JPH06100509A - シクロペンテノン化合物及び該化合物を有効成分とする脳機能改善薬 - Google Patents

シクロペンテノン化合物及び該化合物を有効成分とする脳機能改善薬

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JPH06100509A
JPH06100509A JP4273520A JP27352092A JPH06100509A JP H06100509 A JPH06100509 A JP H06100509A JP 4273520 A JP4273520 A JP 4273520A JP 27352092 A JP27352092 A JP 27352092A JP H06100509 A JPH06100509 A JP H06100509A
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真嗣 稲
Jun Kojima
純 小嶋
Kenshirou Yamana
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な脳機能改善剤、特に脳卒中後遺症の治
療薬を提供する。 【構成】 化1[式(I)] 【化1】 (式中、R1は水素原子、臭素原子、塩素原子又は、モル
ホリノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルア
ミノメチル基又は1−ピロリジニルメチル基等の二置換
アミノメチル基を表し、R2はフッソ原子、塩素原子又
はニトロ基が1個又は2個結合したフェニル基、又は化
2[式(II)] 【化2】 (式中、R3は水素原子、フェニル基又はピリジル基を
表し、R4は水素原子、フッソ原子、塩素原子又はジメ
チルアミノ基を表す。)で表されるフェニルメチル基を
表す。)で表されるシクロペンテノン化合物及び該化合
物を有効成分とする脳機能改善薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なシクロペンテノン
化合物及び該化合物を有効成分とする脳機能改善薬、特
に脳卒中後遺症の治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に係る後記式(I)で表されるシ
クロペンテノン化合物に類似した化合物は、特開昭62
−33140号公報等に記載されている。これらの化合
物は一級又は二級アミン官能基を有する薬剤(ネチルド
ーパ、ペニシラミン等)の前駆薬として有用であること
が記載されている。しかしながら、これらの化合物の脳
機能改善作用については全く知られていないし、示唆さ
えされていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、シクロ
ペンタンジオン類を原料として多くの化合物を合成し、
これらの化合物につき種々検討を重ねた結果、式(I)
で表されるシクロペンテノン化合物が公知の脳機能改善
作用を示す薬剤とは化学構造的に異なるにも拘らず優れ
た脳機能改善作用を有するとの知見を得、本発明を完成
するに至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は化3[式
(I)]
【0005】
【化3】
【0006】(式中、R1は水素原子、臭素原子、塩素原
子、又はモルホリノメチル基、ジメチルアミノメチル
基、ジエチルアミノメチル基、1−ピロリジニルメチル
基等の二置換アミノメチル基を表し、R2はフッソ原
子、塩素原子又はニトロ基が1個又は2個結合した置換
フェニル基、又は化4[式(II)]
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R3は水素原子、フェニル基又は
ピリジル基を表し、R4は水素原子、フッソ原子、塩素
原子又はジメチルアミノ基を表す。)で表されるフェニ
ルメチル基を表す。)で表されるシクロペンテノン化合
物、及び該化合物を有効成分とする脳機能改善薬に関す
る。
【0009】本発明の脳機能改善薬として好ましい化合
物を、式(I)の各置換基で示すと、R1としては水素
原子又はモルホリノメチル基、ジエチルアミノメチル基
等の二置換アミノメチル基を挙げることができ、R2
しては2−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニ
ル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル基2−ニトロ
フェニル基又は式(II)のR3が水素原子又はフェニル
基を示し、R4が水素原子である式(II)で表わされる
フェニルメチル基を挙げることができる。従って、本発
明では前記の各置換基の条件を複数以上満たす化合物が
更に好ましい化合物となる。
【0010】以下に、好ましい化合物の具体例を示す。 (化合物1) 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2
−シクロペンテン−1−オン (化合物3) 3−(2−クロロアニリノ)−2−シク
ロペンテン−1−オン (化合物5) 3−(2−クロロ−4−フルオロアニリ
ノ)−2−シクロペンテン−1−オン (化合物9) 3−(ベンズヒドリルアミノ)−2−シ
クロペンテン−1−オン (化合物14) 2−クロロ−3−(2,3−ジクロロ
アニリノ)−2−シクロペンテン−1−オン (化合物15) 2−ブロモ−3−(2,3−ジクロロ
アニリノ)−2−シクロペンテン−1−オン (化合物16) 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−
2−モルホリノメチル−2−シクロペンテン−1−オン (化合物18) 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−
2−[(ジエチルアミノ)メチル]−2−シクロペンテ
ン−1−オン
【0011】本発明によって提供される式(I)で示さ
れるシクロペンテノン化合物の内R1が水素原子である
化合物は以下の方法に従って製造することができる。即
ち、化5の式(III)で示される1,3−シクロペンタ
ンジオンと式(IV)で示されるアミン類を出発原料とし
て反応させることにより、式(I)で示されるシクロペ
ンテノン化合物を製造することができる。
【0012】
【化5】
【0013】(式(IV)のR2は式(I)のそれと同じ
意味を表す。)以下、製造方法を詳細に述べると、式
(IV)で示される化合物の使用量は、式(III)で示さ
れる化合物1モルに対し、通常1モル以上であればよ
く、その上限に特に限定はないが、一般的に約1−3モ
ル程度、さらには約1−1.5モル程度が実用上望まし
い。本反応は通常溶媒中で行なわれ、この溶媒としては
本反応を阻害しない溶媒であればいかなるものでもよ
く、例えば芳香族炭化水素類(例、ベンゼン、トルエ
ン、キシレンなど)、エーテル類(例、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなど)、アルコール類(例、エタノー
ル、プロパノール、イソプロパノールなど)などがあげ
られる。反応温度、時間などの反応条件は特に限定はな
いが、室温から反応に用いられる溶媒の沸点附近の温度
で1−6時間程度反応を行なうのが一般的である。更に
好ましい製造方法としては、式(IV)の化合物と式(II
I)の化合物をベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水
素溶媒に溶解し、パラトルエンスルホン酸を触媒として
加え、生成する水を共沸除去しながら還流する方法(パ
ラトルエンスルホン酸法)が挙げられる。
【0014】本発明では、式(I)で表される化合物の
内、R1がハロゲン原子で表わされる化合物は、上記方
法で得られたR1が水素原子で表される化合物にN−ク
ロロスクシンイミド等のN−ハロゲン化イミド等を反応
させることにより製造することができる。また、R1
二置換アミノメチル基で表される化合物は、R1が水素
原子で表される化合物にジメチルアミン、モルホリン等
の二級アミンとホルムアルデヒドを反応させることによ
り製造することができる。かくして得られた式(I)の
化合物は公知の処理手段(例えば、抽出、蒸留、再結
晶、クロマトグラフィーなど)によって単離、精製する
ことができる。
【0015】本発明に係る化合物は、シアン化カリウム
(KCN)致死に対する生存時間の延長を示し、かつ脳
虚血に対しても有効な効果を示すことから、脳虚血改善
薬、特に脳卒中後遺症の治療薬として有用である。
【0016】本発明に係る化合物を脳機能改善薬として
使用する場合には、経口又は非経口などの適当な投与方
法により投与することができる。経口投与用の形態とし
ては、例えば錠剤、顆粒、カプセル剤、丸剤、散剤など
が、また、非経口投与用の形態としては、例えば、注射
剤、座剤、液剤などが挙げられる。これら医薬投与用組
成物の製剤化に際しては、本発明の化合物(場合により
その塩)を常法に従い調製することができる。
【0017】例えば、経口剤の場合には乳糖、ブドウ
糖、コーンスターチ、ショ糖などの賦形剤、カルボキシ
メチルセルロースカルシウム、ヒドロキシプロピルセル
ロースなどの崩壊剤、ステアリン酸カルシウム、ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、硬化油などの滑沢剤、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ポリビニルアルコール、ゼラチン、
アラビアゴムなどの結合剤、グリセリン、エチレングリ
コールなどの湿潤剤、その他必要に応じて界面活性剤、
矯味剤などを使用して所望の投与剤型に調製することが
できる。
【0018】また、非経口剤の場合には、水、エタノー
ル、グリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレン
グリコール、寒天、トラガラントガム、などの希釈剤を
用い、必要に応じて溶解補助剤、緩衝剤、保存剤、香
料、着色剤などを用いて調製することができる。
【0019】本発明の化合物を脳機能改善剤として処方
する場合、その投与単位は本発明化合物として、成人一
人当たり、経口投与の場合、1日5〜500mg、好まし
くは5〜50mg、非経口投与の場合、1日1〜100m
g、好ましくは1〜10mgの範囲で投与され、それぞれ
1日1〜3回の分割投与により所望の治療効果が期待で
きる。
【0020】
【実施例】次に本発明に係る化合物の合成例、製剤例、
試験例を実施例として示す。 (合成例)
【0021】実施例1 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−シクロペンテ
ン−1−オン(化合物1)の合成 2,3−ジクロロアニリン 2.00g(12.34ミリモ
ル)、1,3−シクロペンタンジオン 1.25g(12.34
ミリモル)及びパラトルエンスルホン酸0.20gをベン
ゼン80mlに溶解し、ディーンスターク管で水分を共沸
除去しながら4時間還流する。反応後、反応液を飽和炭
酸ソーダ水にて洗浄し、芒硝で乾燥し、溶媒を留去して
結晶を得る。この結晶をベンゼン溶媒で再結晶を行ない
目的化合物の黄色粉状結晶 2.69g(収率90%)を
得た。 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.41−2.55(2H,m), 2.73−2.89
(2H,m), 5.50(1H,s), 7.04(1
H,br), 7.16−7.38(3H,m) 融点:189.0−190.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3205,1645,1595,1565,1530,
1420,1290,1195,1185
【0022】実施例2〜13 実施例1とほぼ同様にして、以下の化合物を合成した。
収率及びNMR等の分析値を以下に示す。
【0023】実施例2 3−(2−フルオロアニリノ)−2−シクロペンテン−
1−オン(化合物2)の合成 収率 88% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3+CD3OD) 2.40−2.53(2H,m), 2.73−2.86
(2H,m), 5.48(1H,s), 7.03−7.
43(4H,m) 融点:231.0−231.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3250,3020,1640,1570,1545,
1535,1490,1460,1425,1195,
1100
【0024】実施例3 3−(2−クロロアニリノ)−2−シクロペンテン−1
−オン(化合物3)の合成 収率 78% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.42−2.55(2H,m), 2.75−2.88
(2H,m), 5.64(1H,s), 6.69(1
H,br), 7.01−7.47(4H,m) 融点:168.5−170.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3230,3060,1640,1595,1560,
1550,1430,1290,1190
【0025】実施例4 3−(2,4−ジクロロアニリノ)−2−シクロペンテ
ン−1−オン(化合物4)の合成 収率 88% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.42−2.57(2H,m), 2.76−2.88
(2H,m), 5.58(1H,s), 6.64(1
H,br), 7.20−7.45(3H,m) 融点:209.0−209.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3220,3030,1640,1585,1560,
1530,1475,1425,1385,1295,
1190
【0026】実施例5 3−(2−クロロ−4−フルオロアニリノ)−2−シク
ロペンテン−1−オン(化合物5)の合成 収率 64% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.48−2.51(2H,m), 2.79−2.82
(2H,m), 5.48(1H,s), 6.70(1
H,br), 7.04(1H,ddd,J=9.28,
7.81,2.93Hz), 7.21(1H,dd,J=
7.81,2.93Hz), 7.38(1H,dd,J=
9.28,5.37Hz) 融点:153.5−155.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3230,3025,1655,1580,1550,
1495,1295,1185
【0027】実施例6 3−(2−ニトロアニリノ)−2−シクロペンテン−1
−オン(化合物6)の合成 収率 45% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.51−2.53(2H,m), 2.87−2.89
(2H,m), 5.89(1H,s), 7.20(1
H,ddd,J=8.30,6.84,1.47Hz),
7.62−7.67(2H,m), 8.23(1H,d
d,J=8.30,0.98Hz), 9.41(1H,b
r) 融点:206.0−207.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3270,1650,1575,1500,1430,
1275
【0028】実施例7 3−(ベンジルアミノ)−2−シクロペンテン−1−オ
ン(化合物7)の合成収率 90% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.33−2.47(2H,m), 2.55−2.72
(2H,m), 4.32(2H,d,J=5.5Hz),
5.12(1H,s), 4.90−5.30(1H,
br), 7.20−7.40(5H,m) 融点:145.5−146.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3200,3040,1640,1570,1550,
1460,1450,1435,1270,1200,
1070
【0029】実施例8 3−[(2−フルオロベンジル)アミノ]−2−シクロ
ペンテン−1−オン(化合物8)の合成 収率 66% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.37−2.39(2H,m), 2.59−2.62
(2H,m), 4.37(2H,d,J=5.37H
z), 5.11(1H,s), 5.70(1H,b
r), 7.05−7.14(2H,m), 7.29−
7.33(2H,m) 融点:135.0−136.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3230,3050,1645,1560,1485,
1450,1190
【0030】実施例9 3−(ベンズヒドリルアミノ)−2−シクロペンテン−
1−オン(化合物9)の合成 収率 87% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.35−2.38(2H,m), 2.63−2.65
(2H,m), 4.89(1H,s), 5.50(1
H,br), 5.53(1H,s), 7.24−7.
36(10H,m) 融点:218.5−219.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3220,3030,1640,1550,1530,
1430,1270,1210,1195
【0031】実施例10 (±)−3−[[α−(2−クロロフェニル)フェニル
メチル]アミノ]−2−シクロペンテン−1−オン(化
合物10)の合成 収率 86% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.34−2.37(2H,m), 2.62−2.65
(2H,m), 4.87(1H,s), 5.57(1
H,br), 5.93(1H,s), 7.23−7.
40(9H,m) 融点:182.5−183.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3210,3040,1650,1550,1270,
1210
【0032】実施例11 (±)−3−[[α−(4−ジメチルアミノフェニル)
フェニルメチル]アミノ]−2−シクロペンテン−1−
オン(化合物11)の合成 収率 77% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.37−2.39(2H,m), 2.62−2.64
(2H,m), 2.94(6H,s), 4.91(1
H,s), 5.29(1H,br), 5.46(1
H,d,J=4.39Hz), 6.67(2H,d,J=
8.79Hz),7.08(2H,d,J=8.79Hz),
7.24−7.35(5H,m) 融点:215.5−216.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3200,3030,1640,1615,1525,
1420,1360,1275,1205,1190,
1055
【0033】実施例12 (±)−3−[(フェニル−2−ピリジルメチル)アミ
ノ]−2−シクロペンテン−1−オン(化合物12)の
合成 収率 76% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.36−2.39(2H,m), 2.71−2.73
(2H,m), 4.96(1H,s), 5.48(1
H,d,J=4.88Hz), 7.18−7.35(7
H,m), 7.37(1H,br), 7.64(1
H,ddd,J=7.82,7.82,1.47Hz),
8.58(1H,d,J=4.88Hz) 融点:160.0−160.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3200,3020,1600,1580,1565,
1550,1435,1195
【0034】実施例13 (±)−3−[(フェニル−3−ピリジルメチル)アミ
ノ]−2−シクロペンテン−1−オン(化合物13)の
合成 収率 77% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.36−2.39(2H,m), 2.64−2.67
(2H,m), 4.88(1H,s), 5.57(1
H,d,J=4.88Hz), 5.62(1H,br),
7.24−7.40(6H,m), 7.55(1H,
ddd,J=7.81,1.95,1.95Hz), 8.5
3−8.55(2H,m) 融点:175.5−176.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3215,3030,1640,1575,1550,
1430,1270,1200,1190
【0035】実施例14 2−クロロ−3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−
シクロペンテン−1−オン(化合物14)の合成 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−シクロペンテ
ン−1−オン(化合物1)0.50g(2.07ミリモル)
を溶解したエタノールと水9対1の混合溶媒6mlにN−
クロロスクシンイミド0.30g(2.19ミリモル)を加
え、室温にて26時間攪拌反応する。溶媒を減圧留去
し、得られた残渣をジクロロメタンに溶解し、これを水
で洗浄し、芒硝で乾燥し、溶媒を留去して結晶を得る。
この結晶をエタノール溶媒で再結晶を行ない目的化合物
の淡褐色粉状結晶0.31g(収率54%)を得た。 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.56−2.58(2H,m), 2.85−2.87
(2H,m), 7.23−7.37(4H,m) 融点:238.5−240.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3180,3000,1660,1590,1565,
1425,1295
【0036】実施例15 2−ブロモ−3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−
シクロペンテン−1−オン(化合物15)の合成 N−クロロスクシンイミドの代わりにN−ブロモスクシ
ンイミドを用いる以外は実施例14とほぼ同様にして合
成した。収率及びNMR等の分析値を以下に示す。 収率 82% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.60−2.62(2H,m), 2.85−2.88
(2H,m), 7.24−7.38(3H,m),
7.43(1H,br) 融点:207.0−208.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 3180,3020,1640,1590,1560,
1430,1280
【0037】実施例16 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−(モルホリノ
メチル)−2−シクロペンテン−1−オン(化合物1
6)の合成 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−シクロペンテ
ン−1−オン(化合物1)0.50g (2.07ミリモル)
をメタノール 2mlに溶解し、これに37%(W/V)ホルム
アルデヒド水溶液74mg(2.48ミリモル)およびモル
ホリン 0.20g(2.27ミリモル)を加え、6時間還流
する。減圧下に反応溶媒を留去し、残留物を水に溶解し
た後、メチレンクロライドで抽出する。抽出液を芒硝に
て乾燥し、溶媒を減圧留去し黄色結晶状の残渣を得る。
この残渣を酢酸エチル溶媒にて再結晶を行い、目的化合
物の淡黄色粉状結晶0.42g(収率59.7%)を得
た。 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.46−2.51(6H,m), 2.81−2.83
(2H,m), 3.35(2H,s), 3.75−
3.77(4H,m), 7.16−7.30(3H,
m), 9.86(1H,br) 融点:169.5−171.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 1675,1605,1580,1415,1250,
1115
【0038】実施例17〜19 実施例16とほぼ同様にして、以下の化合物を合成し
た。収率及びNMR等の分析値を以下に示す。
【0039】実施例17 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−[(1−ピロ
リジニル)メチル]−2−シクロペンテン−1−オン
(化合物17)の合成 収率 57% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 1.83(4H,br), 2.45−2.47(2H,
m), 2.58(4H,br), 2.82−2.83
(2H,m), 3.47(2H,s), 4.00(1
H,br), 7.15−7.26(3H,m) 融点:266.5−268.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 2800,1605,1580,1490,1440,
1415,1350,1290
【0040】実施例18 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−[(ジエチル
アミノ)メチル]−2−シクロペンテン−1−オン(化
合物18)の合成 収率 38% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 1.07(6H,t,J=7.32Hz), 2.45−2.
47(2H,m),2.58(4H,q,J=7.32H
z), 2.82−2.85(2H,m), 3.41(2
H,s), 7.17−7.23(3H,m) 融点:257.0−257.5℃ IRνmaxcm-1(KBr) 2820,1605,1580,1495,1415,
1395,1385,1330,1295,1235
【0041】実施例19 3−(2,3−ジクロロアニリノ)−2−[(ジメチル
アミノ)メチル]−2−シクロペンテン−1−オン(化
合物19)の合成 収率 87% 分析値 H−NMR(PPM,CDCl3) 2.28(6H,s), 2.45−2.48(2H,
m), 2.82−2.84(2H,m), 3.30
(2H,s), 7.17−7.23(3H,m)融点:
267.5−269.0℃ IRνmaxcm-1(KBr) 2820,1595,1580,1430,1410,
1395,1330,1290
【0042】(製剤例) 実施例20(錠剤の調製) 本発明化合物(化合物1) 250g 乳糖 620g コーンスターチ 400g ヒドロキシプロピルセルロース 20g ステアリン酸マグネシウム 10g 上記の本発明化合物、乳糖及びコーンスターチを均一に
なるまで混合した後、ヒドロキシプロピルセルロースの
5W/V%エタノール溶液を加えて練合、顆粒化する。1
6メッシュの篩に通し整粒した後、常法により打錠し、
1錠当りの重量130mg、直径7mm、主薬含量25mgの
錠剤とした。
【0043】(試験例) 試験例1 シアン化カリウム(KCN)投与後の生存時間に対する
作用 試験方法:ddY系雄性マウス(5週齢、一群10匹)
にKCN3.0mg/kgを5秒間に尾静脈内投与し、呼吸
停止までの時間(生存時間)を測定した。被験化合物は
生理食塩水に溶解し、溶解不可能なものは0.5%ツイ
ーン80(Tween80)で懸濁して、50mg/kg(但し、
化合物17は10mg/kg)を容量として10ml/kgの割
合で実験開始30分前に腹腔内投与した。なお、対照に
は生理食塩水を10ml/kgの割合で実験開始30分前に
腹腔内投与した。
【0044】試験結果:以下に示した。 対照群の平均生存時間(50秒)を100%として、各
被験化合物の延命率(%)を算出した。 被験化合物 延命率(%) 対照 100 化合物1 187 化合物2 137 化合物3 143 化合物5 147 化合物6 129 化合物7 143 化合物8 120 化合物9 212 化合物12 132 化合物14 153 化合物17 127 化合物18 183 化合物19 137
【0045】試験例2 抗脳虚血試験 試験方法:戸部らの方法(日本薬理学雑誌81卷421
−429頁、1983年)に準じ、ddY系雄性マウス
(体重24−27g、対照群12匹、被験化合物群8−
11匹)に生理食塩水又は被験化合物50mg/kgを腹腔
内に投与し、投与30分後に断頭した。断頭後、頭部の
ガスピング(gasping)様呼吸が停止するまでの
時間(生存時間)を測定した。
【0046】試験結果:以下に示した。 対照群の平均生存時間(18秒)を100%として、各
被験化合物の延命率(%)を算出した。 被験化合物 gasping持続時間(%) 対照 100 化合物1 127 化合物4 116 化合物6 123 化合物7 115 化合物8 113 化合物10 113 化合物11 120 化合物13 110 化合物15 131 化合物16 143
【0047】試験例3(急性毒性) 試験方法:ddY系雄性マウス(7−8週齢,2〜3
匹)を用いた。被験化合物は生理食塩水に溶解し溶解不
可能なものは0.5%カルボキシメチルセルロース(C
MC)で懸濁して、10ml/kgの割合で腹腔内に投与し
た。動物の生死は投与後3日まで観察を行なった。試験
結果(死亡例/実験例)を表1に示した。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】本発明化合物は強い低酸素障害及び脳虚
血に対する改善作用を有し、脳卒中などにより発生する
脳障害に対して脳機能改善作用をしめす。また、本発明
化合物の毒性は低く、経口及び非経口投与のどちらにお
いても効果を示すことから、人に使用するための医療用
薬剤としても 有用である。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化1[式(I)] 【化1】 (式中、R1は水素原子、臭素原子、塩素原子又は二置換
    アミノメチル基を表し、R2はフッソ原子、塩素原子又
    はニトロ基が1個又は2個結合した置換フェニル基、又
    は化2[式(II)] 【化2】 (式中、R3は水素原子、フェニル基又はピリジル基を
    表し、R4は水素原子、フッソ原子、塩素原子又はジメ
    チルアミノ基を表す。)で表されるフェニルメチル基を
    表す。)で表されるシクロペンテノン化合物。
  2. 【請求項2】R1が水素原子である請求項1記載のシク
    ロペンテノン化合物。
  3. 【請求項3】R1が二置換アミノメチル基である請求項
    1記載のシクロペンテノン化合物。
  4. 【請求項4】二置換アミノメチル基がモルホリノメチル
    基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノメチル基
    又は1ーピロリジニルメチル基である請求項3記載のシ
    クロペンテノン化合物。
  5. 【請求項5】二置換アミノメチル基がモルホリノメチル
    基又はジエチルアミノメチル基である請求項3記載のシ
    クロペンテノン化合物。
  6. 【請求項6】R1が臭素原子又は塩素原子である請求項
    1記載のシクロペンテノン化合物。
  7. 【請求項7】R2が2−クロロフェニル基、2,3−ジ
    クロロフェニル基、2−クロロ−4−フルオロフェニル
    基又は2−ニトロフェニル基である請求項1記載のシク
    ロペンテノン化合物。
  8. 【請求項8】R2が式(II)で表される基を表し、かつ
    3が水素原子又はフェニル基を表し、R4が水素原子で
    ある請求項1記載のシクロペンテノン化合物。
  9. 【請求項9】R2が2,3−ジクロロフェニル基である
    請求項2又は請求項4記載のシクロペンテノン化合物。
  10. 【請求項10】請求項1記載の化合物を有効成分とする
    脳機能改善薬。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1998058901A1 (fr) * 1997-06-24 1998-12-30 Nikken Chemicals Co., Ltd. Derives de la 3-anilino-2-cycloalcenone
JP2020158412A (ja) * 2019-03-25 2020-10-01 キリンホールディングス株式会社 認知機能改善用組成物

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WO1998058901A1 (fr) * 1997-06-24 1998-12-30 Nikken Chemicals Co., Ltd. Derives de la 3-anilino-2-cycloalcenone
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