JPH059314A - 長尺物の処理方法およびその処理装置 - Google Patents

長尺物の処理方法およびその処理装置

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JPH059314A
JPH059314A JP16471791A JP16471791A JPH059314A JP H059314 A JPH059314 A JP H059314A JP 16471791 A JP16471791 A JP 16471791A JP 16471791 A JP16471791 A JP 16471791A JP H059314 A JPH059314 A JP H059314A
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JP
Japan
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discharge
treating
electrode
long
electrodes
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JP16471791A
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Inventor
Masao Seki
昌夫 関
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、品質、コストならびに生産性がとも
に良好な実用性の高い長尺物の表面改質方法を提供せん
とするものであり、さらにかかる改質方法を効率よく、
かつ安定に達成する処理装置を提供せんとするものであ
る。 【構成】本発明の長尺物の処理方法は、放電によって長
尺物を処理するに際し、対向する電極の反対側であっ
て、かつ誘電体で被覆された電極表面に被処理物を接触
させることを特徴とするものであり、また、本発明の長
尺物の処理装置は、放電電極とアース電極を対向させて
配置してなる放電処理装置において、該電極の少なくと
も一方が誘電体で被覆されており、かつ該電極の少なく
とも一方が被処理物のガイドロール機能を有することを
特徴とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長尺物の改質処理方法
ならびにその処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】長尺物の表面特性を変化させて、防汚
性、制電性、親水性および発色性などの性質を向上させ
ることは、化学的方法ならびに物理的方法など各種の方
法が提案されているが、なかでも物理的方法として、ア
ーク放電を利用するコロナ放電処理やグロー放電を利用
した低温プラズマ処理することにより長尺物の表面を改
質する方法が従来から数多く提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】コロナ放電処理は、常
圧下で電極間で、かつアース電極に被処理物を密着させ
て処理するが、この方法では、繊維の存在する部分と存
在しない部分との間で斑が生じ、放電がさらに強いアー
ク状となるため被処理物に穴が開いたり熱による変形が
発生し易いという欠点があった。
【0004】また、低温プラズマ処理は、安定したグロ
ー放電を使用することで、安定した表面改質を達成する
ことができる利点があるが、雰囲気を50Torr以下、さ
らには10Torr以下の低圧にする必要があり、そのため
の真空容器、排気設備を必要とする上に、低圧条件に至
るまでに長時間を要するので、著しくコスト高になると
いう欠点があった。
【0005】本発明は、かかる従来技術背景に鑑み、品
質、コストならびに生産性がともに良好な実用性の高い
長尺物の表面改質方法を提供せんとするものであり、さ
らにかかる改質方法を効率よく、かつ安定に達成する処
理装置を提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述目的を達
成するため、次の構成を有する。すなわち、本発明の長
尺物の処理方法は、放電によって長尺物を処理するに際
し、60モル%以上の希ガス類を含有する雰囲気下にあ
る、放電電極とアース電極の電極間以外で、かつ誘電体
で被覆された電極表面に形成された放電部分に被処理物
を接触させることを特徴とするものである。
【0007】また、本発明の長尺物の処理装置は、放電
電極とアース電極を対向させて配置してなる放電処理装
置において、該電極の少なくとも一方が誘電体で被覆さ
れており、かつ該電極の少なくとも一方が被処理物のガ
イドロール機能を有することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明は、放電処理における放電電極とアース
電極の間で発生する放電形態について検討したところ、
特定な雰囲気と電極条件を調整すると、常圧で電極間以
外の誘電体被覆電極(放電電極ならびにアース電極を含
む)表面の周囲にグロー放電状の放電膜が形成されるこ
とを究明した。しかも、この放電膜に被処理物を接触さ
せると、電極間のアーク放電に接触させるよりも安全
で、かつ安定して均一な表面処理ができることを究明し
た。
【0009】本発明の長尺物は、電極表面の放電膜に接
触でき得るものであれば性状、形状は限定されず、繊維
製品、フイルム、成型品、またはこれらの複合品など種
々のものが含まれる。以下、繊維製品を代表させて説明
をする。
【0010】本発明の長尺物は、樹脂加工されていても
よく、例えば繊維製品に施される制電性、防汚性、吸水
性、撥水性、撥油性、発色性、抗菌性、難燃性などを改
善するために施される樹脂加工品が含まれる。これらの
樹脂加工された、たとえば繊維製品を本発明の方法で処
理すると、その機能を一段と高めたり、洗濯などにおけ
る耐久性を高めることができる。
【0011】本発明でいう放電電極およびアース電極
は、少なくとも一方の電極が誘電体で被覆された金属電
極を使用するが、好ましくは、どちらか一方の電極が誘
電体で被覆されてもう一方は金属だけのほうが、誘電体
被覆電極周囲の放電膜が均一で厚みのあるものを形成す
ることができてよい。
【0012】これらの電極は内部に水などの冷媒を流す
ことにより、10〜120℃の任意の温度に冷却するこ
とができるので、必要により例えば金属管などの導体を
用いることができる。
【0013】かかる誘電体とは、電界内にあるときに、
電荷の移動を許さず、電気容量が増す、いわゆる電気絶
縁性を示すものであり、たとえばゴム、ガラス、セラミ
ックなど印加される電圧に対し十分な耐電圧性を有する
素材を使用するのがよく、特に、ガラスやセラミックが
好ましく使用される。かかる誘電体の厚さは、0.1〜
5mmが好ましい。被処理物を接触させる電極の形状は、
別に制約はないが、誘電体被覆電極としては、円形が、
表面に均一な放電膜が形成されやすい利点があるし、ガ
イドロールとしても機能的に好適である。ガイドロール
として使用しない場合の電極の形状は、円形でも極端に
は平板状でもよく、その形状に制約はない。
【0014】放電電極とアース電極の電極間の距離は、
好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下である
のがよいが、誘電体が存在すれば、これを介して両極が
接触していてもよい。むしろ両電極が接触しているほう
が安定した放電膜を形成することができるという特徴が
あるのでよい。
【0015】本発明の放電処理装置は、かかる放電電極
とアース電極を対向させて配置したものであって、しか
も、該電極が被処理物のガイドロール機能をも有すると
ころに特徴を有するものである。すなわち、被処理物は
複数配置された該電極に接触しながら処理される。場合
によっては、隣り合う放電電極間またはアース電極間に
少なくとも1個のガイドロールを配置してもよい。
【0016】放電電極には高電圧が印加されるが、印加
される電圧の周波数は、好ましくは5〜2000KH
z、さらに好ましくは20〜500KHzの範囲がよ
い。すなわち、5KHz未満では放電が開始しにくく、
2000KHzより高い周波数では、整合を取るのがむ
ずかしい。
【0017】本発明においては、雰囲気のガス組成がき
わめて重要である。すなわち、希ガス類を60モル%以
上含有する雰囲気で放電させる。かかる雰囲気を採用す
ることによって、はじめて放電が放電電極とアース電極
間の他に少なくとも一方の電極に用いる誘電体被覆電極
表面に均一なグロー放電様の放電膜を形成させることが
できるものである。希ガス類の含有率は、高いほど放電
膜の厚みは均一で、しかも厚みのあるものを形成する。
したがって、さらに好ましくは80モル%以上特に好ま
しくは90モル%以上の希ガスを含有するのがよい。雰
囲気として、60モル%未満の希ガス雰囲気を使用した
のでは、電極間に放電が集中し易くなり、上述の効果が
得られにくくなる。
【0018】本発明に使用される希ガスは、ヘリウム、
アルゴン、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドンから
選ばれた少なくとも一種を使用することができる。これ
らの中でも、アルゴン、ヘリュウムが放電膜を形成しや
すくて好ましい。
【0019】希ガスと混合して使用できるガスとして
は、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、四フッ化炭素、メ
タンなどがあげられるが、これらに限定されるものでは
ない。しかし、酸素、水が混入すると、放電が不均一化
しやすく処理効果に斑が出たり、布帛が損傷したりする
ので好ましくない。
【0020】長尺物に対する処理強度は、放電電力は、
好ましくは3W/cm(放電電極の長さ)以上、さらに
好ましくは6W/cm以上であり、処理時間は、好まし
くは2秒以上、さらに好ましくは5秒以上であるが、目
的に応じて放電電力と処理時間を変更することができ
る。
【0021】本発明の処理装置を図により説明する。
【0022】図1は、本発明の処理装置の一例を示すも
のであるが、ここで特徴的なのは、被処理物(長尺物)
6が誘電体被覆放電電極1と平板状の金属アース電極2
の間を通っていない点であり、さらに被処理物6を誘電
体被覆放電電極1の表面の放電で処理する点にある。こ
の図では、ガイドロール5をアース電極間の任意の位置
に配置して、被処理物6を複数回放電処理できるように
設計されている。誘電体被覆放電電極1には、高電圧印
加電源3によって高電圧がかけられている。ハウジング
7内には雰囲気ガス4として希ガスが導入されている。
【0023】図2は、図1の装置において、さらに金属
製放電電極1の形態と位置を変更し、さらに被処理物の
搬送経路を変更したものである。この図では、該電極と
して棒状(ロール状を含む)の電極1を使用している。
なお、この図において、被処理物6をガイドロール5を
通さないで、直接、放電電極1に通してガイドロールと
して利用することができる。
【0024】図3は、円筒状の金属アース電極2を使用
し、その周りに誘電体被覆放電電極1ならびにガイドロ
ール5を配置したものである。この図においても、平板
のアース電極を使用しないで、ガイドロール(図のアー
ス電極間に存在するもののみ)5をアース電極として利
用することができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが本発明はこれらに限定されるものではない。実施
例、比較例に示す性能評価は次の方法で測定した。 (防汚性)JISL−0821に規定されている汚染液
150mlと直径6.4mmのステンレス鋼球10個をラウ
ンダメーター型洗濯試験機付属の450ml試験びんに入
れ、40±2℃に余熱した後、試料(5cm×10cm)を
入れ、試験機に取り付け、40℃±2℃にて20分間回
転した後、試料を取り出し、水洗した後風乾した。該汚
染布の汚染の程度をJIS L−0805に規定された
染色堅牢度試験用グレースケールで級判定し洗濯時にお
ける汚染のしにくさの程度を求めた。
【0026】(吸水性)JIS L−1096に規定さ
れた方法により水の吸収速度を求めた。
【0027】(発色性)デジタル測色色差計算機(スガ
試験機株式会社製)で布帛のL値を測定した。L値は色
の視感濃度の指標であり、値の小さいものほど濃色であ
ることをしめす。
【0028】(撥水性)JIS L−1097に規定さ
れる試験法(スプレー法)で測定されるものである。外
観状態と評価配点との関係は次ぎのとうりである。 100点:表面に付着湿潤のないもの。 90点:表面にわずかに付着湿潤をしめすもの。 80点:表面の水の落下点が湿潤をしめすもの。 70点:表面全体にわたって部分的湿潤をしめすもの。 50点:表面全体に湿潤をしめすもの。 0点:表面が完全に湿潤をしめすもの。
【0029】(改質効果の耐久性表価用洗濯条件)自動
反転渦巻き電気洗濯機(東芝株式会社製VH1150
型)に40℃±2℃の0.2%弱アルカリ性合成洗剤
(JIS K−337に規定されるもの)液を入れ、浴
比1:50になるように追加布を入れ、強条件で10分
間洗濯し、次いで排水し水洗を5分する工程を1回とし
て、これを20回繰り返した後、風乾した。
【0030】実施例1〜6、比較例1〜4 100デニール、36フィラメントの加工糸(東レ株式
会社製)を経糸、緯糸に使用した平織物を常法により精
練、乾燥し、180℃の温度でヒートセットし、経糸密
度130本/inch、緯糸密度85本/inchの白生地を得
た。該白生地を図1の装置を用いて、Arガス、760
Torrの雰囲気で表1の条件で処理を行い、処理上がりと
洗濯後の防汚性と吸水性を測定した結果を表1に示し
た。
【0031】比較例として、実施例と同じ装置で電極間
に白生地を通したもの(比較例1、2)、高電圧印加電
極としてステンレスナイフエッジを用いて、表1の条件
で通常のコロナ放電処理をした(比較例3、4)。
【0032】
【表1】
【0033】表1から、実施例1〜6の常圧放電処理し
たものは、比較例1〜4のものに比して、布帛の損傷も
なく優れた改質効果が得られることがわかる。
【0034】実施例7〜9、比較例5〜7 実施例1で使用した織物を用い、雰囲気ガスの組成を変
えて処理して、雰囲気ガスの防汚性に与える影響を調べ
た結果を表2に示した。処理条件は、760Torrで、放
電電力は35 W/cm、処理速度4 m/分である。
【0035】
【表2】
【0036】表2から、実施例7〜9のものは、比較例
5〜7に比して優れた防汚性を示した。この事実から、
希ガスの含有率が60モル%以上でなければ、放電処理
効果は達成されないことがわかる。
【0037】実施例10、比較例8 実施例1で使用した白生地を、ダイアニックス・ブラッ
ク BG-FS12%owf 、浴比1対30、135℃×60分
の条件で染色し、常法により還元洗浄、水洗、乾燥した
後、160℃でヒートセットして、L値15.8の黒色
織物を得た。
【0038】この織物を、Ar100%の雰囲気で、2
5 W/cmの放電電力で、1 m/分の速度で放電処理した
後、NKガードFG−270(フッソ系樹脂撥水撥油
剤;日華化学株式会社製)を30 g/l 含有する水溶液
に浸漬し、マングルで絞り、織物重量に対し90%の重
量になるように溶液を付着させた後、130℃で4分乾
燥し、次いで180℃で2分の熱処理をおこなった。比
較例として、放電処理をしないで、後は実施例10と同
一の樹脂加工をしたものを用意した。これらの織物の処
理上がりと洗濯後の、発色性、撥水性を測定した結果を
表3に示した。
【0039】
【表3】
【0040】表3から、実施例10のものは、比較例8
のものに比して、耐久性のある撥水性ならびに発色性を
示すことがわかる。
【0041】
【発明の効果】本発明により、品質、コストならびに生
産性がともに良好な実用性の高い長尺物の表面改質効果
方法およびかかる改質方法を効率よくかつ安定に達成す
る処理装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この図は、本発明の長尺物の処理装置の一例
を示す模式図である。
【図2】 この図は、本発明の長尺物の処理装置の他の
例を示す模式図である。
【図3】 この図は、本発明の長尺物の処理装置の、さ
らに他の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1:放電電極 2:アース電極 3:高電圧印加電源 4:雰囲気ガス 5:ガイドロール 6:被処理物 7:ハウジング

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電によって長尺物を処理するに際し、
    対向する電極の反対側であって、かつ誘電体で被覆され
    た電極表面に被処理物を接触させることを特徴とする長
    尺物の処理方法。
  2. 【請求項2】 誘電体が、ゴム、ガラス、セラミックか
    ら選ばれた少なくとも1種の素材で構成されたものであ
    る請求項1記載の長尺物の処理方法。
  3. 【請求項3】 雰囲気が、常圧である請求項1記載の長
    尺物の処理方法。
  4. 【請求項4】 雰囲気が、60モル%以上の希ガス類を
    含有する請求項1記載の長尺物の処理方法。
  5. 【請求項5】 希ガス類が、アルゴン、ヘリウム、ネオ
    ン、クリプトン、キセノンおよびラドンから選ばれた少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の長
    尺物の処理方法。
  6. 【請求項6】 長尺物が、繊維製品、フィルムまたはこ
    れらの複合品から選ばれたものである請求項1記載の長
    尺物の処理方法。
  7. 【請求項7】 被処理物を接触させる電極が円柱形であ
    る請求項1記載の長尺物の処理方法。
  8. 【請求項8】 放電電極とアース電極を対向させて配置
    してなる放電処理装置において、該電極の少なくとも一
    方が誘電体で被覆されており、かつ該電極の少なくとも
    一方が被処理物のガイドロール機能を有することを特徴
    とする長尺物の処理装置。
  9. 【請求項9】 被処理物を接触させる電極が複数配置さ
    れている請求項7記載の長尺物の処理装置。
  10. 【請求項10】 隣り合う放電電極間またはアース電極
    間に少なくとも1個のガイドロールを配置してなる請求
    項7記載の長尺物の処理装置。
  11. 【請求項11】 放電電極とアース電極が接触している
    請求項7記載の長尺物の処理装置。
JP16471791A 1991-07-04 1991-07-04 長尺物の処理方法およびその処理装置 Pending JPH059314A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103370137A (zh) * 2011-03-11 2013-10-23 株式会社东芝 磁选装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103370137A (zh) * 2011-03-11 2013-10-23 株式会社东芝 磁选装置

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