JPH0589813A - 荷電粒子ビーム発生装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム発生装置

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JPH0589813A
JPH0589813A JP4078750A JP7875092A JPH0589813A JP H0589813 A JPH0589813 A JP H0589813A JP 4078750 A JP4078750 A JP 4078750A JP 7875092 A JP7875092 A JP 7875092A JP H0589813 A JPH0589813 A JP H0589813A
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lens
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Mark A Gesley
マーク・エイ・ゲスレイ
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電界放射電子銃またはイオンビーム源銃、す
なわち、荷電粒子ビーム発生装置のビームの明るさ、電
流密度および解像度を増大することにある。 【構成】 電界放射源は中エネルギビームに関して従来
考え得るより小さいスポツトの大きさに集束されるより
大きな大きさのビーム電流を有する電子銃を提供するた
めに3要素の非対称レンズ系に関連して使用される。3
要素非対称レンズ系は、大きな電流およびエネルギ拡散
を有するビームの精密な集束を可能にする、従来の静電
銃より低い周辺収差および非常に低い色収差係数を有す
る。電子銃は、放射源ビームの比較的大きな受容角度お
よびエネルギ拡散に拘わらず、小さなスポツト区域に集
束されるビームの高い電流密度を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は荷電粒子ビーム発生装置
に関し、より詳細には、とくに半導体製造用のリソグラ
フ装置に使用する、目標上の小さな区域に荷電粒子ビー
ムを集束するための静電レンズ系を備えた高電流、中エ
ネルギ電子およびイオンビームを発生する電界電子およ
びイオン化源、すなわち、低収差電界放射電子銃に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】低収差の3電極静電レンズは周知の単一
レンズから引き出された最新の開発である。単一レンズ
が始めて、アール・ゼーリガーは、オプテイク4、25
8ページ(1948年)「電子レンズの開口収差の新規
な決定方法」において、物理的に非対称な内方(集束)
電極が周辺収差を低減することに注目した。
【0003】リードおよびイムホフ(1968年の科学
機器1、859ページ)は、目標に衝突するような可変
エネルギおよび可変倍率ビームの使用を許容するズーム
レンズを製造するために単一レンズの3つの電極を電気
的に切り離した。同等に、可変銃集束は軸線に沿って物
体を動かす必要なしに得られる。
【0004】フエネクラーゼンおよびジーゲル(197
2年の応用物理43、4989ページ)は電界放射伝達
電子顕微鏡用途に比較的複雑な単一レンズ「プレアクセ
レレータ」電極ジオメトリを開発した。彼らは、高い倍
率作動の使用が、静電および磁気レンズの間に相違があ
ると仮定されるとき原理が一貫して適用されないけれど
も、銃の収差を低減することができることに注目した。
実際に、原理は両方の場合に適用でき、そして最初に1
958年のオプテイク15、304ページのケー・ジエ
イ・ハンツエンによる電子光学用途に実験的に示され、
そして周辺収差を減少するための周知の代表的な光学結
果の再発見である(エー・セプテイエの光学電子顕微
鏡、第1刷、221ページ参照)。
【0005】クロダ等(1974年の応用物理45、2
336ページ)はリードおよびイムホフの結果を採用し
かつそれを電界放射走査電子顕微鏡用レンズを開発する
のに応用した。この設計はその機能性を維持しながらフ
エネクラーゼンのプレアクセレレータの複雑さを減少し
た。
【0006】ジー・クツチ・エヌ・リドルは1978年
の真空科学技術15、857ページにおいて電界放射銃
用の1組の16個の3電極レンズジオメトリを研究し
た。彼は物理的に非対称な集束電極ジオメトリが周辺収
差を低減することを見出しかつ単一(アインツエル)レ
ンズジオメトリが小さな周辺収差を有するというゼーリ
ガーの最初の所見を確認した。リドルはまたこの設計が
研究されたすべてのレンズの最低の色収差を有すること
を認めた。これらの収差はこの分野で働く者には周知で
ある。ビーム直径に対する色収差の寄与はdC =CC
ΔE/E・αであり、ここで、CC は色収差係数、αは
ビーム半角、ΔEはビームエネルギ分布の測定値、およ
びEはビームエネルギの平均値である。ビームの大きさ
に対する周辺収差分布はdS =1/2・CS ・α3 であ
り、C3 は周辺収差係数である。他の方法で述べると、
周辺収差はビームの軸ずれ距離を有する焦点距離の変化
によりビームの大きさを増大する。色収差はビームの速
度バラツキによりビームの大きさを増大する。
【0007】オーロフおよびスワンソン(参考として本
書に組み込まれるアメリカ合衆国特許第4,426,5
82号)はイオンビームマイクロプローブ用の集束要素
としてリドルの低色収差銃レンズを使用した。彼らはま
たマンロの電子光学コンピユータプログラムを使用する
レンズの収差特性を証明しかつこのレンズがクルーまた
はマンロの2電極レンズのいずれよりも良好な性能を有
することを示した。オーロフおよびスワンソン特許の開
示は3要素静電レンズの使用からなるけれども、その第
1の主張は液体金属イオン源に関してのその応用につい
てである。レンズは低収差特性を有するとして強調され
るけれども、収差を減少するための物体の距離の減少は
彼らにより重要とはみなされない。また、かれらの応用
において周辺収差は主な要因に考えられずかつしたがつ
て彼らは銃画像平面においてビームクロスオーバーの大
きさに寄与するこの要因を減少するような他の方策を考
えなかつた。オーロフおよびスワンソンの装置はそれゆ
えその大きな収差ののため大きな電流およびミクロン以
下のビームを要求するリソグラフ装置における使用に適
さない。
【0008】上記で引用したオーロフおよびスワンソン
特許の開示および彼らの1979年の応用物理、第50
巻(4)、2494ないし2501ページの論文におい
て、物体対放射源の距離はZO =15ないし20mmで
ある。本出願の図1はオーロフおよびスワンソン特許の
開示による。イオン銃1は液体金属電界イオン化源1
1、静電光学系13、偏向装置21、および目標9を含
んでいる。
【0009】電界イオン化源11は放出子支持体11
A、および放出子11Bを含んでいる。タングステン電
界放出子11Bは放出子を抵抗的に加熱するようにタン
グステンループ11Aに溶接される。
【0010】上述した要素は支持体3上の真空室5内に
支持される。目標9は支持体7上にある。該支持体7は
真空室5の壁を貫通して放出子11Bから放出されかつ
静電レンズ系13により集束されるビームと目標9の一
直線の整列を許容する。イオンビームは一般に点線19
に沿って目標9に集束される。
【0011】それに開口15Aを有する抽出器リング1
5が放出子11Bの頂部のすぐ下に支持されかつそれと
整列される。抽出器リング15は静電光学系13の要素
13Aと同一の電位にありかつ該要素13Aに物理的に
取着される。
【0012】非対称な静電レンズ系13は頂部要素13
A、中央要素13C、および底部要素13Fを含んでい
る。
【0013】第1(頂部)要素13Aは軸線19のまわ
りに心出しされた円形開口13Bを有する円板状導体で
ありそしてこの第1要素は軸線19に対して垂直であ
る。開口13Bは3mmの直径Dを有する。第1要素1
3Aの厚さはt’で1mmに等しい。
【0014】第2(中央)要素13Cは物理的に非対称
であり、そして第1要素13Aから間隔Sが置かれてお
り、Sは3mmであり、物理的な非対称は第2要素13
Cを通って大きさを変化する開口から結果として生じ
る。第2要素13Cの上方部分13Dは厚さtおよび開
口直径Dを有し、tは3mmである。第2要素13Cの
下方部分13Eは14mmの厚さおよび18mmである
開口の直径D’を有する。開口の直径D’と下方部分1
3Eの厚さの比はそれゆえ14mmで割られる18m
m、または約1.3である。
【0015】第3要素13Fは第1要素13Aに対して
平行でありかつそれからSmm間隔が置かれる。第3要
素13Fは厚さt’および開口直径Dを有する。第1、
第2および第3要素13A,13Cおよび13Fは軸線
19に対してすべて軸方向に整列される。
【0016】放出子11Bの先端と頂部要素13Aの上
面の平面との間の間隔は15mmである。目標9上の目
標スポツトと頂部要素13Aの上面の平面との間の間隔
は75mmである。
【0017】静電偏向装置21は図1において第3要素
13Fの下に配置されかつ軸線19と軸方向に整列され
る。電圧VE が放出子に印加される。
【0018】初期または第1電圧V1が第1要素13A
にフイードスルー17Aによつて放出子に印加される。
電圧V1はまた図1の装置において抽出器リング15に
印加される。制御電圧V2がフイードスルー17Bによ
つて中央電極13Cに印加される。
【0019】第3または最終電圧V3がフイードスルー
17Cによつて底部要素13Fに印加される。V1,V
2およびV3はイオン化源11の電圧VE に関連してい
る。V3はアース電位に設定されかつビームの最終エネ
ルギはVE により決定される。抽出電圧はVE とV1と
の間の差によつて決定される。
【0020】フイードスルー17Dは静電偏向装置21
の偏光板に適宜な電圧を印加する。上述したオーロフお
よびスワンソン銃に基づきかつFEI社により製造され
た、市場で手に入るシヨツトキーSEM銃はZ0 =20
mmを使用する。
【0021】
【発明が解決すべき課題】公知のように、電界放出カソ
ードはレンズ用の仮想源を生じる放出子と抽出器電極と
の間の初期ダイオード領域に形成された拡散電子軌道を
有する。かかる装置はまたそれらの高電流放出特性によ
り特徴付けられかつその動作がシヨツトキー型に広がる
加熱カソードを含んでいる。
【0022】本発明の目的は、電界放出電子銃またはイ
オンビーム源銃のビームの明るさ、電流密度、および解
像度を増加することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明によ
れば、軸線に沿って荷電粒子ビームを発生しかつ該荷電
粒子ビームを目標スポツト上に集束する荷電粒子ビーム
発生装置において、前記荷電粒子ビームを前記軸線に沿
って放出する放射手段;および前記荷電粒子ビームを前
記目標スポツト上に集束するために前記放射手段から間
隔が置かれかつ該放射手段の下に前記軸線のまわりに配
置される静電レンズ系からなり、該静電レンズ系が、
(i)第1電圧を導きかつそれに前記荷電粒子ビームが
通過する第1開口を有する第1レンズ要素を含み、前記
第1開口が前記軸線のまわりに心出しされており;(i
i)第2電圧を導きかつ前記荷電粒子ビームが前記第1
開口を出た後通過する第2開口を含む第2レンズ要素を
含み、該第2レンズ要素は前記第1レンズ要素から間隔
が置かれかつ該第1レンズ要素の下に配置されており、
前記第2開口が円形でかつ前記軸線のまわりに心出しさ
れ、そして第1直径を有する上方部分を有し、前記第2
開口がほぼ筒状でありかつ前記軸線のまわりに心出しさ
れ、ならびに第2直径を有し、そして前記軸線の方向に
予め定めた厚さを有する下方部分を有し、前記第2直径
が前記第1直径より大きく;(iii)前記第2開口の
下に配置されかつ第3電圧を導きそして前記荷電粒子ビ
ームが前記第2開口を出た後のみ通過する第3開口を有
する第3レンズ要素を含み、前記第3開口は前記軸線の
まわりに心出しされ、前記放射手段と前記第1レンズ要
素との間の間隔が約8mmであることにより達成され
る。
【0024】本発明の銃の応用は集積回路の製造のため
の電子ビームリソグラフイ用多重レンズコラムにおける
初期光学要素としてである。かかるリソグラフ用途は小
さな目標収束角度によりミクロン以下の区域に集束され
る比較的大きな電流を要求する。小さな目標収束角度は
偏向収差を減少しかつ焦点深さを増大する。大きな銃開
口が十分な電流が電界放射型の放射源により供給される
典型的に低い角度的強さから抽出されることができるよ
うに使用される。
【0025】この低い角度的強さはカソード内に形成さ
れる実際の小さな放射源の大きさ(そして使用し得るビ
ーム電流に寄与するカソードの比較的小さい区域)に関
連付けられる。大きな開口によつてより高い銃の明るさ
を生じるために、ミクロン以下の電子ビームリソグラフ
イの場合であるように、コラムが単一倍率近くで作動す
るとき銃の収差を低下することにより大きな強調が置か
れねばならない。銃はまた独立して制御し、ビームを集
束しかつビーム電圧を設定しなければならない。オーロ
フおよびスワンソンの従来の銃において、収差を減少す
るために物体の間隔の減少が重要であるようには考えら
れなかつた。これに反して、かかる物体の間隔の減少は
本発明によれば有利である。
【0026】静電集束(磁気集束に対して)はレンズの
機械的な複雑さを最小にし、消散される熱を減少し、そ
してレンズ電極およびビームの光学的かつ機械的な整列
を簡単化する。
【0027】本発明の利点は改良された銃の明るさから
生じる。明るさ(AMPS/cm2 ステラジアンの単位
で表される)はi/πr2 πα2 でありかつ半径(r)
および半角(α)とスポツトに集束される電流(i)に
より決定される。より大きな電流が本発明によれば静電
レンズを使用して以前に可能であつたよりミクロン以下
のスポツト直径範囲に供給される。より小さい目標収束
角度がビーム偏向収差を減少しかつ焦点深さを増大す
る。迅速に、より正確な露光が銃が10kVの電子ビー
ムリソグラフイ用の通常のコラムと結合されるとき可能
である。結果としてラスタ−走査装置の160MHzの
ブランキング率において2.5μクーロン/cm2 の感
度を有するレジストの露光は多重レンズコラムの目標に
0.05ないし0.30μmのスポツト直径範囲にわた
つて400A/cm2 のビーム電流密度をならびに0.
30ないし0.50μmのスポツト直径範囲にわたつて
250A/cm2 を供給することにより可能となる。
【0028】静電銃の明るさを改良することにより、こ
の銃は半導体を製造するためのチツプおよびマスクリソ
グラフイに必要とされる高電流および高解像度の条件に
合致する。静電レンズの相対的な簡単化は従来の磁気集
束(フオーカツシング)に比べて実際的な利点である。
それゆえ本発明により光学的(従来の静電レンズに関連
して)にもかつ機械的(磁気レンズに関連して)にも利
点が得られる。従来のオーロフおよびスワンソンレンズ
のより大きな周辺収差上述したマイクロリソグラフの用
途におけるその使用を阻止する。本発明による装置のみ
がリソグラフの用途において磁気的に集束された銃の性
能と同じ性能を提供するのに十分低い収差を有する。静
電的に集束された銃−レンズの機械的な利点は、機械的
な設計の複雑さが少なく、構成要素が少なく、そして重
量が軽いということである。また、電力消散が少なくか
つ強力なレンズとして作用しなければならない磁石の電
流励起が除去されるという利点があり、そしてさらに、
電流効率を増加する制限開口を含むのが容易でかつアラ
インメント(整列)の非常に容易であるという利点をも
有する。
【0029】レンズ電極のジオメトリは低い収差をもた
らしかつ(a)10ppmで安定性を有する電源が使用
されることができかつ電気的破壊の可能性が最小である
ように30kV以下に集束電圧を保持し;(b)良好な
機械的アラインメント導き、かくしてそれらのミスアラ
インメント(誤配列)から生起するひずみおよび収差を
減少し;(c)実際のステイグメータの強さがそれを補
正することができるように非点収差を最小にし、これが
ビームに相互に作用しかつそれを集束する電界の回転対
称を保つように大きな電極間ギヤツプの静電シールドに
より行われ;(d)高電流効率、すなわち全放出電流に
対する使用された電流の大きな比を生じる伝達された全
放出電流を制限する開口を有し、それにより荷電および
ビーム空間電荷およびエネルギの広がりの心身に有害な
作用を減少し;(e)放射源から軸線上50ないし20
0mmに銃の像を発生する一方、また10kVビーム電
圧において抽出電圧変化が12kVにまでなされるのを
許容する。オーロフおよびスワンソン装置はまたこれら
の条件に合致するが、著しく大きい収差を有し、かつそ
れゆえ付与された電流によりスポツトの大きさを小さく
することができない。
【0030】したがつて、本発明の独特な態様は、オー
ロフおよびスワンソンの従来装置に比して低い色収差を
維持しながら、従来の銃の減少を超える電子銃の周辺収
差の顕著な減少を提供することである。この態様は電極
構造および電子源に対するレンズの配置の幾つかの新規
な幾何学的特徴により達成される。その場合により大き
な電流がより小さな最終角度においてミクロン以下のス
ポツトに集束される。偏向収差は減少されかつ焦点深さ
はこの銃を使用する多重レンズコラムのために改善され
る。特別な特徴は電子源(カソード)とレンズの焦点視
野の開始との間の減少された間隔である。
【0031】周辺収差は非常に減少されかつ低い色収差
が本発明により維持される。大きな電極孔および電極間
ギヤツプが収差をさらに低減しかつしかもレンズ集束電
圧の上限を維持するように設定される。銃倍率の増加は
物体側収差のより大きな減少により補正される。これ
は、結局、銃のビームクロスオーバーの大きさを低減す
る。
【0032】以下に、本発明の実施例を添付図面に基づ
き説明する。
【0033】
【実施例】3要素の静電レンズの動作に特有の2つの集
束モードの1つに関して各々最適にされた2つの実施例
がここでは開示される。以下に説明される特徴を除い
て、他の点において本発明の銃は上述したと同様な従来
のものである。ACCEL銃はより低い収差を有するが
高い集束電圧を要求する。ACCEL銃のレンズジオメ
トリは最小のビームクロスオーバーの大きさを発生する
が、本質的に高い集束電圧を有する。この電圧は10k
Vビーム電圧において30kV以下であるように抑えら
れる。ACCEL銃のモードはより高い収差を有する
が、2kV以下の集束電圧で作動する。
【0034】1実施例において本出願で説明される銃は
周辺収差を減少しかつ小さな放射源−物体間隔の使用に
より低い色収差を維持する最大の利点を得るZ0 =8m
mの値に設定する。放射源対レンズの位置の減少に加え
て、本発明はさらに収差を低減するためにレンズの形状
を最適にする。かくして、オーロフおよびスワンソンに
より開示された従来の銃の物体間隔が8mmに減じられ
たとしても、この従来の銃はここに開示された銃のスポ
ツトの大きさと同じ位小さいスポツトの大きさを発生し
ない。本出願のレンズ電極ジオメトリは1実施例におい
てACCEL銃に関して30kV以下の集束電圧を保つ
ように抑制される。
【0035】図2はDECEL銃に関する回転対称の放
射源−レンズの中心線に沿う頂部断面側面図を示す。レ
ンズジオメトリ(ACCEL銃と呼ばれる)の第2実施
例は図3に示される。ACCEL銃の全体の断面図は図
4に示される。示される3要素レンズに関して、代表的
には2つの集束モードがある、すなわち、特定の軸方向
間隔において像を発生するる2つの別個の集束電圧があ
る。選ばれた特定のモードは(i)収差の絶対最小の要
求および(ii)許容されることができる集束電圧の上
限に依存する。DECEL集束モードはACCELモー
ドより低い集束電圧を有する。両方の場合に電極ジオメ
トリは考え得る最小の収差を達成する。DECELおよ
びACCEL銃の、かつ従来のオーロフおよびスワンソ
ン銃(O−S)の種々の寸法は図5の表に示され、これ
らの寸法はmmで表される。
【0036】本発明による銃がオーロフおよびスワンソ
ン装置と異なるのは、(1)より小さい放射源対集束視
野間隔を使用することであり、我々は1実施例において
0 =8mmを使用するが、彼らはZ0 =15ないし2
0mmを使用する、(2)我々は新規なレンズ電極ジオ
メトリを使用するということである。これらの特別な寸
法的特徴は図5の表に示される。この表においてT0
(Z0 +1)は放射源対集束視野間隔の測定値であり、
この発明により最適にされる重要な幾何学的パラメータ
である。
【0037】ACCELおよびDECELの実施例は、
各集束モードに対して1つの、収差を最小にする2つの
別個のレンズジオメトリである。装置の条件に依存し
て、DECELレンズは非常に低い集束電圧で低い収差
を発生し、これに反してACCELレンズは同様により
低い収差を有するが、集束電圧は高い。
【0038】両方の場合においてレンズは3つの銃機能
の独立した制御を提供するために3つの電極(抽出器、
集束、および接地アノードまたは最終電極)を有する。
前記銃の3つの機能は、 1)抑制子対放射源電圧により決定される2次電流制御
によるカソードと抽出器との間の電圧VX により設定さ
れるビーム電流。抽出器電圧VXは代表的には4kVな
いし12kVの範囲にわたつて作動し、この範囲はシヨ
ツトキー放出原理において動作するジルコン酸化物を含
浸させた<100>−方向のタングステン単一結晶カソ
ードである1μm頂部半径カソードを使用するとき0.
1<iΩ(mA/sr)<1.0かそれにほぼ等しい範
囲の角度強度を提供する。 2)50ないし200mmの範囲の銃の像間隔zi を有
する、集束電圧により設定されたz−軸方向のビーム移
動。 3)ビーム電圧、VB =10kV。 である。
【0039】図2および図3の銃は両方ともカソード−
放射源28Bからの放出電流により作動する。カソード
28Bは抽出器38の次に配置されたカソードを抵抗的
に加熱するのに使用される金属の「ヘアピン」28に取
着される(図2、図3および図4において同一参照符号
は同様な構造を示す)。高い電界の初期ダイオード領域
は放射源28B−抑制子34構体と抽出器38の上側
(上流端)との間のギヤツプ32により画成される。放
出される大多数の電子は抽出器電極38の電界の無い内
部凹所40を通って走行し内部に配置される銃制限開口
42により停止させられる。この開口42は銃の受容半
角α0 を画成する。銃制限開口42を超えて314nA
の電流を送るために10mradの半角が、放射源28
Bが1mA/ステラジアンを放出すると仮定するとき、
画成される。伝送された電子はレンズ集束視野の最初の
部分に入る。
【0040】開口42の下流の抽出器38の形状は2つ
の目的に役立つ。第1に、それが視野を成形しかつそれ
により収差を減少することである。第2に、それが同中
心性を達成しかつそれゆえ収差を減少するために他の電
極(集束およびアノード)と機械的に容易に整列される
ことができる最終部分を提供する。これは集束電極50
の入口部分48と同一の孔46を有することにより達成
される。レンズ−物体間隔は放射源28B対集束視野の
分離により画成される。レンズ集束視野の原点Z0 =0
は抽出器38の出口の後ろ1.0mmに幾何学的に画成
される。放射源28BはZ0 =−8mmにおいて軸方向
に配置される。ビームは集束電極50および接地アノー
ド電極54を通過しそして抽出、集束およびビーム電圧
により決定されるクロスオーバー(図示せず)において
集束される。
【0041】図4はまた集束および抽出電極をそれぞれ
支持しかつ抑制子およびカソードから構成される放射源
構体を支持する通常の支持構造62,64を示す。
【0042】電圧フイードスルー60,34,28は集
束電極、抑制子、およびカソードに最終ビーム電位を供
給するカソードフイラメントリード線とそれぞれ接触す
る。抽出器用の電圧電極フイードスルーは図示してな
い。
【0043】図6は(A)−ACCEL銃、(D)−D
ECEL銃、accel集束モードにおいて作動される
従来のオーロフおよびスワンソンレンズである(O−
S)/a、およびdecelモードにおいて作動される
従来のオーロフおよびスワンソンレンズである(O−
S)/dに関する10kVビーム電圧における銃クロス
オーバー直径(垂直軸)対銃受容半角特性の比較を示
す。グラフは、 i)(A)−ACCEL銃はより低い収差を有しかつ
(D)−DECEL銃より小さいスポツトの大きさを発
生する。トレードオフは述べられた条件に関するもので
あり、(A)−ACCEL銃はビームを集束するために
26.7kV接地を基礎にした集束電圧を要求するが、
(D)−DECEL銃はカソードに言及される1.3k
V浮遊集束電圧のみを要求する。 ii)(A)−ACCEL銃および(D)−DECEL
銃は両方とも開口角度α0 >4mradかそれにほぼ等
しいについてdecelかまたはaccel集束モード
において作動される(O−S)レンズに比して改善され
た結果を生じる。測定値として明るさを考慮するとき、
(O−S)レンズに比較して改善は同様により大きい。
例えば、α0 =10mradにおいて、1mA/ステラ
ジアン放射源を使用すると、314nAの電流が利用で
きる。これらの条件下で比較によりレンズのクロスオー
バーでの有効な明るさ(BCO)と電流密度(J)は、 (A)−ACCEL銃BCO =4.7×107 A/cm2 sr, J=290A/cm2 (D)−DECEL銃BCO =1.3×107 A/cm2 sr J=109A/cm2 (O−S)−accelモードBCO =2.0×106 A/cm2 sr J=18A/cm2 (O−S)−decelモードBCO =7.8×105 A/cm2 sr J=8A/cm2 である。
【0044】改善された銃の明るさは放射源対レンズの
間隔の減少により達成される。主たる利益は、低い色成
分を維持しながら、従来技術の水準を超える、周辺収差
の顕著な減少である。
【0045】集束−アノードギヤツプの外側の通常の静
電シールド(図示せず)が中心対称の静電電界を維持す
ることにより非点収差を減少するために1実施例におい
て銃に使用される。内方孔を開放することは収差を減少
するが、集束電圧は増大する。
【0046】本発明の上記説明は例示でありしかも限定
しておらず、それに対するさらに他の変更はこの開示に
鑑みて当該技術に熟練した者には明らかである。とく
に、収差は、集束電圧が上述した30kV限界以上に増
大させられるならばACCEL銃においてさらに減少さ
れることができる。
【0047】
【発明の効果】叙上のごとく、本発明は、軸線に沿って
荷電粒子ビームを発生しかつ該荷電粒子ビームを目標ス
ポツト上に集束する荷電粒子ビーム発生装置において、
前記荷電粒子ビームを前記軸線に沿って放出する放出手
段;および前記荷電粒子ビームを前記目標スポツト上に
集束するために前記放出手段から間隔が置かれかつ該放
出手段の下に前記軸線のまわりに配置される静電レンズ
系からなり、該静電レンズ系が、(i)第1電圧を導き
かつそれに前記荷電粒子ビームが通過する第1開口を有
する第1レンズ要素を含み、前記第1開口が前記軸線の
まわりに心出しされており;(ii)第2電圧を導きか
つ前記荷電粒子ビームが前記第1開口を出た後通過する
第2開口を含む第2レンズ要素を含み、該第2レンズ要
素は前記第1レンズ要素から間隔が置かれかつ該第1レ
ンズ要素の下に配置されており、前記第2開口が円形で
かつ前記軸線のまわりに心出しされ、そして第1直径を
有する上方部分を有し、前記第2開口がほぼ筒状であり
かつ前記軸線のまわりに心出しされ、ならびに第2直径
を有し、そして前記軸線の方向に予め定めた厚さを有す
る下方部分を有し、前記第2直径が前記第1直径より大
きく;(iii)前記第2開口の下に配置されかつ第3
電圧を導きそして前記荷電粒子ビームが前記第2開口を
出た後のみ通過する第3開口を有する第3レンズ要素を
含み、前記第3開口は前記軸線のまわりに心出しされ、
前記放出手段と前記第1レンズ要素との間の間隔が約8
mmである構成であるので、独立して制御し、ビームを
集束しかつビーム電圧を設定し、レンズの機械的な複雑
さを最小にし、消散される熱を減少し、そしてレンズ電
極およびビームの光学的かつ機械的な整列を簡単化する
荷電粒子ビーム発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のレンズ系を示す概略断面図である。
【図2】本発明によるレンズを略示する部分断面図であ
る。
【図3】本発明によるレンズを略示する部分断面図であ
る。
【図4】本発明によるレンズを略示する断面図である。
【図5】本発明によるレンズと従来装置の種々の寸法を
説明する説明図である。
【図6】本発明によるレンズの性能をグラフで示す説明
図である。
【符号の説明】
28 ヘアピン 28B カソード−放射源 32 ギヤツプ 34 抑制子 38 抽出子 40 内方凹所 42 開口 50 集束電極 54 接地電極(アノード)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸線に沿って荷電粒子ビームを発生しか
    つ該荷電粒子ビームを目標スポツト上に集束する荷電粒
    子ビーム発生装置において、 前記荷電粒子ビームを前記軸線に沿って放出する放射手
    段;前記荷電粒子ビームを前記目標スポツト上に集束す
    るために前記放射手段から間隔が置かれかつ該放射手段
    の下に前記軸線のまわりに配置される静電レンズ系から
    なり、該静電レンズ系が、 (i)第1電圧を導きかつそれに前記荷電粒子ビームが
    通過する第1開口を有する第1レンズ要素を含み、前記
    第1開口が前記軸線のまわりに心出しされており; (ii)第2電圧を導きかつ前記荷電粒子ビームが前記
    第1開口を出た後通過する第2開口を含む第2レンズ要
    素を含み、該第2レンズ要素は前記第1レンズ要素から
    間隔が置かれかつ該第1レンズ要素の下に配置されてお
    り、 前記第2開口が円形でかつ前記軸線のまわりに心出しさ
    れ、そして第1直径を有する上方部分を有し、 前記第2開口がほぼ筒状でありかつ前記軸線のまわりに
    心出しされ、ならびに第2直径を有し、そして前記軸線
    の方向に予め定めた厚さを有する下方部分を有し、前記
    第2直径が前記第1直径より大きく; (iii)前記第2開口の下に配置されかつ第3電圧を
    導きそして前記荷電粒子ビームが前記第2開口を出た後
    のみ通過する第3開口を有する第3レンズ要素を含み、
    前記第3開口は前記軸線のまわりに心出しされ、前記放
    射手段と前記第1レンズ要素との間の間隔が約8mmで
    あることを特徴とする荷電粒子ビーム発生装置。
  2. 【請求項2】 前記第2レンズ要素の前記上方部分は約
    9mm前記軸線に沿って延在することを特徴とする請求
    項1に記載の荷電粒子ビーム発生装置。
  3. 【請求項3】 前記軸線に沿う前記第2レンズ要素と前
    記第3レンズ要素との間の間隔は約14mmであること
    を特徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム発生装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1直径は約8mmであることを特
    徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム発生装置。
  5. 【請求項5】 前記第1レンズ要素は前記軸線に沿って
    約4mmの距離に延在することを特徴とする請求項1に
    記載の荷電粒子ビーム発生装置。
  6. 【請求項6】 前記第3レンズ要素は前記軸線に沿って
    約4mmの距離に延在することを特徴とする請求項1に
    記載の荷電粒子ビームの発生装置。
  7. 【請求項7】 前記電圧は約2kV以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の荷電粒子ビーム発生装置。
  8. 【請求項8】 軸線に沿って荷電粒子ビームを発生しか
    つ該荷電粒子ビームを目標スポツト上に集束する荷電粒
    子ビーム発生装置において、 前記荷電粒子ビームを前記軸線に沿って放出する放射手
    段;前記荷電粒子ビームを前記目標スポツト上に集束す
    るために前記放射手段から間隔が置かれかつ該放射手段
    の下に前記軸線のまわりに配置される静電レンズ系から
    なり、該静電レンズ系が、 (i)第1電圧を導きかつそれに前記荷電粒子ビームが
    通過する第1開口を有する第1レンズ要素を含み、前記
    第1開口が前記軸線のまわりに心出しされかつ前記軸線
    に沿って約3mm延在し; (ii)第2電圧を導きかつ前記荷電粒子ビームが前記
    第1開口を出た後通過する第2開口を含む第2レンズ要
    素を含み、該第2レンズ要素は前記第1レンズ要素から
    間隔が置かれかつ該第1レンズ要素の下に配置されてお
    り、 前記第2開口が円形でかつ前記軸線のまわりに心出しさ
    れ、そして第1直径を有する上方部分を有し、 前記第2開口が前記軸線に沿って約9mm延在しそして
    ほぼ筒状でありかつ前記軸線のまわりに心出しされ、な
    らびに第2直径を有し、そして前記軸線の方向に予め定
    めた厚さを有する下方部分を有し、前記第2直径が前記
    第1直径より大きく; (iii)前記第2開口の下に配置されかつ前記軸線に
    沿って前記第2レンズ要素から約14mmでありならび
    に第3電圧を導きそして前記荷電粒子ビームが前記第2
    開口を出た後のみ通過する第3開口を有する第3レンズ
    要素を含み、前記第3開口は前記軸線のまわりに心出し
    されかつ前記軸線に沿って約4mm延在し、前記放射手
    段と前記第1レンズ要素との間の間隔が約8mmである
    ことを特徴とする荷電粒子ビーム発生装置。
JP4078750A 1991-03-04 1992-03-02 荷電粒子ビーム発生装置 Pending JPH0589813A (ja)

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