JPH0596175A - 変性結晶性アルミノシリケートゼオライトの製造方法 - Google Patents

変性結晶性アルミノシリケートゼオライトの製造方法

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JPH0596175A
JPH0596175A JP28360591A JP28360591A JPH0596175A JP H0596175 A JPH0596175 A JP H0596175A JP 28360591 A JP28360591 A JP 28360591A JP 28360591 A JP28360591 A JP 28360591A JP H0596175 A JPH0596175 A JP H0596175A
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zeolite
aqueous solution
suspension
crystalline aluminosilicate
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JP28360591A
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Takanori Ida
孝徳 井田
Goro Sato
護郎 佐藤
Yusaku Arima
悠策 有馬
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JGC Catalysts and Chemicals Ltd
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Catalysts and Chemicals Industries Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、ゼオライトをカ焼することなく、
ゼオライトの単位格子を減じ、シリカ/アルミナのモル
比を増大させ、非常に熱安定性に優れた変性ゼオライト
の提供を目的とする。 【構成】(a)結晶性アルミノシリケートゼオライトを
水相中に懸濁する工程、(b)(a)工程の懸濁水溶液
中に可溶性シリカおよび脱アルミニウム剤を添加して該
懸濁水溶液のpHを3未満とする工程、次いで(c)
(b)工程の懸濁水溶液中に塩基性物質を添加して該懸
濁水溶液のpHを3以下の範囲内において、しかも前記
(b)工程の懸濁水溶液のpHよりも高くする工程、を
有することを特徴とする変性結晶性アルミノシリケート
ゼオライトの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変性結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトの製法に関する。さらに詳しくは、結
晶性アルミノシリケートゼオライト(以下、ゼオライト
ということがある)をカ焼することなく、ゼオライトの
単位格子を著しく減じ、シリカ/アルミナのモル比を増
大させた非常に熱安定性に優れた変性結晶性アルミノシ
リケートゼオライトの製法に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来、超安定性Y型ゼオ
ライトと称されている変性ゼオライトの製造法として
は、例えばつぎのようなものがある。特公昭57−16
925号公報には、Na2Oとして約0.6〜5重量%
のナトリウムを含有するアンモニウム−ナトリウムYゼ
オライトをカ焼し、このカ焼を約315.6〜898.
9℃(600〜1650°F)の温度で少なくとも約
0.014Kg/cm2(0.2psi)の水蒸気と、
上記ゼオライトの単位格子の寸法を著しく減じこれを約
24.40〜24.64Åの値とするのに十分な時間接
触させて実施し、上記カ焼したゼオライトを、その残留
するゼオライトのナトリウムイオンの少なくとも約25
%をアンモニウムイオンで置換し約1重量%より少量の
Na2Oを含有する最終生成物を得るように調整した条
件下で更にアンモニウムイオン交換処理することを特徴
とする熱水安定性且つアンモニア安定性Yゼオライト組
成物の製造方法が記載されている。また特公昭44−3
1948号公報には、分子篩を5%以上の水分を含む気
相中で高温に於てその分子篩の結晶格子から少なくとも
一部のアルミナ四面体が除去させるに足る時間処理して
そのアルミナをその分子篩中で無定形の相となし、ま
た、その熱処理された分子篩をアルミナの除去に適した
薬剤と接触させ、それによって少なくともその分子篩の
結晶度が実質的に保持されている増強されたシリカ/ア
ルミナモル比を持ったアルミノシリケートゼオライト分
子篩を造る;工程とを組合せて含んでいることを特徴と
する分子篩が少なくとも一部水素形である分子篩型の結
晶質アルミノシリケートゼオライトの結晶格子中のシリ
カ/アルミナのモル比を増大する方法が開示されてい
る。しかし、これら従来の方法は、ホージャサイトなど
のゼオライトは、酸などで処理するとゼオライトの結晶
構造が壊れるため、いずれもゼオライトのアルカリ金属
をアンモニウムイオンで一部イオン交換して耐水熱性を
少し高めた後に、該ゼオライトを水蒸気雰囲気中でカ焼
してゼオライトの単位格子を減じ、耐酸性、耐熱性を高
め、次いで酸などで処理して脱アルミニウムし、ゼオラ
イトのシリカ/アルミナモル比を増大しなければならな
かった。さらにゼオライト中のアルカリ金属を減少させ
るためには、カ焼した後に再度アンモニウムイオンでイ
オン交換しなければならず、従来の超安定ゼオライトの
製造法は、非常に製造工程が長いために、コスト高であ
った。また、これらの方法はゼオライトの骨格構造から
脱アルミニウムを行うだけで、脱アルミニウムした位置
に積極的に珪素を骨格構造に挿入することが行われてい
ないので、得られるゼオライトは欠陥構造を有してお
り、熱安定性についても必ずしも十分ではなかった。ゼ
オライト骨格構造のアルミニウムを珪素によって置換し
て欠陥構造の少ない変性ゼオライトの製造法として、
(1)特開昭58−36917号、(2)特開昭58−
110420号、(3)特開昭62−216913号公
報がある。(1)は、ガス状ハロゲン化シランによる気
相反応であり、また水に対して極めて反応性に富みかつ
それ自体重合しやすい不安定な化合物であるため処理上
の管理が非常に困難である。(2)と(3)はいずれも
水相中における反応にかかるものではあるが、(2)は
フルオロ珪酸塩を、(3)は弗化物イオン源たとえば弗
化水素アンモニウム(NH4F・HF)を、それぞれ使
用するものであって、共に弗素化合物という特殊な化合
物を使用しなければならないうえ、系中に弗化水素が発
生するおそれがあったり、現に弗化水素が存在していた
りするため、通常の材料による装置は腐食されて使用が
できないため、特別の耐腐食性材料よりなる新しい装置
の建設が必要となる。また、弗素化合物を使用する場合
は、アルカリ金属を含有するゼオライトを出発原料とし
て使用すると、氷晶石(Na3AlF6)が生成し、得ら
れるゼオライトとの分離ができないなどの問題がある。
【0003】
【発明の目的】本発明の目的は、(i) ゼオライトをカ
焼することなく、ゼオライトの単位格子を減じ、シリカ
/アルミナのモル比を増大させた非常に熱安定性に優れ
た変性ゼオライトの製造法を提供すること、(ii) ホー
ジャサイトなどの耐酸性の低いゼオライトを結晶構造を
壊すことなく酸処理する方法を提供すること、(iii) 従
来はゼオライト中のアルカリ金属をアンモニウムイオン
でイオン交換して除去していたが本発明ではアンモニウ
ム置換しなくても直接アルカリ金属を除くことのできる
方法を提供すること(ただし、本発明はアンモニウム置
換ゼオライトの使用を排除するものではない)、(iv)
ゼオライトの骨格構造から脱アルミニウムを行うと共に
水溶液中の珪素および脱アルミニウムしたアルミニウム
の一部を骨格構造に配することにより非常に熱安定性に
優れた変性ゼオライトの製造法を提供すること、(v)
非常に安価に変性ゼオライトを製造する方法を提供する
こと、にある。
【0004】
【発明の概要】格子欠陥を生じた変性結晶性アルミノシ
リケートゼオライトの懸濁水溶液中に塩基性物質を添加
してそのpHを3以内に高めることにより、脱アルミニ
ウムされたアルミニウムの一部を格子欠陥に再挿入し、
格子欠陥の著しく少ない該ゼオライトの製造方法。
【0005】
【発明の具体的説明】以下に本発明について具体的に説
明する。ゼオライト、とりわけホージャサイト型ゼオラ
イトは触媒、例えば炭化水素転化用触媒として、あるい
はその一成分として広く利用されている。一般にゼオラ
イト含有触媒の性能は、ゼオライトの水熱安定性に依存
するところが大きい。このため当業界ではゼオライトの
水熱安定性を向上させることが重要な技術的課題とされ
ている。一般的に言えば、ゼオライトの水熱安定性は、
ゼオライトのアルカリ含量とシリカ/アルミナ比に関係
し、アルカリ成分の含有量が減少する程、またシリカ/
アルミナ比が増大する程、ゼオライトの水熱安定性は向
上する。ゼオライトのアルカリ含量を低減させ、併せて
シリカ/アルミナ比を増大させる最も簡便な手段は、ゼ
オライトを酸溶液で処理することであるが、この方法
は、シリカ/アルミナモル比が3〜6で単位格子定数が
24.65Åより大きい耐酸性の低いホージャサイト型
などのゼオライトは、懸濁液のpHを4以下にするとゼ
オライトの結晶構造が壊れる問題があり、特にアルカリ
金属を含有する場合は、この傾向が強く、いずれにして
もpH4以下にすることができず、そのため実質上、脱
アルミニウム反応が進行しないため、原料として使用す
ることすらできなかった。
【0006】本発明者等は、先にこのような結晶性アル
ミノシリケートゼオライトを水相中において可溶性シリ
カの存在下に脱アルミニウム剤とpH4以下で接触させ
ることにより、ゼオライトの単位格子を著しく減じ、シ
リカ/アルミナのモル比を増大させた非常に熱安定性に
優れた変性結晶性アルミノシリケートゼオライトとその
製法を提案している(特願平3−99390号)。
【0007】前記の方法において、ゼオライトの骨格構
造から脱アルミニウムすると同時に脱アルミニウムした
位置に珪素が挿入されるため、非常に熱安定性に優れた
変性ゼオライトは得られるが、脱アルミニウムされる速
度に比較して、骨格構造に珪素が挿入される速度が遅い
ために、ゼオライトの骨格構造に格子欠陥を生じるとい
う問題があった。
【0008】本発明者等らは、前記のような格子欠陥を
生じた変性ゼオライトが、その懸濁水溶液中にアンモニ
ア等の塩基性物質を添加してそのpHを3以内の範囲で
高めることにより(したがって、前記脱アルミニウム変
性ゼオライトの懸濁液のpHは、3未満に調節すること
が必要がある)、脱アルミニウムされたアルミニウムの
一部が、格子欠陥に再挿入され、格子欠陥の著しく少な
い該ゼオライトを得ることができるという新規な知見を
得、本発明を完成したものである。
【0009】すなわち、本発明の変性結晶性アルミノシ
リケートゼオライトの製造方法は、結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトを水相中に懸濁する工程(a工程)、
該a工程の懸濁水溶液中に可溶性シリカおよび脱アルミ
ニウム剤を添加して該懸濁水溶液のpHを3未満とする
工程(b工程)および該b工程の懸濁水溶液中に塩基性
物質を添加して該懸濁水溶液のpHを3以下の範囲内に
おいて、しかも前記b工程の懸濁水溶液のpHよりも高
くする工程(c工程)からなることを特徴とする。
【0010】前記のb工程における可溶性シリカおよび
脱アルミニウム剤の添加順序は特に限定されるものでは
ないが、例えばその1つの態様として、ゼオライトを少
量の珪酸などの可溶性シリカを含有する水溶液中に懸濁
させた後、加温下に撹拌しながら珪酸などの可溶性シリ
カと硫酸などの脱アルミニウム剤を徐々に添加するもの
が挙げられる。好ましくは、その添加速度は0.2モル
脱アルミニウム剤/Hr.1モル−ゼオライトより遅い
ものである。該懸濁液の温度も特に制限されるものでは
ないが、好ましくは50〜100℃の範囲である。
【0011】前記のc工程においては、塩基性物質を添
加してその懸濁液のpHをb工程の懸濁水溶液のpHよ
りも高くし、しかもその値が3以下にした状態で、約2
〜60分程度保持することが望ましい。また、この工程
において懸濁水溶液のpHが3を越えると、ゼオライト
から脱アルミニウムしたアルミニウムが、アルミナ水和
物として沈殿を生じるので好ましくない。本発明では、
前記したようにゼオライトの骨格構造から脱アルミニウ
ムすると同時に脱アルミニウムした位置に珪素が挿入さ
れるため、上記の耐酸性の低いアルカリ金属を含有する
ホージャサイト型ゼオライトでも、結晶構造を破壊する
ことなく、懸濁液のpHを3未満、さらには1以下にす
ることも可能であり、このc工程で高めるpHの値は、
好ましくは0.5以下、特に好ましくは0.1〜0.4
の範囲である。c工程の後、洗浄、乾燥して目的とする
変性ゼオライトを得ることができる。
【0012】また、本発明の別の好ましい実施態様とし
ては、前記(b)および(c)の工程を実施後、さらに
(c)工程で得られた懸濁水溶液に対し、(b)工程の
脱アルミニウム処理を繰り返し行うことを特徴とする、
あるいは、前記(b)および(c)の工程を実施後、さ
らに(c)工程で得られた懸濁水溶液に対し、(b)工
程の脱アルミニウム処理および(c)の各工程を、前記
工程の順序に従って少なくとも1回以上繰り返し(b)
工程の後、又は(c)工程の後変性ゼオライトを得るこ
とを特徴とする前記製造方法が挙げられる。この方法に
よると、ゼオライト骨格構造の格子欠陥の非常に少ない
状態を維持しながらゼオライトから脱アルミニウムを行
うことができるので、ゼオライトの結晶構造を破壊する
ことなく、格子欠陥の少ない高シリカ/アルミナモル比
の熱安定性に優れた変性結晶性アルミノシリケートゼオ
ライトを得ることができる。
【0013】本発明に使用される結晶性アルミノシリケ
ートゼオライトとしては、ゼオライトA、ゼオライト
X、ゼオライトY、ゼオライトL、ゼオライトW、ZS
M系ゼオライト、モルデナイトなどの合成および天然の
各種ゼオライトを使用することができ、特にシリカ/ア
ルミナモル比が3以上のホージャサイト型ゼオライト
(ゼオライトY)は、炭化水素の接触分解、異性化など触
媒への用途が広く、好適である。また、本発明に使用さ
れる各種のゼオライトは、アルカリ金属を多量に含有す
るゼオライトであってもよく、またアルカリ金属をアン
モニウムイオンでイオン交換したゼオライトであっても
よい。また従来技術によりゼオライトの骨格構造から脱
アルミニウムしたゼオライトを出発物質とすることもで
きる。
【0014】本発明で使用する可溶性シリカとは、水溶
液中に含まれる珪酸のうち、水溶液を硫酸酸性にしてモ
リブデン酸アンモニウムの溶液を添加することによって
黄色のモリブド珪酸を生成する状態にある珪酸をいう。
可溶性シリカ源としては、オルト珪酸、メタ珪酸などx
SiO2・yH2Oとして示される珪酸;メタ珪酸塩、オ
ルト珪酸塩、二珪酸塩、三珪酸塩などの珪酸塩;珪酸が
高重合したシリカゾル;シラン化合物など、微量溶解し
うるものであればいずれも使用できる。本発明での水溶
液中に存在する可溶性シリカの量は130ppm以上で
あることが望ましい。水溶液中に存在する可溶性シリカ
の量が130ppmより少ないと、酸処理によりゼオラ
イトの結晶構造が壊れるので望ましくない。
【0015】本発明に使用される脱アルミニウム剤とし
ては、硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸の外、酢酸などの有
機酸、EDTAなどのキレート剤、など通常ゼオライト
の脱アルミニウムに使用される脱アルミニウム剤が単独
あるいは併用して使用できるが、特に、硫酸、硝酸、塩
酸が好適である。
【0016】本発明で使用される塩基性物質としては、
アルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウムな
どの水に可溶性の化合物が使用可能であるが、特にアン
モニア水、アミン化合物の水溶液が好適である。
【0017】本発明の方法で得られる変性ゼオライト
は、出発原料のゼオライトが使用されるそれぞれの分野
に用いて好適である。特にホージャサイトを出発原料と
して本発明の方法で得られる変性ゼオライトは、耐酸
性、耐熱性などに優れており、炭化水素の接触分解、水
素化分解、異性化などの触媒あるいは脱硝触媒などに使
用して好適である。
【0018】
【実施例】以下に実施例を示し本発明を具体的に説明す
る。 実施例1 NaYゼオライト(モル組成Na2O・Al23・5S
iO2)464gを焼成することなく通常のイオン交換
により、Na残存率25%のアンモニウム交換ゼオライ
トを調製した。このアンモニウム交換ゼオライトを95
℃の温水4640ccに懸濁した。別途シリカ濃度5%
に希釈した3号水硝子1200gと濃度25%の硫酸9
40.8gを調製した。95℃に保持したゼオライト懸
濁スラリーを撹拌しながら、先ず濃度5%の水硝子溶液
60gを30分間で添加し、その後、残りの水硝子溶液
1140gと25%硫酸940.8gを各々20g/H
r、16.5g/Hrの速度で連続的に添加してpH
1.90とした。この懸濁水溶液を2つに分割し、1つ
はそのまま脱水し、80℃の温水を充分掛けて、洗浄し
た。この時、濾液の一部を採取し、Al23濃度を分析
した。固形分は乾燥して変性ゼオライトSAIZ−1を
得た。残りの懸濁水溶液は、濃度15%のNH4OH溶
液67gを加えて95℃で5分間撹拌してpH2.3と
した後、脱水し、80℃の温水を充分掛けて洗浄した。
この時濾液の一部を採取し、Al23濃度を分析した。
固形分は乾燥して変性ゼオライトSAIZ−2を得た。
変性ゼオライトSAIZ−1およびSAIZ−2の結晶
度、格子定数および濾液中のAl23の分析から求めた
脱Al23率を表1に示す。また、これらの変性ゼオラ
イトSAIZ−1およびSAIZ−2について、赤外吸
収スペクトル測定を行った。測定条件は該ゼオライトを
450℃で5時間真空加熱処理後100℃で測定した。
その結果を図1に示す。図1に示すようにそれぞれの変
性ゼオライトには、3730cm-1、3640cm-1
3550cm-1の3つのところに吸収スペクトルが現わ
れている。J.H.Lunsford, Journa
l ofCatalysis118, P85〜98
(1989)によれば、3550cm-1の吸収スペクト
ルはスモールケージ中の−OH基、3640cm-1の吸
収スペクトルはスーパーケージ中の−OH基、そして3
730cm-1の吸収スペクトルはゼオライト粒子の外部
表面の−OH基および格子欠陥に基づく−OH基が現わ
れると言われている。図1で、SAIZ−1とSAIZ
−2の3730cm-1の吸収スペクトルを比較するとS
AIZ−2の方がSAIZ−1に比較して、吸収が減少
していることから、格子欠陥が少ないことが分かる。ま
た、表1に示した濾液から求めた脱Al23率、および
実施例1の変性ゼオライトについて表2に示した化学分
析値及び前述の赤外吸収スペクトルなどのデータから見
て、本発明の方法で得られる変性ゼオライトは、アルミ
ニウムが再挿入されていることが分かる。
【0019】実施例2 NaYゼオライト(モル組成Na2O・Al23・5S
iO2)464gを焼成することなく通常のイオン交換
により、Na残存率25%のアンモニウム交換ゼオライ
トを調製し、95℃の温水4640ccに懸濁した。別
途シリカ濃度5%に希釈した3号水硝子1200gと濃
度25%の硫酸940.8gを調製した。95℃に保持
したゼオライト懸濁水溶液を撹拌しながら、先ず濃度5
%の水硝子溶液60gを30分間で添加し、その後、残
りの濃度5%の水硝子溶液1140gと25%硫酸94
0.8gを各々20g/Hr、16.5g/Hrの速度
で連続して添加したが、途中30時間経過した時点で1
5%NH4OH溶液33.5gを加えてpH2.10か
らpH2.28とし、引き続き水硝子溶液と硫酸を同じ
速度で添加を続け50時間経過した時点で更に15%N
4OH溶液33.5gを加えてpH2.00からpH
2.16とし、また、水硝子溶液と硫酸を同じ速度で更
に57時間まで添加して水硝子及び硫酸の供給を終了し
た。水硝子と硫酸の添加が終了した時点で3たび15%
NH4OH溶液67gを加えてpH2.04からpH
2.34とした。次いで懸濁水溶液を脱水洗浄、乾燥し
て変性ゼオライトSAIZ−3を得た。この変性ゼオラ
イトの性状を表2に示す。
【0020】比較例1 NaYゼオライト(モル組成Na2O・Al23・5S
iO2)464gを焼成することなく通常の方法でイオ
ン交換を繰り返し行って、Na(+)残存率25%のア
ンモニウム交換ゼオライトを調製した。このゼオライト
を洗浄、乾燥した後550℃で3時間焼成し、再びイオ
ン交換により、Na(+)残存率10%のアンモニウム
交換率ゼオライトを調製した。このゼオライトを洗浄し
た後、ゼオライトと同量の水分を含む状態で磁製のルツ
ボに充填し、650℃で3時間水熱処理して超安定性Y
型ゼオライト(USY)を得た。このUSYの性状を表
2に示す。表2の結果から本発明の方法で得られる変性
ホージャサイトは、熱履歴を受けていない耐酸性の低い
ホージャサイト型ゼオライトを脱アルミニウム剤で処理
しても、従来の方法で得られるUSYと比較して、結晶
度が高く、耐熱性にも優れていることが分かる。
【0021】
【表1】 1 結晶度は、出発原料NaYゼオライトを100%
としたときの相対値。 *2 ゼオライト中のAl23を基準として、濾液中の
Al23の分析値から求めた脱Al23率。
【0022】
【表2】 1 結晶度は、出発原料NaYを100%としたとき
の相対値。 *2 出発原料NaYを100%として800℃で3時
間空気中で焼成した後の結晶度(%)。
【0023】
【効果】本発明の方法によると、ゼオライトの結晶構造
を破壊することなく、ゼオライトの格子定数を著しく減
じ、シリカ/アルミナモル比を増大させ、格子欠陥の非
常に少ない、熱安定性に優れた変性ゼオライトを得るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】変性ゼオライトSAIZ−1およびSAIZ−
2の赤外吸収スペクトル測定結果を示すものである。S
AIZ−1は、先願(特願平3−99390号)の発明
によって製造した変性ゼオライトの赤外吸収スペクトル
の測定結果を示す。SAIZ−2は、実施例1の本願発
明によって製造した変性ゼオライトの赤外吸収スペクト
ルの測定結果を示す。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)結晶性アルミノシリケートゼオライトを水相中に
    懸濁する工程、 (b)前記(a)工程の懸濁水溶液中に可溶性シリカお
    よび脱アルミニウム剤を添加して該懸濁水溶液のpHを
    3未満とする工程、次いで (c)前記(b)工程の懸濁水溶液中に塩基性物質を添
    加して該懸濁水溶液のpHを3以下の範囲内であって、
    しかも前記(b)工程の懸濁水溶液のpHよりも高くす
    る工程、 を有することを特徴とする変性結晶性アルミノシリケー
    トゼオライトの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記(b)および(c)の工程を実施
    後、さらに(c)工程で得られた懸濁水溶液に対し、
    (b)工程の脱アルミニウム処理を繰り返し行うことを
    特徴とする請求項1記載の変性結晶性アルミノシリケー
    トゼオライトの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記(b)および(c)の工程を実施
    後、さらに(c)工程で得られた懸濁水溶液に対し、
    (b)工程の脱アルミニウム処理および(c)の各工程
    を、前記工程の順序に従って少なくとも1回以上繰り返
    すことを特徴とする請求項1記載の変性結晶性アルミノ
    シリケートゼオライトの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記(b)工程において、脱アルミニウ
    ム剤の添加速度が0.2モル脱アルミニウム剤/Hr.
    1モル−ゼオライト以下であることを特徴とする請求項
    1記載の変性結晶性アルミノシリケートゼオライトの製
    造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007313409A (ja) * 2006-05-24 2007-12-06 Petroleum Energy Center 水素化分解触媒組成物およびその製造方法
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