JPH0596523A - 無機物粉末成形体の乾燥方法 - Google Patents

無機物粉末成形体の乾燥方法

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JPH0596523A
JPH0596523A JP3257623A JP25762391A JPH0596523A JP H0596523 A JPH0596523 A JP H0596523A JP 3257623 A JP3257623 A JP 3257623A JP 25762391 A JP25762391 A JP 25762391A JP H0596523 A JPH0596523 A JP H0596523A
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JP
Japan
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drying
shaped body
solvent
inorganic powder
dried
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Application number
JP3257623A
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English (en)
Inventor
Naoto Enoshima
尚登 榎島
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 賦形体の乾燥方向を制御することにより低密
度化、ひけ、乾燥割れ発生の少ない粉末成形体とするこ
と。 【構成】 無機物粉末、結合剤、溶媒からなる混合物を
スラリー状にして型内に注入して賦形体とする賦形工程
と、該賦形体を脱型して乾燥する乾燥工程とからなる無
機物粉末成形体の製造工程において、該乾燥工程は、賦
形された賦形体の一端面側を残して他の端面を該溶媒非
透過性の物質で覆つて乾燥させること特徴とする無機物
粉末成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、焼結体を形成するセラ
ミックスなどの無機物粉末の成形体を製造する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば複雑形状のセラミックス
製品を成形する場合は、セラミックス粉末に高分子化合
物またはワックスなどの熱可塑性物質からなる結合剤お
よび溶媒を混合し、スラリー状とし型内に注入する方法
が実用化されている。そして、賦形体は型内でゲル化固
化されて取り出される。脱型後の賦形体は含有する溶媒
が乾燥除去される際に乾燥収縮が起きる。この賦形体の
乾燥は表層より進行し乾燥収縮も表層から始まる。とこ
ろで通常、賦形体の含有溶媒の約40%が除去されると
その部分では乾燥収縮が停止するとされている。この場
合、成形体の肉厚が厚いと表層においては乾燥収縮が停
止した時点においても、内部は依然として未乾燥の溶媒
が40%以上残っていることが多いため溶媒の乾燥に基
づく収縮が進行する。このため表面層では収縮が停止し
ているのに対して内部では収縮が進行するので、賦形体
の内部で低密度化やひけなどの欠陥が発生しやすい。特
に複雑な形状で肉厚の厚い成形体の場合にはこの現象が
起きやすく上記の欠陥が発生しやすかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来方法では脱
型後、賦形体は溶媒の乾燥収縮を受けるので肉厚の厚い
部位では表面層と内部との乾燥度合いが異なることによ
る収縮差がおき、成形体に低密度化もしくはひけ欠陥が
発生しやすく、焼結によってもこの欠陥は解消できな
い。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、賦形体の乾燥の方向を制御することにより低密度化
やひけの発生のない粉末成形体を得ることを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の無機物粉末成形
体の製造方法は、無機物粉末、結合剤、溶媒からなる混
合物をスラリー状にして型内に注入して賦形体とする賦
形工程と、該賦形体を脱型して乾燥する乾燥工程とから
なる無機物粉末成形体の製造方法において、該乾燥工程
は、賦形された賦形体の一端面側を残して他の端面を該
溶媒非透過性の物質で覆つて乾燥させることを特徴とす
る。
【0006】本発明の無機物粉末成形体の製造方法は、
賦形工程と、乾燥工程とからなる。賦形工程では成形す
る無機物粉末に結合剤と溶媒とを混合加熱して流動性の
あるスラリーを形成する。このスラリーを所定の形状の
型内に注入し型内でゲル化固化させて賦形体を形成す
る。乾燥工程では、固化した賦形体を脱型し乾燥を規制
する物質で一端面を残して他の外周面を全て被覆する。
【0007】この溶媒非透過性の物質としては、ポリア
クリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、SBRゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、天然ゴ
ムなどの有機性の被覆膜が使用できる。この有機性の被
覆膜は、通常塗膜法、または浸漬法などの方法で形成で
きる。さらに溶媒非透過性の物質として高張力液体の水
銀等の中に賦形体を浸漬して乾燥をおこなっても良い。
【0008】この賦形体は、一端面のみが開放され他は
溶媒非透過性の物質で被覆しているので乾燥の進行を一
方向からのみに限定することができる。このため賦形体
の乾燥収縮によるセラミックス粒子は、再配列の方向が
限定されて順次乾燥されていくので均質な成形体を形成
することができる。乾燥終了後この有機性の被覆膜の場
合には、焼却して除去するか、成形体の脱脂時の加熱に
よりに熱分解させて除去することができる。また、高張
力液体の場合は液中から取り出すことで成形体から容易
に除去することができる。
【0009】成形体を形成する無機物粉末としては、金
属酸化物、金属窒化物、金属硼化物などのセラミックス
や、金属粉末などが使用できる。ここで溶媒として使用
できるものは、たとえば、ミネラルスピリットなどの炭
化水素系のもの、エーテル類のジエチルエーテル、ジプ
ロピルエーテル、ジブチルエーテル、メチルプロピルエ
ーテルなど、ケトン類のアセトン、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトンなど、
メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコ
ール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノールなどの
アルコールなど、あるいは水を使用することもできる。
またこの溶媒は2種以上を混合して用いることもでき
る。
【0010】使用される溶媒の量は、スラリー中に20
〜50容量%用いることができる。媒量が20容量%未
満であるとスラリーの粘度が高くなり取扱が困難となる
ので好ましくない。また50容量%を超えると結合剤の
濃度が低くなりゲル化が不充分となるので好ましくな
い。結合剤としては、リシノレイン酸などを主成分とす
る脂肪酸の誘導体で、たとえば、ひまし硬化脂肪酸、1
2ヒドロキシステアリン酸、およびそのエステルなどの
誘導体、マイクロクリスタリンワックスなどのワックス
類、そのた軟質樹脂、水溶性樹脂などが利用できる。こ
の結合剤は溶媒に溶解してゲル化するので、スラリーを
ゲル化でき固化した賦形体を形成できる。スラリーは加
熱により流動性が付与でき型内に低圧で注入可能な状態
にすることができる。
【0011】この無機物粉末と結合剤との混合物には、
必要とあれば他の成形用の添加物、たとえば、高分子界
面活性剤などの分散剤を配合してもよい。この結合剤
は、無機物粉末中に粉末比5〜30容量%の範囲で配合
されて いるのが好ましい。バインダー組成物の量が溶
媒量比5容量%未満では無機物粉末をスラリー化して成
形することができないので好ましくない。また添加量が
50容量%を超えると乾燥後の気孔率が減少し、脱脂に
時間がかかるし、また焼成時の収縮が大きくなり好まし
くない。スラリーの調整は、たとえば、結合剤の融点よ
り高い温度でおこなうことにより取扱易い流動性が付与
でき、型への注入が容易となる。
【0012】成形体は、常法により脱脂・焼結されて焼
結体となる。
【0013】
【作用】本発明の製造方法によれば、脱型後のゲル化し
た賦形体は一端面を残し他の外周面を溶媒が透過しない
物質で被覆して乾燥される。このため賦形体の溶媒乾燥
は、進行方向が一方向に規制されて特定部分の表層から
成形体内部を通して全体的に進行するので粉末粒子は均
質に再配列された成形体を形成することができる。した
がって、成形体の表面層と内部層との間で収縮の進行の
違いに基づく低密度化やひけの発生を抑制できる。
【0014】このように本製造方法では乾燥収縮による
再配列が一方向から成形体内部を通して全体的に進行す
るので、従来の被覆しないで乾燥した場合のように外周
面すべてから内部に向かって乾燥収縮がおきる場合と異
なり、成形体内部の低密度化やひけの発生がない良好な
成形体が得られる。
【0015】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例1) (スラリーの作製)粒径0.5μmの窒化珪素粉末91
重量%に焼結助剤として粒径0.5μmの焼結助剤のイ
ットリア6重量%とアルミナ3重量%とをそれぞれ添加
して湿式混合法で充分混合した後、乾燥してセラミック
ス粉末とした。
【0016】このセラミックス粉末50容量%と、溶媒
としてイソパラフィン25容量%、高分子分散剤として
ポリオキシアルキレン基と酸無水物の共重合体10容量
%、結合剤として12ヒドロキシステアリン酸15容量
%を混合して80℃で1時間プロペラ攪拌機で混練して
スラリーとした。 (賦形工程)50℃の温度に調整したタービンローター
形状の金型に、射出成形機を用いて上記の加熱スラリー
を注入成形した。成形条件は、圧力2kgf/cm2
保圧時間は1分である。 (乾燥工程)型内で固化した後、得られた賦形体1を脱
型し、図1に示す賦形体1のタービンローターのハブ部
3を除いて他の表面全体をポリアクリル酸樹脂を塗布し
て被覆膜2を形成した。その後、電気炉で50℃で48
時間の乾燥をおこなった。
【0017】乾燥後、窒素雰囲気中で500℃まで10
℃/hrの昇温速度で脱脂および被覆膜2を除去した
後、1750℃で4時間焼結した。得られた成形体は、
20個中乾燥割れの発生は認められなかった。また焼結
体の密度は図1のA、B部位とも1.62g/cm3
部位による変化がなく均質化していた。
【0018】比較として上記の賦形工程で得られた賦形
体1のタービンローターに被覆膜2を形成しないでその
まま同じ乾燥条件で乾燥したところ、得られた成形体2
0個中3個に乾燥割れが発生した。また、焼結体の密度
は図1の厚肉のA部位が1.56g/cm3 で薄肉のB
部位が1.62g/cm3 と異なり均質化していなかっ
た。 (実施例2)実施例1のスラリーを用いて図2に示すタ
ービンローター形状で中央部に孔4を設けた賦形体1を
形成した。そして図2に示すタービンローターの孔4を
設けた端面3を残して他面は実施例1と同様の被覆膜2
で被覆した。そして実施例1と同じ条件で乾燥をおこな
ったところ成形体に孔4を設けない場合に比べて乾燥速
度が3倍近く速くなった。しかし実施例1と同様に乾燥
割れは発生しなかった。 (実施例3)円柱形状のピストンピンの成形体について
本方法を適用した。実施例1のスラリーを用い円柱形状
のピストンピンの金型を用いて賦形体を形成した後、被
覆物質に水銀を用いて円柱形状のピストンピンの上端面
のみを残して水銀中に浸漬して40℃で20時間の乾燥
をおこなった。その後水銀中より引き上げて成形体を得
た。この成形体を実施例1の温度条件で脱脂、焼結をお
こない焼結体を得た。
【0019】その結果、50個中乾燥割れの発生したも
のは認められなかった。また焼結体の密度は表層も内部
も1.65g/cm3 で均質化していた。比較として同
じ賦形体を水銀中に浸漬しないで乾燥した場合は、50
個中15個に乾燥割れが発生した。また焼結体の密度も
表層が1.65g/cm3 で、内部は1.61g/cm
3 と小さく不均一であった。
【0020】
【発明の効果】この製造方法では、賦形体の乾燥を一端
面からおこなう。このため乾燥収縮が表面から順次内部
に進行するよう他の外周面を被覆して溶媒の乾燥をおこ
なう。このため成形体での乾燥収縮が均一となり厚肉部
位での低密度化およびひけの発生が抑制できる。したが
って、焼結しても欠陥の少ない焼結体を容易に得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は実施例1で成形したタービンホイールに被覆
膜を形成した箇所を示す説明図である。
【図2】は実施例2で成形したタービンホイールに被覆
膜を形成した箇所を示す説明図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機物粉末、結合剤、溶媒からなる混合
    物をスラリー状にして型内に注入して賦形体とする賦形
    工程と、該賦形体を脱型して乾燥する乾燥工程とからな
    る無機物粉末成形体の製造方法において、 該乾燥工程は、賦形された賦形体の一端面側を残して他
    の端面を該溶媒非透過性の物質で覆つて乾燥させること
    を特徴とする無機物粉末成形体の製造方法。
JP3257623A 1991-10-04 1991-10-04 無機物粉末成形体の乾燥方法 Pending JPH0596523A (ja)

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