JPH0589159A - データ処理システム - Google Patents

データ処理システム

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JPH0589159A
JPH0589159A JP2069392A JP2069392A JPH0589159A JP H0589159 A JPH0589159 A JP H0589159A JP 2069392 A JP2069392 A JP 2069392A JP 2069392 A JP2069392 A JP 2069392A JP H0589159 A JPH0589159 A JP H0589159A
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JP
Japan
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vector
instruction
scalar
register
address
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JP2069392A
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English (en)
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Toshihiko Odaka
俊彦 小高
Takashi Kawabe
峻 河辺
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スカラー演算機構の処理速度は現状のままと
して、ベクトル演算機構の高速処理能力に見合ったスカ
ラー処理能力を実現する。 【構成】 ベクトル演算機構には、スカラー演算機構毎
に対応してスカラー演算機構から送出されるベクトル命
令列を記憶するベクトル命令バッファ41、42及びベ
クトルレジスタ群43、44と、ベクトル演算器群49
と、命令実行制御部63が備えられ、スカラー演算機構
は、ベクトル処理を行なわなければなくなった場合に
は、ベクトル演算のためのパラメータをベクトル演算機
構に送り、ベクトル命令列をベクトル演算機構の前記ス
カラー演算機構に対応するベクトル命令バッファに送出
する。ベクトル演算機構では、命令実行制御回路がベク
トル命令バッファ内のベクトル命令を順次実行し、ベク
トルレジスタ群にセットされたデータに対する所定のベ
クトル演算器を用いた処理等を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ベクトル計算を高速処
理するベクトル演算機構とスカラー計算を処理するスカ
ラー演算機構とを有するデータ処理システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】連立偏微分方程式などで記述される科学
技術計算を電子計算装置により数値計算で解く場合、計
算装置内部では連立一次方程式を解く問題に帰着される
ことが多く、行列またはベクトルの計算を行なうことが
多い。このため、技術計算専用処理装置ではベクトルの
計算を高速に処理する機構を用意し、技術計算の高速処
理を図っている。
【0003】このベクトル計算を高速に処理する機構
は、従来、大きく分けて2通りの処理方式に分類するこ
とができる。1つは演算パイプライン方式であり、演算
器の出力が装置に固有のクロックピッチに得られるよう
に構成し、連続的に処理する方式である。他の1つは並
列処理方式であり、演算器を複数個(多数個)並べて、
互いに独立なベクトル要素を並列に処理する方式であ
る。
【0004】演算パイプライン方式では、クロックピッ
チを細かくすることにより高速化を図ることができる
が、このクロックピッチは使用する回路素子の速度に依
存する所が大きい。並列方式では演算器の数を増すこと
により高速化を図ることができるが、この数は、装置全
体の物理的大きさによる制限から、回路素子の実装密度
に依存して上限が抑えられる。しかし、近年のハードウ
ェア技術の進歩により、上述の回路素子の速度および回
路素子の実装密度は著しく向上し、上述のクロックピッ
チの改善度も高く、また並列に接続できる演算器の数も
増大している。
【0005】一方、技術計算の問題は、前述のように連
立一次方程式となり、行列あるいはベクトル計算に帰着
するものが多いが、ある技術計算の問題を解くプログラ
ムのすべてが行列あるいはベクトルの計算で占められる
訳ではなく、例えば連立一次方程式の係数行列を求めて
行く過程など、必ずしも行列あるいはベクトルの計算に
ならない部分がある。以下では行列あるいはベクトルの
計算を簡単のためにベクトル計算と呼び、その計算を高
速に処理する機構での処理をベクトル処理と呼ぶことに
する。技術計算プログラムは、ベクトル処理できる部分
と、そうでない部分があり、その割合は技術計算の問題
そのものに依存する面と、プログラムの書き方に依存す
る面とがある。ベクトル処理できない部分の処理は、汎
用処理装置で処理される場合と同じく逐次処理されねば
ならない。このような処理をスカラー処理と呼ぶことに
する。
【0006】ところで、従来のベクトル計算の高速処理
を図る技術計算専用装置は、ベクトル計算を行なうベク
トル演算機構とスカラー計算を行なうスカラー演算機構
とが同一のものであるか、あるいは互いに独立したベク
トル演算機構とスカラー演算機構とが1つずつある構成
となっている。しかし、前述のように、最近の並列処理
技術およびパイプライン処理技術の進歩によるベクトル
処理速度の向上は著しく、逐次計算によるスカラー処理
との差が拡大しつつあり、ベクトル処理ではスカラー処
理の10〜100倍程度の処理能力をも可能となってき
た。このために、スカラー処理の処理速度が次第に重要
になりつつある。例えば、ある技術計算の90%の部分
がベクトル処理でき、その部分がスカラー処理の100
倍の速度で処理されたとしても、10%の部分がスカラ
ー処理のままであれば、その技術の処理は、全部をスカ
ラー処理した場合に比し、高々10倍になったに過ぎな
い。
【0007】これを解決するには、スカラー演算機構の
処理速度を高める必要があるが、スカラー処理は基本的
には逐次処理であるため、その処理速度を向上させるに
は限度があり、技術的に困難な問題も多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スカ
ラー演算機構の処理速度は現状のままとして、ベクトル
演算機構の高速処理能力に見合ったスカラー処理能力を
実現することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前述のように、ある技術
計算の問題を解くプログラムのすべてが行列あるいはベ
クトルの計算で占められている訳ではないため、ベクト
ル計算機構が常時動作中ということはまずなく、現実に
は空時間が多く発生する。そこで、本発明は1つのベク
トル演算機構に対してスカラー演算機構を複数個用意
し、各スカラー演算機構でベクトル演算機構を共用する
ことにより、ベクトル演算機構の高速処理能力に見合っ
たスカラー処理能力を実現するものである。そして、そ
のために、ベクトル演算機構には、スカラー演算機構の
各々に対応したベクトル命令バッファと、前記スカラー
演算機構の各々に対応したベクトルレジスタ群と、ベク
トル演算器群と、ベクトル命令の実行を制御する命令実
行制御回路を設けている。
【0010】
【作用】スカラー演算機構は、ベクトル処理を行なわな
ければなくなった場合には、ベクトル演算のためのパラ
メータをベクトル演算機構に送り、ベクトル命令列をベ
クトル演算機構の前記スカラー演算機構に対応するベク
トル命令バッファに送出する。ベクトル演算機構では、
命令実行制御回路がベクトル命令バッファ内のベクトル
命令を順次実行し、主記憶装置からデータを読み出し前
記スカラー演算機構に対応する所定のベクトルレジスタ
にセットしたり、ベクトルレジスタ内のデータに所定の
ベクトル演算器により演算を施してベクトルレジスタに
セットしたり、ベクトルレジスタ内のデータを主記憶装
置に格納したりする処理を行なう。
【0011】
【実施例】図1は、本発明を適用した科学技術計算専用
処理装置のブロック図を示す。本処理装置は、主記憶装
置1、記憶制御装置2、それぞれスカラー演算機構とし
てのスカラー処理装置3と4、ベクトル演算機構として
のベクトル処理装置5より構成される。スカラー処理装
置3と4は多重処理構成となっていて、ベクトル処理装
置5の高速処理能力に見合ったスカラー処理能力を実現
するようになっている。スカラー処理装置3と4はそれ
ぞれ独立のタスクを処理するが、その途中でベクトル処
理を行なわなければなくなった場合には、それをベクト
ル処理装置5に任せるようになっている。
【0012】記憶制御装置2とスカラー処理装置3,
4、ベクトル処理装置5との間には、それぞれアドレス
を転送するための信号線6,7,8、書込みデータある
いは読出しデータを転送するための信号線9,10,1
1が接続されている。スカラー処理装置3,4あるいは
ベクトル処理装置5がその処理の途中で主記憶装置1に
対するアクセスが必要になると、それぞれ記憶制御装置
2にアクセス要求を出す。記憶制御装置2は所定の優先
順位に従って1つのアクセス要求を受付け、その処理装
置と主記憶装置1との間の通信路を確立する。そして主
記憶装置1は、アクセス要求が書込みの場合には与えら
れたアドレスに与えられたデータを書込む。またアクセ
ス要求が読出しの場合には、与えられたアドレスからデ
ータを読出す。
【0013】さて、スカラー処理装置3,4は、それぞ
れバッファ記憶装置21,31、浮動小数点レジスタ2
2,32汎用レジスタ23,33、ワークレジスタ2
4,34、シフタ25,35、乗除算器26,36、加
減算器27,37、命令レジスタ28,38、アドレス
加算器29,39、アドレスレジスタ30,40などか
らなる。このような構成のスカラー処理装置3,4は、
この分野でよく知られたものであり、これ以上の詳細な
説明は省略する。
【0014】一方、ベクトル処理装置5は、図2に詳細
を示すように、スカラー処理装置3と4に対応して設け
られたベクトル命令バッファ41,42、ベクトルレジ
スタ群43,44、ベクトルアドレスレジスタ群45,
46、インクリメントレジスタ群47,48やスカラー
処理装置3と4に共通に設けられたベクトル演算器群4
9、アドレス加算器群50などから成る。
【0015】ベクトルレジスタ群43,44は、43に
ついてだけ詳細に示してあるが、それぞれ16個のベク
トルレジスタVR0〜VR15から構成され、各ベクト
ルレジスタは64個のベクトル要素が格納できるように
なっている。またベクトルアドレスレジスタ群45,4
6は、45についてだけ詳細に示してあるが、それぞれ
16個のベクトルアドレスレジスタVAR0〜VAR1
5から構成される。またインクレメントレジスタ群4
7,48は、47についてだけ詳細に示してあるが、そ
れぞれ16個のインクレメントレジスタINR0〜IN
R15から構成される。またベクトル演算器群49は、
8個の演算器AL0〜AL7から構成され、それぞれの
演算器は、加算器や乗算器や除算器などのような演算機
能を有するものである。またアドレス加算器群50は、
16個の加算器AA0〜AA15から構成される。
【0016】前記したように、スカラー処理装置3と4
とは多重動作を行ない、従来の多重処理装置システムの
ように主記憶装置1を共有して動作する。先ずスカラー
処理装置3で次のプログラムが実行される場合を考えて
みる。
【0017】DO 10 I=1,100 10 A(I)=B(I)+C(I) これは機械語では以下のように1つのLIN(Load
Inclement)命令と3つのLMA(Load
Multiple Address)命令と1つのE
XVP(Execute Vector Proces
sor)命令に展開され、スカラー処理装置3でそれぞ
れ実行される。
【0018】LIN INR0,INR2,INR4:
インクレメントレジスタINR0,INR2,INR4
にそれぞれ定数をセットすることを指令。 LMA VAR0:行列Aの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR0にセットすることを指令。 LMA VAR2:行列Bの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR2にセットすることを指令。 LMA VAR4:行列Cの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR4にセットすることを指令。 EXVP X:主記憶装置1のアドレスXからベクトル
命令列を読出してそれをベクトル処理装置5に送出する
とともにベクトル処理装置5を起動することを指令。
【0019】上記により、行列A,B,Cに関するアド
レス制御データがベクトル処理装置5内のベクトルアド
レスレジスタ群45とインクレメントレジスタ群47の
中にセットされ、またベクトル命令列の読出しが行なわ
れる。このベクトル命令列は、以下のように、2つのL
VR(Load Vector Register)命
令と1つのVEA(Vector Elementwi
se Add)命令と1つのSTVR(Store V
ector Register)命令とからなってい
る。
【0020】LVR VR2,VAR2,INR2:ベ
クトルアドレスレジスタVAR2とインクレメントレジ
スタINR2にそれぞれセットされた行列Bの先頭アド
レスと定数とに基づいて主記憶装置1のアドレスを作成
し、そこから行列Bのデータを読出し、それをベクトル
レジスタVR2にセットすることを指令。 なお、前記定数はアドレスの増分値として使用されるも
のであり、以下同様とする。 LVR VR4,VAR4,INR4:ベクトルアドレ
スレジスタVAR4とインクレメントレジスタINR4
にそれぞれセットされた行列Cの先頭アドレスと定数と
に基づいて主記憶装置1のアドレスを作成し、そこから
行列Cのデータを読出し、それをベクトルレジスタVR
4にセットすることを指令。 VEA VR6,VR2,VR4:ベクトルレジスタV
R2とVR4からそれぞれ行列BとCを読出し、両者の
加算を行なって結果をベクトルレジスタVR6にセット
することを指令。 STVR VR6,VAR0,INR0:ベクトルレジ
スタVR6からデータを読出し、それをベクトルアドレ
スレジスタVAR0とインクレメントレジスタINR0
にそれぞれセットされた行列Aの先頭アドレスと定数に
基づいて作成した主記憶装置1のアドレスに書込むこと
を指令。 これらベクトル命令はそれぞれ命令レジスタ28、信号
線51を介してベクトル処理装置5のベクトル命令バッ
ファ41に送出される。このベクトル命令バッファ41
はファーストインファーストアウト(FIFO)形式の
ものである。
【0021】またこの時、スカラー処理装置4において
次のプログラムが実行されるとする。
【0022】DO 10 I=1,100 10 D(I)=E(I)*F(I) これは前と同様、機械語では、以下のように1つのLI
N(Load Inclement)命令と3つのLM
A(Lood Multiple Address)命
令と1つのEXVP(Execute Vector
Processor)命令に展開され、スカラー処理装
置4でそれぞれ実行される。
【0023】LIN INR1,INR3,INR5:
インクレメントレジスタINR1,INR3,INR5
にそれぞれ定数をセットすることを指令。 LMA VAR1:行列Dの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR1にセットすることを指令。 LMA VAR3:行列Eの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR3にセットすることを指令。 LMA VAR5:行列Fの先頭アドレスをベクトルア
ドレスレジスタVAR5にセットすることを指令。 EXVP Y:主記憶装置1のアドレスYからベクトル
命令列を読出してそれをベクトル処理装置5に送出する
とともにベクトル処理装置5を起動することを指令。
【0024】上記により、行列D,E,Fに関するアド
レス制御データがベクトル処理装置5内のベクトルアド
レスレジスタ群46とインクレメントレジスタ群48の
中にセットされ、またベクトル命令列の読出しが行なわ
れる。このベクトル命令列は、以下のように、2つのL
VR(Lood Vecter Register)命
令と1つのVEM(Vector Elementwi
se Multiply)命令と1つのSTVR(St
ore Vector Register)命令とから
なっている。
【0025】LVR VR3,VAR3,INR3:ベ
クトルアドレスレジスタVAR3とインクレメントレジ
スタINR3にそれぞれセットされた行列Eの先頭アド
レスと定数とに基づいて主記憶装置1のアドレスを作成
し、そこから行列Eのデータを読出し、それをベクトル
レジスタVR3にセットすることを指令。 LVR VR5,VAR5,INR5:ベクトルアドレ
スレジスタVAR5とインクレメントレジスタINR5
にそれぞれセットされた行列Fの先頭アドレスと定数と
に基づいて主記憶装置1のアドレスを作成し、そこから
行列Fのデータを読出し、それをベクトルレジスタVR
5にセットすることを指令。 VEM VR7,VR3,VR5:ベクトルレジスタV
R3とVR5からそれぞれ行列EとFを読出し、両者の
乗算を行なって結果をベクトルレジスタVR7にセット
することを指令。 STVR VR7,VAR1,INR1:ベクトルレジ
スタVR7からデータを読出し、それをベクトルアドレ
スレジスタVAR1とインクレメントレジスタINR1
にそれぞれセットされた行列Dの先頭アドレスと定数に
基づいて作成した主記憶装置1のアドレスに書込むこと
を指令。 これらベクトル命令はそれぞれ命令レジスタ38、信号
線52を介してベクトル処理装置5のベクトル命令バッ
ファ42に送出される。このベクトル命令バッファ42
もFIFO形式である。
【0026】次にベクトル処理装置5の動作を説明す
る。上記のようにしてベクトル命令が入力されたベクト
ル命令バッファ41,42に対し、命令実行判定回路5
3は、交互にその先頭取出し位置から1つのベクトル命
令を取出し、それが実行可能かどうかを判定する。すな
わち、ベクトルレジスタ群43,44、ベクトルアドレ
スレジスタ群45,46、インクレメントレジスタ群4
7,48、ベクトル演算器群49、アドレス加算器群5
0には、それぞれ個々のレジスタや演算器や加算器が使
用中であるかどうかを表示する表示子群を備えた表示回
路54〜61が設けられている。
【0027】命令実行判定回路53は、これら表示回路
54〜61を参照することにより、取出したベクトル命
令で指定されたレジスタやそのベクトル命令で指定され
た演算を行なうための演算器、さらに加算器が空いてい
るかどうかを調べ、必要なものが全て空いていることを
検出すると、そのベクトル命令は実行可能であると判定
する。そしてその場合には、そのベクトル命令で使用す
るレジスタ、演算器、加算器に対応する表示回路の表示
子を、それらが使用中を表示するようにセットし、その
ベクトル命令をFIFO形式の命令スタック62に送出
する。また必要なものが空いていないことを検出する
と、そのベクトル命令は実行不可能と判定し、そのベク
トル命令を送出元のベクトル命令バッファ41あるいは
42の先頭取出し位置に戻す。命令実行判定回路53
は、1つのベクトル命令についての実行可否判定を終え
ると、新たなベクトル命令をベクトル命令バッファ41
あるいは42から取出し、前と同様の動作を行なう。こ
のようにして命令スタツク62には、ベクトル命令バッ
ファ41と42から取出された実行可能なベクトル命令
が混在する形でスタックされる。
【0028】図3は、命令実行判定回路53から命令ス
タック62に送出されるベクトル命令のフォーマットを
示している。図において、OPは演算の種類を表わすオ
ペレーションコード、VRN1〜3はベクトルレジスタ
を指定するベクトルレジスタ指定部、VARNはベクト
ルアドレスレジスタを指定するベクトルアドレスレジス
タ指定部、INRNはインクレメントレジスタを指定す
るインクレメントレジスタ指定部である。なお、ベクト
ル命令によっては、ベクトルアドレスレジスタ等を使用
しないもの(例えば前記VEA命令)があり、その場合
には、該当の指定部は存在しない。以下、説明の都合
上、特に説明のない限り、VRN1〜3は全て存在する
ものとして扱う。
【0029】さて、OP,VRN1〜3,VARN,I
NRNはベクトル命令バッファ41あるいは42から送
出されたものをそのまま出力したものである。ALNと
AANは、共に命令実行判定回路53で新たに付加され
たもので、この回路で新たにセットした表示子に対応す
る演算器を指定する演算器指定部、アドレス加算器指定
部である。SNは、そのベクトル命令がいずれのベクト
ル命令バッファ、すなわちいずれのスカラー処理装置か
ら送出されたものであるかを表示するスカラー指定部
で、これも命令実行判定回路53で新たに付加されたも
のである。
【0030】命令スタック62の中のベクトル命令は、
1つずつ命令実行制御回路63へ送出される。命令実行
制御回路63へ送出されたベクトル命令は、その実行に
必要なハードウエアリソースが全てリザーブされている
ので、待つことなくすぐ実行される。すなわち命令実行
制御回路63は、実行すべきベクトル命令がLVR命令
やSTVR命令の場合には、OP,VRN1〜3のうち
のいずれか(LVR命令やSTVR命令では1つのベク
トルレジスタだけが使用され、ここではそれをVRN1
で指定するものとする)及びSNを接続パス選択回路6
4に送出し、またVARN,INRN,AAN及びSN
を接続パス選択回路65に送出する。接続パス選択回路
64は、SNで指定されたスカラー処理装置側のベクト
ルレジスタ群の中のVRN1によって指定されるベクト
ルレジスタと信号線11との間の接続パスを選択し、そ
れを活性化する。一方、接続パス選択回路65は、AA
Nにより指定されるアドレス加算器群50の中の1つの
加算器と、SNで指定されたスカラー処理装置側のベク
トルアドレスレジスタ群、インクレメントレジスタ群の
中のそれぞれVARN,INRNにより指定される1つ
のベクトルアドレスレジスタ、インクレメントレジスタ
との間の接続パスを選択し、それを活性化する。この後
命令実行制御回路63は、アドレス演算器群50の中の
AANにより指定される1つの加算器に起動をかけ、記
憶制御装置2との間の信号線8にアドレスを出力させ
る。このようにして、主記憶装置1から記憶制御装置2
と信号線11を介して1つのベクトルレジスタにデータ
が読出されたり、あるいはその逆方向へデータが転送さ
れる。
【0031】また命令実行制御回路63は、実行すべき
ベクトル命令がVEA命令やVEM命令の場合には、O
P,VRN1〜3,ALN及びSNを接続パス選択回路
64に送出する。接続パス選択回路64は、SNで指定
されたスカラー処理装置側のベクトルレジスタ群の中の
VRN1〜3によって指定される3つのベクトルレジス
タと、ベクトル演算器群49の中のALNによって指定
される1つの演算器との間の接続パスを選択し、それを
活性化する。この後命令実行制御回路63は、ベクトル
演算器群49の中のALNにより指定される1つの演算
器に起動をかけ、所望のベクトルレジスタに演算結果を
格納させる。
【0032】接続パス選択回路64と65は、それぞれ
同時に複数の接続パスを活性化できる。これによって命
令実行制御回路63は、命令スタック62から与えられ
たベクトル命令の実行を次々と開始し、複数のベクトル
命令が同時に実行される。
【0033】以上により、スカラー処理装置3から発行
された前述のLVR VR2 VAR2 INR2,L
VR VR4 VAR4 INR4なる各命令と、スカ
ラー処理装置4から発行された前述のLVR VR3
VAR3 INR3,LVRVR5 VAR5 INR
5なる各命令は、互いに異なる群の中のベクトルレジス
タ、ベクトルアドレスレジスタ、インクレメントレジス
タを使うものであるから、アドレス加算器群50の中の
加算器が空いていさえすれば全て同時に実行することが
できる。また同様にしてVEA VR6 VR2 VR
4,VEM VR7 VR3VR5なる両命令も、互い
に異なるベクトルレジスタ、演算器を使うものであるか
ら同時に実行することができる。
【0034】図4〜図7は、それぞれ前記命令実行判定
回路53の中に設けられた回路を示す。以下それぞれ説
明する。なお図4〜図7において、太い線と細い線が使
い分けられているが、前者は複数ビット線、後者は1ビ
ット線を示す。また太い線に接続されたアンド回路、オ
ア回路は、それぞれ複数のアンドゲート、オアゲートか
ら成るものとする。
【0035】図4は、ベクトル命令バッファ41と42
からのベクトル命令を選択的に取出すためのバッファ選
択回路70を示す図である。図4において、71は信号
線76と77に対しそれぞれ“1”と“0”、あるいは
“0”と“1”の組合せの信号を出力する選択信号発生
回路、73はオア回路である。また選択信号発生回路7
1の中において、101と102はそれぞれ信号線5
1,52を介して与えられる信号をデコードし、それが
ベクトル処理装置5の起動を示していたら出力を発生す
るデコーダ、F1とF2はそれぞれスカラー処理装置
3,4に対応して設けられたフリップフロップ、F3は
T端子に信号が入力される毎に内部状態が反転するトリ
ガラブルフリップフロップ、A101とA102はその
出力端子がそれぞれ信号線76,77に接続されたアン
ドゲート、OR101,OR102及びOR103はオ
アゲートである。トリガラブルフリップフロップF3の
T端子には、1つのベクトル命令の実行可否判定が終る
毎に信号が与えられるようになっている。
【0036】このバッファ選択回路70の動作は次の通
りである。今、スカラー処理装置3から前記起動信号が
与えられると、ベクトル処理装置5の動作を開始させる
ための信号STARTがオアゲートOR103から出力
されるとともに、フリップフロップF1がセットされ
る。そして、トリガラブルフリップフロップF3がセッ
トされているかあるいはフリップフロップF2がリセッ
トされていることを条件にアンドゲートA101がオン
となり、信号線76と77にはそれぞれ“1”と“0”
が出力される。これによってベクトル命令バッファ41
に信号線76を介して“1”が送出され、処理すべきベ
クトル命令はベクトル命令バッファ41から取出される
よう制御される。
【0037】スカラー処理装置4から前記起動信号が与
えられない限り、前記の状態が続き、ベクトル命令が連
続的にベクトル命令バッファ41から取出される。ここ
で、スカラー処理装置4から起動信号が与えられると、
フリップフロップF2がセットされる。これにより、ア
ンドゲートA101がオンとなるのはトリガラブルフリ
ップフロップF3がセットされている時のみとなり、そ
れがリセットされている時はアンドゲートA102がオ
ンとなる。アンドゲートA102がオンとなった時に
は、ベクトル命令バッファ42に信号線77を介して
“1”が送出され、処理すべきベクトル命令はベクトル
命令バッファ42から取出されるように制御される。こ
のようにして、スカラー処理装置3と4の両方から起動
信号が与えられた後は、ベクトル命令バッファ41と4
2は交互に選択されるようになっている。
【0038】ベクトル命令バッファ41あるいは42か
ら取出されたベクトル命令は、オア回路73を介して信
号線75に出力される。信号線72に現われるベクトル
命令は、ベクトル命令バッファに格納されていた時と同
じフォーマットであり、これは図3におけるOP,VR
N1〜3,VARN,INRNから成る。また信号線7
6に現われる信号は、図3におけるSNとなる。この場
合のSNは“1”,“0”の時それぞれスカラー処理装
置3,4を指定する。
【0039】次に図5は、ベクトル命令のVRN1,2
あるいは3によって指定されたベクトルレジスタが空い
ているかどうかを検出し、空いていたらそれを選択する
ためのベクトルレジスタ選択回路80を示す図である。
このベクトルレジスタ選択回路80は、VRN1,2,
3の各々に対応して1個ずつ設けられている。ここでは
VRN1に対応したベクトルレジスタ選択回路について
説明する。図において、81と82は、図4の信号線7
6に出力されたSNが入力されるアンド回路、83はオ
ア回路である。この場合のアンド回路、オア回路は両方
向に信号を伝える機能を持つように構成されているもの
とする。A0〜A31はそれぞれアンドゲート、OR1
はオアゲートである。アンドゲートA0〜A15の入力
側に付けられた〇印は、入力信号を反転して取込むこと
を表わし、以下の図でも同様とする。84は図4の信号
線75に出力されたVRN1をデコードしてアンドゲー
トA0〜A15のいずれかに“1”を出力するデコーダ
である。
【0040】図5の回路によれば、SNが“1”,
“0”の時、それぞれ表示回路54,55の表示子群の
出力がオア回路83から出力される。VRN1で指定さ
れたベクトルレジスタに対応する表示子がセットされて
いない(対応のベクトルレジスタが空いている)時、信
号線85に信号が出力される。なお、この状態で信号S
0が与えられると、表示回路54あるいは55の中の選
択されたベクトルレジスタに対応する表示子が、アンド
ゲートA16〜A31のうちの対応するものを介してセ
ットされる。
【0041】ベクトル命令によって指定されたベクトル
アドレスレジスタが空いているかどうかを検出し、空い
ていたらそれを選択するためのベクトルアドレスレジス
タ選択回路や、ベクトル命令によって指定されたインク
レメントレジスタが空いているかどうかを検出し、空い
ていたらそれを選択するためのインクレメントレジスタ
選択回路は、図5と類似したものとなっている。すなわ
ち、これらは表示回路54の部分に表示回路56や5
8、表示回路55の部分に表示回路57や59が設けら
れ、デコーダ74がVARNやINRをデコードするよ
うになっていて、他の部分は同じである。
【0042】図6は、ベクトル命令のOPによって指定
された演算を行なうための演算器が空いているかどうか
を検出し、空いていたらそれを選択するための演算器選
択回路90を示す図である。図において、A32〜A4
7はアンドゲート、OR2はオアゲート、91は信号線
75に出力されたOPをデコードするデコーダ、92は
アンドゲートA32〜A39のいずれかに出力された信
号に基づいてALNを発生するエンコーダである。ここ
で注意したいのは、デコーダ91の出力信号のあるもの
は、複数のアンドゲートに接続されていて、さらにこれ
らアンドゲートが“1”を出力するのに優先順位を持つ
ように接続されている点である。これは、同種の演算を
行なうための演算器が複数用意されており、これらが所
定の優先順位に従って割当てられることを意味するもの
である。図では、アンドゲートA32〜A34の部分が
これに該当し、アンドゲートA32が最も優先順位が高
く、アンドゲートA34が最も低い。
【0043】図6の回路によれば、OPで指定された種
類の演算を行なうための演算器(これが複数存在する場
合には、優先順位の高い演算器)に対応する表示回路6
0の中の表示子がセットされていない時信号線93に信
号が出力され、また信号線94にはALNが出力され
る。なお、この状態で信号S0が与えられると、表示回
路60の中の選択された演算器に対応する表示子が、ア
ンドゲートA40〜A47のうちの対応するものを介し
てセットされる。
【0044】次に図7は、アドレス加算器群50の中か
ら空いている1つの加算器を選択するための加算器選択
回路100を示す図である。図において、Nはインバー
タ、A51〜A81はアンドゲート、OR3はオアゲー
ト、101はインバータN、アンドゲートA51〜A6
5のいずれかに出力された信号に基づいてAANを発生
するエンコーダである。ここで注意したいのは、インバ
ータN、アンドゲートA51〜A65が“1”を出力す
るのに優先順位を持つように接続されている点である。
これは、各加算器が所定の優先順位に従って割当てられ
ることを意味する。図では、一番左側のインバータNが
最も優先順位が高く、右側にいく程低くなっている。
【0045】図7の回路によれば、加算器が1つでも空
いていれば信号線102に信号が出力され、選択された
加算器に対応するAANが信号線103に出力される。
なお、この状態で信号S0が与えられると、表示回路6
1の中の選択された加算器に対応する表示子が、アンド
ゲートA66〜A81のうちの対応するものを介してセ
ットされる。
【0046】命令実行判定回路53は、ベクトルレジス
タ選択回路、ベクトルアドレスレジスタ選択回路、イン
クレメントレジスタ選択回路、演算器選択回路、加算器
選択回路の中のそれぞれオアゲートOR1,OR2,O
R3から“1”が出力された時、ベクトル命令は実行可
能と判定する。この場合、信号線75,76,94,1
03から得られている信号で図3のフォーマットのベク
トル命令を作成し、それを命令スタック62に送出す
る。そしてその後、信号S0を発生することによって、
表示回路54〜61の中の所定の表示子をセットし、さ
らにその後ベクトル命令バッファ41あるいは42から
の新たなベクトル命令の取込みを行なう。
【0047】図8は、接続パス制御回路64をより詳し
く説明するための図である。図において、ベクトルレジ
スタ群43と44の中の全てのベクトルレジスタとベク
トル演算器群49の中の全ての演算器と信号線11との
間にはそれぞれ接続パスLNが設けられている。111
〜113は、それぞれ命令実行制御回路63から与えら
れたVRN1,ALNとSN,VRN2,ALNとS
N,VRN3,ALNとSNをデコードし、それぞれ1
つの接続パスLNを活性化するための信号を発生するデ
コーダである。114は命令実行制御回路63から与え
られたOPをデコードし、デコーダ111〜113のう
ちの必要なものを作動状態にするための信号を発生する
デコーダである。
【0048】図9は、接続パス制御回路65をより詳し
く説明するための図である。図において、ベクトルアド
レスレジスタ群45と46の中の全てのベクトルアドレ
スレジスタとインクレメントレジスタ群47と48の中
の全てのインクレメントレジスタとアドレス加算器群5
0の中の全ての加算器との間にはそれぞれ接続パスLN
が設けられている。121,122は、それぞれ命令実
行制御回路63から与えられたVARN,AANとS
N,INR,AANとSNをデコードし、それぞれベク
トルアドレスレジスタと加算器との間、インクレメント
レジスタと加算器との間の1つの接続パスLNを活性化
するための信号を発生するデコーダである。
【0049】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限ることなく種々の変形が可
能である。例えばスカラー処理装置の数、ベクトルレジ
スタ群43と44の中のベクトルレジスタの数、1つの
ベクトルレジスタに格納されるベクトル要素の数、ベク
トルアドレスレジスタ45と46の中のベクトルアドレ
スレジスタの数、インクレメントレジスタ群47と48
の中のインクレメントレジスタの数、ベクトル演算器群
49の中の演算器の数、アドレス加算器群50の加算器
の数等はそれぞれ種々変えることができる。
【0050】また、図4のバッファ選択回路70は、ス
カラー処理装置3と4の両方から起動信号が与えられた
後は、ベクトル命令バッファ41,42から交互に1つ
ずつベクトル命令を取出すようになっているが、この取
出し方法はこれに限定されない。例えば、ある期間にお
いてはいずれか一方のベクトル命令バッファのみからベ
クトル命令を取出すようにしてもよいし、またベクトル
命令バッファが3個以上ある場合には、所定の優先順位
に従って取出すようにしてもよい。
【0051】図10は、ある期間において一方のベクト
ル命令バッファのみからベクトル命令を取出す場合にお
ける図4の選択信号発生回路71の例を示すものであ
る。図において、201と202はそれぞれスカラー処
理装置3,4から信号線51,52を介して与えられる
信号をデコードし、それがベクトル処理装置5の起動を
示していたら出力を発生するデコーダ、A201とA2
02はアンドゲート、F11とF12はそれぞれスカラ
ー処理装置3,4に対応して設けられたフリップフロッ
プ、OR200はオアゲートである。フリップフロップ
F11,F12の“1”出力端子には信号線76,77
が接続されている。なお図10において、太い線、細い
線については図4〜図7の場合と同じである。
【0052】今、スカラー処理装置3から前記起動信号
が与えられると、ベクトル処理装置5の動作を開始する
ための信号STARTがオアゲートOR200から出力
されるとともに、フリップフロップF12がリセットさ
れていることを条件にアンドゲートA201がオンとな
ってフリップフロップF11がセットされる。これによ
って信号線76を介して命令バッファ41に“1”が送
出され、処理すべきベクトル命令はベクトル命令バッフ
ァ41から取出されるよう制御される。以後、スカラー
処理装置4から前記起動信号が与えられても、フリップ
フロップF11がセットされているからアンドゲートA
202はオンとならず、またフリップフロップF12も
セットされない。従ってベクトル命令は連続的にベクト
ル命令バッファ41から取出される。信号STARTに
よって開始されたベクトル命令バッファ41内の一連の
ベクトル命令列に基づくベクトル処理が終ると、図2の
命令実行制御回路63から与えられたベクトル処理終了
信号ENDにより、フリップフロップF11はリセット
される。
【0053】スカラー処理装置4から前記起動信号が与
えられた場合には、前記と同様にして、ベクトル命令は
ベクトル命令バッファ42から選択的に取出され、ベク
トル命令バッファ42内の一連のベクトル命令列に基づ
くベクトル処理が行なわれる。
【0054】なお図10の選択信号発生回路は、スカラ
ー処理装置3と4が同時に起動信号を出した場合、フリ
ップフロップF11とF12が同時にセットされてしま
うおそれがある。これを防止する方法としては、スカラ
ー処理装置3と4のそれぞれに、それぞれが信号線5
1,52に起動信号を送出する時の優先順位を制御する
ための回路を設置する方法、信号線51と52の途中に
前記優先順位を制御するための回路を設置する方法、優
先順位を低くしたいスカラー処理装置側のデコーダ20
1あるいは202の出力側に遅延回路を設ける方法等が
ある。
【0055】また上記実施例では、命令実行判定回路5
3は、実行不可能と判定したベクトル命令を、送出元の
ベクトル命令バッファ41あるいは42の先頭取出し位
置に戻すようになっているが、これは、次のようにして
もよい。すなわち、命令実行判定回路53は、実行不可
能と判定したベクトル命令を保持するとともに、このベ
クトル命令の送出元のベクトル命令バッファからの以後
の取出しを禁止し、他のベクトル命令バッファからの取
出しを連続的に行なうように、図4の選択信号発生回路
71を制御する。そして適当な時間が経過したら、ある
いは適当な数のベクトル命令の実行可否判定を行なった
ら、保持してあったベクトル命令を再び実行可能かどう
か判定し、実行可能の時は、通常通り、そのベクトル命
令を命令スタック62に送出するとともに、前記禁止を
解除して、正規の方法によりベクトル命令バッファを選
択するように選択信号発生回路71を制御する。再び実
行不可能であったら、再びベクトル命令を保持し、前と
同じ動作を繰り返す。
【0056】また上記実施例では、命令スタック62が
設けられているが、これの設置により次のような制御が
可能になる。すなわち、命令スタック62の中に格納し
たベクトル命令が何らかの都合で実行不要となった場
合、それを命令スタック62の中でキャンセル処理する
ことにより、命令実行制御回路63で実行されないよう
にすることができる。前記キャンセル処理は、命令スタ
ック62の中に格納するベクトル命令にその有効性を示
すビットを付加することにより行なうことができる。こ
の場合、命令スタック62内の全てのベクトル命令につ
いてキャンセル要求があれば、全てのベクトル命令の有
効性ビットをリセットする。またスカラー処理装置、ベ
クトルレジスタ、ベクトルアドレスレジスタ、インクレ
メントレジスタ、演算器あるいは加算器を指定してキャ
ンセル要求があれば、それぞれ指定されたSN,VRN
1〜3,VARN,INR,ALN,AANを持つベク
トル命令の有効性ビットをリセットする。
【0057】以上は、命令スタック62を設置した場合
の制御の一例であるが、命令スタック62は省略するこ
ともできる。すなわち、命令実行判定回路53から送出
されたベクトル命令はすぐに実行できるものであるか
ら、命令実行制御回路63はそれを直接受取ってすぐに
実行すればよい。この場合には、命令実行判定回路53
と命令実行制御回路63はそれぞれ独立になっていなく
てもよい。
【0058】また上記実施例では、ベクトル演算器群4
9及びアドレス加算器群50の中の各演算器、各加算器
はスカラー処理装置3及び4の両方から発行されたベク
トル命令で使用されるようになっているが、特定の演算
器あるいは加算器については、特定のスカラー処理装置
で発行されたベクトル命令のみ使用されるようになって
いてもよい。これは、図6の演算器選択回路90あるい
は図7の加算器選択回路100において図4の信号線7
6に得られるSNが所定の場合のみ、それぞれ特定の演
算器、加算器を割当てるように制御すればよい。
【0059】また上記実施例では、アドレス演算のため
に専用のアドレス加算器群50が設けられているが、こ
れを省略することもできる。すなわち、ベクトルアドレ
スレジスタ群45と46、インクレメントレジスタ群4
7と48、信号線8を接続パス選択回路64に接続し、
アドレス加算器群50で行なっていたアドレス演算をベ
クトル演算器群49の中の適当な演算器で行なうように
すればよい。
【0060】また上記実施例では、ベクトルアドレスレ
ジスタ群45,46は、それぞれインクレメントレジス
タ群47,48と独立になっているが、一体となってい
てもよい。すなわち、ベクトルアドレスレジスタの中に
インクレメントレジスタを含めてしまってもよい。この
場合、アドレス演算を伴う命令(例えばLVR命令)の
INRNはなくしてもよい。
【0061】また上記実施例では、ベクトル処理装置5
の動作は、スカラー処理装置3あるいは4から送出され
た起動信号によって開始させているが、必ずしもこのよ
うにする必要はない。すなわち、ベクトル命令バッファ
41及び42のそれぞれに、その格納量を示すカウン
タ、あるいは格納位置を示すポインタを設け、スカラー
処理装置3あるいは4からそれぞれベクトル命令バッフ
ァ41,42にベクトル命令が格納されたことを前記カ
ウンタあるいはポインタによって検出し、ベクトル処理
装置5の動作開始を自ら制御するようにしてもよい。こ
の場合、いずれかのベクトル命令バッファに、ベクトル
命令が1つでも格納されたら動作を開始するようにして
もよいし、所定数のベクトル命令が格納されたら動作を
開始するようにしてもよい。
【0062】また上記実施例では、ベクトル命令バッフ
ァが2個、命令実行判定回路、命令スタック及び命令実
行制御回路がそれぞれ1個ずつ設けられているが、これ
ら各要素は適宜単数あるいは複数に変えてもよい。
【0063】図11は、命令実行判定回路153,25
3がそれぞれスカラー処理装置3,4に対応して設けら
れている場合を示す図、また図12は、図11に対しさ
らに命令スタック162,262がそれぞれスカラー処
理装置3,4に対応して設けられている場合を示す図、
また図13は、図12に対し、さらに命令実行制御回路
163,263がそれぞれスカラー処理装置3,4に対
応して設けられた場合を示す図、また図14は、1つの
ベクトル命令バッファ140だけを設けた場合を示す図
である。また図14を図11〜図13のいずれかと組合
わせてもよい。
【0064】図11〜図13の命令実行判定回路153
と253は、それぞれ対応するベクトル命令バッファ4
1,42だけからのベクトル命令の実行可否判定を行な
うものであるから、ベクトルレジスタ群43,44、ベ
クトルアドレスレジスタ群45,46及びインクレメン
トレジスタ群47,48に対しては対応するものと接続
され、ベクトル演算器群49とアドレス演算器群50に
対しては共通に接続されることは言うまでもない。な
お、命令実行判定回路153と253が独立に動作する
と、ベクトル演算器群49の中の演算器やアドレス加算
器群50の中の加算器の割当てをめぐって競合が起こる
から、両者の間に優先順位回路を設け、この競合を制御
してやる必要がある。
【0065】また上記実施例では、命令実行制御回路6
3において、ベクトルレジスタ群、ベクトルアドレスレ
ジスタ群等を指定するために使用するSNは、命令実行
判定回路53が、ベクトル命令の送出元であるベクトル
命令バッファ41,42に応じて固有のSNを付加する
ようになっているが、他の方法でもよい。
【0066】すなわち、スカラー処理装置3,4がベク
トル処理装置5にベクトル命令を送出する時、それぞれ
固有のSNを付加してもよいし、ベクトル命令バッファ
がベクトル命令を格納する時送出元に応じて固有のSN
を付加してもよい。これら2つの方法によれば、図14
のようにベクトル命令バッファが1個の場合でもSNを
付加することができる。またベクトル命令バッファが複
数設けられている場合は、ベクトル命令バッファの各々
にベクトル命令を格納する時にそれぞれ固有のSNを付
加してもよいし、あるいは、ベクトル命令バッファの各
々がベクトル命令を送出する時にそれぞれ固有のSNを
付加してもよい。また図11〜図13の場合には、命令
実行判定回路153,253がそれぞれ固有のSNを付
加してもよい。また図11の場合には、命令スタック6
2がベクトル命令を格納する時に、送出元に応じた固有
のSNを付加してもよい。また図12及び図13の場合
には、命令スタック162,262がベクトル命令を送
出する時にそれぞれ固有のSNを付加してもよい。また
図12の場合には、命令実行制御回路63がベクトル命
令を取込む時に送出元に応じて固有のSNを付加しても
よい。また図13の場合には、命令実行制御回路16
3,263がベクトル命令を取込む時にそれぞれ固有の
SNを付加してもよい。
【0067】なお、図12の場合、命令実行制御回路6
3はベクトル命令の送出元でSNを実質的に検出でき
る。また図13の場合、命令実行制御回路163,26
3の各々で実行されるベクトル命令のSNは固定であ
り、予め定まっている。従って、図12及び図13の場
合には、前記したSNの付加動作を省略してもよい。
【0068】また上記実施例では、ベクトル処理装置5
で実行すべきベクトル命令は、スカラー処理装置から与
える方式をとっているが、ベクトル処理装置5自らが主
記憶装置1から読出すようになっていてもよい。すなわ
ち、ベクトル命令が格納されている主記憶装置のアドレ
スをスカラー処理装置がベクトル処理装置5に与えれ
ば、ベクトル処理装置5はそれ自身でベクトル命令の読
出しが可能となる。
【0069】また上記実施例では、LIN命令やLMA
命令はスカラー処理装置で実行されるが、これらの命令
はベクトル処理装置5で実行してもよい。この場合、こ
れらの命令は、スカラー処理装置が主記憶装置1から読
出してベクトル処理装置5に与えてもよいし、スカラー
処理装置から与えられたアドレスに基づいて、ベクトル
命令とともにベクトル処理装置5自らが主記憶装置1か
ら読出してもよい。こらの命令は、ベクトル命令と同様
ベクトル命令バッファに格納し、ベクトル命令と同様の
処理を行なってもよいし、ベクトル命令バッファとは別
系統で処理するようにしてもよい。
【0070】また上記実施例では、行列に関するアドレ
ス制御データは、アドレスベクトルレジスタ、インクレ
メントレジスタから与えられるようになっているが、こ
れらのレジスタを設けず、命令が先頭アドレスや定数を
直接に指定してもよい。例えば、LVR命令やSTVR
命令においては、ベクトルアドレスレジスタ指定部、イ
ンクレメントレジスタ指定部が設けられるが、これらの
代りにそれぞれ先頭アドレス、定数がセットされてもよ
い。このようにすれば、スカラー処理装置は、LIN命
令やLMA命令を実行する必要がなくなることはもちろ
んである。
【0071】
【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明に
よれば、一つのベクトル処理機構に対して複数のスカラ
ー処理機構を設けることにより、ベクトル処理機構の有
効利用がはかられ、ベクトル処理機構の高速処理能力に
見合ったスカラー処理能力を備えるデータ処理システム
を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体構成図である。
【図2】図1におけるベクトル処理装置の詳細構成図で
ある。
【図3】図2における命令実行判定回路53から送出さ
れるベクトル命令のフォーマットを示す図である。
【図4】前記命令実行判定回路53の中のバッファ選択
回路図である。
【図5】ベクトルレジスタ選択回路図である。
【図6】演算器選択回路図である。
【図7】加算器選択回路を示す図である。
【図8】図2における接続パス選択回路64の詳細図で
ある。
【図9】図2における接続パス選択回路65の詳細図で
ある。
【図10】図4における選択信号発生回路71の他の例
を示す図である。
【図11】本発明の他の実施例を説明するための図であ
る。
【図12】本発明の他の実施例を説明するための図であ
る。
【図13】本発明の他の実施例を説明するための図であ
る。
【図14】本発明の他の実施例を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 主記憶装置 2 記憶制御装置 3,4 スカラー処理装置 5 ベクトル処理装置 21,31 バッファ記憶装置 22,32 浮動小数点レジスタ群 23,33 汎用レジスタ群 24,34 ワークレジスタ群 25,35 シフタ 26,36 乗除算器 27,37 加減算器 28,38 命令レジスタ 29,39 アドレス加算器 30,40 アドレスレジスタ 41,42,140 ベクトル命令バッファ 43,44 ベクトルレジスタ群 45,46 ベクトルアドレスレジスタ群 47,48 インクレメントレジスタ群 49 ベクトル演算器群 50 アドレス演算器群 53,153,253 命令実行判定回路 54〜61 表示回路 62,162,262 命令スタック 63,163,263 命令実行制御回路 64,65 接続パス選択回路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主記憶装置と、該主記憶装置に接続され
    それぞれスカラー処理を行なう少なくとも2個のスカラ
    ー演算機構と、前記主記憶装置および前記少なくとも2
    個のスカラー演算機構に接続されたベクトル演算機構か
    らなるデータ処理システムであって、前記ベクトル演算
    機構は、前記スカラー演算機構の各々に対応して設けら
    れた前記スカラー演算機構から送出されるベクトル命令
    列を記憶するベクトル命令バッファと、前記スカラー演
    算機構の各々に対応して設けられたベクトルレジスタ群
    と、ベクトル演算器群と、ベクトル命令の実行を制御す
    る命令実行制御回路を備えたことを特徴とするデータ処
    理システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020508514A (ja) * 2017-02-23 2020-03-19 エイアールエム リミテッド データ処理装置におけるベクトルによる要素演算

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