JPH0593465U

JPH0593465U - ガット保護部材

Info

Publication number: JPH0593465U
Application number: JP044153U
Authority: JP
Inventors: 良司樋口
Original assignee: Mizuno Corp
Current assignee: Mizuno Corp
Priority date: 1992-06-01
Filing date: 1992-06-01
Publication date: 1993-12-21

Abstract

(57)【要約】【目的】筒部と帯部の成す角度を自由に変化させる。【構成】ガット保護材の帯部を硬質材料から成る上層
と比較的軟らかい材料より成る下層の二層構造とし、前
記比較的軟らかい材料の下層に続けて筒部を同質材料で
形成する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ラケットフレームの打球部にガットを張設する際の、ガット保護部材の構造に関するものである。特にガット挿通孔が、ガット網面と適宜の角度を有するように穿設されたラケットフレームに装着するのに好適なガット保護部材に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

ラケットフレームの打球部１にガットを張設するにあたっては、図５〜図６に示すように、打球部のフレームの内外周両側７、６に多数のガット挿通孔５を貫通させて形成し、このガット挿通孔５に主としてポリアミド系樹脂などの合成樹脂製の筒部４を帯部３で連結して一体形成したガット保護部材２を挿入してガット８を張設していた。そして、前記筒部４は、前記帯部３にほぼ垂直に立設されていた。又、上記従来のラケットフレームにおいては、ガット挿通孔は、一般にガットを張設することによって形成されるガット網面１０と同一平面上または平行に穿設されている。一方、最近では、従来の打球面の面積より大きいいわゆるラージラケット、セミラージラケットが主流となってきた。

【０００３】そこで、特願昭６０−２９９４５８号に開示され図１に示すように、ラージラケットやセミラージラケットのガット張設時のガットの張力を、従来のサイズのラケットの張力に較べてあまり大きくすることなく、所望の反発係数が得られるようなガット網面を形成して、ガット張設によってフレームにかかる負荷を少なくし、繰り返しの打球によって生じるガットの緩みを最小限に止めるための方法として、フレームの内周面に現れるガット挿通孔の開孔部が、ガット網面と同一平面上にない構成を有するラケットフレームが発明された。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

上記ガット挿通孔の内周面側開孔部が、ガット網面と同一平面上にない、即ち、ガット挿通孔がガット網面と適宜の角度を有するように穿設されたラケットフレームにガット保護部材を挿着する場合には、図６に示すような従来からある筒部が帯部上にほぼ垂直となるように立設されたガット保護部材を、筒部の部分をガット挿通孔の角度に合わせるように曲げて前記ガット挿通孔に挿着していた。

【０００５】これら従来のガット保護部材は、材質としては、主に曲げ弾性率４０００〜１２０００ｋｇ／ｃｍ² のものが使用されており、この様な材質からなるガット保護部材を、前記のように筒部を曲げて挿通孔に挿着すれば、材質が固いため帯部がゆがんだり、フレームから浮いたりしてしまうことがあり、ガット保護部材としてガット及びフレームを保護するには、不適当であった。そこで、本考案は、上記の欠点に鑑み、ガット挿通孔がガット網面と適宜の角度を有するように穿設されたラケットフレームにガット保護部材を嵌合する場合、すなわち、ガット保護部材の筒部を帯部に対して垂直でない状態にして使用する場合に、帯部がフレームから浮いたりゆがんだりしないガット保護部材を提供しようとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記の目的を達成するために本考案は、ガットが挿通される複数の筒部と、該筒部をつなぐ帯部から成るガット保護部材であって、帯部を曲げ弾性率４０００〜１２０００kg/cm²の硬質材料からなる上層と、曲げ弾性率２０００〜４０００ kg/cm²の比較的軟らかい材料から成る下層の２層構造とし、かつ、筒部を下層から連続一体的に比較的軟らかい材料で形成した構成とした。本考案のガット保護部材は、ガット網面に対して適宜の角度を有するように穿設されたガット挿通孔を有するラケットフレームに特に好適である。

【０００７】

【作用】

すなわち、本考案は、ガット挿通孔に挿着されるガット保護部材の帯部を硬質材料から成る上層と比較的軟らかい材料より成る下層の二層構造とし、かつ下層に続けて下層の構成材料である比較的軟らかい材料で筒部を形成した構成としたことから、筒部と帯部の成す角度を自由に変えることが出来る。従って、ラケットフレームのガット挿通孔が、ガット網面に対して、どのような角度で穿設されていても、本考案のガット保護部材を曲げ嵌めることが出来る。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案を図１〜図４に示す実施例に基づき説明する。なお、この考案にかかる実施例において、従来構造のものとその構成が重複する部分は同一符号を用いる。すなわち、図１は、ラケットフレーム打球部１に設けられたガット挿通孔５に本考案のガット保護部材２を装着し、このガット保護部材２を介してガット８を張設してある。ガット保護部材２は、図２及び図３に示すように、フレームの外周面６に接触する部分、すなわち帯部３とガット挿通孔５内に挿入される筒部４とから形成されている。そして、帯部３を硬質材料より成る上層３ａと比較的軟らかい材料より成る下層３ｂとで形成し、前記比較的軟らかい材料層３ｂに連続して筒部４を形成してある。

【０００９】硬質材料より成る上層３ａとしては、曲げ弾性率４０００〜１２０００kg/cm² である合成樹脂材料が使用可能であり、例えば、１２ナイロン、１１ナイロン、６ナイロン、６，６ナイロン等のポリアミド系樹脂が挙げられる。比較的軟らかい材料より成る下層３ｂとしては、曲げ弾性率２０００〜４０００kg/cm²である熱可塑性エラストマーが挙げられ、特にポリアミドエラストマーが好適である。本考案の構成を有するガット保護部材２の形状は、図３のごとく、帯部３の部分がガット溝１１に嵌合する形状であるほか、図４に示すように、硬質材料層で帯部３の幅方向両側に耳部３ｃを形成し、ヘッドプロテクターとしての機能を合わせ持った形状としても良い。

【００１０】

【考案の効果】

以上のように、本考案のガット保護部材２は、ガット８を張設することによりガットに直接押圧される部分である帯部３の上層３ａは硬質材料層とし、ガット挿通孔５に挿着される部分である筒部４は、変形が可能な比較的軟らかい材料層としたことにより、ガット挿通孔５がガツト網面１０に対してどのような角度に穿設されていても筒部４がそれに追随できるため、ラケットフレームへの挿着作業もしやすく、また、帯部３の部分がゆがんだり、浮いたりするといった欠点がなくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のガット保護部材の１実施例をラケット
フレームに挿着した状態図。

【図２】図１のラケットフレームの要部切断説明図。

【図３】本考案の１実施例の断面図。

【図４】本考案のガット保護部材のその他の実施例の断
面図。

【図５】従来のガット保護部材を挿着したラケットフレ
ームの要部切断説明図。

【図６】従来のガット保護部材の要部断面図。

【符号の説明】

１フレーム打球部２ガット保護部材３帯部３ａ上層３ｂ下層４筒部５ガット挿通孔６外周側７内周面側８ガット９開孔部１０ガット網面１１ガット溝

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ガット挿通孔が、ガット網面と適宜の角
度を有するように穿設されたラケットフレームに装着す
るガット保護部材であって、該ガット保護部材はガット
が挿通される複数の筒部と、該筒部をつなぐ帯部とで構
成され、かつ、帯部を曲げ弾性率４０００〜１２０００
kg/cm²の硬質材料からなる上層と、曲げ弾性率２０００
〜４０００kg/cm²の比較的軟らかい材料から成る下層の
２層構造とし、かつ、筒部を下層から連続一体的に比較
的軟らかい材料で形成したことを特徴とするガット保護
部材。