JPH0593715U - フライス工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 チップ破損時に工具本体１に損傷影響が及ば
ないようにすること。 【構成】 工具本体１の外周部分には、ロケータ用溝２
および楔用溝３が対となって複数組形成され、このロケ
ータ用溝２内には、スローアウェイチップ４を受入れる
ロケータ６および硬質支持板１０がそれぞれ組込まれる
ようになっている。この硬質支持板１０は、シム状また
は分割リング状をなすもので、工具本体１およびロケー
タ６よりも硬度が大きいため、チップ破損時には、工具
本体１の損傷影響が及ばない。前記スローアウェイチッ
プ４は、楔用溝３内の楔９によって固定されるが、前記
ロケータ６は、超高圧焼結体チップ１４を備えたブレー
ド１５に変更できる。このブレード１５は、ブレード用
溝１６内にあって、楔９によって固定される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、フライス工具に関し、特に、チップの破損によるダメージが工具本 体にまで至らないように改善したものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種のフライス工具は、例えば、実公昭６０−２６８８７号公報にみ られるように、工具本体の取付け溝内には、チップを受入れるロケータを配置し 、このチップを楔によって固定するものが知られている。そして、このロケータ は、組込み精度の維持のほか、チップ破損によるダメージを工具本体に及ぼすこ となく交換するものであった。

【０００３】 また、ロケータの損傷に対処するため、ロケータが超硬合金などから構成する ものも例えば、実公平１−３１３７２号公報に開示されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述した実公平１−３１３７２号公報にみられるようにロケー タを硬質部材で構成すると、チップの破損時の衝撃により、ロケータを支える工 具本体が陥没したりする場合も多く、この場合には、ロケータの交換のみでは、 刃先のフレ精度を高精度に維持することが難しかった。

【０００５】 また、ロケータを受入れるロケータ用溝が袋溝になっている場合では、ロケー タの面取り、工具本体のぬすみ形成などから機械加工上の制約があった。この結 果、ロケータおよび工具本体の接触面積が少なくなり、衝撃時の圧縮応力が大き くなったり、刃先のフレ精度が出しにくかったりする問題点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上述の点に鑑みなされたもので、工具本体に設けられたロケータ用 溝またはブレード用溝内には、工具本体およびロケータまたはブレードよりも硬 度の大きいシム状または分割リング状の硬質支持板を介在させるように構成した ものである。

【０００７】

【作用】

本考案のフライス工具は、ロケータ用溝またはブレード用溝内には、硬質支持 板が介在するものである。したがって、ロケータまたはブレードに対する衝撃が 、この硬質支持板によって受止められる。また、ロケータまたはブレードが破損 しても、硬質支持板の存在から、工具本体の損傷までには至らないものである。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案フライス工具の一実施例について、図を参照しながら説明する。

【０００９】 図１および図２において、１は、正面フライスなどの工具本体であり、この工 具本体１の外周部分には、ロケータ用溝２および楔用溝３が対になって複数組形 成されている。そして、このロケータ用溝２内には、スローアウェイチップ４を チップ座５内に受入れたロケータ６が配置されている。この場合、ロケータ６は 、締付けねじ７によって工具本体１に取付けられ、前記スローアウェイチップ４ は、前記楔用溝３内に配置される締付けねじ８を備えた楔９によって固定される 。

【００１０】 しかして、前記ロケータ用溝２内では、工具本体１およびロケータ６よりも硬 度の大きいシム状の硬質支持板１０が止めねじ１１によって軸方向の溝壁に取付 けられるようになっている。このように、硬質支持板１０を介在させたのは、ス ローアウェイチップ４が破損したときに、ロケータ６の破損までで、工具本体１ には、影響が及ばないことを配慮したものである。

【００１１】 図３は、硬質支持板１０の変形例を示したものである。すなわち、硬質支持板 １０は、図４で示されるように、分割リング状のものが適用され、環状端面の取 付け穴１２，取付けリング１３および止めねじ（図示せず）により工具本体１に 取付けられる。

【００１２】 また、ロケータ６については、ダイヤモンドなどからなる超高圧焼結体チップ １４を備えたブレード１５に変更することも可能である。すなわち、この超高圧 焼結体チップ１４は、通常超硬合金の台金上に超高圧高温下で焼結され、その台 金部分がブレード１５の本体部分にろう付けされる。

【００１３】 図５および図６は、本考案を側フライス応用したもので、前記硬質支持板１０ は、シム状のものが適用されている。この場合、硬質支持板１０は、ブレード用 溝１６内では、切削時の衝撃破損の関係から、径方向の溝壁に取付けられている 。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように、工具本体１のロケータ用溝２またはブレード 用溝１６内には、硬質支持板１０が配置され、ロケータ６またはブレード１５が 突き当てられるように構成されているものである。したがって、チップ４，１４ の破損時などの衝撃を受けた際には、前記硬質支持板１０がこれを受止め、工具 本体１には影響を及ぼさないものである。

【００１５】 また、硬質支持板１０の介在によって、工具本体１の機械加工時の制約による 問題が解決されるとともに、ロケータ６またはブレード１５に対する接触面積が 増加するため、これら自身の変形に対する強度向上も図れるものである。

【００１６】 さらに、硬質支持板１０の介在によって、部品精度および刃先のフレ精度の向 上が図れ、工具寿命の延長，部品交換の容易さなどがより簡便となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案フライス工具の一実施例を示す要部の正
面図である。

【図２】一部縦断面図である。

【図３】本考案の別の実施例を示す要部の正面図であ
る。

【図４】分割リング状の硬質支持板を示す斜視図であ
る。

【図５】本考案の他の実施例を示す要部の正面図であ
る。

【図６】一部縦断面図である。

【符号の説明】

１ 工具本体 ２ ロケータ用溝 ３ 楔用溝 ４ スローアウェイチップ ６ ロケータ ９ 楔 １０ 硬質支持板 １４ 超高圧焼結体チップ １５ ブレード １６ ブレード用溝

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 工具本体１の外周部分には、ロケータ用
   溝２またはブレード用溝１６に対して楔用溝３が対とな
   って形成され、このロケータ用溝２またはブレード用溝
   １６内には、チップ座５内にスローアウェイチップ４を
   受入れたロケータ６または超高圧焼結体チップ１４を備
   えたブレード１５が配置され、楔用溝３内の締付けねじ
   ８を備えた楔９によって前記スローアウェイチップ４ま
   たはブレード１５が固定されるようにしたフライス工具
   において、 前記ロケータ用溝２またはブレード用溝１６内には、工
   具本体１およびロケータ６またはブレード１５よりも硬
   度の大きいシム状または分割状の硬質支持板１０が介在
   したことを特徴とするフライス工具。