JPH059224A - 含フツ素重合体及びその製造方法 - Google Patents

含フツ素重合体及びその製造方法

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JPH059224A
JPH059224A JP18920991A JP18920991A JPH059224A JP H059224 A JPH059224 A JP H059224A JP 18920991 A JP18920991 A JP 18920991A JP 18920991 A JP18920991 A JP 18920991A JP H059224 A JPH059224 A JP H059224A
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徳英 杉山
Hidenobu Murofushi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】非晶質かつ高ガラス転移温度を有する含フッ素
重合体を提供する。 【構成】式(A)で表わされる重合単位を有する含フッ
素重合体。但し、nは0または1、Rfはフッ素または
炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含フッ素重合体に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】含フッ素重合体、特にパーフルオロ重合
体は化学的安定性に優れているが結晶性のため透明性に
欠けていた。透明性を高めるために共重合成分の比率を
上げると軟化温度が低下したり、高温での弾性率が低下
するという問題があった。通常、非晶質重合体の軟化点
温度はガラス転移温度Tg で決まり、この前後において
機械的特性や電気的特性など多くの物性も大きく変化す
る。従って、耐熱性、化学的安定性を保持したまま高い
透明性を必要とする用途においてはガラス転移温度が十
分に高い非晶質な重合体であることが望まれる。
【0003】特開平1−13125においてCF2=CFO(CF
2)nCF=CF2 が単独で環化重合し、環状構造を有する非晶
質で光透過性に優れかつ溶剤可溶性の重合体を与えるこ
とが示されている。しかし、n=1の重合体でTg =6
9℃、n=2の場合においてもTg =108℃であるた
め熱変形温度があまり高くなく高温での使用には不十分
であるという問題があった。
【0004】一方、Tg の高い非晶質含フッ素ポリマー
としては、パーフルオロジメチルジオキソール(PD
D)の重合体が知られている(USP475400
9)。
【0005】PDD重合体は300℃以上の高いTg を
有するが、これを溶解する溶剤が無いためコーティング
などの加工手段をとることができなかった。また、PD
D重合体の溶解性を高めるため、テトラフルオロエチレ
ンなどの単量体を共重合せしめる方法があるが、Tg が
低くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述のよう
な含フッ素重合体の欠点を解消し、透明性を保持しつつ
高温使用に耐え得る適度なガラス転移温度を有する重合
体を新規に提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題点
の認識に基づいて種々の含フッ素単量体について鋭意検
討を重ねた結果、式(A)(ただし、nは1または2、
Rf はフッ素または炭素数1〜3のパーフルオロアルキ
ル基)で表される重合単位を有する重合体が290℃以
上の高いTg を有し非晶質で透明性に優れかつ溶媒可溶
な重合体が得られることを新規に見いだした。
【0008】
【化4】
【0009】本発明の重合体が溶媒可溶である理由は明
かでないが二重環構造を有することが原因と考えられ
る。すなわち、主鎖を構成する環構造に、更にもう一つ
の環構造が結合しているため、非晶性、高Tg でかつパ
ーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)、パーフ
ルオロテトラブチルアミン、ヘキサフルオロベンゼンな
どの溶媒に可溶となる。これによりコーティング、ディ
ッピングなどの加工手段が可能となる。
【0010】本発明における含フッ素重合体は式(B)
(ただし、nは1または2、Rf はフッ素または炭素数
1〜3のパーフルオロアルキル基)で表される単量体を
重合することにより得られる。なお、式(B)表される
化合物は、特願平3−146693に記載の方法により
合成することができる。
【0011】
【化5】
【0012】本発明の含フッ素重合体の分子量はパーフ
ルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)中、30℃に
おける固有粘度(単位dl/g:以下単に固有粘度とい
う)により表され、この値が0. 1から5. 0の間が好
ましい。0. 1以下の場合には十分な強度を有せず、ま
た、5. 0を超えると溶解性が著しく低下する。本発明
の含フッ素重合体の分子量は従来より周知ないしは公知
の連鎖移動剤を重合反応の際に用いることにより調節が
可能である。
【0013】本発明における含フッ素重合体は共重合体
でもよく、共重合組成を変えることにより透明性を保持
したままTg の異なる含フッ素共重合体が得られる。ま
た、コモノマーの種類を選択することにより、含フッ素
重合体の種々の基材への密着性を向上させたり架橋部位
を付与することが可能である。
【0014】共重合せしめるコモノマーは一種単独でラ
ジカル共重合せしめても良く、あるいは適宜の2種類以
上併用して多元共重合反応を行わせても良く、またラジ
カル重合性を有するモノマーであれば特に限定されずに
含フッ素系、炭化水素系その他が広範囲にわたって例示
され得る。
【0015】炭化水素系の単量体を用いた場合には含フ
ッ素共重合体の本質を損なわない程度が好ましが、必要
に応じてフッ素化することによりフッ素含量を高めるこ
とも可能である。
【0016】本発明においては、通常はコモノマーとし
てフルオロオレフィン、フルオロビニルエーテルなどの
含フッ素モノマーを選定することが望ましい。例えば、
テトラフルオロエチレン、パーフルオロメチルビニルエ
ーテル、パーフルオロプロピルビニルエーテル、あるい
はカルボン酸基やスルホン酸基のごとき官能基を含有す
るパーフルオロビニルエーテルなどは好適な具体例であ
り、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、クロロトリフル
オロエチレンなども例示される。
【0017】これらのモノマーを含有した共重合体の場
合には非晶性を保持するためには繰り返し単位(A)の
含量が少なくとも10%であることが望ましいが、更
に、溶解性およびTg を考慮すると少なくとも20%で
あることが望ましい。
【0018】本発明において共重合せしめるコモノマー
としてテトラフルオロエチレンを用いた場合には任意の
組成において高収率で共重合体が得られるが、テトラフ
ルオロエチレン含量が多いものは結晶性が現れ透明では
無くなる。透明性が損なわれる組成は明かでないが繰り
返し単位(A)の含量が28mol %の共重合体は結晶性
を有せずかつ溶媒可溶である。
【0019】更に、本発明において共重合せしめるコモ
ノマーとして重合性の異なる炭素一炭素二重結合を分子
末端に一つずつ有する環化重合性含フッ素単量体も好適
な例である。重合性の異なる炭素一炭素二重結合を分子
末端に一つずつ有する環化重合性含フッ素単量体として
は化6に列挙されるものが例示される。
【0020】
【化6】
【0021】環化重合性含フッ素単量体を用いた場合に
は任意の組成において非晶質で透明な溶媒可溶性の共重
合体が得られる。また、共重合組成を変えることにより
種々のTg を有する共重合体が得られる。この場合は、
繰り返し単位(A)の含量が1〜99mol %の範囲で任
意に選択することができる。
【0022】本発明において重合方法としては通常のラ
ジカル重合が用いられる。すなわち、重合方法として
は、ラジカル的に進行するものであれば手段は何等制限
されないが、例えば有機、無機ラジカル開始剤、光、電
離放射線あるいは熱による重合などが挙げられる。重合
の方法もバルク重合、溶液重合、懸濁重合ならびに乳化
重合を用いることができる。
【0023】本発明において式(B)で示される単量体
は他のパーフルオロ単量体と比較して沸点が高く(約1
05℃)かつ適度な重合速度を有するためポッティング
重合あるいは注型重合が可能である。注型重合の例とし
て、特に限定はされないが、レンズ状成形物の製造方法
が例示される。通常、前記モノマーを重合開始剤と混合
し、さらに必要に応じて他のモノマー成分を加え、成形
型に注入し加熱硬化させるという方法をとる。これらの
重合方法を採用することによって、光学レンズ、光学セ
ルなどの光学部材においては光学的な不純物の少ないも
のが作成可能であるという利点を有する。すなわち、製
造工程中に混入したポリマー中の不純物を取り除いてか
ら成形をすることは非常に困難であるが、本発明におい
ては、単量体から直接に成形を行うため濾過などによる
不純物の除去が容易である。
【0024】ポッティング重合、注型重合に用いられる
開始剤の種類としては、特に限定はされないが、代表的
なものとして、ジイソプロピルパーオキシジカーボネイ
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネイ
ト、ジアリルパーオキシジカーボネイト、イソブチリル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、ビ
スパーフロロブチリルパーオキサイドなどの過酸化物あ
るいはアゾ化合物などが挙げられる。これらの開始剤の
添加量は一般的には単量体の総量に対して0. 05〜5
重量%、好ましくは0. 1〜3重量%である。
【0025】ポッティング重合、注型重合を行う際に開
始剤を用いて加熱重合する場合には、初期は0〜50℃
の間で行い重合が進行するにつれて徐々に温度を上昇さ
せるのが好ましく、最終的には60〜150℃まで加熱
するのが好ましい。この間に費やす時間は、特に限定は
されないが1〜20時間程度必要である。更に、必要に
応じて成形型から取り出した後、ポストキュアーを行う
こともできる。
【0026】本発明においてポッティング重合、注型重
合を行う場合に光重合法を採用することも可能である。
この場合、単量体に光増感剤、例えば代表的なものとし
て、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾイ
ンエチルエーテル、ベンゾフェノン、アセトフェノンな
どを各単量体の総量に対して0. 01〜5重量%添加し
て、紫外線を照射することによって重合硬化させる。該
光重合法において、前記重合開始剤を併用しても良いこ
とは言うまでもない。
【0027】本発明の含フッ素重合体は上記のポッティ
ング重合、注型重合だけでなく、通常の重合により得ら
れた重合体も、押出成形、射出成形などの溶融成形や、
溶液によるコーティング、キャスト、ディッピングなど
の加工手段を採用することが可能で、これにより本発明
の重合体が持っている高Tg 、高弾性率、高光透過性、
低屈折率、低誘電率、低表面自由エネルギー、化学的安
定性などの基本物性をいかした多くの用途に適用され
る。
【0028】例えば、板、パイプ、チューブあるいはそ
の他の成形物などにおいては弾性率が高いためPTF
E、PFA等に比較して高温まで強度を保持しており、
かつ化学的安定性に優れるという性質を有するため、各
種の化学品工場のプラントの配管、バルブ、覗き窓など
の構造部品が直接薬品と接触するような部位において有
用となる。更に、本発明の含フッ素重合体は熱安定性に
優れるため上記の成形物の溶融成形の際に可塑剤、熱安
定剤等の添加物を必要としないため食料品工業、バイオ
インダストリーにおいてこれらの不純物の製品への混入
が避けられるという利点を有する。
【0029】光透過性を利用する用途としては、特に、
250nm以上の紫外光の透過率が90%以上でありかつ
紫外線による劣化が無いため、紫外線を利用した各種の
光学装置においてレンズ、光ファイバー等の光伝送部材
として利用可能である。可視光においても分散が小さい
ため色収差補正用のレンズとして利用される。
【0030】また、本発明の重合体は、各種の薬品に対
し優れた耐性と有するため、保護コーティング剤、ホト
レジスト、エッチング時のマスキング剤等として有用で
ある。特に、ホトレジストやエッチング時のマスキング
剤として使用するときには、単量体と重合触媒ないしは
重合開始剤の混合物を塗布し、所望のパターンに光を照
射させて重合させた後、不要な単量体を除去することに
より形成することができ、特定の溶剤により重合体の除
去も可能であるため、従来のものにくらべて工程を簡略
化することが可能である。
【0031】本発明の含フッ素重合体は屈折率が低いた
め低反射加工剤として有用である。眼鏡レンズ、光学レ
ンズ、各種光学部材、ホトマスク防塵カバー、ショーウ
ィンドウ、ショーケース等の表面に本発明の含フッ素重
合体の皮膜を形成することによって反射防止効果が得ら
れる。
【0032】本発明の含フッ素重合体は低誘電率である
ため半導体素子の保護膜として用いた場合に演算速度が
速くなるという効果を有する。また、吸水率が低いため
誘電率が湿度の影響を受けないという。本発明の含フッ
素重合体単独フィルムあるいはポリイミド等の樹脂と積
層したフィルムは回路基板として有用である。
【0033】表面自由エネルギーが低いことを利用して
種々の基材表面の撥水性を付与することが可能で、本含
フッ素共重合体の溶媒であるパーフルオロ(2−ブチル
テトラヒドロフラン)あるいはパーフルオロテトラブチ
ルアミンは基材自身を侵すことなくコーティング可能
で、しかも形成された皮膜は強靭であるという利点を有
する。
【0034】
【作用】本発明の含フッ素重合体は主鎖にバルキーな二
重環構造を有するためTg が高く溶媒可溶で非晶質で透
明である。また、共重合体は繰り返し単位(A)の含有
量を変えることにより透明性、溶解性を維持したまま種
々のTgを持った共重合体が得られる。本発明により得
られた単独重合体および共重合体は結晶性を有せず高い
透明性を示し且つ高い光線透過率を示すものであり、ま
た含フッ素ポリマーであるが故に、通常の炭化水素系の
樹脂よりも低屈折率で、低吸水性、耐候性、耐薬品性に
も優れているものと考えられる。ただし、かかる説明は
本発明の理解の助けとするものであり、本発明を限定す
るものでないことは勿論である。
【0035】
【実施例】
実施例1 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)3. 7g、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)7g及び重合開始
剤として(C3F7COO)2の5%トリクロロトリフルオロエタ
ン溶液0. 16gを、内容積50mlの耐圧ガラス製アン
プルに入れた。系内を3回凍結脱気した後、水浴中で3
0℃で18時間振蕩した。得られた溶液をトリクロロト
リフルオロエタンで希釈してアセトン中に投入し、沈澱
物を100℃、20時間真空乾燥した。その結果、重合
体を1.4g得た。
【0036】この重合体の固有粘度は0. 42であっ
た。熱重量分析による測定からこの重合体の重量減少開
始温度は338℃、10%重量減少温度は438℃であ
った。パーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)
に溶解して溶液を調整した後、ガラス板上にキャストし
て得られたフィルムの屈折率をアッベ屈折計を用いて測
定したところ1. 33であった。また、粘弾性測定によ
りガラス転移温度が292℃において観測された。ま
た、この重合体のIRスペクトルの図を図1に、19FN
MRスペクトルの図を図2に示す。
【0037】実施例2 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)5. 0g、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)5g、イオン交換
水50g及び重合開始剤として(C3F7COO)2の5%トリク
ロロトリフルオロエタン溶液0. 20gを内容積100
mlのステンレス製オートクレーブに入れた。系内を凍結
脱気した後、N2 ガスにより加圧脱気操作を3回繰り返
した後、テトラフルオロエチレンをゲージ圧10kg/cm2
まで導入した。40℃、2時間後冷却して内容物を取り
出し、水洗、メタノール洗浄を行った後、120℃で2
0時間真空乾燥を行ったところ8. 1gの重合体が得ら
れた。
【0038】この重合体は280℃においてプレス成形
が可能であった。プレス成形したフィルムのIRスペク
トルの1880cm-1付近の吸光度からパーフルオロ(6−メ
チル−1,4,7−トリオキサ−スピロ(4,5)−2
−デセン)含量を求めると26mol %であった。このフ
ィルムの屈折率をアッベ屈折計を用いて測定したところ
1. 34であった。また、広角X線回折測定結果から結
晶構造が存在しないことが確認された。粘弾性測定によ
りTg を測定したところ121℃であった。熱重量分析
による測定からこの共重合体の重量減少開始温度は39
0℃、10%重量減少温度は470℃であった。
【0039】実施例3 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)5. 0g、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)5g、イオン交換
水50g及び重合開始剤として(C3F7COO)2の5%トリク
ロロトリフルオロエタン溶液0. 20gを内容積100
mlのステンレス製オートクレーブに入れた。系内を凍結
脱気した後、N2 ガスにより加圧脱気操作を3回繰り返
した後、テトラフルオロエチレンをゲージ圧5kg/cm2
で導入した。40℃、3時間後冷却して内容物を取り出
し、水洗、メタノール洗浄を行った後、120℃で20
時間真空乾燥を行ったところ6. 0gの重合体が得られ
た。
【0040】この重合体の固有粘度は0. 91であっ
た。パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキ
サ−スピロ(4,5)−2−デセン)含量はIRスペク
トルの1880cm-1付近の吸光度から28mol %であった。
また、粘弾性測定によりTg は133℃であった。熱重
量分析による測定からこの共重合体の重量減少開始温度
は415℃、10%重量減少温度は465℃であった。
プレス成形したフィルムの屈折率をアッベ屈折計を用い
て測定したところ1. 33であった。また、この重合体
のIRスペクトルの図を図3に示す。
【0041】実施例4 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)5. 0g、パーフルオ
ロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)5g、イオン交換
水50g及び重合開始剤として(C3F7COO)2の5%トリク
ロロトリフルオロエタン溶液0. 20gを内容積100
mlのステンレス製オートクレーブに入れた。系内を凍結
脱気した後、N2 ガスにより加圧脱気操作を3回繰り返
した後、テトラフルオロエチレンをゲージ圧1kg/cm2
で導入した。40℃、4. 5時間後冷却して内容物を取
り出し、水洗、メタノール洗浄を行った後、120℃で
20時間真空乾燥を行ったところ2. 8gの重合体が得
られた。
【0042】この重合体の固有粘度は0. 54であっ
た。パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキ
サ−スピロ(4,5)−2−デセン)含量はIRスペク
トルの1880cm-1付近の吸光度から求めると79mol %で
あった。また、DSC測定によりTg は250℃であっ
た。熱重量分析による測定からこの共重合体の重量減少
開始温度は415℃、10%重量減少温度は465℃で
あった。プレス成形したフィルムの屈折率をアッベ屈折
計を用いて測定したところ1. 33であった。
【0043】実施例5 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)5. 0g、CF2=CFO(CF
2)3COOCH3 0. 2g、パーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)7g及び重合開始剤としてジイソプロピ
ルパーオキシジカーボネイト0. 01gを、内容積50
mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。系内を3回凍結脱
気した後、水浴中で40℃で18時間振蕩した。得られ
た溶液をトリクロロトリフルオロエタンで希釈してアセ
トン中に投入し、沈澱物を100℃、20時間真空乾燥
した。その結果、重合体を3. 2g得た。
【0044】この重合体の固有粘度は0. 38であっ
た。パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキ
サ−スピロ(4,5)−2−デセン)含量はIRスペク
トルの1880cm-1付近の吸光度から求めると97mol %で
あった。
【0045】実施例6 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)5. 0g、CF2=CFO(CF
2)2CF=CF2 3. 2g、パーフルオロ(2−ブチルテトラ
ヒドロフラン)20g及び重合開始剤としてジイソプロ
ピルパーオキシジカーボネイト0. 03gを、内容積5
0mlの耐圧ガラス製アンプルに入れた。系内を3回凍結
脱気した後、水浴中で40℃で18時間振蕩した。得ら
れた溶液をトリクロロトリフルオロエタンで希釈してア
セトン中に投入し、沈澱物を100℃、20時間真空乾
燥した。その結果、重合体を6. 5g得た。
【0046】この重合体の固有粘度は0. 45であっ
た。パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキ
サ−スピロ(4,5)−2−デセン)含量はIRスペク
トルの1880cm-1付近の吸光度から求めると55mol %で
あった。プレス成形したフィルムの屈折率をアッベ屈折
計を用いて測定したところ1. 34であった。DSC測
定からTg は185℃であった。
【0047】実施例7 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)1. 0g及び重合開始
剤としてジイソプロピルパーオキシジカーボネイト0.
01gをパイレックスガラスサンプル瓶に入れ、N2
ス雰囲気中に放置した。1週間後に取り出してアセトン
で洗浄した後、100℃で20時間真空乾燥したところ
直径14mm、厚さ2mmの円筒型の重合体が得られた。こ
の円筒型重合体の光線透過率は250〜700nmにおい
て90%以上であった。
【0048】実施例8 パーフルオロ(6−メチル−1,4,7−トリオキサ−
スピロ(4,5)−2−デセン)100重量部およびジ
イソプロピルパーオキシジカーボネイト1重量部を混合
して、2枚のガラスモールドとポリエチレン製ガスケッ
トとを用いて組み立てられたレンズ状成形型の中に注入
し、注入口を封止後、25℃から90℃まで15時間か
けて昇温加熱処理した。その後、重合硬化したレンズを
成形型より取り出し、さらに150℃1時間熱処理して
直径30mmのレンズを得た。このレンズの光線透過率は
250〜700nmにおいて90%以上であった。
【0049】
【発明の効果】本発明の含フッ素重合体は高いTg を有
し溶媒可溶で透明な重合体である。本重合体は従来のパ
ーフルオロ重合体が持っている優れた特性、例えば耐熱
性、化学的安定性、低誘電率、低屈折率などを備えてい
るだけでなく、非常に高いTgを有し、透明性に優れか
つ溶剤に可溶であるという性質も有す。このような特性
から、ピンホールなどの欠陥のない超薄膜化が可能であ
るという効果も認められ、コーティング材料、分離膜素
材などへの応用も可能である。また、低屈折率を利用し
て反射防止剤や光ファイバーのクラッド材などの光学材
料への応用も可能である。また、低誘電率で吸水性が低
いため電子材料としての応用が可能であるという効果も
認められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の重合体のIRスペクトルの図
【図2】 実施例1の重合体の19FNMRスペクトルの
【図3】 実施例3の重合体のIRスペクトルの図

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(A)(ただし、nは1または2、Rf
    はフッ素または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル
    基)で表される繰り返し単位を有し、パーフルオロ(2
    −ブチルテトラヒドロフラン)中30℃で測定される固
    有粘度が0. 1〜5. 0dl/gである含フッ素重合
    体。 【化1】
  2. 【請求項2】式(A)で表される繰り返し単位が全繰り
    返し単位の1〜99mol %である請求項1の含フッ素重
    合体。
  3. 【請求項3】式(B)(ただし、nは1または2、Rf
    はフッ素または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル
    基)で表される化合物を重合開始源の存在下に重合させ
    る含フッ素重合体の製造方法。 【化2】
  4. 【請求項4】式(B)(ただし、nは1または2、Rf
    はフッ素または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル
    基)で表される化合物および重合開始剤を成形型に注入
    し重合させる含フッ素重合体成形物の製造方法。 【化3】
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