JPH059123Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、壁面や床面等の施工面に、一定枚数
のタイルを１セツトとして順次に貼り付けるため
に、所定の配列に整列した一群のタイルの表面ま
たは裏面に、強靱な紙または合成樹脂製のネツト
等の連結シートを貼着して一体的に連結するタイ
ルの連結シート貼着装置に関する。

従来の技術及び考案が解決しようとする問題点 このような貼着装置としては、従来、両端部に
スプロケツトを固定した水平な駆動軸と従動軸を
前後に間隔を空けて平行に対設し、両軸の前後に
対応する一対のスプロケツトの間に夫々無端チエ
ーンを互いに平行に掛け渡し、これら左右の無端
チエーンの間に多数の搬送板を前後に連続して配
置し、各搬送板の前部及び後部の左右両端部を
夫々左右の無端チエーンに軸支して取り付けると
ともに、各搬送板の上面に一定枚数からなる１セ
ツトのタイル群を所定の配列に整列して支承する
整列板を取り付け、搬送板の上側の水平走行部
に、後方から順に、１セツト分のタイル群を各整
列板の上に整列して供給する装置と、各整列板上
のタイル群に連結シートを貼着する貼着装置と、
これを乾燥する乾燥装置と、さらに、乾燥済みの
タイル群を各整列板から取り出す装置とを配設し
た構成になる装置があるが、前記したように、諸
工程を施す各装置が全て無端チエーンの上側の直
線走行部に配設されているのに加え、特に、タイ
ル群に貼着された連結シートの貼着剤を十分に乾
燥させるには搬送方向に沿う所定の長い距離にお
いて乾燥装置を配設する必要があり，このため、
無端チエーンの直線走行部の長さが大きくなつて
装置の据付面積が大となる欠点があり、また、各
搬送板は無端チエーンの下側の直線走行部におい
ては上下反転して裏返しの姿勢となるため、各搬
送板の上面に取り付けられた整列板が反転した搬
送板から脱落しないように確実な取付手段を講ず
る必要があるが、このようにすると、整列板を各
搬送板に着脱するのに時間を要し、このため、装
置に供給するタイル群をタイルの形状や配列方法
の異なつた他のタイル群に変更したとき、各搬送
板に取り付けられた整列板の全てをその新たなタ
イル群に適応した整列板と取り換えるのに手間取
り、段取りに時間を要して作業能率が悪い欠点が
あつた。

問題点を解決するための手段 本考案は、前後に一定の間隔を空けた一対の水
平軸の周りで回転する一対の転輪に掛け渡した第
１の無端チエーンと、一対の水平軸に対して等距
離後方へずれた他の一対の水平軸の周りで回転す
る一対の転輪と少なくとも前側同士及び後側同士
が等径の他の一対の転輪に掛け渡した第２の無端
チエーンとを左右に間隔を空けて平行に並設し、
第１と第２の無端チエーンの間に配置した多数の
搬送板の各々を、その前方部分で第１の無端チエ
ーンに軸支するとともに、その軸支点から、一対
と他の一対の水平軸の前後方向のずれ距離と等距
離後方へずれた後方部分の点で第２の無端チエー
ンに軸支し、搬送板の循環走行方向に沿つて、新
たなタイル群を各搬送板上に整列して供給する供
給位置と、各搬送板上のタイル群に連結シートを
貼着する貼着位置と、貼着した連結シートを乾燥
させる乾燥位置と、連結シート貼り付け済みのタ
イル群を各搬送板から取り出す取出位置とを順次
に設けた構成とした。

作用及び効果 本考案においては、前後に一定の間隔を空けた
一対の水平軸の周りで回転する一対の転輪に掛け
渡した第１の無端チエーンと、前記一対の水平軸
に対して等距離後方へずれた他の一対の水平軸の
周りで回転する前記一対の転輪と少なくとも前側
同士及び後側同士が等径の他の一対の転輪に掛け
渡した第２の無端チエーンとを左右に間隔を空け
て平行に並設し、前記第１と第２の無端チエーン
の間に配置した多数の搬送板の各々を、その前方
部分で前記第１の無端チエーンに軸支するととも
に、該軸支点から、前記一対と前記他の一対の水
平軸の前後方向のずれ距離と等距離後方へずれた
後方部分の点で前記第２の無端チエーンに軸支し
たから、各搬送板が、無端チエーンの前後両端の
転輪における回曲走行部で傾いたり、下側の直線
走行部において上下反転することなく常に水平姿
勢を保持し、このため、整列板を各搬送板の上面
に簡単な取付手段でもつて取り付ければ良く、し
たがつて、整列板の各搬送板への着脱作業を容易
かつ迅速に行なうことができて、段取りに手間取
ることがなく作業を能率良く行なうことができる
効果を奏するとともに、無端チエーンの下側の直
線走行部においても各搬送板の整列板にタイル群
を載せておくことができるため、この搬送板の上
側の直線走行部だけでなく下側の直線走行部を含
む全走行部にわたつて、タイルの供給位置、連結
シートの貼着位置、乾燥位置及び取出し位置を配
設することができ、したがつて、搬送板の下側の
直線走行部も有効に利用することができて、その
分だけ無端チエーンの長さを短かくすることがで
き、装置の全長が小さくなつて小嵩となり、据付
面積が小さくて済む効果を奏する。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて
説明する。

第１図に示すように、前後に細長い箱状をなす
本体１の一側の側面の前方部と後方部の内側に径
の等しいスプロケツト２，２が夫々取り付けられ
ているとともに、本体１の他側の前方部と後方部
の内側に前記スプロケツト２と同一径のスプロケ
ツト３，３が前記前方のスプロケツト２、後方の
スプロケツト２から夫々同一距離Ｌだけ軸心を後
方へずらした位置に取り付けられており、前方側
のスプロケツト３及びこれの対角位置にある後方
側のスプロケツト２は夫々、本体１を貫通した長
軸５，６に固定されていて、前側の長軸５は、第
２図に示すように、本体１の両側面の外側に夫々
固定された軸受７，８に支持され、後側の長軸６
は、第３図に示すように、同じく本体１の両側面
の外側に夫々固定された軸受１０，１０に支持さ
れており、前方側のスプロケツト２はその外面側
に突出して固定された短軸１２が前記長軸５を支
持した軸受７に支持され、このスプロケツト２の
対角位置にある後方側のスプロケツト３は同じく
その外面側に突出して固定された短軸９が本体１
の外側面に固定された図示しない軸受に支持され
ており、前後に対応する一対のスプロケツト２，
２及び３，３の間に無端チエーン２１，２１が
夫々互いに平行に掛け渡され、前方側の長軸５及
び短軸１２の軸受７から突出した端部には夫々径
の等しい歯車１４，１４が固定されているととも
に、長軸５と短軸１２の中間位置において軸受７
に支持された軸１５に歯車１４と同径の歯車１６
が固定され、これら３個の歯車１４，１４，１６
が互いに噛み合つており、一方、長軸５の軸受８
から突出した端部が本体１の側方に据え付けたモ
ータ１７の出力軸１８にベルト２０を介して連結
されており、モータ１７の駆動により長軸５が一
方向に回転すると、３個の歯車１４，１４，１６
の噛み合いにより短軸１２が長軸５と同方向に回
転しこれにより各スプロケツト２，３が夫々同一
方向に回転して無端チエーン２１，２１が一方向
に循環走行するようになつている。

両無端チエーン２１，２１の間には多数枚の搬
送板２２が無端チエーン２１の長さ方向に互いに
隣り合わせて配置され、各搬送板２２の無端チエ
ーン２１に沿つた両側部の下面には夫々走行体２
６が無端チエーン２１の内側にこれと平行に取り
付けられており、この走行体２６は互いに平行に
向い合わせた２枚の細長い支持板２３，２３の間
に、前記スプロケツト２と３の夫々の軸心のずれ
た距離Ｌと同一距離Ｌだけ互いに離間した両端部
とその中間に夫々ローラ２５を軸支したものであ
つて、内側の支持板２３の上縁に形成されたブラ
ケツト２４により搬送板２２に固着されており、
各搬送板２２の第２図に示す上側の無端チエーン
２１の内側に対応する走行体２６においては、前
端部のローラ２５を支持した支持軸２７が外側に
突出していて、この突出部が無端チエーン２１の
リンク同士を互いに連結するピン孔２８に回転自
由に嵌入されているとともに、各搬送板２２の第
２図に示す下側の無端チエーン２１の内側に対応
する走行体２６においては後端部のローラ２５を
支持した支持軸３０が外側に突出していて、この
突出部が同じく無端チエーン２１のリンク同士を
互いに連結するピン孔３１に回転自由に嵌入され
て、各搬送板２２が両側の無端チエーン２１，２
１の間に支持されており、両無端チエーン２１，
２１の上下の直線走行部の内側には夫々レール３
６が各直線走行部と平行に支持されており、無端
チエーン２１の上下の直線走行部においては各搬
送板２２の走行体２６がそのローラ２５によりレ
ール３６の上を走行するようになつている。各搬
送板２２の上面には、合成ゴムからなり、一定枚
数のタイルａからなる１セツトのタイル群を縦横
に整列して支承する整列板３２が搬送板２２の両
側部に形成された係止部３３，３３の互いに内向
きに対応する嵌入溝２９，２９に側縁部を夫々嵌
入して載置されており、この整列板３２の上面に
は各タイルａの下面を嵌め込む平面角形の凹部３
５が形成されており、各凹部３５の周りには上面
に向つて拡がつた傾斜面が形成されている。

無端チエーン２１，２１の上側の直線走行部の
中央寄りから前端部にわたる上方部が連結シート
ｅの貼着位置Ｃとなつていて、接着剤を入れた容
器４３の下面で互いに触転する一対のローラ４４
の周面に塗着した接着剤がそのローラ４４とさら
に触転する塗着ローラ４５に移り、この塗着ロー
ラ４５が各整列板３２に支承されたタイル群の上
を触転することによつて各タイルａに接着剤を塗
り付け、帯状に連続した連結シートｅを巻き取つ
たシートロール４６から繰り出された連結シート
ｅを一対の送りローラ４７により接着剤の塗布さ
れたタイル群の上に送り出し、その上を触転する
２個の押圧ローラ４８により押圧して貼り付け、
連結シートｅの貼り付けられた各タイル群の後端
部でカツタ５０により連結シートｅを切断するよ
うになつており、この貼着位置Ｃの後方がタイル
ａの供給位置Ｄとなつていて、各タイルａを所定
の配列に整列したタイル群を吸盤により吸い上げ
て各整列板３２の上に一度に載置する図示しない
供給装置が配置され、さらにその後方が連結シー
ト貼着済みのタイル群を各整列板３２から取り出
して回収する取出位置Ｅとなつていて、各タイル
群を同じく吸盤により吸い上げて取り出す図示し
ない取出装置が配設されており、両無端チエーン
２１，２１の下側の直線走行部はタイル群に貼着
された連結シートｅの接着剤を乾燥する乾燥位置
Ｆとなつていて、その直線走行部の周りの上下左
右が断熱板３９により取り囲まれて風洞３８が形
成され、図示しないブロアにより供給される灯油
の燃焼ガス等の熱風を風洞３８内の前方に向つて
送り込む吐出管４０が風洞３８の後端部に嵌入さ
れているとともに、風洞３８内に送り込まれた熱
風を本体１の外へ排出する吸出管４１が風洞３８
の前端部に嵌入されている。

次に、本実施例の作用を説明する。

各搬送板２２はモータ１７の駆動により各スプ
ロケツト２，３が第１図において反時計方向に回
転して無端チエーン２１が一方向に循環走行する
ことにより、両側部下面の走行体２６が夫々のレ
ール３６上を走行しながら前方に向つて一定の速
度で移動するようになつており、タイルａの供給
位置Ｄにおいて各搬送板２２の整列板３２に各タ
イルａを表向きにして整列したタイル群を供給す
ると、その前方の貼着位置Ｃで各タイル群の表面
側の全面に連結シートｅが貼り付けられ、各搬送
板２２が前側の回曲走行部に差し掛ると、各搬送
板２２の両側の走行体２６の夫々の後端部のロー
ラ２５，２５が夫々のレール３６の前端部から外
れ、これと同時に、各搬送板２２の第２図に示す
上側の走行体２６の前端部の支持軸２７、及び、
他側の走行体２６の後端部の支持軸３０が夫々の
スプロケツト２，３に沿つて回曲移動し始め、こ
れらの支持軸２７と３０が常に同一高さを維持し
ながら下方へ移動するため、これらの軸２７，３
０により支持された各搬送板２２がスプロケツト
２，３の回曲部を水平姿勢を保つたまま下降して
下側の水平走行部に移行し、下側の水平走行部に
移行すると各搬送板２２は両側の走行体２６，２
６が夫々下側のレール３６の上を走行しながら風
洞３８の中を後方に向つて移動し、このとき、風
洞３８内を後方から前方に向つて流れる熱風によ
り、各搬送板２２の整列板３２上のタイル群に貼
着された連結シートｅの接着剤が乾燥され、各搬
送板２２が風洞３８から抜け出て後側の回曲送行
部に差し掛ると、前記したと同様に、各支持軸２
７，３０が夫々スプロケツト２，３に沿つて回曲
移動し始め、これらの軸２７，３０が常に同一高
さを維持しながら上方へ移動するため、各搬送板
２２がスプロケツト２，３の回曲部を水平姿勢を
保つたまま上昇して再び上側の直線走行部に移行
し、直線走行部に移行した各搬送板２２は両側の
走行体２６，２６が夫々の前端部のローラ２５か
ら順に夫々のレール３６の上に乗り掛つて、両走
行体２６がレール３６上を走行しながら前方に移
動し、各搬送板２２が取出位置Ｅに差し掛つたと
ころで、連結シート貼着済みのタイル群を取出装
置の吸盤により整列板３２から吸い上げて取り出
すようになつている。

本実施例においては、連結シート貼着済みのタ
イル群の乾燥を無端チエーン２１の下側の直線走
行部において行なうようにしたから、その分だけ
上側の直線走行部の長さを短かくすることができ
て、装置の全体長を小さくすることができ、ま
た、各搬送板２２が下側の直線走行部で上下逆転
したり、両側の回曲走行部において傾いたりしな
いため、整列板３２を各搬送板２２に取り付ける
のに、本実施例のように、両側縁部を嵌入溝２９
に嵌めるだけの簡易な方法で固定すれば足り、整
列板３２の取り替えの段取りを容易かつ迅速に行
なうことができ、さらに、本実施例の整列板３２
は各タイルａの下面を嵌め込む凹部３５の周りが
傾斜面となつているため、各タイルａに多少の大
きさの違いがあつてもタイルａが各凹部３５に収
められる利点がある。

なお、本実施例においては、連結シート貼着済
みのタイル群の乾燥を熱風で行なうようにした
が、下側の直線走行部に赤外線ランプ等を配設し
て熱線を照射することにより乾燥するようにして
もよく、また、供給位置Ｄにおけるタイル群の供
給、及び、取出位置Ｅにおける連結シート貼着済
みのタイル群の取り出しを夫々吸盤により吸着し
て移送する装置により行なうようにしたが、この
ような装置によらないで手作業により供給及び取
り出しを行なうようにしてもよい。

さらに、本実施例においては、整列したタイル
群の表面側に連結シートｅを貼着する場合を例に
とつて説明したのであるが、連結シートｅをタイ
ル群の裏面側に貼着する場合にも適用することが
可能であり、この場合には供給位置Ｄにおいて各
整列板３２に各タイルａを裏返しにして載置す
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の断面図、第２図は
第１図のＡ−Ａ線断面図、第３図は第１図のＢ−
Ｂ線断面図である。 ２，３……スプロケツト（転輪）、５，６……
長軸、９，１２……短軸、２１……無端チエー
ン、２２……搬送板、２７，３０……支持軸、Ｃ
……貼着位置、Ｄ……供給位置、Ｅ……取出位
置、Ｆ……乾燥位置、ｅ……連結シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 前後に一定の間隔を空けた一対の水平軸の周り
   で回転する一対の転輪に掛け渡した第１の無端チ
   エーンと、前記一対の水平軸に対して等距離後方
   へずれた他の一対の水平軸の周りで回転する前記
   一対の転輪と少なくとも前側同士及び後側同士が
   等径の他の一対の転輪に掛け渡した第２の無端チ
   エーンとを左右に間隔を空けて平行に並設し、前
   記第１と第２の無端チエーンの間に配置した多数
   の搬送板の各々を、その前方部分で前記第１の無
   端チエーンに軸支するとともに、該軸支点から、
   前記一対と前記他の一対の水平軸の前後方向のず
   れ距離と等距離後方へずれた後方部分の点で前記
   第２の無端チエーンに軸支し、前記搬送板の循環
   走行方向に沿つて、新たなタイル群を前記各搬送
   板上に整列して供給する供給位置と、前記各搬送
   板上のタイル群に連結シートを貼着する貼着位置
   と、貼着した連結シートを乾燥させる乾燥位置
   と、連結シート貼り付け済みのタイル群を前記各
   搬送板から取り出す取出位置とを順次に設けたこ
   とを特徴とするタイルの連結シート貼着装置。