JPH0598587A - ポリエステル系繊維のオパール加工方法及びオパール加工着色方法およびオパール加工着色布帛 - Google Patents

ポリエステル系繊維のオパール加工方法及びオパール加工着色方法およびオパール加工着色布帛

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JPH0598587A
JPH0598587A JP5712592A JP5712592A JPH0598587A JP H0598587 A JPH0598587 A JP H0598587A JP 5712592 A JP5712592 A JP 5712592A JP 5712592 A JP5712592 A JP 5712592A JP H0598587 A JPH0598587 A JP H0598587A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ポリエステル系繊維からなるオパール加工品
を工業規模で再現性よく製造すること。更に、従来得る
ことの出来なかった抜食部と非抜食部とがそれぞれ異色
に染色されたオパール加工染色品を提供すること 【構成】 アルカリ減量速度の異なる2種以上のポリエ
ステル系繊維を含む布帛に塩化カルボン酸の塩と無機系
糊剤を含有する抜食糊を印捺し相対湿度90%以上の条
件下で熱処理することによりアルカリ減量速度の大なる
ポリエステル系繊維を抜食せしめる。また、抜食糊にア
ルカリ不抜性の染料を混用することにより鮮明な染色も
可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリエステル系繊維布
帛の一部を抜食加工する所謂オパール加工に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ポリエステルと綿・絹・レーヨンのよう
に異種の繊維を交編織して片方の繊維を抜食することに
より、透かし模様を形成させる加工法は従来よりオパー
ル加工として知られている。しかし、公知のオパール加
工法には、型際のシャープさが出ない、異種繊維の同色
染めが難しい、互いの繊維のもつ特徴が失われるという
欠点がある。
【0003】一般に、ポリエステル系繊維は種々の優れ
た物性を有しているため、近年該物性を利用したポリエ
ステル系繊維からなるオパール加工品が求められてい
る。
【0004】ポリエステルに関する加工法としては、ポ
リエステルにアルカリを含む抜食糊を印捺後、熱処理で
局部的に溶解部分を生ぜしめる方法も知られているが、
該方法では、コントロールが難しい、型際が不鮮明、透
かし模様が単調という欠点がある。
【0005】更にアルカリ減量速度の異なる2種以上の
ポリエステル系繊維を含む布帛に対し、アルカリ金属の
水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等のアルカリ含有抜食糊を
印捺し、アルカリ減量速度の大なるポリエステル系繊維
を抜食する方法(特開昭55−90673号公報)も知
られており、前処理として酸処理をしたり(特開昭60
−126392号公報)、後処理としてアルカリ処理を
したり(特開昭56−165083号公報)するものが
知られている。
【0006】また、レギュラーポリエステルと常圧カチ
オン可染ポリエステルよりなる布帛に、酸を含む捺染糊
を印捺し常圧カチオン可染ポリエステルを脆化させた
後、金属水酸化物により減量を行い常圧カチオン可染ポ
リエステルを抜食する方法(特開昭63−159587
号公報)も知られており、酸の代わりにアミンを使用す
る方法(特開平3−867号公報)も知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術の如く、アルカリ処理を行うものは、本来残留さ
せねばならないアルカリ減量率の小なるポリエステル系
繊維までも浸蝕してしまうおそれが強く、この点に配慮
して処理を施すと、減量率を所定の値となした安定性の
ある製造を行うことが困難となるため、工業的には品位
の高いものを安定して製造することができないという欠
点を有する。
【0008】また酸やアミンを含む糊を印捺後苛性アル
カリによる減量を行うものは、カチオン染料染色ができ
ず、分散染料染色品を苛性アルカリにより加工すると、
鮮明濃色品が得られない。一般に、オパール加工品に染
色を施すことは、抜食工程後に捺染等を実施すればコス
トが掛かりすぎ、抜食工程後では無地染色しかできず、
抜食部のスリップ発生の恐れも多く実用的でない。
【0009】更に、抜食工程後に難燃処理等の后加工を
施すことも、浸漬法では同様に実用的でなく、連続法に
おいても、充分な難燃性が得られない。加えて、難燃処
理等の各種加工が減量加工に先だって行われている場
合、減量加工で難燃性が低下する欠点も有する。
【0010】また、アルカリ金属の水酸化物のような抜
食効果に優れたものは抜食糊のPHが12以上と高く抜
食糊の安定性が悪い。更に、高PHは捺染工程等におけ
る作業の安全性にも悪影響を与え、着色抜染等を行おう
として、抜食糊と差し色染料を混合すると、染料の変退
色が生じ、鮮明濃色品が得られない。
【0011】本発明は、これら問題点を解決するもので
あって、ポリエステル系繊維からなる高品位のオパール
加工品を、再現性よく製造する方法を提供することを目
的とする。また、他の目的は、該方法を用いて従来得る
ことの出来なかった抜食部と非抜食部とがそれぞれ異色
に染色されたオパール加工染色品を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルカリ減量
速度の異なる2種以上のポリエステル系繊維を含む布帛
に塩化カルボン酸の塩と無機系糊剤とを含有する抜食糊
を印捺し相対湿度90%以上の条件下で熱処理すること
によりアルカリ減量速度の大なるポリエステル系繊維を
抜食せしめることを特徴とするものである。
【0013】本発明においてアルカリ減量速度の小なる
ポリエステル系繊維としてはテレフタール酸を主たる酸
成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、特に
好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分
とするポリエステルからなる繊維を挙げることができ
る。
【0014】一方、アルカリ減量速度の大なるポリエス
テル系繊維としては前記アルカリ減量速度の小なるポリ
エステル系繊維にイソフタール酸、ナフタリンジカルボ
ン酸、ジフェニールジカルボン酸、p−オキシ安息香
酸、セバチン酸、トリメリット酸、5−ナトリウムスル
ホイソフタール酸、5−カリウムスルホイソフタール
酸、5−メチールスルホイソフタール酸、ポリアルキレ
ングリコール等の第三成分を1モル%〜15モル%共重
合させたコポリエステルからなる繊維またはポリアルキ
レングリコール、アルキルスルホン酸ナトリウム、アル
キルベンゼンスルホン酸ナトリウム等を1〜15重量%
ブレンドしたポリエステルからなる繊維を挙げることが
できる。特に本発明においては5−ナトリウムスルホイ
ソフタール酸または5−カリウムスルホイソフタール酸
を1〜5モル%、ポリエチレングリコール(分子量40
00)を0〜10重量%を含むポリエチレンテレフタレ
ートを用いることが好ましい。
【0015】組み合わせるポリエステル系繊維のアルカ
リ減量速度差は50%以上、更に好ましくは60%以上
であることが好ましい。ここでいうアルカリ減量速度と
は水酸化ナトリウム1重量%水溶液で98℃10分間減
量処理したときの減量率をいう。
【0016】これらアルカリ減量速度の異なる2種以上
のポリエステル系繊維は交編織して布帛とするのが好ま
しいが、混合して不織布としてもよく、更にサイドバイ
サイドまたはシースコアタイプの複合繊維として使用し
てもよい。
【0017】次に、本発明で使用する塩化カルボン酸の
塩と無機系糊剤を含有する抜食糊について述べる。塩化
カルボン酸の塩としては、塩化カルボン酸のナトリウム
塩が好ましく、トリクロール酢酸のナトリウム塩が特に
好ましい。使用量はアルカリ溶解度の大なるポリエステ
ル系繊維の種類により異なるが、抜食糊100gに対し
て2〜50g、好ましくは5〜35gである。
【0018】本発明で使用する無機系糊剤としては例え
ば珪藻土、及び/またはモンモリロナイトを50%以上
含む糊剤が挙げられる。また、これに高分子系糊剤例え
ばエーテル化澱粉、ローカストビーンガム、グアーガ
ム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、クリスタルガム、アルギン酸ナトリウムを混
用してもよく、特に、アルギン酸ナトリウム、カルボキ
シメチルセルロースが好ましく、カルボキシメチルセル
ロースが特に好ましい。両者を混用することにより型際
の良好な加工品を得ることができる。
【0019】また、該抜食糊の粘度は2000〜300
00cpsとすることが好ましい。本発明で用いる抜食
糊は、前記の如き塩化カルボン酸の塩及び無機系糊剤を
含有するものであり、この他に耐アルカリ性浸透剤、抜
染剤等の第三成分を含んでもよいことは勿論である。該
抜食糊は常温では通常pH7以下である。
【0020】前記のような塩化カルボン酸の塩と無機系
糊剤を含有する抜食糊をアルカリ減量速度の異なる2種
以上のポリエステル系繊維を含む布帛に印捺し乾燥後相
対湿度90%以上の条件下で熱処理(スチーミング)し
てアルカリ減量速度の大なるポリエステル系繊維(以
下、易溶解糸と云う)を抜食する。熱処理は常圧の飽和
蒸気の場合は20分以上、高圧の飽和蒸気の場合は15
分以上行うのが好ましい。
【0021】易溶解糸を抜食する際は、アルカリ減量速
度の小なるポリエステル系繊維(以下、難溶解糸と云
う)をできるだけ浸蝕しないよう配慮することが必要で
あるが、本発明においては、前記の如き熱処理であれば
難溶解糸を浸蝕することがない。また、難溶解糸を浸蝕
することが少なければ、若干のアルカリ性成分を併用し
てもよく、この場合アルカリ金属の水酸化物、炭酸塩、
重炭酸塩等を挙げることができる。
【0022】よって本発明においては、例えば水酸化ナ
トリウムを用いた処理では難溶解糸まで浸蝕するおそれ
のある130℃で30分間の高圧スチーミング等の加熱
条件でも選択することが可能である。
【0023】以上の如きオパール加工方法によれば、後
に述べる如く安定した生産が可能であるが、特に従来抜
食時のアルカリ成分によって得ることのできなかった鮮
明な染色品が得られる。中でも従来得ることの出来なか
った抜食部の着色が可能となり、抜食部と非抜食部とで
異色に染色されたオパール加工品を得ることができる。
以下かかる事項について詳説する。
【0024】抜食加工を行う布帛はアルカリ不抜性の染
料で地染め染色を行うとよい。例えば、液流染色機やビ
ーム染色機を用いての浸染や染色液をマングルで付与す
る等の方法が挙げられる。
【0025】次に、抜食と着色を兼ねた捺染を行うが、
抜食糊は前記した如く塩化カルボン酸の塩を用い、これ
と染料とを混用して前記のオパール加工を行う。かかる
染料としては、アルカリ不抜性の染料を使用すれば特に
限定されず、例えば、CI.Disperse Yel
low160、CI.DisperseRed302、
CI.Disperse Red91、CI.Disp
erse Bule60等を挙げることができる。ま
た、染料の混合量は高々10重量%程度でよく、抜食・
抜染工程の条件も前記した抜食条件と同様でよい。抜染
処理後は、通常の方法で還元洗浄を行い染色品が得られ
る。
【0026】尚、本発明では各種加工を施しても良いこ
とは勿論であり、例えばポリエステルの特性を生かして
難燃加工を行えばカーテン材等として有効な素材が得ら
れる。かかる加工は、布帛にする前の原糸、原綿、糸条
の状態でも、布帛にして本オパール加工を行う前でも後
でもよい。例えば難燃加工を行う場合、難燃材として
は、有機リン・ハロゲン化合物、含窒素有機リン化合物
等従来からポリエステル繊維用難燃剤として用いられて
いるものを使用することができるが、特にヘキサブロモ
シクロドデカンのような常温で固体のハロゲン化シクロ
アルカン化合物を使用すると、反染め時に同時に難燃加
工を施すことができるので便利であり、特に浸漬法で処
理すると難燃効果も優れている。この場合、ハロゲン化
シクロアルカン化合物は、平均粒径1μm未満の懸濁液
として、染液と混合使用するとよい。
【0027】
【作用】塩化カルボン酸の塩と無機系糊剤を50%以上
含有する糊剤よりなる抜食糊は常温ではPH4〜7であ
るが、60℃〜120℃で乾燥するとPHは7〜9にな
り、更に飽和蒸気または高温蒸気でスチーミングすると
PHは10以上となりポリエステル系繊維の抜食を始め
る。
【0028】この際でも、該抜食糊は難溶解糸を浸蝕す
るおそれがないため、充分な加熱温度、時間をもって易
溶解糸を完全に抜食することができ、工業規模で実施を
行っても常に所定の減量率をもった加工品を得ることが
できる。
【0029】
【実施例】
実施例1 経糸に、アルカリ減量速度が小なるポリエステル系繊維
としてポリエチレンテレフタレート糸50d/24f
(アルカリ減量速度0.5%)を使用し、緯糸に、30
d/12fのポリエチレンテレフタレート糸と、アルカ
リ減量速度が大なるポリエステル系繊維として、スルホ
イソフタール酸ナトリウム4.25モル%、ポリエチレ
ングリコール(分子量4000)8重量%を含む75d
/36fのポリエチレンテレフタレート糸(アルカリ減
量速度70%、アルカリ減量速度差69.5%)とをイ
ンターレース加工して打ち込んだ平織物を作成した。該
織物を精練、ヒートセットの後、トリクロール酢酸ナト
リウム20部、珪藻土8部、モンモリロナイト6部、カ
ルボキシメチルセルロース3部、水63部、計100部
からなる抜食糊(PH6.0)を該織物に印捺した。次
いで105℃で2分乾燥後、130℃で30分飽和蒸気
でスチーミングする処理を5回行い水洗乾燥した。各処
理の織物の減量率を表1に示す。また、各処理とも印捺
部のアルカリ減量速度の大なるポリエステルは完全に除
去され、型際の極めてシャープな透かし模様のオパール
加工布が得られた。
【0030】比較例1 実施例1と同様の平織物を使用し、実施例1と同様に精
練セットし、インダルカPA30(CESALPINI
A社製糊剤)8部、水酸化ナトリウム10部、シルケロ
ールCAP(第一工業製薬社製耐アルカリ性浸透剤)
0.8部、水81.2部、計100部からなる抜食糊
(PH12以上)を該織物に印捺し105℃で2分間乾
燥後、130℃で30分飽和蒸気でスチーミングする処
理を5回行い、水洗乾燥した。各処理の織物の減量率を
表1に示す。また、印捺部のアルカリ減量速度の大なる
ポリエステルは大部分除去されたが、残留部も生じ透か
しに斑が発生すると共に、一部穴も生じた。
【0031】
【表1】
【0032】実施例2 加熱(スチーミング)条件を表2の如く設定した他は、
実施例1と全く同一の条件でオパール加工を行った。表
2より明らかな如く、相対湿度が90%以下となると、
抜食が完全に行われない。
【0033】
【表2】
【0034】実施例3 実施例1の平織物を実施例1と同様に精練、ヒートセッ
トした後、エーテル化澱粉5.6部、トリクロル酢酸ナ
トリウム20部、水74.4部からなる抜食糊(PH
5.8)を印捺し、105℃で2分間乾燥後、100℃
で30分間飽和水蒸気で常圧スチーミングし、水洗、乾
燥した。印捺部のアルカリ減量速度の大なるポリエステ
ルは完全に除去され、オパール加工品が得られた。但
し、型際のシャープさは実施例1よりも若干劣ってい
た。
【0035】実施例4 実施例1と同様の平織物を使用し、該織物を通常の精
練、セットをした後蛍光増白染料UVITEX EBF(チバガイ
ギー社製) 2%owf、ヘキサブロモシクロドデカン系難燃
剤ニッカファイノンCG−8(日華化学製)20%ow
fを含む染色浴で120℃で30分処理後ソーピングし
た。該難燃性白色布に、オートスクリーンを用いて常法
により4色で花柄をプリントした後、抜食剤トリクロー
ル酢酸ナトリウム25部、元糊として35%エンバテッ
クスDS−1(共栄化学製無機、有機混合糊剤)水溶液
を50部、水25部、計100部を含むオパール糊を印
捺し、120℃で2分間乾燥後100℃で30分間飽和
蒸気でスチーミングした。
【0036】さらに180℃で8分間過熱蒸気でスチー
ミングし、次いで液流染色機を用いて先ず水洗し、次い
で炭酸ナトリウム、ハイドロサルファイト、洗浄剤を含
む還元洗浄浴でソーピングした。地が白色で、きれいな
花柄と透かし模様を持ったオパール加工布が得られた。
このオパール加工布の難燃性(洗濯5回後)、耐光性を
表3に示す。
【0037】
【表3】
【0038】実施例5 実施例1と同様の平織物を使用し、該織物を通常の精練
セットをした後、ヘキサブロモシクロドデカン系難燃剤
ニッカファイノンCG−8(日華化学製)20%owf
を含む浴で130℃で30分処理後ソーピングした。該
難燃性布に、オートスクリーンにて常法により水玉模様
をプリントした。次いで抜食剤としてトリクロール酢酸
ソーダ25部、糊剤として12%インダルカPA030
(CESALPINIA社製グアーガム)30部、7%ソルビトー
ゼC5(AVEBE 社製エーテル化澱粉)24部、水21
部、計100部を含むオパール糊を印捺し、105℃で
2分間乾燥後100℃で30分間飽和蒸気でスチーミン
グした。
【0039】次ぎに液流染色機で水洗後、炭酸ソーダ、
ハイドロサルファイト、洗浄剤を含む還元洗浄浴でソー
ピングした。水玉模様と、透かし模様の美しいオパール
加工布が得られた(実施例5)。このオパール加工布の
難燃性(洗濯5回後)、耐光性を表4に示した。比較の
ためトリクロール酢酸ソーダに変えて、抜食剤として表
5に示したように炭酸カリ、炭酸ソーダ、炭酸カリと炭
酸ソーダの混合物を常温で析出しない量だけ加えてオパ
ール糊を作り、実施例5と同様の難燃性布に印捺し、実
施例5と同様に乾燥、スチーミングした(比較例2〜
4)。透け状態を表5に纏めた。
【0040】
【表4】
【0041】
【表5】
【0042】実施例6 実施例1と同様の平織物を使用し、該織物を通常の精
練、セットをした後アルカリ可抜性の黄色染料DIANIX Y
ELLOW AN-P(三菱化成ヘキスト社製) 2%owf、耐光剤CI
BATEX LFN new (チバガイギー社製)3%owf、ヘキ
サブロモシクロドデカン系難燃剤ニッカファイノンCG
−8(日華化学製)20%owfを含む染色浴で120
℃で30分処理後ソーピングした。該難燃性黄色染色布
にアルカリ不抜性の青色染料DIANIX BLUE SPH (三菱化
成ヘキスト社製)2部、プリント助剤カラーファインA
D−S(第一工業製薬製)10部、抜食兼抜染剤トリク
ロール酢酸ナトリウム30部、元糊として14%セルパ
ールA040(安達糊料製)水溶液を50部、水8部、
計100部を含むオパール色糊を印捺し、120℃で2
分間乾燥後100℃で30分間飽和蒸気でスチーミング
した。
【0043】さらに180℃で8分間過熱蒸気でスチー
ミングし、次いで液流染色機を用いて水洗した後、炭酸
ナトリウム、ハイドロサルファイト、洗浄剤を含む還元
洗浄浴でソーピングした。地が黄色、透かし模様の部分
が青色の、鮮明に染まったオパール加工布が得られた。
このオパール加工布の難燃性(洗濯5回後)、耐光性を
表6に示す。
【0044】
【表6】
【0045】実施例7 スルホイソフタール酸ナトリウム4.25モル%、ポリ
エチレングリコール(分子量4000)8重量%を含む
ポリエチレンテレフタレート糸(75d/36f、イと
する)、スルホイソフタール酸ナトリウム2.5モル%
を共重合したポリエチレンテレフタレート糸(75d/
36f、ロとする)、ポリエチレングリコール(分子量
600)4.76重量%を含むポリエチレンテレフタレ
ート糸(75d/36f、ハとする)を用いて、ポリエ
チレンテレフタレートウーリー糸(30d/24f)と
それぞれインターレース混繊して緯糸とし、ポリエチレ
ンテレフタレートの経糸(50d/24f)と組み合わ
せて平織物を製織した(順に実施例7、比較例5、比較
例6)。
【0046】それぞれの布を通常の精練セットをした
後、ビーム染色機を用いてヘキサブロモシクロドデカン
系難燃剤ニッカファイノンCG−8(日華化学製)20
%owfを含む浴で130℃で30分間処理後ソーピン
グした。該難燃性布に、アルカリ不抜性の赤色染料1
部、プリント助剤カラーファインAD−S(第一工業製
薬製)10部、抜食兼抜染剤トリクロール酢酸ナトリウ
ム20部、アルカリとして炭酸カリ8部、元糊として1
4%セルパールA040(安達糊料製)水溶液を50
部、水11部、計100部を含むオパール色糊を印捺
し、120℃で2分間乾燥後100℃で30分間飽和蒸
気でスチーミングした。さらに180℃で8分間過熱蒸
気でスチーミングし、次いで液流染色機を用いて水洗し
た後、炭酸ナトリウム、ハイドロサルファイト、洗浄剤
を含む還元洗浄浴でソーピングした。
【0047】実施例7では地が白色、透かし模様が赤の
きれいなオパール加工布が得られた。比較例5及び比較
例6では、透かし模様とはならず単に赤い柄のオーバー
プリントができた。表7に実施例7の難燃性(洗濯5回
後)と耐光性を、表8に糸のアルカリ溶解度とその糸を
用いた布の透けの状態を纏めた。
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】実施例8 経糸に、アルカリ減量速度が小なるポリエステル系繊維
としてポリエチレンテレフタレート糸75d/36f
(アルカリ減量速度0.5%)で1000回/MS撚を
掛けた糸を使用し、緯糸に50d/24fのポリエチレ
ンテレフタレート糸とアルカリ減量速度が大なるポリエ
ステル系繊維として、スルホイソフタール酸ナトリウム
4.25モル%、ポリエチレングリコール(分子量40
00)8重量%を含む75d/36fのポリエチレンテ
レフタレート糸(アルカリ減量速度70%、アルカリ減
量速度差69.5%)とを500回/M、Z撚を掛けて
合撚して打ち込んだ平織物を作成した。
【0051】該織物を通常の精練、セットをした後、ヘ
キサブロモシクロドデカン系難燃剤ニッカファイノンC
G−8(日華化学製)20%owfを含む浴で120℃
で30分処理後ソーピングした。該難燃性布にアルカリ
不抜性の赤色染料TERASIL PINK 3GN(チバガイギー社
製)2部、プリント助剤カラーファインAD−S(第一
工業製薬製)10部、抜食剤トリクロール酢酸ナトリウ
ム20部、元糊として20%ファインガムDP70P
(第一工業製薬製)水溶液を55部、水13部、計10
0部を含むオパール色糊を印捺し、105℃で2分間乾
燥後100℃で30分間飽和蒸気でスチーミングした。
さらに180℃で8分間過熱蒸気でスチーミングし、次
いで液流染色機を用いて水洗した後、炭酸ナトリウム、
ハイドロサルファイト、洗浄剤を含む還元洗浄浴でソー
ピングした。透かし模様の部分が赤色の、鮮明に染まっ
たオパール加工布が得られた(実施例8)。このオパー
ル加工布の透かし部分の難燃性(洗濯5回後)を表9
に、赤色部分の測色値を表10に示す。
【0052】比較のためオパール色糊の組成をアルカリ
不抜性の赤色染料TERASIL PINK 3GN(チバガイギー社
製)2部、プリント助剤カラーファインAD−S(第一
工業製薬製)10部、抜食剤水酸化ナトリウム10部、
元糊として20%ファインガムDP70P(第一工業製
薬製)水溶液を55部、水23部、計100部に代えた
ものを用い、他は実施例8と全く同様にして得られたオ
パール加工布(比較例7)の透かし部分の難燃性と赤色
部分の測色値をそれぞれ表9、表10に示す。なお測色
値はマクベスMS−2020プラス分光光度計(マクベ
ス社製)を用いてCIE1976L* * * 表色系
の、L* 値、a* 値、b* 値及びマンセル表色系のC値
を求めた。実施例が比較例に比べて、難燃性、及び着色
された赤色の濃度、鮮明性において優っている。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、工業規模で、所望の減
量率をもったオパール加工品を再現性良く製造すること
が可能であり、得られたオパール加工品も、不必要な浸
蝕のない高品位のものである。
【0056】又、糊の安定性、作業の安全性も得られる
ため、本方法は極めて生産安定性に優れた加工法であ
る。
【0057】更に、本発明によれば、従来得ることので
きなかった抜食部が鮮明に着色されたオパール加工品を
得ることができる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ減量速度の異なる2種以上のポ
    リエステル系繊維を含む布帛に塩化カルボン酸の塩と無
    機系糊剤とを含有する抜食糊を印捺し相対湿度90%以
    上の条件下で熱処理することによりアルカリ減量速度の
    大なるポリエステル系繊維を抜食せしめることを特徴と
    するポリエステル系繊維のオパール加工方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ減量速度の異なる2種以上のポ
    リエステル系繊維を含む布帛に塩化カルボン酸の塩及び
    アルカリ不抜性の染料を含有する抜食糊を印捺し相対湿
    度90%以上の条件下で熱処理することによりアルカリ
    減量速度の大なるポリエステル系繊維を抜食せしめ、さ
    らにアルカリ減量速度の小なるポリエステル系繊維を着
    色せしめることを特徴とするポリエステル系繊維のオパ
    ール加工着色方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ減量速度の異なる2種以上のポ
    リエステル系繊維を含む布帛であって、抜食部及び非抜
    食部を有し、少なくとも一方が着色され、しかも両部が
    異色であることを特徴とするポリエステル系繊維のオパ
    ール加工着色布帛。
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