JPH0597522A - セラミツクス焼結体およびその製造方法 - Google Patents

セラミツクス焼結体およびその製造方法

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JPH0597522A
JPH0597522A JP3284208A JP28420891A JPH0597522A JP H0597522 A JPH0597522 A JP H0597522A JP 3284208 A JP3284208 A JP 3284208A JP 28420891 A JP28420891 A JP 28420891A JP H0597522 A JPH0597522 A JP H0597522A
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JP
Japan
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phase
powder
ysi
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sintered compact
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Withdrawn
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JP3284208A
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English (en)
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Shigeharu Matsubayashi
重治 松林
Tetsuo Nose
哲郎 野瀬
Hiroshi Kubo
紘 久保
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高温構造用セラミックス焼結体及びその製造
方法を提供する。 【構成】 焼結体の結晶相が、β―Si34相を主体と
してY2Hf717、Si22Oが存在し、前記Y2Hf7
17とSi22OのX線回折ピークの強度比が(2〜
5):1であることを特徴とするセラミックス焼結体及
び室温での抗折強度を1400℃まで保持可能なことを
特徴とする窒化珪素のセラミックスの製造方法。 【効果】 熱処理なしで容易に1250℃以上1400
℃までの温度範囲で強度劣化しない高温構造材料が得ら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温構造用のセラミッ
クス焼結体およびその製造方法に関するものである。
【0002】本発明のセラミックス焼結体は、高温での
使用が考えられる線引用ダイス、自動車・航空機・ロケ
ット等のエンジン用部材等の材料として使用することが
できる。
【0003】
【従来の技術】これまで開発されてきたセラミックスの
機械的性質については、例えば特公昭55―11660
3号公報にみられるサイアロンセラミックスのもつ性質
が最も優れているものの一つとされてきた。
【0004】その焼結体組成は、主にβ’―SIALO
N相であり、さらに高温強度を付与するため焼結時の液
相成分をY23およびAl23の高温型結晶相Y3Al5
12(YAG相)、Y23・Si34(メリライト相)
とした結晶相などから成っていた。
【0005】しかし、それらは、高温強度としてせいぜ
い1250℃程度までしか保持できず、しかも結晶相の
生成のためには、数十時間にも及ぶ非常に長時間の結晶
化処理が必要であるとされてきた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高温
強度に優れ、特に1250℃から1400℃までの温度
範囲で強度劣化をせずに、さらに容易に高温安定型の結
晶相の生成を可能にする窒化珪素系のセラミックスを開
発することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、焼結体の結晶
相が、β―Si34相を主体として、Y2Hf717、S
22Oが存在し、前記Y2Hf717、Si22Oの各
X線回折ピーク強度比が(Y2Hf717):(Si22
O)=(2〜5):1であることを特徴とするセラミッ
クス焼結体である。
【0008】また、その製造方法として、Si34粉末
原料に、焼結助剤としてY23、YN、YSi、YSi
2、HfO2、HfN、HfSi、HfSi2、SiO2
中から選ばれる、Y、Hf、Si、Oの各元素について
少なくとも一種の化合物粉末を総量で5〜40重量%、
YとHfの原子比が5:(1〜10)の範囲内にあり総
量で3〜36重量%、SiO2量は予めSi34粉末原
料に含まれている酸素量と合わせて4重量%以下を添加
混合し、YN、YSi、YSi2、HfN、HfSi、
HfSi2の総量は5重量%以下とするセラミックス原
料粉末を、ホットプレス、雰囲気加圧焼結、または常圧
焼結後に雰囲気加圧焼結することを特徴とする。
【0009】Si34粉末原料に、焼結助剤としてY2
3、YN、YSi、YSi2、HfO2、HfN、Hf
Si、HfSi2、SiO2の中から選ばれる、Y、H
f、Si、Oの各元素について少なくとも一種の化合物
粉末を添加混合することは、Si34を主成分とするセ
ラミックス粉末を焼結する際には、相転移を促進させる
高温液相成分が必要であるからである。
【0010】このときSi34粉末原料は、好ましくは
α化率が高く平均1μm以下で粒度分布の狭いものでか
つ粒子形状が球形に近いものがふさわしい。その理由と
しては、充填し易く相転移後緻密化も容易なためであ
る。
【0011】また、焼結助剤としてY23、YN、YS
i、YSi2、HfO2、HfN、HfSi、HfS
2、SiO2の中から選ぶことは、比較的安定な化合物
で、かつ焼結時の液相成分となり、降温時においてY2
Hf717、Si22Oの結晶相を生成させるためであ
る。
【0012】焼結助剤として、Y23、YN、YSi、
YSi2、HfO2、HfN、HfSi、HfSi2、S
iO2の総量を5〜40重量%の範囲で添加混合するこ
とは、5重量%未満では焼結する際に相転移を促進させ
る高温液相成分が必要所定量に達しないので緻密化が充
分に進まない。
【0013】また40重量%を超す場合は焼結体のマト
リックスであるβ―Si34の体積割合が低下し充分な
強度の発現が困難なことや軽比重を特徴とするセラミッ
クスの比重が比較的高くなってしまうため好ましくない
ためである。
【0014】上述の原料となるセラミックス粉末を、1
780〜2000℃の温度範囲でそれぞれの各粉末が分
解揮発を起こさない焼結温度で、常圧焼結、雰囲気加圧
焼結、ホットプレス焼結、さらにはHIP焼結の一種ま
たは二種以上の組合せで焼結することで緻密質の焼結体
を得ることができる。
【0015】焼結温度としては、焼結助剤として添加し
ているY23、YN、YSi、YSi2、HfO2、Hf
N、HfSi、HfSi2、SiO2の液相生成温度を超
えかつ各成分が分解揮発せず、それ以上温度を上げても
緻密化が促進されず、経済性や危険性の点で問題の少な
い温度範囲とした。
【0016】焼結体におけるY2Hf717、Si22
の各X線回折ピーク強度比が、(Y2Hf717):(S
22O)=(2〜5):1にすることは、焼結時の液
相成分の組成比に基づいている。
【0017】即ち、Y2Hf717相がSi22O相に対
して2:1より少ない場合、主体となるβ―Si34
結晶を成長させることが難かしいため好ましくなく、逆
に5:1より多い場合、主体となるβ―Si34および
Si22O相の有する特性を損なうため好ましくない。
【0018】Si34粉末原料に、焼結助剤としてY2
3、YN、YSi、YSi2、HfO2、HfN、Hf
Si、HfSi2、SiO2の中から選ばれる、Y、H
f、Si、Oの各元素について少なくとも一種の化合物
粉末を加える際に、YとHfの原子比が5:(1〜1
0)の範囲内にあり、総量で3〜36重量%にすること
は、Y2Hf717相を得るために必要な構成元素比を有
するためと結晶相生成後にX線回折ピーク強度比が(Y
2Hf717):(Si22O)=(2〜5):1の範囲
内におさめるためである。
【0019】また、SiO2量を予めSi34粉末原料
に含まれている酸素量と合わせて4重量%以下とするこ
とは、主原料粉末であるSi34粉末と反応後、過剰分
を残さず、SiO2粉末が全てSi22O粉末に化学変
化するための最大許容量であることに基づいている。
【0020】YN、YSi、YSi2、HfN、HfS
i、HfSi2の総量を5重量%以下とすることは、こ
れらの粉末は直接的にY2Hf717相やSi22O相と
ならずに一時的に他の酸化物、雰囲気ガス成分または酸
化層と反応した後Y2Hf717相やSi22O相となる
場合と結晶生成時の濡れ性を向上させたりその核となっ
たりするものであるため、5重量%を超えて添加すると
かえって阻害要因となるため好ましくない。
【0021】ここで、具体的な製造過程または製造方法
の手順を示す。
【0022】主原料であるSi34粉末に、Y23
末、SiO2粉末、HfO2粉末等を添加し、アセトン溶
媒中で遊星型ボールミルを用いて24時間混合したスラ
リーから、棚置き乾燥後乳鉢粉砕するかまたは噴霧乾燥
するかによって本発明のセラミックス原料粉末を得る。
【0023】このときアセトン溶媒を用いることは粉末
の酸化を防ぐことと凝集した粉末があればそれを解砕す
るためである。
【0024】これを、例えば40MPa一軸加圧式ホッ
トプレス装置を用い、常圧N2ガス流通雰囲気の条件で
1850℃、30分保持後毎分約50℃の降温速度で放
冷することで目的の焼結体を得る。
【0025】その焼結体より切り出された試験片のアル
キメデス法による密度は3.28〜3.40g/cm3
の範囲にあり、充分緻密化することを確認する。
【0026】また、焼結体のX線回折ピークを調べるこ
とでASTMカードの28―1450(Y2Hf717
および18―1171(Si22 )以外はマトリック
ス相であるβ―Si34に帰属されることを確認する。
【0027】また、Y2Hf717とSi22Oの存在領
域は針状組織を有するβ―Si34間隙であり、β―S
34表面に密着している。
【0028】
【作用】本発明では、焼結時にマトリックス相の相転移
に必要な液相成分の焼結相をY2Hf717およびSi2
2Oにすることにより相転移後のβ―Si34相の有
する本来の高温強度の保持を、Y2Hf717とSi22
Oの融点が充分に高いことから、可能にすることで14
00℃まで室温強度が維持された。
【0029】また、Y2Hf717とSi22Oは、結晶
相生成のための特別な熱処理工程なしに結晶化が容易に
できるため、製造時の低コスト化、短時間化が可能にな
った。これは、Y2Hf717とSi22Oの結晶安定性
に基づいている。
【0030】
【実施例】この発明を以下に示す実施例により説明す
る。
【0031】平均粒子径0.3μmのSi34粉末(酸
素含有量1.2重量%)に、同0.4μmのY23粉末
2.3重量%、同0.2μmのSiO2粉末2.0重量
%、同2μmのHfO2粉末7.7重量%を添加し、ア
セトン溶媒中遊星型ボールミルで24時間混合した。
【0032】このスラリーを棚置き乾燥した後、乳鉢で
粉砕し100〜200gのセラミックス粉末を得た。
【0033】これを常圧N2ガス流通雰囲気中にて、4
0MPaの一軸加圧条件下で1850℃、30分保持後
毎分約50℃の降温速度で放冷する焼結条件でホットプ
レスし、厚さ8mmの焼結体を得た。
【0034】その焼結体より切り出された試験片のアル
キメデス法による密度は3.28〜3.40g/cm3
の範囲に有り、以下の第1表に記載した抗折強度を示し
た。
【0035】
【表1】
【0036】また、いずれの焼結体もX線回折の結果、
ASTMカードの28―1450(Y2Hf717)およ
び18―1171(Si22O)により同定され、他の
回折ピークはいずれもβ―Si34に帰属された。
【0037】1200〜1400℃の高温において、本
発明の実施例はいずれも室温での強度を保持しており、
従来のHf元素を含まない系に比較すると1200℃以
上での強度が上回っていることが見い出された。
【0038】原子比Y:Hf=5:(1.08〜9.5
1)において、いずれも強度低下が無くX線回折ピーク
の強度比もY2Hf717:Si22O=(2〜5):1
内におさまっていることが確認された。
【0039】
【発明の効果】本発明のセラミックス焼結体は、140
0℃まで高温強度劣化がなく優れた高温特性を有するも
のである。
【0040】本発明により、セラミックス部品の高温強
度を向上させることが可能となり、その工業的有用性は
非常に大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼結体の結晶相が、β―Si34相を主
    体として、Y2Hf717相、Si22O相が存在し、前
    記Y2Hf717、Si22Oの各X線回折ピーク強度比
    が(Y2Hf717):(Si22O)=(2〜5):1
    であることを特徴とするセラミックス焼結体。
  2. 【請求項2】 Si34粉末原料に、焼結助剤としてY
    23、YN、YSi、YSi2、HfO2、HfN、Hf
    Si、HfSi2、SiO2の中から選ばれる、Y、H
    f、Si、Oの各元素について少なくとも一種の化合物
    粉末を総量で5〜40重量%、YとHfの原子比が5:
    (1〜10)の範囲内にあり両者の化合物総量で3〜3
    6重量%、SiO2量は予めSi34粉末原料に含まれ
    ている酸素量と合わせ4重量%以下を添加混合し、Y
    N、YSi、YSi2、HfN、HfSi、HfSi2
    総量は5重量%以下とするセラミックス原料粉末をホッ
    トプレス、雰囲気加圧焼結、または常圧焼結後雰囲気加
    圧焼結することを特徴とするセラミックス焼結体の製造
    方法。
JP3284208A 1991-10-04 1991-10-04 セラミツクス焼結体およびその製造方法 Withdrawn JPH0597522A (ja)

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