JPH0592182A - 酸・アルカリによる活性炭の殺菌中和方法 - Google Patents

酸・アルカリによる活性炭の殺菌中和方法

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JPH0592182A
JPH0592182A JP18045891A JP18045891A JPH0592182A JP H0592182 A JPH0592182 A JP H0592182A JP 18045891 A JP18045891 A JP 18045891A JP 18045891 A JP18045891 A JP 18045891A JP H0592182 A JPH0592182 A JP H0592182A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性炭塔を用いる水処理プロセスにおいて、
活性炭の酸による殺菌と、殺菌後残留する酸の効果的か
つ実用的な中和方法を得る。 【構成】 活性炭2を充填した微生物の増殖した活性炭
塔1を殺菌する方法において、前記活性炭塔1内を無機
酸11と接触させ、活性炭中及び活性炭塔内の微生物を
殺菌した後、前記酸を排出し、次いで活性炭塔内にアル
カリ金属の炭酸塩又は重炭酸塩21を導入して残留する
酸を中和する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、活性炭の薬品による殺
菌・中和方法に係わり、特に食品製造用水、半導体製造
用水のように処理水中の微生物をできるだけ少くするこ
とが求められる処理プロセスにおける、活性炭の酸・ア
ルカリを用いた殺菌・中和方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性炭を用いる水処理プロセスにおいて
は、通水が進むと活性炭の脱臭脱色、有害有機物除去、
あるいは残留塩素除去等の能力が十分維持されていて
も、活性炭層中に微生物が次第に増殖する。このため、
例えば、塩素殺菌等により活性炭層入口で細菌数が殆ど
検出されない場合でも、処理水中への一般細菌のリーク
は103 〜107 コ/mlに達する。更にひどい時には微
生物のスライムやマッドボールが生成し、活性炭の性能
を劣化させるとともに、臭気物質を生じ、処理水中にリ
ークし、処理水質の悪化をまねく。
【0003】活性炭塔の後処理施設として例えば混床式
脱塩塔が設けられるが、この様に多量の微生物や臭気成
分がリークすると、混床式脱塩塔を経ても製造用水とし
ての利用は望めない。混床式脱塩塔のかわりに逆浸透膜
装置を設けた場合でも完全な微生物除去は不可能で、長
期的には後汚染と称される後置処理水貯槽の微生物汚染
が生じる。また膜自体の汚染のため、殺菌又は薬品洗浄
頻度が増加する。
【0004】食品製造用水の脱臭脱色には活性炭塔がよ
く単独で用いられるが、この場合従来微生物リーク対策
として、活性炭塔の蒸気殺菌、熱水殺菌あるいは活性炭
塔処理水の紫外線殺菌等が行われている。しかし、いず
れの処理方法によっても活性炭自体の微生物汚染、微生
物のリーク、そして後置の各機器の微生物による汚染は
避けられず、活性炭塔を効率的に殺菌し、静菌効果を有
する処理プロセスとすることが課題となっている。
【0005】蒸気殺菌は塔内へ直接蒸気を吹き込む方法
であるが、活性炭層にチャンネリングを生じ易く、均一
な温度上昇が得にくい。塔内温度をムラなく上昇させる
ためには殺菌操作に5〜7時間を要している。また、こ
の間蒸気を一過式で用いるために経費が高くつく。熱水
殺菌は図5の例に示す様に熱水循環系を形成させ、循環
系の水を熱交換器25で85〜90℃に加熱して殺菌す
る方法である。この方法は間接加熱のため低効率で、塔
径が大きい程活性炭塔自体からの熱損失も大きく、殺菌
操作に4〜5時間を要する。また、活性炭層2を均一に
最低80℃以上に加熱するために多大な燃料経費がかか
る。
【0006】そして、前記の蒸気あるいは熱水殺菌での
確実な殺菌効果の持続時間は2〜3日である。従って、
ほぼ完全に微生物リークを防止する為には、2〜3日毎
の殺菌が必要である。実際には活性炭塔の殺菌周期を7
日〜1か月とし、その間の微生物リークに対しては、製
品のレトルト殺菌で対処している例も見られる。しかし
レトルト殺菌のできない炭酸飲料、ビール用水等では後
置に膜を用いた除菌工程を設けた上、少なくとも2〜7
日毎の頻繁な殺菌操作が必要となっており、コスト面で
の問題が大きい。また、蒸気、熱水殺菌においては活性
炭の使用が進むにつれて、活性炭層が原水中の鉄、マン
ガン等の無機性SSに被われ、残留塩素除去や有機物吸
着の能力が低下することがみとめられており、運転管理
に注意を要する。
【0007】他に、薬品を用いる殺菌方法も検討されて
来た。塩素を用いる方法は塩素自体が活性炭と反応して
しまい、活性炭中の微生物に対しては効果が殆ど無い。
殺菌効果向上のため数十ppmと高濃度で流動接触させ
ると、活性炭の破砕、粉末化を生じ、充填量が次第に減
少する。一方、活性炭粒内の微生物は生存しており、殺
菌処理効果の持続時間は極短い。同様にオゾン(O3
による流動状態での殺菌も提案されているが(特公昭5
9−145088号公報)、塩素と同様、活性炭粒内部
までは殺菌できず、殺菌効果の持続性に問題があり、実
用性に乏しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のような諸問題を
解決するために、酸を用いる活性炭の殺菌方法が、開発
されている(特願平2−16031号)。この方法によ
れば、無機酸(塩酸、硫酸)の殺菌効果が優れており、
pH1.5以下に保持した酸に活性炭を30〜90分接
触させることで下記の様に充分な殺菌効果を得ることが
できる。 殺菌効果の持続時間が6〜7日間と長い。(熱水殺
菌は2〜3日間) 活性炭中の微生物数は熱数殺菌でのそれの1/10
0以下と少ない。 活性炭表面を覆っていた鉄、マンガン等が溶解除去
され、表面が活性化する。(例えば塩素除去能も、酸処
理前の活性炭処理水質0.1mg/lが、処理後は0.0
5mg/l以下に回復する。)
【0009】この様に殺菌上有効な方法ではあるが、殺
菌処理後の処理水のpH回復のために多量の洗浄水を要
する。図2は塩酸ならびに苛性ソーダを用いた場合の洗
浄時間とpHの回復状況を示す例である。 <実験条件> 50φ×1300H mmアクリルカラム 活性炭:1.5リットル充填 充填層高 800mm 原 水:水道水 pH 7.2 導電率 240μS/cm at 25℃ Cl2 1〜2mg/l Mアルカリ度 40〜45mg/l 薬 品: 2% HCl 2% NaOH 手 順:1)薬品1.8リットルを下向流にてSV6で循環 60分 2)保 持 30分 3)原 水(水道水)で押出し、SV6 20分 (排水量:3.0リットル) 4)カラム最上部から原水導入して洗浄SV20 (排水量:図2による)
【0010】塩酸による洗浄では、pH6.0程度まで
は洗浄時間140分、洗浄水量46.7リットル/リッ
トル−ACで回復するが、その後のpH回復は緩慢で、
通水時間400分を超えてもpH6.3程度であり、原
水のpH7.2までは達しない。苛性ソーダの場合も、
水道水基準のpH8.6以下とするために洗浄時間16
0分、洗浄排水量約54リットル/リットル−ACを要
している。塩酸を殺菌に用いる場合、6〜7日毎に殺菌
操作が必要となるが、活性炭塔の活性炭充填量は多くの
場合1m3 〜10m3 あり、その洗浄排水は膨大な量と
なる。
【0011】このように、酸を用いる方法は殺菌上有効
であるが、殺菌処理後の活性炭処理水のpH回復のため
に多量の洗浄用水を要し、洗浄時間の短縮と洗浄排水の
減量が課題となっていた。本発明は、活性炭塔を用いる
水処理プロセスにおいて活性炭の酸による殺菌と、殺菌
後残留する酸の効果的かつ実用的な中和方法を提供する
ことを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、微生物の増殖した活性炭塔を殺菌する
方法において、前記活性炭塔内を無機酸と接触させ、活
性炭及び活性炭塔内の微生物を殺菌した後、前記酸を排
出し、次いで活性炭塔内にアルカリ金属の炭酸塩又は重
炭酸塩を導入して残留する酸を中和することを特徴とす
る活性炭の殺菌・中和方法としたものである。上記殺菌
・中和方法において、無機酸としては、塩酸、硫酸が好
適に使用でき、また中和剤としてはナトリウム、カリウ
ム等の炭酸塩、重炭酸塩が使用できる。また、上記殺菌
・中和方法は、数回、数十回繰返し行うと耐酸性菌が優
先的に増殖することがあるから、これを回避するために
数回〜数十回酸による殺菌・中和処理を行う度に、活性
炭塔を定期的に苛性ソーダと接触させるのがよい。
【0013】次に、具体的手順の一例を図1の処理フロ
ー図を用いて説明する。活性炭塔1に充填した活性炭2
および活性炭塔内全てを殺菌するため次の例の様な工程
で実施する。 (1)原水ポンプ3を起動し、弁5、6を開として、原
水4を処理し処理水7を得る。 (2)採水終了後、活性炭2の圧密を緩めるため弁8、
9を開とし、原水ポンプ3を起動し原水にて逆洗を5分
程度行う。 (3)次いで空気抜き弁10を開とし、弁9を閉として
満水工程を1〜2分行う。 (4)塩酸タンク11から弁12、13、14、15、
16を開として、エゼクターを用い原水を駆動水として
塩酸を設定量、活性炭塔内の上部集水装置17を介して
導入する。塩酸タンク11の塩酸濃度は35%でも良
く、弁18を開閉し塩酸を補給計量する。本例フローは
塩酸の回収を行わないが、塩酸タンク11を回収塩酸タ
ンクとして用いる場合は、その容量を活性炭塔内容積に
見合うものとし、塩酸注入はエゼクターではなくポンプ
注入方式とする。
【0014】(5)ついで、弁15、19を開として循
環ポンプ20を起動し塩酸の循環を行う。循環流速はS
V4〜SV30と幅広くとれるが、塩酸の均一な分散
と、活性炭2および活性炭塔1内に強制的に塩酸を接触
させるためSV20〜30で10〜30分間循環させ
る。この時の塩酸濃度は1〜5%で良いが、好ましくは
1.0〜2.0%程度(0.27〜0.54N)とすれ
ば良い。 (6)活性炭2の殺菌効果を確実にするため、活性炭2
が塩酸に浸った状態を10〜60分間保持する。 (7)ついで塩酸の押出し置換を行うため弁12、1
4、15、16を開としてSV4〜10で原水を通水す
る。
【0015】(8)次に中和工程に入る。中和剤(アル
カリ)タンク21に10〜20% Na2 CO3 または
5〜6% NaHCO3 を溶解し、弁12、22、2
3、15、16を開とし、原水ポンプ3を起動しエゼク
ターにて中和剤を設定量活性炭塔に注入する。 (9)ついで塩酸循環と同様に弁15、19を開とし、
循環ポンプ20を起動しSV20〜30の流速で10〜
30分間循環させる。 (10)循環ライン配管内に薬品が残留しないように弁
12、23、15、10を開とし1〜2分間原水を通水
する。
【0016】(11)ついで注入した中和剤と塩酸の接
触により活性炭2内に生成した気泡と、酸による殺菌・
中和によって生じた若干量の活性炭粉末、および採水時
に流入したSSを除去することを目的に原水による逆洗
を行い中和剤を排出する。弁8、9を開とし、原水ポン
プ3を起動しLV0.3〜0.4m/min の流速で15
分間逆洗する。 (12)沈静後、弁5、16を開とし原水ポンプ3を起
動し、洗浄水のpHが設定範囲に達するまで洗浄する。
この工程は始め空気抜き弁10を1分間程度開とし、活
性炭塔内を満水として行う。
【0017】
【作用】本発明は活性炭塔の洗浄時間の短縮、洗浄排水
量の低減のため、残留している酸の中和用としてアルカ
リの炭酸塩(例:Na2 CO3 ,K2 CO3 )、重炭酸
塩(例:NaHCO3 ,KHCO3 )が有効であること
を見出したことによる。また、NaOHは注入量が過剰
になると図2の様にpH回復に多量の洗浄水を要し、実
用に適し難いことがわかった。Na2 CO3 ,NaHC
3 は安価で、かつ水道用あるいは食品添加物用として
許可されているものである。
【0018】Na2 CO3 ,NaHCO3 を用いた場合
の中和処理のデータ例として洗浄時間とpH回復の状況
を図3及び図4に示した。実験条件は、前述図2で示し
た事例と同様であり、同例の手順3)の押出しを実施
後、次の工程を行った。 イ)各条件の中和剤をカラム最上部より流入、カラム最
下部より取出し、SV20でポンプ循環を30分行っ
た。 ロ)その後、中和剤の排出を兼ね、イ)と同じ流路にお
いてSV20で原水を用いた洗浄を行った。図3は原水
として緩衝性の高い水道水を用いた場合である。 原 水 pH 7.2〜7.3 導電率 150〜160μS/cm Cl2 濃度 1〜2mg/l M−アルカリ度 35〜40mg/l 図3中の各記号の条件は次の表1のとおりである。
【0019】
【表1】
【0020】pH緩衝性の高い水道水等の原水を対象と
する時は図3からNa2 CO3 よりもNaHCO3 を用
いて中和する方が好ましい。SV20洗浄時間10分で
活性炭出口のpHは6.3〜6.4と一気に回復した。
安全を見て洗浄時間を15分としても、その洗浄排水量
は5リットル/リットル−ACと少ない。従って水道水
を対象とする活性炭塔の薬品、殺菌中和条件は次の様に
行えば良い。 殺菌剤: 塩酸、1〜4%(好ましくは2%程度(0.
54N)) 中和剤: NaHCO3 、15〜25g/リットル−A
C 薬剤量: 塩酸、活性炭塔内が満水となる量 NaHCO3 、 〃 薬品の接触時間: 塩 酸 30〜90分 NaHCO3 10〜30分 洗浄時間及び流速: 〜15分、SV20(15分後の
導電率は160〜170μS/cmに回復)
【0021】以上の様な条件で殺菌・中和処理を行った
場合の全所要時間は次例の様になった。 設定時間(分) 排水量(l) (1)逆洗I 5 2.6 (2)塩酸通薬 〜10 0.5 (3)塩酸循環 SV20 20 − (4)塩酸保持 20〜40 − (5)塩酸押出(置換) SV20 7 2.3 (6)5%NaHCO3 注入 〜10 0.5 (7)5%NaHCO3 循環 SV20 〜30 − (8)逆洗II 10 5.4 (9)沈 静 5 − (10)洗 浄 SV20 〜15 5.1 ────────────────── 計 132〜 16.4リットル 152分 /l−AC (通常約140分)
【0022】この様に蒸気殺菌の5〜7時間、熱水殺菌
の4〜5時間に対し、全工程を2時間10分〜2時間3
0分で終了できる。塩酸の替りに硫酸を用いた場合で
も、活性炭塔内をpH1.5以下、好ましくは1〜3%
2 SO4 液にて保ち塩酸と同様に行えば良い。また
使用した塩酸、硫酸の殺菌工程で消費される量は、希釈
によるロス、各工程での水ロスを考慮しても全注入量の
10%以下であり、塩酸、硫酸の循環液を回収再使用す
ることが好ましく、3〜5回の再使用は殺菌に支障がな
い。図4は原水として緩衝性の殆どない脱塩水(純水)
に次亜塩素酸ソーダをCl 2 として0.5〜1mg/l添
加した条件のデータである。 原 水 pH 6.5〜7.4 Cl2 濃度 0.5〜1.0mg/l 導電率 10〜15μS/cm 図4中の各記号の条件は次の表2のとおりである。
【0023】
【表2】
【0024】図4は原水として緩衝性の極小さい脱塩水
(純水)を使用し酸による殺菌を行った場合の中和の様
子を示す。中和剤としてNaHCO3 を用いた場合、処
理水のpHは長時間洗浄を行ってもpH5.0程度で、
水道水基準のpH5.8以上への回復は困難である。こ
の場合、Na2 CO3 を用いることが好ましい。Na2
CO3 10〜20g/l−ACを用い、前述の水道水を
原水とする場合と同様に洗浄を行った場合、SV20洗
浄時間20〜30分で処理水のpHは十分回復する。処
理水のpHを安定した値とするためには30分程度の洗
浄時間が好ましい。
【0025】この様に本発明においては、中和剤として
原水の緩衝性が高い場合NaHCO3 、原水の緩衝性が
極小さい場合Na2 CO3 を用いることが好ましく、週
1回程度の無機酸による殺菌操作で処理水中の微生物を
熱水殺菌処理水中の1/100以下にすることができ
る。本発明による殺菌・中和処理を繰返し実施している
と、耐酸性菌が優占的に増殖する可能性が懸念される。
これを回避するため、数回〜数十回酸殺菌・中和工程を
行う度に1回程度、定期的に1〜5% NaOH溶液を
30〜90分活性炭に循環接触させることが効果的であ
る。1〜5% NaOH自体の殺菌能力は塩酸よりかな
り小さいが、スライム生成の防止、生成したスライムの
剥離および活性炭からの有機性物質脱離の効果を期待
し、一過性で通液しても良い。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されない。 実施例1 次の装置及び手順で殺菌・中和を実施した。 アクリルカラム50φ×1300H mmに活性炭1.
5リットルを充填し、水道水を原水として2〜3ケ月通
水、微生物と無機物(主に鉄)で活性炭を汚染させた。 同カラムの保有水量1.8リットルに対し0.6N
(約2.2%)となる様に塩酸39.6g(as 100
%HCl)をカラム最上部より注入した。 ついでポンプにより、カラム最上部より液を抜出
し、カラム最上部へと戻すラインで30リットル/時の
流速で30分間循環させた。この時の循環液は約pH
0.5であった。 この状態を30分保持した後、水道水により12リ
ットル/時の流速で塩酸を押出し置換した。 ついで5% NaHCO3 を750mlカラム上部か
ら注入し、塩酸循環時と同じラインで30リットル/時
で循環した。 47リットル/時で水道水により逆洗を行った。 沈静後、下向流にて30リットル/時で洗浄を行っ
た。
【0027】結果は次のとおりである。 処理水のpHは洗浄時間10分でpH6.5、20
分でpH6.6を示し、導電率は各々175μS/cm、
170μS/cmに回復した。この時の水道水はpH7.
2、導電率165μS/cmであった。 殺菌前の一般細菌数はカラム出口で106 コ/ml程
度であったが、殺菌後は次のとおりとなった。 殺 菌 直 後 検 出 せ ず 6日目 3コ/ml 7日目 20コ/ml Cl2 除去能力の回復は次のとおりである。 殺菌処理前: カラム処理水のCl2 、0.1 mg/l 〃 後: 〃 、0.05mg/l
【0028】実施例2 原水として純水に次亜塩素酸ソーダを注入したものを用
いた。 実施例1で用いたものと同じ仕様のアクリルカラムに原
水を1ケ月連続通水したところ、カラム出口の一般細菌
数は3.8×103 コ/mlとなった。このカラムを実施
例1と同様に殺菌・中和した。用いた中和剤はNa2
3 22gであった。
【0029】結果は次のとおりである。 pH及び導電率の回復 pH 導電率(μS/cm) 洗浄10分後 8.5 24 20〃 7.2 20 30〃 6.7 17 洗浄はその後30分実施したがpH6.6、導電率16
μS/cmで安定した。 一般細菌数 殺菌前: 3.8×103 コ/ml 殺菌直後: 不検出 〃 6日後: 1〜2コ/ml 〃 7日後: 5〜6コ/ml その後7日毎に殺菌操作を実施したが、一般細菌数は常
に10コ/ml以下であった。
【0030】実施例3 実施例1と同じ仕様でアクリルカラムを用い、同一の実
験条件で硫酸を用いた殺菌・中和操作を行った。硫酸の
使用量は1.5%、3.6リットル(5.4gas H2
SO4 /1サイクル)とした。結果は次のとおりであ
る。 pH及び導電率の回復 pH 導電率(μS/cm) 洗浄10分後 6.3 180 〃 20〃 6.4 175 一般細菌数 殺菌直後: 不検出 〃 6日後: 5〜6コ/ml 〃 7日後: 30〜40コ/ml
【0031】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果を奏する
ことができる。 (1)無機酸を用いて殺菌するため殺菌効果は、持続時
間が熱水殺菌に比べ2倍以上と長く強力である。 (2)活性炭表面を覆っている鉄、マンガン等を溶解除
去でき、また、スライムの生成防止等も期待でき、表面
が活性化する。 (3)中和処理を炭酸塩、重炭酸塩で行うため、殺菌後
残留する酸が効果的に中和でき、洗浄排水の減量、洗浄
時間の短縮化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の殺菌・中和方法を示す処理フロー工程
図である。
【図2】塩酸と苛性ソーダを用いた場合の洗浄時間とp
Hの回復状況を示すグラフである。
【図3】水道水を用いた場合のNa2 CO3 ,NaHC
3 を用いた中和処理の洗浄時間とpHの関係を示すグ
ラフである。
【図4】脱塩水を用いた場合のNa2 CO3 ,NaHC
3 を用いた中和処理の洗浄時間とpHの関係を示すグ
ラフである。
【図5】従来の熱水殺菌処理のフロー工程図である。
【符号の説明】
1:活性炭塔、2:活性炭、4:原水、7:処理水、1
1:塩酸タンク、17:集水装置、21:中和剤タン
ク、25:熱交換器、26:蒸気
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮 茂夫 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イン フイルコ株式会社内 (72)発明者 佐々木 賢一 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内 (72)発明者 斉藤 孝行 神奈川県藤沢市本藤沢4丁目2番1号 株 式会社荏原総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物の増殖した活性炭塔を殺菌する方
    法において、前記活性炭塔内を無機酸と接触させ、活性
    炭及び活性炭塔内の微生物を殺菌した後、前記酸を排出
    し、次いで活性炭塔内にアルカリ金属の炭酸塩又は重炭
    酸塩を導入して残留する酸を中和することを特徴とする
    活性炭の殺菌・中和方法。
  2. 【請求項2】 前記活性炭塔内を無機酸と接触させる前
    に、苛性ソーダと接触させることを特徴とする請求項1
    記載の活性炭の殺菌・中和方法。
JP18045891A 1991-06-26 1991-06-26 酸・アルカリによる活性炭の殺菌中和方法 Expired - Lifetime JPH07121388B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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