JPH0588807U

JPH0588807U - カッター

Info

Publication number: JPH0588807U
Application number: JP5629291U
Authority: JP
Inventors: 友春浦野
Original assignee: 友春浦野
Priority date: 1991-06-24
Filing date: 1991-06-24
Publication date: 1993-12-03

Abstract

(57)【要約】【目的】異形物品の軸部、円柱部を効率よく外形切削
加工が可能となる。【構成】円筒部と円錐部内に形成した先端空洞部には
調整部による引き込み式の切削刃具を内装し、該切削刃
具の円板部には複数の切削刃25、25a …を設け、該切削
刃25、25a …の外側面には円筒部と円錐部の内面に摺接
する平坦部とテーパー部を形成し、該テーパー部には固
定螺子孔を形成すると共に、円錐部には段付き長孔を形
成して、固定螺子孔と段付き長孔には固定螺子を螺着す
ることによって、カッター自体が回転して真円度を出し
て、固定した異形物品の軸部、円柱部の外形切削加工を
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、旋盤加工が不可能な異形物品の外形切削加工用のカッターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、軸体、円柱体等の外形切削加工においては、精度が良好な旋盤が使用されているが、加工部分である軸部、円柱部がワークの一部分である異形物品に対しては、旋盤ではワークが高速回転するために、ワークを安定的に取付け、回転させることは不可能であったり、或いはバイトを加工箇所に当接配置することが出来ない欠点を有していた。

【０００３】例えば、アルミダイカスト製品で真円度が出ていないインレットパイプでは軸芯度を出すことが困難であったり、又異形物品の様に中芯度が出し難く且つ精度を必要とするものにおいては、ワークの一部が障害物となったり、アンバランスであるために旋盤に装着すること自体が困難であったり、旋盤の回転中心に精度を保持して装着することが困難で、軸部、円柱部等の外形切削加工が不可能な欠点を有していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、異形物品の軸部、円柱部を効率よく外形切削加工が可能となる様にしたカッターを提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記従来技術に基づく、異形物品の軸部、円柱部等の外形切削加工が不可能な課題に鑑み、円筒部と円錐部内に形成した先端空洞部には調整部による引き込み式の切削刃具を内装し、該切削刃具の円板部には複数の切削刃を設け、該切削刃の外側面には円筒部と円錐部の内面に摺接する平坦部とテーパー部を形成し、該テーパー部には固定螺子孔を形成すると共に、円錐部には段付き長孔を形成して、固定螺子孔と段付き長孔には固定螺子を螺着することによって、カッター自体が回転して真円度を出して、固定した異形物品の軸部、円柱部の外形切削加工をする様にして、上記課題を解決せんとしたものである。

【０００６】

【作用】

本考案にあっては、加工台上に治具で異形物品のワークを固定し、立フライス、マシニングセンター、ボール盤等のスピンドルにカッターの取付体を取付けてカッターの芯を正確に出し、カッターを回転させると共に降下させ、ワークの軸部、円柱部に対してカッターの切削刃先が外面接触する様に、カッターの加工空間部内に円柱部が嵌入し、カッターの回転により固定されたワークの円柱部を外形切削加工して真円に加工するのである。

【０００７】

【実施例】

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明すると、１は本考案に係る自転するカッターであり、該カッター１は立フライス、マシニングセンター、ボール盤等のスピンドルに自動着脱装置で、或いは手作業で取付けて回転させ、固定状態の異形物品であるワークＷ（例えば非鉄金属、アルミダイカスト製品、アルミ鍛造品、銅製品、真鍮製品等、或いはプラスチック製品等）の軸部、円柱部Ｒの真円度を保持して外形切削加工を行うものである。

【０００８】２は円筒状本体であり、該円筒状本体２の基端側方にはボール盤等のスピンドルへの取付体３を取付け固定し、又円筒状本体２の基端内部等には引き込み式で外部操作可能な調整部４を設けると共に、円筒状本体２の先端内部にはカッター部５を設けている。

【０００９】６は円筒状本体２の基端側の円筒部であり、該円筒部６の内部には隔壁７を一体形成すると共に、該隔壁７の中央部には４角状の貫通孔８を貫設しており、又円筒部６の基端外側には結合用の螺子部９を形成すると共に、円筒部６の先端部には先端が拡開するテーパー状の円錐部10を一体形成している。

【００１０】 11は取付体３の先端側の円筒部であり、該円筒部11の内側には円筒状本体２の円筒部６の螺子部９に螺合する結合用の螺子部12を形成すると共に、取付体３の円筒部11の基端にはボール盤等のスピンドルへの円柱状の取付部13を突出状態で一体形成している。

【００１１】 14は円筒状本体２の円筒部６の基端内部と、取付体３の円筒部11の先端内部で形成され調整部４を内装した基端空洞部であり、該基端空洞部14内には寸法調整用の微細調整ナット15を内装すると共に、該微細調整ナット15の中心部には螺子孔16を設けている。

【００１２】 17は微細調整用角ボルトであり、該微細調整用角ボルト17は４角柱に対してその四角の外周部のみに螺子部18、18a …を形成しており、かかる微細調整用角ボルト17は４角状の隔壁７の貫通孔８に挿通装着し、微細調整用角ボルト17の基端は基端空洞部14内に突出して微細調整ナット15の螺子孔16に螺合すると共に、微細調整用角ボルト17の先端は円筒状本体２の円筒部６の先端内部である先端空洞部19内に突出している。

【００１３】 20、20a …は微細調整ナット15の外周面に穿設した寸法微細調整用の調整嵌合孔であり、又円筒状本体２の円筒部６の基端部には基端空洞部14内に連通する外周方向に長孔状の調整溝21、21a を穿設しており、該調整溝21、21a を通して調整嵌合孔20、20a …に調整用工具（図示せず）を嵌合し、微細調整ナット15を回転させ、微細調整用角ボルト17が連動して進退させている。

【００１４】 22はカッター部５の切削刃具であり、該切削刃具22は円筒部６及び円錐部10の内側で形成される先端空洞部19と略合致する外面形状であり、切削刃具22の基端部は円板部23を形成すると共にその中心部には螺子山を螺刻した嵌合孔24を穿設し、該嵌合孔24には微細調整用角ボルト17の先端を螺合して、切削刃具22を交換可能にすると共に両者の軸心方向に対しては固定状態と成して、両者の進退を同期させて切削刃具22の寸法調整を行っている。

【００１５】 25、25a …は５分割（奇数且つ複数本）された切削刃であり、該切削刃25、25 a …は円板部23から先端方向に突出して一体形成しており、切削刃25、25a …の基端部外面は円筒部６内面に摺接する平坦部26、26a …と成し、該平坦部26、26 a …に続いた切削刃25、25a …の中間部外面は円錐部10内面に摺接するテーパー部27、27a …と成し、該テーパー部27、27a …に続いた切削刃25、25a …の先端部内面には切削刃部28、28a …を形成し、切削刃25、25a …全体は若干量の撓みが可能なバネ材質等と成している。

【００１６】 29、29a …は切削刃25、25a …のテーパー部27、27a …外面に凹設形成した寸法調整後の固定螺子孔であり、該固定螺子孔29、29a …に対向する位置で円錐部 10には段付き長孔30、30a …を穿設形成し、該段付き長孔30、30a …を貫通して固定螺子孔29、29a …に固定螺子31、31a …を螺着して円錐部10の内面とテーパー部27、27a …の外面を密接する様に締結している。

【００１７】そして、切削刃部28、28a …の先端部においては、内周における回転方向の先端部に切削刃先32、32a …を形成し、該切削刃先32、32a …の外側へ向かう切削刃部28、28a …の側面には刃具面研磨用孔33、33a …を形成し、該刃具面研磨用孔33、33a …の外側へ向かう切削刃部28、28a …の側面には切屑逃がし溝34、34 a …を形成している。

【００１８】尚、上記刃具面研磨用孔33、33a …及び切屑逃がし溝34、34a …は隣接する前方の切削刃部28、28a …の後方側面との間に形成しており、又ボール盤等のスピンドルへの取付体３の基端には平面状の回り止め35を設け、又円筒状本体２と取付体３の接合部には緩止螺子36を設けている。

【００１９】次に本考案に係るカッターの作用について説明すると、加工台Ａ上に治具Ｊで異形物品のワークＷを固定し、立フライス、マシニングセンター、ボール盤等のスピンドルにカッター１の取付体３を取付けてカッター１の芯を正確に出し、カッター１を回転させると共に降下させ、ワークＷの軸部、円柱部Ｒに対してカッター１の切削刃先32、32a …が外面接触する様に、カッター１の加工空間部37内に円柱部Ｒが嵌入し、カッター１の回転により固定されたワークＷの円柱部Ｒを外形切削加工して真円に加工する。

【００２０】又、円柱部Ｒの外径に対応してカッター１の加工空間部37の内径も対応可能であり、微細調整ナット15の調整嵌合孔20、20a …に調整用工具を差し込み、該調整用工具を調整溝21、21a に沿って回して微細調整ナット15を回転させれば、微細調整用角ボルト17と貫通孔８は共に４角状であると共に螺合していないために、微細調整用角ボルト17は回転せず微細調整ナット15の回転に応じて微細調整用角ボルト17は進退し、該微細調整用角ボルト17の進退に応じて微細調整用角ボルト17の先端と切削刃具22の円板部23は軸心方向では固定しているために切削刃具 22は進退し、その結果、例えば切削刃具22の引き込み、後退時には、切削刃25、 25a …のテーパー部27、27a …の基端が円錐部10から円筒部６の内側に入り、円錐部10と円筒部６の連結角部にテーパー部27、27a …が当接してテーパー部27、 27a …は内方に撓み、この作用に応じて切削刃具22の先端である切削刃先32、32 a …は内方に撓み、従って加工空間部37の内径は減縮する様に寸法の微細調整を行う。

【００２１】そして、切削刃25、25a …のテーパー部27、27a …が若干量だけ軸方向に移動して、円錐部10の段付き長孔30、30a …の所定位置にテーパー部27、27a …の固定螺子孔29、29a …が位置し、この様な位置決め、加工空間部37の内径の寸法決定後に、段付き長孔30、30a …及び固定螺子孔29、29a …に固定螺子31、31a … を螺着すれば、固定螺子31、31a …の頭部は段付き長孔30、30a …内に位置しているために、固定螺子31、31a …の回転によりテーパー部27、27a …は円錐部10 の内面側に引張されて、円錐部10の内面とテーパー部27、27a …の外面は接触した状態で締結されて切削刃具22のテーパー部27、27a …は円錐部10の内面に密着固定される。

【００２２】又、切削刃25、25a …は３本、５本、７本の様に複数且つ奇数本であるために、円柱部Ｒに接触する夫々の切削刃25、25a …は円柱部Ｒを介した対向位置に他方の切削刃25、25a …が存在せず、夫々の切削刃25、25a …は円柱部Ｒに対して均等に接触して切削し、かかる切削力が平均的に均衡状態となり、切削刃25、25 a …が円柱部Ｒの周囲を円滑に回転して円柱部Ｒを精度よく真円加工したり、円柱部Ｒの加工表面を奇麗に仕上げるのである。

【００２３】尚、仮に固定螺子31、31a …により切削刃具22の切削刃25、25a …の固定を行わなかった場合には、加工中に円錐部10の内面とテーパー部27、27a …の外面が接離してびびって微振動を発生して正確な真円加工が出来なかったり、又仮に切削刃具22の切削刃25、25a …が４本、６本等の偶数本の時には円柱部Ｒの中心に対して２方向の切削刃25、25a …が対向位置で存在して、理論的には不明ながらもびびったり、微振動を発生したりして正確な真円加工が困難であったり、又切削刃具22の切削刃25、25a …が３本の時には加工面が粗くなったり、精度が低くなったり、或いは７本以上の時には切削刃具22が小さくなって製造を行い難くなったり、切屑が逃げ難くなったりする。

【００２４】

【考案の効果】

要するに本考案は、円筒状本体２に取付体３を取付けると共に円筒状本体２は円筒部６と円錐部10から形成し、円筒部６と円錐部10内に形成した先端空洞部19 には調整部４による引き込み式の切削刃具22を内装し、該切削刃具22の円板部23 には複数の切削刃25、25a …を設け、該切削刃25、25a …の外側面には円筒部６と円錐部10の内面に摺接する平坦部26、26a …とテーパー部27、27a …を形成したので、固定したワークＷの円柱部Ｒの外形切削加工を行うことが出来、従って旋盤では加工不可能な異形物品の円柱部Ｒの外径切削加工をワークＷが固定した状態で行うことが出来、又切削刃25、25a …のテーパー部27、27a …等は円筒部６及び円錐部10等に内接しているために、切削刃25、25a …の切削刃先32、32a …の内端位置が決定し、従ってカッター１は一定位置で回転して芯を出したり、求心性が向上出来たり、又切削刃先32、32a …が位置する加工空間部37の内径を微調整することが出来、円柱部Ｒの外径に対応したり、切削刃具22を交換した時にも加工空間部37の内径を調整することが出来、又テーパー部27、27a …には固定螺子孔29、29a …を形成すると共に、円錐部10には段付き長孔30、30a …を形成して、固定螺子孔29、29a …と段付き長孔30、30a …には固定螺子31、31a … を螺着したので、切削刃具22の切削刃25、25a …は円錐部10の内面に固定されて切削刃具22の切削刃25、25a …がびびらず微振動を防止して、円柱部Ｒの真円加工を精度よく奇麗に行うことが出来、更に切削刃具22の内端位置を一定位置で固定することが出来て加工空間部37の内径及び切削外径から決定される中心を明確にして精度の高い加工を行うことが出来るのである。

【００２５】又、複数の切削刃25、25a …は奇数本、望ましくは５本で構成したので、カッター１の回転時には５本の切削刃25、25a …がワークＷの円柱部Ｒに対して平均的に接触しながら円滑に回転出来、従って円柱部Ｒの外形切削時に真円加工を行うことが出来る。

【００２６】又、引き込み式の調整部４において、円筒部６には隔壁７を形成すると共に該隔壁７には貫通孔８を穿設し、円筒部６の基端空洞部14には微細調整ナット15を設けると共に、該微細調整ナット15には螺子孔16を形成し、又隔壁７の貫通孔８に微細調整用角ボルト17を挿通し、該微細調整用角ボルト17の基端は微細調整ナット15の螺子孔16に螺合すると共に、微細調整用角ボルト17の先端は切削刃具22 の円板部23に取付け、又微細調整ナット15には調整嵌合孔20、20a …を設けると共に、円筒部６には調整溝21、21a を設けたので、カッター１の円筒状本体２の外部からカッター１の内部の切削刃具22の寸法調整を行うことが出来、操作性を向上出来る等その実用的効果甚だ大なるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るカッターの正面図である。

【図２】図１のカッターの断面図である。

【図３】図１のカッターの分解斜視図である。

【図４】図２のＡーＡ断面端面図である。

【図５】図１のカッターの刃先側から見た底面図であ
る。

【図６】図１のカッターの取付側から見た平面図であ
る。

【図７】ワーク（インレットパイプ）の加工状態を示す
正面図である。

【図８】他のワーク（異形物品）の加工状態を示す正面
図である。

【符号の説明】

２円筒状本体３取付体４調整部６円筒部７隔壁８貫通孔 10 円錐部 14 基端空洞部 15 微細調整ナット 16 螺子孔 17 微細調整用角ボルト 19 先端空洞部 20、20a … 調整嵌合孔 21、21a 調整溝 22 切削刃具 23 円板部 25、25a … 切削刃 26、26a … 平坦部 27、27a … テーパー部 29、29a … 固定螺子孔 30、30a … 段付き長孔 31、31a … 固定螺子

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】円筒状本体に取付体を取付けると共に円
筒状本体は円筒部と円錐部から形成し、円筒部と円錐部
内に形成した先端空洞部には調整部による引き込み式の
切削刃具を内装し、該切削刃具の円板部には複数の切削
刃を設け、該切削刃の外側面には円筒部と円錐部の内面
に摺接する平坦部とテーパー部を形成し、該テーパー部
には固定螺子孔を形成すると共に、円錐部には段付き長
孔を形成して、固定螺子孔と段付き長孔には固定螺子を
螺着したことを特徴とするカッター。
【請求項２】複数の切削刃は奇数本、望ましくは５本
で構成したことを特徴とする請求項１のカッター。
【請求項３】引き込み式の調整部において、円筒部に
は隔壁を形成すると共に該隔壁には貫通孔を穿設し、円
筒部の基端空洞部には微細調整ナットを設けると共に、
該微細調整ナットには螺子孔を形成し、又隔壁の貫通孔
に微細調整用角ボルトを挿通し、該微細調整用角ボルト
の基端は微細調整ナットの螺子孔に螺合すると共に、微
細調整用角ボルトの先端は切削刃具の円板部に取付け、
又微細調整ナットには調整嵌合孔を設けると共に、円筒
部には調整溝を設けたことを特徴とする請求項１又は２
のカッター。