JPH0597123U - 表面実装用水晶振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 「目的」 水晶片を封入する容器内への接着剤の流入を
防止して振動特性を良好に維持する表面実装用振動子を
提供する。 「構成」 開口面を有する容器本体の一端側内壁に設け
られた段部に、水晶片の引出電極の延出した一端部外周
を固着し、前記容器本体の開口面に接着剤を用いてカバ
ーを接合した表面実装用水晶振動子において、前記一端
側内壁と段部との間に接着剤の流入する溝を設けた構成
とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【００１】

【産業上の利用分野】

本考案は容器本体とカバーとを接着剤により接合してなる表面実装用の水晶振 動子（以下、表面実装用振動子とする）を利用分野とし、特に接合時における接 着剤の悪影響を防止した表面実装用振動子に関する。

【００２】

【考案の背景】

表面実装用振動子は、抵抗・コンデンサ等と同様に小型（コンパクト）で、基 板に対する高密度実装や自動装着が容易であることから、その需要が増加する方 向にある。その一方で、表面実装による弊害も顕在化し、その一つに接合時の接 着剤の問題がある。

【００３】

【従来技術】

第２図は従来例を説明する表面実装用振動子の図で、同図（ａ）は分解図、同 図（ｂ）は断面図である。 表面実装用振動子は矩形状としたＡＴカットの水晶片１を、セラミックからな る容器２に密封して構成される。水晶片１は両主面の励振電極３から一端部両側 に引出電極４（ａｂ）をそれぞれ折り返して延出する。容器２は開口面を有する 容器本体５とカバー６からなり、高融点としたガラス系の接着剤７により接合さ れる。容器本体５は、両端側内壁に段部８、９を突出させる。但し、一端側内壁 の段部８は分割されて形成される「分割段部８（ａｂ）とする」。そして、水晶 片１の一端部両側を分割段部８（ａｂ）上に当接し、導電性接着剤（未図示）に より電気的・機械的に接続して保持する。また、水晶片１の他端部は段部９に単 に補強的に当接するのみで、自由端とする。そして、容器本体５の外表面には、 水晶片１の引出電極５と接続する電極及びダミー電極が外部端子１０として露出 する。

【０００４】

【従来技術の問題点】 しかしながら、上記構成の表面実装用振動子では、容器本体５へカバー６を接 合する際、溶融した接着剤７の余剰分７ａが内部に流入する。特に、容器本体５ の両端部側では、余剰分７ａが段部８、９に流れ込み、水晶片１の外周部に付着 して硬化する。このため、水晶片１は質量付加による影響等を受け、振動特性を 阻害する問題があった。特に、水晶片１の他端側に付着した場合は、水晶片１の 両端側が段部８、９に固着され、両端固定となるため、応力発生による温度特性 への影響も無視できなくなる。

【０００５】

【考案の目的】

本考案は、接着剤の流入を防止して振動特性を良好に維持する表面実装用振動 子を提供することを目的とする。

【０００６】

【解決手段】

本考案は、前述した容器本体の一端側内壁と段部との間に接着剤の流入する溝 を設けたことを解決手段とする。以下、本考案の一実施例を説明する。

【０００７】

【実施例】

第１図は本考案の一実施例を説明する図である。なお、前従来例図と同一部分 には同番号を付与し、その説明は簡略する。 表面実装用振動子は、前述したように水晶片１を、容器本体５とカバー６を接 着剤にて接合されるセラミック容器２に密封して構成される。そして、この実施 例では、容器本体５の両端側内壁に設けられた段部９及び分割段部８（ａｂ）と の間にそれぞれ溝１１を設ける。溝１１の幅は約０．２ｍｍ以上ににする。そし て、水晶片１の一端部両側を分割段部８（ａｂ）に固着し、他端部を段部９に当 接させる。但し、水晶片１の両端部は溝１１に突出させない。なお、図において 前述した外部端子は省略してある。 このような構成であれば、カバー６の容器本体５への接合時において、両端側 における接着剤７の余剰分７ａは、内部に流入しても溝１１に吸収される。した がって、余剰分７ａの水晶片１への付着を防止して振動特性を良好にする。そし て、水晶片１の他端部を自由端に維持するので、応力発生による温度特性の変化 を防止できる。

【０００８】

【他の事項】

上記実施例では、容器本体５の両端側に溝１１を設けたが、少なくとも一方に 設けて他方はギャップにより余剰分の水晶片１の付着を防止してもよい。この場 合、溝１１は他端側として自由端を維持した方がよい。また、分割段部８（ａｂ ）は容器本体５の一端側としたが、両端側を分割段部として方向性を無視できる ようにしてもよいものである。また、両端側を単なる段部９として、水晶片１の 両端部を固定とした場合でも、基本的には適用できるものである。さらに、溝１ １は一条としたが、複数列設けても、あるいは蜂の巣（複数穴）状に設けてもよ く、要は接着剤７の余剰分７ａを流入させて水晶片１への付着を防止するもので あればよい。

【０００９】

【考案の効果】

本考案は、容器本体の一端側内壁と段部との間に接着剤の流入する溝を設けた ので、接着剤の付着による振動特性の低下を防止して良好に維持する表面実装用 振動子を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【第１図】本考案の一実施例を説明する図で、同図
（ａ）は容器本体の図、同図（ｂ）は表面実装用振動子
の断面図である。

【第２図】従来例を説明する図で、同図（ａ）表面実装
用振動子の分解図、同図（ｂ）は同断面図である。

【符号の説明】

１ 水晶片、２ 容器、３、４ 電極、５ 容器本体、
６ カバー、７ 接着剤、７ａ 余剰分、８ 分割段
部、９ 段部、１０ 外部端子、１１ 溝．

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口面を有する容器本体の一端側内壁に
   設けられた段部に、水晶片の引出電極の延出した一端部
   外周を固着し、前記容器本体の開口面に接着剤を用いて
   カバーを接合した表面実装用水晶振動子において、前記
   一端側内壁と段部との間に接着剤の流入する溝を設けた
   ことを特徴とする水晶振動子。