JPH06100333B2 - 燃焼機器の炎検知回路 - Google Patents

燃焼機器の炎検知回路

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JPH06100333B2
JPH06100333B2 JP3936089A JP3936089A JPH06100333B2 JP H06100333 B2 JPH06100333 B2 JP H06100333B2 JP 3936089 A JP3936089 A JP 3936089A JP 3936089 A JP3936089 A JP 3936089A JP H06100333 B2 JPH06100333 B2 JP H06100333B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はガス用小型湯沸器等の給湯機器あるいはガスス
トーブ等の暖房機器などの燃焼機器において、燃焼炎の
着火あるいは失火等の燃焼状態を検知する炎検知回路に
関する。
[従来の技術] かかる燃焼機器においては、燃焼炎の着火、失火等を検
知する炎検知は燃焼制御を行なう上で不可欠な要素であ
り、従来から光検出法、フレームイオン検出法、温度検
出法などの多種類の方法が知られている。このうち熱電
対を使用した温度検出法は広く一般に普及している。
この熱電対温度検出法は低コストで信頼性が高い方法で
あるが、熱時定数が大きいため、応答時間が長いという
問題点がある。例えば現在、熱電対の熱起電力を使用し
てマグネットバルブを駆動する方法では、瞬間吸着させ
るため、機器内に電池を備え、運転スイッチを押すと自
己保持回路が働いてこの電池から一定時間マグネットバ
ルブに電流を流すようにしており、それにより熱電対自
身の熱起電力でマグネットバルブを作動できるようにな
るまでの熱起電力の立上がりの遅さを補っている。
かかる問題点をなくして迅速に炎の着火や失火の状態を
検知する方法として、微分検出法が知られており、例え
ば特公昭53−46291号公報、特公昭53−46292号公報、特
公昭57−35378号公報等に開示されている。この微分検
出法は、熱電対温度センサの検出出力信号の時間微分値
を検出し、これが上昇勾配である場合には着火状態、下
降勾配である場合には失火状態と判定するものである。
[発明が解決しようとする課題] 上述の温度検出法では、例えば燃焼機器に着火直後では
温度センサからの出力は不安定であり、単に温度センサ
出力の上昇あるいは下降勾配を検知しただけでは炎の燃
焼状態を的確に把握できない。同じことは燃焼機器が定
常燃焼状態に至ったときにもいえ、この定常燃焼状態で
は周囲温度の変化や燃焼機器に吹き込む風等の周囲環境
の影響で温度センサの出力は揺らいでおり、この揺らぎ
における下降勾配によって実際に着火状態にあるにもか
かわらず失火と判定するなどの誤検知が生じる。
したがって本発明の目的は、かかる不安定領域における
燃焼状態の誤検知を防止することにある。
[課題を解決するための手段] 上述の課題を解決するために、本発明に係る炎検知回路
は、燃焼炎の温度を熱電対を用いて検出する熱電対セン
サと、熱電対センサの検知温度信号の時間微分値をCR充
電時定数を用いて検知する微分検知回路とを備え、微分
検知回路の検知出力によって燃焼炎の燃焼状態を検知す
るように構成された燃焼機器の炎検知回路において、熱
電対センサの検知温度信号が所定の最低限レベル以下で
あることを検知する最低限レベル検知回路と、熱電対セ
ンサの検知温度信号が定常燃焼レベル以上であることを
検知する定常燃焼レベル検知回路と、最低限レベル以下
と定常燃焼レベル以上の領域で該微分検知回路による燃
焼状態の検知を禁止する禁止回路とを備えたものであ
る。
[作用] 熱電対センサの検出温度信号が最低限レベル以下と定常
燃焼レベル以上の領域にあることは、最低限レベル検知
回路と定常燃焼レベル検知回路によってそれぞれ検知さ
れる。そしてこの領域では、検出温度信号の上昇、下降
が不安定となるおそれがあるので、禁止回路によりその
領域内での熱電対センサによる燃焼状態の検知動作を禁
止して、誤検知が生じることを防止する。
[実施例] 以下、図面を参照しつつ本発明の実施例を説明する。
本発明の一実施例としての燃焼機器の炎検知回路を第1
図に示す。この実施例はガス用小型湯沸器に本発明の炎
検知回路を適用したものである。第1図において、1は
熱電対であり、湯沸器の燃焼炎の温度を検知するように
配設されており、燃焼炎によって熱せられて熱起電力を
発生する。この熱電対1はその正極側が接地され、負極
側が炎増幅器3に入力される。
炎増幅器3は抵抗器R1〜R3、キャパシタC2、演算増幅器
31を含み構成される反転増幅器である。この炎増幅器3
からの出力信号は、微分検知回路4、最低限レベル検知
回路5、定常燃焼レベル検知回路6にそれぞれ入力され
る。
微分検知回路4は抵抗器R4〜R6、キャパシタC3、演算増
幅器41を含み構成されており、炎増幅器3からの出力信
号を抵抗器R4とキャパシタC3を介して接地し、抵抗器R4
の両端電圧を抵抗器R5を介して演算増幅器からなる比較
器41に入力させるようになっている。
ここで比較器41の反転入力端子は抵抗器R4の炎増幅器3
側に、非反転入力端子はキャパシタC3側に接続されてお
り、それにより比較器41は抵抗器R4の両端電圧の極性を
検知することができる。この比較器41は後述する比較器
51、61と同様にオープンコレクタ形のものである。した
がって比較器41の出力信号は抵抗器R4を介してキャパシ
タC3を充電するときに“L"となり、放電するときには電
源電圧Vccに引っ張られて“H"となる。
最低限レベル検知回路5は炎増幅器3からの出力信号が
所定の最低限レベル電圧VLより高いか低いかを検知する
回路であり、キャパシタC4、C7、抵抗器R8、演算増幅器
からなる比較器51を含み構成されている。比較器51の非
反転入力端子には炎増幅器3からの出力信号が入力さ
れ、反転入力端子には基準電圧発生回路9から最低限レ
ベル電圧VLが入力される。この最低限レベル電圧VLは熱
電対1の熱起電力が揺らぎなく安定的に上昇し始めたこ
とを判定するためのしきい値である。この最低限レベル
検知回路5の出力は炎増幅器3の出力信号が最低限レベ
ル電圧VL以下のときに“L"、それ以上のときに“H"とな
る。
定常燃焼レベル検知回路6は抵抗器R9、キャパシタC6、
演算増幅器からなる比較器61を含み構成される。この比
較器61の反転入力端子には炎増幅器3の出力信号が入力
され、非反転入力端子には基準電圧発生回路9から定常
燃焼レベル電圧VNが入力され、その出力信号は抵抗器R9
を介して比較器41の非反転入力端子に入力される。この
定常燃焼レベル電圧VNは燃焼が定常状態に至ったと判定
するためのしきい置である。
定常燃焼レベル検知回路6の出力は炎増幅器3からの出
力信号が定常燃焼レベル電圧VN以下の時にキャパシタC3
の端子電圧に従った値、それ以上の時に“L"となる。
基準電圧発生回路9は最低限レベル電圧VLと定常燃焼レ
ベル電圧VNを発生する回路であり、電圧レギュレータ9
1、平滑キャパシタC5、分割抵抗器R10〜R12等を含み構
成され、分割抵抗器R10〜R12は電圧レギュレータ91の出
力を分圧してそれぞれVL、VNの基準電圧を発生する。
微分検知回路4の出力信号はインバータ7と抵抗器R7を
介してNAND回路8の一方の入力端子に入力され、このNA
ND回路8の他方の入力端子には最低限レベル検知回路5
からの出力信号が入力される。このNAND回路8の出力信
号は炎検知信号として用いられ、“L"で着火、“H"で失
火の検知となる。この炎検知信号はイグナイターの駆動
あるいは燃焼弁の開閉等のタイミング決定に利用され
る。
この実施例回路の動作を図面を参照しつつ以下に説明す
る。ここで第2図は実施例回路の熱起電力電圧の上昇特
性を示す図、第3図は微分検知回路4の出力波形例を示
す図、第4図は着火と失火の検出状態を説明する図であ
る。第2図において、縦軸は炎増幅器3からの出力電
圧、横軸は時間を表わす。また第3図において、縦軸は
微分回路4と炎増幅器3の出力電圧、横軸は時間を表わ
し、(イ)は微分検知回路4の出力、(ロ)は炎増幅器
3の出力である。また第4図において、縦軸は出力電
力、横軸は時間を表わし、(ハ)は炎増幅器3の出力電
圧、(ニ)はキャパシタC3の端子電圧である。
いま湯沸器の口火を着火すると、この口火により熱電対
1が熱せられ、それにより熱起電力が発生し、この熱起
電力は炎増幅器3で増幅されて微分検知回路4、最低限
レベル検知回路5、および定常燃焼レベル検知回路6に
それぞれ入力される。
微分検知回路4においては、キャパシタC3が炎増幅器3
の出力信号によっ抵抗器R4を介して、それらのCR時定数
で充放電される。そして、炎増幅器3出力信号が上昇傾
向すなわち着火状態ではキャパシタC3は充電され、下降
傾向すなわち失火状態では放電されるので、これを検知
することによって燃焼炎の着火と失火を検知できる。こ
の検知は抵抗器R4に流れる電流の方向を検知することに
よって行え、この電流の方向は抵抗器R4の端子電圧の微
分値の正負によって判定できる。
すなわち、抵抗器R4の炎増幅器3側端子電圧をVin、キ
ャパシタC3の端子電圧をVcとすると、炎増幅器3の出力
信号の上昇時には、キャパシタC3の端子電圧Vcは、 となり、抵抗器R4の両端電圧の微分値は、 したがって微分検知回路4の出力は“L"となる。
一方、炎増幅器3の出力信号の下降時にはキャパシタC3
の端子電圧Vcは、 となり、抵抗器R4の両端電圧の微分値は、 となり、よって微分検知回路4の出力は“H"となる。
このように微分検知回路4は上昇傾向(すなわち充電モ
ード)の時には燃焼状態を着火と判断して“L"を出力
し、下降傾向(すなわち放電モード)の時には失火と判
断して“H"を出力する。
一方、口火が着火された直後はまだ熱電対1の出力信号
は不安定に揺らぐ状態にあり、その傾きが上昇したり下
降したりすることが考えられ、この時の熱電対1の出力
信号で着火と失火を判定すると誤検知を生じるおそれが
ある。
そこで、炎増幅器3の出力信号の上昇傾向が安定的とな
る最低限レベル電圧VLを定め、炎増幅器3の出力信号が
この最低限レベル電圧VLに達したか否かを最低限レベル
検知回路5で検知する。最低限レベル電圧VL以下であれ
ば、最低限レベル検知回路5は“L"を出力してNAND回路
8の出力信号を強制的に“H"すなわち失火検知の状態に
する。
炎増幅器3の出力信号が口火の燃焼に従って最低限レベ
ル電圧VLを越えると、最低限レベル検知回路5の出力信
号は“H"となり、NAND回路8から出力される炎検知信号
は微分検知回路4の出力信号によって決定されることに
なる。従ってこの状態では、炎増幅器3の出力信号が上
昇傾向の時には微分検知回路4の出力信号が“L"とな
り、これがインバータ7で反転されて“H"としてNAND回
路8に入力されるため、NAND回路8から出力される炎検
知信号は着火を示す“L"となる。
一方、口火の失火により炎増幅器3の出力信号が下降し
始めたならば、微分検知回路4の出力は“H"となり、イ
ンバータ7の出力信号は“L"、したがってNAND回路8か
らの炎検知信号は失火を閉めす“H"となる。
燃焼が進み、定常燃焼状態に至ると、熱電対1で発生さ
れる熱起電力は飽和状態となり、その値は周期環境によ
って揺らぎを生じるようになる。この場合、炎増幅器3
の出力信号は上昇したり下降したりすることになるの
で、微分検知回路4の出力信号は“H"となったり“L"と
なったりする。この結果、NAND回路8の炎検知信号が、
着火状態であるにもかかわらず失火検知となる可能性が
ある。
そこで燃焼が定常燃焼状態に至ったと判断できる炎増幅
器3の出力信号の定常燃焼レベル電圧VNを予め定め、炎
増幅器3の出力信号がこの定常燃焼レベル電圧VNを越え
たのならば、NAND回路8の炎検知信号を、微分検知回路
4の出力信号の状態にかかわらず、強制的に“L"すなわ
ち着火検知にする。
この動作は、定常燃焼レベル検知回路6によって炎増幅
器3の出力信号が定常燃焼レベル電圧VNを越えたかを検
知し、これを越えた場合には比較器41の非反転入力端子
を強制的に“L"レベルにし、それにより微分検知回路4
の出力信号を“H"とし、インバータ7を介してNAND回路
8に“L"を入力することによって、その炎検知信号を
“L"にすることによる。
この実施例回路によれば、着火と失火の検知を迅速に行
うことができるので、イグナイタ放電後、着火を検出し
て直ちにイグナイタを停止することができる。特に、最
近の湯沸器は省エネの観点から口火を連続燃焼させるも
のではなく、湯の必要な時に口火に着火するダイレクト
着火方式が採用されているので、食器洗い時のように頻
繁に着火、消火を繰り返す湯沸器等に多い使用モードで
は、実施例回路は電池の消耗防止に役立ち、また使用勝
手も良くなる。そのうえ、失火検出のスピードが早くな
るため、失火検出が遅れたことにより機器内に生ガスが
充満してしまうような事態を防止でき、安全性の向上を
図れる。特に湯沸器のような室内使用ガス機器では、失
火検出の早さは安全性の上で大きな意味を持つ。
本発明の実施にあたっては種々の変形形態が可能であ
る。第5図には、かかる変形例の一つが示される。この
第5図の変形例回路は、前述の実施例回路における基準
電圧発生回路9の構成を変更したものである。すなわ
ち、この変形例回路の基準電圧発生回路9′では、第1
図の実施例回路の基準電圧発生回路9における分割抵抗
R11の代わりにこれを二つに分割した抵抗R111、R112の
直列接続回路を挿入し、抵抗R112の両端にキャパシタC1
0を接続し、そして抵抗R111とR112の共通接続点から最
低限レベル電圧VLを取り出している。
このように基準電圧発生回路9′を構成すると、電源ス
イッチON時の最低限レベル電圧VLは第6図に示されるよ
うな立上り特性を持つ。すなわち、基準電圧発生回路
9′の安定化基準電圧をVrefとすると、最低限レベル電
圧VLは、最初は、 であり、この値から徐々に上昇して、最終的には、 で安定するものとなる。
これにより電源スイッチON時には最低限レベル電圧VL
下げることにより着火検出レベルを下げ、それにより着
火検出時間を早めて着火検出を容易にすることができ
る。
第7図には、本発明の更に他の変形例が示される。この
変形例回路も第5図の変形例回路と同様に基準電圧発生
回路の構成を変更したものである。この変形例回路が第
5図の変形例回路と相違する点は最低限レベル電圧VL
取り出し点を抵抗R112と抵抗R12との共通接続点からと
していることである。
この第7図のように基準電圧発生回路9″を構成する
と、電源スイッチON時の最低限レベル電圧VLの立上り特
性は第8図の如くになる。すなわち、電源スイッチON時
には、 であったものが、徐々に下降して、 で安定する特性となる。
[発明の効果] 本発明によれば、着火直後あるいは定常燃焼状態に至っ
た後の熱電対センサの出力の不安定時に生じる誤検知を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例としての燃焼機器の炎検知回
路を示す図、 第2図は実施例回路における熱起電力電圧の上昇特性を
示す図、 第3図は微分検知回路4の出力波形例を示す図、 第4図は着火と失火の検出状態を説明する図、 第5図は本発明の変形例を示す図、 第6図は変形例回路における最低限レベル電圧VLの立上
り特性を示す図、 第7図は本発明の他の変形例を示す図、および、 第8図は他の変形例回路における最低限レベル電圧VL
立上り特性を示す図である。 図において、 1…熱電対 3…炎増幅器 4…微分検知回路 5…最低限レベル検知回路 6…定常燃焼レベル検知回路 7…インバータ 8…NAND回路 9…基準電圧発生回路 31…演算増幅器 41、51、61…比較器

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃焼炎の温度を熱電対を用いて検出する熱
    電対センサと、該熱電対センサの検知温度信号の時間微
    分値をCR充電時定数を用いて検知する微分検知回路とを
    備え、該微分検知回路の検知出力によって燃焼炎の燃焼
    状態を検知するように構成された燃焼機器の炎検知回路
    において、 該熱電対センサの検知温度信号が所定の最低限レベル以
    下であることを検知する最低限レベル検知回路と、該熱
    電対センサの検知温度信号が定常燃焼レベル以上である
    ことを検知する定常燃焼レベル検知回路と、該最低限レ
    ベル以下と定常燃焼レベル以上の領域で該微分検知回路
    による燃焼状態の検知を禁止する禁止回路とを備えたこ
    とを特徴とする燃焼機器の炎検出回路。
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