JPH0599666A - ２軸式傾斜測定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】２軸方向での測定が可能であり、測定精度に優
れ、測定範囲が広くなるようにする。 【構成】幾何学模様（１２）が少なくとも一つの角形模
様部（１３；２２）を有する。角形模様部（１３；２
２）の、結像される辺（１５；１６）は、リニアアレイ
（８）と２点で交わる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幾何学模様を備えた担
持体を照明し、幾何学模様を、傾斜を検知し光線を偏向
させるセンサを介してリニアアレイに結像させる光源を
備えた、互いに垂直な二つの方向で傾斜または傾斜の変
化を測定するための傾斜測定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の傾斜測定装置は、例えば測地学
において測地器具の水平出しに用いられる。このような
傾斜測定装置には、重力に応じて位置を変化させる要素
が設けられている。この要素を介して測定マークが位置
安定な受光器に結像される。この受光器において、予め
位置決めされていたゼロ点にたいし位置のずれが生じた
場合には、このずれが測定装置の傾斜を表す量である。

【０００３】この種の傾斜測定装置は欧州特許第０１６
１２０７号公報から知られている。スリット照明を用い
ると、ミラーを介して光束が組み合わされたガラス液体
プリズムに投射される。ガラス液体プリズムは、シリコ
ーンオイルで充填された容器を有している。この場合、
液体水平部での光線の反射と、受光アレイへの光線の投
射とにより、傾斜が検出される。この特許公報で説明さ
れ図示されているスリット照明方式を用いると、１軸方
向での傾斜しか検出できず、測定範囲が制限される。特
に測地器具の場合には２軸方向で傾斜を測定することが
必要である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、２軸
方向での測定が可能であり、測定精度に優れ、測定範囲
が広くなるようにこの種の測定装置を改良することであ
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、幾何学模様を備えた担持体を照明し、幾何
学模様を、傾斜を検知し光線を偏向させるセンサを介し
てリニアアレイに結像させる光源を備えた、互いに垂直
な二つの方向で傾斜または傾斜の変化を測定するための
傾斜測定装置において、幾何学模様が少なくとも一つの
角形模様部を有し、該角形模様部の、結像される辺が、
リニアアレイと２点で交わることを特徴とするものであ
る。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例を添付の図面を用いて
説明する。

【０００７】図１は、２軸の傾斜測定装置の構成を示
す。この傾斜測定装置は光源２を有し、光源２から出る
照明光束１０は担持体３と液体プリズム１を介して結像
される。光路内には光学系４と５が配置されている。液
体プリズム１は容器７内に液体６を有している。液体６
は、光を通すシリコーンオイルから成る。容器７は透明
な密閉板１１によって密閉される。光学系４，５によ
り、担持体３上に設けられている模様１２；１７；１８
が液体６を介してリニアアレイ８上に結像される。この
場合照明光束１０は液体６の領域で平行に延びる。ここ
に説明している装置はケーシング内に設けることがで
き、また測地器具の一つの構成要素として測地器具内に
配置することもできる。

【０００８】この実施例では、適当な液体水平部９で照
明光束１０を屈折させることにより照明光束１０をＸ方
向とＹ方向へ偏向させる。この場合液体６は光学的なく
さびのようにふるまう。

【０００９】図２は担持体３を示し、担持体３上には個
々の角形模様部１３から成る杉綾模様１２が配置されて
いる。個々の角形模様部１３は線の太さが異なり、互い
に不規則な間隔で担持体３上に配置されている。このよ
うなコード化された配置により、傾斜測定にたいし比較
的大きな測定領域が得られる。次に、９０°（角度）に
よる２軸傾斜測定の評価に関し、図３を用いて説明す
る。

【００１０】図３は、幾何学模様の一つの角形模様部１
３を投射したリニアアレイ８を示している。角形模様部
１３の二つの片１５，１６はリニアアレイ８とそれぞれ
点Ａ₁，Ａ₂で交わっている。

【００１１】角形模様部１３の尖端は標準位置で、即ち
Ｘ方向とＹ方向にたいして傾斜していない位置で、座標
Ｘ₀とＹ₀に位置決めされており、演算上のＸ−Ｙ座標を
決定している。

【００１２】Ｘ−Ｙ傾斜は、角形模様部１３の尖端の位
置のずれから次の式を用いて求められる。 Ｙ_S＝（Ａ₁＋Ａ₂）／２ Ｘ_S＝（Ａ₂−Ｙ_S）・ｃｔｇα＝（Ａ₂−Ａ₁）／２・ｃｔｇα Ｙ方向における傾斜を評価するため、角形模様部１３を
リニアアレイ８上でＹ軸に沿ってシフトさせ、角形模様
部１３の尖端がリニアアレイ８に平行になるようにす
る。このシフトは距離Ｙ_S−Ｙ₀から決定される。

【００１３】Ｘ方向における傾斜を評価するため、角形
模様部１３をリニアアレイ８上でＸ軸に沿ってシフトさ
せ、角形模様部１３の尖端がリニアアレイ８に垂直にな
るようにする。このシフトは距離Ｘ_S−Ｘ₀から決定され
る。

【００１４】重畳した運動の場合、即ちＸ方向とＹ方向
とにおける傾斜の場合には、リニアアレイ８上でのシフ
ト量を別々に決定することができる。

【００１５】演算を簡単にするため、角形模様部１３を
９０°の角形模様部にすることができる。しかし角形模
様部の選定によって測定感度を変えることもできる。上
記の式から明らかなように、角度αがα＞４５°の場
合、Ｘ−Ｙシフトにたいする測定感度はα＜４５°の場
合よりも大きい。例えば図２ですでに説明したような幾
何学模様を使用することにより測定範囲が拡大され、誤
差を補正するために複数の測定を同時に行なうことがで
きる。個々の角形模様部１３の線の太さの違い及び／ま
たは個々の角形模様部１３相互の間隔の違いにより、上
記のコード化を用いて各角形模様部１３を一義的に検出
することができ、図示していない演算ユニットで評価す
ることができる。

【００１６】図４は、スプリッタープリズム１４を用い
た他の実施例を示す。このスプリッタープリズム１４を
介して照明光束１０が偏向せしめられ、液体水平部９で
屈折する。幾何学模様による像の反射はミラー２１で行
なわれる。反射した像はスプリッタープリズム１４を介
してリニアアレイ８に結像される。

【００１７】図５には、ガラス液体プリズム１を組み合
わせた実施例が図示されている。この実施例の特徴は、
照明が傾斜している場合、発生する照明光束１０が液体
水平部９で反射し、Ｘ−Ｙ傾斜が少ない場合でも液体水
平部９から照明光束１０が大きく偏向することである。

【００１８】図６は、糸振り子１９を用いた実施例を示
す。糸振り子１９には、幾何学構造を備えた担持体３が
配置されている。担持体３は光源２によって照明され、
その像は担持体３の下方に配置されるリニアアレイ８に
投射される。この実施例において担持体３とリニアアレ
イ８との間隔をできるだけ小さく選定すると、付加的な
光学系を設ける必要がなくなる。

【００１９】図７は、菱形模様１８を備えた担持体３を
示している。菱形模様１８は個々の角形模様部１３から
成っている。図２に図示した実施例と同様に、この実施
例でも個々の角形模様部１３の線の太さを異ならせるこ
とができる。

【００２０】図８は、蛇行模様１９を備えた担持体３を
示している。蛇行模様１９は、並列に並べられた個々の
角形模様部１３から成っている。この実施例では、個々
の角形模様部１３の線の太さを異ならせること、及び／
または担持体３上での個々の角形模様部１３相互の間隔
を異ならせることができる。

【００２１】図９は、個々の角形模様部が中断部を備え
ている幾何学模様を示している。これらの角形模様部２
２は幾何学模様の機能を制限するものではなく、単にＸ
方向またはＹ方向における最大測定範囲を制限するにす
ぎない。

【００２２】図１０は透過照明に適した測定装置を示
し、これは図１の実施例に対応している。液体水平部９
は重力の作用により実際の水平線２０にたいして指向せ
しめられ、密閉ガラス１１と共に、平行に延びる照明光
束１０を屈折させる光学的くさびを形成している。光学
系５を介して幾何学模様がリニアアレイ８上に結像され
る。

【００２３】本発明は測地学で用いられる測定装置に限
定されるものではなく、別個の装置として、或いはＸ−
Ｙ傾斜を検知するための他の器具と組み合わせて使用す
ることができる。

【００２４】次に、本発明の有利な構成を列記してお
く。

【００２５】（１）傾斜を検知し光線を偏向させるセン
サが機械的な振り子（１９）として構成され、幾何学模
様（１２）を備えた担持体（３）がこの振り子（１９）
に配置されていることを特徴とする２軸式傾斜測定装
置。

【００２６】（２）傾斜を検知し光線を偏向させるセン
サが液体プリズム（１）として構成されていることを特
徴とする２軸式傾斜測定装置。

【００２７】（３）幾何学模様が、互いに直列に配置さ
れて杉綾模様（１２）を形成する個々の角形模様部（１
３）を有していることを特徴とする、上記第１項または
第２項に記載の２軸式傾斜測定装置。

【００２８】（４）幾何学模様が、複数の角形模様部
（１３）を有する菱形模様（１８）を有していることを
特徴とする、上記第１項または第２項に記載の２軸式傾
斜測定装置。

【００２９】（５）幾何学模様が、互いに並列に配置さ
れる角形模様部（１３）を有する蛇行模様（１７）を有
していることを特徴とする、上記第１項または第２項に
記載の２軸式傾斜測定装置。

【００３０】（６）幾何学模様が、線の太さが異なる個
々の角形模様部（１３）を有していることを特徴とす
る、上記第３項から５項までのいずれか１つに記載の２
軸式傾斜測定装置。

【００３１】（７）液体プリズム（１）が透明なシリコ
ーンオイルを有していることを特徴とする２軸式傾斜測
定装置。

【００３２】（８）投射が透過光で行なわれることを特
徴とする２軸式傾斜測定装置。

【００３３】（９）投射が、液体（６）の水平部（９）
での全反射を介して行なわれることを特徴とする、上記
第２項に記載の２軸式傾斜測定装置。

【００３４】（１０）幾何学模様が、互いに間隔が異な
る個々の角形模様部（１３）を有していることを特徴と
する、上記第１項から９項までのいずれか１つに記載の
２軸式傾斜測定装置。

【００３５】（１１）互いに傾斜した線模様が幾何学模
様の角形模様部（１３；２２）を形成していることを特
徴とする、上記第１項から９項までのいずれか１つに記
載の２軸式傾斜測定装置。

【００３６】

【発明の効果】本発明による傾斜測定装置によれば、２
軸方向での測定が可能であり、測定精度に優れ、測定範
囲が広くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】液体プリズムを備えた透過光方式の測定装置を
示す図である。

【図２】杉綾模様として構成される幾何学模様を備えた
担持体を示す図である。

【図３】投射された幾何学模様の角形模様部をも併せて
示したリニアアレイの図である。

【図４】液体プリズムと光線スプリッターとを備えた測
定装置を示す図である。

【図５】液体プリズムを備えた測定装置と液体水平部で
の全反射を示す図である。

【図６】糸振り子を備えた測定装置を示す図である。

【図７】菱形模様として構成された幾何学模様を備えた
担持体を示す図である。

【図８】蛇行模様として構成された幾何学模様を備えた
担持体を示す図である。

【図９】角形模様部が中断されている幾何学模様を備え
た担持体を示す図である。

【図１０】液体プリズムを備えた傾斜した透過光方式の
測定装置を示す図である。

【符号の説明】

１ 液体プリズム ２ 光源 ８ リニアアレイ １２ 幾何学模様 １３；２２ 角形模様部 １５；１６ 角形模様部の辺

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 幾何学模様を備えた担持体を照明し、幾
   何学模様を、傾斜を検知し光線を偏向させるセンサを介
   してリニアアレイに結像させる光源を備えた、互いに垂
   直な二つの方向で傾斜または傾斜の変化を測定するため
   の傾斜測定装置において、 幾何学模様（１２）が少なくとも一つの角形模様部（１
   ３；２２）を有し、該角形模様部（１３；２２）の、結
   像される辺（１５；１６）が、リニアアレイ（８）と２
   点で交わることを特徴とする２軸式傾斜測定装置。