JPH05923A - 美爪料 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】塗膜の光沢に優れた美爪料を提供する。 【構成】本発明はセラミド、グルコシルセラミド、ガラ
クトシルセラミドの少なくとも１種と四級化シルクポリ
ペプタイドを配合することを特徴とする美爪料である。
本発明でいうセラミド、グルコシルセラミド、ガラクト
シルセラミドは爪に多く含まれる細胞間脂質を構成する
化合物である。また四級化シルクポリペプタイドは絹繊
維中のフィブロインタンパク質を加水分解して得られた
シルクポリペプタイドを四級化したものである。上記成
分を配合した美爪料は優れた塗膜の光沢を示し、爪甲の
乾燥を防ぐことにも優れている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は使用性を改良した美爪料
組成物に関する。さらに詳しくは、塗膜の光沢に優れ、
爪甲の乾燥を防ぐ美爪料組成物に関する。

【０００２】

【従来の技術】ニトロセルロースやアルキッド樹脂をト
ルエンや酢酸エチル、酢酸ブチル等に溶解した溶剤系美
爪料はメイクアップ化粧料の一つとして欠くべからざる
ものとなっている。美爪料に必要とされる特性の中で
も、塗膜の光沢は爪を美しく見せるためにも重要な要素
であり、美しい光沢のある塗膜をもつ美爪料が求められ
てきた。

【０００３】通常、爪には７．０〜１２．０重量％の水
分と０．１〜１．０重量％の脂質が存在しており爪の保
護がなされている。しかし美爪料を使用することによ
り、美爪料中の溶剤による脱水、脱脂作用のため爪成分
の水分揮散が高まり爪甲の表面の角質細胞剥離度が増加
し微細な凸凹を生じる。従来の溶剤系美爪料では水分保
持剤や爪に吸着しやすい親水性皮膜剤が配合されていな
いため、溶剤による脱水作用、脱脂作用により爪成分の
水分揮散が高まり爪甲の表面の角質細胞剥離度が増加
し、凸凹を生じてしまう。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】塗膜の光沢は美爪料を
塗布する時に爪甲表面上の微細な凸凹が塗膜表面上に転
写され、その影響を受けて減少する為、従来の美爪料で
はいずれも満足できる光沢が得られなかった。そのた
め、美爪料の連用による微細な凸凹の発生を押え、その
上、塗布時には微細な凸凹を平滑にする美爪料が望まれ
ていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
事情に鑑み鋭意研究を重ねた結果、美爪料にセラミド、
グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミドの少なくと
も１種以上と四級化シルクポリペプタイドを配合するこ
とにより、角質細胞の剥離を抑えて塗膜の光沢を改良
し、しかも爪甲の乾燥を防ぐ美爪料が得られることを見
いだし、この知見に基づいて本発明を完成させるに至っ
た。

【０００６】即ち、本発明はセラミド、グルコシルセラ
ミド、ガラクトシルセラミドの少なくとも１種以上と四
級化シルクポリペプタイドを配合することを特徴とし、
塗膜の光沢を改良したネイルエナメルを提供するもので
ある。以下に本発明の構成について述べる。

【０００７】本発明で用いられるセラミド、グルコシル
セラミド、ガラクトシルセラミドは細胞間脂質ともいわ
れ、爪には表皮と比較して特異的に多く含まれ、爪の保
護に重要な役割をはたしている物質である。本発明で用
いられるセラミドはＮ−アシルスフィンゴシン，Ｎ−
（α−ヒドロキシアシル）−フィトスフィンゴシン，Ｎ
−アシルフィトスフィンゴシンなどの混合物である。ま
た、グルコシルセラミドは主にＮ−アシルグルコシルス
フィンゴシン，Ｎ−（α−ヒドロキシアシル）−グルコ
シルフィトスフィンゴシン，Ｎ−（α−ヒドロキシアシ
ル）−グルコシルスフィンゴシン，Ｎ−（アシル−ω−
ヒドロキシアシル）グルコシルスフィンゴシンなどの混
合物である。ガラクトシルセラミドは主にＮ−アシルガ
ラクトシルスフィンゴシン，Ｎ−（α−ヒドロキシアシ
ル）−ガラクトシルフィトスフィンゴシン，Ｎ−（α−
ヒドロキシアシル）−ガラクトシルスフィンゴシンなど
の混合物ある。本発明で用いられるセラミド，グルコシ
ルセラミド，ガラクトシルセラミドの少なくとも１種の
配合量は美爪料全体に対して０．００１〜３．０重量％
であり、好ましくは０．０１〜１．０重量％である。
０．００１重量％未満では本発明の美爪料光沢改良効果
が期待できなく、また３．０重量％を越えても効果の向
上は望めない。

【０００８】また、四級化シルクポリペプタイドは、絹
繊維中のフィブロインタンパク質を加水分解して得られ
たシルクポリペプタイドを四級化したもので爪甲表面に
対して吸着性が高く皮膜を形成する。その平均分子量は
好ましくは５００〜２０００であり構造式は下記で表さ
れる。 本発明で使用する四級化シルクポリペプタイドは美爪料
全体に対して０．００１〜１．０重量％であり、好まし
くは０．０１〜０．５重量％である。０．００１重量％
未満では本発明の美爪料の光沢改良効果が期待できな
く、また１．０重量％を越えても効果の向上は望めな
い。

【０００９】本発明の美爪料には上記の必須成分に加え
て、美爪料成分としては特に制約はなく、例えばニトロ
セルロース、レジン、可塑剤、顔料、溶剤、増粘剤、染
料、パール剤、香料、ラメ剤、保湿剤、紫外線吸収剤等
が配合される。

【００１０】

【実施例】次に実施例によって、本発明をさらに詳細に
説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものでは
ない。尚、配合量は重量％である。

【００１１】表−１，２の処方に基づき常法に従って製
造し美爪料を得た。 成分１〜１３は次の成分を使用した。 成分１：ニトロセルロース１／４ ２：アルキッド樹脂 ３：ジブチルフタレート ４：酢酸エチル ５：酢酸ブチル ６：カンファー ７：トルエン ８：顔料 ９：有機ベントナイト １０：セラミド １１：グルコシルセラミド １２：ガラクトシルセラミド １３：四級化シルクペプタイド 以下余白

【００１２】

【発明の効果】実施例１〜７、比較例１〜５の美爪料の
各項目の評価結果を表−３，４に示す。実施例に示した
塗膜の光沢、水分保持能、爪の損傷程度についての試験
法は以下の通りである。

【００１３】塗膜の光沢 ２０名をパネルとして下記の基準で評価した ◎────非常に光沢がある ○────光沢がある △────光沢がない ×────非常に光沢がない

【００１４】水分保持能 爪を湿度８０％条件下のデシケーターに４８時間放置
後、表−１のネイルエナメルを一定量塗布し、乾燥後湿
度２０％条件下のデシケーターに４８時間放置し水分の
揮発率より水分保持能を求め下記の基準で評価した。 ◎────非常に水分保持能がある ○────水分保持能がある △────水分保持能がない ×────非常に水分保持能がない

【００１５】爪の損傷程度 １試料につき１０名をパネルとして、２日に１回使用す
る連用テスト（一ヶ月）を行い爪の表面を走査型電顕で
観察し、角質細胞の剥離度より下記の基準で評価した。
◎────損傷していない ○────やや損傷している △────損傷している ×────非常に損傷している 以下余白

【００１７】

【００１８】表−３から明らかなように、上記の成分の
配合された実施例１〜３は比較例１〜５に比べて塗膜の
光沢、水分保持能、爪の損傷程度、塗り易さの各効果に
優れている。また表−４から明らかなように、実施例４
〜７においても塗膜の光沢、水分保持能、爪の損傷程
度、塗り易さの各効果に優れている。本発明の美爪料
は、塗膜の光沢を改善し、健康な爪を保つ効果を有する
美爪料である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加藤 浩 愛知県名古屋市西区鳥見町２丁目130番地 日本メナード化粧品株式会社中央研究所 内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セラミド、グルコシルセラミド、ガ
   ラクトシルセラミドの少なくとも１種以上と四級化シル
   クポリペプタイドを配合することを特徴とする美爪料。
2. 【請求項２】 セラミド、グルコシルセラミド、ガ
   ラクトシルセラミドの少なくとも１種の配合量が０．０
   ０１〜３．０重量％であり、且つ四級化シルクポリペプ
   タイドの配合量が０．００１〜１．０重量％である請求
   項第１項記載の美爪料。