JPH059106B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、皮膚、髪及び衣服には粘着しないと
共に医用目的の固定包帯、圧迫包帯及び支持包帯
及び持続伸縮性の圧迫包帯及び支持包帯のための
硬性及び伸縮性を有する自着性の包帯の製造方法
及び該方法により製造される包帯に関する。 圧迫及び支持包帯として周知の包帯は、自着作
用を得るためにその両側に接着物質即ち織物の縦
及び横のヨリ糸の外側には粘着しないが繊維群の
中に深く浸透するゴムから主として構成された粘
着物質により被覆されている。しかし、この種従
来のものは、個々の縦及び横のヨリ糸の間の空間
が粘着物質によつて満たされているので、それは
もはや実際は包帯ではなく、縦糸及び横糸の引き
裂き抵抗を増大させるための伸縮補強織物を含む
ゴム片又はゴム帯でしかない。このような包帯の
場合、ゴムが織物の細孔の全容積を満たし且つ薄
膜のように両側の表面をシールしているので、粘
着粒という概念子を引合いに出すことは不可能で
ある。そのような包帯における伸縮縦ヨリ糸の確
固とした粘着状態により、伸長性は著しく減じら
れるので、非常に小さな半径の人体の一部に適用
された時のそのような包帯の可塑的な作用につい
て述べることはもはや不可能である。更に、その
ような包帯は約30〜40％伸長し得るだけである。
このような構造では、織物の呼吸作用例えば皮膚
と外部空気との間の通気性が失われる。更に、粘
着物質の浸透は空気透過性、水蒸気透過性、分泌
物吸収性、吸湿性に著しい影響を与えるので、皮
膚をおかすバクテリアや細菌にとつて理想的な媒
体を構成する好ましくない熱及び湿気の空間部
（むれ）が形成されてしまう。更に、伸縮素材が
繊維束への粘着物質の浸透及び被覆又は包み込み
によりその伸縮作用に非常に重大で否定的な影響
が与えられるので、伸縮素材の確固とした粘着に
より伸長性が著しく減じられてしまう。 又、医療を目的とする再使用可能な伸縮包帯は
少なくとも長手方向に伸長し得る伸縮素材から形
成された延ばされた支持帯から形成され、該支持
帯はそれ自身は粘着するが皮膚又は衣類には粘着
しない粘着物質によりその両側が部分的に被覆さ
れており、該粘着物質は支持帯の全長に亘つてそ
の中に含まれ織物の間隙から離れているが織物表
面から突出するヨリ糸の一部に塗布されているの
で、空気や湿気の透過性が確保される。この方式
により構成された伸縮圧迫包帯は再使用可能であ
ると共に、人体表面の全ての側に一定の圧力を加
えつつ静止しており、伸縮緊張にも拘らず人体の
一部により包帯が移動した時でさえも包帯の特に
横方向の摺動の個々の変化による圧力の減少はな
い。この包帯は延長された連続的な装置即ち空気
や水蒸気の良い透過性があり且つ皮膚、空気また
は衣類に粘着しないことを可能にすることが意図
されている（独公告第1491205号明細書）。 浸漬方法により粘着物質の被覆が包帯に行われ
得るにも拘らず、独公告第1491205号明細書によ
る包帯の場合、粘着物質の被覆はローラにより行
われる。この方法の場合、ゴムは二つの間隔を置
いて平行に配置されたタンクから取り出されてそ
の間から包帯を接線方向上方へ案内する二個のロ
ーラに運ばれる。微調整により二個のローラは通
過する包帯にゴムを一様に塗布する。しかしなが
ら、包帯の両側に一様に被覆し得るようにするた
めのそのような微調整をなしとげることは不可能
である。織物の密度に応じて、供給時により多く
又はより少なく伸長せしめられた状態となる作用
と同様に、包帯の多くの部分が二個のローラによ
り被覆されないか又は一方の側しか被覆されない
ので、包帯の或る範囲において該包帯の中へ深い
浸透が起こつたとしても、包帯の一部分又は全て
の側が粘着物質がないまま残つてしまう。従つて
ローラ塗布方式は包帯の両側にゴムの一様な分布
を行うことは出来ない。 しかしながら、自着性でそれ自体にのみ粘着し
且つ皮膚、髪及び衣服には粘着しない硬性または
伸縮性の包帯においては、この種粘着性包帯の内
側の層が、粒子が密着してより大きな集塊になる
ので、長い保管期間の場合に外側の包帯層の圧縮
力により相互に固く自着されることが不利である
ことがわかつた。この事実に基づいて、該包帯は
適用の際外側から内側に向つて段々強く繰り出さ
れる即ち実際の適用の際に、医師が異なる自着力
により生じる欠点を除去するために包帯の所定の
長さを繰り出してこの繰り出された部分を常に治
療のために必要な張力のもとに配量して貼用し得
るようにすることが必要である（ドイツ公開明細
書第2912129号）。 さらに、数度の使用の場合に粘着剤の自着力
が、粒子の集塊化により粒子密度の減少が発生す
る即ち個々の粒子の集塊化により単位面積当りの
個々の粒子の数が減少するので、弱くなる。 従つて、本発明の課題は、繊維束自体は粘着し
ないが両表面の突出した繊維端は粘着するように
均一に分散して包帯布地の両表面に接着剤塗布さ
れる、方法並びに自着性でそれ自体にのみ粘着し
且つ皮膚、髪及び衣服には粘着しない堅いまたは
伸縮性の包帯を提供し、二つの欠点−内側の層の
強い自着及び数度の使用における個個の層の自着
力の減少−を排除することにある。 この課題を解決するために、本発明によれば固
定物質に関して３％乃至15％のオーダーでアクリ
ル酸誘導体またはブタジエンスチレン誘導体が混
合されているラテツクスの如き接着剤が微小粒子
の形態でほゞ500mm²に1000乃至5000個の粒子数で
均一に分散して、横糸及びたて糸もしくは織物ま
たは編物の如きたて糸から成る包帯の平面組織の
両表面に、渦流状噴霧により10乃至40ｇ／m²のオ
ーダーの塗布量で繊維束の突出した繊維端に付着
するだけで繊維束全体またはその中には付着する
ことなく塗布される、方法が提供される。 本発明方法により、堅い又は伸縮性を有する包
帯が、その両面を薄く且つ一様に接着剤粒子によ
り被覆せしめて高い自着性が個々の巻き重ね部を
一緒に保持するようにすることにより得られるの
で、非自着包帯と比較して、包帯が巻かれた部分
を大きく動かすのに何らの制限もなく、巻きがず
れることもない。即ち、優れた自着性を有するに
も拘らず、包帯の異なる巻き重ね部が自着される
だけであつて皮膚、毛髪及び衣類には粘着せず、
水蒸気透過性、空気透過性、分泌物吸収性及び伸
縮作用が非粘着性包帯に較べて決して減退しない
ので、皮膚と包帯の間には医師が炎症の必要条件
として非常に恐れている熱集中及び湿気のある空
間部（むれ）は形成され得ない。本発明方法によ
る包帯の粘着構造によれば、包帯の個々の巻き重
ね部は包帯が除去されるまで滑動することのない
ように保持される。接着剤粒子の塗布量を最少量
にすることにより特に約10〜40ｇ／m²にすること
により繊維束同志の粘着は防止され、多くの包帯
に対してはおよそ15〜20ｇ／m²用いるのが適当で
あり、そして個々の粒子は極めて微小であり且つ
包帯の両側に一様に分布せしめられているので、
最大自着性が個々の包帯の巻き重ね部間において
得られ、それらがいかに配置されているかは問題
ではない。小さな粒子の極めて均一な分布によ
り、巻き重ね部の確かな相互結合は全ての場合に
おいて呼吸作用のどんな重大な悪化を存在せしめ
ることなしに確保される。包帯の表面に塗布され
る小さな接着剤粒子は包帯の中へ深く延びる粘着
性のべとべとしたりぬるぬるする被覆層は形成し
ないので、個々の粒子は包帯の物理的作用例えば
伸長性、変形の復元エネルギー又は呼吸作用に影
響し得ない。更に、包帯の伸縮作用は何ら損われ
ない。 特にアクリル酸誘導体またはブタジエンスチレ
ン誘導体の使用により、粒子分散または粒子数／
単位面積そして個々の包帯層の自着性が均一化さ
れて冒頭に述べた欠点が回避されることが、意外
にも明らかになつた。接着剤中への分子状態での
上記誘導体の配置によつて、接着剤粒子の集塊化
は、該接着剤粒子の単位面積当りの数が十分に維
持され従つて包帯層同士の集塊化も十分に維持さ
れ且つ公知の包帯の場合とは異なり個々の粒子が
集塊化によりさらに大きな粒子へ強く結合したり
せず数度の貼用の際に粒子数／単位面積の減少が
生じないように、制御される。 この本発明による方法及び自着性包帯の形態に
よれば、集塊化即ち包帯層同士の粘着がそれほど
強くなく医師が選択して使用し得而も望ましくな
く且つ危険な締付けとなる懸念を持つ必要のない
包帯が医師に提供される。この利点は、該包帯が
患者または素人自身により貼用される場合に、重
要である。 本発明の他の利点は、包帯の繰返しの再使用が
可能であるということである。包帯層の包帯巻枠
からの展開がより簡単であるので、治療する人に
とつて貼用が容易にされる。 さらに、前記課題は、固定包帯、圧迫包帯及び
支持包帯及び持続伸縮性の圧迫包帯及び支持包帯
を製造するための自着性でそれ自体にのみ自着し
且つ皮膚、髪及び衣服には粘着しない堅いまたは
伸縮性包帯において、本発明により横糸及びたて
糸もしくは織物または編物の如きたて糸からな
り、その固体成分に対して３％乃至15％のオーダ
ーでアクリル酸誘導体またはブタジエンスチレン
誘導体が混合されているラテツクス等のような接
着剤からなる前記横糸及びたて糸の露出した表面
部分の両面に10乃至40ｇ／m²特に15乃至20ｇ／m²
のオーダーの塗布量の場合に約500mm²に1000乃至
5000個の粒子に分散して配設された微粒子を備え
ている、平面組織から構成されている包帯により
解決される。 本発明方法によれば、粒子は非常に微細で且つ
均一に分布していて、高い粘着性を有するにも拘
らず、呼吸活動等の如き傷の治癒過程に必要な各
種のフアクターは少しも損われることがなく且つ
蒸し暑い空間部分（むれ）は全く出来なかつた。
かくして、本発明方法により製作される包帯は非
常に優れたものであることが立証されている。 包帯の縦方向、横方向及び縦横方向の伸縮性と
接着剤粒子の超微細配列とにより、包帯が巻かれ
るべき身体部分の径が非常に小さい時でも、空気
の循環、水分の吸収及び蒸気と水分の架橋形成を
損うことなしに、身体各部に伸縮性を以つて固定
的に被着することは云うまでもなく、柔軟で且つ
滑ることのない包装状態を作り出すことができる
ので、かぶれの原因となるべき熱や水蒸気の生成
を完全に防ぐことができる。 本発明による方法は、以下の実施例に基づき説
明される。 圧迫包帯及び支持包帯のために使用され且つた
て糸が強く撚られたＳ及びＺクレープ撚糸から成
り一本のＳ撚糸に一本のＺ撚糸がまたは二本のＳ
撚糸に二本のＺ撚糸が随伴する持続伸縮性の布地
の断片に、渦流状噴霧により含水性ラテツクス分
散体が塗布されてたが、。この時含水性ラテツク
ス分散体にその固体成分に対して３％乃至15％の
オーダーの量でアクリルニトリルブタジエン系ゴ
ムラテツクス（NBR）の如きアクリル酸誘導体
またはスチレンブタジエンゴムラテツクス
（SBR）の如きブタジエンスチレン誘導体が混合
され、80℃で約１分の間に微小粒子が布地表面に
付着せしめられた。これにより、布地表面は微小
粒子によつてほゞ1.53％だけカバーされたが、も
呼吸活動、呼吸力、皮膚と外気との間の通気は完
全に維持された。なお、含水性ラテツクス分散体
の塗布量は、60％の固体成分を含む含水性ラテツ
クス分散体を塗布して布地の両面に12ｇの微小粒
子が付着して残留するように、布地の片面でm²当
り10ｇに選定された。 布地表面は、二つの布地部分がぶつかつた際に
粒子集塊物の高い親和性により該粒子集塊物のが
くつつき合つて二つの布地部分が互いに重なつて
貼り付くことが起こり得ないように、ラテツクス
分散体の粒子塊を両面に備えている。 以下の実験例により、本発明による包帯がドイ
ツ公開明細書第2912129号による包帯に対して優
れている点即ち重なつている二つの包帯層の粘着
力及び繰り出し力が対比されている。

【表】

【表】 本発明による方法に従つて製造された包帯が図
面に示されている。 平面組織１０から成る包帯は横糸２０及びたて
糸３０を有している（第１図乃至第４図）。該横
糸及びたて糸２０，３０の露出している表面部分
の両面に、含水性ラテツクス分散体の固体成分に
対して３％乃至15％のオーダーでアクリル酸誘導
体またはブタジエンスチレン誘導体が混合されて
いる混合物から成る符号５０で示された微小粒子
が公知の渦流噴霧法によつて塗布されている。こ
こで、アクリル酸誘導体とは例えばアクリロニト
リル（CH₂＝CHCN）やアクリル酸エステル
（CH₂＝CH−COOR）であり、ブタジエンスチレ
ン誘導体とは例えばスチレンアクリロニトリル共
重合体やスチレンブタジエン共重合体である。そ
して、ラテツクス分散体の微小粒子の周りに前記
のアクリル酸又はブタジエンスチロール誘導体等
が層を成すことによつて、各粒子の凝集が抑制さ
れる。そして、単位面積当りの粒子数や包帯表面
における粘着性が一様になる。第２図及び第３図
において符号５１により、引伸ばされた接着剤粒
子が巻付けられた布地部分と既に繰り出された布
地部分との間に見えている。この微小粒子５０は
約500mm²で1000乃至5000個に分散して塗布されて
いて、塗布量は10乃至40ｇ／m²のオーダーにな
る。特に、第２図及び第３図は二つの包帯層の間
の高い粘着力を明白に示している。第３図は分離
線６０で接着剤粒子５１により結合されている二
つの重なつている包帯層を引きはがすところを示
している。

【図面の簡単な説明】

第１図は布地の表面がゴム粒子により覆われて
いる包帯の布地部分の拡大斜視図、第２図は接着
剤粒子が表面に明らかに示されている部分的に巻
付けた状態の包帯を示す図、第３図は分離線で接
着剤粒子により結合されている二つの重なつてい
る包帯層を示す図、第４図は本発明による包帯を
適用した例を示す図である。 １０……平面組織、２０……横糸、３０……た
て糸、５０……微小粒子、５１……接着剤粒子、
６０……分離線。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 含水性ラテツクス分散体のような接着剤が、
   超微小粒子の形でほぼ500mm²当り1000から5000の
   粒子量で10から40ｇ／m²のオーダーの塗布量で一
   様な分布で、横糸及びたて糸或いは細かく又は粗
   く編まれた織物としてのたて糸から成る包帯の繊
   維ウエブの両面に、繊維自体がくつ付きあつて束
   になることがないように繊維の突き出た端部に、
   付着せしめられるようにした、医療目的の固定包
   帯、圧迫支持包帯及び持続伸縮性圧迫支持包帯の
   ための、それ自身にのみ粘着し、皮膚、毛髪及び
   衣服には粘着しない自着性と伸縮性を有する包帯
   の製造方法において、 前記接着剤に、その固体成分に対し３％から15
   ％のオーダーでアクリル酸又はブタジエンスチレ
   ン誘導体を混合せしめ、該混合物を80℃の温度で
   約１分間渦流状噴霧により包帯材料の織物表面に
   付着せしめるようにしたことを特徴とする製造方
   法。 ２ 横糸２０とたて糸３０、或いは細かくまたは
   粗く編まれた織物としてのたて糸２０のウエブ１
   ０から成り、横糸及びたて糸の両面の露出表面部
   分に、含水性ラテツクス分散体のような接着剤の
   超微小粒子５０が、ほぼ500mm²に1000から5000粒
   子の分布で、10から40ｇ／m²、好ましくは15から
   20ｇ／m²のオーダーの塗布量で、分配されてい
   る、固定包帯、圧迫支持包帯及び接続伸縮性圧迫
   支持包帯のための、それ自身にのみ粘着し、皮
   膚、毛髪及び衣服には粘着しない自着性と伸縮性
   を有する包帯において、 前記接着剤に、その固体成分に対し３％から15
   ％のオーダーでアクリル酸またはブタジエンスチ
   レン誘導体を混合せしめ、かくして得られた混合
   物を、80℃の温度で１分間渦流状噴霧により包帯
   材料の織物表面に付着せしめてなることを特徴と
   する包帯。