JPH0587632A - 赤外線検出方法および赤外線検出器 - Google Patents

赤外線検出方法および赤外線検出器

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JPH0587632A
JPH0587632A JP24610791A JP24610791A JPH0587632A JP H0587632 A JPH0587632 A JP H0587632A JP 24610791 A JP24610791 A JP 24610791A JP 24610791 A JP24610791 A JP 24610791A JP H0587632 A JPH0587632 A JP H0587632A
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保暁 田村
Junichi Owaki
純一 大脇
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Abstract

(57)【要約】 【目的】安価で感度が高くかつ容易に赤外線を検出でき
る赤外線検出方法と検出器を提供する。 【構成】本発明の方法は、まず赤外輝尽蛍光体を可視光
あるいは紫外光で励起する。可視光および紫外光を遮断
した状態で、次に、この励起した赤外輝尽蛍光体を赤外
線の被検出部に所定の時間にわたって配置し、検出すべ
き赤外線に被曝させ、赤外輝尽蛍光体の全面に一様に強
度の強い赤外線を照射し、赤外輝尽発光の明暗の分布を
調べる。本発明の検出器は、赤外光を透過し可視光およ
び紫外光を遮断する赤外透過部材11と、赤外光、可視
光および紫外光を遮断する遮光部材12との間に、赤外
輝尽蛍光体13が着脱可能に挟持されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、赤外線検出方法と赤外
線検出器とに関し、特に赤外輝尽蛍光体を用いた赤外線
検出方法と赤外線検出器に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信技術、光情報処理技術の進展によ
り、近年、近赤外線領域に発光波長を有する赤外光源が
各所で用いられるようになってきている。これに伴い、
光部品、光材料などの製造部門、これらの部品を用いて
システムを構築する部門、あるいはこれらのシステムの
保守部門において、赤外光を用いた検査の必要性が高ま
り、赤外線検出器の需要もますます増大してきている。
光通信部品、光情報処理部品の適用領域が広くなるにつ
れ検査方法も多岐にわたるようになり、必ずしも赤外線
強度や赤外線線量の正確な測定が必要ではなく単に赤外
光の有無だけを検出すれば十分である場合も増えてい
る。特に光部品の相互の接続の不良箇所から漏洩する赤
外光を検出することによりシステムの不良箇所を特定す
る検査では、赤外光の検出のみで十分である場合が多
い。
【0003】現在、光通信用の光源としては、1.3μ
m帯、1.55μm帯の赤外光源が主として用いられて
おり、これら波長域の赤外光を検出する検出器として
は、例えばInGaAsを用いた半導体検出器が広く用
いられている。半導体検出器は、赤外光の入射によって
半導体中に発生するキャリアによる起電力あるいは光電
流を測定して光強度を測定するものであり、このため、
半導体検出器の測定感度限界は、半導体検出器内の暗電
流や、環境電磁波によるノイズなどによって規定され、
現在市販されているものでは高々−60dBm程度であ
る。
【0004】一方、非電気的な赤外線検出器として広く
使われているものに、赤外輝尽蛍光体を用い、フォスフ
ァープレートやIRキャッチャなどの商品名で市販され
ているものがある。これは、赤外輝尽蛍光体に予め紫外
光や可視光を照射してこれを励起しておき、そののち被
測定対象から放射される赤外光にこの蛍光体を被曝させ
ると、赤外線の当たった部分のみが発光し、この発光を
検出することにより赤外光の有無を検出するものであ
る。この赤外輝尽蛍光体を用いた検出器は、基本的には
目視によって検出を行なうことになるものであるから、
赤外輝尽蛍光体の赤外可視変換効率がせいぜい数%であ
ることと肉眼の可視光検出感度が高々−60dBm程度
であることから、全体としての赤外線検出感度は高々−
40dBm程度となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した半導体光検出
器は、赤外光の検出感度が高々−60dBmであって微
弱な漏洩赤外光を検出するには不十分であるという欠点
がある。また、特にInGaAsを用いたものは非常に
高価であるという欠点がある。一方、上述した赤外輝尽
蛍光体を用いた従来の光検出器では、赤外光の検出感度
がせいぜい−40dBmとさらに悪いという欠点があ
る。
【0006】本発明の目的は、安価であって感度が高
く、かつ容易に赤外線を検出できる赤外線検出方法と赤
外線検出器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の赤外線検出方法
は、赤外輝尽蛍光体に紫外線あるいは可視光線を照射し
て前記赤外輝尽蛍光体を励起し、紫外線および可視光線
を遮断した状態で、前記赤外輝尽蛍光体を赤外線被検出
部に所定の時間にわたって配置し、そののち前記赤外輝
尽蛍光体に赤外線を照射して赤外輝尽発光を起させ、前
記赤外輝尽蛍光体における前記赤外輝尽発光の明暗の分
布を求め、前記分布から前記赤外線被検出部における赤
外線の検出を行なう。
【0008】本発明の赤外線検出器は、紫外線および可
視光線を遮断しかつ赤外線を透過する赤外透過部材と、
紫外線、可視光線および赤外線を遮断する遮光部材と、
赤外輝尽蛍光体とを有し、前記赤外輝尽蛍光体が前記赤
外透過部材と前記遮光部材との間に着脱可能にはさまれ
て保持されている。
【0009】
【作用】本発明の作用について説明するにあたり、ま
ず、赤外輝尽蛍光体の動作原理について説明する。
【0010】赤外輝尽蛍光体とは、予め短波長の光(可
視光、紫外光)の光で励起したのち、赤外光で刺激する
と可視領域の発光が発生する蛍光体のことであり、従来
より半導体レーザやYAGレーザなどからの赤外光の検
出に用いられている。硫化カルシウム(CaS)や硫化
ストロンチウム(SrS)に、ユーロピウム(Eu)と
サマリウム(Sm)との組み合せあるいはセリウム(C
e)とサマリウムの組み合せなどをドープしたものが、
赤外可視変換効率の高い赤外輝尽蛍光体として知られて
いる。
【0011】図1(a),(b)は、赤外輝尽蛍光体の1つで
あるCaS:Eu,Sm系のもののバンドモデルを説明す
る図であり、この蛍光体は、以下の励起過程[図1
(a)]、発光過程[図1(b)]の2つの過程によって動作
する。なお、EuはEu2+としてCaSの価電子帯の上
端(図示V.B.)に近い不純物準位を形成し、SmはSm3
+として伝導帯の下端(図示C.B.)に近い不純物準位を
形成している。なお、価電子帯と伝導帯とのエネルギー
差すなわちバンドギャップはEgで示されている。 a)励起過程 可視〜紫外領域の励起光の照射によりEu2+はさらに
イオン化されて伝導帯上に電子を放出し、Eu3+とな
る。
【0012】伝導帯上へ励起された電子はSm3+に捕
獲され、Sm3+はSm2+になる。 b)発光過程 赤外光の刺激によりSm3+に捕獲されていた電子は伝
導帯上に励起され、Sm3+はSm2+になる。
【0013】伝導帯上に励起された電子はEu3+に捕
獲され、Eu3+はEu2+になり、このときEu2+は発光
遷移により基底状態に遷移し、光を放出する。この発光
を赤外輝尽発光と呼ぶ。
【0014】すなわち、上記〜の過程を経ることに
よって赤外輝尽発光が生じるが、この動作原理からわか
るように、Euによる不純物準位が励起光に対する吸収
の波長特性と赤外輝尽発光の発光の波長特性を決定し、
Smによる不純物準位が赤外線刺激に対する波長特性を
決定する。なお、励起光と赤外輝尽発光との特性に関与
する元素を主活性剤、赤外線刺激の特性に関与する元素
を副活性剤と呼んでいる。
【0015】この赤外輝尽発光は、以上の説明からも明
らかなように、励起光のエネルギーを赤外輝尽蛍光体内
に蓄積し、この蓄積されたエネルギーが赤外線刺激によ
って可視光の形態で放出される現象である。従来、赤外
輝尽蛍光体を用いて赤外線を検出する場合、被検出赤外
線の照射による発光を直接観測しており、被検出赤外線
が微弱であれば赤外輝尽発光も当然微弱であり、微弱な
発光の検出限界によって被検出赤外線の検出限界が定ま
ることとなっていた。
【0016】本発明の赤外線検出方法では、励起させた
赤外輝尽蛍光体を赤外線被検出部に所定の時間にわたっ
て配置し、そののちこの赤外輝尽蛍光体に赤外線を照射
して赤外輝尽発光を観察するので、赤外輝尽蛍光体のう
ち赤外線被検出部で赤外線に被曝した部分からの発光が
弱くなり、これから赤外線被検出部での赤外線を検出す
ることができる。これは、赤外線被検出部で赤外線に被
曝したことによりその部位の赤外輝尽蛍光体の蓄積エネ
ルギーが他の部位に比べ減少し、そののち赤外線を照射
した場合、そのときの蓄積エネルギーに基づいて発光量
が定まるからである。このとき、赤外線被検出部に配置
しておく時間を長くすれば(すなわち積算時間を長くす
れば)、単位時間当たりの光量が極めて微弱な赤外線で
あっても、蓄積エネルギーの減少量を大きくすることが
でき、したがって非被曝部位との発光のコントラストを
上げることができ、微弱な赤外光であっても容易に検出
することができる。さらに、暗電流や外部からの電磁波
の影響を受けないのでノイズが発生せず、積算時間を十
分長くすることができ、他の測定方法と比較して極めて
高い検出感度を得ることができる。なお、発光を観察す
るときの赤外線の強度は、発光の強度が大きくなるよう
に、比較的大きいものとする必要がある。
【0017】次に、本発明の赤外線検出器について説明
する。図2は本発明の赤外線検出器の基本的な構成を示
す模式断面図である。この赤外線検出器は、紫外線およ
び可視光線を遮断しかつ赤外線を透過する透過部材11
と、紫外線、可視光線および赤外線を遮断する遮光部材
12と、板状もしくはフィルム状の赤外輝尽蛍光体13
とを有し、赤外輝尽蛍光体13が赤外透過部材11と遮
光部材12との間に着脱可能にはさまれて保持されるよ
うになっている。
【0018】一般に赤外輝尽蛍光体は励起感度が高く、
室内光程度の光でも励起されてしまう。本発明の赤外線
検出方法を実施する場合、最初に赤外輝尽蛍光体を励起
したのちに、特に赤外線被検出部に赤外輝尽蛍光体を配
置しているときに、赤外輝尽蛍光体に室内光程度の光が
照射されると、赤外線に被曝した部位が再び励起されて
しまい、結果として赤外線の検出感度の低下をもたら
す。本発明の赤外線検出器では、赤外輝尽蛍光体13
が、いずれも可視光および紫外光を透過しない赤外透過
部材11と遮光部材12との間にはさまれて保持される
ようになっているので、不要な可視光および紫外光の照
射を防ぐことができ、赤外線の検出感度の低下を防ぐこ
とができる。そのため、赤外線被検出部が室内などの明
るい場所であっても赤外線を検出することができ、また
遮光などの特別の処置を行なう必要がない。この赤外線
検出器を用いて赤外線の検出を行なうには、まず取り出
した状態の赤外輝尽蛍光体13に可視光あるいは紫外光
を照射してこれを十分に励起させておく。この赤外輝尽
蛍光体13を赤外透過部材11と遮光部材12との間に
はさんで保持し、そして赤外線被検出部に配置する。こ
のとき、赤外透過部材11側が検出すべき赤外線の到来
方向に向くようにする。赤外線被検出部に所定の時間配
置したら、可視光および紫外光を遮断した状態で、赤外
輝尽蛍光体13を赤外透過部材11と遮光部材12との
間から取り出し、赤外輝尽蛍光体13の全体に一様に赤
外光を照射してそのときの発光の明暗の分布を調べれば
よい。
【0019】
【実施例】次に、本発明の実施例について具体的数値を
挙げて説明する。 実施例1 本発明の赤外線検出方法に基づき、硫化カルシウム(C
aS)にユーロピウム(Eu)とサマリウム(Sm)を
ともにドープした赤外輝尽蛍光体を用いて赤外線を検出
した例について説明する。
【0020】この赤外輝尽蛍光体には、それぞれEuと
Smを重量比で5〜5000ppmの範囲でドープした
ものを用いた。特に微弱な赤外光を検出するなど、長時
間にわたり赤外線被検出部に配置する必要があるときに
は、励起エネルギーの蓄積能力に優れたものを使用する
ことが望ましいので、この場合には、Euの重量濃度を
200ppm以下とした蓄積時間の長い蛍光体を用い
た。この赤外輝尽蛍光体の励起波長感度特性が図3に、
赤外波長感度特性(赤外輝尽発光に対する刺激用の赤外
光の波長特性)が図4に示されている。図3から明らか
なように、この赤外輝尽蛍光体は200〜650nmと
広い波長領域の光で励起することができるので、白熱電
球などの通常の光源を用いて励起できる。また、図4か
ら明らかなようにこの蛍光体は0.8〜1.7μmの広い
波長領域の赤外光の照射で発光するので、1.3μm帯
や1.55μm帯の半導体レーザー、波長1.06μmの
YAGレーザーからの赤外光を検出することができる。
【0021】直径20mmの石英ガラスを窓材とする容
器にこの赤外輝尽蛍光体を封入し、白熱電球を用いた懐
中電灯からの白色光で照射して励起させた。そののち、
紫外光と可視光を遮断した状態で、ビーム直径が1mm
である1.3μm帯半導体レーザーからの光を照射して
赤外線に被曝させた。これは、赤外線被検出部に配置し
たことに相当する。そして、可視光遮断フィルタを通し
て赤外光成分のみとしたハロゲンランプからの光をこの
赤外輝尽蛍光体に一様に照射し、それによって発する赤
外輝尽発光を観察した。その結果、赤外線被曝部すなわ
ち1.3μm帯レーザーからの光が当たっていた部分
が、暗部として明確に観察された。 実施例2 1.3μm帯の半導体レーザーを1μWの強度で発振さ
せ、透過率が1/100であるNDフィルターを3枚重
ねたものにそのレーザーからの光を透過させて強度をも
との1×10-9の光量とし、1pWの光量すなわち−9
0dBmの強度の赤外光を発生させた。この赤外光を半
導体検出器を用いて検出しようとしたが、ノイズレベル
以下であって全く検出することができなかった。一方、
上述の実施例1における赤外輝尽蛍光体を励起し、この
1pWの赤外光に1時間被曝させたのち、蛍光体の全面
に一様に強度の大きい赤外線を照射して発光を観察した
ところ、1pWの赤外線が当たっていたところが暗部と
して観察され、本発明の赤外線検出方法は極めて検出感
度の高いことがわかった。 実施例3 本発明の赤外線検出器を用いて赤外線を検出した例につ
いて説明する。図5(a)は本発明の一実施例の赤外線検
出器の構成を示す斜視図、図5(b)は図5(a)のA−A線
断面図である。
【0022】赤外輝尽蛍光体23は、蛍光体粉末を有機
バインダに分散してフィルム状としたものである。赤外
光のみを透過し可視光および紫外光を吸収する色素を含
有した高分子フィルム21と、アルミニウムコーティン
グが施されたコーティング紙22とで、この赤外輝尽蛍
光体23を挟持する構造となっている。コーティング紙
22は、もちろん赤外光、可視光および紫外光を透過さ
せない。本実施例では、セレン化カルシウム(CaS
e)にEuとSmをともにドープした赤外輝尽蛍光体を
使用した。なお、高分子フィルム21の周辺部には粘着
剤が塗布されており、赤外輝尽蛍光体23を挟持した状
態でコーティング紙22が容易には剥がれないようにな
っているともに、高分子フィルム21とコーティング紙
22とを手で引きはがすことにより、これら両者の間に
赤外輝尽蛍光体23を挟持したり取り出したりすること
ができるようになっている。
【0023】次に、この赤外線検出器の使用方法につい
て、実際に使用した例に挙げて説明する。ここでは、赤
外線発光素子、赤外線受光素子、光導波路からなる光部
品の赤外光漏洩部検査をこの赤外線検出器によって行な
った。なお、光部品の動作特性の解析から、この光部品
の光損失は最大でも1pW以下であることが判明してお
り、この光損失量は半導体検出器の検出限界未満であっ
て、半導体検出器による赤外光の漏洩箇所の特定は不可
能である。
【0024】まず、赤外輝尽蛍光体23を取り出した状
態で、この赤外輝尽蛍光体23に白色光を照射し、十分
励起させておく。次に、高分子フィルム21とコーティ
ング紙22との間に励起された赤外輝尽蛍光体23を挟
持し、高分子フィルム21の周辺部が粘着剤によってコ
ーティング紙22と周辺部と密着するようにする。上述
の図5(a),(b)はこの状態での赤外線検出器の様子を示
したものである。
【0025】次に、この赤外線検出器を赤外線被検出部
に配置した。ここでは、上述の光部品の赤外光漏洩部検
査を行なっているので、この光部品に高分子フィルム2
1が密着するようにした。そしてこのままで光部品を1
時間動作させ、赤外線検出器を漏洩光に被曝させた。そ
ののち、可視光と紫外光とを遮断した状態でコーティン
グ紙22を高分子フィルム21から引きはがし、赤外線
ランプからの赤外光を露出している赤外輝尽蛍光体23
の全面に一様に照射したところ、赤外線漏洩部に相当す
る部位が暗部として観測され、光部品の赤外線漏洩部を
特定することができた。このことより、本発明の赤外線
検出器を用いれば、漏洩する赤外光が極めて微弱であっ
ても漏洩を明確に検出でき、本発明の赤外線検出器の検
出感度が高いことがわかった。
【0026】上記の各実施例ではCaSあるいはCaS
eを蛍光体母体として用い、活性剤としてはEuとSm
との組み合せを用いているが、蛍光体母体としてMg
S,CaS,SrS,BaS,MgSe,CaSe,SrS
e,BaSeおよびそれらの混合物を用い、活性剤とし
てCeとSmとの組み合せを用いた場合でも、上述の各
実施例と同様に高感度で赤外線の検出を行なうことがで
きた。また、赤外輝尽蛍光体として、スパッタ法、電子
ビーム蒸着法、MOCVD(有機金属化学気相堆積)法
などによって作成した薄膜状のもの、蛍光体粉末を有機
バインダに分散させて固定させたもの、さらには蛍光体
単結晶からなるものを用いた場合であっても、上述と同
様に高感度で赤外線を検出することができた。赤外輝尽
蛍光体として、蛍光体粉末をホットプレスで成形したも
のを用いてもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の赤外線検出
方法は、励起させた赤外輝尽蛍光体を赤外線被検出部に
所定の時間にわたって配置し、そののちこの赤外輝尽蛍
光体に赤外線を照射して赤外輝尽発光の明暗の分布を求
めることにより、検出対象の赤外線の積算被曝量に応じ
て赤外輝尽発光が弱くなるので、極めて微弱な赤外光で
あっても、暗電流やノイズの影響を受けることなく、容
易に検出が行なえるようになるという効果がある。
【0028】また本発明の赤外線検出器は、紫外線およ
び可視光線を遮断しかつ赤外線を透過する赤外透過部材
と、紫外線、可視光線および赤外線を遮断する遮光部材
と、赤外輝尽蛍光体とを有し、赤外輝尽蛍光体が赤外透
過部材と遮光部材との間に着脱可能にはさまれて保持さ
れるようにすることにより、赤外線被検出部における可
視および紫外領域の周囲光の影響を受けることなく、極
めて高い感度で赤外線を容易にかつ安価に検出できるよ
うになるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)はそれぞれ赤外輝尽蛍光体の動作原理
を説明する図である。
【図2】本発明の赤外線検出器の基本的な構成を示す模
式断面図である。
【図3】赤外輝尽蛍光体の励起波長感度特性を示す特性
図である。
【図4】図2の赤外輝尽蛍光体の赤外波長感度特性を示
す特性図である。
【図5】(a)は本発明の一実施例の赤外線検出器の構成
を示す斜視図、(b)は図5(a)のA−A線断面図である。
【符号の説明】
11 赤外透過部材 12 遮光部材 13,23 赤外輝尽蛍光体 21 高分子フィルム 22 コーティング紙

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外輝尽蛍光体に紫外線あるいは可視光
    線を照射して前記赤外輝尽蛍光体を励起し、 紫外線および可視光線を遮断した状態で、前記赤外輝尽
    蛍光体を赤外線被検出部に所定の時間にわたって配置
    し、そののち前記赤外輝尽蛍光体に赤外線を照射して赤
    外輝尽発光を起させ、前記赤外輝尽蛍光体における前記
    赤外輝尽発光の明暗の分布を求め、前記分布から前記赤
    外線被検出部における赤外線の検出を行なう赤外線検出
    方法。
  2. 【請求項2】 紫外線および可視光線を遮断しかつ赤外
    線を透過する赤外透過部材と、紫外線、可視光線および
    赤外線を遮断する遮光部材と、赤外輝尽蛍光体とを有
    し、前記赤外輝尽蛍光体が前記赤外透過部材と前記遮光
    部材との間に着脱可能にはさまれて保持されている赤外
    線検出器。
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