JPH0610020A - 高炉用熱風炉の炉殻を焼鈍する方法 - Google Patents

高炉用熱風炉の炉殻を焼鈍する方法

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JPH0610020A
JPH0610020A JP19129992A JP19129992A JPH0610020A JP H0610020 A JPH0610020 A JP H0610020A JP 19129992 A JP19129992 A JP 19129992A JP 19129992 A JP19129992 A JP 19129992A JP H0610020 A JPH0610020 A JP H0610020A
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弘 金谷
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信治 秋山
Fumio Shibaoka
富美男 柴岡
Hiroyuki Matsuoka
博之 松岡
Takeshi Watanabe
武 渡辺
Atsushi Nagasaki
敦志 長崎
Mitsugi Imai
貢 今井
Isamu Hase
勇 長谷
Takeo Yoshioka
猛雄 吉岡
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TOCERA ENG CO Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 信頼性と経済性を高くすること。 【構成】 予め部分的に製作された複数の鋼製炉殻ユニ
ットを溶接によって組み立てて円筒部とドーム部との組
立体を高炉用熱風炉の一部として作り、しかるのち、そ
の円筒部とドーム部との組立体をハイベロシティーバー
ナによって全体的に焼鈍することを特徴とする高炉用熱
風炉の炉殻を焼鈍する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は製鉄に用いられる高炉
用熱風炉の溶接鋼製炉殻を焼鈍する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】製鉄高炉用の熱風炉は、溶接鋼板により
炉殻を構成し、その中に耐火物を内張している。このよ
うな熱風炉は、燃焼室、蓄熱室、混合室、熱風管などを
備えている。そして複数基の熱風炉によって高炉羽口へ
熱風を供給している。
【0003】高炉用熱風炉では、高炉ガスあるいは高炉
ガスとコークス炉ガスとの混合ガスを燃料として使用す
る。まず燃焼室に取付けられたバーナによってこの燃料
を燃焼して高温燃焼ガスを得て、その高温燃焼ガスを蓄
熱室へ送り、蓄熱室内のチェッカーれんがに燃焼熱を蓄
熱させる。この燃焼期の後に、送風期を続ける。すなわ
ち、バーナによる燃焼を停止したのち、蓄熱室下部より
蓄熱室に向かって燃焼期とは逆の方向に外気を送風し、
それをチェッカーれんがの蓄熱により加熱し、そのよう
にして得られた、燃焼ガスを含まない熱風を高炉羽口へ
供給する。
【0004】高炉用熱風炉は、このような燃焼期と送風
期とのサイクルを繰り返して操業されている。
【0005】送風期において高炉羽口へ供給する熱風が
所定の温度以下となったときは、停止していたバーナを
再び稼働させて燃焼期とする。そのように高炉用熱風炉
の操業は複数基の熱風炉の燃焼期と送風期を繰り返して
連続的に行なわれている。
【0006】このため熱風炉の鋼製炉殻および内張耐火
物は、燃焼室上部、蓄熱室上部、燃焼室ドーム、蓄熱室
ドームにおいて、燃焼期には温度が上昇し、送風期には
温度が下降し、それに連動して炉内の圧力の上昇と下降
が生じ、約300℃を超える温度変化と約5kg/cm
2 の圧力変化が繰り返される。
【0007】また、内張耐火物はそれだけでは気密でな
いため、腐食成分を含むガスが鋼製炉殻内面まで進み、
そこで凝縮する可能性がある。この種の凝縮物は腐食を
起こし、鋼製炉殻内に存在する応力とともにいわゆる粒
間応力腐食の原因となり、長い年月の間に劣化して亀裂
などが発生し、それにより損傷を起こす事がある。この
ため鋼製炉殻の更新が必要となる。
【0008】鋼製炉殻の更新は燃焼室上方円筒部、蓄熱
室上方円筒部、燃焼室ドーム部、蓄熱室ドーム部につい
て行なわれることが多い。
【0009】更新の方法を述べると、損傷している鋼製
炉殻部分および内張耐火物を完全に除去し、そのあとに
部分毎に新しく製作された複数の鋼製炉殻ユニットを溶
接及び焼鈍しながら逐次組立てていく。あるいは鋼製炉
殻全体を溶接組立してから全体的に焼鈍する。その後、
炉殻内に耐火物を内張する。
【0010】一般に圧力容器を溶接によって製造する場
合、溶接部分は必ず歪取りのために熱処理(焼鈍)を行
わなくてはならない。この焼鈍の条件は規格化されてい
る。これは、溶接によって発生した応力が溶接部周辺に
残留するため、強度回復のために行うものである。この
種の焼鈍は金属材料の変態点以下の所定温度まで加熱す
ることによって有害な影響を除去するものである。
【0011】このような溶接物の熱処理は可能なかぎり
その製品全体を加熱炉中で行う、いわゆる全体焼鈍が良
いとされている。しかし大型の容器あるいは炉体の焼鈍
は加熱炉を用いて行うことができない。そのため、現地
で容器あるいは炉体の溶接組立後に熱処理をおこなわざ
るを得ない。このような場合、一般に熱処理を溶接工程
ごとに繰返し行う局部焼鈍が実施されている。ところ
が、局部焼鈍は全体焼鈍と比較して種々の点で劣ってい
る。
【0012】高炉用熱風炉の鋼製炉殻においては信頼性
の高い溶接継手を得るために溶接部分の焼鈍が極めて重
要である。
【0013】従来、高炉用熱風炉の鋼製炉殻の溶接応力
除去方法としては、組立工程途中において順次溶接部の
近傍に多数の電熱ヒーターを配置し、溶接工程ごとに溶
接部を電熱ヒーターの輻射・伝熱によって加熱して部分
的に焼鈍する局部焼鈍方法が採用されていた。電熱ヒー
ターによる局部焼鈍を行いながら順次複数の鋼製炉殻ユ
ニットが組立てられていたのである。
【0014】また、鋼製炉殻全体を溶接組立したのち電
熱ヒーターによって溶接部分を全体的に一度に焼鈍する
方法(すなわち電熱ヒーターによる全体焼鈍)が行われ
る場合もあった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来方法に
は、次のような欠点がある。
【0016】1)電熱ヒーターによる局部焼鈍方法で
は、溶接工程途中で溶接部を焼鈍することを繰返すだけ
であり、組立完了後に全体の焼鈍が行われないため、焼
鈍部分以外は焼鈍されず、強度の信頼性に難がある。
【0017】2)電熱ヒーターによる全体焼鈍では、炉
内に多数の受台および支柱を溶接付けして電熱ヒーター
を配置するため、多量の耐熱ケーブルと大電力および手
数を必要とする。また漏洩電流の発生による安全性の問
題もある。
【0018】3)局部焼鈍と全体焼鈍のいずれにおいて
も、電熱ヒーターでは加熱速度・保持温度・冷却速度な
ど作業標準を満たすためには精度の高い温度コントロー
ルを必要とする。
【0019】4)電熱ヒーターの配置・着脱に長時間を
必要とするとともに溶接部近傍に電力配線が錯綜して円
滑な作業を阻害する。
【0020】5)地上数十mの高所悪条件下での配置・
着脱作業は危険が大である。
【0021】6)工事に長期間を必要とするとともに、
焼鈍コストが高価となる。
【0022】このように従来の方法は信頼性の高い溶接
継手を得るためには充分な方法とはいえない。
【0023】この発明は、高炉用熱風炉の鋼製炉殻の溶
接構造物について信頼性および経済性を高くすることが
できる高炉用熱風炉の炉殻焼鈍方法を提供することを目
的としたものである。
【0024】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明の要旨
は、高炉用熱風炉の炉殻を築造もしくは修理した後に炉
殻を焼鈍する方法であって、前記炉殻外表面を断熱材で
もって保温し、かつ炉殻部を密封する一方、該密封炉殻
に排気ダンパを配設して炉殻内に挿入された加熱バーナ
により炉殻を加熱するとともに、前記排気ダンパの開度
調整により所定焼鈍条件に従う炉殻内部の温度調整を行
うことを特徴とする高炉用熱風炉の炉殻を焼鈍する方法
にある。
【0025】本願の第2発明においては、前記炉殻内に
挿入された加熱バーナが、炉殻内表面の境界ガスフィル
ムを除去可能な80m/秒以上の速度で熱風を噴出する
ハイベロシテイバーナである。
【0026】本願の第3発明においては、鉛直方向に配
置された円筒部の端部開口付近に仕切板を設けて、その
端部開口を仕切板で閉じ、該仕切板位置を基点として上
向きの熱風旋回流を円筒部内に形成する。
【0027】本願の第4発明においては、さらに、円筒
部を鉛直方向に配置し、円筒部の上端にドーム部を連結
して、ドーム部の頂部に排気ダンパーを配置し、その排
気ダンパーのところから長いディストリビューションチ
ューブを入れてドーム部を通過して円筒部の下方位置ま
で延長し、その長いディストリビューションチューブの
長手方向にわたって数多く点在した熱風吐出用の小孔か
ら熱風を吐出する。
【0028】本願の第5発明においては、さらに、ドー
ム部の頂部に排気ダンパーを設け、その排気ダンパーの
ところにハイベロシティーバーナを設け、排気ダンパー
に向う排気の流れに逆らう方向にハイベロシティーバー
ナから熱風をドーム部内に吐出させる。
【0029】本願の第6発明においては、さらに、ドー
ム部から水平方向に配置された連結部の開放端にフタを
設け、そのフタに多数の排気ダンパーを設けて、各排気
ダンパーの排気量を調節することによって炉殻内部の温
度を均一にする。
【0030】本願の第7発明においては、第6発明の連
結部開放端の多数の排気ダンパーを備えたフタに熱風吐
出口に曲り部を有するハイベロシティーバーナを設けて
排気ダンパーの排気量および/またはハイベロシティー
バーナの熱風を調節することによって炉殻内部の温度を
均一にする。
【0031】
【作用】本願発明による焼鈍方法は、熱風炉の炉殻を築
造もしくは修理した後に炉殻全体を焼鈍するのに適した
ものであり、あらかじめ部分的に製作された複数の鋼製
炉殻ユニットの溶接組み立てを行ったのちに、鋼製炉殻
全体の外表面を断熱材で覆い保温し、炉殻内に加熱バー
ナの燃焼ガスを供給して鋼製炉殻内部より昇温せしめ、
規格化されている焼鈍条件に従う温度調節を炉殻の一部
に配設した排気ダンパの開度調整により行い、鋼製炉殻
全体を一度に焼鈍する。全体焼鈍を行うことにより信頼
性の極めて高い溶接部応力除去が達成される。
【0032】本願の第2発明においては、この熱風炉の
炉殻焼鈍において使用される加熱バーナとして80m/
秒以上の高速で熱風である燃焼ガスを発生可能なハイベ
ロシテイバーナを使用する。
【0033】本願の第3発明においては、鉛直方向に配
置された円筒部の端部開口付近に仕切板を設けて、その
端部開口を仕切板で閉じ、該仕切板位置を基点として上
向きの熱風旋回流を円筒部内に形成しつつ高炉用熱風炉
の炉殻を加熱して、焼鈍する。
【0034】とくにハイベロシティーバーナについて説
明すると、一般に使用されている輻射型バーナによる加
熱では被加熱物と熱風との境界面に存在するガスの薄い
フィルムによって熱伝達が妨げられるため、バーナの温
度変化に対する被加熱物の温度変化の反応に遅れが生
じ、また炉内雰囲気の撹拌作用も不充分であるため、炉
内の温度分布が不均一となりやすく、部分的に過熱され
る場合も多く、焼鈍温度条件を満たすことは不可能に近
い。また直下型バーナを用いても、炉内の温度分布が付
均一になりやすい。これに対して、ハイベロシティーバ
ーナはバーナ内で燃焼ガスを過剰空気によって希釈し、
所定の温度にコントロールするとともに通常80〜20
0m/secの高速で熱風を噴出するバーナである。こ
のようなハイベロシティーバーナによる加熱において
は、バーナよりの高速熱風が被加熱物に衝突したときに
境界面のガスフィルムが除去され、熱風が被加熱物と直
接接触するため、熱伝達が大きく向上し、かつ高速熱風
による炉内雰囲気の撹拌効果が大となり、鋼製炉殻を全
体的に均一にしかも短時間で加熱することが可能とな
る。また高速熱風の温度コントロールは希釈空気量を調
節することによって正確かつ容易に行うことができるた
め、あらかじめ定められた焼鈍温度条件を満足した正確
な焼鈍を行うことができる。
【0035】たとえば、鉛直方向に配置された円筒部の
端部開口付近に仕切板を設けて、その端部開口を仕切板
で閉じ、熱風吐出口に曲り部を有する複数のハイベロシ
ティーバーナを円筒部とドーム部との組立体に設け、少
くとも1つのハイベロシティーバーナによって円筒部内
部から仕切板に熱風を当てると、円筒部の端部開口付近
と仕切り板も含めて全体が均一に加熱される。さらに、
他の少くとも1つのハイベロシティーバーナによって上
向きの熱風旋回流を円筒部内に形成するので、高速熱風
が被加熱物に衝突したときに境界面のガスフィルムが除
去され易く、熱風が被加熱物と直接接触して熱伝達を大
きく向上させ、かつ高速熱風による炉内雰囲気の撹拌効
果が大となり、鋼製炉殻を全体的に均一にしかも短時間
で加熱することができる。
【0036】特に本願の第4発明によれば、長いディス
トリビューションチューブの長手方向にわたって数多く
点在した熱風吐出用の小孔から熱風を吐出するので、鋼
製炉殻の上下方向において全体的に均一かつ短時間の加
熱が可能である。
【0037】特に本願の第5発明によれば、ドーム部の
頂部に排気ダンパーを設け、その排気ダンパーのところ
に熱風吐出口に曲り部を有するハイベロシティーバーナ
を設け、排気ダンパーに向う排気の流れに逆らう方向に
ハイベロシティーバーナから熱風を吐出させるので、ド
ーム部の頂部で鋼製炉殻を全体的に均一にしかも短時間
で加熱することができる。
【0038】特に本願の第6発明によれば、連結部開放
端に設けたフタに多数の排気ダンパーを設けて、各排気
ダンパーの排気量を調節するので、炉殻内部の温度を均
一にすることが容易である。
【0039】特に本願の第7発明によれば、第6発明に
加えて熱風吐出口に曲り部を有するハイベロシティーバ
ーナによって旋回流を加速し炉内攪拌を促進することに
よって炉殻内部の温度を均一にすることができる。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照して、本発明の好適な実施
例を説明する。
【0041】図1は製鉄に用いる高炉用熱風炉の一例を
概略的に示している。この例では、既存の熱風炉を改修
するために、図1に斜線で示した部分を更新する。予め
部分的に製作された多数の鋼製炉殻ユニットを溶接で組
立てて、その更新部分の炉殻全体を構成する。この種の
炉殻の構造は周知であるので、説明を省略する。
【0042】熱風炉は、上下方向にのびた燃焼室1と、
その燃焼室1上部の鉛直配置の円筒部1aと、その上端
に設けられた燃焼室側のドーム部3と、燃焼室1の底部
に設けられたバーナ2と、燃焼室1に並んで設けられた
蓄熱室4と、その蓄熱室4上部の鉛直配置の円筒部4a
と、その上端に設けられた燃焼室側のドーム部5と、両
ドーム部3,5を連結する管状の連結部6と、燃焼室1
に接続された混合室7と、その混合室7の下方側部に設
けられた熱風管8を備えている。
【0043】図示例においては、図1に斜線で示した2
つの部分、すなわち両円筒部1a,4aと、両ドーム部
3,5と、連結部6の一部を図2に示すように2つに分
けて更新する。多数のハイベロシティーバーナA〜Hに
より、燃焼室1上部の円筒部1aと、燃焼室側のドーム
部3と、蓄熱室4上部の円筒部4aと、蓄熱室側のドー
ム部5について2部分を別々に全体焼鈍する。ただし連
結管6については、焼鈍を完了した燃焼室ドーム3と蓄
熱室ドーム5を連結管6によって連結したのち、電熱ヒ
ーター(図示せず)によって局部焼鈍を行う。
【0044】図2〜4を参照して、焼鈍方法をさらに詳
細に説明する。
【0045】燃焼室1の円筒部1aの下端開口1bおよ
び蓄熱室4の円筒部4aの下端開口4bに仕切板9,
9′を取付け、下方の焼鈍範囲を設定する。また、燃焼
室側のドーム部3および蓄熱室側のドーム部5の連結部
6に図3に示すごときメクラ板形状のフタ10,10′
を取付け、ドーム部3、5の開口部を塞ぐ。その時、燃
焼室側のフタ10には円周に沿って多数の排気ダンパー
13が取付けてある。蓄熱室側のフタ10′には排気ダ
ンパー13に加えてハイベロシティーバーナGが取付け
てある。
【0046】燃焼室1上部、燃焼室ドーム3、蓄熱室4
上部および蓄熱室ドーム5の各所に熱電対温度計(図示
せず)を取付け、焼鈍温度を測定する。
【0047】燃焼室1の上部の円筒部1aと、ドーム部
3の中央より熱風を内壁面へ向かって吐出するようにデ
ィストリビューションチューブ11を配置する。燃焼室
1は形状的に上下方向における温度差が生じやすいため
ディストリビューションチューブ11を配置して炉内温
度の均一化を図るのである。ディストリビューションチ
ューブ11は鋼管ダクトで構成し、その長さ方向の任意
の位置に多数の孔を設け、これらの孔から熱風を炉内壁
面へ向かって均等に噴出するのである。
【0048】燃焼室1上部および燃焼室ドーム部3には
複数のハイベロシティーバーナA〜Dを配置する。バー
ナA,Bは主バーナとして燃焼室1上部内の下方から円
周方向に向けて熱風が吐出し旋回上昇するように配置す
る。補助バーナとしてバーナCを設けて燃焼室1上部の
仕切板9付近の周辺へ熱風がとどくようにする。すなわ
ち、鉛直方向に配置された円筒部1aの端部開口1b付
近に設けた仕切板9に向けて、熱風吐出口に曲り部を有
するハイベロシティーバーナCから熱風を吐出して、熱
風を仕切板9に当てる。それと同時に、ハイベロシティ
ーバーナA、Bによって上向きの熱風旋回流を円筒部1
a内に形成する。これにより、仕切板9に当たり反転し
た熱風と熱風の旋回流により円筒部内を旋回しつつ上昇
する熱風流を発生させる。また、バーナDを燃焼室ドー
ム3の上部にもうけ、そこからディストリビューション
チューブ11を介して熱風を内壁面へ向って吐出する。
このようにして炉内温度の均一化を図る。
【0049】蓄熱室4上部および蓄熱室ドーム5にも多
数のハイベロシティーバーナE〜Hを設ける。バーナ
E,Fを円筒部4の下方部の仕切板9′付近に設けて、
図5に示すように、蓄熱室4上部内の円周方向に熱風が
吐出して旋回上昇するようにする。
【0050】なお、図において、バーナE、Fは曲り部
を持った吐出口としているが、この吐出口を直管として
円筒部4aの接線方向にバーナE、Fを互い違いに配置
することでも行うことができる。
【0051】バーナGは蓄熱室ドーム5内を熱風が旋回
するように連結部6のフタ10′に取付ける。これらの
バーナE,F,Gを主バーナとする。またバーナHを補
助バーナとしてドーム部5の頂部に設けて、蓄熱室ドー
ム部5上部の温度低下を補うように配置し、炉内温度の
均一化を図る。
【0052】燃焼室ドーム部3および蓄熱室ドーム部5
の上部に排気口を設け、そこに排気ダンパー12,1
2′を配置して排気量の調節を行う。
【0053】燃焼室ドーム部3および蓄熱室ドーム部5
の連結部6に取付けられた図3に示すフタ10,10′
に配置された多数の排気ダンパー13によってそれぞれ
の排気量を調節して連結部6の上下左右の温度差の発生
を防止する。
【0054】各ハイベロシティーバーナA〜Hは曲り部
を持った吐出口を有しており、曲り方向を適宜選択して
熱風の吐出方向を設定するか、直管の吐出口でハイベロ
シティーバーナA〜Hの配置を調節して熱風の吐出方向
を設定するかして、炉内温度の均一化を図る。
【0055】燃焼室1上部と燃焼室ドーム部3および蓄
熱室4上部と蓄熱室ドーム部5の外周面を保温材14で
全面保温するようにし、熱放散を防止して、鋼製炉殻内
外面の温度差の発生を防止する。
【0056】実施例 この発明による焼鈍方法を図1に示すごとき熱風炉に実
施したので、その結果を説明する。
【0057】溶接組立てが完了した直径約8mの燃焼室
側のドーム部3および燃焼室1上部を含む高さ約20
m、鋼板厚さ45mmと、直径約12mの蓄熱室側のド
ーム部5および蓄熱室4上部を含む高さ約15m、鋼板
厚さ50mmの炉殻更新部の全体焼鈍を行った。
【0058】図2に示すごとく、まず仕切板9,9′を
取付けた。その後、所定位置に熱電対を取付けながら炉
殻更新部の全体に保温材14を張り付けた。熱電対はス
ポット溶接型を使用した。熱電対は、高さ方向において
は約4mごとに、また、円周方向においては燃焼室側で
は約6カ所の合計約30カ所と蓄熱室側では約10カ所
の合計約50カ所鋼製炉殻の外面にスポット溶接によっ
て取付けた。さらに炉内の雰囲気温度測定用熱電対も取
付けた。つづいて燃焼室ドーム部3と蓄熱室ドーム部5
との連結部6のフタ10,10′および排気ダンパー1
2,12′を取付けた。その後、ディストリビューショ
ンチュウブ11とハイベロシティーバーナA〜Hを図2
に示す位置に配置した。ハイベロシティーバーナA〜H
は出力125万kcal/hのものを使用した。燃料
は、燈油を主として使用し、補助的にCガスを使用し
た。保温材14は厚さ50mmの保温材を2層重ねて1
00mm厚さとして更新炉殻全面を覆った。
【0059】このように準備したのち、焼鈍作業を行っ
た、焼鈍時間は合計52時間であった。この間、ハイベ
ロシティーバーナA〜Hの燃焼量、希釈空気量、バーナ
A〜Hの熱風吐出方向、排気ダンパー12,12′、1
3などを調節しながら、所定の焼鈍スケジュールにした
がって作業を進めた。焼鈍条件は610℃+30℃−1
0℃にして、3時間保持した。これは合計約80カ所の
熱電対に対して維持することができた。熱電対よりの指
示温度は総て打点式記録計に記録した。
【0060】なお、本発明は次のような例も含むもので
ある。
【0061】1)前述の実施例では燃焼室側と蓄熱室側
を同時に焼鈍を行ったが、別々に行うこともできる。
【0062】2)燃料は燈油およびCガスを使用した
が、他の液体燃料あるいは気体燃料を使用することもで
きる。
【0063】3)突出部分などに部分的に電熱ヒーター
を組み合わせて使用することもできる。
【0064】4)各熱電対での温度測定値を制御装置へ
入力してバーナおよび排気量等の自動制御を行うことも
できる。
【0065】5)新設あるいは改修した熱風炉の内張耐
火物の乾燥および操業までの昇温を従来の方法に比較し
て短時間に均一に行うことができる。さらに、高炉ある
いは熱風炉の補修時などに必要とする蓄熱室耐火物保護
のための温度保持も容易に行うことができる。
【0066】
【発明の効果】この発明の効果を従来の方法と比較すれ
ば表1に示すとおりである。
【0067】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法により全体焼鈍される製鉄高炉用
熱風炉の構造の一例を示す縦断面図。
【図2】図2の一部を拡大して示す縦断面図。
【図3】この発明に使用するフタの構造の一例を示す正
面図。
【図4】図3のフタを示す側面図。
【図5】図2の仕切り板を示す上面図。
【符号の説明】
1 燃焼室 2 バーナ 3 ドーム部 4 蓄熱室 5 ドーム部 6 連結部 7 混合室 8 熱風管 A〜H ハイベロシティーバーナ 9,9´ 仕切板 10,10´ フタ 11 ディストリビューションチューブ ◆
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 000001258 川崎製鉄株式会社 兵庫県神戸市中央区北本町通1丁目1番28 号 (72)発明者 金谷 弘 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 秋山 信治 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 柴岡 富美男 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 (72)発明者 松岡 博之 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川鉄鉄構工業株式会社水島事業所内 (72)発明者 渡辺 武 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川鉄鉄構工業株式会社水島事業所内 (72)発明者 長崎 敦志 広島県広島市中区八丁堀16番11号 神鋼商 事株式会社内 (72)発明者 今井 貢 大阪府大阪市中央区北浜2丁目6番17号 神鋼商事株式会社内 (72)発明者 長谷 勇 愛知県刈谷市小垣江町本郷下47−9 東セ ラエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 吉岡 猛雄 愛知県刈谷市小垣江町本郷下47−9 東セ ラエンジニアリング株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉用熱風炉の炉殻を築造もしくは修理
    した後に炉殻を焼鈍する方法であって、前記炉殻外表面
    を断熱材でもって保温し、かつ炉殻部を密封する一方、
    該密封炉殻に排気ダンパを配設して炉殻内に挿入された
    加熱バーナにより炉殻を加熱するとともに、前記排気ダ
    ンパの開度調整により所定焼鈍条件に従う炉殻内部の温
    度調整を行うことを特徴とする高炉用熱風炉の炉殻を焼
    鈍する方法。
  2. 【請求項2】 前記炉殻内に挿入された加熱バーナが、
    炉殻内表面の境界ガスフィルムを除去可能な80m/秒
    以上の速度で熱風を噴出するハイベロシテイバーナであ
    ることを特徴とする請求項1記載の高炉用熱風炉の炉殻
    を焼鈍する方法。
  3. 【請求項3】 鉛直方向に配置された円筒部の端部開口
    付近に仕切板を設けて、その端部開口を仕切板で閉じ、
    該仕切板位置を基点として上向きの熱風旋回流を円筒部
    内に形成することを特徴とする請求項1または2に記載
    の高炉用熱風炉の炉殻を焼鈍する方法。
  4. 【請求項4】 円筒部を鉛直方向に配置し、円筒部の上
    端にドーム部を連結して、ドーム部の頂部に排気ダンパ
    ーを配置し、その排気ダンパーのところから長いディス
    トリビューションチューブを入れてドーム部を通過して
    円筒部の下方位置まで延長し、その長いディストリビュ
    ーションチューブの長手方向にわたって数多く点在した
    熱風吐出用の小孔から熱風を吐出することを特徴とする
    請求項1又は2に記載の高炉用熱風炉の炉殻を焼鈍する
    方法。
  5. 【請求項5】 ドーム部の頂部に排気ダンパーを設け、
    その排気ダンパーのところに熱風吐出口に曲り部を有す
    るハイベロシティーバーナを設け、排気ダンパーに向う
    排気の流れに逆らう方向にハイベロシティーバーナから
    熱風をドーム部内に吐出させることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項に記載の高炉用熱風炉の炉殻を焼
    鈍させる方法。
  6. 【請求項6】 ドーム部から水平方向に配置された連結
    部の開放端にフタを設け、そのフタに多数の排気ダンパ
    ーを設けて、各排気ダンパーの排気量を調節することに
    よって炉殻内部の温度を均一にすることを特徴とする請
    求項1〜4のいずれか1項に記載の高炉用熱風炉の炉殻
    を焼鈍する方法。
  7. 【請求項7】 ドーム部から水平方向に配置された連結
    部の開放端にフタを設け、そのフタに多数の排気ダンパ
    ーおよび/または熱風吐出口に曲り部を有するハイベロ
    シティーバーナを設けて、各排気ダンパーの排気量およ
    び/またはハイベロシティーバーナの燃焼量を調節する
    ことによって炉殻内部の温度を均一にすることを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の高炉用熱風炉
    の炉殻を焼鈍する方法。
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CN113528784A (zh) * 2021-06-30 2021-10-22 上海宝冶集团有限公司 一种大型工艺炉壳体整体退火热处理方法

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