JPH0594176A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

Info

Publication number
JPH0594176A
JPH0594176A JP3282181A JP28218191A JPH0594176A JP H0594176 A JPH0594176 A JP H0594176A JP 3282181 A JP3282181 A JP 3282181A JP 28218191 A JP28218191 A JP 28218191A JP H0594176 A JPH0594176 A JP H0594176A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panning
tone
data
circuit
musical tone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP3282181A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3136701B2 (ja
Inventor
Takeo Shibukawa
竹夫 渋川
Tadahiko Iketani
忠彦 池谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamaha Corp
Original Assignee
Yamaha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamaha Corp filed Critical Yamaha Corp
Priority to JP03282181A priority Critical patent/JP3136701B2/ja
Publication of JPH0594176A publication Critical patent/JPH0594176A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3136701B2 publication Critical patent/JP3136701B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 再生システム特に発音する左右のスピ−カの
間隔を変えた場合でも常に最適なパンニングを行なうこ
とができる電子楽器を提供することを目的とする。 【構成】 選択された動作モードに応じて、各系列にど
の程度のレベルで楽音信号を振り分けるかを示すパンニ
ングデータを変更し、変更後のパンニングデータを用い
てパンニングを行なうようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、楽音を内蔵スピーカ
で発生するか外部スピーカで発生するかにかかわらず、
楽音が定位する位置が常に最適になるようにした電子楽
器に関する。
【0002】
【従来の技術】自然楽器には、発音する音の音高に応じ
てその音の発音位置が異なるものがある。例えば、グラ
ンドピアノなどは通常演奏者から見て左右に広がった8
8鍵の鍵盤を有し、各鍵に対して一組の打弦機構を有す
る。一組の打弦機構は演奏者の演奏に応じて2ないし3
本の弦を打弦する。音高が低い部分を1本の弦を打弦す
るようにしたものもある。演奏に応じて発音される発音
位置は打弦機構が弦を打弦した位置となる。そして、打
弦機構も演奏者から見て左右に広がっているので、低音
側と高音側では音の発生する位置が異なることになる。
このような音高に応じて発音位置が異なることは、特に
演奏している演奏者には明らかに認識される。
【0003】最近の電子楽器では、このように音高に応
じて発音位置を変え、自然楽器における発音位置をシミ
ュレートするものがある。例えば、電子鍵盤楽器では演
奏者から見て左右となる楽器内部の適当な位置に複数の
内蔵スピーカを配置し、押鍵された鍵の音高によって左
右のスピーカで発音するレベルを異ならせ、発音位置が
音高に応じた位置となるようにしたものがある。このよ
うな楽音の音高に応じて発音位置を異ならせる処理をい
わゆるキースケールパンニングと呼ぶ。
【0004】上述のように、電子楽器でキースケールパ
ンニングを行なう場合、従来は発音する楽音の音高に応
じてテーブルからパンニングデータを読出し、そのパン
ニングデータにしたがって楽音信号を左右に振り分けそ
れぞれ発音するようにしていた。テーブルには、音高に
応じて左右それぞれどのようなレベルで楽音を発生させ
るべきかを示すパンニングデータがあらかじめ記憶され
ている。
【0005】一方、このような内蔵スピ−カで発音する
電子楽器では、内蔵スピ−カで楽音を再生した場合に最
もよい効果を得られるように音色、効果(エフェクト)
パラメ−タおよびパンニングデータを調整してあるのが
普通である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、内蔵スピ−
カで楽音を再生する場合、演奏者ひとりで弾く場合や比
較的小さな部屋で演奏者と小人数で聞く場合は問題はな
い。しかし、例えばコンサ−トホ−ルなどの大きな室内
や、場合によっては屋外で、多数の聴衆に聞かせる場合
には、内蔵スピ−カでは出力(音量レベル)が足らな
い。そこで、電子楽器に出力端子を設け、この出力端子
にPA(パブリックアドレス)システムを接続して、電
子楽器からの楽音信号を増幅し演奏会場に適した音量で
再生できるようにしている。
【0007】ところが、上述のようなパンニングを行な
って楽音が定位する位置を自然楽器に合わせた電子楽器
の左右の出力をそのままPAシステムに入力し、増幅し
て広い間隔で配置された外部スピーカから発音させる
と、大きな楽器から発音されているようにと錯覚される
という問題があった。すなわち、一般にPAシステムの
外部スピ−カの間隔は内蔵スピ−カの間隔に較べてはる
かに大きいので、音高にしたがってパンニングを行なう
場合に不都合となる。
【0008】また、波形メモリ方式の音源を持つ電子楽
器ではステレオサンプリングという技術を使って楽音を
再生するものがある。これは原音をサンプリングすると
きにステレオで録音し、再生もステレオで行う方式であ
る。この方式によれば、サンプリングデ−タのなかに定
位情報も含むので上述したようなパンニングは行なう必
要がない。しかし、この場合も内蔵スピ−カでの再生を
前提にして録音されているため、PAシステムに接続し
て間隔の広い外部スピーカで再生したときには同じ問題
がおこる。
【0009】この発明は、上述の従来例における問題点
に鑑み、再生システム特に発音する左右のスピ−カの間
隔を変えた場合でも常に最適なパンニングを行なうこと
ができる電子楽器を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明は、楽音信号を形成し出力する楽音形成手
段と、この楽音形成手段からの楽音信号を複数の系列に
振り分けるパンニング手段とを有する電子楽器におい
て、動作モードを選択するモード選択手段と、上記モー
ド選択手段により選択されたモードに応じて、上記パン
ニング手段が各系列にどの程度のレベルで楽音信号を振
り分けるかを示すパンニングデータを変更し、変更後の
パンニングデータを上記パンニング手段に出力するパン
ニングデータ生成出力手段とを具備することを特徴とす
る。
【0011】
【作用】選択された動作モードに応じてパンニングデー
タが変更される。したがって、楽音を再生するシステム
に応じて左右の再生のレベルをどう振り分けるかを示す
パンニングデータを変更でき、例えば左右のスピーカ間
隔が広いときのモードでは楽音が定位する位置を中央に
寄せるようにできる。
【0012】
【実施例】以下、図面を用いてこの発明の実施例を説明
する。
【0013】図1は、この発明の一実施例に係る電子楽
器のブロック構成を示す。この実施例の電子楽器は、複
数の鍵盤キーを有する鍵盤1、その鍵盤1からの出力
(キーオン信号、キーオフ信号、音高情報であるキーコ
ードなど)をバスライン11に対して受渡しするための
鍵盤インターフェース2、種々の機能を割当てられたパ
ネル上のパネル操作子3、このパネル操作子3からの出
力をバスライン11に対して受渡しするための操作子イ
ンターフェース4、この電子楽器の全体の動作を制御す
る中央処理装置(CPU)5、リードオンリメモリ(R
OM)6、およびランダムアクセスメモリ(RAM)7
を備えている。ROM6は、CPU5が実行するプログ
ラムおよび各種のテーブルや定数などを記憶する。RA
M7には、各種のワークレジスタやフラグなどが割当て
られている。
【0014】また、この電子楽器は、CPU5の指示に
基づき所望の楽音信号を形成する楽音形成回路8、与え
られたパンニングデータにしたがって楽音形成回路8か
らの楽音信号を左右の楽音信号に振り分けるパンニング
回路9、パンニング回路9からの左右の楽音信号にそれ
ぞれ所望の効果(エフェクト)を付与する効果付与回路
10、および効果付与回路10から出力される効果を付
与された楽音信号に基づいて楽音を発生させるサウンド
システム11を備えている。サウンドシステム11には
内蔵スピーカ12L,12Rが接続されている。
【0015】内蔵スピーカ12Lは電子楽器内部の演奏
者から見て左側位置に配置され、内蔵スピーカ12Rは
電子楽器内部の演奏者から見て右側位置に配置されてい
る。この電子楽器は出力端子を有しており、その出力端
子を用いてサウンドシステム11に外部のPA(パブリ
ックアドレス)システム13を接続できるようになって
いる。14Lは内蔵スピーカ12Lで発音される楽音を
(PAシステム13によって拡声して)発音する左側外
部スピーカ、同様に14Rは内蔵スピーカ12Rで発音
される楽音を発音する右側外部スピーカを示す。通常
は、内蔵スピーカ12Lと内蔵スピーカ12Rとの間隔
に比較して、左側外部スピーカ14Lと右側外部スピー
カ14Rとの間隔は遥かに大きい。15は双方向のバス
ラインである。
【0016】次に、パンニング回路9およびその周辺の
回路につき詳細に説明する。
【0017】図2は、図1のパンニング回路9の詳細お
よびその周辺の回路を示す。楽音形成回路8は、第0〜
第15チャンネルについて楽音信号を形成する第1の楽
音形成部81および第16〜第31チャンネルについて
楽音信号を形成する第2の楽音形成部82からなる。パ
ンニング回路9は、第1のパンポット91、第2のパン
ポット92、加算器93L、および加算器93Rからな
る。
【0018】CPU5から楽音形成回路8にチャンネル
を指定した楽音形成の指示が与えられると、第0〜第1
5チャンネルについては第1の楽音形成回路81で楽音
信号が形成され、第16〜第31チャンネルについては
第2の楽音形成回路82で楽音信号が形成される。第1
の楽音形成回路81で形成された楽音信号は、第1のパ
ンポット91に入力する。第2の楽音形成回路82で形
成された楽音信号は、第2のパンポット92に入力す
る。
【0019】パンポット91は、パンポットデータに基
づいて、入力した楽音信号を左右の2系統(L側および
R側)の楽音信号に振り分ける。同様にパンポット92
は、パンポットデータに基づいて、入力した楽音信号を
左右の2系統(L側およびR側)の楽音信号に振り分け
る。
【0020】図3は、パンポット91の詳細な構成を示
す。パンポット92も同様の構成であるので、ここでは
パンポット91のみにつき説明する。パンポット91は
2つの積算器94L,94Rと2つの係数変換部95
L,95Rとからなる。パンポット91に与えられたパ
ンニングデータは2つの係数変換部95L,95Rに入
力する。係数変換部95L,95Rは、パンニングデー
タに基づいて積算器94L,94Rに与える係数α,β
を出力する。
【0021】図4は、係数変換部95L,95Rの特性
を示す。横軸は入力するパンニングデータ、縦軸は出力
する係数α,βを示す。パンニングデータは「1」〜
「15」の整数値をとる。係数変換部95Lは、入力し
た「1」〜「15」の値に応じて図4のグラフ96Lで
定められる係数αを出力する。グラフ96Lから分かる
ように係数αは、パンニングデータが「1」のとき
「1.0」、パンニングデータが「2」「3」と増えて
いくにしたがって「1.0」から徐々に減少し、パンニ
ングデータが「15」のとき「0」になる。同様に、係
数変換部95Rは、入力した「1」〜「15」の値に応
じて図4のグラフ96Rで定められる係数βを出力す
る。グラフ96Rから分かるように係数βは、パンニン
グデータが「1」のとき「0」、パンニングデータが
「2」「3」と増えていくにしたがって「0」から徐々
に増加し、パンニングデータが「15」のとき「1.
0」になる。
【0022】再び図3を参照して、パンポット91に入
力した楽音信号は、左右の積算器94L,94Rに入力
する。積算器94Lは、入力した楽音信号に係数変換部
95Lから出力された係数αを掛けてL側(左側)楽音
信号として出力する。同様に、積算器94Rは、入力し
た楽音信号に係数変換部95Rから出力された係数βを
掛けてR側(右側)楽音信号として出力する。
【0023】なお、図3のパンポットの構成および図4
の特性図から分かるように、パンニングデータが「1」
のときL側楽音信号のレベルが最大でR側楽音信号のレ
ベルが「0」となる。パンニングデータが「2」「3」
と増加していくにしたがって、(L側楽音信号のレベル
がR側楽音信号のレベルより大きい範囲内で)L側楽音
信号のレベルが徐々に減少しR側楽音信号のレベルが徐
々に増加する。そして、パンニングデータが「8」のと
きL側楽音信号とR側楽音信号とが同レベルとなる。さ
らに、パンニングデータが「9」「10」と増加してい
くにしたがって、(L側楽音信号のレベルがR側楽音信
号のレベルより小さい範囲内で)L側楽音信号のレベル
が徐々に減少しR側楽音信号のレベルが徐々に増加す
る。パンニングデータが「15」のときL側楽音信号の
レベルが「0」でR側楽音信号のレベルが最大となる。
【0024】以上のようにして、パンポット91(また
は92)は入力楽音信号をL側とR側の2系統に振り分
けて出力する。
【0025】再び図2を参照して、第1のパンポット9
1および第2のパンポット92から出力されたL側楽音
信号は、加算器93Lに入力する。加算器93Lは、こ
れらのL側楽音信号を加算し、加算結果を全チャンネル
分のL側楽音信号として出力する。同様に、第1のパン
ポット91および第2のパンポット92から出力された
R側楽音信号は、加算器93Rに入力する。加算器93
Rは、これらのR側楽音信号を加算し、加算結果を全チ
ャンネル分のR側楽音信号として出力する。
【0026】加算器93Lから出力されたL側楽音信号
は効果付与回路10に入力する。同様に、加算器93R
から出力されたR側楽音信号も効果付与回路10に入力
する。効果付与回路10は、与えられた効果パラメータ
にしたがって、これらの左右の入力楽音信号に効果(エ
フェクト)を付与する。最終的な左右の楽音信号はそれ
ぞれサウンドシステム11へと送出される。
【0027】なお、上述の電子楽器は32個の発音チャ
ンネルを有するものであり、各チャンネルの処理は時分
割で行なわれるようになっている。すなわち、各チャン
ネルに対応するタイムスロットの区間で、そのチャンネ
ルの上述したような処理が行なわれるようになってい
る。
【0028】次に、図5のパネル外観図を参照して、こ
の実施例の電子楽器のパネル操作子とその機能につき説
明する。
【0029】図5(a)は、この実施例の電子楽器のパ
ネル操作子の一部分を示す外観図である。この図におい
て、パネル20上には各種のパネル操作子3が配置され
ている。パネル操作子3のうち、21は10個の音色選
択スイッチ、22はパンニング操作子、23はステージ
モードスイッチを示す。各音色選択スイッチ21の近く
にはLED24が設けられている。ステージモードスイ
ッチ23の近くにはLED25が設けられている。
【0030】各音色選択スイッチ21を押下することに
より、楽音の音色を選択することができる。例えば、音
色選択スイッチ21−1を押下すると、この電子楽器は
第1の音色T1としてピアノの音色を設定する。このと
き音色選択スイッチ21−1の近くのLED24が点灯
する。以後、演奏に応じてピアノの楽音が発音される。
同様に、音色選択スイッチ21−2を押下すると、この
電子楽器は第2の音色T2としてエレクトリックピアノ
の音色を設定する。このとき音色選択スイッチ21−2
の近くのLED24が点灯する。以後、演奏に応じてエ
レクトリックピアノの楽音が発音される。同様に、第3
の音色T3としてサックス、…、第10の音色T10と
してキーボードパーカッションが割り当てられている。
【0031】図5(b)はパンニング操作子22の拡大
図を示す。パンニング操作子22はスライドボリューム
26を有する。スライドボリューム26の上部には目盛
り27が付されている。スライドボリューム26を左右
に操作して目盛り27に合わせることにより、パンニン
グデータをマニュアルで設定でき、あるいはデフォルト
のパンニングデータを用いることなどが指定できる。
【0032】目盛り27のうち値「1」〜「15」の位
置にスライドボリューム26を合わせたときは、その値
にしたがってパンニングが行なわれる。目盛り27の上
に刻印してある「L」は左側、「C」は中央、「R」は
右側を示す。例えば、一番左側の「L」の下の値「1」
にスライドボリューム26を合わせたとき、楽音は一番
左側に定位して発音される。値「1」から「2」「3」
と値が増えていくにしたがって右側の発音レベルが徐々
に増加していく。値「8」すなわち「C」の位置にスラ
イドボリューム26を合わせたとき、楽音は中央に定位
して発音される。中央位置から値「0」を通過して、さ
らにスライドボリューム26を右に動かすと、楽音は右
側に定位して発音されるようになる。さらに、スライド
ボリューム26を右に動かして一番右の値「15」すな
わち「R」の位置に合わせると、楽音は一番右側に定位
して発音される。このようにして、マニュアルによりパ
ンニングを行なうことができる。なお、マニュアルでパ
ンニングを行なう場合は、キースケールパンニングは行
なわないようになっている。
【0033】スライドボリューム26を操作して目盛り
27の中央部の値「0」すなわち「D」の位置に合わせ
たときは、デフォルトのパンニングデータを用いたパン
ニングが行なわれる。デフォルトのときは、キースケー
ルパンニングを行なわずに所定の固定値のパンニングデ
ータでパンニングを行なうか、またはキースケールパン
ニングを行なうかが決定される。この決定は、選択され
ている音色に応じて自動的になされる。キースケールパ
ンニングを行なわずに、所定の固定値のパンニングデー
タでパンニングを行なう場合は、その音色の楽音が常に
一定の位置に定位したように発音される。キースケール
パンニングを行なわない音色としては例えば、第3の音
色T3のサックスが例示される。キースケールパンニン
グを行なう場合は、選択されている音色に応じたキース
ケールパンニングが行なわれる。音色に応じてキースケ
ールパンニングが行なわれるので、その音色の自然楽器
と同様に楽音が定位する。したがって、その音色の自然
楽器を演奏しているのと同様な感覚で演奏できる。キー
スケールパンニングを行なう音色としては例えば、第2
の音色T2のエレクトリックピアノが例示される。
【0034】なお、特殊なものとして、この電子楽器で
はいわゆるステレオサンプリングしたサンプリングデー
タを用いて楽音を形成するようになっている音色があ
る。例えば第1の音色T1であるピアノの楽音はステレ
オサンプリングしたデータから再生して発音される。ス
テレオサンプリングは、実際に自然楽器のピアノの音を
ステレオでサンプリングしてデータを得ている。したが
って、キースケールパンニングを行なわなくとも、サン
プリングデータをそのまま左右に割り当てて発音させれ
ば、音高に応じた発音位置も適正に再現できる。この電
子楽器では、ステレオサンプリングに係る音色が選択さ
れかつパンニング操作子22がデフォルトDに合わせら
れているときは、通常のパンニングもキースケールパン
ニングも行なわず、サンプリングデータをそのまま左右
に割り当てて発音するようになっている。
【0035】さらに、この電子楽器では第10の音色T
10(図5の音色選択スイッチ21−10を押下したと
き選択される音色)としてキーボードパーカッションが
選択できる。キーボードパーカッションでは、各鍵に別
々のパーカッションの音色が割当てられており、その鍵
を押下すると割当てられている音色のパーカッション音
が発音される。したがって、音色としてキーボードパー
カッションが選択されかつパンニング操作子22がデフ
ォルトDに合わせられているときは、各鍵ごとにあらか
じめ定められている所定のパンニングデータを用いてパ
ンニングが行なわれるようになっている。
【0036】図5(a)のステージモードスイッチ23
を押下することにより、この電子楽器は通常のモードで
あるノーマルモードからステージモードになる。ステー
ジモードの状態で再度ステージモードスイッチ23を押
下するとノーマルモードに戻る。LED25はノーマル
モードでは消灯、ステージモードでは点灯する。
【0037】ステージモードは楽音の定位する位置を中
央に寄せるモードである。以下、ステージモードにつき
説明する。
【0038】この実施例の電子楽器は内蔵スピーカで楽
音を発音する。そして、内蔵スピーカで楽音を発音した
ときに最適な効果が得られるように、音色、効果パラメ
ータおよびパンニングデータなどを設定してある。すな
わち、パンニングデータは、内蔵スピーカで発音される
楽音が適正に定位するように、内蔵の左右のスピーカの
間隔を前提として設定されている。一方、この電子楽器
は出力端子を有しており、その出力端子に外部のPAシ
ステムを接続できるようになっている。そして、内蔵の
左側スピーカの出力を外部PAシステムの左側スピーカ
に、内蔵の右側スピーカの出力を外部PAシステムの右
側スピーカに、それぞれ拡声して出力させるようにして
いる。
【0039】ところが、一般にPAシステムのスピーカ
間隔は内蔵スピーカの間隔より大きいため、内蔵スピー
カでの発音を前提として設定されているパンニングデー
タを用いてパンニングを行うとあたかもPAシステムの
スピーカ間隔の大きさの楽器を演奏しているように聞こ
えてしまい不都合である。そこで、この実施例の電子楽
器では、ステージモードというモードを設けた。ステー
ジモードのときはパンニングデータを補正して所定の割
合だけ中央部に寄って楽音が定位するようにする。これ
により、PAシステムの外部スピーカで発音させるとき
はステージモードとすれば、最適なパンニングが行われ
る。
【0040】次に、上述した実施例の電子楽器で用いて
いるレジスタおよびテーブルなど説明する。
【0041】(a)TCN:音色ナンバレジスタであ
る。現在選択されている音色を特定する音色ナンバがセ
ットされる。音色選択スイッチ21が押下されたとき、
押下されたスイッチに対応する音色ナンバがセットされ
る。具体的には、第1の音色T1(ピアノ)の音色ナン
バは「1」、第2の音色T2(エレクトリックピアノ)
の音色ナンバは「2」、…、第10の音色T10(キー
ボードパーカッション)の音色ナンバは「10」であ
る。 (b)SPD:パンニング操作子データレジスタであ
る。パンニング操作子(図5付番22)の現在の位置を
示す値がセットされる。パンニング操作子22からは、
それがセットされている値(すなわち図2のスライドボ
リューム26が合わせられている目盛り27の値)であ
る「0」〜「15」の整数値が出力され、この値が当レ
ジスタにセットされる。
【0042】(c)SMF:ステージモードフラグであ
る。「1」でステージモード、「0」でノーマルモード
であることを示す。図2のステージモードスイッチ23
を押下するごとに、「0」と「1」とが交互に切替わ
る。 (d)CH:発音チャンネルレジスタである。発音に割
り当てられたチャンネルのチャンネルナンバがセットさ
れる。 (e)PD:パンニングデータレジスタである。パンニ
ングを行なうときの左右の信号振り分けの割合を示すパ
ンニングデータをセットする。 (f)MPD:読出しパンニングデータレジスタであ
る。後述する音色パラメータテーブルPTBLに格納さ
れているパンニングデータを読出したときに、一時的に
その読出したパンニングデータがセットされる。 (g)KSPN:キースケールパンニングテーブルナン
バレジスタである。後述する音色パラメータテーブルP
TBLに格納されているキースケールパンニングテーブ
ルのナンバを読出したときに、一時的にその読出したナ
ンバがセットされる。
【0043】(h)KC:押鍵された鍵のキーコードを
格納するキーコードレジスタである。キーコードの値は
MIDI規格に沿っており、具体的には「21」〜「1
08」の整数値をとる。 (i)PTBL:音色パラメータテーブルである。図6
はこのテーブルの一部内容の概念図を示す。音色パラメ
ータテーブルには、選択可能な10種類の音色に応じた
音色パラメータが記憶されている。また、各音色ごとに
パンニングデータが記憶されている。この例では音色T
1と音色T2のパンニングデータが「0」になっている
が、この値が「0」となっている音色はキースケールパ
ンニングを行なう音色かまたはステレオサンプリングに
係る音色であることを示す。また、音色T3のパンニン
グデータが「8」になっているが、この値が「0」以外
となっている音色はキースケールパンニングを行なわ
ず、所定の固定値のパンニングデータでパンニングが行
なわれる。具体的には、ノーマルモードではここに格納
されている値がパンニングデータとなり、ステージモー
ドではここに格納されている値を後述する変換テーブル
SMPTBLで変換した値がパンニングデータとなる。
さらに、この例では音色T10のパンニングデータが記
載されていないが、音色10はキーボードパーカッショ
ンであり各鍵ごとのパンニングデータは後述するテーブ
ルDPTBLまたはSMDPTBLから読み出されるの
で、この音色パラメータテーブルのパンニングデータ欄
は参照されず不定でよい。
【0044】音色パラメータテーブルには、各音色ごと
にキースケールパンニングテーブルナンバが記憶されて
いる。各音色のパンニングデータが「0」のとき、この
キースケールパンニングテーブルナンバが参照される。
そして、キースケールパンニングテーブルナンバが
「0」以外なら、その値により特定されるキースケール
パンニングテーブルKSPTBL内のキースケールパン
ニングデータによりキースケールパンニングが行なわれ
ることとなる。このキースケールパンニングテーブルナ
ンバが「0」のときは、ステレオサンプリングに係る音
色であることを示す。なお、パンニングデータが「0」
以外の音色例えば音色T3ではキースケールパンニング
を行なわないので、キースケールパンニングテーブルナ
ンバが参照されることはなく不定でよい。
【0045】(j)KSPTBL:キースケールパンニ
ングテーブルである。図7はこのテーブルの内容の概念
図を示す。音色に応じて定められるキースケールパンニ
ングナンバとキーコード(音高情報)とに応じたパンニ
ングデータの一覧が記憶されている。例えば、音色T2
が選択されているとき(図6からキースケールパンニン
グテーブルナンバは「10」)、キーコードKCが「3
6」の鍵を押下すると、パンニングデータは「5」とな
る。
【0046】(k)SMPTBL:ステージモード用パ
ンニングデータ変換テーブルである。図8はこのテーブ
ルの内容の概念図を示す。ノーマルモードのときは、上
述したテーブルなどから読出したパンニングデータをそ
のまま図1,2のパンニング回路9に入力してよい。し
かし、ステージモードのときは、中央に寄ったパンニン
グとするため、ノーマルモード時のパンニングデータを
変換してパンニング回路9に入力するようにしている。
ステージモード用パンニングデータ変換テーブルは、そ
のための変換テーブルである。図8から分かるように、
ノーマルモードでのパンニングデータの値が中央よりの
値に変換されるようになっている。
【0047】(l)DPTBL:ノーマルモードにおけ
るドラムス(ドラムセット)用パンニングテーブルであ
る。図9(a)にその内容を示す。音色T10のキーボ
ードパーカッションが選択されかつノーマルモードのと
きに、このテーブルが参照される。そして、キーコード
(キーコードごとに別々のパーカッション音が割当てら
れている)ごとに、このテーブルのパンニングデータで
パンニングが行なわれる。
【0048】(m)SMDPTBL:ステージモードに
おけるドラムス用パンニングテーブルである。図9
(b)にその内容を示す。音色T10のキーボードパー
カッションが選択されかつステージモードのときに、こ
のテーブルが参照される。そして、キーコードごとに、
このテーブルのパンニングデータでパンニングが行なわ
れる。ステージモード用であるので、上記のテーブルD
PTBLを用いたときに比べ各パーカッション音の定位
する位置が中央に寄るようにパンニングデータが設定さ
れている。
【0049】なお、レジスタTCN,SPD,CH,P
D,MPD,SMF,KSPNおよびKCはRAM7に
設定されている。テーブルPTBL,KSPTBL,S
MPTBL,DPTBLおよびSMDPTBLはROM
6に設定されている。ただし、これらのテーブルをRA
M7に設定してもよい。また、テーブルに記憶するデー
タをユーザが編集できるようにしてもよい。上記のレジ
スタ名称などは、そのレジスタなどを表すとともに、そ
の内容をも表すものとする。例えば、TCNというとき
は、レジスタそのものを表すとともに、このレジスタに
記憶された音色ナンバの値をも表すものとする。
【0050】次に、図10ないし図13のフローチャー
トを参照して、この実施例の電子楽器の動作を説明す
る。
【0051】図10のメインルーチンを参照して、この
電子楽器の動作がスタートすると、まずステップS1で
各レジスタなどのイニシャライズを行う。音色ナンバT
CNの初期値としては、あらかじめ定められているデフ
ォルトの音色に対応したナンバがセットされるものとす
る。モードの初期値はノーマルモードとし、ステージモ
ードフラグには「0」がセットされる。また、その時点
のパンニング操作子22の位置をパンニング操作子デー
タレジスタSPDにセットしておく。
【0052】次に、ステップS2でパネル処理を行な
い、ステップS3で鍵盤処理を行ない、ステップS4で
その他の処理を行ない、ステップS2に戻る。そしてス
テップS2からの処理を繰返す。パネル処理では、図5
に示したようなパネル20上のパネル操作子3が操作さ
れたかどうかを走査(スキャンニング)し、操作されて
いた場合に所定の処理を行なう。鍵盤処理では、鍵盤1
に鍵操作があるかどうかスキャンニングし、操作がされ
ていた場合に所定の処理を行なう。
【0053】図11のフローチャートを参照して、パネ
ル処理ルーチン(図10のステップS2)では、まずス
テップS11でパネル上のパネル操作子3のスキャンニ
ングを行なう。ステップS12でスキャンニングの結
果、音色選択スイッチ(図2の10個のスイッチ21の
いずれか)のオンイベントがあるかどうか判別する。オ
ンイベントがある場合は、ステップS13でオンされた
音色選択スイッチに対応する音色ナンバを音色ナンバレ
ジスタTCNにセットし、その音色ナンバに対応する音
色パラメータをROM6から読みだして楽音形成回路8
に送出する。これにより、以後発音される楽音は選択さ
れた音色で発音されることとなる。ステップS13の
後、ステップS14に進む。ステップS12で音色選択
スイッチのオンイベントがない場合は、そのままステッ
プS14に進む。
【0054】ステップS14でパンニング操作子(図2
の付番22)の操作イベントがあったかどうか判別す
る。パンニング操作子の操作があった場合は、ステップ
S15で操作位置に応じた値をパンニング操作子データ
レジスタSPDに格納し、ステップS16に進む。ステ
ップS14でパンニング操作子の操作がない場合は、そ
のままステップS16に進む。
【0055】ステップS16でステージモードスイッチ
(図5付番23)のオンイベントがあるかどうか判別す
る。オンイベントがある場合はステップS17に進み、
ない場合はリターンする。ステップS17でステージモ
ードフラグSMFが「0」かどうかすなわち現在のモー
ドがノーマルモードであるかどうか判別する。現在のモ
ードがノーマルモードのときは、ステージモードに切替
えるため、ステップS18でステージモードフラグSM
Fを「1」とし、ステップS19でステージモード用の
効果(エフェクト)パラメータを効果付与回路10に送
出し、リターンする。
【0056】ステップS17で現在のモードがステージ
モードのときは、ノーマルモードに切替えるため、ステ
ップS20でステージモードフラグSMFを「0」と
し、ステップS21でノーマルモード用の効果(エフェ
クト)パラメータを効果付与回路10に送出し、リター
ンする。
【0057】なお、ステージモード用の効果パラメータ
およびノーマルモード用の効果パラメータは、音色ごと
にROM6に記憶されているものとする。また、効果選
択スイッチを設けて、これにより選択された効果に応じ
て効果パラメータをROM6から読みだし効果付与回路
10に送出するようにしてもよい。
【0058】次に、図12および図13のフローチャー
トを参照して、鍵盤処理につき説明する。鍵盤処理で
は、まずステップS31で鍵盤1をスキャンニングす
る。次に、ステップS32で押鍵イベントがあるか否か
判別する。押鍵イベントがあればステップS33に進
み、なければステップS44に分岐する。押鍵イベント
があるときは、ステップS33で発音チャンネル割当て
処理を行ない、この押鍵に対して割当てたチャンネルの
チャンネルナンバを発音チャンネルレジスタCHにセッ
トする。
【0059】次に、ステップS34でパンニング操作子
データSPDを参照し、その値が「0」であるかどうか
判別する。パンニング操作子データSPDが「0」のと
きはデフォルトでのパンニングが指示されているという
ことだから、ステップS35に進む。パンニング操作子
データSPDが「0」でないときは、固定値でのパンニ
ングが指示されているということだから、ステップS5
1に分岐する。
【0060】デフォルトでのパンニングが指示されてい
るときは、まずステップS35で音色ナンバTCNが
「10」かどうかすなわち現在選択されている音色がキ
ーボードパーカッションであるかどうか判別する。音色
ナンバTCNが「10」のときは、キーボードパーカッ
ションの処理を行なうべくステップS53に分岐する。
音色ナンバTCNが「10」でないときは、ステップS
36で図6の音色パラメータテーブルPTBLを参照
し、現在の音色に対するパンニングデータを読出し、レ
ジスタMPDに格納する。
【0061】次に、ステップS37で読出したパンニン
グデータMPDが「0」かどうか判別する。パンニング
データMPDが「0」でないときは、固定値のパンニン
グデータでパンニングを行なうべく、ステップS52に
分岐する。パンニングデータMPDが「0」のときは、
ステップS38で音色パラメータテーブルPTBLを参
照し、現在の音色に対するキースケールパンニングテー
ブルナンバを読出し、キースケールパンニングテーブル
ナンバレジスタKSPNに格納する。
【0062】次に、ステップS39でキースケールパン
ニングテーブルナンバKSPNが「0」かどうか判別す
る。キースケールパンニングテーブルナンバKSPNが
「0」のときは、現音色がステレオサンプリングに係る
音色であるということであるから、ステレオサンプリン
グの楽音再生を行なう場合のパンニング処理を行なうべ
くステップS47に分岐する。ステップS39でキース
ケールパンニングテーブルナンバKSPNが「0」でな
いときは、キースケールパンニングを行なうべく、ステ
ップS40に進む。
【0063】ステップS40で図7のキースケールパン
ニングテーブルKSPTBLを参照して、キーコードK
CおよびキースケールパンニングテーブルナンバKSP
Nに基づいてパンニングデータを読出し、パンニングデ
ータレジスタPDに格納する。
【0064】次に、ステップS41でステージモードフ
ラグSMFが「1」かどうかすなわち現在のモードがス
テージモードかどうかを判別する。ステージモードでな
くノーマルモードであるときは、ステップS42でパン
ニングデータPDの値を発音チャンネルに対応するタイ
ミングで図1,2のパンニング回路9に送出する。これ
により、パンニング回路9は図2〜4を参照して説明し
たように、与えられたパンニングデータに基づいて楽音
信号を左右に振り分ける。ステップS41で現在のモー
ドがステージモードのときは、ステップS43でパンニ
ングデータPDの値を図8のステージモード用パンニン
グデータ変換テーブルSMPTBLを参照してステージ
モード用に変換し、変換後の値を発音チャンネルに対応
するタイミングで図1,2のパンニング回路9に送出す
る。これにより、パンニング回路9は、与えられたパン
ニングデータ(ステージモード用に中央に寄るようにし
たデータ)に基づいて楽音信号を左右に振り分ける。
【0065】ステップS42またはS43の後、ステッ
プS44で発音処理を行なう。そして、ステップS45
で離鍵イベントがあるかどうか判別し、あればステップ
S46で離鍵処理を行ない、リターンする。ステップS
45で離鍵イベントがなければ、そのままリターンす
る。
【0066】一方、ステップS39でキースケールパン
ニングテーブルナンバKSPNが「0」のときは、現音
色がステレオサンプリングに係る音色であるということ
であるから、まずステップS47でワークレジスタPD
Lに「1」を、ワークレジスタPDRに「15」を、そ
れぞれセットする。次に、ステップS48でステージモ
ードフラグSMFが「1」かどうかすなわち現在のモー
ドがステージモードかどうかを判別する。ステージモー
ドでなくノーマルモードであるときは、ステップS49
でワークレジスタPDL,PDRの値(すなわち「1」
と「15」)を各発音チャンネルに対応するタイミング
で図1,2のパンニング回路9に送出する。
【0067】ここで、ステレオサンプリングに係る音色
では、サンプリングデータを再生する発音チャンネルが
2チャンネル必要となる。この電子楽器では、左側のサ
ンプリングデータを再生する発音チャンネルを第0〜1
5チャンネルの1つのチャンネルに、右側のサンプリン
グデータを再生する発音チャンネルを第16〜31チャ
ンネルの1つのチャンネルに、それぞれ割当てるように
している。ステレオサンプリングしたサンプリングデー
タを再生するのであるから、キースケールパンニングを
行なう必要はない。そこで、左側のサンプリングデータ
による楽音信号の送出時(第0〜15チャンネルのうち
割当てられた1つのチャンネルの処理タイミング)では
レジスタPDLの値「1」を図2のパンポット91に与
えて左側の楽音信号として100%のレベルで出力さ
せ、同様に右側のサンプリングデータによる楽音信号の
送出時(第16〜31チャンネルのうち割当てられた1
つのチャンネルの処理タイミング)ではレジスタPDR
の値「15」を図2のパンポット92に与えて右側の楽
音信号として100%のレベルで出力させるようにして
いる。
【0068】ステップS48で現在のモードがステージ
モードのときは、ステップS50でワークレジスタPD
L,PDRの値を図8のステージモード用パンニングデ
ータ変換テーブルSMPTBLを参照してステージモー
ド用に変換し、変換後の値を各発音チャンネルに対応す
るタイミングで図1,2のパンニング回路9に送出す
る。これにより、ステレオサンプリングしたデータを再
生する場合でも、ステージモード用に楽音の定位する位
置が中央に寄るように処理される。
【0069】ステップS49またはS50の後、ステッ
プS44に進み、上述した手順で処理される。
【0070】ステップS34でパンニング操作子データ
SPDが「0」でないときは、マニュアルで設定された
値でのパンニングが指示されているということだから、
ステップS51でパンニングデータレジスタPDにパン
ニング操作子データSPDの値をセットし、ステップS
41に分岐する。これにより、パンニング操作子22の
マニュアル設定値に基づいて(さらにステージモードも
考慮されて)パンニングが行なわれる。
【0071】ステップS37で読出しパンニングデータ
MPDが「0」でないときは、音色に応じた固定値のパ
ンニングデータでパンニングを行なうということだか
ら、ステップS52でパンニングデータレジスタPDに
読出しパンニングデータMPDの値をセットし、ステッ
プS41に分岐する。これにより、音色に応じたパンニ
ングデータの設定値に基づいて(さらにステージモード
も考慮されて)パンニングが行なわれる。
【0072】ステップS35で音色ナンバTCNが「1
0」のときは、キーボードパーカッションが選択されて
いるということだから、ステップS53でステージモー
ドフラグSMFが「1」かどうかすなわち現在のモード
がステージモードかどうかを判別する。ステージモード
でなくノーマルモードであるときは、ステップS54で
ノーマルモードにおけるドラムス用パンニングテーブル
DPTBLを参照してキーコードKCに基づくパンニン
グデータPDを得る。一方、ステップS53で現在のモ
ードがステージモードであるときは、ステップS55で
ステージモードにおけるドラムス用パンニングテーブル
SMDPTBLを参照してキーコードKCに基づくパン
ニングデータPDを得る。
【0073】ステップS54またはS55の後、ステッ
プS56でパンニングデータPDを発音チャンネルに対
応するタイミングで図1,2のパンニング回路9に送出
する。これにより、パンニング回路9は図2〜4を参照
して説明したように、与えられたパンニングデータに基
づいて楽音信号を左右に振り分ける。ステップS56の
後、ステップS44に進み、上述した手順で処理され
る。
【0074】以上説明したように、この実施例の電子楽
器では音色に応じてキースケールパンニングを行なうか
否かを決定している。また、キースケールパンニングを
行なう場合も、音色に応じたキースケールパンニングデ
ータをテーブルから読出してキースケールパンニングを
行なっているので、音色に合った最適なキースケールパ
ンニングが実現される。
【0075】また、ステージモードを設けて楽音の定位
する位置を中央に寄せるようにしているので、PAシス
テムを用いて外部スピーカに接続する場合でも、楽音の
定位する位置が不自然になることがなく、最適なパンニ
ングを実現できる。ステレオサンプリングでサンプリン
グしたデータを再生するような場合も、同様の効果があ
る。
【0076】さらに、楽音に付与する効果(エフェク
ト)に関しても、ステージモードとノーマルモードとで
別の効果パラメータを用いるようにしているので、PA
システムで増幅した楽音のエフェクトが不自然になるこ
とがなく、最適なエフェクトを付与するようにできる。
特に、ノーマルモードでは演奏者の位置で聞いたときに
エフェクトが最適になるように効果パラメータを設定
し、ステージモードでは聴衆の位置で聞いたときにエフ
ェクトが最適になるように効果パラメータを設定してお
くとよい。
【0077】このようなステージモードとノーマルモー
ドとで効果パラメ−タを変更する例として、例えばリバ
ーブの直接音と初期反射音の到達時間であるプリ・ディ
レイ・タイムを変更するようにしてもよい。すなわち、
ステージモードのときにプリ・ディレイ・タイムを若干
延ばすようにすれば、壁からの距離が遠くなったように
処理され最適なリバーブのエフェクトが得られる。ま
た、楽器の近くでは残響音より直接音がよく聞こえる
が、楽器から離れるに連れて残響音の音量が増える。そ
こで、ステージモードでは、残響音の音量をノーマルモ
ードのそれよりも直接音の音量に比べて相対的に増やす
ようにするとよい。
【0078】なお、このような効果パラメータの変更は
パラメータ値を変更してもよいが、あらかじめ変更して
あるプログラムを複数用意し、そのプログラムナンバで
プログラムを指定するようにしてもよい。変更されたプ
ログラムによりステージモードで最適なエフェクトが付
与されるように効果付与処理が行なわれる。エフェクト
バランスについては、変更が容易であり、別にパラメー
タとして用意するとよい。上記の例としてはリバーブを
上げて説明したが、他のエフェクト(コーラス、あるい
はフランジャーなど)に適用することもできる。
【0079】なお、パンニング回路およびパンポットと
しては上記の実施例の図2,3に示したものに限らず、
種々の回路を用いることができる。図4の係数変換の特
性もこの実施例に限ることはない。
【0080】また、上記実施例で示したステージモード
におけるパンニングデータの変更は50人から100人
程度の聴衆を想定して、外部スピーカの位置も電子楽器
のすぐ横に置くことを前提としている。したがって、左
右の2つのスピーカの位置をさらに離したときには、そ
のスピーカの距離に応じた最適なパンニングデータの変
更を行なう必要がある。そこで、ステージモードを小会
場、中会場、大会場といった具合に複数の中から選択で
きるようにし、各会場に応じたパンニングデータ変換テ
ーブルを用いて最適のパンニングを行なうようにすると
よい。さらに、ユーザがパンニング変換テーブルの内容
を編集できるようにしてもよい。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、選択された動作モードに応じてパンニングデータを
変更してパンニングを行なうようにしているので、再生
システムにかかわらず楽音が最適に定位するようにでき
る。ステレオサンプリングデータの再生においても同様
の効果がある。また、演奏する会場によって楽音の定位
する位置が広すぎたり狭すぎたりすることがなく、自然
楽器と同様の感覚で演奏および聴取をすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例に係る電子楽器のブロ
ック構成図
【図2】 図1の電子楽器のパンニング回路およびそ
の周辺の詳細図
【図3】 図2のパンポットの詳細図
【図4】 図3の係数変換部の特性を示すグラフ
【図5】 図1の電子楽器のパネル部分の一部外観図
【図6】 音色パラメータテーブルの内容を示す概念
【図7】 キースケールパンニングテーブルの内容を
示す概念図
【図8】 ステージモード用パンニングデータ変換テ
ーブルの内容を示す概念図
【図9】 ドラムス用パンニングテーブルの内容を示
す概念図
【図10】 この電子楽器のメインルーチンのフローチ
ャート
【図11】 この電子楽器のパネル処理ルーチンのフロ
ーチャート
【図12】 この電子楽器の鍵盤処理ルーチンのフロー
チャートその1
【図13】 この電子楽器の鍵盤処理ルーチンのフロー
チャートその2
【符号の説明】
1…鍵盤、2…鍵盤インターフェース、3…パネル操作
子、4…操作子インターフェース、5…中央処理装置
(CPU)、6…リードオンリメモリ(ROM)、7…
ランダムアクセスメモリ(RAM)、8…楽音形成回
路、9…パンニング回路、10…効果付与回路、11…
サウンドシステム、12L,12R…内蔵スピーカ、1
3…PAシステム、14L,14R…外部スピーカ、1
5…バスライン、20…パネル、21…音色選択スイッ
チ、22…パンニング操作子、23…ステージモードス
イッチ、81,82…楽音形成部、91,92…パンポ
ット、93L,93R…加算器、94L,94R…積算
器、95L,95R…係数変換部。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音信号を形成し出力する楽音形成手段
    と、この楽音形成手段からの楽音信号を複数の系列に振
    り分けるパンニング手段とを有する電子楽器において、 動作モードを選択するモード選択手段と、 上記モード選択手段により選択されたモードに応じて、
    上記パンニング手段が各系列にどの程度のレベルで楽音
    信号を振り分けるかを示すパンニングデータを変更し、
    変更後のパンニングデータを上記パンニング手段に出力
    するパンニングデータ生成出力手段とを具備することを
    特徴とする電子楽器。
JP03282181A 1991-10-02 1991-10-02 楽音信号形成装置 Expired - Fee Related JP3136701B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03282181A JP3136701B2 (ja) 1991-10-02 1991-10-02 楽音信号形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP03282181A JP3136701B2 (ja) 1991-10-02 1991-10-02 楽音信号形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0594176A true JPH0594176A (ja) 1993-04-16
JP3136701B2 JP3136701B2 (ja) 2001-02-19

Family

ID=17649140

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP03282181A Expired - Fee Related JP3136701B2 (ja) 1991-10-02 1991-10-02 楽音信号形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3136701B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009198947A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Yamaha Corp 楽音信号出力装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009198947A (ja) * 2008-02-25 2009-09-03 Yamaha Corp 楽音信号出力装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3136701B2 (ja) 2001-02-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6506969B1 (en) Automatic music generating method and device
JPH0816181A (ja) 効果付加装置
JPH0744183A (ja) カラオケ演奏装置
JP3259846B2 (ja) 楽音信号形成装置
JPH096350A (ja) 効果付与装置およびこの効果付与装置を用いた電子楽器
JP7230870B2 (ja) 電子楽器、電子鍵盤楽器、楽音発生方法およびプログラム
JPH09258728A (ja) 自動演奏装置およびカラオケ装置
JP3568326B2 (ja) 電子楽器
JPH0720866A (ja) 電子楽器
JP2605885B2 (ja) 楽音発生装置
JP3136701B2 (ja) 楽音信号形成装置
JPH09330079A (ja) 楽音信号発生装置及び楽音信号発生方法
JPH08263058A (ja) 電子楽器
JP3637196B2 (ja) 音楽再生装置
JP2983122B2 (ja) 電子楽器
JP3312939B2 (ja) 電子楽器
JPH0950284A (ja) 通信カラオケ装置
JP2842232B2 (ja) 電子楽器
JP3092588B2 (ja) 楽音発生装置
JPH06242781A (ja) 電子楽器
JP3455976B2 (ja) 楽音発生装置
JP3753087B2 (ja) 電子楽器、差音出力装置、プログラムおよび記録媒体
JPH10171475A (ja) カラオケ装置
JPH09244654A (ja) 電子楽器
JP2730549B2 (ja) 電子楽器

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313532

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081208

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees