JPH06307737A - 冷媒蒸発器 - Google Patents

冷媒蒸発器

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JPH06307737A
JPH06307737A JP9793393A JP9793393A JPH06307737A JP H06307737 A JPH06307737 A JP H06307737A JP 9793393 A JP9793393 A JP 9793393A JP 9793393 A JP9793393 A JP 9793393A JP H06307737 A JPH06307737 A JP H06307737A
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JP
Japan
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refrigerant
liquid
phase
expansion valve
evaporator
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JP9793393A
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Shigeo Numazawa
成男 沼澤
Yasushi Yamanaka
康司 山中
Shinji Kakehashi
伸治 梯
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 積層型冷媒蒸発器の冷媒液化流路内で冷媒を
確実に凝縮液化することにより複数の冷媒蒸発流路の各
々への分配性能を飛躍的に向上して熱交換能力を向上す
ることを可能にする。 【構成】 膨張弁5の下流側に接続される積層型冷媒蒸
発器6内に、膨張弁5で断熱膨張された気液二相状態の
冷媒を凝縮させる複数の冷媒液化流路14と、これらの
冷媒液化流路14より流出した冷媒を減圧する固定絞り
29と、固定絞り29で減圧され冷媒分配流路45によ
り分配された後の冷媒を蒸発させる複数の冷媒蒸発流路
34とを設けた。そして、複数の冷媒液化流路14内で
冷媒を複数の冷媒蒸発流路34の各々に分配された過熱
蒸気前の冷媒により冷却することにより、冷媒分配流路
45内に流入する冷媒が気相成分より液相成分のかなり
多い気液二相となるため、複数の冷媒蒸発流路34の各
々に冷媒が均一に分配される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の冷凍サ
イクルに組み込まれる冷媒蒸発器に関するものである。
【0002】
【先行の技術】従来より、1992年3月15日発行の
日本電装公開技報83−069号には、通常の冷凍サイ
クルに、冷媒凝縮器と減圧装置との間の高温配管内を流
れる冷媒と減圧装置と冷媒蒸発器との間の低温配管内を
流れる冷媒とを熱交換させるようにした冷凍装置が記載
されている。この冷凍装置は、減圧装置後の冷媒が減圧
装置前の冷媒より吸熱することにより、減圧装置直前の
冷媒が気液二相となっていても、気体を液体化すること
ができる。よって、減圧装置の通過面積が同じでも、通
過する冷媒の重量流量を多く確保できる。また、冷媒が
減圧装置を通過する時の冷媒流速も低くなり、騒音低減
にもなる。
【0003】ところが、この冷凍装置は、減圧装置後の
冷媒が減圧装置前の冷媒により加熱され、乾き度が大き
くなってから冷媒蒸発器の複数の冷媒蒸発流路に分配さ
れるため、冷媒を均一に分配する効果は特になかった。
一方、複数の冷媒蒸発路に冷媒を均一に分配し、吹出空
気の温度分布を向上させ、熱交換器性能を向上させる目
的で、例えば図14および図15に示したような冷凍サ
イクル100を本件特許出願人と同じ特許出願人が特願
平4−17114号(平成4年1月31日出願)で提案
した。この冷凍サイクル100は、冷媒圧縮機101、
冷媒凝縮器102、レシーバ103、膨張弁104およ
び冷媒蒸発器105からなり、この冷媒蒸発器105
は、冷媒と空気とを熱交換させて冷媒を蒸発させる複数
の冷媒蒸発流路106、これらの冷媒蒸発流路106の
各々の両端部に接続された一対のタンク部107、10
8を備えている。
【0004】また、タンク部107の上流側には、固定
絞り109を設けた冷媒減圧流路110が接続され、膨
張弁104と冷媒減圧流路110との間には、冷媒液化
流路111が接続されている。その冷媒液化流路111
内を流れる冷媒は、タンク部108の下流側に接続され
た冷媒気化流路112内を流れる冷媒と熱交換する。そ
して、膨張弁104より冷媒液化流路111内に流入し
た気液二相状態の冷媒を冷媒気化流路112内に流入し
た気液二相状態の冷媒および過熱蒸気によって冷却液化
し、タンク部107内に液冷媒を流入させて複数の冷媒
蒸発流路106の各々へ均一に分配するようにしてい
る。
【0005】さらに、上記の冷凍サイクル100の変形
例として、図14において固定絞り109の位置に膨張
弁104を配した例が図16に冷凍サイクル200とし
て、またそのモリエル線図が図17に示されている。な
お、図16において図14と同じ構成部品については同
じ番号を付し、説明を省く。これは、前述の日本電装公
開技報83−069号と同様に、減圧装置を通過する冷
媒の重量流量を確保するという効果を持つものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、先行の技術
においては、冷媒凝縮器102の冷却空気温度が低く、
高圧冷媒温度も低い場合に、冷媒液化流路111内を流
れる冷媒の温度が冷媒気化流路112内を流れる冷媒の
温度より低くなり、膨張弁104で減圧された気液二相
状態の冷媒を満足に液化できないという問題があった。
この問題は、冷媒不足で複数の冷媒蒸発流路106の出
口の過熱度が高い時や、空気調和装置での冬期の内気循
環モード運転時に如実に起こる。
【0007】冷媒液化流路111内で冷媒を液化できな
いと、タンク部107より複数の冷媒蒸発流路106へ
均一に分配できないばかりでなく、冷媒気化流路112
において複数の冷媒蒸発流路106より流出した冷媒が
冷却されて、膨張弁104の感温筒113が低い温度を
感知するようになる。このため、膨張弁104の絞り孔
をニードル弁が閉じる側に移動することによって、冷媒
蒸発器105内に流入する冷媒の流量が減り、複数の冷
媒蒸発流路106の出口の過熱度がますます上昇し、遂
には冷媒液化流路111内を流れる冷媒の温度が冷媒気
化流路112内を流れる冷媒の温度より低くなってしま
う。よって、その冷媒蒸発器105の熱交換能力が不足
するという問題点があった。
【0008】さらに、図16および図17による冷凍サ
イクル200においても、G点における温度がC点にお
ける温度より高くなる場合があり、例えば冬期において
外気温が0℃、C点が15℃、内気温度が25℃、G点
が20℃の場合である。この場合には、逆に冷媒液化流
路111内を流れる冷媒の温度が冷媒気化流路112内
を流れる冷媒の温度より低くなってしまい、冷媒蒸発器
105の熱交換能力が不足するという上記と同様の問題
点があった。
【0009】そこで、本発明は、冷媒液化流路内で冷媒
を確実に凝縮液化することにより複数の冷媒蒸発流路の
各々への分配性能を飛躍的に向上して熱交換能力を向上
することが可能な冷媒蒸発器の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、周囲より熱を
奪って冷媒を蒸発気化する複数の冷媒蒸発流路と、これ
らの冷媒蒸発流路の上流側に接続され、前記複数の冷媒
蒸発流路の各々に冷媒を分配する冷媒分配流路と、この
冷媒分配流路の上流側に接続され、前記冷媒分配流路へ
向かう冷媒を減圧する絞り部と、この絞り部の上流側に
接続され、前記絞り部へ向かう冷媒を、前記複数の冷媒
蒸発流路の各々に分配された後の過熱蒸気前の冷媒と熱
交換させて凝縮液化する冷媒液化流路とを備えた技術手
段を採用した。
【0011】
【作用】本発明によれば、冷媒液化流路内に流入した冷
媒は、複数の冷媒蒸発流路の各々に分配された後の過熱
蒸気前の冷媒と熱交換して凝縮液化される。そして、冷
媒液化流路内で凝縮液化された冷媒は、冷媒液化流路の
下流側に接続された絞り部を通過する際に減圧されて冷
媒分配流路内に流入する。冷媒分配流路内に流入した冷
媒は、液単一相または気相成分より液相成分がかなり多
い気液二相のため、複数の冷媒蒸発流路の各々に均一に
分配される。そして、複数の冷媒蒸発流路の各々に流入
した冷媒、すなわち、過熱蒸気前の冷媒は、冷媒液化流
路内を流れる冷媒より熱を奪って蒸発気化される。
【0012】
【実施例】つぎに、本発明の冷媒蒸発器を図1ないし図
13に示す複数の実施例に基づいて説明する。 〔第1実施例の構成〕図1ないし図8は本発明の第1実
施例を示したもので、図1は車両用空気調和装置の冷凍
サイクルを示した図である。なお、図1の図中におい
て、液相冷媒の部分には斜線を施した。その冷凍サイク
ル1は、冷媒圧縮機2、冷媒凝縮器3、レシーバ4、膨
張弁5、積層型冷媒蒸発器6、およびこれらを順次環状
に接続するための冷媒配管7よりなる。
【0013】冷媒圧縮機2は、吸入した冷媒を圧縮して
高温高圧の気相冷媒を吐出するものである。冷媒凝縮器
3は、冷媒圧縮機2より吐出された気相冷媒と室外空気
とを熱交換させて冷媒を凝縮液化するものである。レシ
ーバ4は、気相冷媒と液相冷媒とを分離して液相冷媒の
み膨張弁5へ供給するものである。膨張弁5は、積層型
冷媒蒸発器6の出口の冷媒配管7に取り付けられた感温
筒50、積層型冷媒蒸発器6の出口での過熱度が一定と
なるように絞り孔(図示せず)の開度を調節して冷媒循
環量を可変する弁(図示せず)、および感温筒50内の
圧力変化に基づいて弁を駆動するダイヤフラム(図示せ
ず)等を有している。
【0014】以下に積層型冷媒蒸発器6を詳細に説明す
る。ここで、図2ないし図4は積層型冷媒蒸発器6の詳
細な構造を示した図である。積層型冷媒蒸発器6は、薄
い板状のアルミニウム合金をプレス加工することによっ
て形成された一対の第1〜第3成形プレート8〜10を
複数積層してなる。この積層型冷媒蒸発器6は、車室内
に空気を送るダクト(図示せず)内に配され、膨張弁5
より流入した気液二相状態の冷媒とダクト内を流れる空
気とを熱交換させて冷媒を蒸発気化させると共に、車室
内へ向かう空気を冷却するものである。
【0015】一対の第1成形プレート8は、隣設する一
対の第3成形プレート10間に挟み込まれ、積層型冷媒
蒸発器6の幅方向に向かって一対の第3成形プレート1
0と交互に複数積層されている。この第1成形プレート
8には、図5に示したように、対向する第1成形プレー
ト8に接合する接合壁11が形成されている。また、第
1成形プレート8の左側部分には、対向する第1成形プ
レート8の左側部分に区画壁12が積層型冷媒蒸発器6
の前後方向に形成されている。そして、区画壁12の周
りには略コの字状の凹部13が浅い皿状に形成されてい
る。
【0016】そして、一対の第1成形プレート8の接合
壁11同士および区画壁12同士をろう付け等の手段に
より接合することによって、凹部13内を冷媒が略コの
字状に流れる偏平な流路管が形成される。したがって、
一対の第1成形プレート8と一対の第3成形プレート1
0とを交互に積層して凹部13が複数個重ね合わされる
ことによって複数の冷媒液化流路14(図1ないし図4
参照)が形成される。これらの冷媒液化流路14は、膨
張弁5より流入した気液二相状態の冷媒を凝縮液化する
ものである。なお、一対の第1成形プレート8の凹部1
3に複数のリブ部(図示せず)を形成して、冷媒が幅方
向全体に広く行きわたるようにしても良い。
【0017】そして、図5に示したように、冷媒液化流
路14の上流側部(図示左上端部)には、円形状の流入
口15が形成されており、この流入口15は膨張弁5で
断熱膨張された気液二相状態の冷媒を冷媒液化流路14
内に流入させる開口部である。また、冷媒液化流路14
の下流側部(図示左下端部)には、円形状の流出口16
が形成されており、この流出口16は冷媒液化流路14
より冷媒を流出させる開口部である。そして、図5に示
したように、第1成形プレート8の右側部分の接合壁1
1には、長円形状の凹部17と略方形状の凹部18が浅
い碗状に形成されている。これらの凹部17、18の底
部分には、長円形状の連通穴19と略方形状の連通穴2
0がそれぞれ形成されている。
【0018】一対の第2成形プレート9は、積層型冷媒
蒸発器6の幅方向の左端に設置されている。第2成形プ
レート9は、図6に示したように、接合壁21が形成さ
れている。そして、一対の第2成形プレート9の接合壁
21同士をろう付け等の手段により接合することによっ
て極めて偏平な流路管が形成される。さらに、一対の第
2成形プレート9の左上部には、一対の第1成形プレー
ト8の流入口15に連通する円形状の連通口22が形成
されている。また、一対の第2成形プレート9の左下部
には、一対の第1成形プレート8の流出口16に連通す
る円形状の連通口23を形成した碗状の凹部24が形成
されている。
【0019】そして、一対の第2成形プレート9の右側
部分には、長円形状の凹部25と略方形状の凹部26が
浅い碗状に形成されている。これらの凹部25、26の
底部分には、一対の第1成形プレート8の連通穴19と
連通穴20にそれぞれ連通する長円形状の連通穴27と
略方形状の連通穴28が形成されている。さらに、一対
の第2成形プレート9の下端部分には、連通口23と連
通穴27とを接続する細長い固定絞り29が形成されて
いる。この固定絞り29は、本発明の絞り部であって、
冷媒液化流路14より流入した液相冷媒を減圧するもの
である。なお、この実施例においては、一対の第2成形
プレート9の下端部分に形成された凹部24、25およ
び固定絞り29によって冷媒減圧流路30が形成され
る。
【0020】一対の第3成形プレート10は、前述した
ように、積層型冷媒蒸発器6の幅方向に向かって一対の
第1成形プレート8と交互に複数積層されている。この
第3成形プレート10の外周縁には、図7に示したよう
に、接合壁31が形成されている。また、第3成形プレ
ート10の中央部分には、区画壁32が形成されてい
る。そして、区画壁32の周りには、冷媒を蒸発気化さ
せる略U字状の凹部33が浅い皿状に形成されている。
【0021】そして、一対の第3成形プレート10の接
合壁31同士および区画壁32同士をろう付け等の手段
により接合することによって、凹部33内を冷媒が略U
字状に流れる偏平な流路管が形成される。したがって、
一対の第1成形プレート8と一対の第3成形プレート1
0とを交互に積層して凹部33が複数個重ね合わされる
ことによって複数の冷媒蒸発流路34(図1ないし図4
参照)が形成される。これらの冷媒蒸発流路34は、流
入した液相冷媒を蒸発気化するものである。なお、この
実施例では、複数の冷媒蒸発流路34の入口側部と複数
の冷媒液化流路14とにより冷媒冷媒熱交換部35が形
成され、且つ複数の冷媒蒸発流路34の残部とダクト内
の通風路とにより冷媒空気熱交換部36が形成される。
また、一対の第3成形プレート10の凹部33に複数の
リブ部(図示せず)を形成して、冷媒が幅方向全体に広
く行きわたるようにしても良い。
【0022】冷媒蒸発流路34の入口、すなわち、第3
成形プレート10の右下端部には、長円形状の凹部37
が浅い碗状に形成されている。この凹部37の底部分に
は、第1成形プレート8の連通穴19および第2成形プ
レート9の連通穴27にそれぞれ連通する長円形状の連
通穴38が形成されている。また、冷媒蒸発流路34の
出口、すなわち、第3成形プレート10の右下端部に
は、略方形状の凹部39が浅い碗状に形成されている。
この凹部39の底部分には、第1成形プレート8の連通
穴20および第2成形プレート9の連通穴28にそれぞ
れ連通する略方形状の連通穴40が形成されている。さ
らに、第3成形プレート10の左下端部には、円形状の
凹部41、42が形成されている。凹部41の底部分に
は、第1成形プレート8の流入口15および第2成形プ
レート9の連通口22に連通する流入口43がそれぞれ
形成されている。また、凹部42の底部分には、第1成
形プレート8の流出口16および第2成形プレート9の
連通口23に連通する流出口44がそれぞれ形成されて
いる。
【0023】そして、第1、第3成形プレート8、10
を複数交互に積層して連通穴19、38が複数個重ね合
わされることによって冷媒分配流路45(図1ないし図
4)が形成される。この冷媒分配流路45は、いわゆる
積層型冷媒蒸発器6の入口側タンク部であって、冷媒減
圧流路30より流入した冷媒を複数の冷媒蒸発流路34
の各々の入口に均一に分配するものである。また、第
1、第3成形プレート8、10を複数交互に積層して連
通穴20、40が複数個重ね合わされることによって出
口側冷媒流路46(図1ないし図4参照)が形成され
る。この出口側冷媒流路46は、いわゆる積層型冷媒蒸
発器6の出口側タンク部であって、複数の冷媒蒸発流路
34の各々の出口より冷媒を集合させて冷媒圧縮機2の
吸入側へ送るものである。
【0024】さらに、第1、第3成形プレート8、10
を複数交互に積層して流入口15、43および連通口2
2が複数個重ね合わされることによって、図1ないし図
4に示したように、入口側冷媒流路47が形成される。
この入口側冷媒流路47は、複数の冷媒液化流路14の
各々の入口に冷媒を送り込むものである。また、第1、
第3成形プレート8、10を複数交互に積層して流出口
16、44および連通口23が複数個重ね合わされるこ
とによって、図1ないし図4に示したように、中間冷媒
流路48が形成される。この中間冷媒流路48は、複数
の冷媒液化流路14の各々の出口より冷媒減圧流路30
の入口へ冷媒を送るものである。
【0025】〔第1実施例の作用〕つぎに、この冷凍サ
イクル1の作用を図1および図8に基づいて簡単に説明
する。図8は冷凍サイクル1の冷媒回路上の冷媒の状態
点をモリエル線図上に描いたもので、図1の冷凍サイク
ル1の冷媒回路上の冷媒の状態点A〜Gが図8のモリエ
ル線図上のA〜Gに対応する。冷媒圧縮機2で圧縮さ
れ、吐出側より吐出された高温高圧の気相冷媒は、冷媒
凝縮器3内に流入する(状態点A)。冷媒凝縮器3内に
流入した気相冷媒は、冷媒凝縮器3内を通過する際に室
外空気に熱を奪われて冷却され、凝縮液化される(状態
点A→状態点B)。その後に、冷媒凝縮器3より流出し
た高温の液相冷媒は、レシーバ4内に流入して、気相冷
媒と液相冷媒とに分離されて、液相冷媒のみ膨張弁5内
に流入する。
【0026】膨張弁5内に流入した液相冷媒は、膨張弁
5内を通過する際に断熱膨張されて気相冷媒と液相冷媒
との気液二相冷媒となり(状態点B→状態点C)、その
後に積層型冷媒蒸発器6の入口側冷媒流路47を通って
冷媒冷媒熱交換部35の複数の冷媒液化流路14内に流
入する。そして、複数の冷媒液化流路14内に流入した
気液二相冷媒は、複数の冷媒蒸発流路34の入口側を流
れる過熱蒸気前の冷媒と熱交換して冷却され、気液二相
状態から液相側へ移行し(状態点C→状態点D)、ほぼ
液単相状態となって冷媒減圧流路30内に流入する。
【0027】冷媒減圧流路30内に流入した冷媒は、細
長い固定絞り29を通過する際に、減圧されて低温化さ
れ、一部気相冷媒になる(状態点D→状態点E)。冷媒
減圧流路30より流出した液相成分が多く、さらに低温
化された気液二相冷媒は、冷媒分配流路45内に流入し
て各冷媒蒸発流路34の各々の入口に均等に分配され
る。そして、冷媒は、各冷媒蒸発流路34を通過する際
に、冷媒液化流路14内を流れる冷媒と熱交換されて蒸
発気化され(状態点E→状態点F)、さらに室内空気と
熱交換して加熱されて過熱蒸気となる(状態点F→状態
点G)。そして、過熱蒸気となった冷媒は、積層型冷媒
蒸発器6の出口の感温筒50を取り付けた冷媒配管7内
を通って冷媒圧縮機2の吸入側に吸入される。
【0028】〔第1実施例の効果〕以上のように、この
実施例では、複数の冷媒蒸発流路34の出口側の冷媒温
度と複数の冷媒液化流路14内の冷媒温度との高低に拘
らず、複数の冷媒液化流路14内に流入した冷媒を複数
の冷媒蒸発流路34の入口側を流れる過熱蒸気前の冷媒
により凝縮液化することができる。このため、冬期の内
気循環モード運転時のように冷媒凝縮器3の冷却空気温
度が低く、高圧冷媒温度も低い場合や、冷媒不足で複数
の冷媒蒸発流路34の出口の過熱度が高い場合でも、複
数の冷媒液化流路14内を流れる冷媒の温度が複数の冷
媒蒸発流路34の入口側内を流れる冷媒の温度より低く
なることはなく、膨張弁5で減圧された気液二相状態の
冷媒を充分に凝縮液化できる。
【0029】したがって、冷媒分配流路45より複数の
冷媒蒸発流路34の各々の入口に冷媒を均一に分配する
ことができ、且つ複数の冷媒蒸発流路34内を流れる冷
媒が複数の冷媒液化流路14内を流れる冷媒により冷却
されることはないので、積層型冷媒蒸発器6による冷却
能力と除湿能力を飛躍的に向上することができる。ま
た、複数の冷媒蒸発流路34の出口側においても冷媒を
効率良く室内空気と熱交換させることができるので、複
数の冷媒蒸発流路34の各々による室内空気の冷却が均
等になる。
【0030】〔第2実施例の構成〕図9および図10は
本発明の第2実施例を示したもので、積層型冷媒蒸発器
の主要部を示した図である。この実施例では、第1実施
例の第1成形プレート8を廃止して、第2、第3成形プ
レート9、10のみで積層型冷媒蒸発器6を構成するよ
うにしている。この実施例では、一対の第3成形プレー
ト10の凹部37、39、41、42と隣設する一対の
第3成形プレート10の凹部37、39、41、42と
が、連通穴38、連通穴40、流入口43、流出口44
によりそれぞれ連通するように接合されている。
【0031】なお、凹部41の冷媒蒸発流路34側の側
壁には、図9に示したように、冷媒液化流路14の入口
部51が1箇所ずつ形成されている。また、凹部41、
42の冷媒蒸発流路34側の側壁には、図10に示した
ように、冷媒液化流路14の出口部52が1箇所ずつ形
成されている。そして、一対の第3成形プレート10を
複数積層することにより、複数の冷媒液化流路14内を
流れる膨張弁5後の冷媒と複数の冷媒蒸発流路34内を
流れる過熱蒸気前の冷媒とが熱交換する冷媒冷媒熱交換
部35が形成される。
【0032】〔第3実施例の構成〕図11ないし図13
は本発明の第3実施例を示したもので、図11は車両用
空気調和装置の冷凍サイクル1の概略構成を示した図で
ある。この実施例の冷凍サイクル1では、積層型冷媒蒸
発器6の上流側の膨張弁5を廃止している。その積層型
冷媒蒸発器6の一対の第2成形プレート9間には、図1
2に示したように、絞り孔61より噴射させることによ
り冷媒を急激に断熱膨張させる感温筒内蔵式の膨張弁6
0が収容されている。図12には膨張弁60を模式的に
表現した。感温筒内蔵式の膨張弁60は、一対の第2成
形プレート9の下端部分に形成された細長い絞り孔61
(冷媒減圧流路30)、この絞り孔61の開度を調節し
て冷媒循環量を可変する弁(図示せず)、一対の第2成
形プレート9の凹部26(出口側冷媒流路46)間に内
蔵された感温筒62、およびこの感温筒62内の圧力変
化に基づいて弁を駆動するダイヤフラム(図示せず)等
より構成されている。
【0033】〔第3実施例の作用〕つぎに、この冷凍サ
イクル1の作用を図11および図13に基づいて簡単に
説明する。図13は冷凍サイクル1の冷媒回路上の冷媒
の状態点をモリエル線図上に描いたもので、図11の冷
凍サイクル1の冷媒回路上の冷媒の状態点A〜Gが図1
3のモリエル線図上のA〜Gに対応する。冷媒圧縮機2
より冷媒凝縮器3内に流入した気相冷媒は、冷媒凝縮器
3内を通過する際に室外空気に熱を奪われて冷却され、
凝縮液化される。その後に、冷媒凝縮器3より流出した
高温の液相冷媒は、レシーバ4内に流入して、気相冷媒
と液相冷媒とに分離される(状態点A→状態点C)。
【0034】レシーバ4より流出した液相冷媒は、積層
型冷媒蒸発器6の入口側冷媒流路47を通って複数の冷
媒液化流路14内に流入する。そして、複数の冷媒液化
流路14内に流入した気液二相冷媒は、複数の冷媒蒸発
流路34の入口側を流れる過熱蒸気前の冷媒と熱交換し
て過冷却され、気液二相状態から液相側へ移行して所定
の過冷却度を持つ液単相状態となる(状態点C→状態点
D)。そして、液単相状態となった冷媒は、冷媒減圧流
路30内に流入する。
【0035】冷媒減圧流路30内に流入した冷媒は、一
対の第2成形プレート9間に形成された膨張弁60の絞
り孔61を通過する際に、減圧されて低温化される(状
態点D→状態点E)。そして、膨張弁60の絞り孔61
を通過する際に減圧されても減圧直後の乾き度が小さい
冷媒は、冷媒分配流路45内に流入して各冷媒蒸発流路
34の各々の入口に均等に分配される。そして、冷媒
は、各冷媒蒸発流路34を通過する際に、冷媒液化流路
14内を流れる冷媒と熱交換されて蒸発気化され(状態
点E→状態点F)、さらに室内空気と熱交換して加熱さ
れて過熱蒸気となる(状態点F→状態点G)。そして、
過熱蒸気となった冷媒は、感温筒62を内蔵した一対の
第2成形プレート9の凹部26間、つまり出口側冷媒流
路46より流出して冷媒圧縮機2の吸入側に吸入され
る。
【0036】〔第3実施例の効果〕以上のように、この
実施例では、複数の冷媒蒸発流路34の入口側を流れる
過熱蒸気前の冷媒と熱交換することにより冷媒液化流路
14内で充分に過冷却されるので、冷媒分配流路45内
にほぼ液単一相の冷媒が流入することにより、冷媒分配
流路45より複数の冷媒蒸発流路34の各々の入口に冷
媒を均一に分配することができる等の第1実施例と同様
な効果を有する。さらに、冷媒液化流路14内で充分に
過冷却された液単一相状態の冷媒は、膨張弁60の絞り
孔61を通過する際に減圧されても減圧直後の乾き度が
小さくなる。これにより、冷媒中の気相成分の割合が非
常に少なく、冷媒の流速が著しく遅くなるので、細長い
絞り孔61を冷媒が通過する際にも異音の発生が抑えら
れる。
【0037】なお、一般的に、膨張弁を通過する冷媒の
体積流量は、弁の開度によって決定され、冷媒不足や高
圧配管の圧力損失等で乾き度を持っている時に膨張弁前
の気相成分の割合が多くなる程、冷媒蒸発器で蒸発気化
させるのに必要な冷媒の重量流量は少なくなる。さら
に、冷媒凝縮器後の乾き度が大きくなると、その傾向は
顕著となり冷媒圧縮機の損傷等に至る場合がある。そこ
で、弁の最大開度の大きい大流量用膨張弁を利用するこ
とが考えられるが、このような大流量用膨張弁を使用す
ると弁がハンチングし易く、膨張弁の制御性に問題があ
った。ところが、この実施例では、レシーバ4後の冷媒
が冷媒不足や高圧配管の圧力損失等で乾き度を持ってい
ても、冷媒液化流路14内で充分に凝縮液化される。こ
のため、積層型冷媒蒸発器6で蒸発気化させるのに必要
な冷媒の重量流量を確保できるので、膨張弁60を大流
量用膨張弁に変更する必要はない。
【0038】〔変形例〕本実施例では、本発明を積層型
冷媒蒸発器6に用いたが、本発明を丸形チューブ・プレ
ートフィンタイプや、異形チューブ・コルゲートフィン
タイプ等のその他の形状の冷媒蒸発器に用いても良い。
本実施例では、本発明をレシーバサイクル式の冷凍サイ
クル1に用いたが、本発明をアキュームレータサイクル
式の冷凍サイクルに用いても良い。本実施例では、絞り
部として固定絞りや膨張弁を用いたが、キャピラリチュ
ーブ等のその他の絞り部を用いても良い。第1実施例で
は、冷媒凝縮器3と積層型冷媒蒸発器6との間の減圧手
段として膨張弁5を用いたが、冷媒凝縮器3と積層型冷
媒蒸発器6との間の減圧手段としてキャピラリチューブ
やオリフィス等の固定絞りを用いても良い。
【0039】
【発明の効果】本発明は、冷媒液化流路内に流入した冷
媒を過熱蒸気前の冷媒により凝縮液化しているので、複
数の冷媒蒸発流路の出口側の冷媒温度と冷媒液化流路内
の冷媒温度との高低に拘らず、冷媒液化流路内で冷媒が
確実に凝縮液化することができる。したがって、冷媒分
配流路より複数の冷媒蒸発流路の各々に冷媒を均一に分
配することができるので冷媒蒸発器の熱交換能力を向上
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例にかかる冷凍サイクルを示
した模式図である。
【図2】図1の冷凍サイクルに組み込まれた積層型冷媒
蒸発器を示した分解図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】図2の積層型冷媒蒸発器の第1成形プレートを
示した平面図である。
【図6】図2の積層型冷媒蒸発器の第2成形プレートを
示した平面図である。
【図7】図2の積層型冷媒蒸発器の第3成形プレートを
示した平面図である。
【図8】本発明の第1実施例にかかる冷凍サイクルのモ
リエル線図である。
【図9】本発明の第2実施例にかかる積層型冷媒蒸発器
の主要部を示した断面図である。
【図10】本発明の第2実施例にかかる積層型冷媒蒸発
器の主要部を示した断面図である。
【図11】本発明の第3実施例にかかる冷凍サイクルを
示した模式図である。
【図12】図11の冷凍サイクルに組み込まれた積層型
冷媒蒸発器を示した分解図である。
【図13】本発明の第3実施例にかかる冷凍サイクルの
モリエル線図である。
【図14】先行の技術の冷凍サイクルを示した模式図で
ある。
【図15】先行の技術の冷凍サイクルのモリエル線図で
ある。
【図16】先行の技術の冷凍サイクルを示した模式図で
ある。
【図17】先行の技術の冷凍サイクルのモリエル線図で
ある。
【符号の説明】
1 冷凍サイクル 5 膨張弁 6 積層型冷媒蒸発器 14 複数の冷媒液化流路 29 固定絞り(絞り部) 30 冷媒減圧流路 34 複数の冷媒蒸発流路 45 冷媒分配流路 60 感温筒内蔵式の膨張弁 61 絞り孔(絞り部)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)周囲より熱を奪って冷媒を蒸発気
    化する複数の冷媒蒸発流路と、 (b)これらの冷媒蒸発流路の上流側に接続され、前記
    複数の冷媒蒸発流路の各々に冷媒を分配する冷媒分配流
    路と、 (c)この冷媒分配流路の上流側に接続され、前記冷媒
    分配流路へ向かう冷媒を減圧する絞り部と、 (d)この絞り部の上流側に接続され、前記絞り部へ向
    かう冷媒を、前記複数の冷媒蒸発流路の各々に分配され
    た後の過熱蒸気前の冷媒と熱交換させて凝縮液化する冷
    媒液化流路とを備えた冷媒蒸発器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1883771A2 (en) * 2005-05-24 2008-02-06 Carrier Corporation Parallel-flow evaporators with liquid trap for providing better flow distribution
JP2016507045A (ja) * 2013-02-14 2016-03-07 スウェップ インターナショナル アクティエボラーグ 過冷却を有するポート開口

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