JPH0592768U - 車間距離警報装置 - Google Patents

車間距離警報装置

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JPH0592768U
JPH0592768U JP3327492U JP3327492U JPH0592768U JP H0592768 U JPH0592768 U JP H0592768U JP 3327492 U JP3327492 U JP 3327492U JP 3327492 U JP3327492 U JP 3327492U JP H0592768 U JPH0592768 U JP H0592768U
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detection
vehicle
turning radius
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利行 小松
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Mitsubishi Motors Corp
Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車速変化による検知不可領域の発生や誤検知
を防止することにある。 【構成】 複数の各レーダビームを車両の前方にそれぞ
れ放射するアンテナ11,12,13と、アンテナに発
進信号を出力すると共に受信信号を受ける送受信機1
4,15,16と、検知距離を設定する検知距離設定手
段21と、検知領域内の障害物に応じた検知信号を出力
する信号処理手段22と、車速情報を出力する車速セン
サ18と、車両のヨーレイト情報を出力すヨーレイトセ
ンサ19と、車両の旋回半径を算出する旋回半径算出手
段20と、車両のステアリング角度情報を出力するステ
アリング角センサ23と、車両の旋回半径を算出する極
低速時旋回半径算出手段24と、旋回半径R及び極低速
時旋回半径Rsの内の大きい方の旋回半径を選択して出
力する選択手段25を有し、検知距離設定手段21は旋
回半径に基づき各レーダビームの検知距離Bを、反旋回
側レーダビームの検知距離ほど短く設定し、旋回側レー
ダビームの検知距離ほど長く設定することを特徴とす
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、車両の前方にレーダビームを放射して障害物を検知する装置、特に 、複数の各レーダビームを左右に各々区分して放射して障害物を検知する車間距 離警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両に搭載された車間距離警報装置は走行路前方の車両やガイドレール 等の障害物に検出波であるレーダビームを放射し、このレーダビームが障害物に 当たって反射してくる反射波を受信して、送信波と受信波の周波数の差に応じた 出力に基づき障害物の有無を判断している。 このような装置の一例が特公昭60−34708号公報等に開示されている。 この装置は図8に示すように車両1に搭載の走査アンテナ2よりレーダビーム を水平方向に走査しながら二点鎖線で示すように3方向に各々拡がる検知領域E 1、E2、E3にビームを放射している。この場合、走査アンテナ2は機械的走 査あるいは電気的走査によってビーム方向を順次変化させて3方向に拡がる検知 領域E1、E2、E3にそれぞれビームを放射する様に構成されている。
【0003】 このように放射される検知波としてのビームは障害物C(他の車両),G(ガ ードレール)等があると、各障害物までの距離などに応じた遅延を受けて反射波 として受信される。例えば、受信波を所定の受信時間以内(パルスレーダの場合 )に受けた場合、あるいは受信波を受けた場合であって、送受信波の周波数の差 が算出され(FM−CWレーダの場合)そのビート出力が求められると、これら 出力に基づき信号処理器3が所定の警報指令を発するように構成される。
【0004】 ここでは特に、姿勢検知器4によってハンドルの曲がり角度(ステアリング角 度)θsを取り込み、車両の直進、左右曲り方向の情報を信号処理器3に取り込 んでいる。これによって、信号処理器3が各検知領域E1、E2、E3の反射波 に対して予め設定されている時間ゲートを用いて、ある時間以上の反射波(検知 信号)を除去したり、あるいは各検知領域E1、E2、E3の反射波に対して予 め設定されているフィルタを用いて、ある周波数以上の反射波(検知信号)を除 去したりして、各検知領域(各ビームの検知領域)を外れる領域からの検知信号 の排除(レンジカット)を行っている。 このようなレンジカット処理によって車両1のカーブ走行時の曲がり方向と反 対側の領域(図8ではE1の領域)の外側域である不検知領域e1、e2、e3 にある障害物C,Gを走行方向の障害物と誤判定して検知信号を出力するという ような不具合を除去している。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
処で、ステアリング角度θsによって得られた車両の直進、左右曲り方向の情 報に基づいてレンジカット処理を行った場合、次のような不具合が生じている。 即ち、ステアリング角度θsに応じ、極低速時の旋回半径を求め、この旋回半 径に応じてレンジカット処理のための検知距離をそれぞれの検知領域毎に一様に 設定したとする。すると、同一のステアリング角度θsであっても、タイヤの横 滑り量が多くなることより、図9(a)に示す低速時の旋回半径Raに対して、 図9(b)に示す高速時の旋回半径Rbが大きくなる。このため、図9(a)に 示す低速時における各検知領域a1,a2,a3の各検知距離は比較的適正値に 成り、不検知領域e1,e2,e3も適正なものとなる。他方、図9(b)に示 す高速時における各検知領域a1,a2,a3は短すぎてしまい、本来検知領域 とすべき検知不可領域b1,b2,b3が拡がってしまう。このように、ステア リング角度θsに応じた検知領域の設定によるレンジカット処理では、高速走行 時に検知不可領域b1,b2,b3が拡がってしまい、逆に、極低速時には検知 領域が極端に短くなり、誤信号が発生しやすくなり、十分に車間距離警報装置の 機能を発揮出来ず問題と成っている。
【0006】 更に、運転者はひとつのカーブを通過する際に、ハンドルを常に一定角に保っ て運転するものでなく、ステアリング角度θsは頻繁に変化する。このため、ス テアリング角度θsに応じレンジカット距離(検知距離)を決めると誤警報が出 やすく、この点でも問題があった。 本考案の目的は、車速変化による検知不可領域の発生や誤検知を防止出来る車 間距離警報装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本考案は放射方向が左右に区分された複数の各 レーダビームを車両の前方にそれぞれ放射するアンテナと、上記アンテナに発進 信号を出力すると共に受信信号を受ける送受信機と、障害物の検知領域に応じた 検知距離を設定する検知距離設定手段と、上記検知領域内の障害物に応じた検知 信号を上記発進信号と受信信号とに基づき算出して出力する信号処理手段と、上 記車両の車速情報を出力する車速センサと、上記車両のヨーレイト情報を出力す ヨーレイトセンサと、上記車速及びヨーレイトに基づき車両の旋回半径を算出す る旋回半径算出手段と、車両のステアリング角度情報を出力するステアリング角 センサと、上記ステアリング角度に基づき車両の旋回半径を算出する極低速時旋 回半径算出手段と、上記旋回半径及び上記極低速時旋回半径の内の大きい方の旋 回半径を選択して出力する選択手段とを有し、上記検知距離設定手段は上記選択 された旋回半径に基づき上記各レーダビームの検知距離を、反旋回側レーダビー ムの検知距離ほど短く設定し、旋回側レーダビームの検知距離ほど長く設定する ことを特徴とする。
【0008】
【作用】
車速センサが車速情報を出力し、ヨーレイトセンサがヨーレイト情報を出力し 、ステアリング角センサがステアリング角度情報を出力し、旋回半径算出手段が 車速及びヨーレイトに基づき車両の旋回半径を算出し、極低速時旋回半径算出手 段がステアリング角度に基づき車両の旋回半径を算出し、選択手段が旋回半径及 び上記極低速時旋回半径の内の大きい方の旋回半径を選択し、検知距離設定手段 が選択された旋回半径に基づき各レーダビームの検知距離を、反旋回側レーダビ ームの検知距離ほど短く設定し、旋回側レーダビームの検知距離ほど長く設定す るので、信号処理手段が検知領域内の障害物に応じた検知信号を発進信号と受信 信号とに基づき算出して出力する際に、走行方向より外れ易い反旋回側の検知領 域の障害物からの不要な検知信号を排除出来る。
【0009】
【実施例】
図1の車間距離警報装置は自動車10前部先端に取付けられると共にパルス波 を出力する第1、第2及び第3の各アンテナ11,12,13と、各アンテナの 送信アンテナ111,121,131より送信波を出力させると共に受信アンテ ナ112,122,132によって受信波を受ける第1、第2及び第3の各送受 信器14,15,16と、各受信器14,15,16の受信波を受け障害物の有 無を判断して検知信号Seを出力できるコントローラ17と、自動車10の車速 Vc情報をコントローラ17に出力する車速センサ18と、自動車10の走行方 向経の変位角であるヨー角α(図2参照)の時間比率をヨーレート(°/sec) としてコントローラ17に出力するヨーレートセンサ19と、車両のステアリン グ角度θs情報を出力するステアリング角センサ23とを備える。
【0010】 ここで、第1、第2及び第3の送信アンテナ111,121,131は第1、 第2及び第3送受信器14,15,16に制御されて、所定の時間幅tb(図5 (c)参照)毎に送信波であるパルスp1,p2,p3(図5(a),(b), (c)参照)を順次放射する。第1、第2及び第3の受信アンテナ112,12 2,132は第1、第2及び第3送受信器14,15,16に制御されて受信波 である受信パルスpr(図5(a),(b),(c)参照)を順次放射する。
【0011】 ここで第2送信アンテナ121は平面視における車体中心線の方向で所定の向 い角内にある検知領域A2にパルスp2を放射し、第1送信アンテナ111は平 面視における検知領域A2の左近接域にある検知領域A1にパルスp1を放射し 、第3送信アンテナ131は平面視における検知領域A2の右近接域にある検知 領域A3にパルスp3を放射する。
【0012】 ここでコントローラ17は後述するような旋回半径算出手段20、検知距離設 定手段21、信号処理手段22、極低速時旋回半径算出手段24及び選択手段2 5としての機能を備える。 各送受信器14,15,16は同様の構成を採り、各送信アンテナ111,1 21,131に所定幅のパルスp1,p2,p3の放射を行わせる周知の発振器 (図示せず)が接続され、第1、第2及び第3の各受信アンテナ112,122 ,132に各受信パルスprを増幅して出力する周知の増幅器(図示せず)が接 続される。これら各発振器の発振信号及び増幅器の出力である受信パルスprは コントローラ17の信号処理手段22に出力される。
【0013】 ヨーレートセンサ19は図2に示すように車体の中心線Lcの平面視における 変化角であるヨー角α情報を図示しない慣性体の動きより経時的に順次検出し、 そのヨー角αの単位時間における変化、即ち時間比率をヨーレートγ(°/sec )として算出するタイマ及び演算回路を備える。 してコントローラ17に出力する。ここでヨー角αの変化は図示しないヨーレー トセンサ19とを備える。 このようなヨーレートγ及び車速Vcは旋回半径算出手段20に取り込まれる 。 この旋回半径算出手段20は下式(1)によりヨーレートγを算出する。
【0014】 R=V/(γ×π/180)・・・・・・・・(1) なお、旋回半径:R(m)、車速:V(m/sec)とする。この(1)式に よって得られた旋回半径R(m)は車速Vcに比例し、ヨーレートγに反比例す ることより、前述したような車速増に伴うタイヤスリップによる旋回半径の増加 を考慮出来ることとなる。
【0015】 なお、(1)式を考慮し、ヨーレートγ及び車速Vcより車両の旋回半径Rを 算出する旋回半径マップ(図3参照)を予め製作しておき、これに基づき旋回半 径Rを算出しても良い。なお、この旋回半径マップは各車両の運転特性に応じて 異なり、予め車両毎に製作されたものが採用されることとなる。 コントローラの極低速時旋回半径算出手段24は車両のステアリング装置(図 示せず)に付設されるステアリング角センサ23よりステアリング角度θs情報 を取り込み、ニュートラル位置(直進対応位置)に対する現在のステアリング角 度θs相当の情報(パルス数)を算出する。その上で、極低速時のデータに沿っ て作成されている図示しない旋回半径Rs算出マップに沿って、ステアリング角 度θs相当の旋回半径Rsを算出する。
【0016】 このようなヨーレートγに基づく旋回半径Rとステアリング角度θsに基づく 極低速時旋回半径Rsは選択手段25に入力される。ここで選択手段25は両旋 回半径R、Rsの内の大きい方の選択された旋回半径R1を選択して出力する。 この場合、ヨーレートγに基づく旋回半径R及びステアリング角度θsに基づく 極低速時旋回半径Rsの内の大きい方の旋回半径が選ばれることによって、過渡 的なステアリング角度θsの変化による検知信号の出力を防止し、しかも、検知 不可領域b1,b2,b3(図9(b)参照)の発生を極力低減させることがで きる。
【0017】 コントローラの検知距離設定手段21は旋回半径R1に基づき第1、第2及び 第3の各検知領域A1,A2,A3毎の検知距離B1,B2,B3を設定する。 特に、旋回方向と反対側の反旋回側の検知領域の検知距離ほど短く設定し、旋回 方向の旋回側の検知領域の検知距離ほど長く設定する用に構成されている。この ような特性を考慮して図4に示すような検知距離算出マップが設定されている。 ここで、右旋回であると、各検知領域A1,A2,A3の検知距離はB1<B2 <B3を保ったままで右旋回量の増加と共に各値が増加する様に設定され、逆に 、左旋回であると、各検知領域A1,A2,A3の検知距離はB1>B2>B3 を保ったままで左旋回量の増加と共に各値が増加する様に設定される。
【0018】 コントローラの信号処理手段22は各検知領域A1,A2,A3に応じた各検 知距離B1,B2,B3内の障害物に応じた検知信号Seを各パルスp1,p2 ,p3(発進信号)と各受信パルスpr(受信信号)とに基づき算出して出力す る。 即ち、コントローラの信号処理手段22は各検知距離B1,B2,B3相 当の検知時間tf1,tf2,tf3を順次算出する。なお、パルスレーダでの 検知距離Bと検知時間tfは比例し、比例定数をk1とすると(2)式の様にな る。
【0019】 B=k1×tf・・・・・・・・(2) これ故、第1、第2及び第3の各送受信器14,15,16からの各パルスp 1,p2,p3の立上り時点より各検知時間tf1,tf2,tf3の経過時ま でに入力する受信パルスprの有無を判断する。受信パルスprの入力時には検 知信号Seを図示しない警報手段や車速規制手段に出力することと成る。 ここで、コントローラ17の行う車間距離警報制御処理を図6の車間距離警報 制御ルーチンに沿って説明する。
【0020】 制御がスタートすると、ステップs1に達し、ここで車速Vcが設定されたシ ステム作動域か否かを判定する閾値としての車速30(Km/h)を上回ったか 否か判定し、下回っている間はリターンし、上回るとステップs2に進む。ここ では最新のヨーレートγを取り込み、この値が0か否か判断し、0(直進)では リターンし、非直進ではステップs3に進む。ステップs3では車速Vc、ヨー レートγより(1)式に応じて旋回半径Rを算出し、その旋回半径Rより検知距 離B1,B2,B3(レンジカット距離)を算出する。その上で検知距離B1, B2,B3相当の検知時間tf1,tf2,tf3を順次算出する。
【0021】 更にステップs4に進むと、最新のステアリング角度θs情報を取り込み、そ の値に応じた極低速時相当の旋回半径Rsを図示しない旋回半径Rs算出マップ に沿って算出し、更に、その旋回半径Rsより検知距離B1’,B2’,B3’ (レンジカット距離)を算出する。その上で検知距離B1,B2,B3相当の検 知時間tf1’,tf2’,tf3’を順次算出する。
【0022】 この後ステップs5に進み、ヨーレートγに基づく検知距離B1,B2,B3 (レンジカット距離)がステアリング角度θsに基づく検知距離B1’,B2’ ,B3’(レンジカット距離)より大きいか否か判断されて、大きいとステップ s6に、そうでないと、即ち、ステアリング角度θsに基づく検知距離B1’, B2’,B3’(レンジカット距離)がヨーレートγに基づく検知距離B1,B 2,B3(レンジカット距離)より大きいとステップs7に進む。
【0023】 ここでステップs6に達すると、第1、第2及び第3の各送受信器14,15 ,16からの各パルスp1,p2,p3(発進信号)に時間フィルタをかけ、即 ち、各送受信器14,15,16からの各パルスp1,p2,p3の立上りから の検知時間tf1,tf2,tf3内に、入力される受信パルスpr(受信信号 )のみを検知信号Seと見做して出力してリターンする。他方、ステップs5よ りs7に達すると、第1、第2及び第3の各送受信器14,15,16からの各 パルスp1,p2,p3(発進信号)に時間フィルタをかけ、即ち、各送受信器 14,15,16からの各パルスp1,p2,p3の立上りからの検知時間tf 1’,tf2’,tf3’(図示せず)内に、入力される受信パルスpr(受信 信号)のみを検知信号Seと見做して出力してリターンする。
【0024】 このように、コントローラは時間フィルタによって、検知時間tf1,tf2 ,tf3,tf1’,tf2’,tf3’内に入力した各受信パルスprに基づ き(図5(a),(b)参照)検知信号Seを出力し、検知時間tf1,tf2 ,tf3,tf1’,tf2’,tf3’の経過後、即ち、時間フィルタを外れ た受信パルスpr(図5(a),(b),(c)参照)は排除する。この結果、 走行方向とは異なる反旋回方向の障害物による誤検知を排除出来る。特に、ヨー レートγに基づく検知距離B1,B2,B3(レンジカット距離)と、ステアリ ング角度θsに基づく検知距離B1’,B2’,B3’(レンジカット距離)よ りそれぞれ旋回半径R,Rsを求め、その内の大きい値が選択された旋回半径R 1として設定され、その値に基づく検知距離(レンジカット距離)相当の検知時 間tf1,tf2,tf3,tf1’,tf2’,tf3’が算出され、これに よる時間フィルタを使用する。このため、適確な検知距離(レンジカット距離) を確保出来るので、検知不可領域(図9(b)参照)の発生を極力防止出来、更 に、過渡的なステアリング角度θsの変化による検知信号の出力を防止し、しか も、ステアリング角度θsと比べて変動の少ないヨーレートγを用いるので、車 速変化による誤検知をも低減出来る。
【0025】 上述のところにおいて、図1の車間距離警報装置ではパルスレーダによる障害 物の検知を行っていたが、これに代えて、周波数変調方式(FM−CW)レーダ を用いても良い。この場合の車間距離警報装置は図1の装置と同一部材を多く含 みここでは重複説明を略す。即ち、図1の装置の内の送受信器14,15,16 が周知のFM−CWレーダ用に代えられ、コントローラ17内の信号処理手段2 2の制御(図7に制御フローを示した)が相違するのみである。
【0026】 ここでのコントローラ17の信号処理手段(図1参照)は送信波周波数fhと 受信波周波数frの差Δf(=fh−fr)のビート出力を検知し、検知時には これを増幅して検知信号Seとして出力する。この場合、特に、各検知距離B1 ,B2,B3相当の各検知周波数(周波数フィルタ)f1,f2,f3を順次算 出する。なお、FM−CWレーダでの検知周波数fnは検知距離Bと比例し、比 例定数をk2とすると(3)式の様になる。
【0027】 B=k2×fn・・・・・・・・(3) これ故、第1、第2及び第3の各送受信器14,15,16からの各送信周波 数fh及び受信周波数frの差Δf(=fh−fr)のビート出力を検知した際 には、これを増幅して、各検知周波数(周波数フィルタ)f1,f2,f3内に あると、検知信号Seとして図示しない警報手段や車速規制手段に出力すること と成る。 ここで、コントローラ17の行う車間距離警報制御処理を図7の車間距離警報 制御ルーチンに沿って説明する。なお、図6中にあるものと同一ルーチンについ てはその重複説明を簡略化する。
【0028】 制御がスタートすると、ステップs1に達し、車速Vcが30(Km/h)以 下でない限りステップs2に進む。ここでヨーレートγが0の直進でない限りス テップs3に進む。ステップs3’では車速Vc、ヨーレートγ相当の旋回半径 R、及び、旋回半径R相当の検知距離B1,B2,B3を算出する。その上で検 知距離B1,B2,B3相当の各検知周波数f1,f2,tf3を順次算出する 。 ステップs4’に進むと、ステアリング角度θsに応じた極低速時相当の旋 回半径Rsを算出し、その旋回半径Rsより検知距離B1’,B2’,B3’( レンジカット距離)を算出する。その上で検知距離B1,B2,B3相当の各検 知周波数f1’,f2’,f3’を順次算出する。
【0029】 この後ステップs5’に進み、ヨーレートγに基づく検知周波数f1,f2, tf3がステアリング角度θsに基づく各検知周波数f1’,f2’,f3’よ り大きいか否か判断されて、大きいとステップs6’に、そうでないと、ステッ プs7’に進む。 ここでステップs6に達すると、第1、第2及び第3の各送受信器14,15 ,16からの各パルスp1,p2,p3(発進信号)に周波数フィルタをかけ、 即ち、各送信周波数fh及び受信周波数frの差Δf(=fh−fr)のビート 出力を検知した際には、これを増幅して、各検知周波数(周波数フィルタ)f1 ,f2,f3内にあると、検知信号Seとして図示しない警報手段や車速規制手 段に出力し、リターンする。
【0030】 他方、ステップs5’よりs7’に達すると、第1、第2及び第3の各送受信 器14,15,16からの各パルスp1,p2,p3(発進信号)に時間フィル タをかけ、即ち、各送信周波数fh及び受信周波数frの差Δf(=fh−fr )のビート出力を検知した際には、これを増幅して、各検知周波数(周波数フィ ルタ)f1’,f2’,f3’内にあると、検知信号Seとして図示しない警報 手段や車速規制手段に出力し、リターンする。
【0031】 このように、周波数フィルタによって、各検知周波数f1,f2,f3,f1 ’,f2’,f3’内に入力した受信波frに基づき検知信号Seを出力するの で、周波数フィルタを外れた受信周波数の受信波(受信信号)は排除されること と成り、走行方向とは異なる反旋回方向の障害物による誤検知を排除出来る。特 に、ヨーレートγ及びステアリング角度θsに基づく周波数フィルタを使用する ため、適確な検知距離(レンジカット距離)を確保出来るので、検知不可領域( 図9(b)参照)の発生を極力防止出来、更に、過渡的なステアリング角度θs の変化による検知信号の出力を防止し、しかも、ステアリング角度θsと比べて 変動の少ないヨーレートγを用いるので、車速変化による誤検知をも低減出来る 。
【0032】
【考案の効果】
以上のように、この考案は、車速及びヨーレイトに基づく旋回半径と、ステア リング角度に基づく旋回半径を算出し、その内の大きい旋回半径に基づき各レー ダビームの検知距離を、反旋回側レーダビームの検知距離ほど短く設定し、旋回 側レーダビームの検知距離ほど長く設定するので、検知領域内の障害物に応じた 検知信号を発進信号と受信信号とに基づき算出して出力する際に、走行方向より 外れ易い反旋回側の検知領域の障害物からの不要な検知信号を排除出来ことが出 来、特に、車速変化による検知不可領域の発生を極力防止出来、更に、過渡的な ステアリング角度θsの変化による検知信号の出力を防止し、しかも、ステアリ ング角度θsと比べて変動の少ないヨーレートγをも用いるので、車速変化によ る誤検知を低減出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例としての車間距離警報装置の
概略構成図である。
【図2】図1の装置を搭載した自動車の姿勢説明図であ
る。
【図3】図1の装置のコントローラが採用可能な旋回半
径算出マップの3次元特性線図である。
【図4】図1の装置のコントローラの用いるが検知距離
算出マップの特性線図である。
【図5】(a)は図1の装置の第1送受信器内での作動
説明のための波形図、(b)は図1の装置の第2送受信
器内での作動説明のための波形図、(c)は図1の装置
の第3送受信器内での作動説明のための波形図である。
【図6】図1の装置の制御フローチャートである。
【図7】本考案の他の実施例としての車間距離警報装置
装置の制御フローチャートである。
【図8】従来の装置の概略構成図である。
【図9】(a)は従来の装置の低速時における作用説明
図である。(b)従来の装置の高速時における作用説明
図である。
【符号の説明】
10 自動車 11 送受信器 12 送受信器 13 送受信器 14 送受信器 15 送受信器 16 送受信器 17 コントローラ 18 車速センサ 19 ヨーレートセンサ 20 旋回半径算出手段 21 検知距離算出手段 22 信号処理手段 B1 検知距離 B2 検知距離 B3 検知距離 B1’ 検知距離 B2’ 検知距離 B3’ 検知距離 R 旋回半径 γ ヨーレート fn 検知周波数 f1 検知周波数 f2 検知周波数 f3 検知周波数 f1’ 検知周波数 f2’ 検知周波数 f3’ 検知周波数

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射方向が左右に区分された複数の各レー
    ダビームを車両の前方にそれぞれ放射するアンテナと、
    上記アンテナに発進信号を出力すると共に受信信号を受
    ける送受信機と、障害物の検知領域に応じた検知距離を
    設定する検知距離設定手段と、上記検知領域内の障害物
    に応じた検知信号を上記発進信号と受信信号とに基づき
    算出して出力する信号処理手段と、上記車両の車速情報
    を出力する車速センサと、上記車両のヨーレイト情報を
    出力すヨーレイトセンサと、上記車速及びヨーレイトに
    基づき車両の旋回半径を算出する旋回半径算出手段と、
    車両のステアリング角度情報を出力するステアリング角
    センサと、上記ステアリング角度に基づき車両の旋回半
    径を算出する極低速時旋回半径算出手段と、上記旋回半
    径及び上記極低速時旋回半径の内の大きい方の旋回半径
    を選択して出力する選択手段とを有し、上記検知距離設
    定手段は上記選択された旋回半径に基づき上記各レーダ
    ビームの検知距離を、反旋回側レーダビームの検知距離
    ほど短く設定し、旋回側レーダビームの検知距離ほど長
    く設定することを特徴とする車間距離警報装置。
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