JPH0592314A - クランプ部材 - Google Patents

クランプ部材

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JPH0592314A
JPH0592314A JP19688291A JP19688291A JPH0592314A JP H0592314 A JPH0592314 A JP H0592314A JP 19688291 A JP19688291 A JP 19688291A JP 19688291 A JP19688291 A JP 19688291A JP H0592314 A JPH0592314 A JP H0592314A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削工具のチップ等を押圧する楔部材の耐久
性を向上させる。 【構成】 楔部材8を精密鋳造で成形してその上面9を
精密鋳造による焼肌面16とする。焼肌面16の表層部
には、脱炭層17を残したまま窒化処理を施して硬化層
18を形成する。硬化層18の最表面は窒化処理後の仕
上げ加工を受けない素肌面20とする。 【効果】 窒化処理により上面9の表層部の脱炭層17
に摩擦抵抗が小さくて潤滑性の高い化合物層19が形成
され、化合物層19の表面は焼肌面16に倣った凹凸形
状をなす素肌面20とされるので、上面9を滑る切屑の
摺動抵抗が減って損傷が防止される。凹凸によって上面
9の表面積も増加するので放熱性が向上して熱疲労によ
る損傷もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、正面フライス、エン
ドミル等のスローアウェイ式切削工具においてスローア
ウェイチップやサポータ等の部品を固定するために用い
られる楔部材その他のクランプ部材の耐久性の改良に関
する。
【0002】
【従来の技術】スローアウェイ式正面フライス等の切削
工具や、スローアウェイ式バイトなどの切削工具におい
ては、切削工具に装着されるスローアウェイチップ(以
下、チップと略称する。)やチップを保持するサポータ
等の部品を押圧してその移動を拘束するために、楔部
材、クランプ駒その他種々の構成のクランプ部材が使用
されている。
【0003】ところで、この種のクランプ部材はチップ
のすくい面側に配置されることが多いため、切削時に生
成される切屑との接触による摩耗、損傷を受け易い。こ
の点、特に正面フライスのチップポケット内に装着され
る楔部材にあっては、その上面をチップポケットの壁面
に沿って凹曲面状に湾曲させて積極的に切屑の案内を行
っているため、切屑との擦過による楔部材の早期摩耗、
損傷が大きな問題となる。
【0004】そこで、この種のクランプ部材では、例え
ば特開昭51−15871号、特開昭54−13488
9号に記載されているように、クランプ部材の表面のう
ち特に切屑との擦過が避けられない部分に硬化層を形成
してクランプ駒の摩耗防止を図ることが行われている。
そして、この場合の硬化層は、上記公報にも記載されて
いるように、浸炭焼入に代表される熱処理の他、窒化処
理や硬質メッキ等が用いられ、しかも、これら硬化層の
表面はバフ研磨によって鏡面仕上げされていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のクランプ部材では、切屑接触面の表層部に形成した
硬化層の表面を鏡面仕上げしているため、硬化層表面の
摩擦係数自体は小さくなるものの、実際にはクランプ部
材の切屑接触面と切屑とが全面に渡って面接触して両者
間の接触面積が増加するために切屑の摺動抵抗はさほど
減少せず、摩擦熱も依然として高めに発生していた。従
って、切屑との擦過による切屑接触面の損傷や熱的疲労
による損傷、ダレ等を防止する点で未だ改良の余地があ
った。この発明は上記欠点を解消するためになされたも
ので、耐久性に優れたクランプ部材を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明のクランプ部材は、切削工具に装着されるス
ローアウェイチップその他の部品と当接する当接部と、
上記切削工具の切刃で生成される切屑と接触する切屑接
触面とを具備してなるクランプ部材であって、上記切屑
接触面の表層部は、精密鋳造によって得られた焼肌面の
表層部に窒化処理による硬化層が形成された構成とさ
れ、さらに上記切屑接触面の硬化層の表面が窒化処理後
の仕上げ加工を受けない素肌面とされているものであ
る。
【0007】なお、ここでいう切屑接触面には、上述し
た正面フライス用楔部材に形成される凹曲面のように切
屑を積極的に案内するために形成された面に限らず、切
削時に切屑との接触が避けられないあらゆる面が含まれ
る。また、切屑接触面の表層部に形成される上記硬化層
の硬度は、当該硬化層の表面から0.1mmの深さにおい
てHV500以上とすることが望ましい。
【0008】
【作用】精密鋳造で得られる焼肌面は丸みを持った微細
な凹凸面であり、その表層部分には通常0.1mm以下の
脱炭層が存在する。一方、窒化処理によって硬化層を形
成する場合には、硬化層の最表層部分に厚さ0.01〜
0.05mm程度の化合物層が形成される。従って、精密
鋳造で得られる焼肌面の表面に窒化処理を施した場合、
脱炭層内に上記化合物層が形成され、脱炭層の下に硬化
層が形成されることとなる。
【0009】ここで、窒化処理で生成される化合物層は
摩擦抵抗が低くて潤滑性が高いという特質を有し、しか
も化合物層の表面は脱炭層の表面に倣って微細な凹凸面
となるため、クランプ部材の切屑接触面を窒化処理後の
仕上げ加工を受けない素肌面のまま放置しておけば、切
屑接触面の摩擦抵抗は小さくなりかつ切屑との接触面積
も小さくなって現実の切屑摺動抵抗も大きく減少する。
また、化合物層表面が凹凸形状のため放熱性も向上し、
高い摩擦熱が蓄積されることがない。しかも、化合物層
の形成過程ではポアーが発生して表面の凹凸が拡大し、
これに伴って切屑接触面の表面積が大きくなるので摩擦
熱の放熱効果が一層高まる。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図4を参照して、本発明の一実
施例を説明する。図2において符号1は正面フライスを
構成する工具本体である。この工具本体1は中心取付孔
1aを有する円板状に形成され、外周部には断面円弧状
に陥没する複数のチップポケット2…が周方向へ等間隔
をおいて形成され、さらにチップポケット2の周方向一
端側には楔収納溝3…及びチップ取付溝4…が連接され
ている。そして、チップ取付溝4には板状のシート5を
介してチップ6が載置され、該チップ6は、楔収納溝3
に装着されてクランプネジ7で締め付けられる楔部材
(クランプ部材)8で周方向に押圧されて工具本体1に
固定されている。なお、チップ6は、超硬合金などの硬
質材料を平板状に形成した公知のものであり、そのすく
い面をチップポケット2側へ向け、かつ主切刃6a、副
切刃6bを工具本体1の外周及び先端から突出させて装
着されている。
【0011】図2〜図4に示すように、楔部材8は、厚
さ方向に対向する上下面9、10と、これら上下面9、
10の周囲に配置される四つの側面11〜14と、上下
面9、10を貫いてクランプネジ7と螺合するネジ穴1
5とを備えてなるもので、チップ6のすくい面に当接す
る側面(当接部)11がネジ穴15の軸線に対して所定
角傾けて形成される一方で、工具本体1の楔収納溝3の
壁面3aと密着する側面12がネジ穴15の軸線と平行
に形成されることにより、クランプネジ7の締め込みに
伴って所定の楔効果が発揮される構成とされている。な
お、図において下方に位置する側面14が側面13に対
して傾斜しているのは、当該楔部材8を楔収納溝3に取
り付けた際に、側面14が工具本体1の表面とほぼ面一
をなすようにするためである。
【0012】楔部材8の上面9はチップポケット2の壁
面に連続して断面円弧状に湾曲する湾曲面に形成され、
これにより当該上面9はチップ6の主切刃6aおよび副
切刃6bで生成される切屑と擦過する切屑接触面とされ
ている。この上面9は、上述した従来例と同じく窒化処
理による硬化層が形成されてなるものであるが、その形
成手順が従来と異なり、これに伴って具体的形状も従来
と全く異なるものとなっている。以下、その詳細を図1
を参照して上面9の形成手順とともに説明する。
【0013】図1(a)に示すように、楔部材8の形成
過程において、上面9は、当初精密鋳造によって得られ
た焼肌面16に形成される。この焼肌面16は、丸みを
持った微細な凹凸面、すなわち凸部分の先端が鋭利でな
く適度に丸まった凹凸面となっており、その表層部には
脱炭層17が存在する。脱炭層17は通常厚さ0.1mm
程度であり、焼入処理を施しても硬度が上昇しないとい
う性質を有する。従って、通常は上面9の形成過程で脱
炭層17を研削加工などによって除去するが、本実施例
では脱炭層17を残したまま次工程へ進む。なお、楔部
材8の材質には種々の鋼材が使用され、図示例では硬度
RC30〜55程度のクロムモリブデン鋼(JIS規
格:SCM440)が使用されている。また、精密鋳造
による焼肌面16を得るためには、楔部材8を1個づつ
精密鋳造する他、断面形状が上面9と同一の湾曲面を備
えたインゴットを鋳造し、これを所定幅ごとに切り出し
て楔部材8を得ても良い。
【0014】精密鋳造による焼肌面16のまま放置され
た上面9は、ついで窒化処理を受ける。この窒化処理
は、例えば、楔部材8をアンモニアガス(NH3)その
他の窒素を含むガス雰囲気内で加熱することにより窒素
原子を楔部材8の表面から浸透させて窒化層を形成する
ガス窒化が好適に用いられる。その他にも、青化塩(K
CN、NaCN)とシアン酸塩(KCNO、NaCN
O)との混合溶液中に楔部材8を浸した状態で加熱する
塩浴窒化処理や、イオン窒化等種々の方法を用いること
ができる。
【0015】以上の窒化処理を受けることにより、図1
(b)に示すように上面9の表層部には所定の硬化層1
8が形成される。ここで、窒化処理による硬化層18の
形成過程では、硬化層18の最表層部に厚さ0.01〜
0.05mm程度の化合物層19が形成される。この化合
物層19は摩擦抵抗が低くて潤滑性が高いという特質を
有するものであり、上述した脱炭層17が存在する場合
であっても形成される。しかも、精密鋳造で得られる脱
炭層17の厚さよりも化合物層19の厚さの方が小さい
ので化合物層19は脱炭層17内に形成され、脱炭層1
7の下方には硬化層18のみが存在することになる。さ
らに、化合物層19の表面形状は、焼肌面16の表面形
状に倣って丸みの付いた凹凸面となる。
【0016】そして、以上の手順で硬化層18が形成さ
れた後、上面9は化合物層19の除去加工を受けること
なく窒化処理された状態のまま放置され、これにより上
面9の最表面は窒化処理後の仕上げ加工を受けない素肌
面20とされる。従って、上面9の製造過程の最終段階
において、上面9の表層部には、図1(b)に示すよう
にその最表面から内部に向けて順に、丸みを持った凹凸
面となる素肌面20、脱炭層17に含まれる化合物層1
9、窒化処理による硬化層18が存在することとなる。
【0017】なお、上述した窒化処理時の楔部材8の加
熱温度は、ガス窒化の場合で500〜550゜ C、塩浴
窒化の場合でも600゜ C未満であり、通常の焼入処理
を行う場合の加熱温度850゜ C以上と比較して遥かに
低温である。また、窒化処理時間としてはガス窒化の場
合で20〜100時間、塩浴窒化の場合で2〜3時間程
度である。また、形成する硬化層18の深さとしては
0.1mm以上0.4mm以下の範囲が好ましい。0.1mm
以下では硬化層18が薄すぎて容易に硬度が失われるお
それが大きく、他方、0.4mm以上形成した場合には表
面側の硬度が高くなり過ぎてクラックが生じるおそれが
大きいからである。ちなみにガス窒化によって上記硬化
層厚さを達成するには処理時間を20〜40時間にする
と良い。
【0018】また、窒化処理時においては、ネジ穴15
に止めネジやボルト等の埋詮を装着することにより、ネ
ジ穴内部の窒化防止を行うことが望ましい。ネジ穴15
の内部が窒化処理された場合には、ネジ山硬度が不必要
に上昇して靱性が失われ、ネジ山の割れや欠けるととも
に、クランプネジ7が損傷するおそれも生じるからであ
る。さらに、楔部材8の下面10や側面11〜14につ
いては窒化防止を行う必要はなく、窒化処理後の仕上げ
加工は必要に応じて適宜行えばよい。但し、これら側面
11〜14などについても窒化処理後の仕上げ加工を行
わないとすれば、楔部材8の製造工数の削減に大きな効
果があることは勿論である。
【0019】しかして、以上の構成からなる楔部材8に
おいては、上面9の表層部に摩擦抵抗が低くて潤滑性の
高い化合物層19が形成され、しかもその表面は丸みを
持った凹凸形状をなす素肌面20とされているので、上
面9の摩擦抵抗が小さくなり、かつ切屑との接触面積も
小さくなって現実の切屑摺動抵抗が大きく減少する。従
って、切屑との擦過による上面9の損傷が従来よりも一
層確実に防止される。また、化合物層19の表面が凹凸
形状のため表面積が増大して放熱性も向上し、高い摩擦
熱が蓄積されることがない。しかも、化合物層19の形
成過程ではポアーが発生して表面の凹凸が拡大し、これ
に伴って上面9の表面積が一層増大するので摩擦熱の放
熱効果が一層高まる。従って、熱的疲労によって楔部材
8が損傷することもなく、以上より楔部材8の耐久性が
大きく向上する。
【0020】なお、化合物層19は硬化層18に比して
硬度が低いため使用による摩耗が避けられないが、かか
る化合物層19が摩滅したところでその下部には硬化層
18が配置されているから、楔部材8自身はその後も長
期間に渡って使用できるものである。
【0021】以上の説明では、特にチップ6を押圧する
楔部材8に本願発明を適用した例を示したが、本発明の
対象であるクランプ部材はこのような楔部材に限るもの
ではない。例えば、図5に示すようにサポータ30に保
持されたチップ6を楔部材8で押圧すると同時に、サポ
ータ30自身をも別の楔部材31で押圧する構成の正面
フライスであれば、図6及び図7に示すように楔部材3
1の上面32がチップポケット2の壁面に連続して湾曲
する切屑接触面とされるので、かかる上面32の表層部
を上述した楔部材8の上面9と同一構成にすると良い。
【0022】また、図1〜図4に示す実施例では楔部材
8が上面9側からの平面視で略方形状をなしているが、
このような外観形状のものに限らず、例えば図8〜図1
0に示すように平面視略半円形状をなす楔部材40であ
っても同様に適用されるものである。ちなみに、図8〜
図10に示す例では半円の弦部分に相当する側面41が
チップへの当接部とされるとともに、上面42が切屑接
触面とされ、この上面42の表層部が図1〜図4に示す
例と同一構成とされる。
【0023】さらに、本発明は正面フライス用の楔部材
に限らず、例えばスローアウェイ式バイトのチップを押
圧するためのクランプ駒でも適用し得るものであり、こ
の場合にはクランプ駒の先端部下面側がチップへの当接
部とされる一方で、クランプ駒の先端部上面が切屑接触
面となり、かかる先端部上面に窒化処理が施される。
【0024】(実験例)次に、本発明の効果を明らかに
すべく図1〜図4に示す楔部材8と同一形状の楔部材
を、上面表層部を上記実施例と同一構成とした本発明品
と、硬化層を形成しない比較品とに分類して製作し、こ
れらを一の正面フライスに装着して所定時間切削を継続
した際の損傷程度を比較した。また、参考データとし
て、各楔部材の上面の表面粗度を切削の前後で測定して
比較した。切削後の本発明品の外観を図11及び図12
に、比較品の外観を図13及び図14に示す。また、表
面粗度の測定結果については、切削前のデータを図15
に、切削後のデータを図16に示す。なお、使用した正
面フライスの諸元、切削条件は下記の通りである。 (正面フライス諸元) ・工具外径…φ250mm ・刃数…12枚 (切削条件) ・切削速度V…150m/min. ・送り量SZ…0.15mm/刃 ・被削材材質…鋼材(JIS規格:SS41) ・切削幅…160mm ・切込み深さ…2〜4mm ・切削継続時間…2カ月(約320時間)
【0025】図11及び図12に示すように、本発明品
は切削開始後2カ月経過しても楔部材8の上面9には表
面摩耗が見受けられるものの、その進行状況はきわめて
順調であり、上面9に目立った損傷は見受けられない。
僅かに上面9の稜線部にダレ50が見られる程度であ
る。これに対して、図13及び図14に示すように比較
品では上面9の摩耗の進行が顕著であるのみならず、多
数の引っ掻き傷51や欠損52が発生し、切屑の擦過に
よる損傷が著しい。これにより、本発明の優れた耐久性
が確認された。
【0026】なお、同時に測定した表面粗度を参照する
と、切削前には図15(a)、(b)から明らかなよう
に本発明品及び比較品の双方とも、精密鋳造による凹凸
が明瞭に観察されるのに対して、図16(a)、(b)
から明らかなように、切削開始2カ月後では摩耗の進行
によって表面の凹凸が平滑化されていることが伺える。
但し、摩耗が進行しているといえども、図16(a)に
示す本発明品の方が、図16(b)に示す比較品よりも
平滑化されていることが明瞭である。これは、本発明品
の方が減りが早いというわけではなく、比較品の上面9
が切屑によって荒されことを示す。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のクラン
プ部材によれば、切屑接触面の表層部に窒化処理に伴う
化合物層が形成され、しかも化合物層の表面は精密鋳造
で得られる焼肌面に倣った凹凸面状の素肌面とされるの
で、切屑接触面の摩擦抵抗及び切屑との接触面積が減少
して現実の切屑摺動抵抗が大きく減少するとともに、切
屑接触面の表面積が増大して放熱性が向上し、摩擦熱の
蓄積が防止される。しかも化合物層の形成過程で発生す
るポアーにより、切屑接触面の凹凸が拡大して切屑接触
面の表面積が一層増大するので摩擦熱の放熱効果が一層
高まる。従って、切屑との擦過によるクランプ部材の損
傷及び熱的疲労によるクランプ部材の損傷がいずれも回
避され、これによりクランプ部材の耐久性が大きく向上
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における楔部材の上面表層部
を拡大して示す図で、(a)は窒化処理前の表層部を、
(b)は窒化処理後の表層部を示す。
【図2】本発明の一実施例に係る楔部材が装着された正
面フライスを示す図である。
【図3】図2に示す楔部材の平面図である。
【図4】図3のIV方向からの矢視図である。
【図5】本発明の他の例に係る楔部材が装着された正面
フライスを示す図である。
【図6】図5に示す楔部材の平面図である。
【図7】図6のVII方向からの矢視図である。
【図8】本発明のさらに他の例に係る楔部材の平面図で
ある。
【図9】図8のIX−IX線における断面図である。
【図10】図8のx方向からの矢視図である。
【図11】本発明に係る楔部材を切削試験に供した後の
状態を示す斜視図である。
【図12】図11に示す楔部材を3方向から示す図で、
(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図で
ある。
【図13】従来品に係る楔部材を切削試験に供した後の
状態を示す斜視図である。
【図14】図13に示す楔部材を3方向から示す図で、
(a)は左側面図、(b)は平面図、(c)は正面図で
ある。
【図15】切削試験前の楔部材の上面の面粗度を測定し
た結果を示す図で、(a)は本発明品を、(b)は比較
品を示す。
【図16】切削試験後の楔部材の上面の面粗度を測定し
た結果を示す図で、(a)は本発明品を、(b)は比較
品を示す。
【符号の説明】
6 スローアウェイチップ 6a 主切刃 6b 副切刃 8,31,40 楔部材(クランプ部材) 9,32,42 上面(切屑接触面) 11,41 側面(当接部) 16 焼肌面 18 硬化層 19 化合物層 20 素肌面 30 サポータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削工具に装着されるスローアウェイチ
    ップその他の部品と当接する当接部と、上記切削工具の
    切刃で生成される切屑と接触する切屑接触面とを具備し
    てなるクランプ部材であって、 上記切屑接触面の表層部は、精密鋳造によって得られた
    焼肌面の表層部に窒化処理による硬化層が形成された構
    成とされ、しかも上記切屑接触面の最表面は窒化処理後
    の仕上げ加工を受けない素肌面とされていることを特徴
    とするクランプ部材。
  2. 【請求項2】 上記切屑接触面の表層部に形成される上
    記硬化層の硬度は、当該硬化層の表面から0.1mmの深
    さにおいてHV500以上とされていることを特徴とす
    る請求項1記載のクランプ部材。
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WO2010128706A1 (en) * 2009-05-07 2010-11-11 Taegutec Ltd. Cutting tool and cutting insert for the same
KR101114421B1 (ko) * 2004-12-24 2012-02-22 주식회사 포스코 디버링 머신의 멀티 나이프

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