JPH058996Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 技術分野 本考案は、オゾンと酸素との混合気体中に生体
傷口を封止し、傷口の治療を行なうオゾン治療器
に関する。

背景技術 オゾンは乾燥した酸素の中において無声放電を
発することにより生ずる。例えば、乾燥した酸素
ガスを中空管に導入し、該中空管の内外部に稀硫
酸等の導電液体を充たすとともに、中空管内と、
中空管外に導線を挿入し、該導線に高圧電圧を印
加することにより中空管内の酸素に火花放電を生
じさせることによりオゾンが発生する。又、酸素
を流通するガラス等の絶縁導管内に導線を挿入
し、該導線と、前記絶縁導管外に巻回したコイル
との間に数キロボルトの交流電圧を印加すること
により多量にオゾンを発生させることができる。

オゾンは周知のとおり発生機の酸素による強力
な酸化作用があり、この酸化作用によつてバクテ
リヤに対して強力な殺菌作用をあらわす。その他
有機物に対して漂白作用を有することが知られて
いる。この作用によりオゾンは、浄水場の消毒、
空気中に浮遊するバクテリヤの殺菌除去によるき
れいな空気の精製等環境衛生面に多用されるよう
になつた。例えば、浄水場では従来塩素消毒を行
なつているが、塩素は水道水のカルキ臭が強くな
るとともに発ガン性のあるトリハロメタンが発生
することが指摘されており、これに対してオゾン
と活性炭を併用することにより、トリハロメタン
が取り除かれることが判明している。オゾンの殺
菌作用はまた医療面でも有効であり、特に傷口を
オゾンガス雰囲気中におくと化膿性の雑菌が死滅
することから早期に治癒することが知られてい
る。さらにオゾン中に酸素ガスが混入すると治療
効果も増し、より効果的に治癒することも知られ
ている。

考案の目的 オゾンの殺菌効果、並びに酸素との混合ガス中
における前記生体の傷口の治療効果を高めるた
め、酸素ボンベ等の酸素源と、該酸素源から一部
分配された酸素をオゾン発生器に導入して得られ
たオゾンとを簡易に、且つ安価に生体傷口に供給
して、該傷口を早期に治療するためのオゾン治療
器を提供することを目的とするものである。より
具体的には、酸素源と、該酸素源から分配された
酸素からオゾンを生成するオゾン発生器と、該酸
素源から圧送される酸素と前記オゾン発生器から
送出されるオゾンとを任意の容積比で導入して得
た混合気体を封入する封止具と、該封止具から排
出される混合気体のオゾン成分を酸素に分解する
触媒とからなり、前記封止具内の混合気体を生体
または生体部分の傷口を収納して封止し、生体傷
口に当てるようにしたオゾン治療器を提供するも
のである。

実施例 第１図は、本考案のオゾン治療器の構成を説明
するためのブロツク図で、図中、１は酸素ガスを
高圧で封入した酸素ボンベ等の酸素源で、導管３
に装着されたバルブ２により酸素が圧送、閉止さ
れ、圧送された酸素は分岐点４より導管５，６に
分岐される。導管５側の酸素は減圧弁７により一
定圧力に減圧され、オゾン発生器９に導入され
る。オゾン発生器は前述の如く、ガラス管内外部
において、ガラス管内に流通する酸素ガスを火花
放電することによりオゾン化する。ガラス管内は
複数設けられてオゾン発生効率を向上させる。オ
ゾン発生器９に流通した酸素はすべてオゾンにな
るのではなく、酸素を含むので、流出したオゾン
を均一なオゾンにするため、反応管１０に導入す
る。反応管１０は反応管壁面に交互に固接された
阻流板１０１により流通路長を大きくしたもので
ある。反応管１０から流出したオゾンは逆止弁１
１により矢標方向のみに流動する。一方、導管６
に分岐された酸素ガスは減圧弁８により一定圧に
減圧される。この圧力は圧力計１２により監視さ
れる。以上に生成されたオゾン並びに酸素ガスは
接続部材１７を解して封止具である封止カバー１
５に、該封止カバー１５に配設された接続口１
３，１４から導入され、該封止カバー１５内で混
合される。或いは、接続部材１７を密閉容器で構
成し、該密閉容器内で酸素とオゾンを混合し、単
一の導管を通して封止カバー１５内に導入され
る。封止カバー１５は軟質樹脂、好ましくは透明
な、ポリエチレン等の袋状体で、一端は開口さ
れ、封止するための封止絞り１５１が設けられて
いる。該封止カバー１５には傷口１６１のある生
体１６が、前記封止絞り１５１から挿入され、生
体１６は、該封止絞り１５１において外気と遮断
され、傷口１６１は酸素ガスとオゾンとの混合ガ
ス中に晒らされる。オゾンは0.1PPMを超える
と、のどや目などの粘膜を痛めるので環境基準は
0.06PPMと定められているが、封止カバー１５
より排出するときはバルブ１８を開弁して触媒１
９を通してオゾン臭を含まないクリーンな酸素ガ
スに還元して導管２０より大気に放出する。触媒
１９は、鉛、マンガン、コバルト等の金属酸化物
または白金、銀等の貴金属粉末等からなりオゾン
を酸素にする。上に述べたオゾン治療器は傷口の
状況にもよるが１日30分程度で使用される。

第２図は、他の実施例を示すもので前記封止具
をカツプ状体２３として、外周部２３１を柔軟な
弾性体として傷口２６１のある生体部２６を外気
に対して封止するようにしたものである。該カツ
プ２３にはオゾン及び酸素ガスが各々導管２１，
２２を介して導入され、傷口２６１を該混合ガス
に晒らす。混合ガスは真空装置等の吸引器２５に
より吸引され触媒１９を経て導管２７より大気に
放出される。オゾン、酸素の圧力が低くカツプ２
３と生体部２６との封止が適当であれば吸引器２
５は不要であり、直接触媒１９を経て酸素ガスと
して大気放出することができる。

効 果 以上の説明から明らかなように、本考案による
と、酸素源、及び、酸素をオゾン化するオゾン発
生器、酸素とオゾンを混合する治療ガス発生要
素、封止具、該封止具からの混合ガス中のオゾン
を酸素に還元する触媒とからなる簡単な構成によ
り傷口の治療に当たることができる。また、本考
案オゾン治療器によれば、オゾンと酸素との混合
気体から成るより強力な殺菌作用により傷口の感
染を防止するだけでなく、傷口の消毒と掃除、壊
死組織の分解、またオゾンによる悪臭の減少の効
果があり、吸引することにより充血、それによる
傷口からの分泌を促進して効果的に治療すること
ができる。更に、治療後の混合ガスに含まれてい
るオゾンを酸素に還元して大気中に放出するよう
にしているので、オゾン臭を含まないクリーンな
空気として大気中に放出することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案のオゾン治療器の構成を示す
図で、第２図は、他の実施例を示す図である。 １……酸素源、２……バルブ、７，８……減圧
弁、９……オゾン発生器、１０……反応管、１５
……封止具、１９……触媒、２３……カツプ、２
５……吸引器。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 酸素源と、オゾン発生器と、該酸素源からの
   酸素と前記オゾン発生器からのオゾンとの混合
   気体を封止する封止具と、該封止具からの混合
   気体中のオゾン成分を酸素に分解する触媒とか
   らなり、前記封止具内における前記混合気体を
   被治療箇所に接触されるようにしたことを特徴
   とするオゾン治療器。 ２ 前記封止具を一端を解放した袋状体とし、該
   解放部を封止絞りとしたことを特徴とする請求
   項第１項に記載のオゾン治療器。 ３ 前記封止具をカツプ状体とし、該カツプ状体
   の解放部で生体の傷口を覆うようにしたことを
   特徴とする請求項第１項に記載のオゾン治療
   器。