JPH0586419A - 曲げ特性の優れた電縫鋼管の製造方法 - Google Patents

曲げ特性の優れた電縫鋼管の製造方法

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JPH0586419A
JPH0586419A JP24978491A JP24978491A JPH0586419A JP H0586419 A JPH0586419 A JP H0586419A JP 24978491 A JP24978491 A JP 24978491A JP 24978491 A JP24978491 A JP 24978491A JP H0586419 A JPH0586419 A JP H0586419A
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JP
Japan
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resistance welded
quenching
steel pipe
heating
welded tube
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Withdrawn
Application number
JP24978491A
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English (en)
Inventor
Yasuo Kimiya
康雄 木宮
Daigo Sumimoto
大吾 住本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、従来の焼き入れまたは焼き戻しす
る方法よりも鋼管の加工後の真応力σ=F×εn で表わ
される加工硬化指数n、すなわちn値を高くして曲げ特
性を大幅に改善する方法を提供する。 【構成】 成分組成が重量でCを0.10〜0.35%
含有する電縫鋼管をAc 1 +20℃〜Ac3 −20℃間
の温度に加熱し、急冷を行うことにより、組織の一部を
マルテンサイトにすることを特徴とする電縫鋼管の製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車ドア補強用の鋼管
等のように曲げ力を受ける構造部材に使用される電縫鋼
管を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車ドア補強用の鋼管は、燃費向上・
環境対策のために徹底した軽量化が検討されており、安
全性との両立を図る方策の一つとして一部部材では10
0kgf/mm2 を超える超高張力鋼管が採用されつつ
ある。一般に電縫鋼管の強度を上げる方法としては、日
新製鋼技報第48号88頁等の文献に記載されているよ
うに電縫造管後、調質、即ち焼き入れまたは焼き入れ焼
き戻しをする方法があり、実際にこの方法が自動車ドア
補強用鋼管に用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図5に、鋼管の3点曲
げを行った場合の曲げ変位Xと曲げ荷重Pとの一般的な
関係を示す。変位Aで最高荷重Pmとなり、この変位A
以上の曲げを受けると鋼管は座屈を始めるため、急激に
荷重は低下する。曲げ時の吸収エネルギーは斜線部Sの
面積で表わされる。したがって吸収エネルギーおよび最
高荷重の両点から座屈開始の変位Aが大きい方が有利で
ある。
【0004】この変位Aは調査の結果、材料の加工硬化
指数n(以下n値と称する)が大きい方が大きくなるこ
とが分かった。ここでのn値の定義は、加工後の真応力
σ=F×εn で表わされる。ここで、εは加工による真
歪、Fは材料で決まる定数である。本発明は、従来の焼
き入れまたは焼き入れ後焼き戻しする方法よりも鋼管の
n値を高くして曲げ特性を大幅に改善する方法を提供す
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨とするとこ
ろは下記のとおりである。 (1)成分組成が重量でCを0.10〜0.35%含有
する電縫鋼管をAc1+20℃〜Ac3−20℃間の温度
に加熱し、急冷を行うことにより、組織の一部をマルテ
ンサイトにしたことを特徴とする曲げ特性の優れた電縫
鋼管の製法方法。 (2)成分組成が重量でCを0.10〜0.35%含有
する電縫鋼管を熱処理後に冷間絞り加工を付加し、丸管
または角管・異形管にした後にAc1+20℃〜Ac3
20℃間の温度に加熱し、急冷を行うことにより、組織
の一部をマルテンサイトにしたことを特徴とする曲げ特
性の優れた電縫鋼管の製造方法。
【0006】
【実施例および作用】表1に示す成分の供試材を図1の
製造工程で電縫造管して得られた電縫鋼管を各種温度で
焼き入れしたものの引張り強度を図3に、n値を図4に
示す。この材料の焼き入れ時の理想臨界直径DI値は
2.3インチ、加熱時にオーステナイトが析出を開始す
る共析変態点Ac1は710℃、加熱時にオーステナイ
ト化が完了する変態点Ac3は820℃である。
【0007】
【表1】
【0008】なお、各工程の主な製造条件と熱処理条件
を以下に示す。 〈熱延条件〉加熱温度;1200℃ 仕上げ温度;860℃ 巻取り温度;650℃ 仕上げ肉厚;2.5mm 〈電縫造管条件〉造管寸法;外径38.1mm 肉厚2.5mm 高周波溶接;周波数200kHz 造管速度;60m/分 〈水焼き入れ条件〉加熱 質素雰囲気熱処理炉で15
分で所定の温度に昇温 保定時間;5分 水焼き入れ;40℃以下の水にどぶ漬け 冷却速度;100℃/秒以上(加熱温度から300℃
間) 図3および図4から明らかなように730℃(Ac1
20℃)〜800℃(Ac3−20℃)間は、Ac3を超
える温度に加熱して急冷する通常の焼き入れに比較して
強度自体大きくでき、かつn値が格段に大きくなってい
る。この理由は以下のように考えられる。Ac1以上の
温度に加熱されて最初に析出するオーステナイトが高炭
素鋼であり、この部分は焼き入れが容易で、高強度のマ
ルテンサイトとなり材料全体として高強度が得られる。
また、マルテンサイト部分以外は軟粘なフェライトであ
るために最初の変形はこの強度で決まり、YSは小さく
なる。したがって、n値が大きくなるわけてある。この
ようにフェライトとマルテンサイトの2相域で焼き入れ
を行うこと(以下、2相域焼き入れと称する)が本発明
の骨子である。
【0009】本発明法による2相域焼き入れと従来法に
よる900℃焼き入れの場合の曲げ試験特性を比較する
と、本発明の方が最高荷重は約10%、座屈開始の変位
は約20%増加し、吸収エネルギーは約20〜30%大
きくできる。なお、900℃で焼き入れした後に250
℃でテンパーを行った場合の結果を図3、図4に示す
が、強度およびn値とも低下するために曲げ特性上望ま
しくない。他の温度でのテンパーも基本的には250℃
でのテンパーの場合と同じである。
【0010】本発明の成分系は重量でCが0.10〜
0.35%の炭素鋼で適当な焼き入れ性があればよい。
Cを0.10%以上にしたのは、2相域焼き入れにより
強度100kgf/mm2 以上を容易に得るためであ
り、0.35%以下にしたのは、これを超えると延靱性
が著しく悪化するためである。また、適当な焼き入れ性
は、実施例の供試材成分にあるSi、Mn、Cr、T
i、Bの他、Mo等を適当に組み合わせてDI値を望ま
しくは1.8以上にすればよい。このようにすれば水冷
並の冷却速度で2相域焼き入れが可能である。
【0011】図2は、電縫造管後に、鋼管の寸法変更ま
たは寸法精度の向上のために冷間絞りを行う場合に本発
明法を適用した例を示す。電縫造管した電縫管は、通
常、成形時の加工歪の除去および溶接部の焼き入れ硬化
部軟化を目的に焼純または焼準を行う。しかし、加工率
が小さい場合はこの熱処理を省略する場合もある。冷間
絞りにはダイス引き抜き法とロール成形法が主として行
われており、いずれも容易に異形管が得られるため、曲
げ特性の良好な形状を選べるので本発明の効果がさらに
発揮できる。
【0012】
【発明の効果】以上の如く、本発明によれば、通常のA
3以上の温度に加熱して焼き入れする場合よりも容易
に高強度が得られ、n値も高いことから曲げ時の吸収エ
ネルギーの良好な鋼管が得られる。また、加熱温度が低
くて済むので省エネルギーの点でメリットがあり、焼き
入れ時の曲がりが小さくなる等効果が大きい。また、本
発明の2相域焼き入れは容易であるため、必ずしも高周
波加熱は必要でなく、設備費が小さくてよい等、産業上
の利用価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の請求項1記載の方法の製造工程を示し
た図である。
【図2】請求項2記載方法の製造工程を示した図であ
る。
【図3】本発明の効果を示す従来法との比較で、TSを
示した図である。
【図4】本発明の効果を示す従来法との比較で、n値を
示した図である。
【図5】鋼管の3点曲げを行った場合の曲げ変位と荷重
の関係を示した図である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成分組成が重量でCを0.10〜0.3
    5%含有する電縫鋼管をAc1+20℃〜Ac3−20℃
    間の温度に加熱し、急冷を行うことにより、組織の一部
    をマルテンサイトにしたことを特徴とする曲げ特性の優
    れた電縫鋼管の製造方法。
  2. 【請求項2】 成分組成が重量でCを0.10〜0.3
    5%含有する電縫鋼管を熱処理後に冷間絞り加工を付加
    し、丸管または角管・異形管にした後にAc 1+20℃
    〜Ac3−20℃間の温度に加熱し、急冷を行うことに
    より、組織の一部をマルテンサイトにしたことを特徴と
    する曲げ特性の優れた電縫鋼管の製造方法。
JP24978491A 1991-09-27 1991-09-27 曲げ特性の優れた電縫鋼管の製造方法 Withdrawn JPH0586419A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001062998A1 (fr) * 2000-02-28 2001-08-30 Nippon Steel Corporation Tube d'acier facile a former et procede de production de ce dernier

Cited By (2)

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WO2001062998A1 (fr) * 2000-02-28 2001-08-30 Nippon Steel Corporation Tube d'acier facile a former et procede de production de ce dernier
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