JPH059607U - フイルタープレスにおけるろ布の洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ろ過ユニットの汚泥流路の一端側に薬液供給
管を連通し、汚泥流路の他端側にろ過ユニットを通過し
た薬液を排出する廃液管を連通したことから、薬液がろ
過ユニット全体にくまなく流れて、薬液の流れが悪くな
って汚泥流路に淀みを生じることがなく、洗浄効果を向
上させる。 【構成】 複数のろ板４間にろ布を挟み込んだ閉板状態
で内部に汚泥流路を形成したろ過ユニット１を備えたフ
ィルタープレスにおいて、前記汚泥流路の一端側に薬液
供給管13を連通し、この薬液供給管13の途中に薬液10を
圧送するポンプ12を設け、汚泥流路の他端側にろ過ユニ
ット１を通過した薬液10を排出する廃液管14を連通して
構成している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フィルタープレスの複数のろ板間に設けられたろ布が目詰まりした 時にろ布を薬液で洗浄するフィルタープレスにおけるろ布の洗浄装置に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

フィルタープレスを長期間運転し、ろ布に炭酸カルシュウムやスラリーの無機 塩類等が固着すると高圧水で洗浄してもこれらを容易に除去することがでない。 そこで、複数のろ板の間にろ布を挟み込んで内部に汚泥流路を形成したろ過ユニ ットに酸性の薬液を流し込んでろ布の目詰まり成分を溶解してろ布の目詰まりを 解消する。

【０００３】 図２は、従来のフィルタープレスの洗浄装置であって、この洗浄装置はフィル タープレス20の上方にヘッドタンク21を設け、このヘッドタンク21と薬液タンク 22とを供給管23を介して連通し、薬液タンク22の薬液24を薬液供給用のポンプ25 によってヘッドタンク21に汲み上げフィルタープレス20に流入するよう構成され ている。このヘッドタンク21の薬液24を汚泥流路側に流す薬液供給管26は、バル ブ26A を介してろ液を圧入する給泥配管27と連通している。複数のろ板28の間に ろ布を挟み込んだ閉板状態で内部に汚泥流路を形成したろ過ユニット29の下部に はろ液が流下するろ液管30が複数個設けられ、このろ液管30の下部にろ液管30か らの洗浄廃液を回収する回収装置31が配設され、この回収装置31で集められたろ 液は前記薬液タンク22に還流するよう構成されている。

【０００４】 ろ布の目詰まりを除去する時は給泥配管27のバルブ27A を閉弁し、薬液供給管 26のバルブ26A を開弁してヘッドタンク21とろ過ユニット29の汚泥流路を連通さ せれば、ヘッドタンク21の薬液24が重力差によりろ過ユニット29の汚泥流路に自 然に流下する。流下した薬液24は、ろ過ユニット29の内部に満たされてろ布の炭 酸カルシュウム等を溶解した後、ろ液管30から流下して回収装置31で集められ薬 液タンク22に還流する。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、従来のフィルタープレス20におけるろ布の洗浄装置は、ヘッドタンク 21からの自然流下によってろ過ユニット29の汚泥流路に薬液が流入し、下部のろ 液管30から流出するよう構成されているので、薬液24はろ過ユニット29の手前側 のろ液管30から多く流出してろ過ユニット29の先端部のろ室まで十分達せず薬液 24がショートパスするおそれがあるという問題点が有った。

【０００６】 本考案は、上記問題点を解決するためになされたもので、薬液がろ過ユニット の内部の汚泥流路に設けられたろ布をショートパスすることなく通過する洗浄装 置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、複数のろ板間にろ布を挟み込んだ閉板状態で内部に汚泥流路を形成 したろ過ユニットを備えたフィルタープレスにおいて、前記汚泥流路の一端側に 薬液供給管を連通し、この薬液供給管の途中に薬液を圧送するポンプを設け、汚 泥流路の他端側にろ過ユニットを通過した薬液を排出する廃液管を連通して構成 している。

【０００８】

【作用】

本考案は、汚泥流路の一端側に薬液供給管を連通し、汚泥流路の他端側にろ過 ユニットを通過した薬液を排出する廃液管を連通したことから、薬液がろ過ユニ ット全体にくまなく流れ、流れが悪くなって汚泥流路で淀みを生じることがなく 、ろ布を良好に洗浄できる。

【０００９】

【実施例】

以下に本考案の一実施例について、図面を参照しながら説明する。 図１は、多数のろ室を形成する単式ろ布固定型のフィルタープレスにろ布の洗 浄装置を設けた概略図であって、図において、１はフィルタープレスのろ過ユニ ットであって、前フレーム２と後フレーム３の間にろ布（図示せず）が挟み込ま れた複数のろ板４が配設され、このろ板４を締込板５を介して油圧シリンダ６に よって後フレーム３方向に押圧してろ板４間に複数のろ室を形成すると共に、内 部に汚泥流路（図示せず）を形成している。

【００１０】 このろ過ユニット１の汚泥流路の一端側にはろ室内の残留汚泥に圧縮空気を吹 き込むためのエアーブロー配管７が設けられ、ろ過ユニット１の汚泥流路の他端 側には原液スラーリを圧入するための給泥配管８が取り付けられ、さらに、ろ過 ユニット１の他端側の下部にはろ過されたろ液を排出するためのろ液配管９が設 けられている。

【００１１】 フィルタープレスの下部には薬液10を貯留するための薬液タンク10A が配設さ れ、薬液タンク10A の底部にはバルブ11A,11B とポンプ12を介して薬液供給管13 の一端が接続し、薬液供給管13の他端はエアーブロー配管７と接続している。ま た、給泥配管８にはろ過ユニット１の汚泥流路の一端側から他端側に通過した薬 液10を薬液タンク10A に還流するための廃液管14の一端が接続している。

【００１２】 次に、上記構成における作用を説明する。 通常、ろ過工程ではろ過ユニット１のろ室に後フレーム３側の給泥配管８から スラーリを圧入してろ布でろ過し、ろ液がろ液配管９から排出される。ろ過工程 が終了した後、圧搾工程でろ布の間に残った残存物を圧縮・脱水してケーキ状に し、空気ブロー工程によって、ろ板４に残っているろ液・汚泥を吹き飛ばし、開 板工程によってろ板４を完全に開放し、この開板工程と同時にろ室内のケーキが 下方に落下して搬送される。

【００１３】 通常、フィルタープレスは上記のような工程を繰り返し実行するが、ろ板４間 に設けられたろ布を長期間使用しているうちに、炭酸カルシュームやスラリー等 が固着し、ろ布が目詰まりを起こす。このようにろ布が目詰まりした時は、炭酸 カルシューム等を酸性の薬液15で溶解して取り除かねばならない。そこで、給泥 配管８のバルブ8A、エアーブロー配管７のバルブ7A、ろ液配管９のバルブ9Aを閉 弁し、逆に、薬液供給管13と廃液管14の全てのバルブ11A,11B,11C,14A を開弁し 、薬液供給管13のポンプ12を駆動して薬液10をエアーブロー配管７を介して汚泥 流路に圧送する。汚泥流路に流れ込んだ薬液10はろ布に染み込むと共に透過し、 汚泥流路の他端側の給泥配管８と廃液管14とを通り再び薬液タンク10A に還流す る。このように酸性の薬液10が循環するうちにろ布に付着した炭酸カルシューム や無機塩類を溶解し、ろ布の目詰まりを解消する。

【００１４】 上記のように本考案では薬液10をろ過ユニット１の汚泥流路の一端側から他端 側に流通させるので薬液10がろ過ユニット１の全てのろ布にまで行き渡り、薬液 10の流れが偏つてショートパスすることがない。

【００１５】 上記実施例では、汚泥流路の一端側を前フレーム２側とし、他端側を後フレー ム３側としたが、これは限定的なものではなく、汚泥流路の一端側を後フレーム ３側とし、汚泥流路の他端側を前フレーム２側とし給泥配管８に薬液供給管13を 接続し、エアーブロー配管７に廃液管14を接続してもよい。

【００１６】 また、エアーブロー配管７に薬液供給管13を接続し、給泥配管８に廃液管14を 接続しているが、薬液供給管13や廃液管14を直接ろ過ユニット１の汚泥流路の一 端側と他端側に設けるよう構成してもよい。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案のフィルタープレスにおけるろ布の洗浄装置は、汚泥流路 の一端側に薬液供給管を連通し、汚泥流路の他端側にろ過ユニットを通過した薬 液を排出する廃液管を連通したことから、薬液がろ過ユニット全体にくまなく流 れて、薬液の流れが悪くなって汚泥流路で淀みを生じることがなく、洗浄効果が 向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すフィルタープレスにお
けるろ布の洗浄装置の概要図である。

【図２】従来のフィルタープレスにおけるろ布の洗浄装
置の概要図である。

【符号の説明】

１ ろ過ユニット ４ ろ板 ５ 締込板 ６ 油圧シリンダ 10 薬液 10A 薬液タンク 12 ポンプ 13 薬液供給管 14 廃液管

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 【請求項１】 複数のろ板間にろ布を挟み込んだ閉板状
   態で内部に汚泥流路を形成したろ過ユニットを備えたフ
   ィルタープレスにおいて、前記汚泥流路の一端側に薬液
   供給管を連通し、この薬液供給管の途中に薬液を圧送す
   るポンプを設け、汚泥流路の他端側にろ過ユニットを通
   過した薬液を排出する廃液管を連通したことを特徴とす
   るフィルタープレスにおけるろ布の洗浄装置。