JPH0587590A - エンコーダ - Google Patents

エンコーダ

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JPH0587590A
JPH0587590A JP7394291A JP7394291A JPH0587590A JP H0587590 A JPH0587590 A JP H0587590A JP 7394291 A JP7394291 A JP 7394291A JP 7394291 A JP7394291 A JP 7394291A JP H0587590 A JPH0587590 A JP H0587590A
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light
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JP7394291A
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Inventor
Takeshi Sakuma
毅 佐久間
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Canon Electronics Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 メインスケールと受光手段との距離が変動し
ても常に良好なる波形の正弦波信号が得られ、高精度な
速度情報や位置情報の検出が可能なエンコーダを得るこ
と。 【構成】 発光手段からの光束をスリット状の開口部を
周期的に設けたメインスケールに投光し、該メインスケ
ールの開口部を通過した光束を所定の受光面窓形状を介
した受光手段で受光し、該受光手段からの出力信号を用
いて該メインスケールと該受光手段との相対的な移動情
報を検出するエンコーダにおいて、該受光面窓形状を該
メインスケールと該受光手段の相対的な移動方向と直交
する方向に変化させたこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は工作機械や測定器等の分
野において被測定物の直接移動状態や回転移動状態等を
検出する光学式のエンコーダに関し、特に受光手段の受
光開口部の形状を適切に設定することにより被測定物の
相対的な移動状態を安定して高精度に検出することので
きるエンコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より被測定物体の移動量や回転量の
検出を光学式のスケールを利用して行なう、所謂光学式
のエンコーダが例えば特開昭59−63517号公報や
特開昭60−140119号公報等で提案されている。
【0003】次に従来のいくつかのエンコーダについて
説明する。
【0004】図3は被測定物の直線方向の位置検出や移
動量検出等を行なうリニアエンコーダの要部概略図であ
る。同図において1は発光手段であり、光源とコリメー
ターレンズ等を有し、平行光束を放射している。2はメ
インスケールであり、被測定物(不図示)に関して設け
られており、スリット状(長方形)の複数の開口部(窓
部ともいう。)2aをピッチPで移動方向xに設けてい
る。5は受光手段(検出ヘッド)であり、メインスケー
ル2の移動状態を検出する為に2つのスリット状の開口
部(窓部ともいう。)3a,3bを有するマスク3と該
開口部3a,3bに対応したA相フォトダイオード41
とB相フォトダイオード42の2つのセンサを有してい
る。
【0005】発光手段1からの光束はメインスケール2
の開口部2aを通り受光手段5に設けたA相フォトダイ
オード41とB相フォトダイオード42に入射する。メ
インスケール2にはピッチPでスリット状の窓が設けら
れており、又マスク3にもA相フォトダイオード41用
とB相フォトダイオード42用のスリット状の窓3a,
3bを設けている。この為、A相フォトダイオード41
とB相フォトダイオード42の出力電流はマスク3の窓
部3a,3b内に照射された光量に比例する。
【0006】今、便宜上、発光手段1からの光束が完全
な平行光束であると仮定する。この平行光束がメインス
ケール2に入射すると該平行光束はメインスケール2の
窓部2aのみ通過することができる。この為、受光手段
5にはメインスケール2の窓部2aに対応した領域の光
束が照射される。
【0007】図4はメインスケール2と受光手段5との
平面概略図である。メインスケール2のx方向の窓部2
aの幅(D/2)とマスク3の窓部3a,3bの幅(D
/2)はメインスケール2の窓部2aのピッチPの半分
となっている(P=D)。
【0008】このときA相、B相フォトダイオード4
1,42の出力電流Iはマスク3の窓部3a,3b内に
照射された光束の光量に比例する。(以下この窓部の形
状を「受光面窓形状」と呼ぶ。)このためメインスケー
ル2と受光手段5の相対的な位置がx方向に変位した
時、その変位量とA相、B相フォトダイオード(41,
42)からの出力電流Iとの関係は図5のようになる。
【0009】同図に示すようにA相、B相フォトダイオ
ード(41.42)からの出力電流Iは3角波61,6
2となる。図4に示すようにA相、B相フォトダイオー
ド(41.42)のx方向の間隔は普通は(n+0.2
5)×P(nは1,2,3,…、Pはメインスケール2
の開口部2aのピッチ)である。このようにするとA
相、B相フォトダイオード(41.42)からの出力電
流Iの位相関係は図5に示すごとく90度となる。通常
このA相、B相出力(61,62)を用いてメインスケ
ール2に対して設けた可動部(不図示)の変位、速度の
計測や位置決め制御を行なっている。
【0010】例えば図5のA相、B相出力(61,6
2)を波形の中心でコンパレートした矩形波によりカウ
ンタを駆動し、これにより変位量の計測を行なってい
る。A相、B相出力(61,62)を時間微分すれば速
度の検出ができる。このときA相、B相出力(41,4
2)の波形は速度信号に大きな影響を及ぼす。例えばこ
のときの波形が所定形状より変化するとその微分波形を
変化してきて、それに応じて速度信号を変化してくる。
【0011】又、A相、B相出力(61,62)のいず
れか一方の出力を位置フィードバック信号として用い位
置決め計測する場合に波形が変化すると、このときのフ
ィードバック系のループゲインが変化してきてしまう。
このようにA相、B相出力(61,62)の波形が所定
形状より変化すると移動状態の検出精度が低下する。
【0012】しかしながら一般に図3において発光手段
1からの光束は完全な平行光束とはなっていない。例え
ば組立精度、レンズの製造精度、発光源が点光源でない
などの理由により完全な平行光束は得られない。この
他、メインスケール2の開口部2aを光束が通過する
時、回折により光束が広がってくる。
【0013】このように発光手段1から射出される光束
が完全な平行光束であれば受光手段5面上に形成される
明暗パターンは図7のようになるが、完全な平行光束で
ない為、多くの場合、図8に示すようになる。図7のよ
うな場合はA相、B相出力(61,62)は図5のよう
な3角波となる。
【0014】これに対して図8のような明暗パターンの
場合にはA相、B相出力(61,62)は図6に示すよ
うな波形となる。
【0015】この他、受光手段5面上にできる明暗パタ
ーンの形状はメインスケール2と受光手段5との間隔
(距離)によっても変化してくる。例えば発光手段1か
ら放射された光束が平行光束でなくても距離を零とすれ
ば受光手段5面上に形成される明暗パターンは図7のよ
うになる。
【0016】しかしながらこの距離を零にすること、又
は零近くにすることは構成上困難である。又メインスケ
ール2と受光手段5との間の距離は多くの場合、組立精
度の上からバラツキがある。この為、受光手段5面上の
明暗パターンが変化してきてフォトダイオード41,4
2からの出力波形がバラツキ、測定誤差となってくる場
合が多い。
【0017】図9は従来の他のエンコーダの要部概略図
である。同図のエンコーダは図3のエンコーダに比べて
受光手段5に設けたマスク31の開口部(窓)31a,
31bの位置が異なっており、その他の構成は同じであ
る。
【0018】図9のエンコーダでは組立時の取付誤差と
して受光手段5がy軸回りに角度θy 回動するとA相出
力とB相出力の位相関係がほぼ角度θに比例して変化
してくる。このような位相関係の変位は図3のエンコー
ダにおいて発光手段1からの光束が平行光束でない場合
にも同様に生じる。即ちA相出力とB相出力の位相関係
が変位してくる。
【0019】図10(A)はこのような組立上の誤差よ
り生じるA相出力とB相出力との位相関係の変位を補正
したエンコーダの要部概略図である。同図のエンコーダ
は受光手段5の前方に配置するマスク5の開口部(窓)
の形状及び位置を適切に配置している。即ちA相フォト
ダイオード41とB相フォトダイオード42は図9のエ
ンコーダと同様にz方向に配置している。同図では更に
反転A相フォトダイオード43と反転B相フォトダイオ
ード44の窓をそれぞれA相フォトダイオード41とB
相フォトダイオード42の対角方向に配置している。
【0020】図10(B)はこのときの窓状態を示す模
式図である。同図に示すように反転A相、反転B相フォ
トダイオード(43,44)からの出力がそれぞれA
相、B相出力フォトダイオード(41,42)からの出
力に対して逆となるように配置している。つまりメイン
スケール2の窓2aの幅をD/2(P=D)としたと
き、A相フォトダイオード41とB相フォトダイオード
42のx方向の間隔が(n+0.25)×P(nは0,
1,2,3,…)、A相フォトダイオード41と反転A
相フォトダイオード43の間隔が(n+0.5)×P
(nは1,2,3,…)、B相フォトダイオード42と
反転B相フォトダイオード44の間隔は(n+0.5)
×P(nは1,2,3,…)となるようにしている。
【0021】これにより組立上のy軸回りの回動誤差に
よる位相関係の誤差を補正している。次にその理由を説
明する。
【0022】まず動作について説明する。図10の各フ
ォトダイオード41,42,43,44からの出力は図
11の処理回路に入力される。このときA相フォトダイ
オード41からのA相出力61と反転A相フォトダイオ
ード43からの反転A出力63、そしてB相フォトダイ
オード42からのB相出力62と反転B相フォトダイオ
ード44からの反転B相出力64は各々差動アンプ7で
差動増幅される。そしてA相出力61と反転A相出力6
3での差A−反転A出力65とB相出力62と反転B相
出力64との差B−反転B出力66が2相のセンサー出
力となる。
【0023】このとき図10(A)のエンコーダでは第
1の利点としてメインスケール2と受光手段5の相対的
な取付誤差の角度θy の変化に対し、又両者の距離の変
化に対し2相出力の位相関係への影響は図3,図9のエ
ンコーダに比べて格段に小さくなる。第2の利点として
最終出力が差動出力となるので電気的雑音が少ないもの
となる。第3の利点として出力波形の対称性も良くな
る。次にこれらの3つの利点について説明する。
【0024】簡単にするために各フォトダイオード4
1,42,43,44からの出力を正弦波とする。そう
すると出力信号は交流理論のベクトル図で説明できる。
図11の各信号のベクトル図を図12(A)に示す。同
図において各出力61,62,63,64は理想的な関
係にある。つまりA相出力61とB相出力62は90°
の位相関係、A相出力61と反転A相出力63は180
°の位相関係、B相出力62と反転B相出力64とは1
80°の位相関係にある。又、A−反転A相出力65と
B−反転B相出力66は90°の位相関係にある。
【0025】そこで次に図12(A)の各相出力の位相
関係がずれた場合を考える。このとき4つの全ての各相
出力が同方向に同角度だけずれた場合は最終出力である
A−反転A相出力65とB−反転B相出力66の位相関
係は図12(B)に示すように90°を保つ。
【0026】又、A相出力61と反転A相出力63の位
相角が逆の方向に同じ角度だけずれた時はA−反転A相
出力65の位相角は変わらず、同様のことがB相出力6
2、反転B相出力64、B−反転B出力66についても
いえる。
【0027】そして各相出力の位相変化の状態は多くの
場合、上記のようになる傾向がある。そしてこのときに
は前述したように最終出力であるA−反転A相出力とB
−反転B相出力の位相関係は90°に保たれる。例えば
図10(A)において受光手段5がy軸回りに角度θy
の回動変化があったとする。つまり受光手段5がどこか
の点を中心として角度θy 回転したとする。この時、い
ずれの点を中心として回してもそれは4つのフォトダイ
オード41,42,43,44のほぼ中心に関する回転
と平行移動の和に置き換えられる。
【0028】平行移動における各相の位相変化は全ての
相が同じ角度だけずれるので前述のように最終出力のA
−反転A相とB−反転B相の2相信号の位相関係はほぼ
90°に保たれる。
【0029】他方、4つのフォトダイオード41〜44
のほぼ中心に関する回転により、A相出力と反転A相出
力、B相出力と反転B相出力は互いに逆方向に同じだけ
位相がずれる。この為、前述のように最終出力であるA
−反転A相とB−反転B相の2相信号の位相関係はほぼ
90°に保たれる。
【0030】以上のことは各相波形が正弦波であるとき
と正弦波でなくてもこの基本波に対しては成立するの
で、その場合も同様の効果がある。
【0031】図13はA相出力61が0電圧に対し正負
非対称であり、そのためそのゼロクロス点の間隔が一定
となっていない場合である。ここでセロクロス点とはエ
ンコーダからの出力波形と中心電圧(0V)との交点で
ある。これはメインスケール2の窓の幅(D/2)がそ
のピッチPの1/2と正確に同一でない場合、受光手段
5の上方の明暗パターンは明と暗が対称でなくなること
などにより生ずる。可動部の位置決め制御においてはこ
のゼロクロス点で位置決めするのでこのゼロクロス点が
等間隔でないと、位置決めに誤差が生じることになる。
【0032】図13に示すように反転A相出力63はA
相出力61の位相を180°ずらせたもので、ただ反転
させたものではない。その結果A−反転A相出力65は
同図(C)に示すようにそのゼロクロス点が等間隔にな
り、正、負で対称となる。
【0033】図14はA相出力61と反転A相出力63
の位相差が180°から少しずれている場合である。こ
の場合もA−反転A相出力65のゼロクロス点は等間隔
となり、波形は正負対称となる。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】以上のように図10の
エンコーダは多くの利点を有しているが、各フォトダイ
オードからの出力波形はメインスケール2と受光手段5
との距離により変化してくるという欠点がある。
【0035】又、仮にA相出力と反転A相出力が安定し
てある波形が出力したとしても、その位相差が180°
よりずれていると、それらの差であるA−反転A相出力
はそれら2つの波形とは異なる波形となってしまう。例
えばA相出力と反転A相出力とから共に3角波の信号が
得られたとしても、その位相差が180°からずれてい
ればそれに応じてA−反転A相出力の波形は3角波でな
くなってくる。そうするとメインスケール2の移動状態
の検出精度が低下してくるという問題点が生じてくる。
【0036】本発明は各要素に多少の組立誤差があって
も、又メインスケールと受光手段との距離が変化しても
受光手段からは常に良好なる波形の正弦波形が得られ、
メインスケールに関する移動状態を高精度に検出するこ
とができるエンコーダの提供を目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】本発明のエンコーダは、
発光手段からの光束をスリット状の開口部を周期的に設
けたメインスケールに投光し、該メインスケールの開口
部を通過した光束を所定の受光面窓形状を介して受光手
段で受光し、該受光手段からの出力信号を用いて該メイ
ンスケールと該受光手段との相対的な移動情報を検出す
るエンコーダにおいて、該受光面窓形状を該メインスケ
ールと該受光手段の相対的な移動方向と直交する方向に
変化させたことを特徴としている。
【0038】特に本発明では受光手段の受光面の形状又
は受光手段の前方に設けるマスクの開口部(窓部)の形
状(受光面窓形状)を従来の長方形からz方向に対して
変形することにより、メインスケールと受光手段との距
離変動に対してより安定な出力電流波形を得ている。即
ち、メインスケールと受光手段との相対的変位方向xに
対して直交する方向(z方向)の窓幅の形を正弦波形状
とし、これにより双方の距離変動に対しても安定な正弦
波形を得ている。
【0039】具体的には受光手段の前方に複数の開口部
を有したマスクを配置し、該マスクの開口部の形状を前
記メインスケールの開口部のピッチをPとしたとき、該
メインスケールと該受光手段との相対的な移動方向と直
交する方向に略sin(2π/P・x)、(但しx=0
〜P/2)に比例して変化させたこと等を特徴としてい
る。
【0040】
【実施例】図1は本発明の実施例1の要部概略図であ
る。図中1は発光手段であり、光源とコリメーターレン
ズを有している。2はメインスケールであり、被測定物
(不図示)に関して設けられており、スリット状(長方
形)の複数の開口部(窓部)2aをピッチPで移動方向
xに設けている。5は受光手段であり、4つのフォトダ
イオード41,42,43,44を有している。33は
マスクであり、移動方向と直交する方向(z方向)に幅
の異なる開口部(窓部)33a,33b,33c,33
dを有している。4つのフォトダイオードのうち41は
A相フォトダイオード、42はB相フォトダイオード、
43は反転A相フォトダイオード、44は反転B相フォ
トダイオードである。
【0041】又、マスク33の開口部(窓部)は各相の
フォトダイオード(41,42,43,44)の受光面
窓形状を決めている。本実施例の各相のフォトダイオー
ドの受光面窓形状は図2(A)に示すように正弦波形状
となっている。又メインスケール2の各開口部2aとマ
スク33の各開口部(窓)33a〜33dとの関係は図
2(B)に示すようになっている。
【0042】図2(A)に示す1相分のマスク33の窓
部の受光面窓形状は座標を図1に示す通りにとったとき
【0043】
【数1】 (Pはメインスケール2の窓2aのピッチ)の曲線によ
り成っている。
【0044】次に本実施例における受光面窓形状を用い
たとき各相の出力波形が正弦波となることについて説明
する。
【0045】図15は各相のうち、ある1つのフォトダ
イオード41が受光する際のマスク33の1つの開口部
(窓部)33aとメインスケール2の窓部2aとの位置
関係を示す説明図である。メインスケール2と窓部33
aの相対的位置はx方向に変位する。光束は紙面手前か
ら照射されているとする。更にそれは平行光束であると
する。同図で窓部33aの遮光されている部分は点線で
示し、照射されている部分はハッチングで示している。
そしてこの窓部の開口を介してフォトダイオードで受光
されたときのフォトダイオードからの出力電流Iは照射
される光の強度が均一としハッチングで示した部分の面
積に比例するものとする。相対的な変位量xとフォトダ
イオードからの出力電流iの関係は
【0046】
【数2】 となる。ここでI0 は比例定数、Sは中間変数、Pはメ
インスケール2の窓2aのピッチである。x=P/2の
とき図15(C)のように位置する。この(1)式によ
り同図(A)からメインスケール2の窓のピッチPの1
/2の変位まで計算することができる。それ以後の半ピ
ッチの変位は
【0047】
【数3】 となり、(1)式と同じとなる。
【0048】つまり、メインスケール2の変位量とフォ
トダイオードからの出力電流との関係は(1)式で表わ
される。このようにフォトダイオードの受光面窓形状を
正弦波形状とすることにより各相フォトダイオードの変
位量に対する出力電流は正弦波となる。
【0049】これは発光手段1からの光束が平行光束で
あること、つまり受光手段5面上の明暗パターンがメイ
ンスケール2を完全に転写した状態となっていて、しか
もメインスケール2の窓2aの幅が窓2aのピッチPの
1/2の場合にあるときを示している。
【0050】そこで次に一般的な場合について説明す
る。発光手段1とメインスケール2による受光手段5面
上の明暗パターンのx軸にそった明度(強度)分布をf
(x)とする。これは周期関数なので次のようにフーリ
エ級数に展開することができる。(ここで光の強度分布
はz方向には均一とする)
【0051】
【数4】 ここでiは虚数単位 nは−∞,…,−1,0,1,2,…,∞ Cn は複素数 Kは2π/Pで空間波数 Pはメインスケール2の窓のピッチ Cn =C-n * (C* はCの共役複素数) 次に受光手段5面上の光束のx方向の強度分布f(x)
とフォトダイオードの受光面窓形状からメインスケール
2と受光手段5の相対的変位量とフォトダイオードから
の出力電流との関係を求める。
【0052】フォトダイオードの受光面窓形状のx方向
に対する窓幅、つまりz方向の幅Dzを Bsin(2π/P)x (x=0〜P/2、それ以外
で0) とする。図16はこのときの窓の幅Dzを示す。
【0053】更にxに対する光の強度分布f(x)は時
間tと共にxの正方向へ速度vで移動しているとする。
このときf(x−vt)と書ける。するとそれらによる
フォトダイオードからの光電流I(t)は次式のように
なる。尚、I0 は定数である。そこで次に光電流I
(t)が正弦波となる条件を求める。
【0054】
【数5】
【0055】
【数6】
【0056】
【数7】 ‥‥‥‥‥‥‥‥(4) 以上のように(4)式より強度分布f(x)のフーリエ
展開成分((3)式)に偶数調波(nが偶数)がなけれ
ば(n=0は含んでも良い)フォトダイオードからの出
力電流波形はn=1のみもつ(直流分としてはn=0も
含む)正弦波となる。
【0057】即ち、受光手段5面上の強度分布f(x)
のフーリエ成分が偶数調波(nが偶数)を含まなければ
メインスケール2と受光手段5をx方向に相対的に速度
vで動かした時、フォトダイオードからの出力電流波形
I(t)はsin(Kvt)の形をもつ正弦波となる。
この正弦波はメインスケール2と受光手段5との相対的
変位量がP、つまり1周期で同じ1周期の変化を示す。
つまりf(x)が許される高調波、つまり奇数次調波を
いくら含んでいてもフォトダイオードからの出力波形は
正弦波となる。
【0058】次にf(x)のフーリエ成分が偶数調波を
含まないということについて説明する。
【0059】一例として図17に示すようにf(x)の
波形の中心に対して上下の波形が等しく、又左右対称に
なっている場合について説明する。
【0060】図17に示すようにx軸に対し正側の波形
と負側の波形が等しく、かつ正側の波形は中心線101
に対して負側の波形は中心線102に対して各々左右対
称となっている場合、f(x)は次のようなフーリエ級
数で表わせる。
【0061】
【数8】 ここでC0,C1 ,C3 ,C5 ,‥‥は実数 つまり波形は奇数次の調波のみ含むので、このf(x)
によればフォトダイオードからの出力電流波形は前述の
ように正弦波となる。このようなf(x)はメインスケ
ール2の窓のピッチPに対する窓幅D/2を適当に選ぶ
ことにより得られる。これは実験により窓幅=P/2=
D/2が良いことがわかっている。又このように窓幅を
選んだ場合、メインスケール2と受光手段5との距離に
より波形の対称性は大きくは変わらない。
【0062】又、f(x)として以上の性質が完全に満
たされてなくとも、フォトダイオードからの出力電流と
して、かなり正弦波に近い波形を安定して得ることがで
きる。
【0063】図1における各フォトダイオード41〜4
4からの出力電流信号として正弦波が得られると、同じ
周波数の正弦波の和はやはり正弦波となる。従ってA−
反転A相出力、B−反転B相出力は共に正弦波となる。
【0064】メインスケール2と受光手段5との距離が
少々変化しても以上説明したように各フォトダイオード
からの出力電流波形は正弦波形状を保つ。それらの正弦
波信号は最終的に図11で示す回路により差動増幅され
る。この為、従来例で説明したようにその最終的な出力
であるA−反転A相出力65とB−反転B相出力66の
2相出力は各種の外乱に強くなる。更に各フォトダイオ
ードからの出力は正弦波形を保つので、その最終的なA
−反転A相出力とB−反転B相出力(65,66)は波
形及び位相関係が悪くなるような取付精度であっても安
定した波形が得られる。
【0065】次に本実施例の具体的な実験結果について
示す。
【0066】図18、図19は図10において200μ
mのピッチPの開口部をもつメインスケール2とマスク
の開口部が長方形より成る受光面窓形状をもつ受光手段
5との組み合わせから得られる出力波形である。同図で
は最終の2相出力を示している。図18と図19の上と
下の各曲線は単に時間軸を変えたものである。図18は
前述のメインスケール2と受光手段5との距離が略0、
図19は該距離が0.3mmの場合である。両者は距離
によりかなり波形が異なっている。これに対して図2
0、図21は本発明の実施例より得られた出力波形図で
ある。図20は該距離が略0、図21は0.8mmであ
る。図20、図21に示すように両者の波形はほとんど
同じである。
【0067】図18、図19と図20、図21の出力波
形図の違いは単にフォトダイオードの受光面窓形状の違
いのみによっている。
【0068】尚、以上の実施例において受光手段5の光
検出素子としてフォトダイオードを例にとって示したが
他の光電気変換素子でも良い。
【0069】又、以上の実施例ではフォトダイオードの
受光面窓形状が図2(A)に示す場合について説明し
た。しかしながら本発明の受光面窓形状はz方向の窓幅
がsin(2π/P・x),x=0〜P/2(Pはメイ
ンスケール2の窓のピッチ)に比例していれば良く、本
実施例で示した以外の形状であっても良い。例えば図2
2に示すような形状であっても良い。又同図において係
数a,bは適当に異なっていても良い。
【0070】本発明はリニアエンコーダに限らずロータ
リ型のエンコーダでも同様に適用することができ同様な
効果を得ることができる。
【0071】又、以上の説明では受光面窓形状はフォト
ダイオードの受光面をマスクで遮光することにより構成
したがフォトダイオードの受光面自体をそのような形状
にしても良い。
【0072】更にこの受光面窓形状は本実施例に示され
た形状(sin(2π/P・x))から少しずれていて
もある程度の効果を得ることができる。
【0073】本発明は4相のフォトダイオードに限らず
図3や図9のような2相出力の場合にも同様に適用でき
る。
【0074】図1の4相のフォトダイオード(41,4
2,43,44)の各受光面窓をメインスケール2のス
リット状の開口部のピッチPで2つ以上設けても良い。
このようにすることで出力を大きくできるし、ゴミなど
の付着による影響も小さくすることができる。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば受光手段の受光面窓形状
を前述の如く正弦波形にすることにより、制御対象への
エンコーダの取付精度を要求しなくても安定した正弦波
を得ることができる。特にメインスケール2と受光手段
5との距離変化に対しても安定した正弦波を得ることが
でき、高精度な移動状態情報を得ることができるエンコ
ーダを達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の要部概略図
【図2】 図1の一部分の拡大説明図
【図3】 従来のエンコーダの要部概略図
【図4】 図3の一部分の拡大説明図
【図5】 図3の受光手段で得られる出力電流波形の説
明図
【図6】 図3の受光手段で得られる出力電流波形の説
明図
【図7】 図3の受光手段面上の光量分布の説明図
【図8】 図3の受光手段面上の光量分布の説明図
【図9】 従来のエンコーダの要部概略図
【図10】 従来のエンコーダの要部概略図
【図11】 図10の受光手段からの出力信号の処理回
路の説明図
【図12】 出力信号が正弦波としたときの各相のベク
トル図
【図13】 差動出力信号の説明図
【図14】 差動出力信号の説明図
【図15】 図1の検出原理の説明図
【図16】 図1の受光手段の受光面窓形状の受光手段
面上の光量分布との関係を示す説明図
【図17】 受光手段面上の光量分布の対称性を示す説
明図
【図18】 図10の受光手段から得られる信号波形の
説明図
【図19】 図10の受光手段から得られる信号波形の
説明図
【図20】 図1の受光手段から得られる信号波形の説
明図
【図21】 図1の受光手段から得られる信号波形の説
明図
【図22】 本発明に係る受光面窓形状の他の実施例の
説明図
【符号の説明】
1 発光手段 2 メインスケール 2a 開口部(窓部) 3 マスク 5 受光手段 33 マスク 33a〜33d 開口部(窓部)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発光手段からの光束をスリット状の開口
    部を周期的に設けたメインスケールに投光し、該メイン
    スケールの開口部を通過した光束を所定の受光面窓形状
    を介して受光手段で受光し、該受光手段からの出力信号
    を用いて該メインスケールと該受光手段との相対的な移
    動情報を検出するエンコーダにおいて、該受光面窓形状
    を該メインスケールと該受光手段の相対的な移動方向と
    直交する方向に変化させたことを特徴とするエンコー
    ダ。
  2. 【請求項2】 前記受光手段の前方には複数の開口部を
    有したマスクが設けられており、該マスクの開口部の開
    口形状は前記メインスケールと該受光手段との相対的な
    移動方向と直交する方向に変化していることを特徴とす
    る請求項1のエンコーダ。
  3. 【請求項3】 前記マスクの開口部は前記メインスケー
    ルの開口部のピッチをPとしたとき、該メインスケール
    と該受光手段との相対的な移動方向と直交する方向に略
    sin(2π/P・x)、(但しx=0〜P/2)に比
    例して変化していることを特徴とする請求項2のエンコ
    ーダ。
  4. 【請求項4】 前記受光手段の受光面を前記受光面窓形
    状と同一形状より構成したことを特徴とする請求項1の
    エンコーダ。
  5. 【請求項5】 前記受光面窓形状を前記メインスケール
    の開口部のピッチをPとしたとき、該相対的な移動方向
    と直交する方向に略sin(2π/P・x)、(但しx
    =0〜P/2)に比例して変化させたことを特徴とする
    請求項4のエンコーダ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6407378B1 (en) 1999-01-12 2002-06-18 Teac Corporation Optical encoder device using a plurality of light receiving and emitting means with the light emitting means having a lens for emitting light in substantially parallel beams
JP2007147622A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Avago Technologies Ecbu Ip (Singapore) Pte Ltd 正弦波フォトディテクタ出力信号を有する光学エンコーダ
CN113970347A (zh) * 2020-07-24 2022-01-25 大银微系统股份有限公司 光学编码器的指示光栅

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