JPH0598242A - 液状紫外線吸収剤及びその製造方法 - Google Patents

液状紫外線吸収剤及びその製造方法

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JPH0598242A
JPH0598242A JP24539291A JP24539291A JPH0598242A JP H0598242 A JPH0598242 A JP H0598242A JP 24539291 A JP24539291 A JP 24539291A JP 24539291 A JP24539291 A JP 24539291A JP H0598242 A JPH0598242 A JP H0598242A
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JP
Japan
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alkyl group
chemical
ultraviolet absorber
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parts
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JP24539291A
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English (en)
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Yoshio Abe
喜夫 阿部
Kazumasa Kaneko
一正 金子
Hide Honmaru
秀 本丸
Katsuaki Okawa
勝昭 大川
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SHIPURO KASEI KK
Osaka Seika Kogyo KK
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SHIPURO KASEI KK
Osaka Seika Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】樹脂、溶剤に優れた溶解性を示し、極低温でも
結晶せずに紫外線吸収性能を発揮することができ、高温
加熱しても蒸散性が少なく、比較的収量も良好である。 【構成】次の一般式〔A〕で表される2−(2−ヒドロ
キシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール系液状紫外
線吸収剤。 (式中、Xは水素又は塩素原子、R1 は炭素数4乃至5
の第3級アルキル基、R2 はプロピレン3量体又は4量
体からなる炭素数9又は12を主体とするアルキル基を
表わす。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は2−(2−ヒドロキシフ
ェニル)−2H−ベンゾトリアゾール系液状紫外線吸収
剤及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】2−ヒドロキシフェニル−2H−ベンゾ
トリアゾール系紫外線吸収剤は、合成樹脂等の有機物質
に添加すれば紫外線による劣化を防ぐ効果が認められて
いることから広く使用されている。特に2−(2−ヒド
ロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤は、樹脂本体だけでなく、同時に使用した染料、
顔料などの色素の堅牢度の改良も認められることから、
写真フィルム塗膜や塗料用など一層幅広く使用される用
途が出てきた。
【0003】しかしこの色素の堅牢度改良の効果をあげ
るためには、上記の紫外線吸収剤を従来より一層高濃度
で使用し、有害な紫外線の吸収を幅広くカットしなけれ
ばならないのが実情である。例えば写真フィルム塗膜用
途の場合、当該効果を上げる為に実際には紫外線吸収剤
を高い濃度で樹脂溶液にエマルジョンとして使用してい
る。また塗料用として用いる場合も、極めて薄い皮膜内
に高濃度に溶解分散させることが必要になってきた。従
って紫外線吸収剤としては、樹脂、溶剤に対する一層す
ぐれた溶解性が要求され、さらに極低温でも結晶せず性
能を発揮すること、また高温下で蒸散性の低いことが要
望されるようになってきた。
【0004】この点、市場に広く出ている2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール系紫外
線吸収剤はこの要求に答えるには問題が多い。すなわ
ち、樹脂、溶剤に対する溶解度が低いため、ポリプロピ
レン、ポリエチレン、ポリスチレン等に極めて溶けにく
く、使用量を増やすと時間の経過後、樹脂表面に浸出し
たり透明膜が濁ることが指摘されている。同様に比較的
高い熔融点を持つので、塗料などで使用中、エマルジョ
ン中で結晶化したり、濃度を高めると長時間経つと樹脂
表面に析出し、白化現象を起こす等その改良が強く求め
られている。
【0005】このため従来より、以下の通り、この種の
紫外線吸収剤について種々改良が加えられてきている。
【0006】特公昭60−14062号は骨格構造であ
る2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリ
アゾールのフェニル基の5位に炭素数の大きい高級アル
キル基であるプロピレン4量体を導入し、アルキル基の
構造の異なるものの混合体で液状化している。
【0007】特開昭61−190537号及び特開平1
−203371号は、2−(2−ヒドロキシ)−5−メ
チルベンゾトリアゾールを出発原料とし、高級オレフィ
ンを使用してメタンスルフォン酸触媒で反応させ、液状
の目的物2−(2−ヒドロキシ−3−アルキル−5−メ
チルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを得る方法
を提案している。
【0008】特開平2−15070号ではさらに出発原
料として炭素数が2個以上の5アルキル誘導体及び2、
4ジアルキル誘導体を使用し、同様に高級オレフィンを
反応させて液状の紫外線吸収剤を得ることを開示してい
る。
【0009】特開昭55−120639号は、2−(2
−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール核
の3、5位にジ tert-オクチルを導入し、溶剤、樹脂へ
の溶解性改良を試みている。
【0010】特開昭55−12587号では同じく2−
ヒドロキシフェニル基の3、5位にアルキル基として第
2、第3ブチル基の組合せのもので、且つどちらか一方
が第2ブチル基であるものが写真用途として優れたエマ
ルジョン性を発揮するとしている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし特公昭60−1
4062号は、高級アルキル基であるプロピレン4量体
のドデシルフェノールをフェニル基の5位に導入して液
状品を得ているが、樹脂の安定剤としての効果は未だ十
分でなく、また蒸散性の点でもさらに改良の余地があ
る。
【0012】特開昭61−190537号、特開平1−
203371号、及び特開平2−15070号は、安定
した液状の紫外線吸収剤を提供し得る点で好ましいが、
それぞれ2−(2−ヒドロキシフェニル)−5−メチル
ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシフェニル−5−ア
ルキルベンゾトリアール、2−ヒドロキシフェニル−
3、5−ジアルキルベンゾトリアゾールを出発原料と
し、高級オレフィンで後アルキル化して生成物を得なけ
ればならないことから、製造上、副反応としてアルキル
基の分裂、脱離、分解が同時に起こり、生成物は多くの
炭素数の異なる混合物になるほか、高価なベンゾトリア
ゾール誘導体を出発原料として多く消費するにもかかわ
らず比較的収量が低く、工業的に必ずしも有利であると
はいい難い。特開昭55−120639号は、2−(2
−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの
フェニル基の3、5位に第3級のオクチル基を導入して
いるが、生成物は結晶性のもので、液状化は達成されて
いない。
【0013】特公昭55−12587号は、同じフェニ
ル基の3、5位に第2級、第3級ブチル基を導入する
が、これまた蒸散性、非結晶化の点で不十分である。
【0014】この発明の目的は、液状であって樹脂、溶
剤に優れた溶解性を示し、極低温でも結晶せずに紫外線
性能を発揮することができると同時に、さらに高温加熱
しても蒸散性が少なく、かつ比較的収量も良好で、製造
上工業的に有利である2−ヒドロキシフェニル−2H−
ベンゾトリアゾール系液状紫外線吸収剤及びその製造方
法を提供する点にある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者らは市場性の高
い優れた液状の紫外線吸収剤について鋭意検討を進める
うち、次の一般式〔A〕及び又は〔A′〕で示した2−
(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル系液状紫外線吸収剤が、液状であって樹脂及び溶剤に
優れた溶解性を示し、極低温でも結晶せず性能を発揮す
ることができ、高温加熱しても蒸散性が少なく、しかも
比較的収量も良好に製造し得ることを見出だし、本発明
に達することが出来た。
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】(なお式中、Xは水素、塩素原子、R1
炭素数4ないし5の第3級アルキル基を表す。R2 はプ
ロピレン3量体又は4量体からなる炭素数9又は12を
主体とするアルキル基を表わす。)また本発明者等は高
濃度で使用することのできる溶解性の良い2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール誘導体
の製造方法について研究した結果、液状2−(2−ヒド
ロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを工業的
に得る方法としては、公知の後アルキル化方法より以下
の特定のフェノールを原料とし、これをカップリング
し、得られたアゾ化合物を還元環化する方法の方が製造
上有利であることを見出だした。
【0019】すなわち次の一般式〔B〕で表わされるo
−ニトロアニリン類のジアゾ化合物と、
【0020】
【化12】
【0021】(式中、Xは水素又は塩素原子を表す。)
次の一般式〔E〕のフェノール
【0022】
【化13】
【0023】(式中、R1 は炭素数4又は5の第3級ア
ルキル基を表わしている。なお該アルキル基は水酸基の
オルト位又はパラ位に導入されたものとする。)にプロ
ピレン3量体であるノネン或いはプロピレン4量体であ
るドデセンを反応させて得られる次の一般式〔C〕及び
又は〔C′〕の2、4−ジアルキルフェノールを、
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】(式中、R1 は炭素数4又は5の第3級ア
ルキル基、R2 は炭素数9又は12のアルキル基を表
す。)カップリング後、これによって得られる次の一般
式〔D〕及び又は〔D′〕で表されるモノアゾ化合物を
還元環化して
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】(式中RXは水素又は塩素原子、R1 は炭
素数4又は5の第3級アルキル基、R2 はプロピレン3
量体又は4量体をもって導入された炭素数が9又は12
を主体とするアルキル基を表わす。)前記の一般式
〔A〕及び又は〔A′〕で表わされる2−(2−ヒドロ
キシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを製造する
方法である。
【0030】ところで本発明に使用できる一般式〔E〕
で表される化合物としては、o− tert-ブチルフェノー
ル、p− tert-ブチルフェノール、o− tert-アミルフ
ェノール、p− tert-アミルフェノールを挙げることが
出来る。
【0031】一般式〔C〕〔C′〕のフェノールは、プ
ロピレン−3量体(ノネン)(C9 18)、プロピレン
4量体(ドデセン)(C1224)を使用し、一般式
〔E〕のフェノールのアルキル化は、50−70℃に加
熱した状態で、無機酸、塩酸、硫酸、燐酸などの酸をそ
のまま又は部分塩、メタンスルフォン酸、エタンスルフ
ォン酸、ベンゼンスルフォン酸等の有機酸や活性白土な
どを触媒とすることにより得ることが出来る。
【0032】原料のプロピレン3量体であるノネンは沸
点135〜143℃、プロピレン4量体であるドデセン
は沸点177〜190℃であり、いずれも通常単一構造
でなく構造の異なる異性体の混合物として用いる。
【0033】その結果得られる前記一般式〔C〕、
〔C′〕で表されるジアルキルフェノール類で特に好ま
しいものとしては次の化合物を挙げることが出来る。す
なわち2− tert-ブチル−4−ノニルフェノール、4−
tert-ブチル−2−ノニルフェノール、2− tert-アミ
ル−4−ノニルフェノール、2− tert-ブチル−4−ド
デシルフェニール、4−tert-ブチル−2−ドデシルフ
ェノール、2− tert-アミル−4−ドデシルフェノー
ル、4− tert-アミル−2−ドデシルフェノール等であ
る。
【0034】ここで挙げた化合物のノニル基、ドデシル
基は、いくつもの分岐の異なる異性体の混合物であって
単一の物ではない。またアルキル基として第2級または
第3級の炭素でフェノール核に結合しているものであ
る。
【0035】一般式〔D〕及び又は〔D′〕で表される
モノアゾ化合物の還元については、まず該モノアゾ化合
物を不活性溶剤、具体的にはトルエン、キシレン、モノ
クロロベンゼン等に溶解しておき、カセイアルカリ水溶
液と激しく攪拌しながら亜鉛末を添加して行うことが好
ましく、この時70℃ないし沸点まで加熱することが望
ましい。
【0036】一方、一般式〔D〕及び又は〔D′〕で表
されるモノアゾ化合物および一般式〔A〕及び又は
〔A′〕で表される2−(2−ヒドロキシフェニル)−
2H−ベンゾトリアゾール誘導体は、何れも非結晶性の
ため各反応の後処理は通常と違う方法をとる必要があ
る。例えばモノアゾ化合物〔D〕及び又は〔D′〕の場
合では、反応液中のジアゾニウム化合物の残存が認めら
れなくなるのを確認してトルエン又はキシレンで稀釈溶
解して静置し、下層の無機塩を含む水層を分離、さらに
水洗を繰り返しモノアゾ化合物をトルエンまたはキシレ
ン溶液として取出す。この中にカセイアルカリの水溶液
を加え、充分攪拌しながら加熱下で亜鉛末を添加し反応
を行なう。反応の終点は薄層クロマトグラフィーで決定
するが、赤色、オレンジ色が消失したときをもって終点
とすることが望ましい。反応は未反応物及び副生成物を
濾過、分離することができないまま進むので生成物は単
一でなく薄層クロマトグラフィーで原点付近に副生成物
が認められるのでこれを分離するために活性白土処理を
行なうと良い。粗オイルに対して20ないし30重量%
の白土を加え、含有する水分を加熱分離した後濾過し、
夾雑物、黒色物の大部分を除くことが出来る。更に粗オ
イルには着色性不純物を多く含むので、これを除くため
に蟻酸洗浄が効果がある。ここで使用する蟻酸は、90
%以上の濃度のもので、粗オイルに対して5ないし20
%量使用し洗浄することで大部分の着色性不純物を除く
ことが出来る。
【0037】製品化する為にはさらに減圧蒸留をおこな
うことが望ましい。蒸留は例えば薄膜蒸留法、簡単な蒸
留設備で充分出来るが、減圧度は0.01ないし0.1
ミリ程度が好ましく、初溜部分をカットし目的物を集め
ることが出来る。本発明の化合物はアルキル基が種々構
造の混合物のため沸点範囲がひろく30℃から50℃に
及ぶ。
【0038】一般式〔A〕及び又は〔A′〕で表わされ
る化合物は液状であって、マイナス10℃以下に長期放
置しても結晶せず、また有機溶剤として通常使用される
芳香族系、ケトン類、ベンジン等の炭素水素類にも溶解
性が優れていることを確認した。
【0039】
【作用】本発明は炭素数4ないし5の第3級アルキル基
と炭素数9又は12を主体とする第2級、第3級炭素の
混合アルキル基でフェニル基の3−位又は5−位に置換
された2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾ
トリアゾール系の紫外線吸収剤であるので、室温から極
く低温まで結晶することなく液状であって、有機溶剤へ
の溶解性にきわめてすぐれ、塩化ビニル樹脂、ポリオレ
フィン樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂等への相溶性が
良く、このため従来のものと異なり必要により高濃度で
使用することができる。従って塗料に光安定剤として用
いるのに好適であり、さらに安定したエマルジョン性が
要求される写真用として極めて都合が良い。
【0040】また本発明の紫外線吸収剤は、2−ヒドロ
キシフェニル基に置換する2個のアルキル基の片方は第
3級アルキル基であり、他方のアルキル基は第2級及び
第3級のアルキル基の混合物であるため、いずれのアル
キル基も分岐構造を有することから、化合物が紫外線を
吸収して生成する遷移状態における安定化に役立ち、結
果として有機物の安定化を確保し、紫外線の吸収性能の
向上を図っている。
【0041】また出発原料として使用するフェノールの
2位又は4位に第3級ブチル又はアミル基を有するフェ
ノールは、既に写真中間物、紫外線吸収剤、酸化防止剤
などに使用されている原料であって、市場から容易に入
手可能な化合物である。またノニル化、ドデシル化は通
常プロピレン3量体、プロピレン4量体を反応させる
が、弱い条件で反応可能であることと、新たに入る置換
位置(4位または2位)の反応性が他の反応置換位置よ
り抜きんでているので比較的副生物(2、6ジアルキル
体、2、4、6トリアルキル体等)の生成が少ないな
ど、工業原料として都合がよい。
【0042】本発明の化合物は炭素数9のノニル基、炭
素数12のドデシル基ともに数多くの異性体の混合物の
ため生成物は安定した液状である。また炭化水素基が大
きいため種々の有機溶剤に対する溶解性がよく、高濃度
での使用が出来ることは当該技術分野において技術的価
値はきわめて大きい。
【0043】本発明の方法によれば公知の2−(2−ヒ
ドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール類を後
アルキル化する方法と比べ高収率であって工業的価値が
大きい。
【0044】
【実施例】以下本発明の実施例を説明する。なお文中、
部とあるのは特に断らないかぎり重量部をしめす。
【0045】〔実施例1〕 (2−ニトロフェニルアゾ−2′−ヒドロキシ−3′−
ノニル−5′− tert-ブチルベンゼンの合成)o−ニト
ロアニリン138部を3倍の水によく練っておき、この
中に62.5%硫酸204部を加え5時間攪拌し硫酸塩
化する。外部から0〜5℃に冷却しながら亜硝酸ソーダ
70部を33%水溶液の形で3時間かけて滴下する。滴
下終了後2時間攪拌しジアゾ化を終える。
【0046】次に、別の容器にトルエン50部と4− t
ert-ブチル−2−ノニルフェノール(155〜180℃
/2mmHg)280部の溶液を、62.5%硫酸114
部、ペレックスNBL(商品名:花王)27部、水18
0部とよくかき混ぜ乳化させた物のなかに上記のジアゾ
液を5時間かけて滴下する。2時間後から加熱しはじめ
60℃まで12時間かけて加熱攪拌することでジアゾ成
分が消失するのでカップリング反応を終了する。
【0047】(2−(2−ヒドロキシ−3−ノニル−5
− tert-ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール
の合成)まず上記のカップリング液にトルエン350部
を加え攪拌後静置する。下層の水層を分液し、水500
部を加え水洗するため攪拌、静置、分液をおこなう。
【0048】赤色アゾ化合物のトルエン溶液に酸性白土
40部を加え加熱脱水し濾過を行い不純物除去を行っ
た。
【0049】40%カセイソーダ水溶液400部を加
え、メタノール1400部を加える。15℃に攪拌して
おき、亜鉛末210部を加える。暫らく攪拌してから加
熱を開始し逆流冷却下に加熱攪拌を続ける。10時間加
熱攪拌を続行し反応を終える。反応後30%硫酸で中和
した後、未反応亜鉛を濾別してから濾液を加熱しトルエ
ン、メタノール、水を蒸留する。再度トルエンを加え水
200部を加え攪拌、静置する水洗を2回繰り返し水洗
生成物に酸性白土30部を加え加熱脱水、濾過し脱色
後、減圧蒸留(175〜210℃/0.1mmHg)し、
粗2−(2−ヒドロシキ−3−ノニル−5− tert-ブチ
ルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを液状で得
た。
【0050】(2−ヒドロキシ−3−ノニル−5− ter
t-ブチルフェニル−2H−ベンゾトリアゾールの精製)
上で得られた粗オイル100部に対し95%蟻酸を混合
し、80℃に加熱攪拌した後、静置下層の黒色に着色し
た蟻酸層を分液する。同様の処理を3回くりかえしたの
ち、窒素置換後、減圧蒸留する(180〜210℃/
0.1mmHg)。その結果薄い黄色をした液状のオイル
が95部得られる。
【0051】(トルエン、イソプロピルアルコールへの
溶解性についての評価)次にトルエン、イソプロピルア
ルコールへの溶解度を従来の紫外線吸収剤と比較検討し
た。その結果を表1に示す。なお表中、数値は溶剤10
0部中への溶解部を表す。
【0052】
【表1】
【0053】比較例1:シプロ化成社製、商品名「シー
ソーブ704」 2−(2−ヒドロキシ−3、5−ジ tert-アミルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール 比較例2:シプロ化成社製、商品名「シーソーブ70
9」 2−(2−ヒドロキシ−5− tert-オクチルフェニル)
−2H−ベンゾトリアゾール 表1より実施例1は液状であって溶剤に優れた溶解性を
示し、0℃でも結晶せず溶解度が大きいことが認められ
る。また実施例1の化合物は溶解液を10日放置しても
油状物の析出は認められず、均一の溶液状態をしめし
た。
【0054】〔実施例2〕実施例1で4− tert-ブチル
−2−ノニルフェニール280部の代わりに4−tert-
ブチル−2−ドデシルフェノール(b、p175〜19
5℃/1mmHg)320部を使用した他は同じ原料、使
用量で操作を行い、2−ニトロフェニルアゾ−2′−ヒ
ドロキシ−3′−ドデシル−5′− tert-ブチルベンゼ
ンのトルエン溶液を得た。得られたアゾ化合物のトルエ
ン溶液を実施例1と同じ方法で還元し、後処理を行い、
得られる2−(2−ヒドロキシ−3−ドデシル−4− t
ert-ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールを精
製し(b、p175〜200℃/0.03mmHg)油状
物を得た。
【0055】これについても前記実施例1と同様に溶解
性を評価した結果、従来の紫外線吸収剤より著しく優れ
ていることが認められた。
【0056】なお、実施例1及び2について紫外線吸収
剤としての性能を、ポリプロピレン(ホモPP;MI:
2−3:,住友化学社製)を使用して評価した。配合は
ポリプロピレン100部に対して、カルシウムステアレ
ート0.1部、BHT0.05部、紫外線吸収剤0.6
ミリモル部である。試験条件は1mm厚のプレスシートを
作り、サンシャインウェザーメーター(光源:カーボン
アーク、ブラックパネル)を使用し、降雨条件18分/
180分、温度83±3°Cで行い、着色(ΔY)は、
300時間照射後、テスト前後の差をカラーコンピュー
ターSM−3型(スガ試験機)で判定する。亀裂ライフ
はテスト片の表面に亀裂が見られる時間(hr)を計っ
た。表2はその結果を示す。
【0057】
【表2】
【0058】BHT:2,6-ジターシャリーブチル -4-メ
チルフェノール 比較例3:2-(2-ヒドロキシ -5-イソドデシルフェニ
ル)−2H−ベンゾトリアゾール 表2より実施例は比較例と比べて着色の程度が低く、ま
た亀裂ライフも長くて紫外線吸収性能の点でも良好であ
ることが認められる。
【0059】〔実施例3〕 (2−ニトロ−4−クロロ−フェニルアゾ−2′−ヒド
ロキシ−3′− tert-ブチル−5′−ノニルベンゼンの
合成)2−ニトロ−4−クロロアニリニン173部を水
500部、62.5%硫酸250部に加え5時間攪拌し
ておく。氷浴につけ寒剤と併用し0℃以下に保ちながら
亜硝酸ソーダ70部を30%水溶液として3時間かけて
加えた。この後3時間冷却下に攪拌してジアゾ化を終え
る。
【0060】別の容器に2− tert-ブチル−4−ノニル
フェノール280部(145〜175℃/2mmHg)、
トルエン50部の溶液を水200部、62.5%硫酸1
15部、ペレックスNBL(商品名:花王)の中に注
入、懸濁しておき、この中に先のジアゾ液を5時間かけ
て滴下した。滴下後3時間目からゆっくり加熱し始め1
2時間かけて50℃まで昇温しカップリング反応を終え
る。この液にトルエン300部を加え攪拌静置する。下
層の水層を分離し、水500部を加えて水洗を行う。得
られた赤色のアゾ化合物のトルエン溶液に酸性白土50
部を加え、加熱脱水後濾過し不純物の除去をした。
【0061】(2−(2−ヒドロキシ−3− tert-ブチ
ル−5−ノニルフェニル)−2H−5−クロロベンゾト
リアゾールの合成)上記の溶液に40%カセイソーダ水
溶液400部、メタノール1400部を加える。15℃
で亜鉛末210部をくわえ、暫く攪拌してから加熱を開
始し、逆流冷却下に加熱攪拌を続けた。10時間加熱攪
拌を行い反応を終えた。
【0062】反応後30%硫酸で中和し、未反応亜鉛末
を濾別してから濾液を加熱しトルエン、メタノール、水
を流出させる。再度トルエンを加え、水300部を加え
攪拌加熱脱水後、濾過し脱水後、減圧蒸留する(200
〜240℃/0.03mmHg)。粗2−(2−ヒドロ
キシ−3− tert-ブチル−5−ノニルフェニル)−2H
−5−クロロベンゾトリアゾールが帯赤色油状物で得ら
れた。
【0063】〔2−(2−ヒドロキシ−3− tert-ブチ
ル−5−ノニルフェニル)−2H−5−クロロベンゾト
リアゾールの精製〕上で得られた粗オイル200部に対
し95%蟻酸20部を混合し80℃に2時間加熱攪拌し
た。静置して下層に分離する黒色蟻酸層を分離する。こ
の操作を3回繰り返したのち、窒素置換後減圧蒸留した
(200〜235℃/0.03mmHg)。この溜分を集
めることにより淡黄色をした液状の2−(2−ヒドロキ
シ−3− tert-ブチル−5−ノニルフェニル)−2H−
5−クロロベンゾトリアゾール170部が得られた。
【0064】この化合物について前記実施例1と同様に
評価した結果、従来に比して良好な溶解性が認められ
た。また紫外線吸収剤としての性能も評価した結果、こ
の点も良好であった。
【0065】
【発明の効果】以上の通り、この発明は炭素数4ないし
5の第3級アルキル基と炭素数9又は12を主体とする
第2級、第3級炭素の混合アルキル基でフェニル基の3
−位又は5−位に置換された2−(2−ヒドロキシフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤で
あるので、液状であって樹脂、溶剤に優れた溶解性を示
し、極低温でも結晶せず性能を発揮することができると
同時に、さらに高温加熱しても蒸散性が少なく、かつ比
較的収量も良好で、製造上工業的価値がきわめて大き
い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 勝昭 大阪府高槻市日吉台五番町4ー9

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次の一般式〔A〕及び又は〔A′〕で表さ
    れる2−(2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾト
    リアゾール系液状紫外線吸収剤。 【化1】 【化2】 (式中、Xは水素又は塩素原子、R1 は炭素数4乃至5
    の第3級アルキル基、R2 はプロピレン3量体又は4量
    体からなる炭素数9又は12を主体とするアルキル基を
    表わす。)
  2. 【請求項2】次の一般式〔B〕で表わされるo−ニトロ
    アニリン類のジアゾ化合物と一般式〔C〕及び又は
    〔C′〕で表される2、4−ジアルキルフェノール類を
    カップリング後、これによって得られる一般式〔D〕及
    び又は〔D′〕で表されるモノアゾ化合物を還元環化し
    て次の一般式〔A〕及び又は〔A′〕で表わされる2−
    (2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
    ルを製造することを特徴とする液状紫外線吸収剤の製造
    方法。 【化3】 (式中、Xは水素又は塩素原子を表す。) 【化4】 【化5】 (式中、R1 は炭素数4又は5の第3級アルキル基、R
    2 はプロピレン3量体又は4量体をもって導入された炭
    素数9または12を主体とするアルキル基を表わす。) 【化6】 【化7】 (式中、Xは水素又は塩素原子、R1 は炭素数4又は5
    の第3級アルキル基、R2 はプロピレン3量体又は4量
    体をもって導入された炭素数が9又は12を主体とする
    アルキル基を表わす。) 【化8】 【化9】 (式中、Xは水素又は塩素原子、R1 は炭素数4乃至5
    の第3級アルキル基、R2 はプロピレン3量体又は4量
    体からなる炭素数9又は12を主体とするアルキル基を
    表わす。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001278870A (ja) * 2000-02-21 2001-10-10 F Hoffmann La Roche Ag アルキル化法及び新規ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール

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