁に接続
される被冷却流路を備え、該被冷却流路の出口側に第1
絞りを配置し、該第1絞りよりも上流側で前記被冷却流
路から第2絞りを介して分岐された冷却流路を設けると
共に、前記両流路間で熱交換可能にした熱交換部と、前
記第1絞りに接続される入口流路と出口流路とを連通す
る冷媒流路を有すると共に、複数の前記冷媒流路を並列
に接続した蒸発部と、を備えたことを特徴とする冷房装
置用蒸発器の構成がそれである。
【0011】
【作用】前記構成を有する冷房装置用蒸発器は、膨張弁
を通過した冷媒は、熱交換部の被冷却流路に流入し、そ
の冷媒の一部が第2絞りを介して熱交換部の冷却流路に
流入する。そのとき、冷媒は第2絞りを通過して減圧さ
れ、この冷媒が通過する冷却流路と、被冷却流路内の被
冷却冷媒との間で熱交換が行われて、被冷却流路内の冷
媒が冷却されて、液化が促進される。
【0012】そして、第1絞りを通過して減圧された冷
媒は、蒸発部の入口流路に流入して、各冷媒流路に分配
され、各冷媒流路を通過する際に熱交換が行われる。
【0013】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。図1は本発明の一実施例である蒸発器を適用
した冷凍サイクルの概略構成図である。1はコンプレッ
サで、車両用に適用された場合にはコンプレッサ1は図
示しない内燃機関で回転駆動され、コンプレッサ1はガ
ス状の冷媒を圧縮して凝縮器2に送り、凝縮器2はこの
冷媒を外部の空気により冷却して液状の冷媒としてレシ
ーバ4に送るように接続されている。
【0014】レシーバ4は冷媒を一時蓄えると共に、冷
媒中の塵や水分を取り除くものである。そして、レシー
バ4を出た冷媒は、膨張弁6に送られ、膨張弁6は、送
られてきた冷媒を減圧させるものである。また、この膨
張弁6は、図2に示すように、ニードル弁7の移動によ
り、その開度を調節可能な構成のものである。
【0015】この膨張弁6は、ニードル弁7が、ばね1
0により閉弁方向に付勢力Ps により付勢されると共
に、ニードル弁7の一端がダイヤフラム12に係合され
ている。更に、後述する蒸発器16の下流側に設けられ
た感温筒8を備え、蒸発器16の下流側の冷媒温度が上
昇すると、感温筒8内の圧力Pf が上昇し、即ち冷房負
荷が増加すると、この圧力Pf がキャピラリーチューブ
14を介してダイヤフラム12の一側に作用して、ニー
ドル弁7を開弁方向に移動して、冷媒の量を大きくする
ように開度が調節されるよう構成されている。
【0016】また、膨張弁6には、蒸発器16の下流側
の冷媒圧力P0 をダイヤフラム12の他側に導入する外
均管17が設けられており、ニードル弁7による開度
は、前記ばね10の付勢力Ps と外均管17からの圧力
P0 及びキャピラリーチューブ14からの圧力Pf の釣
合(Pf =Ps +P0 )により、蒸発器16の下流側で
の冷媒圧力と冷媒温度を補償するように構成されてい
る。
【0017】前記膨張弁6から出た冷媒は、蒸発器16
に送られ、蒸発器16により空気から熱を奪って蒸発
し、ガス状の冷媒となってコンプレッサ1に吸い込まれ
るように接続されている。また、この空気は蒸発器16
を通って冷却されて車室内に供給される。
【0018】前記蒸発器16は、熱交換部18と蒸発部
20とを備えており、熱交換部18は膨張弁6に接続さ
れた被冷却流路22を備え、この被冷却流路22の出口
側には第1絞り24が設けられている。この第1絞り2
4よりも僅かに上流側で、被冷却流路22から第2絞り
26を介して冷却流路28が分岐されて設けられてい
る。
【0019】前記第1絞り24と、第2絞り26とは通
過する冷媒の圧力を減圧するように構成されると共に、
冷却流路28に流入する冷媒の量が約30〜40%とな
るように、その開度が設定されている。そして、被冷却
流路22と冷却流路28とは、その間で熱交換可能に配
置されている。
【0020】一方、前記蒸発部20には、図3に示すよ
うに、第1絞り24を介して被冷却流路22と接続され
た入口流路30が設けられており、第1絞り24により
減圧された冷媒G1 が供給されるように構成されてい
る。そして、この入口流路30と出口流路32とを連通
する複数の冷媒流路34が並列に接続形成されている。
【0021】また、冷却流路28を通過した冷媒G2
も、前記複数の各冷媒流路34に供給されるように接続
されている。この冷媒G1 ,G2 と蒸発部20の表面の
空気との間で熱交換を行い、空気から熱を奪って蒸発
し、更に加熱されて加熱蒸気となって、出口流路32か
ら前記コンプレッサ1に吸入されるように接続されてい
る。
【0022】次に、本実施例の蒸発器16の具体的な構
成について図4〜9によって説明する。熱交換部18
は、第1、第2の側板34,36の間に複数組の第1、
第2プレート38,40が積層されて構成されており、
1組の両プレート38,40は、対象の形状をしてい
る。
【0023】第1、第2プレート38,40には、波型
の凹凸が多数形成されており、積層することにより、図
7に示すように、第1プレート38の内側と第2プレー
ト40の内側との間に多数の第1流路42が形成され
る。また、同様に、第2プレート40の外側と第1プレ
ート38の外側との間にも多数の第2流路44が形成さ
れるように構成されている。
【0024】そして、図5,6に示すように、第1の側
板34及びこの第1の側板34に連なる一部の第1、第
2プレート38,40の下方の中央には、流入孔46が
形成されている。また、図6に示すように、第2の側板
36側にある一部の第1、第2プレート38a,40a
には流入孔46は形成されていない。
【0025】この流入孔46は、前記第1流路42の一
部と連通するように構成されており、第1流路42は、
第1、第2プレート38,40の上方の中央に形成され
た第1連通孔48に接続されている。この第1連通孔4
8は、第2の側板36側にある第1プレート38aと第
2プレート40bとの間で第1流路42の一部と連通し
ている。
【0026】この第1流路42の一部は、第2プレート
40bの下方に形成された貫通孔43に連通しており、
貫通孔43は、第2の側板36に形成された第1絞り2
4に連通している。前記流入孔46、第1流路42、第
1連通孔48、第1流路42、貫通孔73、第1絞り2
4により、図3に示すような被冷却流路22を形成して
いる。
【0027】更に、第1連通孔48に連通して、第2の
側板36と接している第2プレート40bには、第2絞
り26が形成されており、第2絞り26を通過した冷媒
は、第2の側板36と第2プレート40との間に形成さ
れた第3流路50を通り、第1、第2プレート38,4
0に形成された第2連通孔52に流入するように形成さ
れている。
【0028】この第2連通孔52は、第2流路44に連
通されており、第2流路44はまた、第1、第2プレー
ト38,40及び第2の側板36の下方に形成された第
3連通孔54に連通されている。前記第2絞り26、第
3流路50、第2流路44、第2連通孔52、第3連通
孔54により、図3に示すような冷却流路28が形成さ
れている。
【0029】一方、蒸発部20は、図9に示すように、
1組のコアプレート56,58によりコア60が形成さ
れている。1組のコアプレート56,58は、対象の形
状で、その中央がくぼまされており、また、その下方に
は、出口孔62、入口孔64、流入孔66が並べて形成
されている。
【0030】そして、これらを仕切るように入口孔64
の両側にはそれぞれ仕切壁68が他端に向かってほぼ平
行に形成されており、その先端は、途中から合流して一
つの仕切壁68となって形成されている。これにより、
出口孔62と流入孔66とを連通する逆U字形の第1冷
媒流路70が形成されている。
【0031】また、仕切壁68に囲まれて、入口孔64
と連通した第2冷媒流路74が形成され、仕切壁68の
一部に切欠72が形成されて、第2冷媒流路74と第1
冷媒流路70とが連通されている。この第1冷媒流路7
0、切欠72、第2冷媒流路74により冷媒流路34が
形成されている。
【0032】尚、本実施例では、熱交換を促進するため
に、両コアプレート56,58に互いに方向が逆方向と
なるように小突起78が多数形成されている。このよう
に形成された複数のコア60が、図4に示すように、フ
ィン80を間に、ロー付けにより一体に接合されてい
る。これにより、複数の入口孔64が結合されて、入口
流路30が形成され、複数の出口孔62が結合されて出
口流路32が形成されている。また、同様に複数の流入
孔66が結合されて、流入流路82が形成されている。
【0033】更に、入口流路30は、熱交換部18の第
1絞り24に連通され、流入流路82は、熱交換部18
の第3連通孔54に連通されている。そして、出口流路
32は、熱交換部18に形成された流出孔84に連通さ
れている。この流出孔84から送り出される冷媒は、コ
ンプレッサ1に吸い込まれるように接続されている。
【0034】次に、前述した本実施例の蒸発器の作動に
ついて、冷凍サイクルの作動と共に説明する。まず、夏
期における冷房の冷凍サイクルを、図11に示すモリエ
ル線図と共に説明する。コンプレッサ1の駆動により、
ガス状の冷媒が吸入されて圧縮され(f点−g点間)、
凝縮器2に送られる。凝縮器2では、冷媒と空気との間
で熱交換を行い、高温の冷媒を空気により冷却して(g
点−a点間)、液状の冷媒としてレシーバ4に送る。
【0035】レシーバ4に送られた冷媒は、一時蓄えら
れて、膨張弁6に送られる。膨張弁6は、蒸発器16の
下流側のキャピラリーチューブ14を介して検出される
感温筒8の圧力Pf と、ばね10の付勢力Ps 及び外均
管17を介して検出される蒸発器16の下流の冷媒圧力
P0 との釣合により、その開度が調節される。
【0036】膨張弁6を通過した冷媒は、その開度に応
じて流量が調節されると共に減圧されて(a点−b点
間)、蒸発器16の流入孔46に送られる。流入孔46
に流入した冷媒は、第1流路42に沿って上昇し、第1
連通孔48に達する。その後、再び第1流路42に沿っ
て下降し、貫通孔73、第1絞り24を介して、熱交換
部18から蒸発部20の入口流路30に送られる(b点
−c点−d1 点間)。
【0037】一方、第1連通孔48に達した冷媒の一部
G2 (本実施例では、冷媒の約30〜40%)は、第2
絞り26を通過して(c点−d2 点間)、第3流路50
を通り、第2連通孔52に流入する。そして、第2流路
44に流入し、第2流路44に沿って下降し、その後、
第3連通孔54を通って、蒸発部20の流入流路82に
送られる。
【0038】この冷媒の一部G2 は、第2絞り26の通
過により減圧(c点−d2 点間)されるので、この冷媒
の一部G2 は低温となり、第2流路44を通過する際
に、第1流路42を通過する冷媒(G1 +G2 )との間
で、熱交換を行う。これにより、第2流路44を通過す
る際に冷媒の一部G2 は加熱されて(d2 点−e点
間)、蒸発して加熱蒸気となり、また、第1流路42の
冷媒(G1 +G2 )から熱を奪い、第1流路42の冷媒
(G1 +G2 )は冷却されて(b点−c点間)、膨張弁
6の通過により気液二相状態となっている冷媒が、液状
の冷媒にされる。
【0039】こうして、被冷却流路22を通過して液状
の単相とされた冷媒は、その一部G1 が第1絞り24を
通って減圧(c点−d1 点間)されながら蒸発部20の
入口流路30に送られる。また、冷却流路28を通った
冷媒の一部G2 は、熱交換を行い、蒸発部20の流入流
路82に送られる。
【0040】まず、蒸発部20の入口孔64に送られた
冷媒の一部G1 は、入口流路30を通って、各第2冷媒
流路74に分岐される。その際、冷媒は液状の単相状態
であるので、分配のための絞り等を設けていなくても、
各第2冷媒流路74にほぼ均等に分配される。そして、
この冷媒は、第2冷媒流路74を通って、切欠72から
第1冷媒流路70に流入し、その後、出口流路32に送
られる。
【0041】また、蒸発部20の流入孔66に送られた
冷媒の一部G2 は、流入流路82を通り、各第1冷媒流
路70に分岐される。この冷媒は、熱交換により乾き度
が大きく、ほぼガス状の冷媒が、ほぼ均等に各第1冷媒
流路70に分配される。そして、第1冷媒流路70内
で、切欠72を通った液状の冷媒の一部G1 と合流し、
出口流路32に送られる。
【0042】冷媒が冷媒流路34内にあるときには、冷
媒(G1 +G2 )と空気との間で各コア60を介して熱
交換が行われて、車室内へ供給される空気が冷却される
(一方の冷媒G1 はd1 点−f点間、他方の冷媒G2 は
e点−f点間)。その際、各冷媒流路34には、冷媒
(G1 +G2 )が均等に分配され、特に冷房に大きく貢
献する液状の冷媒の一部G1 が均等に分配されるので、
各コア60の間を通る空気に冷却むらが生じるのを防止
できる。
【0043】尚、膨張弁6は、外均管17を介して、蒸
発器16の下流の冷媒圧力P0 を検出し、蒸発器16の
下流側のf点での冷媒圧力と冷媒温度を補償するように
その開度が調節される。よって、蒸発器16内に、第1
絞り24及び第2絞り26を設けても、膨張弁6の開度
が調節されるので、膨張弁6ではa点−b点間の減圧が
行われ、第1絞り24ではc点−d1 点間の減圧が行わ
れ、そして、第2絞り26ではc点−d2 点間の減圧が
行われる。
【0044】このような、蒸発器16の下流の冷媒圧力
を検出してその開度が調節される膨張弁6が用いられて
いる冷凍サイクルであれば、その既設の蒸発器を前述し
た本実施例の蒸発器16に交換することができ、交換後
には前述した冷凍サイクルが実行される。
【0045】一方、近年の車両の空調にあっては、冬期
であっても、冷凍サイクルを実行し、除湿した後、図示
しないヒータにより加熱する。冬期の場合のように、凝
縮器2を通過する空気温度が0〜10度と低い場合に
は、凝縮器2での冷媒の液化が過度に促進され、凝縮器
2内に冷媒が溜り、蒸発器16に供給される冷媒の量が
減少する。また、運転開始時のような、過渡的運転状態
においては、レシーバ4内の冷媒量が不足し、蒸発器1
6に供給される冷媒量が少なくなる。
【0046】このような場合には、本実施例では、図1
2に示すモリエル線図のように、コンプレッサ1で圧縮
(f点−g点間)された冷媒は、凝縮器2に送られ、熱
交換されて、冷媒が冷却されて液状の冷媒とされる(g
点−a点間)。しかし、凝縮器2では外気温度が低いた
めに、液化が促進され、冷媒が溜る傾向になり、また、
凝縮器2の出口の圧力が低くなってしまう。
【0047】液化された冷媒は、レシーバ4を通り、膨
張弁6により減圧され(a点−b点間)、被冷却流路2
2に送られる。その後、第2絞り26を介して冷却流路
28に冷媒の一部G2 が送られ、その冷媒は、冷却流路
28を通って、蒸発部20の流入流路82に送られる。
【0048】この際、供給される冷媒の圧力が低く、第
2絞り26での減圧が十分に行われないので(c点−d
2 点間)、冷媒は十分な低温にならず、被冷却流路22
と冷却流路28との間で熱交換を行なうのに十分な温度
差が得られない。この冷媒の一部G2 は、熱交換にほと
んど関与することなく(d2 点−e点間)、蒸発部20
の流入流路82に送られる。
【0049】また、被冷却流路22の一部の冷媒G1
は、第1絞り24により減圧されて(b点−d1 点
間)、蒸発部20の入口流路30に送られる。そして、
入口流路30及び流入流路82に流入した冷媒は、蒸発
部20の冷媒流路34に送られ、空気と熱交換を行った
後、出口流路32を通ってコンプレッサ1に送られる。
【0050】このように、蒸発器16に供給される冷媒
の量が少ない場合、被冷却流路22と冷却流路28との
間で熱交換はほとんど行われない。しかし、蒸発部20
に送られた気液二相状態の冷媒(G1 +G2 )により、
空気が冷却され、冷房は行われるので、蒸発器16の性
能の低下を招くことがない。
【0051】尚、前述したコア60の入口孔64と流入
孔66とを仕切る仕切壁68と切欠72は、図10に示
すように、設けなくても実施可能である。但し、この場
合でも、蒸発部20に冷媒が流入する入口孔64と流入
孔66とは別個に設ける必要がある。入口孔64と流入
孔66とを別個に設けることにより、第1絞り24を通
過した液状の冷媒G1 が、各冷媒流路34に均等に分配
されるのであり、冷却流路28を通ったガス状の冷媒G
2 が、入口孔64の段階で混じってしまうと、各冷媒流
路34に均等に分配されなくなってしまう。
【0052】次に、前述した実施例とは異なる第2実施
例について図13,14によって説明する。尚、前述し
た実施例と同じ部材については、同一番号を付して詳細
な説明を省略する。また、以下の他の実施例でも同様で
ある。この第2実施例では、蒸発部20のコア100の
構成が異なり、1組のコアプレート102,104の下
方に入口孔64と流出孔105とが形成されている。そ
して、上方には、出口孔62と流入孔106とが形成さ
れており、コアプレート102,104の中央が窪まさ
れると共に、仕切壁108により、完全に仕切られ、そ
れぞれ液状冷媒流路110とガス状冷媒流路112とに
区切られている。
【0053】流出孔105と流入孔106とがガス状冷
媒流路112により連通され、入口孔64と出口孔62
とが液状冷媒流路110により連通されている。このコ
ア100をフィンを間にして複数積層し、入口孔64に
より入口流路30を、出口孔62により出口流路32を
形成している。また、流出孔105により流出流路10
7aを、流入孔106により流入流路107bを形成
し、流出流路107aは、出口流路32に接続されてい
る。
【0054】これにより、第1絞り24を通過した液状
の冷媒G1 が入口流路30に、冷却流路28を通過した
冷媒G2 が流入流路107bに供給され、それぞれが混
じり合うことなく、均等に各液状冷媒流路110と各ガ
ス状冷媒流路112とに分配される。
【0055】また、次に、冷却流路28を通った冷媒の
処理が異なる第3実施例について図15〜17によって
説明する。この第3実施例は、冷却流路28を通った冷
媒G2 を蒸発部20に戻すことなく、冷却流路28を蒸
発部20と感温筒8との間の排出流路114に接続して
いる。これにより、液状の冷媒G1 のみが蒸発部20に
供給され、入口流路30から各冷媒流路34に分配され
て、出口流路32に送られる。そして、排出流路114
を介して、コンプレッサ1に吸入される。
【0056】この場合には、冷却流路28を通った冷媒
G2 が加熱蒸気(e点)となって排出流路114に送ら
れるように、第2絞り26の開度を設定するのが好まし
い。また、この第3実施例と異なり、冷却流路28を、
図15,16に二点鎖線で示すように、感温筒8とコン
プレッサ1との間の排出流路114に接続しても実施可
能である。但し、この場合は、冷却流路28を通った冷
媒G2 は、確実に加熱蒸気になる場合に限られる。液状
の冷媒が混じっている状態であると、コンプレッサ1の
故障の原因となる場合があるからである。
【0057】更に、前記実施例と冷却流路28への冷媒
の導入位置が異なる第4実施例について、図18〜20
によって説明する。この第4実施例では、膨張弁6の下
流側の直後の被冷却流路22から、第2絞り26を介し
て冷却流路28が分岐されており、冷却流路28を通過
した冷媒は、被冷却流路22の冷媒との間で熱交換が行
われた後、蒸発部20に供給されて、前述した実施例と
同様に、空気との間での熱交換の利用に供されるよう接
続されている。
【0058】冷却流路28に供給される冷媒の一部G2
を第2絞り26により減圧し(b点−d2 点間)、低温
となったこの冷却流路28の冷媒G2 と被冷却流路22
内の冷媒G1 との間で熱交換を行って(冷媒G2 がd2
点−e点間、冷媒G1 がb点−c点間)、被冷却流路2
2内の冷媒G1 を液化する。
【0059】この場合、冷却流路28に供給される冷媒
の一部G2 は、被冷却流路22と冷却流路28との間で
熱交換が行われる前の冷媒であり、気液二相の状態の冷
媒である。従って、第1絞り24と第2絞り26とによ
る、被冷却流路22と冷却流路28とへの冷媒の分流の
割合が正確に行われない場合があるので、前述した実施
例の方が好ましいが、本第4実施例の場合でも、実用上
差し支えない。
【0060】尚、この第4実施例の場合でも、冷却流路
28を通過した冷媒の一部G2 を蒸発部20に戻すこと
なく、前述した第3実施例の場合と同様に、図18に二
点鎖線で示すように、冷却流路28を蒸発部20と感温
筒8との間の排出流路114に接続しても、同様に実施
可能である。
【0061】以上本発明はこの様な実施例に何等限定さ
れるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲にお
いて種々なる態様で実施し得る。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の冷房装置用
蒸発器は、熱交換部の被冷却流路と冷却流路との冷媒の
間で熱交換が行われ、液状の冷媒が蒸発部に送られるの
で、各冷媒流路にこの液状の冷媒がほぼ均等に分配され
る。よって、蒸発部での空気との間の熱交換の際に、冷
却される空気に冷却むらが生じるのを防止する。また、
冬期における場合等のように、供給される冷媒の量が少
ない状態であっても、冷房性能の低下を招くことがない
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としての冷房装置用蒸発器を
適用した冷凍サイクルの概略構成図である。
【図2】本実施例の膨張弁の概略構成図である。
【図3】本実施例の蒸発器の概略構成を示す斜視図であ
る。
【図4】本実施例の蒸発器の側面図である。
【図5】図4のAA拡大断面図である。
【図6】図5のBB拡大断面図である。
【図7】図5のCC拡大断面図である。
【図8】図5のDD拡大断面図である。
【図9】本実施例のコアの拡大正面図である。
【図10】コアの他の実施例の一部の拡大正面図であ
る。
【図11】本実施例のモリエル線図を示すグラフであ
る。
【図12】本実施例の冷媒の量が少ない状態でのモリエ
ル線図を示すグラフである。
【図13】第2実施例の蒸発器の概略構成を示す斜視図
である。
【図14】第2実施例のコアの拡大正面図である。
【図15】第3実施例の冷房装置用蒸発器を適用した冷
凍サイクルの概略構成図である。
【図16】第3実施例の蒸発器の概略構成を示す斜視図
である。
【図17】第3実施例のモリエル線図を示すグラフであ
る。
【図18】第4実施例の冷房装置用蒸発器を適用した冷
凍サイクルの概略構成図である。
【図19】第4実施例の蒸発器の概略構成を示す斜視図
である。
【図20】第4実施例のモリエル線図を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
1…コンプレッサ 2…凝縮器 4…レ
シーバ 6…膨張弁 8…感温筒 16…
蒸発器 18…熱交換部 20…蒸発部 22…
被冷却流路 24…第1絞り 26…第2絞り 28…
冷却流路 30…入口流路 32…出口流路 34…
冷媒流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷川 恵津夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 大原 敏夫 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷媒を循環させる冷凍サイクルでの膨張
    弁の下流に設けられ、出口側の冷媒温度及び冷媒圧力に
    応じて前記膨張弁の開度を調節し流入する冷媒量が調節
    される冷房装置用蒸発器において、 前記膨張弁に接続される被冷却流路を備え、該被冷却流
    路の出口側に第1絞りを配置し、該第1絞りよりも上流
    側で前記被冷却流路から第2絞りを介して分岐された冷
    却流路を設けると共に、前記両流路間で熱交換可能にし
    た熱交換部と、 前記第1絞りに接続される入口流路と出口流路とを連通
    する冷媒流路を有すると共に、複数の前記冷媒流路を並
    列に接続した蒸発部と、 を備えたことを特徴とする冷房装置用蒸発器。
JP24806492A 1992-09-17 1992-09-17 冷房装置用蒸発器 Pending JPH06101936A (ja)

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US08/121,947 US5390507A (en) 1992-09-17 1993-09-16 Refrigerant evaporator

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