JPH059882Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、売場の店頭などにおいて、商品を
陳列しておくために使用される商品吊下げ器具に
関するものである。

（従来の技術） 従来、各種売場で靴下などの小物を陳列する場
合には、小物やその包装材にフツクや係止孔を設
けておき、これを売場の壁面などに固定した比較
的長い吊下げ棒に掛けたり、挿通することにより
吊下げている。この吊下げ棒は、その基端部に例
えば断面コ字状の固定部材が設けられており、こ
の固定部材を壁面に配置した横材（陳列棚など）
に嵌合して固定している。

（考案が解決しようとする課題） ところで、最近のように消費者の要望が多様化
している時代では、その要望に応えられるように
商品の品揃えを豊富にしておく必要があり、柄違
い、色違い、さらにパツケージの違いなどにより
多種類の商品を用意している。

このため、売場においても、多種類の商品を同
時に陳列できる陳列手段が望まれている。

しかしながら、従来の吊下げ棒では、多種類の
商品を陳列しても、内側の商品は見ずらくて陳
列・展示効果が低く、また、多量の商品を長い吊
下げ棒に吊下げると、内側の商品が取り難いとい
う問題点もある。

このため、吊下げ棒を複数本配置することも考
えられるが、それぞれの吊下げ棒を壁面などに固
定しなければならず、壁面での固定準備（横材の
配置など）も含め、作業が面倒であるという問題
点がある。

この考案は上記問題点を解決することを基本的
な目的とし、多種類の商品陳列を可能とした商品
吊下げ器具を提供するものである。

（課題を解決するための手段） 上記目的を解決するため、本願考案の商品吊下
げ器具は、横方向に沿つた複数の吊下げ棒が間隔
を有して上下位置に配置されているとともに、下
方側の吊下げ棒の基端が、上方側の吊下げ棒の先
端より先端側に偏位しており、各吊下げ棒基端部
に、吊下げ棒と交差する横方向に沿つた横支持部
が連結され、隣接する横支持部間では、横支持部
の少なくとも一端部が傾斜した連結部を介して連
結されており、前記横支持部または連結部に吊下
げ器具設置用の固定部が設けられており、前記各
吊下げ棒の下側を商品吊下げの為の開放空間とし
てあることを特徴とするものである。

前記考案における吊下げ棒は、横方向に沿つて
配置されるものであり、通常は前後方向に沿つて
配置されるが、所望によつては、左右方向に沿つ
て配置することも可能である。また、吊下げ棒は
水平配置は勿論のこと、吊下げやすさや確実な吊
下げ状態が得られるように、水平に対し所定角度
を有して植上向きに傾斜させておくことも可能で
ある。この、吊下げ棒には、丸棒や角棒などを用
いることができ、全体形状も直線状のものに限定
されるものではなく、若干の屈曲形状や湾曲形状
とすることもできる。さらに、商品の固定を確実
とするため、吊下げ棒に凸部や凹部を設けること
もできる。

この吊下げ棒は、陳列する商品の品揃え数など
に応じて、２以上の数とする。

また、上下の吊下げ棒の間は、吊下げた商品の
表示可能領域となるので、その上下間隔は商品の
必要な表示面積や、さらに、商品の取出し易さな
どを考慮して定めればよい。

また、各吊下げ棒の長さは、商品の必要吊下げ
数などに応じて適宜定める。

この吊下げ棒に連結される支持部は、横方向に
沿うものであり、必ずしも水平なものに限定され
ないことも当然である。

また、隣接する支持部は、その端部を連結部で
連結する。この連結部は、隣接する支持部の端部
を直線的に連結する他、互いの支持部の間隔を
徐々に狭めて連結する手段を用いることができ
る。例えば、屈曲形状や湾曲形状の連結部を用い
る。

上記した吊下げ棒、支持部、連結部は、それぞ
れ別部材とし、溶接などの手段で連結することも
可能であるが、一体成形したものや、一体物を曲
げ加工などしたものであつてもよい。また、その
材質も特に限定されるものではなく、各種金属や
合成樹脂を用いることもできる。

なお、支持部もしくは連結部に設けられる固定
部（支持部と連結部のそれぞれに設けておくこと
も可能である）は、売場壁面などの所望箇所に固
定できるものであればよく、ボルト、ナツトによ
る固定、クランプ装置による固定、嵌込固定具に
よる固定などに対応できるものなど、その種別は
適宜選択することができる。

（作用） この考案によれば、複数の吊下げ棒は、上下に
間隔を有して配置され、かつ下方側の吊下げ棒
が、上方側の吊下げ棒の先端よりも先端側に偏位
する。

しかも、吊下げ棒は、それぞれ横の支持部に連
結され、この支持部が連結部を介して連結され
て、吊下げ棒の下側には、支持部や連結部が回避
された、商品の吊下げの為の開放された小空間が
確保されるので、吊下げた商品と吊下げ器具の各
部位との干渉が防止され、吊下げ商品の大きさに
制限が無くなる。

（実施例 １） 以下に、この考案の一実施例を第１図および第
２図に基づいて説明する。

細径の鉄棒が矩形波形に屈曲して吊下げ器具本
体１が構成されており、その上、中、下段の水平
部はそれぞれ左右方向に沿い、横支持部２ａ，２
ｂ，２ｃに割当てられている。

一方、横支持部２ａ，２ｂ間に横支持部２ｂ，
２ｃ間の縦部は連結部３ａ，３ｂに割当てられて
いる。

前記した吊下げ器具本体１は、下方側が先端側
に位置するように傾斜しており（連結部３ａ，３
ｂが前方に傾斜している。）、吊下げ器具本体１の
縦中心位置において、横支持部２ａ，２ｂ，２ｃ
に、短尺丸棒である吊下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃが
前後に水平に設けられている。これにより、下方
側の吊下げ棒の基端が上方側の吊下げ棒の先端よ
りも先端側に位置しており、各吊下げ棒の下側
に、商品吊下げの為に、横支持部２ａ，２ｂ，２
ｃや連結部３ａ，３ｂが存在しない開放空間が確
保されている。

なお、各吊下げ棒の先端には、滑り止め用に上
方に屈曲させた傾斜部５が設けられている。

なお、吊下げ器具本体の傾斜角（図示θ）は図
示の角度に限定されるものではなく、吊下げ商品
などにより適宜選択されるが、通常は水平に対し
25度〜70度の角度とする。従つて、この角度に従
つて、吊下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃの長さを決定す
る。

また、吊下げ棒４ａの後方位置における上段の
横支持部２ａには、下方を開口した角形鉤部６
（固定部）が設けられている。

以下に、この吊下げ器具の使用方法を以下に説
明する。

売場の壁面に配置した陳列棚などの横材（図示
しない）に前記鉤部６を嵌合し、吊下げ器具本体
１を傾斜させた状態で配置する。この状態で、吊
下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃが水平状態となつてい
る。この吊下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃにそれぞれ種
別の異なる（色違いなど）商品を吊下げる。各吊
下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃの下側は開放空間が形成
されているので、商品の大きさに制限は無い。吊
下げられた商品は、横支持部４ａ，４ｂまたは４
ｂ，４ｃ間の間隔内で視覚できるので、商品の展
示・陳列効果が確実に得られる。また商品を取り
出す際にも、例えば吊下げ棒を商品パツケージの
孔に挿入して商品を吊下げられている場合にも、
所望の商品は各段に別けて配置されているので、
吊下げ棒の奥に挿入されたような商品を取り出す
ときにも前方側の商品を抜き取る必要はなく、取
り出し作業が極めて容易となる。

また、取り出した商品も、連結部がない側にス
ライドさせることにより簡単に持ち去ることがで
きる。

なお、この実施例では、吊下げ棒毎に、種類の
異なる商品を吊下げるものとして説明したが、複
数の吊下げ棒に同一の商品を吊下げることも可能
であり、この場合にも、商品の取り出しが容易で
あるという効果が得られる。

また、第３図に示すように、吊下げ棒の近傍
に、プライスカードを装着するための取付棒７を
設けることも可能である。

この取付棒７は横支持部や吊下げ棒に設けるこ
とができる。また、吊下げ棒は、横支持棒に直接
連結する他、第３図に示すように捕助棒８などで
間接的に連結することも可能である。

（実施例 ２） 次に、他の実施例を第４図に基づいて説明す
る。

この実施例では、吊下げ器具本体１０はＥ字形
からなり、その水平部は左右方向に沿い、それぞ
れ横支持部１１ａ，１１ｂ，１１ｃに割当てられ
ている。また、縦部で連結部１２ａ，１２ｂが構
成されている。

なお、前記横支持部の端部（連結部との連結側
に対する他端）には、それぞれ前記実施例と同一
構造の吊下げ棒４ａ，４ｂ，４ｃが前後に水平に
設けられており、先端側の吊下げ棒４ｂ，４ｃの
基端は後端側の吊下げ棒４ａ，４ｂの先端よりも
先端側に位置している。さらに、上段の横支持部
１１ａの端部には、同じく前記実施例と同様に鉤
部６が設けられている。

この実施例の吊下げ器具も前記実施例と同様に
して使用することができる。

以上説明した実施例では、支持部の連結は直線
状の連結部で連結したが、湾曲形状や、屈曲形状
の連結部を用いることも可能である。

また、支持部も必ずしも直線状態のものである
必要はなく、隣接する支持部に接近すべく、湾
曲、屈曲させたものであつてもよく、この場合に
連結部が点状であつてもよい。要は、吊下げ棒の
下方直近に支持棒が位置しないように回避されて
開放空間が確保されているものであればよい。

（考案の効果） 以上説明したように、この考案によれば、横方
向に沿つた複数の吊下げ棒が間隔を有して上下位
置に配置されているとともに、下方側の吊下げ棒
の基端が、上方側の吊下げ棒の先端より先端側に
偏位しており、各吊下げ棒基端部に横支持部が連
結され、隣接する横支持部間では、支持部の少な
くとも一端部が傾斜した連結部を介して連結され
ており、前記支持部または連結部に吊下げ器具設
置用の固定部が設けられており、前記吊下げ棒の
下側を商品吊下げの為の開放空間としているの
で、複数の吊下げ棒を簡単に設置でき、この吊下
げ棒に良好な展示・陳列効果を有するように商品
を容易に吊下げできるとともに、商品の取出しも
容易であるという効果がある。特に、下方側の吊
下げ棒の基端を、上方側の吊下げ棒の先端より先
端側に偏位して、各吊下げ棒の下側を、商品吊下
げの為の開放間隔としたので、吊下げる商品の大
きさを制限しない効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す斜視図、第
２図は同じく側面図、第３図は同じく吊下げ棒連
結部を変更例を示す一部斜視図、第４図は他の実
施例を示す斜視図である。 １……吊下げ器具本体、２ａ，２ｂ，２ｃ……
横支持部、３ａ，３ｂ……連結部、４ａ，４ｂ，
４ｃ……吊下げ棒、６……鉤部、１０……吊下げ
器具本体、１１ａ，１１ｂ，１１ｃ……横支持
部、１２ａ，１２ｂ……連結部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 横方向に沿つた複数の吊下げ棒が間隔を有して
   上下位置に配置されているとともに、下方側の吊
   下げ棒の基端が、上方側の吊下げ棒の先端より先
   端側に偏位しており、各吊下げ棒基端部に吊下げ
   棒と交差する横方向に沿つた横支持部が連結さ
   れ、隣接する横支持部間では、横支持部の少なく
   とも一端部が傾斜した連結部を介して連結されて
   おり、前記横支持部または連結部に吊下げ器具設
   置用の固定部が設けられており、前記各吊下げ棒
   の下側を商品吊下げの為の開放空間としてあるこ
   とを特徴とする商品吊下げ器具。