JPH0586144A - グラフト重合体の製造法 - Google Patents

グラフト重合体の製造法

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JPH0586144A
JPH0586144A JP27627591A JP27627591A JPH0586144A JP H0586144 A JPH0586144 A JP H0586144A JP 27627591 A JP27627591 A JP 27627591A JP 27627591 A JP27627591 A JP 27627591A JP H0586144 A JPH0586144 A JP H0586144A
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JP
Japan
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graft polymer
polymer
tetravalent cerium
reaction
graft
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JP27627591A
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English (en)
Inventor
Hidekazu Watanabe
英一 渡邊
Yasuyo Saito
保代 斉藤
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Mitsubishi Kasei Corp
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 2,3−ジヒドロキシプロピルオキシメチル
基を有する固体重合体とスチレン系単量体とを4価セリ
ウムイオンを触媒として水性媒質中で反応させ、反応中
4価セリウムイオンを補足して、その濃度を0.5×1
-3〜1.0×10-1mol/1000mlに保持して
グラフト重合体を得る。 【効果】 容易な操作で任意のグラフト量のグラフト重
合体が効率よく得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はグラフト重合体の製造法
に関するものである。詳しくは、機能性樹脂製造用の中
間体として有用な反応性に富むグラフト重合体を製造す
る方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】4価セリウムイオンは、それ自身が強い
酸化剤であり、アルコ−ル性水酸基などの還元性基を有
する有機物と容易にコンプレックスを形成し、これを通
じてラジカルを生成するので、例えば、セルロ−ス、ポ
リビニルアルコ−ル等の水酸基を有する重合体とグラフ
ト用単量体とを4価セリウムイオンを触媒として水性媒
質中で反応させると、比較的低い温度でグラフト重合体
が得られることが知られている(井出文雄著、グラフト
重合とその応用、第43〜69頁、高分子刊行会発
行)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グラフ
ト用単量体としてスチレン系単量体を用いた場合は、こ
のものの水に対する溶解性が乏しいために、触媒(4価
セリウムイオン)の最適濃度が低く、かつ重合領域が狭
く、しかもグラフト量が少ない等の問題があった。本発
明は上記の問題を解決し、スチレン系単量体が任意の量
でグラフトしたグラフト重合体を容易な操作により効率
よく製造することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記の目的
を達成するために検討を重ねた結果、特定の反応性基を
有する固体重合体とスチレン系単量体とを4価セリウム
イオンを触媒として水性媒質中で反応させ、かつ反応中
触媒を補足して触媒濃度を一定の範囲に保持すると、任
意のグラフト量の固体重合体を効率よく製造し得ること
を確認し、本発明に到達した。即ち、本発明の要旨は、
2,3−ジヒドロキシプロピルオキシメチル基を有する
固体重合体とスチレン系単量体とを4価セリウムイオン
を含有する水性媒質中で反応させ、かつ反応中4価セリ
ウムイオンを補足して水性媒質中の4価セリウムイオン
の濃度を0.5×10-3〜1.0×10-1mol/10
00mlの範囲内に保持することを特徴とするグラフト
重合体の製造法に存する。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
方法で使用される固体重合体としては、2,3−ジヒド
ロキシプロピルオキシメチル基[-CH2O-CH2-CH(OH)-CH2O
H基]を有する種々の固体重合体が挙げられる。例えば、
スチレン系重合体もしくは共重合体、メタクリル酸系重
合体もしくは共重合体、γ−グリシドキシプロピルシリ
ル担体等の固体重合体が挙げられる。これらの固体重合
体は、粒状、多孔質粒状、粉状その他各種の形状のもの
が使用される。
【0006】これらの2,3−ジヒドロキシプロピルオ
キシメチル基を有する固体重合体は、通常、例えば、分
子中にグリシジルエ−テル基を有する、相当する骨格構
造の重合体もしくは共重合体を硫酸、硝酸、過塩素酸等
の酸を用いて加水分解し、グリシジルエ−テル基を開裂
して2,3−ジヒドロキシプロピルオキシメチル基とす
ることにより容易に得ることができる。
【0007】グリシジルエ−テル基を有する重合体もし
くは共重合体の具体例としては、ビニルベンジルグリシ
ジルエ−テルの重合体、ビニルフェニルグリシジルエ−
テルの重合体、あるいは、これらの単量体と他の共重合
成分、例えばジビニルベンゼンとの共重合体;γ−グリ
シドキシプロピルシリル担体(3−グリシジルオキシプ
ロピルトリメトキシシラン)等が挙げられる。
【0008】グラフト用のスチレン系単量体としては、
スチレン、3,4,4−トリフルオロブテニルスチレ
ン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモス
チレン、ブロモメチルスチレン、スチレンスルホン酸ナ
トリウム、4−(4−ビニルフェニル)1,1,2−トリ
フルオロブタンスルホン酸ナトリウム等が挙げられる。
【0009】触媒として使用される4価のセリウムイオ
ンは、例えば硝酸セリウムアンモニウム、硫酸セリウム
アンモニウム、酢酸セリウム、硝酸セリウム、硫酸セリ
ウム、硫酸水素セリウム等の4価のセリウム塩の形で使
用されるが酸と一緒に使用した方が好ましい。酸として
はセリウム塩のアニオン部分と同じタイプの酸が望まし
く、例えば硝酸セリウムアンモニウムを用いた場合は硝
酸を使用し、硫酸セリウムアンモニウムを用いた場合は
硫酸を使用するのが好ましい。
【0010】本発明方法においては、グラフト重合反応
に際し、反応中4価セリウムイオンを補足して水性媒質
中の4価セリウムイオンの濃度を0.5×10-3〜1.
0×10-1mol/1000mlの範囲内に保持するこ
とが必須の要件であり、特に好ましい4価セリウムイオ
ン濃度は3.0×10-3mol〜8.0×10-3mol
/1000mlである。グラフト反応に供与された4価
セリウムイオンは、反応の経過と共に3価セリウムイオ
ンとなり有効触媒濃度が低下するので、反応中に適宜補
足して有効触媒濃度を常に上記の範囲内に保持しておく
ことが肝要であり、この点が本発明の大きな特徴であ
る。4価セリウムイオンの濃度を上記の範囲内に保持す
るには、反応開始後の適当な時期に、所要量の4価セリ
ウムイオンを間欠的または連続的に補足すればよく、補
給量に応じて任意のグラフト量のグラフト重合体が得ら
れる。
【0011】本発明の方法を実施するには、適当な溶媒
に溶解したスチレン系単量体の溶液を、2,3−ジヒド
ロキシプロピルオキシメチル基を有する所望の形状及び
粒度の固体重合体に充分に含浸させ、これを水中に均一
に分散させた後、4価セリウム塩及び必要に応じて酸を
水性媒質中の4価セリウムイオンの濃度が所定の値にな
る量で添加し、攪拌してグラフト重合反応を行う。反応
は室温でも行われるが、通常40〜80℃程度で実施す
るのが好ましい。反応の進行に伴い4価セリウムイオン
の濃度が減少するので、反応開始後の適切な時期に所定
量の4価セリウムイオンを補足して所定の濃度に保持す
る。反応後、生成物を洗浄し乾燥してグラフト重合体を
取得する。
【0012】
【実施例】以下に本発明を実施例について更に詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの
実施例に限定されるものではない。
【0013】実施例1 3,4,4−トリフルオロブテニルスチレン(スチレン
系単量体)1.0gをメチルエチルケトン4mlに溶解
し、この溶液に粒径10〜20μm、架橋度60%、窒
素吸着法により測定した表面積が248m2/gである
2,3−ジヒドロキシプロピル−4−ビニルベンジルエ
−テルとジビニルベンゼンとの共重合体からなる多孔質
微粒子1.0g(乾燥品)を加え、室温で約30分間超音
波洗浄器にかけてスチレン系単量体を多孔質微粒子に含
浸させた。この粒子を超音波洗浄器を用いて水23ml
中に分散させ、分散液を50℃に加熱した後、0.5N
−硝酸水溶液1.0mlを加え、更に0.15N−硝酸
セリウムアンモニウム[Ce(NH4)2(NO3)6]水溶液1.0m
lを添加し3時間攪拌してグラフト反応を行った。
【0014】次いで、0.15N−硝酸セリウムアンモ
ニウム水溶液1.0mlを3時間毎に7回繰り返し補足
(合計8回)した後、1000ppmの4−t−ブチルベ
ンゾイルカテコ−ルのメタノ−ル溶液10ml(重合停
止剤)を加えて反応を停止し、得られたグラフト重合体
を濾取し、熱水及びテトラヒドロフランで順次繰り返し
洗浄してグラフト重合体1.83gを得た。重量増加率
は83%であった。この重合体は赤外線吸収スペクトル
測定の結果、1798cm-1ν(−CF=CF2)、10
80cm-1、1250cm-1、1290cm-1ν(C−
F)にグラフト重合体の−CF=CF2に由来する吸収が
観測された。
【0015】この重合体の元素分析値はC:71.75
%、H:6.33%、F:12.00%であり、Fの含
有量からグラフト量を計算すると83%であり、重量増
加率と一致した。また、−CF=CF2の官能基密度(m
mol/g)は2.1であった。なお、上記の官能基密
度は下記の2通りの方法により求めたが何れの値も等し
かった。 (1) 重量増加量より求める方法: 重量増加量÷スチレン系単量体分子量×1000÷得ら
れた重合体重量 (2) フツ素の元素分析値より求める方法: 重合体重量×Fの元素分析値(%)×1/100÷Fの原
子量×3×1000 (注):(2)の式中、3はスチレン系単量体中のフツ素原子
の数である。
【0016】実施例2 実施例1において、0.15N−硝酸セリウムアンモニ
ウム水溶液1.0mlを3時間毎に7回繰り返し補足し
た代りに、3時間毎に2回繰り返し補足した(合計3回
添加)以外は、実施例1と全く同様にしてグラフト重合
体1.34gを得た。グラフト重合体の重量増加率及び
−CF=CF2の官能基密度を表1に示す。
【0017】実施例3 実施例1において、0.15N−硝酸セリウムアンモニ
ウム水溶液1.0mlを3時間毎に7回繰り返し補足し
た代りに、3時間毎に11回繰り返し補足した(合計1
2回添加)以外は、実施例1と全く同様にしてグラフト
重合体2.47gを得た。グラフト重合体の重量増加率
及び−CF=CF2の官能基密度を表1に示す。
【0018】実施例4 実施例1において用いた0.5N−硝酸水溶液1.0m
lの代りに、0.25N−硝酸水溶液1.0mlを使用
し、かつ、0.15N−硝酸セリウムアンモニウム水溶
液1.0mlを3時間毎に7回繰り返し補足した代り
に、3時間毎に2回繰り返し補足した(合計3回添加)以
外は、実施例1と同様にしてグラフト重合体1.24g
を得た。グラフト重合体の重量増加率及び−CF=CF
2の官能基密度を表1に示す。
【0019】比較例1 実施例1において、0.15N−硝酸セリウムアンモニ
ウム水溶液1.0mlを3時間毎に7回繰り返し補足す
る操作を全く実施しなかった(最初の添加のみ)以外は、
実施例1と同様にしてグラフト重合体1.18gを得
た。グラフト重合体の重量増加率及び−CF=CF2
官能基密度を表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】本発明方法によれば、容易な操作により
任意のグラフト量のグラフト重合体を得ることができ、
このグラフト重合体は機能性樹脂の中間体として有用で
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2,3−ジヒドロキシプロピルオキシメ
    チル基を有する固体重合体とスチレン系単量体とを4価
    セリウムイオンを含有する水性媒質中で反応させ、かつ
    反応中4価セリウムイオンを補足して水性媒質中の4価
    セリウムイオンの濃度を0.5×10-3〜1.0×10
    -1mol/1000mlの範囲内に保持することを特徴
    とするグラフト重合体の製造法。
JP27627591A 1991-09-30 1991-09-30 グラフト重合体の製造法 Pending JPH0586144A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000075128A1 (en) * 1999-06-06 2000-12-14 Amersham Pharmacia Biotech Ab Vinyl monomer, support matrix and its preparation
JP2011523707A (ja) * 2008-05-30 2011-08-18 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 水酸基を含まないポリマー上におけるCe(IV)で開始されるグラフト重合

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