JPH06101113A - 三次元網状繊維の製法 - Google Patents

三次元網状繊維の製法

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JPH06101113A
JPH06101113A JP4243281A JP24328192A JPH06101113A JP H06101113 A JPH06101113 A JP H06101113A JP 4243281 A JP4243281 A JP 4243281A JP 24328192 A JP24328192 A JP 24328192A JP H06101113 A JPH06101113 A JP H06101113A
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JP
Japan
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polyolefin
fiber
solvent
methylene chloride
polyolefinic
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JP4243281A
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Jinichiro Kato
仁一郎 加藤
Yoshiaki Nakayama
良秋 中山
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 不燃で、オゾン層破壊能を著しく低下させた
ハロゲン化炭化水素を用いて、強度、開繊性に優れた、
そしてフラッシュ紡糸不織布シートの製造に好適なポリ
オレフィン網状繊維の製造を目的とする。 【構成】 高温高圧で調整したポリオレフィン溶液を、
減圧オリフィス、減圧室、紡口口金を通過させ、常温常
圧域に放出して、フィブリル化したポリオレフィンの三
次元繊維を製造する方法において、塩化メチレンと、
1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフロロ
プロパンまたは/および1,3−ジクロロ−1,2,
2,3,3−ペンタフロロプロパンからなる混合溶媒を
用い、該混合溶媒における塩化メチレンの割合が、30
〜55重量%であって、該ポリオレフィン溶液における
ポリオレフィンの割合が5〜25重量%であることを特
徴とする改良したポリオレフィン三次元網状繊維の製
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、不燃かつオゾン層破壊
能力が小さい溶剤を用いて不織布シートに用いる強度及
び開繊性に優れたポリオレフィンの三次元網状繊維を得
るための改良された製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリオレフィンの三次元繊維の製造方法
は、フラッシュ紡糸法として知られている。このフラッ
シュ紡糸方法は、液化ガスとも言える有機溶剤にポリオ
レフィンを加え、高温高圧下にてポリオレフィン溶液を
調整し、かかる後に減圧オリフィスを通して溶液の圧力
を一旦下げて相分離をさせ、不透明になったこの溶液を
更に紡口口金を通して常温常圧下の雰囲気に噴出して三
次元繊維とする方法であり、既によく知られた紡糸方法
である。
【0003】例えば、この紡糸方法は、米国30815
19号明細書、米国3227794号明細書、米国32
27784号明細書、米国3467744号明細書、米
国3564088号明細書、米国3756411号明細
書、欧州特許明細書285670A1号公報、欧州特許
明細書321567A1号公報、欧州特許明細書357
364A2号公報、特公昭40−28125号公報、特
公昭42−19520号公報、特開昭62−33816
号公報、特開昭63−50512号公報等に記載されて
いる。
【0004】ところで、フラッシュ紡糸法に用いるポリ
マーの溶剤は、以下の特性を備えていることが必要であ
り、このことはすでに米国3081519号明細書等で
も示されている。すなわち、溶剤の沸点が用いるポリ
マーの融点より少なくとも25℃低いこと、紡糸する
条件下で、ポリマーに対して不活性な溶剤であること、
ポリマー溶液を調整するに敵した温度、圧力下では、
ポリマーの良溶媒であること、溶剤の沸点以下では、
ポリマーを1%以下しか溶解しない溶剤であること、
紡糸時に直ちに相分離して、ほとんどポリマーからなる
相を形成し得る溶剤であり、かつその分離したポリマー
相には、ほとんど残留しない溶剤であること、である。
【0005】具体的な溶剤の例としては、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素及びそれら
の異性体、同族体、シクロヘキサン等の脂環族炭化水
素、あるいは、不飽和炭化水素、塩化メチレン、四塩化
炭素、クロロホルム、塩化エチル、塩化メチル等のハロ
ゲン化炭化水素、エタノール、メタノール、ヘキサフロ
ロイソプロパノール等のアルコール、エステル、エーテ
ル、ケトン、ニトリル、アミド、トリクロロフロロメタ
ン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフロロ
エタン等の塩素化フッ素化脂肪族炭化水素、二酸化硫
黄、二硫化炭素、ニトロメタン、水及び上記の各種液体
混合物等が知られている。
【0006】これらの溶剤の中から用いる紡糸方法の各
種条件および用いるポリマーの種類を考慮した上で最適
なものが適宜選定される。特に、ポリオレフィンのフラ
ッシュ紡糸方法の溶剤としては、ポリマーの溶解性に優
れ、紡糸性にも優れており、更には不燃、無毒なトリク
ロロフロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,
2−トリフロロエタンが好適である。特に、トリクロロ
フロロメタンが最も優れている溶剤である。
【0007】ところが、近年、全部の水素が塩素及びフ
ッ素で置換された全ハロゲン化炭化水素は、特定フロン
(クロロフロロカーボン、またはCFCとも言う)とし
て、そのオゾン破壊能力が極めて高いことが発見され、
地球保護の立場から西暦1996年までに製造が禁止さ
れることになった。当然、特定フロンであるトリクロロ
フロロメタン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−
トリフロロエタン等も製造を禁止され入手できなくな
る。従って、ポリオレフィンのフラッシュ紡糸方法の溶
剤として、トリクロロフロロメタンを利用できなくなっ
てしまう。
【0008】このような背景から、特定フロンであるト
リクロロフロロメタンを用いないで新しい溶剤を使用す
るフラッシュ紡糸方法がすでに提案されている。とりわ
け、塩化メチレンを用いた溶剤の開発が盛んに行われて
いる。これは、塩化メチレンが高温高圧におけるポリオ
レフィンの良溶剤であること、沸点(41℃)が低いこ
と、熱安定性が優れていること、等の理由による。
【0009】例えば、米国5032326号明細書、欧
州特許公開明細書0357381A2号公報、特開平2
−139408号公報には、塩化メチレンと代替フロ
ン、例えば、クロロジフロロメタン、1,1,1,2−
テトラフロロエタン、1,1−ジフロロエタン、1,
1,1,2−テトラフロロ−2−クロロエタン、1−ク
ロロ−1,1−ジフロロエタン等との混合溶剤を用いる
フラッシュ紡糸方法が開示されている。また、欧州特許
公開明細書357364A2号公報や特開平3−768
09号公報には、塩化メチレンと二酸化炭素とを用いて
紡糸する方法が提案されている。
【0010】しかしながら、これらのすでに提案されて
いるフラッシュ紡糸方法には、ポリオレフィンを用いて
紡糸する場合、いずれも欠陥がある。フラッシュ紡糸に
よって製造される繊維の特徴の一つは、強度が高いこと
である。ところが、例えば、米国5032326号明細
書等の提案による塩化メチレンと代替フロンとの混合溶
剤では、紡出糸の強度が最高でも3.55g/dと、低
い。
【0011】また、米国5081177号明細書等の代
替フロンを用いる提案についても同様に紡出糸の強度が
最高でも4.61g/dと、低い。また、米国5032
326号明細書や欧州特許公開明細書357364A2
号公報では、共溶剤としてガスを用いるために、紡糸設
備や共溶剤の回収プロセスが複雑になる問題も有する。
【0012】また、代替フロンを溶剤として使用する試
みとして、特開平4−185708号公報に、1,1−
ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフロロプロパン
または/および1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3
−ペンタフロロプロパンと、炭化水素溶媒を用いる方法
が開示されている。ところが、1,1−ジクロロ−2,
2,3,3,3−ペンタフロロプロパンまたは/および
1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロ
プロパンと炭化水素溶媒の混合比率によっては、ポリオ
レフィンが完全に溶解しなかったり、紡出糸の強度が低
かったり等の問題があるが、混合比率についてはなんら
検討されていない。
【0013】
【発明が解決しようとする問題】本発明の目的は、トリ
クロロフロロメタンを代替し得る充分満足できる溶剤を
用いた三次元網状繊維の製法を提供することにある。す
なわち、ポリオレフィンのフラッシュ紡糸用の溶剤とし
て優れ、燃えにくく、その上オゾン破壊能力が低い溶剤
を用いた三次元網状繊維の製法を提供することにある。
更にまた、本発明の目的は、この溶剤を使用して高強度
かつ開繊性に優れた三次元網状繊維が得られる、改良さ
れたポリオレフィンの三次元網状繊維の製法を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成するために、溶剤のスクリーニングについて膨大
な研究を行い、いかにして従来のフラッシュ紡糸方法に
よるポリオレフィン三次元繊維に匹敵する繊維が得られ
るか、もしくは、凌駕する性能をもつ繊維が得られるか
について試行錯誤し、その結果、本発明に到達すること
ができた。
【0015】すなわち、本発明は、高温高圧で調整した
ポリオレフィン溶液を、減圧オリフィス、減圧室、紡口
口金を通過させ、常温常圧域に放出して、フィブリル化
したポリオレフィンの三次元繊維を製造する方法におい
て、塩化メチレンと、1,1−ジクロロ−2,2,3,
3,3−ペンタフロロプロパンまたは/および1,3−
ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパン
からなる混合溶媒を用い、該混合溶媒における塩化メチ
レンの割合が、30〜55重量%であって、該ポリオレ
フィン溶液におけるポリオレフィンの割合が5〜25重
量%であることを特徴とする改良したポリオレフィン三
次元網状繊維の製法を提供するものである。
【0016】この方法により、本発明者らは、オゾン破
壊能力が小さい溶剤でありながら、従来公知の改良方法
とは異なり、格段に強度の高い、そして開繊性の良好な
ポリオレフィンの三次元繊維を得ることができた。本発
明に用いる溶剤は、それにポリオレフィンを溶解する
と、LCST型ポリマー溶液となる。前記したように、
フラッシュ紡糸は、高温高圧のポリマー溶液を減圧して
相分離させて、ポリマーと溶剤との少なくとも二相から
なる不透明液にしてから紡糸することがその基本原理で
ある。従って、透明液から不透明液に変わることによっ
て判定できる曇点の温度、圧力が極めて重要である。こ
の曇点が、相分離する点でもある。曇点は、液が透明か
ら不透明に変わる点の温度、圧力によって示す。
【0017】フラッシュ紡糸適性を詳細に調べた結果、
曇点圧力は、高密度ポリエチレンを用いた場合(ポリマ
ー濃度10〜15重量%)、200℃付近でおおよそ1
00〜200kg/cm3 の範囲にあれば、強度、開繊
性に優れた繊維が得られることがわかった。本発明の混
合溶媒における好ましい塩化メチレンの割合としては、
その適用曇点圧力を考えると、一般的には、30〜55
重量%であった。特に好ましくは、30〜45重量%で
あり、より一層好ましくは、35〜45重量%であっ
た。塩化メチレンの割合が35重量%より低い場合は、
該混合溶媒のポリオレフィンに対する溶解性が低くなる
ために、ポリオレフィンの一部分が溶解しなくなった
り、あるいは、完全溶解させるための時間が長くなった
りする等の問題が生じる。これらの問題は、直接、紡出
糸の強度、開繊性、溶剤劣化等に悪影響を及ぼす。ま
た、塩化メチレンの割合が50重量%より高い場合は、
ポリオレフィンの溶解性は良くなるものの、曇点圧力が
低くなりすぎるために、吐出圧力が低くなる結果、紡出
糸への延伸がかからなくなり、強度が低下する現象が生
じる。
【0018】以上のようにして決定された本発明の溶剤
を用いて紡出した三次元網状繊維は、強度が高く、開繊
性に優れたもので、良好な不織布シートにできるもので
あった。本発明で用いる塩化メチレン、1,1−ジクロ
ロ−2,2,3,3,3−ペンタフロロプロパン、1,
3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロ
パンは、いずれもフラッシュ紡糸条件下では、比較的高
い熱安定性を示すが、熱安定性を最高度に高めるために
は、溶剤中に含まれる酸分、水分はできるだけ少なくす
ることが好ましい。このような不純物の濃度は、一般的
には50ppm以下、好ましくは、20ppm、更に好
ましくは10ppm以下である。
【0019】ちなみに、1,1−ジクロロ−2,2,
3,3,3−ペンタフロロプロパン、1,3−ジクロロ
−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパンは、各々
単独、あるいは任意の混合比率であっても実験結果は、
50/50重量%混合物と大差はない。しかし、1,3
−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロパ
ンの方が、毒性が小さいという報告があり、毒性を考え
ると1,3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフ
ロロプロパンの比率を高める方がより好ましい。
【0020】本発明のポリオレフィン溶液におけるポリ
オレフィンの割合は、5〜25重量%である。この範囲
において、開繊性に優れ、その上強度も高いポリオレフ
ィンの三次元繊維が容易に製造できる。5重量%以下で
は、パルプ状または強度の低い糸になり、25重量%以
上では、糸の開繊性が低くなっていずれの場合にも好ま
しくはない。より好ましくは、10〜20重量%であ
る。
【0021】ポリオレフィンとしては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリメチルペンテン−1等がある。ポ
リエチレンは、高密度ポリエチレンが最も好ましく、密
度で言えば、0.94g/cm3 以上である。更に、共
重合成分は、15重量%以下で、前記の密度を維持する
ものが好ましい。ポリプロピレンは、約85重量%以上
アイソタクティックポリプロピレンを含有するものが好
ましく、約15重量%以下のその他のポリプロピレンま
たは、エチレン、ブテン等の共重合成分が含まれていて
もよい。更に、通常知られているポリマー添加剤、光安
定剤、滑剤、核剤、架橋剤、可塑剤及び充填剤等がポリ
マーに含まれていてもよい。
【0022】本発明に用いる装置は、溶解調整装置及び
減圧オリフィス、減圧室、紡糸口金からなる紡糸装置を
備えていればよい。その先に三次元繊維を開繊、分散さ
せる装置、開繊、分散した三次元繊維をシート上にする
移動コンベア装置、更に、できたシートを巻取る巻取り
機がある。シート形成部は密閉ボックス内に収納され、
ボックス内の溶剤ガスは回収される。溶液調整装置は、
オートクレーブ装置でもよいし、押出機でもよい。ある
いは、従来公知の装置を用いることもできる。
【0023】
【実施例】以下の実施例をもって、本発明の内容を説明
する。この実施例は、本発明の内容を具体的に説明する
ためのものであり、本発明の特許請求の範囲を限定する
ものではない。尚、以下の実施例では、1,1−ジクロ
ロ−2,2,3,3,3−ペンタフロロプロパン、1,
3−ジクロロ−1,2,2,3,3−ペンタフロロプロ
パンの50/50重量%混合物(HCFC−225と略
記する)を用いた。
【0024】
【実施例1】メルトインデックスが0.78の高密度ポ
リエチレン81.7g、塩化メチレン/HCFC−22
5(40/60重量%)の混合溶媒481gをオートク
レーブに仕込んで、(ポリマー濃度14.5重量%)プ
ロペラ型攪はん機を回転させながらオートクレーブを加
熱し、高密度ポリエチレンを溶解した。溶液を更に加熱
し、溶液圧力を上昇させ、ポリマーを全量溶解させた。
溶解後は、溶液圧力が300kg/cm2 を越えないよ
うに、オートクレーブ下部の放出ノズルから溶液を排出
し圧力を200〜300kg/cm2 に保った。溶液の
温度が200℃になった時点で、溶液を排出し、紡糸す
る際に加圧する160kg/cm2 よりも10kg/c
2 低い圧力とした後、溶液温度を所定の200℃に合
わせオートクレーブ上部の窒素ガス導入バルブを開け、
160kg/cm2 の加圧を行い、すばやくオートクレ
ーブ下部の排出バルブを開けた。次いで、溶液を減圧オ
リフィス(径0.65mm、長さ5mm)を通過させて
減圧室(径8mm、長さ40mm)に導き、紡口口金
(減圧室からノズルへの導入角度60°、ノズル径0.
5mm、長さ0.5mm、ノズルを中心として外側に
3.3mmφ、深さ3mmの円形の溝を有する。)を通
過させ、大気中に放出した。開繊糸は紡糸口金から約2
0〜40mm離れた位置で約45°傾けた塩化ビニル板
に当てて作った。開繊状態の開繊糸を10メッシュの金
網で受けて採取した。
【0025】得られた繊維は、未開繊糸で繊度94d、
引っ張り強さ6.4g/d、引っ張り伸び32%、比表
面積35m2 /g、開繊糸で繊度96d、引っ張り強さ
6.5g/d、引っ張り伸び32%、繊維幅3.5〜6
cmで形態のよい網状繊維であった。
【0026】
【比較例1】溶媒として、塩化メチレン/HCFC−2
25(25/75重量%)を用いて、実施例1を繰り返
した。この場合、粉状のポリマーくずが繊維と共に、飛
び散る現象が認められた。得られた繊維は、未開繊糸で
繊度99d、引っ張り強さ3.4g/d、引っ張り伸び
27%、比表面積21.2m2 /gで、低物性であっ
た。
【0027】また、この溶媒を用いて、ポリマー濃度が
12.5重量%なるように実施例1の高密度ポリエチレ
ンを混合させて、溶解テストを行った。230℃、40
0kg/cm2 まで温度、圧力を上昇させたが、均一の
溶液を作ることができなかった。紡糸実験で、粉状のポ
リマーくずが生成するのは、溶液が不均一であるからだ
と思われる。
【0028】
【比較例2】溶媒として、塩化メチレン/HCFC−2
25(60/40重量%)を用いて、実施例1を繰り返
した。得られた繊維は、未開繊糸で繊度76d、引っ張
り強さ3.0g/d、引っ張り伸び45%、比表面積1
9.6m2 /gで、低物性であった。また、得られた繊
維は、塩化メチレンで少し漏れていた。
【0029】
【実施例2】溶剤組成のみを変化させて、実施例1のポ
リマー及びポリマー濃度を固定したまま、実施例1の紡
糸装置を用い網状繊維を製造した。塩化メチレン/HC
FC−225の重量%が、35/65では、強度6.3
g/d、50/50では、6.1g/dの網状繊維が得
られた。これらの網状繊維は、いずれも良い開繊性を示
した。
【0030】
【比較例3】溶剤は、トリクロロフロロメタンを用い、
ポリマー濃度12.5重量%にて実施例1を繰り返し
た。得られた繊維は、未開繊糸で繊度99d、引っ張り
強さ5.4g/d、引っ張り伸び27%、比表面積2
1.2m2 /gであった。
【0031】
【発明の効果】本発明を用いることにより、オゾン層を
破壊することなく、トリクロロフロロメタンを用いた場
合と同等、もしくはそれ以上の強度、開繊性を有する社
会的に有用な三次元網状繊維が得られる。本発明を活用
すれば、従来公知のトリクロロメタンを代替し得る溶剤
を用いたフラッシュ紡糸法に比べて格段に開繊性に優
れ、その上強度も高いポリオレフィンの三次元網状繊維
が、常に安定した生産性を保ち、容易に製造できる。こ
の工業的意義は、計り知れない程の大きな価値を持つ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D04H 5/02 7199−3B

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温高圧で調整したポリオレフィン溶液
    を、減圧オリフィス、減圧室、紡口口金を通過させ、常
    温常圧域に放出して、フィブリル化したポリオレフィン
    の三次元繊維を製造する方法において、塩化メチレン
    と、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフ
    ロロプロパンまたは/および1,3−ジクロロ−1,
    2,2,3,3−ペンタフロロプロパンからなる混合溶
    媒を用い、該混合溶媒における塩化メチレンの割合が、
    30〜55重量%であって、該ポリオレフィン溶液にお
    けるポリオレフィンの割合が5〜25重量%であること
    を特徴とする改良したポリオレフィン三次元網状繊維の
    製法。
JP4243281A 1992-09-11 1992-09-11 三次元網状繊維の製法 Withdrawn JPH06101113A (ja)

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