JPH0587808A - 顆粒球吸着用担体の製造方法 - Google Patents

顆粒球吸着用担体の製造方法

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JPH0587808A
JPH0587808A JP25119691A JP25119691A JPH0587808A JP H0587808 A JPH0587808 A JP H0587808A JP 25119691 A JP25119691 A JP 25119691A JP 25119691 A JP25119691 A JP 25119691A JP H0587808 A JPH0587808 A JP H0587808A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 可塑剤含有量が少なく、安全性に優れ、かつ
顆粒球を効果的に吸着し得る酢酸セルロース系顆粒球吸
着用担体を得る。 【構成】 可塑剤としてアセチルクエン酸トリエチルを
使用して酢酸セルロースを成形し、メタノールを用いて
アセチルクエン酸トリエチルを抽出することにより、ア
セチルクエン酸トリエチル含量が1.2重量%以下の酢
酸セルロース系顆粒球吸着用担体を得る、顆粒球吸着用
担体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、血液中から顆粒球を分
離・除去するための顆粒球吸着用担体の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】特開平2−193069号に記載されて
いるように、癌患者における顆粒球数(G)とリンパ球
数(L)との比、G/Lは、癌患者の病態変化を判断す
る有力な手段になると考えられている。また、癌患者の
血液中から選択的に顆粒球を除去することにより、上記
G/L比を低下することができ、それによって癌治療に
対して好ましい影響を与え得ることが示唆されている。
上記先行技術では、上記のような癌患者の病態変化の判
断や癌治療に用い得る顆粒球吸着用担体として、リンパ
球に比べて顆粒球に対する親和性が高い担体を用いるこ
とにより、顆粒球を選択的に吸着させ得る旨が開示され
ている。また、この顆粒球吸着用担体としては、顆粒球
への親和性が高ければ、材料、大きさ及び形状等は問わ
ないが、熱可塑性樹脂を射出成形することにより得られ
るとされている。さらに、顆粒球吸着用担体を構成する
材料としては、ポリスチレン、酢酸セルロース、6−ナ
イロン、ポリエチレンテレフタレート等が例示されてい
るが、これらの中でも、酢酸セルロースが優れた顆粒球
吸着能を示すことが明らかにされている。
【0003】しかしながら、酢酸セルロースは、可塑剤
を用いずに成形することはできないため、通常、可塑剤
を混入した状態で成形される。酢酸セルロースに対して
使用し得る可塑剤としては、アジピン酸系、クエン酸
系、グリセロール系、リン酸系、フタル酸系、セバチン
酸系またはコハク酸系等の可塑剤が挙げられる。しかし
ながら、酢酸セルロースに上記のような可塑剤を混入し
て成形した場合、得られた吸着用担体から血液中に可塑
剤成分が流出するため、毒性の点で問題となる。また、
血液回路等の医療用具で使用が認められており、かつ一
般的に用いられている可塑剤であるジオクチルフタレー
トは、酢酸セルロースに対しては使用することができな
い。すなわち、体外循環法で使用される顆粒球除去装置
用の顆粒球吸着用担体として酢酸セルロース系のものを
用いることが好ましいことは明らかであるが、許容され
得る程度に可塑剤含量が低下された酢酸セルロース系顆
粒球吸着用担体は未だ存在しなかった。
【0004】本発明の目的は、顆粒球吸着能に優れた酢
酸セルロース系顆粒球吸着用担体であって、かつ可塑剤
含量が極めて低く、安全性に優れた顆粒球吸着用担体を
製造し得る方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、可塑剤として
アセチルクエン酸トリエチルを使用して酢酸セルロース
を成形し、メタノールを用いて上記可塑剤を抽出するこ
とにより、可塑剤含量が1.2重量%以下とされた酢酸
セルロース系顆粒球吸着用担体を製造する方法である。
本発明の製造方法により得られる顆粒球吸着用担体は、
顆粒球吸着性能が特に優れた酢酸セルロースからなる。
もっとも、酢酸セルロース単独で射出成形や押出成形を
することはできないため、本発明では、可塑剤としてア
セチルクエン酸トリエチル(以下、ATECと略す。)
を使用することにより成形される。
【0006】一般に、可塑剤は毒性が強いため、成形体
中の最終含有濃度を極力低下させる必要がある。そこ
で、本発明の顆粒球吸着用担体の製造方法では、ATE
Cを可塑剤として使用し、さらに、成形後に該ATEC
を抽出することによりATEC含量が低下されている。
上記ATECは、医療用合成樹脂製品用の可塑剤として
米国FDAにより認可されている。体外循環回路システ
ム等の医療用具の承認基準としては、薬発第494号透
析型人工腎臓装置承認基準が参考とされていることが多
い。中でも、透析器の溶出物試験に適合するものである
ことが必要である。また、循環液は、第十一改正日本薬
局方 製剤総則「注射剤」の不溶性微粒子試験に適合さ
れることが望ましい。
【0007】上記のような各基準を参照すると、可塑剤
としてよく使用されているジエチルフタレートは、紫外
線吸収が大きく、溶出物の紫外線吸収試験に適合しな
い。これに対して、ATECは、紫外線吸収がさほど大
きくなく、かつ上記各基準を満たすものであるため、体
外循環回路を構成する医療用具用可塑剤として最適であ
る。本発明では、ATECを可塑剤として用いている
が、さらに、このATECが、成形後にメタノールを用
いて抽出され、それによってATEC含量が1.2重量
%以下に低減される。ATECの抽出をメタノールを用
いて行うのは、以下の理由による。
【0008】可塑剤の抽出は、顆粒球吸着用担体の基本
成分である酢酸セルロースは不溶であるが、可塑剤は可
溶である溶剤を用い、例えば還流法やバッチ法で行い得
る。しかしながら、抽出溶媒の選定にあたっては、抽出
効率や安全性の配慮が必要である。抽出効率の観点から
は、極性の強いメタノールやエタノールを用いることが
好ましい。しかしながら、エタノールは酢酸セルロース
樹脂に対して影響し、例えばビーズ状の酢酸セルロース
系担体を製造した場合、該ビーズが白濁し、該ビーズを
用いた微粒子の発生試験では、第十一改正日本薬局方
製剤総則「注射剤」の不溶性微粒子試験に合格しない。
他方、酢酸セルロース樹脂に対して影響を与えない溶剤
としては、比較的疎水性の高いイソプロピルアルコー
ル、n−ヘキサン及びジエチルエーテル等も挙げられる
が、これらの溶剤では抽出効率が悪い。
【0009】従って、本発明では、上記理由によりAT
ECの抽出溶媒としてメタノールが用いられる。メタノ
ールによる抽出方法としては、特に限定されないが、工
業的に行うにはバッチ式の抽出法を採用することが好ま
しい。また、抽出温度は、メタノールの沸点より少し低
い温度、例えば40〜50℃位が適当である。さらに低
い温度でも抽出可能であるが、抽出時間を長くする必要
がある。抽出時間については、50℃で2.3mm径の
ビーズ状酢酸セルロース樹脂では、ビーズ全体がメタノ
ールに膨潤するのに約30分程度必要であるため、並び
にあまり長時間抽出してもメタノール中のATEC濃度
が高くなり、抽出効率が悪くなるため、30分以上2時
間以内が適当である。
【0010】また、抽出に際して酢酸セルロース樹脂に
対して使用するメタノールの量については、酢酸セルロ
ース樹脂がビーズ状の場合、ビーズがメタノール中に完
全に浸漬されるように、酢酸セルロース樹脂の2倍以上
の容量のメタノールを用いることが好ましい。抽出回数
については、酢酸セルロース樹脂の形状や粒径によって
も異なるが、ビーズ状の酢酸セルロース樹脂の場合に
は、2.3mm径であれば、4〜5回の抽出で可塑剤含
量を1.2重量%以下とすることができる。なお、上記
ビーズ状の酢酸セルロース樹脂を48時間ソックスレー
抽出することによっても、残留ATEC含量は0.1重
量%程度であるため、現実にはATEC含量を0.1重
量%以下とすることは工業的には困難であると考えられ
る。
【0011】上記ATECと、医療用具での使用が認め
られている代表的な可塑剤であるジオクチルフタレート
の毒性を比較すると、ATECは静脈内投与致死量でジ
オクチルフタレートの4倍の毒性をもっている。しかし
ながら、ATECを可塑剤として用いて成形された酢酸
セルロース樹脂について、メタノールを用いて可塑剤を
抽出し、残留ATEC濃度を1.2重量%以下とした
後、カラムに充填して血漿を循環した場合、血漿中に溶
出されるATEC量は、人工腎臓用血液回路に血漿を循
環した時に血漿中に溶出するジオクチルフタレート量の
50分の1以下であることが確かめられた。従って、本
発明の製造方法に従って、可塑剤としてATECを用い
て成形された酢酸セルロース樹脂から、メタノールによ
り該ATECを抽出することにより、ATECの溶出毒
性は、人工腎臓用血液回路におけるジオクチルフタレー
トの溶出毒性以下とされ得ることがわかる。
【0012】一方、ATECを可塑剤として用いた場
合、薬発第494号透析型人工腎臓装置承認基準の中で
も最も考慮しなければならない基準に溶出試験の過マン
ガン酸カリウム消費量がある。射出成形で得られたAT
EC30重量%を含有する直径2.3mmのビーズを用
いてメタノールのバッチ抽出回数を変えてそれぞれ残留
ATEC含量が4.3、1.7及び0.5重量%のビー
ズを用いて上記溶出試験を実施したところ、基準値の過
マンガン酸カリウム消費量1ml以下は可塑剤含量1.
2%以下に相当することがわかった。以上のことによ
り、ATECの下限は工業的に抽出可能な範囲である
0.1重量%になり、上限は溶出物試験の過マンガン酸
カリウム消費量基準より1.2重量%以下になる。
【0013】本発明においては、上記ATECを可塑剤
として用いて酢酸セルロースが成形されるが、成形方法
は特に限定されず、顆粒球吸着用担体の形状や大きさに
応じて、適宜の成形法が用いられる。上記酢酸セルロー
スをATECを用いて成形するに際しての配合割合は、
酢酸セルロース100重量部に対し、ATECを20〜
50重量部の割合で配合すればよい。ATECの配合量
が20重量部未満では成形し難く、ATECの配合量が
50重量部を超えると、成形上そこまで必要としないだ
けでなく、メタノールにより抽出を行う際に、最終的に
ATECの含有量を1.2重量%以下とするのに手間が
かかる。
【0014】なお、本発明の製造方法により得られる顆
粒球吸着用担体の形状及び大きさは特に限定されず、上
記のようなビーズ状の酢酸セルロース樹脂以外の任意の
形状とし得る。もっとも、一般的には、血液細胞と区別
し得るだけの大きさを有し、かつ接触する血液との接触
面積の大きな形状とされることが好ましい。従って、通
常、例えば直径0.1〜10mm程度のビーズ状担体と
して構成される。特に、本発明により得られる顆粒球吸
着用担体は、直径0.5〜7mmのビーズ状担体とする
ことが好ましい。ビーズ状担体を収納した顆粒球吸着部
すなわちカラムを使用する場合、ビーズ状担体の粒径が
小さすぎると血液の移送に高い圧力を要し、凝血が起こ
ったり、血栓が生成したり、血栓の生成による目詰まり
が生じたり、さらには流量も低下するおそれがあるから
である。そこで、ビーズ状担体の粒径は上記のように
0.5mm以上とすることが好ましい。他方、ビーズ状
担体の粒径が7mmを超えると、単位体積当たりの表面
積が減少するため、顆粒球吸着効率が低下する。上記ビ
ーズ状担体は、上記ATECを可塑剤として用いて酢酸
セルロースを射出成形や押出成形等の成形方法を利用し
て成形し得るが、必要に応じて成形後に研磨することに
より粒径を揃えてもよい。
【0015】
【作用】本発明では、可塑剤としてATECを用いて顆
粒球吸着性能に優れた酢酸セルロースを成形し、さらに
成形後にメタノールによりATECを抽出しているた
め、ATEC含量が1.2重量%以下の安全性の高い顆
粒球吸着用担体を得ることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。各種抽出溶媒によるATECの抽出実験 アートプラス社製酢酸セルロースペレット(商品名:ア
セチペレット、ATEC30重量%含有)を射出成形し
て粒径2.3mmのビーズを作製した。得られたビーズ
約200mgから、5mlのメタノール、エタノール、
イソプロピルアルコール、n−ヘキサン及びジエチルエ
ーテルをそれぞれ用いて室温で24時間ATECの抽出
実験を行った。抽出後の各溶剤中のATEC濃度から抽
出率を算出した。結果を下記の表1に示す。
【0017】表1から明らかなように、極性の強いメタ
ノールやエタノールが高い抽出効率を示した。しかしな
がら、エタノールでは酢酸セルロース樹脂に対しても影
響を与え、事実、抽出後のビーズは白濁し、本ビーズを
用いた微粒子の発生試験では第十一改正日本薬局方、製
剤総則「注射剤」の不溶性微粒子試験に適合しなかっ
た。また、酢酸セルロース樹脂に対しても影響を与えな
い溶剤としては比較的疎水性の高いイソプロピルアルコ
ール、n−ヘキサン及びジエチルエーテルがあるが、表
1から明らかなように、これらの溶剤では抽出効率が悪
い。
【0018】
【表1】
【0019】ATECの毒性試験 ATEC(ファイザー社より供与)を0.25重量%T
ween80−生理食塩溶液に所定量加えてATEC投
与量が10ml/kgとなるように、試験液を調製し
た。雄性ddyマウス6週令に各用量の試験液を尾静脈
内投与したところ、致死用量は400mg/kgであっ
た。比較のために、ジオクチルフタレート(関東化学社
製)を0.25重量%Tween80−生理食塩溶液に
所定量加えて投与量が10ml/kgとなるように試験
液を調製した。雄性ddyマウス6週令に各用量の試験
液を尾静脈内投与したところ、致死用量は1600mg
/kgであった。
【0020】実施例1 アートプラス社製酢酸セルロースペレット(商品名;ア
セチペレット、ATEC30重量%含有)を射出成形し
て粒径2.3mmのビーズを作製した。得られたビーズ
約200gを5リットルの凝縮器付ガラス製反応器に入
れ、50℃で1時間、3リットルのメタノールにて抽出
を行った。抽出後、デカンテーションにてメタノールを
除いた。以上の抽出操作を合計で5回繰り返した後、ス
テンレス製バットにビーズを取り出し、15時間風乾
後、さらに80℃で5時間乾燥させて顆粒球吸着用担体
を得た。
【0021】得られた顆粒球吸着用担体200mgをジ
クロロメタン:メタノール=9:1(容量比)の割合の
溶液5mlに溶解し、メタノールにて10倍希釈し、2
0000rpmで20分遠心分離した。しかる後、上清
みをとり、該上清み液を濾過した後、ガスクロマトグラ
フィーにて測定した。使用したガスクロマトグラフィー
は、島津製作所製、商品名;GC−15A、カラム:化
学品検査協会製、商品名G−カラム(G−250)であ
り、カラム温度は170℃とした。可塑剤含量は0.5
重量%であった。上記顆粒球吸着用担体を1.5gと
り、透析型人工腎臓承認基準に準じて溶出物試験を行っ
た。得られた溶出液を層長10mmの角型石英セルに入
れ、波長220〜350nmにて吸光度を測定した(島
津製作所製、分光光度計使用)。最大吸光度は0.03
であり、上記基準に適合することが確かめられた。
【0022】比較例1 アートプラス社製、酢酸セルロースペレット(商品名;
アセチペレット、ジエチルフタレート30重量%含有)
を射出成形して粒径2.3mmのビーズを作製した。得
られたビーズ約200gを5リットルの凝縮器付ガラス
製反応器に入れ、50℃で1時間、3リットルのメタノ
ールにて抽出を行い、抽出後、デカンテーションにてメ
タノールを除いた。以上の抽出操作を合計で5回繰り返
した後、ステンレス製バットにビーズを取り出し、15
時間風乾後、さらに80℃で5時間乾燥させて顆粒球吸
着用担体を得た。得られた顆粒球吸着用担体200mg
をジクロロメタン:メタノール=9:1(容量比)の割
合の溶液5mlに溶解し、メタノールにて10倍希釈
し、20000rpmで20分遠心分離した。しかる
後、上清みをとり、該上清み液を濾過した後、実施例1
と同様にして可塑剤としてのジエチルフタレート含量を
測定した。可塑剤含量は0.5重量%であった。上記顆
粒球吸着用担体を1.5gとり、実施例1と同様にし
て、透析型人工腎臓承認基準に準じて溶出物試験を行っ
た。その結果、最大吸光度は1.02であり、基準値
0.1より高値となった。
【0023】実施例2 実施例1と同様にしてビーズを作製し、このビーズ50
gを、内径29mm径、長さ90mmのポリカーボネー
ト系カラムに、ポリエステル製ネット(NBC工業社
製、商品名;T−No.70s)を固定し、ポリプロピ
レン製ナットで密封したカラムに充填し、200mlの
生理食塩水(大塚製薬社製)を流速16ml/秒で流し
て洗浄した。洗浄後、空気を送って生理食塩水をカラム
から排出させた後、カラムの下端からヒト血漿Sera
conII(The Centerfor Diagno
stic products社製)を充填した。上記ヒ
ト血漿を室温にて流速15ml/秒で6時間循環した。
【0024】循環後の血漿30mlに30mlのアセト
ンを加えて攪拌し、次に3200rpmで15分遠心分
離して上清みを回収した。さらに、上清みにアセトン3
0mlを加えて攪拌し、3200rpmで15分遠心分
離し、上清みを回収した。この上清みを乾固し、アセト
ン5mlに溶かした。得られた溶液中のATEC量を、
実施例1と同様にしてガスクロマトグラフィーにて測定
した。測定されたATEC量を、ヒトでの体外循環に用
いるビーズ量228g当たりの溶出量に換算したとこ
ろ、0.65mgであった。
【0025】比較例2 人工腎臓用血液回路(テルモ社製、クリランス血液回路
BH)1セットに生理食塩水(大塚製薬社製)1000
mlを流速50mlで流して洗浄した。洗浄後、空気を
送り生理食塩水を排出させた後、ヒト血漿Seraco
nII(TheCenter for Diagnost
ic products社製)を充填した。室温にて流
速15ml/秒で6時間循環した。循環後の血漿30m
lに30mlのアセトンを加えて攪拌し、3200rp
mで15分遠心分離して上清みを回収した。さらに、上
清みにアセトン30mlを加えて攪拌し、3200rp
mで15分遠心分離し、上清みを回収する。回収された
上清み液中のジオクチルフタレート量をカラム温度を2
30℃したことを除いては、実施例2と同様にしてガス
クロマトグラフィーにより測定した。人工腎臓用血液回
路からのジオクチルフタレート溶出量は37.5gであ
った。すなわち、実施例2のヒトでの体外循環に用いる
ビーズ量当たりの量に換算した0.65mgを上記値と
比較すると、実施例2のビーズの場合の溶出量は比較例
2の人工腎臓用血液回路の場合の約57分の1である。
【0026】実施例3 実施例1にて作製した顆粒球吸着用担体2gを5mlデ
ィスポーザープルシリンジ(テルモ社製)に充填し、ヘ
パリン5U/ml含有ヒト新鮮血2mlを添加し、60
分間、37℃にてインキュベートした。なお、途中5〜
10分ごとに穏やかな転倒混和をした。インキュベート
後、血液を自然落下で回収し、スミア標本を作成した。
50%メイグリュンワルド液(pH6.4のリン酸緩衝
液)に15分浸漬し、次に3%ギムザ液で30分染色し
た後、顕微鏡下にて白血球分類を行ったところ、下記の
表2に示す結果が得られた。
【0027】
【表2】
【0028】実施例4 実施例1と同様の材料、抽出操作及び可塑剤含量測定を
行い、メタノールのバッチ抽出回数を3回、4回、5回
と変えて、それぞれ残留ATEC含量が4.3、1.7
及び0.5重量%のビーズを得た。得られた各ビーズに
ついて、薬発第494号透析型人工腎臓装置承認基準の
水溶出物試験の過マンガン酸カリ消費量試験を実施し
た。結果を図1に示す。図1から明らかなように、基準
値の過マンガン酸カリ消費量1ml以下は可塑剤含量
1.2%以下に相当することがわかった。
【0029】
【発明の効果】以上のように、本発明では、ATECを
用いて酢酸セルロースを成形し、かつメタノールにより
ATECを抽出するため、ATECの含量が1.2重量
%以下とされた極めて安全な顆粒球吸着用担体を提供す
ることが可能となる。従って、本発明により得られる顆
粒球吸着用担体を体外循環法を用いて癌患者の治療に用
いれば、患者に悪影響を与えることなく、患者のG/L
比を低下させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】可塑剤含量とKMnO4 消費量との関係を示す
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 正一 群馬県高崎市石原町3493−9

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可塑剤としてアセチルクエン酸トリエチ
    ルを使用して酢酸セルロースを成形し、メタノールを用
    いて前記可塑剤を抽出することにより、可塑剤含量1.
    2重量%以下の酢酸セルロース系顆粒球吸着用担体を得
    る、顆粒球吸着用担体の製造方法。
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