JP3244512B2 - 変性結晶性アルミノシリケートゼオライトとその製法 - Google Patents
変性結晶性アルミノシリケートゼオライトとその製法Info
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Description
ケートゼオライトとその製法に関する。さらに詳しく
は、結晶性アルミノシリケートゼオライト(以下、ゼオ
ライトということがある)をカ焼することなく、ゼオラ
イトの単位格子を著しく減じ、シリカ/アルミナのモル
比を増大させた非常に熱安定性に優れた変性結晶性アル
ミノシリケートゼオライトとその製法に関する。
ライトと称されている変性ゼオライトの製造法として
は、例えばつぎのようなものがある。特公昭57-16925号
公報には、Na2Oとして約0.6〜5重量%のナトリウムを含
有するアンモニウム−ナトリウムYゼオライトをカ焼
し、このカ焼を約315.6〜898.9℃(600〜1650°F)の温度
で少くとも約0.014Kg/cm2(0.2psi)の水蒸気と、上記ゼ
オライトの単位格子の寸法を著しく減じこれを約24.40
〜24.64Åの値とするのに十分な時間接触させて実施
し、上記カ焼したゼオライトを、その残留するゼオライ
トのナトリウムイオンの少なくとも約25%をアンモニウ
ムイオンで置換し約1重量%より少量のNa2Oを含有する
最終生成物を得るように調整した条件下で更にアンモニ
ウムイオン交換処理することを特徴とする熱水安定性且
つアンモニア安定性Yゼオライト組成物の製造方法が記
載されている。また特公昭44−31948号公報には、分子
篩を5%以上の水分を含む気相中で高温に於てその分子
篩の結晶格子から少なくとも一部のアルミナ四面体が除
去させるに足る時間処理してそのアルミナをその分子篩
中で無定形の相となし、また、その熱処理された分子篩
をアルミナの除去に適した薬剤と接触させ、それによっ
て少なくともその分子篩の結晶度が実質的に保持されて
いる増強されたシリカ/アルミナモル比を持ったアルミ
ノシリケートゼオライト分子篩を造る;工程とを組合せ
て含んでいることを特徴とする分子篩が少なくとも一部
水素形である分子篩型の結晶質アルミノシリケートゼオ
ライトの結晶格子中のシリカ/アルミナのモル比を増大
する方法が開示されている。しかし、これら従来の方法
は、ホージャサイトなどのゼオライトは、酸などで処理
するとゼオライトの結晶構造が壊れるため、いずれもゼ
オライトのアルカリ金属をアンモニウムイオンで一部イ
オン交換して耐水熱性を少し高めた後に、該ゼオライト
を水蒸気雰囲気中でカ焼してゼオライトの単位格子を減
じ、耐酸性、耐熱性を高め、次いで酸などで処理して脱
アルミニウムし、ゼオライトのシリカ/アルミナモル比
を増大しなければならなかった。さらにゼオライト中の
アルカリ金属を減少させるためには、カ焼した後に再度
アンモニウムイオンでイオン交換しなければならず、従
来の超安定ゼオライトの製造法は、非常に製造工程が長
いために、コスト高であった。また、これらの方法はゼ
オライトの骨格構造から脱アルミニウムを行うだけで、
脱アルミニウムした位置に積極的に珪素を骨格構造に挿
入することが行われていないので、得られるゼオライト
は欠陥構造を有しており、熱安定性についても必ずしも
十分ではなかった。ゼオライト骨格構造のアルミニウム
を珪素によって置換して欠陥構造の少ない変性ゼオライ
トの製造法として、(1)特開昭58-36917号、(2)特開昭58
-110420号、(3)特開昭62-216913号公報がある。(1)は、
ガス状ハロゲン化シランによる気相反応であり、また水
に対して極めて反応性に富みかつそれ自体重合しやすい
不安定な化合物であるため処理上の管理が非常に困難で
ある。(2)と(3)はいずれも水相中における反応にかかる
ものではあるが、(2)はフルオロ珪酸塩を、(3)は弗化物
イオン源たとえば弗化水素アンモニウム(NH4F・HF)を、
それぞれ使用するものであって、共に弗素化合物という
特殊な化合物を使用しなければならないうえ、系中に弗
化水素が発生するおそれがあったり、現に弗化水素が存
在していたりするため、通常の材料による装置は腐食さ
れて使用ができないため、特別の耐腐食性材料よりなる
新しい装置の建設が必要となる。また、弗素化合物を使
用する場合は、アルカリ金属を含有するゼオライトを出
発原料として使用すると、氷晶石(Na3AlF6)が生成
し、得られるゼオライトとの分離ができないなどの問題
がある。
位格子を減じ、シリカ/アルミナのモル比を増大させた
非常に熱安定性に優れた変性ゼオライトの製造法を提供
すること、 (ii) ホージャサイトなどの耐酸性の低いゼオライトを
結晶構造を壊すことなく酸処理する方法を提供するこ
と、 (iii)従来はゼオライト中のアルカリ金属をアンモニウ
ムイオンでイオン交換して除去していたが本発明ではア
ンモニウム置換しなくても直接アルカリ金属を除くこと
のできる方法を提供すること(ただし、本発明はアンモ
ニウム置換ゼオライトの使用を排除するものではない
が)、 (iv) ゼオライトの骨格構造から脱アルミニウムを行う
と共に水溶液中の珪素を骨格構造に配することにより非
常に熱安定性に優れた変性ゼオライトの製造法を提供す
ること、 (v) 非常に安価に変性ゼオライトを製造する方法を提
供すること、 (vi) 新規な変性ホージャサイト型結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトを提供すること、にある。
ートゼオライトを水相中において可溶性シリカの存在下
に脱アルミニウム剤とpH4以下で接触させることを特徴
とする変性結晶性アルミノシリケートゼオライトの製法
に関する。本発明の第2は、150℃以上の熱履歴を受け
ていない状態で、シリカ/アルミナモル比が6以上で、
かつ、アンモニウムイオン交換率が0.70以上を示すこと
を特徴とする変性ホージャサイト型結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトに関する。
明する。第1の本発明に使用される結晶性アルミノシリ
ケートゼオライトとしては、ゼオライトA、ゼオライト
X、ゼオライトY、ゼオライトL、ゼオライトW、ZS
M系ゼオライト、モルデナイトなどの合成および天然の
各種ゼオライトを使用することができ、特にシリカ/ア
ルミナモル比が3以上のホージャサイト型ゼオライト
(ゼオライトY)は、炭化水素の接触分解、異性化など触
媒への用途が広く、好適である。また、本発明に使用さ
れる各種のゼオライトは、アルカリ金属を多量に含有す
るゼオライトであってもよく、またアルカリ金属をアン
モニウムイオンでイオン交換したゼオライトであっても
よい。また従来技術によりゼオライトの骨格構造から脱
アルミニウムしたゼオライトを出発物質とすることもで
きる。
液中に含まれる珪酸のうち、水溶液を硫酸酸性にしてモ
リブデン酸アンモニウムの溶液を添加することによって
黄色のモリブド珪酸を生成する状態にある珪酸をいう。
可溶性シリカ源としては、オルト珪酸、メタ珪酸などx
SiO2・yH2Oとして示される珪酸;メタ珪酸塩、オ
ルト珪酸塩、二珪酸塩、三珪酸塩などの珪酸塩;珪酸が
高重合したシリカゾル;シラン化合物など、微量溶解し
うるものであればいずれも使用できる。本発明での水溶
液中に存在する可溶性シリカの量は130ppm以上であるこ
とが望ましい。水溶液中に存在する可溶性シリカの量が
130ppmより少ないと、酸処理によりゼオライトの結晶構
造が壊れるので望ましくない。
ては、硫酸、硝酸、塩酸などの鉱酸の外、酢酸などの有
機酸、EDTAなどのキレート剤、など通常ゼオライトの脱
アルミニウムに使用される脱アルミニウム剤が使用でき
るが、特に、硫酸、硝酸、塩酸が好適である。
性シリカの存在する水相中に懸濁させ、しかる後にpH4
以下で脱アルミニウム剤と接触させることを特徴とする
が、ゼオライトと脱アルミニウム剤との接触は徐々に行
うことが望ましい。本発明の一態様では、ゼオライトを
少量の珪酸などの可溶性シリカを含有する水溶液中に懸
濁させた後、加温下に攪拌しながら珪酸などの可溶性シ
リカ源と硫酸などの脱アルミニウム剤を徐々に、好まし
くは0.2モル脱アルミニウム剤/Hr.1モル−ゼオライト
より遅い速度で添加して、該懸濁液のpHを4以下とし、
洗浄、乾燥して変性されたゼオライトを得る。懸濁液温
度は特に限定されるものではないが50〜100℃の範囲が
望ましい。従来、シリカ/アルミナモル比が3〜6で単
位格子定数が24.65Åより大きい耐酸性の低いホージャ
サイト型などのゼオライトは、懸濁液のpHを4以下にす
るとゼオライトの結晶構造が壊われる問題があり、特に
アルカリ金属を含有する場合は、この傾向が強く、いず
れにしてもpH4以下にすることができず、そのため実質
上、脱アルミニウム反応が進行しないため、原料として
使用することすらできなかった。本発明の方法では、ゼ
オライトの骨格構造から脱アルミニウムすると同時に脱
アルミニウムした位置に珪素が挿入されるため、上記の
耐酸性の低いアルカリ金属を含有するホージャサイト型
ゼオライトでも、結晶構造を破壊することなく、懸濁液
のpHを4以下、さらには1以下にすることも可能であ
る。本発明における水相のpHが4より高い場合はゼオラ
イトの骨格構造から脱アルミニウムが起きにくいので好
ましくない。本発明ではゼオライトを脱アルミニウム剤
とpH3以下で接触させることが好ましい。本発明の方法
で得られる変性ゼオライトのシリカ/アルミナモル比の
増大および単位格子の減少は、ゼオライトの骨格構造か
ら脱アルミニウムする量、すなわち脱アルミニウム剤の
添加量により調節できる。出発原料がホージャサイト型
ゼオライトでは、本発明の方法によりシリカ/アルミナ
のモル比を6以上、好ましくは7〜30の範囲に、また単
位格子定数を24.65Å以下、好ましくは24.55〜24.30Å
の範囲に調節した変性ホージャサイト型ゼオライトを得
ることができる。
酸、塩酸から選ばれる1種又は2種以上の酸を用いた場
合には、従来のホージャサイト型ゼオライトと異なった
アンモニウムイオン交換特性を示す変性ホージャサイト
型ゼオライトが得られることが見い出された。すなわ
ち、本発明の第2は、第1の発明にかかる変性結晶性ア
ルミノシリケートゼオライトの下位概念である変性ホー
ジャサイト型結晶性アルミノシリケートゼオライトに関
し、150℃以上の熱履歴を受けていない状態で、シリカ
/アルミナモル比が6以上で、かつ、アンモニウムイオ
ン交換率が0.70以上を示すことを特徴とする。
い状態とは、出発原料および変性ホージャサイト型ゼオ
ライトが150℃以上の温度でカ焼成された経歴を有しな
い状態を意味する(もし、変性ホージャサイト型ゼオラ
イトが150℃以上の温度でカ焼されている場合は、カ焼
される以前の変性ホージャサイト型ゼオライトについて
のシリカ/アルミナモル比、アンモニウムイオン交換率
を規定するものである)。
率は、DONALD W,BRECK著、“Zeolite Molecular Sieve
s”A WILEY-INTERSCIENCE PUBLICATION(1974)のChapt
er Seven;Ion Exchenge Reactions in Zeolitesに記載
されている方法で表示され、本発明でのアンモニウムイ
オン交換率は以下のようにして測定された値である。即
ち、150℃以上の熱履歴を受けていないホージャサイト
型ゼオライトの試料を10倍量の純水(イオン交換水)に
懸濁する。この懸濁液に、予め試料ゼオライトの組成分
析から求めたアルミナのモル数(m)の10倍の食塩(NaCl)
を加え、撹拌しながら80℃まで加温する。次いで、温度
80℃で3.0wt%NaOH溶液を加えて懸濁液のpHを8.5に調整
して1時間撹拌した後、更に温度を90℃に加温して30分
間撹拌する。次いでこの懸濁液を濾過し、80℃の温水で
充分洗浄して、Na(+)交換ゼオライトを得る。この操
作により、完全にナトリウムイオン交換したゼオライト
となる。上記操作で得られたNa(+)交換ゼオライトを
用いてアンモニウムイオン交換を次のようにして行う。
即ち、Na(+)交換ゼオライトを10倍量の純水(イオン
交換水)に懸濁し、この懸濁液に予め試料ゼオライトの
組成分析から求めたアルミナのモル数(m)の5倍の硫酸
アンモニウムを加え、撹拌しながら80℃まで加温する。
次いでこの懸濁液を温度80℃で1時間撹拌しながら保持
した後、濾過し、80℃の温水で充分洗浄し、120℃で一
昼夜乾燥してアンモニウムイオン交換ゼオライトを得
る。同様に10倍の硫酸アンモニウムを用いてNa(+)交
換ゼオライトのアンモニウムイオン交換を行う。本発明
のアンモニウムイオン交換率(NH4Z)は、Na(+)交換
ゼオライトおよびNH4(+)交換ゼオライトの分析値とアン
モニウムイオン交換に使用した硫酸アンモニウムの量か
ら求めたこの2件のNH4(+)交換の結果をイオン交換平衡
図で表わし、溶液中のNH4+の平衡分率が0.9に於けるア
ンモニウムイオン交換率(NH4Z)で示される。
ホージャサイト型ゼオライト(ゼオライトY)のアンモ
ニウムイオン交換率(NH4Z)は、通常0.68程度である。
一般に、シリカ/アルミナモル比が低いゼオライトで
は、アンモニウムイオン交換率(NH4Z)は高くなる傾向
にあるが、シリカ/アルミナモル比が5以上のゼオライ
トではアンモニウムイオン交換率は前述の方法では0.70
以上になることはない。そこで、アンモニウムイオン交
換率を高めるために、一度アンモニウムイオン交換した
NH4-Na-ホージャサイト型ゼオライトを繰り返しイオン
交換してイオン交換率を高めるか又は該ゼオライトを40
0〜700℃の温度でカ焼した後、更にアンモニウムイオン
交換する方法が行なわれている。本発明に係る変性ホー
ジャサイト型ゼオライトは、150℃以上の熱履歴を受け
ていない状態で、アンモニウムイオン交換率(NH4Z)が
0.70以上、好ましくは0.72以上と高いイオン交換率を示
す。これは、熱履歴を受けていないホージャサイト型ゼ
オライトを水相中において可溶性シリカの存在下に硫
酸、硝酸、塩酸から選ばれる1種又は2種以上の酸とpH
4以下で接触させることにより、ホージャサイト型ゼオ
ライト骨格構造の6角プリズムを形成する単位胞中のア
ルミニウムが優先的に脱アルミニウムし、その脱アルミ
ニウムした位置に珪素が挿入されるため、骨格構造中の
全アルミニウムに対する6角プリズムを形成する単位胞
中のアルミニウムが、従来のホージャサイト型ゼオライ
トより低くなっていることによるものと推定される。
は、ゼオライト骨格構造のシリカとアルミナのモル比の
意味で、このシリカ/アルミナモル比は単位格子定数と
も良い相関々係を示すことが知られている。本発明に係
る変性ホージャサイト型ゼオライトのシリカ/アルミナ
モル比は6以上、好ましくは7以上、更に好ましくは8
以上である。なお、本発明の変性ホージャサイト型結晶
性アルミノシリケートゼオライトは、前述の製法に限定
されるものではない。
は、出発原料のゼオライトが使用されるそれぞれの分野
に用いて好適である。特にホージャサイトを出発原料と
して本発明の方法で得られる変性ゼオライトは、耐酸
性、耐熱性などに優れており、炭化水素の接触分解、水
素化分解、異性化などの触媒あるいは脱硝触媒などに使
用して好適である。
る。実施例1(ゼオライトの耐酸性−可溶性シリカの共
存効果)NaYゼオライト(モル組成Na2O・Al2O3・5SiO2)464
gを80℃の温水4640ccに懸濁した。別途シリカ濃度1%
に希釈した3号水硝子をイオン交換樹脂により脱アルカ
リして調製した珪酸溶液310gを該懸濁液に加えた。この
懸濁液を80℃に保持し、攪拌しながら濃度25%の硫酸を
67.5cc/HRの速度で連続的に添加した。添加の途中で少
量のゼオライトを採取し、洗浄、110℃で乾燥した試料
についてX−線回折により結晶度を測定した。硫酸の添
加量とゼオライトの結晶度との関係を表−1に示す。
の温水4640ccに懸濁した。この懸濁液を80℃に保持し、
攪拌しながら濃度25%の硫酸を67.5cc/HRの速度で連続
的に添加した。添加の途中で少量のゼオライトを採取
し、洗浄、乾燥した試料についてX−線回折により結晶
度を測定した。硫酸の添加量とゼオライトの結晶度との
関係を表−1に示す。(以下余白)
%としたときの相対値
の温水4640ccに懸濁した。別途シリカ濃度1%に希釈し
た3号水硝子を硫酸で中和しpH2.0の珪酸溶液4500gを調
製した。この珪酸溶液のうち310gを該懸濁液に撹拌しな
がら加えた後、温度を95℃に昇温し、次いで残りの珪酸
溶液4190gと2.5%硫酸8820gを各々83.8g/HR、176.4g/
HRの速度で連続的に添加してpH2.0とした。珪酸溶液お
よび硫酸を添加終了後、ゼオライトは分離し、洗浄、乾
燥して化学分析により組成を求め、又X−線回折により
結晶度、格子定数を測定した。結果を表−2に示す。実
施例2で得た変性ゼオライトをSAI-1とする。この変性
ゼオライト(SAI-1)および出発原料のNaYゼオライトに
ついて、アンモニウムイオン交換特性について調べた。
アンモニウムイオン交換方法は、前述の方法に準じて、
Na(+)交換ゼオライトとした後、硫酸アンモニウムの
量を変えて、80℃に於けるイオン交換率を求めた。その
結果を図2(イオン交換平衡図)に示す。図2の縦軸(NH4
Z)は、ゼオライト中の全カチオンに対するNH4(+)の平衡
分率(イオン交換率)であり、次式で示される値である。 また横軸(NH4S)は溶液中のNH4(+)の平衡分率で次式で示
される値である。 図2から分るように本発明の変性ゼオライト(SAI-1)は
従来のNaYゼオライトに比較して高い交換率のイオン交
換特性を示す。(以下余白)
の方法によりイオン交換を繰り返し行って、Na残存率25
%のアンモニウム交換ゼオライトを調製した。このアン
モニウム交換ゼオライトをそのまま80℃の温水4640ccに
懸濁した。別途シリカ濃度1%に希釈した3号水硝子を
硫酸で中和して得たpH2.0の珪酸溶液5700gを調製した。
この珪酸溶液から先ず310gを該懸濁液に攪拌しながら加
えた。次いで、温度を95℃に昇温し、濃度2.5%の硫酸1
3720gと残り珪酸溶液5390gを各々274.4g/HR、107.8g/
HRの速度で50時間連続的に添加してpH1.8とした。硫酸
および珪酸溶液を添加終了後、ゼオライトは分離し、洗
浄、乾燥して変性ゼオライトSAI-2を得た。この変性ゼ
オライトの性状を表−2に示す。
の方法によりイオン交換を繰り返し行って、Na残存率25
%のアンモニウム交換ゼオライトを調製した。このゼオ
ライトを洗浄、乾燥した後、550℃で3時間焼成した。
次いで焼成ゼオライトをさらに硫酸アンモニウムを用い
てイオン交換しアンモニウム交換率91%のNH4-Yゼオラ
イト(Na2O含有量1.37wt%)を調製した(図1Cのものに
相当)。この交換率91%のNH4-Yと実施例2および3で得
られたゼオライトの示差熱分析を行った。その結果を図
1に示す。図1の縦軸は上方向が発熱、下方向が吸熱を
意味するもので、曲線A,B,Cの相互間に縦軸上での優
劣関係はなく、A,B,Cそれぞれの独自の発熱と吸熱の
方向を示すのみである。このグラフにより、Aは1095℃
で、Bは1044℃で、Cは990℃で、それぞれ結晶構造の
崩壊がおこっていることを示している。したがって、図
1は、本発明の方法により得られた変性ゼオライトは非
常に耐熱性が優れていることを示すものである。
の方法によりイオン交換を繰り返し行って、Na残存率25
%のアンモニウム交換ゼオライトを調製した。このアン
モニウム交換ゼオライトをそのまま80℃の温水4640ccに
懸濁した。別途、市販のシリカ濃度30%のシリカゾルを
シリカ濃度1%に希釈した希釈シリカゾル5700gを調製
した。この希釈シリカゾルのうち先ず310gを該懸濁液に
攪拌しながら加えた。次いで、温度を95℃に昇温し、濃
度2.5%の硫酸13720gと残りの希釈シリカゾル5390gを各
々137.2g/HR、23.9g/HRの速度で100時間連続的に加え
て、pH1.75とした。硫酸および希釈シリカゾルを添加終
了後、ゼオライトは分離し、洗浄、乾燥して変性ゼオラ
イトSAI-3を得た。この変性ゼオライトの性状を表-2に
示す。
Rの速度で50時間連続的に加えた以外は実施例3と全く
同様の方法で変性ゼオライトSAI-4を得た。この変性ゼ
オライトの性状を表-2に示す。
Rの速度で50時間連続的に加えた以外は、実施例3と全
く同様の方法で変性ゼオライトSAI-5を得た。この変性
ゼオライトの性状を表-2に示す。
の温水4640gに懸濁した。別途シリカ濃度1%に希釈し
た3号水硝子をイオン交換樹脂により脱アルカリした珪
酸溶液4500gを調製した。この珪酸溶液のうち先ず310g
を該懸濁液に攪拌しながら加えた後、温度を95℃に昇温
し、濃度1%で80℃に加温したエチレンジアミン四酢酸
溶液17538gと、先に調製した珪酸溶液の残り4190gを各
々350.8g/HR、83.8g/HRの速度で50時間連続的に添加
してpH3.8とした。添加終了後、ゼオライトは分離し、
洗浄、乾燥して変性ゼオライトSAI-6を得た。この変性
ゼオライトの性状を表−2に示す。
例7と同様にして脱アルミニウムを行ったゼオライトNa
Y (EDTA)を得た。このゼオライトの性状を表−2に示
す。
ゼオライトを調製した。 NaYゼオライト(モル組成Na2O
・Al2O3・5SiO2)464gを通常の方法でイオン交換を繰り返
し行ってNa残存率25%のアンモニウム交換ゼオライト
を調製した。このアンモニウム交換ゼオライトを75℃に
加温した3.5M酢酸アンモニウム溶液中に懸濁した。次
いでこの懸濁液に、75℃に加温した(NH4)2SiF6120gを
含有する水溶液650ccを4cc/minの速度で添加した。こ
の懸濁液のPHは6.2であった。続いて、この懸濁液の
温度を95℃に加温し、95℃で17時間熟成した。次いで熟
成した懸濁液を濾過し、充分洗浄した後、乾燥してゼオ
ライトを得た。このゼオライトをLYとする。このゼオラ
イトLYについて、実施例2と同様の方法でアンモニウム
イオン交換特性を調べた。その結果を図2に示す。また
ゼオライトLYの性状を表−2に示す。
の方法でイオン交換を繰り返し行ってNa残存率25%の
アンモニウム交換ゼオライトを調製した。このアンモニ
ウム交換ゼオライトをそのまま80℃の温水4640ccに懸濁
した。別途シリカ濃度1%に希釈した3号水硝子を硫酸
で中和して得たpH2.0の珪酸溶液4800gを調製した。この
珪酸溶液のうち310gを該懸濁液に攪拌しながら加えた。
次いで温度を95℃に昇温し、濃度2.5%の硫酸7840gと、
残りの珪酸溶液4490gを各々327g/HR、187g/HRの速度
で連続的に添加した。添加開始後、6時間目、12時間
目、及び24時間目に少量のスラリーを採取しゼオライト
を分離し、洗浄、乾燥してそれぞれ変性ゼオライトSAI-
7、SAI-8、SAI-9を得た。これらの変性ゼオライトの
性状を表−2に示す。
の方法でイオン交換を繰り返し行ってNa(+)残存率25%
のアンモニウム交換ゼオライトを調製した。このゼオラ
イトを550℃で3時間焼成した後、再びイオン交換によ
り、Na(+)残存率10%のアンモニウム交換率ゼオライト
を調製した。このゼオライトを洗浄した後、ゼオライト
と同量の水分を含む状態で磁製のルツボに充填し、650
℃で3時間水熱処理して超安定性Y型ゼオライト(USY)
を得た。このUSYゼオライトの結晶度は出発原料のNaYに
対して80%、格子定数は24.54Åであった。このゼオラ
イトを80℃の温水4640ccに懸濁した。別途シリカ濃度1
%に希釈した3号水硝子を硫酸で中和して得たpH2.0の
珪酸溶液5700gを調製した。この珪酸溶液から先ず310g
を該懸濁液に攪拌しながら加えた。次いで温度を95℃に
昇温し、濃度2.5%の硫酸1370gと残り珪酸液5390gを各
々274.4g/HR、107.8g/HRの速度で50時間連続的に添加
した。添加終了時の懸濁液のpHは1.65であった。硫酸及
び珪酸溶液添加終了後、ゼオライトは分離し、洗浄、乾
燥して変性ゼオライトSAI-10を得た。この変性ゼオラ
イトの性状を表−2に示す。
を95℃の温水4120ccに懸濁した。この95℃に保持した懸
濁液に濃度25wt%の硫酸1960gと、別途シリカ濃度1wt
%に希釈した3号水硝子を硫酸で中和して得たpH2.0の
珪酸溶液3600gを各々82g/HR、150g/HRの速度で添加し
た。添加終了時の懸濁液のpHは0.41であった。この懸濁
液を溶液とゼオライトに分離し、溶液中のアルミナ濃度
を分析したところ、出発ゼオライト中のアルミナの64.8
%に相当するアルミナが脱離していることがわかった。
分離したゼオライトを充分に洗浄し、乾燥して、ゼオラ
イトM-1を調製した。一方、同じNa型モルデナイト41
2gを95℃の温水4120ccに懸濁した。この95℃に保持し
た懸濁液に濃度25wt%の硫酸1960gを82g/HRの速度で
添加した。次いでこの懸濁液を溶液とゼオライトに分離
し、溶液中のアルミナ濃度を分析したところ、出発ゼオ
ライト中のアルミナの65.4%に相当するアルミナが脱離
していることがわかった。分離したゼオライトを充分に
洗浄し、乾燥して、ゼオライトM-2を調製した。次い
で、それぞれゼオライトM-1及びゼオライトM-2の一
部を用いて、硫酸アルミニウム溶液処理を行った。即
ち、それぞれの試料をアルミナ濃度2wt%の硫酸アルミ
ニウム溶液に懸濁し、撹拌しながら95℃に加温した。次
いで3wt%の希アンモニア水溶液を徐々に添加して懸濁
液のpHを2.5に調整し、続けて95℃で2時間撹拌した。
その後、ゼオライトを分離回収し、洗浄、乾燥してM-
1硫酸アルミニウム処理ゼオライトおよびM-2硫酸ア
ルミニウム処理ゼオライトを得た。これらのゼオライト
の性状をM-1、M-2の性状とともに表−3に示す。表
−3からわかるように、ゼオライトM-2では硫酸アル
ミニウム処理によりほぼ出発原料のSiO2/Al2O3モル比
の値と同じになっているが、ゼオライトM-1では、SiO
2/Al2O3モル比の値が15.6と出発原料のSiO2/Al2O3モ
ル比より高く、モルデナイト骨格構造中へのアルミニウ
ムの再挿入量が少ない。これは、ゼオライトM-1で
は、脱アルミニウムされた位置に珪素が挿入されている
ため、アルミニウムの再挿入量が少ないことによると推
定される。(以下余白)
オライトを、カ焼することなくゼオライトの単位格子を
減じ、シリカ/アルミナのモル比を増大させることがで
き、しかも、得られる変性ゼオライトのアルカリ金属の
含有量を低減することが出来る。従って安価に変性ゼオ
ライトを調製することができる。また得られた変性ゼオ
ライトは耐酸性、耐熱性に非常に優れているので触媒な
どの用途に好適である。 また第2の本発明に係る変性
ホージャサイト型ゼオライトは、150℃以上の熱履歴を
受けない状態で、高いアンモニウム交換率を示す特徴を
有する。
れたゼオライトの示差熱分析のデーターを示す。
換特性を示すグラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 結晶性アルミノシリケートゼオライトを
水相中において可溶性シリカの存在下に脱アルミニウム
剤とpH4以下で接触させることを特徴とする変性結晶性
アルミノシリケートゼオライトの製法。 - 【請求項2】 150℃以上の熱履歴を受けていない状態
で、シリカ/アルミナモル比が6以上で、かつ、アンモ
ニウムイオン交換率が0.70以上を示すことを特徴とする
変性ホージャサイト型結晶性アルミノシリケートゼオラ
イト。
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---|---|---|---|
JP09939091A JP3244512B2 (ja) | 1990-04-11 | 1991-04-04 | 変性結晶性アルミノシリケートゼオライトとその製法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2-95570 | 1990-04-11 | ||
JP9557090 | 1990-04-11 | ||
JP09939091A JP3244512B2 (ja) | 1990-04-11 | 1991-04-04 | 変性結晶性アルミノシリケートゼオライトとその製法 |
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JPH04228417A JPH04228417A (ja) | 1992-08-18 |
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JP5528969B2 (ja) * | 2010-09-29 | 2014-06-25 | 水澤化学工業株式会社 | 除湿剤 |
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