JPH0592912A - 髪の保護配合物及び髪への適用方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 高度に枝分かれしそして架橋したシリコン重
合体の疎水性カチオン乳濁液を含む、髪の手入れ用配合
剤を提供する。 【構成】 Ｒ_ｎＳｉＯ_{（４−ｎ）／２}（こゝでＲは水
素、１価の炭化水素基、１価のハロゲン化炭化水素基よ
りなる群から選ばれ、ｎは１〜３の平均的な値）で示さ
れる、相当程度に枝分かれしそした架橋したポリジメチ
ルシロキサンの疎水性カチオン乳濁液をコンディショニ
ング剤として含む髪の保護用処方剤。 【効果】 該シロキサン乳濁液はコンディショナー、ス
タイリングゲル、ポンプスプレイ及びパーマネントーウ
エイブ用製品に配合でき、得られた配合剤は、湿った状
態及び乾いた状態での髪に対し、とかし易くまた良好な
感触を高めるために効能がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高度に枝分かれし、そ
して架橋したシリコン重合体、好ましくは、ポリジメチ
ルシロキサンの疎水性のカチオン乳濁液を含む髪の保護
配合物に関する。これらシリコン乳濁液は、コンディシ
ョナー、スタイリングゲル、ポンプスプレー、パーマネ
ントヘアーウェイブ用物品等の処方に用いることがで
き、また特に湿った状態又は乾いた状態での髪のくしけ
づりを容易に行うにも効果的である。

【０００２】

【発明が解決しようとする課題】本発明の疎水性シリコ
ン乳濁液は、効果的に髪の表面を一面におおい、くし入
れを容易にしそしてより好ましい感触を与える。したが
って、本発明は、従来のものに比べ意味ある利点を有す
る髪の手入れ用の配合物及び方法を提供することにあ
る。

【０００３】

【課題を解決するための手段】本発明は、水性髪手入れ
用処方剤に関するもので、下記に示す化学式を有する高
度に枝分かれし、そして架橋したシリコン重合体の疎水
性カチオン乳濁液を用いたことを含む改良にかかわるも
のである。 Ｒ_n ＳｉＯ_(4-n)/2 （ここで、Ｒは水素、１価の炭化水素基及び１価のハロ
ゲン化炭化水素基から成る群から選ばれたもの、そして
ｎは１から３よりは少ない平均的な値を有する整数であ
って、枝分かれしそして架橋したシリコン重合体は、相
当程度に枝分かれしそして架橋したポリジメチルシロキ
サンであり、またトルエンで抽出することにより測定す
ると約40％より少ない線状重合体を含有する。）

【０００４】本発明は、また前述した高度に枝分かれ
し、そして架橋したシリコン重合体の疎水性カチオン乳
濁液の有効量を、髪の手入れ用処方剤に混ぜ合わすこと
による髪の手入れにかかわる方法に関するものである。

【０００５】本発明で用いられる“髪”という用語は、
手入れをし若しくは手入れをしていない人間の髪、動物
の毛、及びこれらの織物でくしけずりの容易さ、なめら
かさ及び光沢を必要とするものが含まれる。本発明にお
いて用いられる高度に枝分かれし、そして架橋したシリ
コン重合体の疎水性カチオン乳濁液及びこの製造方法は
米国特許第 4,908,140号明細書に記載されている。

【０００６】髪の手入れの処方剤において、湿った状態
又は乾いた状態でのくしけずりを容易にするための、本
発明における疎水性カチオン乳濁液は、主として高度に
枝分かれしそして架橋したポリジメチルシロキサン、及
びメルチル基が、例えばアミン、カルボキシル、アミド
の如き有機官能性の基によって置換された置換誘導体で
ある。

【０００７】本発明で使用されるポリジメチルシロキサ
ンは、少なくとも分子量 100,000及び粘度50,000センチ
ストーク以上を有する高分子量の枝分かれしそして架橋
した重合体である。

【０００８】これらシリコンは、乳濁液としての髪手入
れ用の配合物に使用される。この乳濁液の製造方法は、
乳濁液を作る通常の方法で調製される。本発明で用いら
れる乳濁液を製造する一つの方法の例として、米国特許
第 2,981,920号明細書に記載されている。

【０００９】本発明における有機官能性シロキサンを用
いて製造した乳濁液は、水中油形の乳濁液であることは
留意しておくべきである。油中水形の生成物は、本発明
の乳濁液を製造する初めの段階での均質化で得られる
が、しかしながら、この乳濁液はまもなく転化されて、
そして水中油形の乳濁液になる。

【００１０】最も効果的な乳濁液生成物を望むような場
合には、本発明の乳濁液の製造に或る種の界面活性剤を
使用するのが良い。例えば、併用して使用できる有用な
界面活性剤は、陽イオン界面活性剤及び非イオン界面活
性剤である。

【００１１】好ましい陽イオン界面活性剤の例は、脂肪
族アミン、脂肪族基で置換された芳香族アミン、有機第
４級アンモニウム化合物、ポリエチレンジアミン、ポリ
プロパノールポリエタノールアミン等が含まれる。

【００１２】本発明において使用される好ましい陽イオ
ン界面活性剤は、アルマック社（マッコック、イリノイ
州）の製造にかかわるアルクアドＴ−27Ｗ（登録商標、
Ｎ−アルキルトリメチルアンモニウムクロライド）及び
ミラノール化学会社（デイトン、ニュージャージ州）の
製造にかかわるミラポールＡ−15（登録商標、ポリ第４
級アンモニウムクロライド）が含まれる。

【００１３】好ましい非イオン界面活性剤の例は、脂肪
物質とエチレンオキサイドとの縮合生成物、脂肪族側鎖
を有するフェノール化合物とエチレンオキサイドとの縮
合生成物及びこれらの類似物が含まれる。

【００１４】本発明において使用される好ましい非イオ
ン界面活性剤は、ステファン化学会社（ノースフィル
ド、イリノイ州）のマコン10（登録商標、アルキルフェ
ノキシポリオキシエチレンエタノール）及びユニオンカ
ーバイド社（ダンベリ、コネチカット州）のテルジトー
ル15−Ｓ−３（登録商標、Ｃ₁₁〜₁₅第２級アルコールエ
トキシレート）が含まれる。

【００１５】本発明の疎水性カチオン乳濁液は、配合剤
の全重量に対して0.05から20重量％の割合で、そしてよ
り好ましくは、0.１から６重量％の割合で髪手入れ用処
方剤中に存在する。

【００１６】本発明の疎水性カチオン乳濁液を加えるこ
とによって便宜になるとされる髪手入れ用処方剤は、必
ずしも限定されるものではないが、コンディショナー、
スタイリングゲル及びポンプスプレーが含まれ、並びに
水溶性分散液、水溶性アルコール含有分散液、増粘した
又は増粘しないクリーム、ゲル、エアゾールフォーム又
はスプレイの形態でも良い。

【００１７】更に、このような髪の手入れ用処方剤は、
１種又はそれ以上の水溶性の四級化された蛋白質、１種
又はそれ以上のシリコン重合体、コンディショニング用
薬剤、並びに通常化粧品に使われる日焼け止めクリー
ム、香料、色素、防腐剤、金属イオン封鎖剤、乳化剤、
軟化剤及びフォーム安定剤の如き補助剤を含むことがで
きる。

【００１８】本願で使用される機器及び試験手順は、下
記の通りである。自然の褐色であるヨーロッパ人の新鮮
な髪を使用した。試験を行うために、１回の処理に三つ
の髪の房を用意した。毛根を有する髪約２ｇを２”×
２”四方のプラスチク製タブにくくりつけた。タブより
下の部分の髪の長さを６インチであるようにして、房を
切断した。

【００１９】髪の房の漂白及びウェイブをつけるために
用いる溶液及び方法を次に示す。

【００２０】Ａ）漂白液 漂白液は、塩化ナトリウム７ｇ及び水68.0ｇを塩化ナト
リウムが溶解するまで、まぜ合わせた。この溶液に、尿
素10ｇ、グリセリン3.０ｇ及び水酸化アンモニウム12.0
ｇを加えた。この得られた溶液を、１対１の割合で６％
過酸化水素と混合した。

【００２１】Ｂ）パーマネントウェイブ用溶液 パーマネントウェイブ用溶液は、還元液及び中和液を含
むものである。還元液は、84.4％の蒸留水、7.65％の濃
チオグリコール酸及び7.95％の濃水酸化アンモニウムを
有する。還元液のpH値は、水酸化ナトリウムを用いて9.
５に調節した。

【００２２】中和液は、92.7％の蒸留水及び7.３％の過
酸化水素を有する。中和液のpH値は、燐酸を用いて3.６
に調節した。

【００２３】髪の房は、漂白液で髪の表面を処理し、還
元液で定期的にかきまぜながら、20分間処理した。この
溶液は、事前に用いられた他の溶液を除去してからの
み、処理に使用された。髪の房は、水でゆすいでから、
中和液で処理した。５分後、再び髪の房を水ですすぎ洗
いを行った。

【００２４】シャンプーは次に示す処方に従って準備し
た。 内容物 重量％ 水 61.95 スタンダポールＡ¹ 35.0 モナミッド1159² 3.0 カトン ＣＧ³ 0.05 100.00

【００２５】１ スタンダポールＡ（米国化粧品協会採
用の商品名、アンモニウムラウリルサルフェト）は、ヘ
ンケル社から入手可能であって、ラウリル硫酸のアンモ
ニウム塩でラウリルは主としてＣ₁₂及びＣ₁₄アルコール
の混合体であり、界面活性剤として用いられる。米国化
粧品協会採用とは、化粧品協会（ワシントン、Ｄ．
Ｃ．）発行1982第３版、化粧品事典に採用されているも
のを意味する。

【００２６】２ モナミッド1159（米国化粧品協会採用
の商品名、コカアミドＤＥＡ）は、モナ社（パターソ
ン、ニュージャージ州）の製品で、Ｎ−ココイルジエタ
ノールアミドであって、界面活性剤として用いられる。

【００２７】３ カトンＣＧ（米国化粧品協会採用の商
品名、メチルクロロイソチアゾリノン及びメチルイソチ
アゾリノン）は、ロームアンドハス社（フィラデルフィ
ア、ペンシルベニア州）の製品で、５−クロロ−２−メ
チル−４−イソチアゾリン−３−オン及び２−メチル−
４−イソチアゾリン−３−オンの混合物であり、そして
抗微生物剤として用いられる。

【００２８】このシャンプー処方剤は、水を約40℃の温
度に加熱し、そして、スタンダポールＡ（登録商標名）
及びモナミド1159（登録商標名）を加えて調整した。こ
の混合物を、均質な溶液になるまで攪拌し、そしてカー
トンＣＧ（登録商標名）を加えた。

【００２９】髪洗いは、30秒間髪の房をすすぎ洗いを
し、余分の水を絞り取り、0.５ｇのシャンプーを使用し
そして１分間洗剤であわたたせ、次いで１分間水ですす
ぎ洗いを行った。

【００３０】比較のため髪をとかす定量的な検討を、イ
ンストロン社（カントン、マサチュセッツ州）の製品
で、硬質ゴムのくしを有する引張試験機を使用して行っ
た。

【００３１】このテストは、髪を記録装置に接続した歪
ゲージへつながるくしですいて行った。髪をくしですく
その力のピーク値又は最大の力（maximum force)、及び
同様に、くしですく負荷の平均値をも測定した。平均値
はピーク値を積分し、そしてセンチメーター単位で処理
した髪の長さで割って算出し、相対的な数値として用い
た。

【００３２】平均負荷値は、髪の房をくしですくに要す
る平均的な力を表わす客観的な数値である。

【００３３】

【実施例】本発明は、次に示す実施例によって、更に明
確になるであろう。各実施例に示される部及び％は、格
別に定義をしなければ重量を基準にしたものである。

【００３４】〔例１〕この例１においては、これからの
各例において使用される乳濁液を準備するために用いる
手順を説明する。 52.95ｇの水、8.８ｇのアルクアドＴ
−27Ｗ（登録商標）、0.65ｇのメチリトリメチロキシシ
ラン及び35.0ｇのシクロメチコンの混合物を用意した。
この混合物を、7500psigにおいてホモジナイザー（Mant
on-Gaulin 15M 8BA)で２回処理した。

【００３５】この得られた乳濁液に、20％水酸化ナトリ
ウム液0.25ｇを加えてアルカリ性にした。この乳濁液
は、次いで攪拌しながら、９時間85℃の温度において加
熱した。40℃の温度に冷却した後、１時間攪拌を続けな
がら、0.15ｇの濃燐酸及び1.７ｇのマコン10（登録商
標）を加えた。

【００３６】加える燐酸の量は、乳濁液のpH値を4.５か
ら９、好ましくは約6.５から約8.０の値にする必要な量
である。この配合物のpH値は、化粧品に用いられるアル
カリ試薬又は酸性試薬を用いて調整されても良い。室温
に冷却して、0.５ｇのカトンＣＧ（登録商標名）を加え
た。

【００３７】〔例２〕本件での例は、高度に枝分かれし
そして架橋したシリコン重合体の疎水性カチオン乳濁液
を、コンディショニング処方剤に加えることによって、
髪のくしけずりを容易にし、そして湿った状態又は乾燥
した状態での髪にも良い感触を与えることを明らかにす
る。

【００３８】

【００３９】上記のシリコン乳濁液を含むコンディショ
ニング処方剤は、まず水を約70℃の温度に加熱し、そし
てセラシントＱ（登録商標）及びポーラワックス（登録
商標）を加え、均質な溶液になるまで攪拌を続け、そし
てシリコン乳濁液を加えて、調製した。

【００４０】シリコン乳濁液を除いて、上述のコンディ
ショニング処方剤と同じ有機のコンディショニング処方
剤を、次に示す処方によって調製した。

【００４１】

【００４２】１ セラシントＱ（米国化粧品協会採用の
商品名、グリセリルステアレート）は、ハン ダイク社
（ベレビル、ニュージャージ州）の製品で、グリセリル
モノステアレートであって、そして増粘剤として使用さ
れる。２ ポーラワックス（商標登録）は、クロダ社
（ニュワーク、ニュージャージ州）の製品であって、高
級脂肪酸アルコールとエチレンオキシドとから得られる
非イオン性乳化ワックスである。

【００４３】上述した比較のための有機コンディショニ
ング処方剤は、水を70℃に加熱し、セラシント（登録商
標）、ステアルアルコニウムクロライド、ポーラワック
ス及びセチルアルコールを加え、この混合物が均質な溶
液になるまで攪拌して、調製した。

【００４４】シリコン乳濁液のコンディショニングの効
能を知るために、髪の房をシャンプーで洗った。髪の房
は、シリコン乳濁液を含むコンディショナー及び比較の
ための有機コンディショナーで、それぞれ処理をした。
１回の処理に、三つの髪の房を用いた。

【００４５】各髪の房は、１ｇのコンディショナーを用
いて60秒間よくもんで、そして次に約40℃の温度におい
て水でゆすいだ。湿った状態で、インストロン社の引張
試験機を用いて髪をすいた。

【００４６】各髪の房について、３回のストローク（co
mbing strokes)を行い、そして平均して値を出した。１
回の処理ごとに、くし（comb）を交換して用いた。各湿
った状態での髪の房の平均負荷値を測定した後に、髪を
室温で18時間乾燥し、そして次に乾いた状態での髪の房
の平均負荷値を測定した。

【００４７】試験の結果を表１に示す。より高い数値
は、髪をとかすのにより困難とされる髪を示す。 表 １ 髪をとく負荷平均値に関するシリコン乳濁液の効能 処 方 剤 乾いた髪 湿った髪 シリコン乳濁液を含む コンディショナー 9.4 24.9 シリコン乳濁液を含まない コンディショナー 17.8 32.3 な し 29.5 58.6

【００４８】更に、湿った状態及び乾いた状態での髪の
房の評価を行い、実質的な髪のとかし及び感触をも含め
て試験を行った。実質的な評価は、４人のパネル討議に
よって進めた。評価者は、１から５までの５段階方式で
１を最高にして髪の房を評価した。

【００４９】より高い数値は、髪をとかすのにより困難
とされる髪を示し、そしてその髪にふれたときには、よ
り粗く感ずる髪である。これらの結果の平均値を、次に
示す表２に要約した。 表 ２ 髪をとかし、その感触を示す試料 湿った髪 乾いた状態 処 方 剤 湿った髪 の感触 乾いた状態 の感触 シリコン乳濁液を含む コンディショナー 1.33 1.42 1.25 1.33 シリコン乳濁液を含まない コンディショナー 2.33 2.33 2.31 2.25 な し 2.79 2.58 2.50 2.50

【００５０】表１及び表２によって明らかなように、シ
リコン乳濁液を含むコンディショニング処方剤は、シリ
コン乳濁液を使用しない場合に比べて、髪を容易にとか
すことにおいて優れており、また感触において好ましい
ことを明らかにしている。

【００５１】〔例３〕本件での例は、高度に枝分かれし
そして架橋シリコン重合体の疎水性カチオン乳濁液を、
パーマネントウェイブ用処方剤に加えると、湿った状態
及び乾いた状態での両者の髪のとかし及び感触は、この
処理剤で処理することによって効果が高められることを
明らかにする。

【００５２】シリコン乳濁液を、パーマネントウェイブ
用処方剤の中和液に加えたものと、シリコン乳濁液を加
えない同じ中和液とについて評価を行った。両者の処方
においては、パーマネントウェイブ用処方剤に使用され
る同一の還元液を用いた。

【００５３】ウェイブ用処方剤のシリコン乳濁液の効能
を評価するために、髪の房をシャンプーで洗いそして還
元液に浸した。20分後、この髪の房を、約40℃の温度を
有する水ですすいだ。この髪の房を、シリコン乳濁液を
含む中和液及びシリコン乳濁液を含まない中和液に、そ
れぞれ浸した。

【００５４】５分後、これらの髪の房を、水ですすい
だ。各湿った状態の房を、インストロン社の引張試験機
で髪をすいた。いずれの髪について、３回の髪をすく工
程の試験（combing strokes)を行い、そして平均して、
数値を算出した。

【００５５】試験の結果を表３に示す。より値の高い数
値は、髪をすくのにより困難ということである。 表 ３ ウェイブ用処方剤に関するシリコン乳濁液の効能 髪をすく負荷の平均値 処 方 剤 乾いた髪 湿った髪 シリコン乳濁液を含む 中和液 19.4 25.0 シリコン乳濁液を含まない 中和液 27.0 70.1

【００５６】表３から明らかなように、シリコン乳濁液
を含むパーマネントウェイブ処方剤は、シリコン乳濁液
を含まないウェイブ処方剤に比べて、髪を容易にすくこ
とについて優れていることを示している。

【００５７】本件の例において、シリコン乳濁液をパー
マネントウェイブ用処方剤の中和液の方に加えたが、し
かしながら、シリコン乳濁液を処方剤の還元液の方に加
えても、同じような結果を得ることができる。

【００５８】〔例４〕本件での例は、高度に枝分かれし
そして架橋したシリコン重合体の疎水性カチオン乳濁液
を、スタイリングゲルに混ぜ合せた場合に、次に示す処
方剤で湿った状態及び乾燥した状態での髪のくしけずり
及び髪の感触が高められること、を明らかにする。

【００５９】

【００６０】１ クオタニューム15（米国化粧品協会で
の採用名、クオタニューム15）ダウケミカル社（ミドラ
ンド、ミシガン州）の製品で、１−（３−クロロアリ
ル）−３，５，７−トリアザ−１−アゾニアアダマンタ
ンクロライドのシス異性体、そして抗微生物剤として用
いられる。 ２ カルボポール940(米国化粧品協会での採用名、カル
ボマー940)Ｂ．Ｆ．グードリッチ社化学部門（クリーブ
ランド、オハイオ州）の製品で、多官能性化合物と架橋
させたアクリル酸重合体、そして増粘剤として用いられ
る。

【００６１】３ ＰＶＰ／デマエム（米国化粧品協会で
の採用名、ＰＶＰ／ジメチルアミノエチルメタアクリレ
ート共重体） ＧＡＦ社（ウェイン、ニュージャージ州）の製品であっ
て、ビニールピロリドン及びジメチルアミノエチルメタ
アクリレートの共重合体、そして固着剤として用いられ
る。 ４ 界面活性剤…シリコングリコール共重合体及びポリ
ジメチルシクロシロキサンの混合物であって、市場にて
入手可能である。

【００６２】スタイリングゲルはクオタニュウム15（登
録商標）を水に溶かし、カルボマー940(登録商標）を加
え、次に水酸化ナトリウムの溶液を、続いてＰＶＰ／デ
マエム（登録商標）及び残りの成分を加えて、調製し
た。同様に、シリコン乳濁液を含まない同等のスタイリ
ングゲルも調製した。

【００６３】スタイリングゲル処方剤の中のシリコン乳
濁液の効能が明確になるように、髪の房をシャンプーで
洗った。１回の試験に３つの髪の房を用いた。おのおの
の髪の房に0.５ｇのスタイリングゲルを用いて30秒間も
んだ。

【００６４】湿った状態で、髪の房をとかしそして感触
試験を行った。髪の房を18時間室温において乾燥し、次
に乾いた状態でとかしそして感触試験を行った。評価は
４人のパネル討議によって行った。

【００６５】評価者は、最高を１として、５までの数値
を付与した。数値の多いことは、髪をとかすのにより困
難であり、そして髪に触れたときにより粗く感ずる髪で
あることを示している。

【００６６】この結果の平均値を表４に要約する。 表４ スタイリングゲルにおけるシリコン乳濁液の効能 湿った髪 乾いた髪 処 方 剤 湿った髪 の感触 乾いた髪 の感触 スタイリングゲル 2.17 2.08 1.58 1.83 （シリコン乳濁液を含む） スタイリングゲル 3.33 2.92 3.08 3.17 （シリコン乳濁液を含まず）

【００６７】表４から明らかなように、シリコン乳濁液
を含むスタイリングゲルは、シリコン乳濁液を用いない
スタイリングゲルに比べて、髪のとかし易さ及び感触の
好ましさにおいてより優れていることが知られる。

【００６８】〔例５〕本件の例は、市場において“スピ
リツ”(spritz)として知られている髪用のスタイリング
溶液に、高度に枝分かれしそして架橋したシリコン重合
体の疎水性カチオン乳濁液を混ぜて実施した例を示す。

【００６９】

【００７０】１ コンディショナー…市場において、ジ
メチルシロキサングリコール共重合体として入手でき
る。 ２ ガアフクオタ 734(米国化粧品協会名、ポルクアタ
ニューム−11）ＧＡＦ社（ウェイン、ニュージャージ
州）の製品であって、ビニールピロリドンとジメチル硫
酸で４級化されたジメチルアミノエチルメタアクリレー
トとの共重合体で、そしてコンディショニング試薬とし
て用いられる。

【００７１】３ PVP／VA E−735(米国化粧品協会の採
用名、 PVP／VA共重合体）ＧＡＦ社（ウェイン、ニュー
ジャージ州）の製品であって、ビニルピロリドンとビニ
ルアセテートとの共重合体で、そして固着剤として用い
られる。 ４ グリダント（米国化粧品協会の採用名、DMDMヒダン
トイン）グリコ社（グリーンウイッチ、コネチカット
州）の製品であって、１−（ヒドロキシメチル）−５，
５−ジメチルヒダントインで、そして抗微生物剤として
用いられる。

【００７２】髪用のスピリツ処方剤は、水、ガアフクオ
タ 734（登録商標）及び PVP／VA E−735(登録商標）を
混ぜ合せ、次いでシリコン乳濁液を加えて調製した。こ
の混合物を、均質な溶液になるまで攪拌を続け、そして
グリダント（登録商標）を加えた。

【００７３】この調合物を髪の房に適用すると、湿った
状態及び乾いた状態での両者の髪は、大変良く髪がとか
されまた感触の良いものが得られた。更に、この配合物
は少くとも３ケ月の間40℃の温度において安定であっ
た。

【００７４】〔例６〕本件の例は、日焼け止め剤を含む
使い途中の残ったコンディショナー処方剤に、高度に枝
分かれしそして架橋したシリコン重合体の疎水性カチオ
ン乳濁液を加えて実施した例を示す。

【００７５】

【００７６】１ ユビヌール ms−40（米国化粧品協会
の採用名、ベンゾフェノン−４）BASFワンドッテ社（パ
リスパニイ、ニュージャージ州）の製品であって、２−
ヒドロキシ−４−メトキシ−ベンゾフェノン−オン−５
−スルホン酸及びスリソベンゾン（sulisobenzone)で、
そして紫外線吸収剤として用いられる。 ２ カトン ＣＧ（米国化粧品協会の採用名、メチルク
ロロイソチアゾリノン及びメチルイソチアゾリノン）ロ
ームアンドハス社（フィラデルフィヤ、ペンシルバニヤ
州）の製品であって、５−クロロ−２−メチル−４−イ
ソチアゾリン−３−オン及び２−メチル−４−イソチア
ゾリン−３−オンの混合体、そして抗微生物剤として用
いられる。

【００７７】コンディショナー処方剤は、水とユビヌー
ル ms−40（登録商標）を混ぜ、シリコン乳濁液を加
え、この混合物を均質な溶液になるまで攪拌をつづけ、
そしてカトン ＣＧ（登録商標）を加えて、調製した。

【００７８】この配合物を髪の房に適用すると、湿った
状態及び乾いた状態での両者の髪に対し、大変良好に髪
がとかされまた感触の良いものが得られた。更に、この
配合物は、少くとも３ケ月の間40℃の温度において安定
であった。

【００７９】本発明の本質的な特徴及び思想から実質的
に離れることなくして、本願において記載した構成、化
合物、配合物及び方法において、他の多くの変形及び改
良をなしうることは、明らかなことであろう。従って、
本件において記載した本発明の形態は、ただ例示的なも
のであって、そして本件発明の範囲を限定するものでは
ないことは、明瞭に理解されるべきである。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも１種のコンディショニング剤
   を含む髪の保護用処方剤において、コンディショニング
   剤は、高度に枝分かれしそして架橋したシリコン重合体
   の疎水性カチオン乳濁液を含むものであって、該重合体
   は次の式で示されるオルガノシロキサンである前記処方
   剤。 Ｒ_n ＳｉＯ_(4-n)/2 （ここで、Ｒは水素、１価の炭化水素基及び１価のハロ
   ゲン化炭化水素基から成る群から選ばれたもの、そして
   ｎは１から３よりは少ない平均的な値を有する整数であ
   って、枝分かれしそして架橋したシリコン重合体は、相
   当程度に枝分かれしそして架橋したポリジメチルシロキ
   サンであり、またトルエンで抽出することにより測定す
   ると約40％より少ない線状シリコン重合体を含有す
   る。）
2. 【請求項２】 枝分かれしそして架橋されたシリコン重
   合体は、実質的にポリジメチルシロキサンである請求項
   １記載の配合物。
3. 【請求項３】 髪を、高度に枝分かれしそして架橋した
   下記式のシリコン重合体の疎水性カチオン乳濁液で処理
   することを含む湿った状態及び乾いた状態で髪をすく髪
   の保護方法。 Ｒ_n ＳｉＯ_(4-n)/2 （ここで、Ｒは水素、１価の炭化水素基及び１価のハロ
   ゲン化炭化水素基から成る群から選ばれたもの、そして
   ｎは１から３よりは少ない平均的な値を有する整数であ
   って、枝分かれしそして架橋したシリコン重合体は、相
   当程度に枝分かれしそして架橋したポリジメチルシロキ
   サンであり、またトルエンで抽出することにより測定す
   ると約40％より少ない線状重合体を含有する。）