JPH059126A - 過酸化脂質生成抑制剤 - Google Patents

過酸化脂質生成抑制剤

Info

Publication number
JPH059126A
JPH059126A JP3158848A JP15884891A JPH059126A JP H059126 A JPH059126 A JP H059126A JP 3158848 A JP3158848 A JP 3158848A JP 15884891 A JP15884891 A JP 15884891A JP H059126 A JPH059126 A JP H059126A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lactic acid
acid bacteria
medium
acid bacterium
culture medium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3158848A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kuranari
淳 倉成
Akishige Somoto
明重 素本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Soft Drinks Co Ltd
Original Assignee
Calpis Food Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Calpis Food Industry Co Ltd filed Critical Calpis Food Industry Co Ltd
Priority to JP3158848A priority Critical patent/JPH059126A/ja
Publication of JPH059126A publication Critical patent/JPH059126A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 乳酸菌をくん液培地において培養して得られ
る乳酸菌発酵産物反応物または一般培地において培養し
て得られる乳酸菌発酵産物にくん液を加えることにより
得られる乳酸菌発酵産物反応物を有効成分とする過酸化
脂質生成抑制剤。 【効果】 本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、経口投与
により容易に摂取可能であり、生体内の酸化防御能を補
強し、動脈硬化や大腸癌等の予防に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、過酸化脂質生成阻害活
性を有する乳酸菌発酵産物反応物を有効成分とする過酸
化脂質生成抑制剤に関する。
【0002】
【従来の技術】生体内の脂質はフリーラジカルにより過
酸化脂質に変化することが知られている。過酸化脂質は
種々の細胞膜を侵すことから、老化や動脈硬化等の成人
病や大腸癌等の疾病の原因の一つであると言われ、脳梗
塞や心筋梗塞の遠因とされている。血中過酸化脂質濃度
を低下させる作用をもつ物質としては、化学合成された
抗酸化剤、例えばダイラゼップハイドロクロライド(Dil
azep hydrochloride)、商品名「コメリアンコ−ワ」(興
和新薬株式会社製)やプロブコ−ル(Probucol)、商品名
「シンレスタールS」(第一製薬株式会社製)等が報告さ
れている。また、天然抗酸化剤としては、血中脂質低下
作用を有するビタミンB2、C、E配合剤等が知られて
いる。
【0003】しかしながら、化学合成品は安全性の面で
十分な配慮が必要である。また、ビタミン配合剤は、既
に血中にある程度の濃度を保っている物質であることか
ら、効果を期待するにはかなりの服用量が必要となる。
【0004】一方、これまでに微生物発酵産物からの生
体内酸化防御能を強化する物質の探索が試みられてお
り、in vitroにおいては、ラット肝ミクロソームに2価
鉄イオンを作用させたNADPH依存性脂質過酸化系を
用いたラクトバシルス・ブフネリ(Lactobacillus buchn
eri)の凍結乾燥菌体のメタノール抽出物の過酸化脂質抑
制効果が発表されている(1991年度日本畜産学会大
会、演題:畜利73)。
【0005】現代人は、フリーラジカルの生成を促進す
る種々の因子に囲まれて生活しており、過酸化脂質レベ
ルの抑制の必要性が高まってきている。すでに過酸化脂
質生成抑制剤としては、酢酸トコフェロール等のトコフ
ェロール類、フラボン類、タンニン類等の天然抗酸化剤
が開発されているが、食用油脂及びそれらを利用した食
品における保存期間中の自動酸化による品質劣化を防止
する目的での開発に留まっている。また、くん液の酸化
防止能については、くん煙成分中のフェノール誘導体が
抗酸化成分であるとされているが(梶本、「栄養と食
糧」、第13巻、p.246ー249)、その知見は油脂の自動
酸化防止効果に留まっており、生体内の脂質レベル改善
を指標とした有効性には言及されていないのが実状であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、乳酸
菌発酵産物反応物を有効成分とする過酸化脂質抑制剤を
提供することにある。
【0007】さらに本発明の別の目的は、過酸化脂質抑
制剤を経口摂取物の形態にて提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】本発明によれば、乳酸菌
をくん液培地において培養して得られる乳酸菌発酵産物
反応物を有効成分とする過酸化脂質生成抑制剤が提供さ
れる。
【0009】また本発明によれば、乳酸菌を一般培地に
おいて培養して得られる乳酸菌発酵産物にくん液を加え
ることにより得られる乳酸菌発酵産物反応物を有効成分
とする過酸化脂質生成抑制剤が提供される。
【0010】以下、本発明をさらに詳細に説明する。
【0011】本発明では、乳酸菌をくん液培地において
培養するか、あるいは乳酸菌を一般培地により培養した
後、くん液を加える。
【0012】本発明において用いる乳酸菌としては、く
ん液培地または一般培地で増殖可能な乳酸菌が挙げら
れ、ラクトバシルス・フェルメンタム(Lactobacillus
fermentum), ラクトバシルス・ヘルベティカス(Lacto
bacillus helveticus)、ラクトバシルス・コンフュー
サス(Lactobacillus confusus)、エンテロコッカス・
フェカリス(Enterococcus faecalis)等の乳酸菌が好
ましく、特に好ましくは、ラクトバシルス・フェルメン
タム(Lactobacillus fermentum)が挙げられる。これ
らの乳酸菌は公知であり、分譲株として容易に入手する
ことができる。
【0013】本発明において使用するくん液培地として
は、食品添加物のくん液を1〜5%含有した乳酸菌培地
が好ましく挙げられ、特に好ましくは、くん液を2%含
有したブリッグス培地、あるいはくん液を2%含有した
スキムミルク−トリプトン培地等の乳培地が挙げられ
る。前記くん液は、植物由来のくん液が好ましく、例え
ば木酢液より固形分を除去して得られるくん液を蒸留
し、粉末担体に吸着させた粉末くん液を特に好ましく挙
げることができる(特公昭49−8866号公報参
照)。前記くん液培地は、調製済みの培地にくん液を所
定濃度となるよう添加することにより調製することがで
きる。
【0014】また本発明において使用する一般培地とし
ては、前述のブリックス培地及び乳培地が好ましく挙げ
られる。
【0015】本発明に用いる乳酸菌は後述の実施例によ
り詳細に説明するが、前記くん液培地または前記一般培
地に乳酸菌を接種し、培養温度25℃〜40℃、特に好
ましくは37℃にて、培養時間18時間〜48時間、特
に好ましくは30時間にて培養することができる。な
お、一般培地を用いる場合には、望ましくは前記一般培
地にて培養した乳酸菌培養液の上清にくん液を所定濃度
となるように加えて、25〜40℃、好ましくは、37
℃にて、0.2〜2時間、好ましくは0.5時間反応さ
せることができる。
【0016】本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、上述の
ようにして培養した乳酸菌発酵産物反応物を有効成分と
する。乳酸菌発酵産物反応物としては、前記くん液培地
乳酸菌培養液の培養上清または前記一般培地乳酸菌培養
液にくん液を加えた培養上清を用いることが好ましい。
培養上清を有機溶媒で抽出し、真空蒸留した後、水また
は緩衝液を用いて再溶解させるのが特に好ましい。かよ
うにして得られる乳酸菌発酵産物反応物は低分子量成分
からなる。前記培養上清の抽出をする際に使用する有機
溶媒としては、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロ
ロメタン等が挙げられ、特に酢酸エチルが好ましい。ま
た、再溶解させる際は水または緩衝液を用いることがで
き、緩衝液としては、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝液
(pH6.8)を特に好ましく用いることができる。
【0017】さらに得られた乳酸菌発酵産物反応物は、
以下の特性を示す。すなわち、平均分子量1、000以
下の揮発性物質であり、好ましくは酢酸エチルより高い
沸点を有する。また、−80℃〜90℃の温度範囲にお
いて安定な過酸化脂質生成抑制能を示し、さらにpH2
〜7の中酸性域においてpH安定性を示す。
【0018】本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、リノー
ル酸の酸化防止能及びスーパーオキシドジスムターゼ
(SOD)活性測定系を用いたフリーラジカル消去能に
おいて濃度依存的に優れた効果を示し、また油脂の抗酸
化剤に用いられているブチルヒドロキシアニソール(B
HA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)等の合成
品に比較して細胞毒性が低く、食品の保存中における外
因性酸化防止及び生体内で起こる内因性酸化防止に共に
有用である。
【0019】また、高コレステロール食及び過酸化脂質
摂取ラットにおいて、本発明の過酸化脂質生成抑制剤を
混合した飼料を与えることにより、血液中の過酸化脂質
量の増加が1/3程度に低下することが明らかになっ
た。さらに、本発明の過酸化脂質生成抑制剤は低分子量
成分であることから、摂取後消化液等で分解されること
がなく、熱安定性等にも優れており、食品加工上も有用
である。
【0020】本発明の過酸化脂質生成抑制剤の有効摂取
量は、年齢、性差、健康状態等により異なるが、成人男
子の場合、約10mg/体重1kg/1日〜約100mg
/体重1kg/1日の範囲が好ましい。
【0021】本発明の過酸化脂質生成抑制剤を投与する
際、そのままで投与するか、もしくは適当な無毒性の経
口供与担体、例えばデキストリンやデンプン等と共に、
経口摂取可能な組成物形態あるいは形状にて投与するこ
とがより好ましく、具体的には、固形あるいは液状の食
品ないしは嗜好品、例えば栄養ドリンク剤やコーヒー飲
料等の食品に添加した形態が好ましい。なお、経口摂取
物の製造方法は、製剤あるいは食品製造における通常の
方法を適用することができる。
【0022】
【発明の効果】本発明の過酸化脂質生成抑制剤は、細胞
毒性を示さず、脂質の自動酸化防止作用及びフリーラジ
カル消去能に優れており、生体内抗酸化物質の減少を阻
害することにより、過酸化脂質生成抑制剤として生体内
過酸化脂質レベルの上昇抑制に有用である。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例及び試験例に基づいて
具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0024】
【実施例1】過酸化脂質生成抑制剤としての乳酸菌発酵産物反応物の
調製 (1)粉末くん液の調製 日本特許公告公報昭和49−8866号に基づいて、木
材を乾留して得られる木酢液を24時間静置することに
より、3,4−ベンズピレン等の発ガン物質を主とする
カルボニル化合物と2−メトキシ−4−メチルフェノー
ル等のフェノール類を反応させて樹脂化し、次いで生成
固形分を濾別した後、発ガン物質の融点以下の温度10
0〜150℃にて蒸留した。さらに留分を静置して固形
分を除去し、くん液を採取した。該くん液を蒸留してオ
イル状とした後、デキストリンに吸着させ、吸着物を粉
末とし、粉末くん液を得た。
【0025】(2)くん液培地の調製 下記表1に示す組成を有するブリッグス培地を調製し、
該培地に2%溶液となるように前記粉末くん液を添加し
た。次いで1N水酸化ナトリウム溶液でpH6.8に調
製し、ろ過滅菌して、くん液培地を調製した。
【0026】
【表1】
【0027】また下記表2に示す組成を有する乳培地を
115℃で20分間、加圧滅菌した後、ろ過滅菌済み1
0%粉末くん液水溶液(pH6.8)を終濃度2%にな
るように加えて、乳培地を主体としたくん液培地を調製
した。
【0028】
【表2】
【0029】(3)乳酸菌の培養 前記くん液培地に1%寒天を加えて、くん液寒天培地と
し、該寒天培地にラクトバシルス・フェルメンタムJCM1
173(Lactobacillusfermentum)を接種し、37℃で4
8時間培養した。次いで寒天培地中のコロニーを試験管
中の液体くん液培地に接種し、37℃で48時間予備培
養した後、500mlの三角フラスコに移植し、37℃
で30時間本培養した。
【0030】(4)乳酸菌発酵産物反応物の調製 前記培養により得られた乳酸菌培養液を8、000rp
m、10分間の遠心分離により上清を回収し、6N塩酸
によりpHを約3.0に調製した後、等量の酢酸エチル
を加えて十分撹拌し、抽出液を得た。真空蒸留器を用い
て該抽出液から酢酸エチルを除去した後、0.2Mリン
酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)に再溶解させ、次い
で1N水酸化ナトリウム溶液でpH7.0に再調製し、
乳酸菌発酵産物反応物12.0mg/mlを得た。
【0031】図1、図2及び下記表3に得られた乳酸菌
発酵産物反応物の特性データを示す。
【0032】
【表3】
【0033】
【実施例2】過酸化脂質生成抑制剤としてのくん液−乳酸菌発酵産物
反応物の調製 (1)粉末くん液の調製 実施例1と同様な方法で作製した。
【0034】(2)ブリックス培地の調製 前記表1に示す組成を有するブリックス培地を調製した
後、該培地を1N水酸化ナトリウム溶液でpHを6.8
に調製し、次いでろ過滅菌して乳酸菌一般培地としての
ブリックス培地を調製した。
【0035】(3)乳酸菌の培養 前記ブリックス培地に1%寒天を加え、ブリックス寒天
培地とし、該寒天培地にラクトバシルス・フェルメンタ
ム JCM1173(Lactobacillus fermentum)を接種し、3
7℃で48時間培養した。次いで、寒天培地中のコロニ
ーを試験管の液体ブリックス培地に接種し、37℃で4
8時間予備培養した後、500mlの三角フラスコに移
植し、37℃で30時間本培養した。
【0036】(4)くん液−乳酸菌発酵産物反応物の調
製 前記乳酸菌培養で得られた培養液から遠心分離により培
養上清を回収し、10%粉末くん液水溶液を該培養上清
に1/5容量となるよう加え、振とうしながら37℃で
30分間反応させた。次いで6N塩酸によりpHを3.
0に調製した後、等量の酢酸エチルを加えて十分撹拌
し、抽出液を得た。真空蒸留器を用いて該抽出液から酢
酸エチルを除去した後、0.2Mリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6.8)で再溶解させ、次いで1N水酸化ナト
リウム溶液でpHを7.0に再調製し、くん液−乳酸菌
発酵産物反応物8.0mg/mlを得た。
【0037】得られた乳酸菌発酵産物反応液は、実施例
1で得た乳酸菌発酵産物反応液と同様な特性を示した。
【0038】
【実施例3】以下、実施例1及び実施例2で得た乳酸菌
発酵産物反応物(以下本発明発酵産物反応物1と称す)
の過酸化脂質生成抑制剤としての有用性を説明する。
【0039】1.抗酸化力の測定(リノール酸酸化防止
能) (1)試料 a.対照(蒸留水) b.10mg/ml くん液培地酢酸エチル抽出物(未
発酵) c.10mg/ml 本発明発酵産物反応物1 d.10mM α−トコフェロール(シグマ化学株式会
社製試薬特級) e.100mM グルタチオン(シグマ化学株式会社製
試薬特級) (2)試験方法 Osawaらの方法(Agric. Biol. Chem., 45,735, 1981)
に準じて、チシアネート法により行った。精製リノール
酸13μlをエタノール1mlに溶解し、0.05Mリ
ン酸緩衝液(pH7.0)1ml及び蒸留水0.5ml
を加えた後、試料のエタノール溶液0.2mlを添加
し、恒温槽(40±2℃)にて暗所に静置反応させた。
生成過酸化物を30%チオシアン酸アンモニウム溶液と
20mMFeCl2溶液を用いて経時的に発色させ、5
00nmの吸光度測定(日製産業株式会社製「モデル2
00−20」)により定量した。
【0040】(3)試験結果 過酸化物生成抑制能を抗酸化力とし、試験結果を図3に
示す。図3より本発明発酵産物反応物1は、10mM
α−トコフェロールよりも強い抗酸化力を示すことがわ
かる。
【0041】2.フリーラジカル消去能 (1)試料 a.対照(反応用緩衝液) b.くん液培地酢酸エチル抽出物(未発酵) c.本発明発酵産物反応物1 d.アスコルビン酸(シグマ化学株式会社製試薬特級) e.グルタチオン(シグマ化学株式会社製試薬特級) なお、各試料は、反応用緩衝液(50mMリン酸カリウ
ム緩衝液、pH7.8)で各濃度に希釈して用いた。
【0042】(2)試験方法 フリーラジカルとしてスーパーオキシド(O2-)をター
ゲットにし、スーパーオキシドの不均化(2O2-+2H
+→H22+O2)を触媒するスーパーオキシドジスムタ
ーゼ(SOD)の活性測定法を応用し、Oberleyらが開
発したニトロブルーテトラゾリウム(NBT)法により
測定した。すなわち、下記表4に示す試薬(反応用緩衝
液にて溶解したもの)を所定量添加し、その混和液0.
8mlに試料0.04mlを加え、キサンチンオキシタ
ーゼ(560nmにおける吸光度の増加が0.015〜
0.025/分となるように調製したもの)0.1ml
を添加して反応を開始させた。反応終了後、25℃で3
分間連続記録による560nmの吸光度測定(日本分光
株式会社製「Ubest−35」)によりホルマザン生
成速度を求め、対照とのホルマザン生成速度比を比活性
とし、フリーラジカル消去能の強さとした。
【0043】
【表4】
【0044】(3)試験結果 試験結果を図4に示す。本発明発酵産物反応物1は、顕
著なフリーラジカル消去能を示し、その強さは10mM
アスコルビン酸(血中濃度の約200倍)に相当し、1
00mMグルタチオン(血中濃度の約50倍)より顕著
なものであった。
【0045】3.細胞毒性試験 (1)試料 a.本発明発酵産物反応物1 b.BHT(ブチルヒドロキシトルエン)(シグマ化学
株式会社製試薬特級) c.BHA(ブチルヒドロキシアニソール)(シグマ化
学株式会社製試薬特級) (2)検体 平滑筋細胞(SMC細胞) (3)試験方法 24ウエルプレートに培養した平滑筋細胞(SMC細
胞)をハンクス液(日水製薬株式会社製)で洗浄し、該
プレートにイーグルMEM培地(日水製薬株式会社製)
で各濃度に調製した試料を1ml/ウエル加え、37
℃、5%CO2雰囲気にてインキュベータで24時間培
養した。培養後、前記ハンクス液で洗浄し、0.25%
トリプシン溶液で前記培養細胞を剥して、トリパンブル
ー色素排除能により細胞生存率を算出した。
【0046】(4)試験結果 試験結果を図5に示す。細胞の50%致死濃度(L
50)は、BHTが0.04%、BHAが0.006%
であったが、本発明発酵産物反応物1はほとんど細胞毒
性を示さなかった。
【0047】4.連続自由摂取時の血中過酸化脂質低下
作用 (1)試料 a.本発明発酵産物反応物1 b.β−カロチン(和光純薬株式会社製試薬特級) (2)検体 5週齢雄SDラット (3)試験方法 5週齢雄のSDラット(1群6匹)を馴化飼育させた
後、水及び試料0.1%を含有させたビタミンB2欠乏
(0.03mg/100g未満)の高コレステロ−ル飼
料(コレステロ−ル1%,コ−ル酸0.5%)を自由に
5週間摂取させた。その間、2日に1回は酸化コーンオ
イルを胃ゾンデにより強制経口投与(1ml/匹)し
た。対照群には、試料を含有しないビタミンB2欠乏飼
料を与え、他の条件は試験群と同様に飼育した。
【0048】血中の過酸化脂質量は、チオバルビツール
酸(TBA)法により求めた。生理食塩水1.0mlに
被検血清を50μl添加し撹拌した後、3000rpm
で10分間遠心分離して、上清を得、該上清0.5ml
に0.08N硫酸4.0mlを加えて混合し、10%リ
ンタングステン酸水溶液0.5mlを加えた後、室温に
て5分間放置し、再度、遠心分離した。沈澱物に0.0
8N硫酸2.0ml、10%リンタングステン酸水溶液
0.3mlを加えて懸濁し遠心分離した。沈澱物に蒸留
水4.0mlを加えて懸濁させ、TBA試薬(3.35
mg/ml)1.0mlを加えた。沸騰湯浴中で60分
間加熱した後、流水で冷却し、n−ブタノール5.0m
lで抽出した。3、000rpm、10分間遠心分離
し、上層のブタノール層を得た。該ブタノール層につい
て分光けい光光度計(日製産業株式会社製「F−130
0」)を用いて、けい光励起波長515nm、けい光波
長553nmにてけい光測定を行い、血中過酸化脂質濃
度の定量を行った。
【0049】(4)試験結果 試験結果を下記表5に示す。対照群に比べて有意に過酸
化脂質レベルの低下がみられた。その効果は1日必要摂
取量の約50倍のβ−カロチン投与群と同等であった。
【0050】
【表5】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1及び実施例2で得られた乳酸菌
発酵産物反応物の温度安定性を示すグラフである。
【図2】図2は実施例1及び実施例2で得られた乳酸菌
発酵産物反応物のpH安定性を示すグラフである。
【図3】図3は実施例3で行った本発明発酵産物反応物
1の抗酸化力測定結果を示すグラフである。
【図4】図4は実施例3で行った本発明発酵産物反応物
1のフリ−ラジカル消去能測定結果を示すグラフであ
る。
【図5】図5は実施例3で行った本発明発酵産物反応物
1の細胞毒性試験結果を示すグラフである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:225)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸菌をくん液培地において培養して得
    られる乳酸菌発酵産物反応物を有効成分とする過酸化脂
    質生成抑制剤。
  2. 【請求項2】 乳酸菌を一般培地において培養して得ら
    れる乳酸菌発酵産物にくん液を加えることにより得られ
    る乳酸菌発酵産物反応物を有効成分とする過酸化脂質生
    成抑制剤。
JP3158848A 1991-06-28 1991-06-28 過酸化脂質生成抑制剤 Pending JPH059126A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3158848A JPH059126A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 過酸化脂質生成抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3158848A JPH059126A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 過酸化脂質生成抑制剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH059126A true JPH059126A (ja) 1993-01-19

Family

ID=15680732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3158848A Pending JPH059126A (ja) 1991-06-28 1991-06-28 過酸化脂質生成抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH059126A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63209729A (ja) * 1987-02-27 1988-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 凝縮性ガス成分の凝縮分離用セラミツク膜構造体およびその製造方法
JP2009191276A (ja) * 2009-05-27 2009-08-27 Taiyo Corp 過酸化物分解特性を示す乳酸菌
AT14757U1 (de) * 2014-09-08 2016-05-15 Engel Austria Gmbh Formteilherstellung

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63209729A (ja) * 1987-02-27 1988-08-31 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 凝縮性ガス成分の凝縮分離用セラミツク膜構造体およびその製造方法
JP2009191276A (ja) * 2009-05-27 2009-08-27 Taiyo Corp 過酸化物分解特性を示す乳酸菌
AT14757U1 (de) * 2014-09-08 2016-05-15 Engel Austria Gmbh Formteilherstellung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6197295B1 (en) Dietary supplementation with, and methods for administration of yeast-derived selenium product
EP0649603B1 (en) Antioxidant food, antioxidant preparation and antioxidization method
EP2163162A1 (en) Compositions comprising Lactobacillus plantarum strains in combination with tannin and new Lactobacillus plantarum strains
US20210275601A1 (en) Ldl-cholesterol-lowering cell extract and food supplement
JP2005348698A (ja) ケフィア粒から分離された微生物とこの微生物あるいはそれを含む微生物群を培養して得られる微生物培養物ならびにそれらを用いた製品
JP6810610B2 (ja) 有機酸の産生促進剤、並びに炎症性腸疾患の予防及び/又は改善剤
JP4119656B2 (ja) 抗酸化剤
KR100435168B1 (ko) 내산성 유산균을 함유하는 발효음료
KR101737627B1 (ko) 세리포리아 락세라타에 의해 생산되는 세포외다당체를 유효성분으로 함유하는 항산화용 조성물
KR101205680B1 (ko) 식품의 선도유지용 항산화제 조성물의 제조방법 및 이의 제조방법으로 제조된 항산화제 조성물
JPH059126A (ja) 過酸化脂質生成抑制剤
KR20170017176A (ko) 장 내 유산균 증가용 조성물 및 이를 이용한 유산균 생산 방법
JP2816564B2 (ja) 乳酸菌調製物
JP2006241108A (ja) 細胞賦活剤
JP2005082495A (ja) 脳細胞保護のための組成物
JPH0885789A (ja) 抗酸化性物質の製造法およびその用途
WO1998037172A1 (en) Dietary supplementation with, and methods for preparation of yeast-derived selenium salts
JPH0899888A (ja) グルタチオンペルオキシダーゼ活性化剤
EP0934062A1 (en) Antioxidant activity of 3-dehydroshikimates
KR101672827B1 (ko) 알라스칸 진생의 잎 추출물을 유효성분으로 함유하는 항산화 또는 항염증용 약학 조성물
JP2003012538A (ja) 抗酸化作用剤
WO2000069453A1 (fr) Composition du type sod, et agent regulateur de la pression sanguine
JP4912708B2 (ja) 新規物質tmr
JP2894837B2 (ja) 抗酸化食品,抗酸化製剤および抗酸化方法
KR20240094197A (ko) 효소 및 발효반응 녹용추출물의 제조방법과 그에 의한 효소 및 발효반응 녹용 추출물