JPH06100283B2 - ピストンリング - Google Patents

ピストンリング

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JPH06100283B2
JPH06100283B2 JP60297970A JP29797085A JPH06100283B2 JP H06100283 B2 JPH06100283 B2 JP H06100283B2 JP 60297970 A JP60297970 A JP 60297970A JP 29797085 A JP29797085 A JP 29797085A JP H06100283 B2 JPH06100283 B2 JP H06100283B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は分散めっき層を有するピストンリングに関す
る。
(従来の技術) ピストンリングは、その耐摩耗性、耐焼付性、耐腐食性
の向上のため種々の改善がなされている。
従来から金属製ピストンリングの摺動面にクロムめっき
を施したものや、ニッケルめっきを施したものなどが提
案されているが、いずれも耐摩耗性は満足すべきもので
はなかった。これを改善するためニッケルなどの金属基
地中に耐摩耗粒子を分散させた複合めっきが注目されは
じめている。
(発明が解決しようとする問題点) めっき基地中に耐摩耗性粒子を分散すると皮膜の耐摩耗
性は向上するが、分散量をあまり多くするとかえって皮
膜を弱くする原因となる。一方複合めっき層基地に燐を
添加し加熱処理を施すと皮膜の硬度を高め耐磨耗性、耐
蝕性の改善に優れた効果を示すが、燐の含有量をあまり
多くすると基地を脆化させ、皮膜の衝撃強度を低下させ
る。このように皮膜の強度が低下すると、運転中に皮膜
が剥離するなどの問題が生ずる。
本発明は従来の複合めっきの問題点である皮膜の脆性を
改善し、さらに耐摩耗性、耐焼付性、耐蝕性に優れた皮
膜層を摺動面に有するピストンリングを提供するもので
ある。
(問題点を解決するための手段) 本発明を第1図により説明すると、 第1の発明はピストンリング1の摺動面に燐2〜15重量
%、ニッケル85〜98重量%を成分組成とする合金基地3
中に、粒径10μm以下の耐摩耗性粒子4を5〜30容量%
および線径0.05〜1μm、長さ10〜200μmの金属窒化
物、金属炭化物、金属酸化物などの短繊維5を5〜30容
量%分散させた複合めっき層を有するピストンリングで
ある。
第2の発明はピストンリング1の摺動面にコバルト10〜
40重量%、燐2〜15重量%、ニッケル50〜88重量%を成
分組成とする合金基地3中に、粒径10μm以下の耐摩耗
性粒子4を5〜30容量%、および線径0.05〜1μm、長
さ10〜200μmの金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物
などの短繊維5を5〜30容量%分散させた複合めっき層
を有するピストンリングである。
(作用) 合金基地中に含まれる燐は前述のように加熱処理をする
ことによって皮膜の硬度を上げる。燐の含有量が少ない
と皮膜の硬度は上がらず耐摩耗性改善の効果は少ない。
また15重量%を越すと基地を脆化させ、皮膜の衝撃強
度、皮膜の密着性を悪くさせる。このようなことから燐
の含有量は2〜15重量%が望ましい。
複合めっき皮膜中に分散される耐摩耗性粒子としては、
アルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジルコニア、炭化チタ
ンなどの金属窒化物、金属炭化物、金属酸化物などを用
いる。このような耐摩耗性粒子を分散させることにより
ピストンリングの耐摩耗性、耐焼付性の改善がなされ
る。基地中の分散量が5容量%未満では耐摩耗性改善の
効果は少なく、分散量が30容量%を越えると、皮膜の強
度が低下するようになる。また分散される耐摩耗性粒子
の粒径が過度に大きいと耐摩耗性改善の効果は少ない。
従って耐摩耗粒子の平均粒径は10μm以下、分散量は5
〜30容量%が良く、望ましくは平均粒径0.5〜5μm、
分散量は15〜25容量%が良い。
複合めっき皮膜中に分散される短繊維としては、上記耐
摩耗性粒子と同じくアルミナ、窒化珪素、炭化珪素、ジ
ルコニアなどを用いる。このような短繊維を分散させる
ことによって皮膜の脆性を改善することができる。基地
中に分散される短繊維の線経は0.05μm〜1.0μm、L/D
(長さ/線径比)は50〜200程度のものがよく、L/Dが10
以下では繊維というより粒子に近く、皮膜の脆性を改善
する効果は少ない。
第2図は短繊維の分散量を変えたときのめっき皮膜の引
っ張り強度を測定したものである。この図から分散量が
5%未満では皮膜の強度が十分でなく、20%を越えても
その効果に著しい変化はないことがわかる。分散量を多
くするとかえって基地中に空孔を生じたり、皮膜の表面
が荒れる原因となる。
本発明では第2の発明として、合金基地に上記のニッケ
ル、燐のほかに、コバルトを添加している。
コバルトの添加は合金基地の耐焼付性、耐蝕性、を改善
させると共に皮膜の圧壊疲労強度も向上させる。合金基
地中に含まれるコバルトの量は10重量%より少ないと上
記の効果が顕著に得られず、また40重量%を越えてもそ
の効果に著しい変化は無い。従ってコバルトの量は10〜
40重量%が良い。
本発明では、潤滑性粒子は分散させていないが、耐摩耗
性粒子などと一緒に分散させることによって、相手材の
摩耗をさらに低下させることができる。潤滑粒子として
は、例えばへき開性のある低摩擦係数の固体潤滑性を用
いる。代表的な例として二硫化モルブデン、フッ化黒
鉛、窒化硼素、グラファイト、雲母、テフロンなどの粒
子が上げられる。基地中に分散される潤滑粒子の粒径は
使用する潤滑材にもよるが0.5μm以下、分散量が5容
量%未満では潤滑剤としての効果は少ない。また粒径が
20μm、分散量が35容量%を越えると、基地の強度は低
下する。
(実施例) 先端端面が5mm×5mmのピストンリング用鋼材(SKD−6
1)の試験片に、第1表の条件により、第1の発明とし
て窒化珪素粒子、および窒化珪素繊維を分散させた厚さ
120μmのニッケル一燐複合めっき層を形成させた。
第2の発明として前記発明と同じ材質の試験片に窒化珪
素粒子、および窒化珪素繊維を分散させた厚さ120μm
のニッケル−コバルト−燐複合めっき層を形成させた。
次に、前記各方法で得た各試験片を370℃で1時間加熱
し熱硬化処理をした。得られた試験片について、その試
験片のめっき層の組成とマイクロビッカース硬度計で測
定した結果を第2表にしめす。
次に本発明に係る摺動面の耐摩耗試験および焼付試験に
ついて説明する。試験は第3図および第4図に示すライ
ダー方式摩耗試験によって行った。その概要はステータ
ホルダ1にシリンダー材などとして使用されるFC25製で
摺動面2がホーニング仕上げされた円板3が取外し可能
に取付けられており、その中央には裏側から注油孔4を
通して潤滑油が注油されるようにしてあり、図示しない
油圧装置によってステータホルダ1には図において右方
へ向けて所定圧力で押圧力がかかるようにしてある。円
板3に対向してロータ5上に取付けられた試験片保持具
6の回転軸と同心の円周上に等間隔に刻設された4個の
取付孔にそれぞれ試験片7が取付けられ、それぞれ所定
の表面処理が施された試験片の5×5mmの角の先端端面
が円板3の摺動面2に接触し、図示しない駆動装置によ
って所定速度で回転する。試験はステータ側の注油孔4
から一定油温の潤滑油を摺動面に供給しながら行なう。
摩耗試験は一定の押圧力の下でロータ5を回転させ、試
験片7が所定の摺動距離だけ円板3上を摺動したときの
試験片7とステータ円板3の摩耗量によって耐摩耗性を
評価する。
またロータ5を回転させると試験片7と円板3との摩擦
によってステータホルダ1には図示のようにトルクFを
生ずるので、このトルクFをスピンドル8を介してロー
ドセル9に作用させ、押圧力の変化によるトルクFの変
化を動歪計10で読みトルクFが急激に上昇したときに焼
付けが生じたとして、そのときの押圧力をもって耐焼付
き性を評価する。
試験片7には、前記実施例で得られた試験片の他に比較
のため一般に耐摩耗性表面処理に用いられる硬質クロム
めっき、および短繊維を含まない窒化珪素分散ニッケル
−燐複合めっき、それと窒化珪素分散ニッケル−コバル
ト−燐複合めっきについても同様の試験を行った。な
お、複合めっきの量試験片とも窒化珪素粒子を10%分散
させてある。
a)摩耗試験 潤滑油として、加鉛ガソリンを燃料として実機テストに
使用後のエンジンオイルSAE No30に、ダスト(JIS2種)
を0.2g/1添加した温度80℃の油を用いて、注油孔4から
供給しステータホルダ1にはロータ側に向けて油圧100K
g/cm2の押圧力を加えながら、試験片7の摩擦速度を3
〜5m/secとし、摺動距離が100Kmとなるまでロータ5を
回転させた。
試験結果を次の表3に示す。
b)焼付試験 潤滑油は摩耗試験のものと同じものを使用し、ステータ
ホルダ1にはロータ側に向けてまず油圧40Kg/cm2の押圧
力を加え摩擦速度8m/secでロータ5を3分間回転させ、
次に押圧力を50Kg/cm2として3分間回転させ、このよう
にして順次押圧力を10Kg/cm2づつ段階的に増加して各々
3分間保持し、ロードセル9を介して動歪計10でトルク
Fの変化を記録し、急激にトルクの増加したときの押圧
力から接触面圧を求めて焼付発生面圧とした。
試験結果を次の表4に示す。
c)複合めっき層の強度試験 次に本発明に係る複合めっき層の強度試験について説明
する。試験は第5図に示す試験機でおこなった。試験片
2には外周面に所定の表面処理を施したピストンリング
を用い、合口部を横向きにして上端を固定ヘッド1に、
下端を可動ヘッド5のロードセル4の上端に取り付け
る。可動ヘッド5を上昇させると試験片2の合口部の反
対側表面にクラックが発生する。試験片2の合口部反対
側の外周表面には歪ゲージ3が取り付けられており、歪
みの変化を歪計で読む。クラックが発生すると歪が急激
に変化する。このときの押圧力の変化をロードセル4を
介して歪計で読み複合めっき層の強度を評価する。
試験片には、鋳鉄製ピストンリングの外周面に、第1の
発明である窒化珪素粒子を20容量%、窒化珪素短繊維を
10容量%および燐を5.5重量%分散させたニッケル−燐
複合めっき層を形成させたものと、第2の発明である窒
化珪素粒子を20容量%、窒化珪素短繊維を10容量%、コ
バルトを32重量%および燐を5.5重量%分散させたニッ
ケル−コバルト−燐複合めっき層を形成させたものと、
さらに比較のため、窒化珪素短繊維を含まず窒化珪素粒
子を20容量%、コバルトを30重量%および燐を5.5重量
%分散させたニッケル−コバルト−燐複合めっき層を形
成したものを用いた。試験結果は第6図に示す通りであ
る。
(効果) 表3、表4から、短繊維を分散させた本発明のニッケル
−燐複合めっき層、および短繊維を分散させた本発明の
ニッケル−コバルト−燐複合めっき層は従来のめっき層
に較べて、耐摩耗性、耐焼付性に優れていることがわか
り、第6図から本発明複合めっき層は皮膜の強度も高く
ピストンリングなどの表面処理層として好適であること
が理解される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明実施例を示す試験片のめっき層断面
図、 図中 2:ニッケルストライクめっき層 4:耐摩耗性粒子 5:短繊維 第2図は、短繊維の分散量を変化させたときの引っ張り
強度を示す図で、 上から順に、燐の含有量が3重量%、5重量%、8重量
%のときの変化を示す。 第3図、第4図は、ライダー摩耗試験機の図、 図中 1:ステータホルダ、2:摺動面 3:円板、4:注油孔 5:ロータ、6:試験片保持具 7:試験片、8:ピスンドル 9:ロードセル、10:動歪計 第5図は、複合めっき層の強度試験に使用した引っ張り
試験機を示す図、 図中 1:固定ヘッド、2:試験片 3:歪ゲージ、4:ロードセル 5:可動ヘッド 第6図は、複合めっき層の強度試験の結果を示した図で
ある。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】摺動面に複合めっき層を形成したピストン
    リングであって、該複合めっき層が燐2〜15重量%、ニ
    ッケル85〜98重量%、の合金基地中に、平均粒径が0.5
    〜5μmの窒化珪素を15〜25容量%含有し、且つ、線径
    0.05〜1μm、長さ10〜200μmのアルミナ短繊維、窒
    化珪素短繊維、炭化珪素短繊維、ジルコニア短繊維の一
    種以上を5〜20容量%含有したことを特徴とするピスト
    ンリング。
  2. 【請求項2】摺動面に複合めっき層を形成したピストン
    リングであって、該複合めっき層がコバルト10〜40重量
    %、燐2〜15重量%、ニッケル50〜88重量%の合金基地
    中に、平均粒径が0.5〜5μmの窒化珪素を15〜25容量
    %含有し、且つ、線径0.05〜1μm、長さ10〜200μm
    のアルミナ短繊維、窒化珪素短繊維、炭化珪素短繊維、
    ジルコニア短繊維の一種以上を5〜20容量%含有したこ
    とを特徴とするピストンリング。
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